決断の科学に関するオープンアクセス本”Real-Life Decision-Making”が出版されています。

私は時々、リンク集にあるオープンアクセス本を集めたサイトをみています。
https://directory.doabooks.org/
このトップページの右にあるDate Issuedで2020-2024を選び、本を探すのでPublication Typeをbookにして検索すると、25900冊の本がヒットします。Show Advanced Filtersとある部分の下にある歯車マークをクリックして、表示をIssue Date Descにすると新しい出版日のものから古いものへと本の表示が変更されます。こうして新しいオープンアクセス本をみていたら、こんな本があるのがわかりました。

文学と数学の関係についてのOxford大学の動画、時枝正 スタンフォード大学教授の動画などを紹介します。

YouTubeのOxford Mathematicsにも一般向けの科学講演会の動画がいろいろ公開されています。
以前紹介した様々な動画を見ることができますが(末尾のリンクをみてください)、最近の動画としては、文学を通して数学を学ぶという去年年末のクリスマスレクチャーが面白そうです。演者のSahra Hartさんはメルビルの白鯨にサイクロイドがでてくるという数学者の言葉をきっかけに、長年読むのを意識的に避けてきたメルビルの白鯨を読み始めたのだそうです。これをきっかっけに文学と数学の関係についての研究にとりくみ、最近次の本をだしておられます。
‘Once Upon a Prime: the Wondrous Connections between Mathematics and Literature’
数学が登場する文学というのは、アリストファネスの鳥(紀元前414年初演)でこのギリシャ劇にも数学への言及があるそうです。トルストイは微分積分学についてふれており、ジェームズ・ジョイスは幾何学について言及しています。ルイス・キャロルは言うまでもないでしょう。このように文学に登場する数学はいろいろあって、両方をともに楽しむことができるそうです。一度講演をきいてみてください。
A Mathematical Journey through Literature – Sarah Hart
https://youtu.be/1N_bDXyh36c?si=XIw3gWf-_DbPVQM0

また、去年の11月には、
Does Life know about quantum mechanics? – Jim Al-Khaliliという講演があったそうです。これはこのブログでおなじみのKhaliliさんの一か月前に行われた一般向け講演です。https://youtu.be/sbx95iv870g?si=Jxf18QuRy6CxbnZk
また次の日本人数学者 時枝正先生による動画は好評だそうです。

A world from a sheet of paper – Tadashi Tokieda
https://youtu.be/8p02DtmyQhU?si=Zq-ay1mnQcpL5eHX
Wikipediaによると日本で画家(6歳で二人展を画廊で開催!)として育ち、日本とフランスで文献学の研究に従事した後、ロシアの物理学者ランダウの伝記を読んだのをきっかけに数学の勉強をはじめてプリンストン大学で数学の博士号を取得。英国ケンブリッジ大学のトリニティカレッジのフェローやケンブリッジ大学の図書館長を務めた後、スタンフォード大学の数学の教授をしている数理科学者です。10か国語くらいを自由に操り、今まで合計8か国に暮らしたことがあるそうで、数学のアウトリーチ活動にも熱心で、the African Institute for Mathematical Sciences (the AIMS) の活動に大きく貢献しておられるそうです。the AIMSは次のアインシュタインはアフリカから生まれるというスローガンで活動しているアフリカの人のための数理科学の研究、教育ネットワークで、時枝先生の講義はたとえばこんなのがあります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLTBqohhFNBE_09L0i-lf3fYXF5woAbrzJ

日本語の講義をききたいですよね。調べてみると京大のOCWで以下のものが公開されています。日本語でのわかりやすい講演ですので必見です。
京大おもろトーク番外編:おもちゃモデル
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/344/
京大のOCW で見ることができますが、念のためYouTubeの動画を下に貼り付けておきます。

また物理学についての講義もYouTubeにあります。
Applying physics to mathematics by Tadashi Tokieda
https://youtu.be/tQQ3oiB32GI?si=laeVuKt0Xc5a6nFy

折り紙の昔の記事。

日本語の折り紙の本が無料公開されています―藤本修三さんの本5冊がInternet Archiveにあります。

Oxford Mathematicsの昔の記事。

Oxford大学数学科のサイトにある数学入門講義やPenroseの公開講演などを見てみましょう!

ABC予想を解決した望月新一教授の一般向けブログが更新されていました。またOxford大学教授による高校生・一般向けの量子生物学のクリスマス講義も公開されました。

望月新一先生のブログが新年をむかえて更新されています。元旦の投稿につづいて2日の投稿では、望月先生の「宇宙際タイヒミューラー理論」に対する否定的な姿勢で有名な若手の教授Z氏に関するヨーロッパの世界的に有名な一流大学の年配の教授3人からの情報の紹介をふくめて、先生の理論の現況を詳しく一般向けに解説してくださっています。ブログの更新をつたえている方のツイートを次に貼り付けておきます。


欧米と日本、あるいは欧米以外の交流について起こりがちな対立の起源について書かれていますが、たしかにこういう面もあると私も思います。

あと、YouTubeの「
最近アップロードされた動画」の項目をクリックすると、以下の量子生物学の一般向け動画が推薦されていました。これはOxford大学のPeter Hore教授による、クリスマス講演です。日本でいう高校2年生から3年生の生徒と先生、両親向けのクリスマス講義です。クリスマスにつきもののかわいいロビンの渡りの話からはじまって、バクテリアから脊椎動物、広く生物界に分布する磁気センサーの話、クリプトクロームの話、スピンによる渡りのメカニズムの理論などものすごくわかりやすく解説していて超おすすめの動画になっています。教授はMagnetoreceptionの研究で有名で、以下のweb siteに簡単な解説もありますのでご覧ください。https://www.chem.ox.ac.uk/people/peter-hore

Schools Christmas Chemistry Conference: A Quantum Christmas Robin
https://youtu.be/-u2kKBoH2xM?si=NI5W6ueuRJAV_zPe

年末は紅白を録画して、元旦の初詣は宇美八幡宮にでかけました。

今年の大みそかは、奥さんの知り合いのお孫さんがNHKの紅白歌合戦に出場するとのことで、はじめて紅白を録画してNHK plusでもみました。出演は無事に終わって好評だったようでよかったです。
初詣は元旦に宇美八幡宮にでかけました。宇美八幡宮については以前の記事を最後にはりつけておきますので詳しくはそちらをご覧ください。宇美で神功皇后が応神天皇を生んだということにちなんで、「うみ」という名前になったともいわれており、宇美八幡宮も応神天皇を祀っています。安産の神様ということで子供連れや、安産祈願の妊婦さんなども多い神社です。今年は昨年と同様に本殿の参拝は長蛇の列だったのであきらめて(神社の鳥居の外のバス通から列ができているという混雑ぶりでした!)、宇美八幡宮の中で一番古い建物で、神功皇后をまつる聖母宮に参拝しました。聖母宮の扉は25年に一度開かれて中にまつられている聖母宮神像を拝むことができます。私たちも実際拝んだことがありますが、神功皇后像である聖母宮神像は日本でつくられたものではなく朝鮮や中国で作成されて日本に持ち込まれた像だと考えられているそうです。福岡と大陸、朝鮮半島との深いつながりを示している像だといわれています。
こちらに聖母宮像の写真を載せている方がおられますのでご覧ください。https://umi8umi8.exblog.jp/28317017/

今日のリンクはIntroduction to Data Scienceという入門書の第2版が出ているというお知らせです。

ハーバード大学の講義をもとで来た教科書で、前に紹介した時は一冊本でしたが改訂版は二冊になっています。著者のGitHubからQuartoでpdfやhtml版の本を作ることができるそうです。今度やってみてうまくいったら方法を紹介することにします。

日本最古の城址のある町を紹介します。

トロント大学が所蔵する日本語の本がInternet Archiveで読めるのをご存知ですか?

今日はInternet Archiveで読める日本語の全集を紹介します。以前書いたと思うのですが、私が英国Cambridgeに留学していたとき、Cambridge大学図書館も使えるようになったので暇をみては訪れていました。蔵書には日本語の全集もいっぱいありました。日本語のシェークスピア全集とか漱石全集とかもあってさすがケンブリッジ大学だと感心したのを思い出します。このように海外の大学図書館にはいろいろ古い日本語の本が所蔵されています。Internet Archiveで検索言語をJapaneseに指定して検索すると、カナダのトロント大学の蔵書(University of Toronto Cheng Yu Tung East Asian Library )がネット公開されており、そこに夏目漱石全集とか寺田寅彦全集、芥川龍之介全集、新井白石全集、小泉八雲全集などいろんな日本語の全集があることがわかります。群書類従とかもあるのでびっくりです。

夏目漱石の行人がのっている漱石全集の巻へのリンクを例にあげておきます。
https://archive.org/details/ssekizensh088800uoft/page/n3/mode/2up

https://archive.org/details/chengyutung
からは、日本語をふくめたUniversity of Toronto Cheng Yu Tung East Asian Libraryのネット公開されている資料が全部みられます。
これらの本は、様々な型式でダウンロードすることができるので一度ながめてみるとよいでしょう。

ラジオの語学番組などを録音する無料ソフトの探し方と使い方

昨日紹介したようなストリーミングで配信している、ラジオ番組の録音方法についてはいろいろありますのでネットで探してみるとよいでしょう。すぐに思いつくのは、PCで再生中にOBS Studioを起動しておいて録音するという方法です。これは簡単でうまくいきます。他の方法はないだろうかと、Google検索すると有料のソフトがいろいろヒットしますが無料のソフトを探すほうがよいです。なにかのやり方をGoogle検索すると、すぐに無料ではこんなソフトがあるがややめんどうなので、こちらの有料ソフトをお薦めするというたぐいのページがぞろぞろヒットします。これはアフィリエイトや会社のマーケッティング用の広告ページです。こういうページがある場合は、ほとんど優秀な無料ソフトがあってそれで問題は解決するものです。私はたいていの場合、こういう有料ソフトのページは読み飛ばして、GitHubなどにコードが公開されているような無料で動くソフトを探すようにしています。検索キーワードにGitHubを追加するだけですのでやってみてください。他の方法として最近では、ChatGPTなどLLMにPythonコードをつくってもらったりするのも はやっていますね。試してみるとよいでしょう。

さて今回はGitHubという検索キーワードを追加して検索して見つけた無料の録音ソフトを紹介します。(他にもGitHubにコードが公開されているソフトや、シェルスクリプトなども見つかりますのでそれらを使うのもよいかもしれません。)以前、NHKの語学講座を聴くときにはCapture Streamというソフトを使っていました。これはもう動かなくなっていて使えませんが、その後継のソフト Capture Stream2というのがあるのを今日知りました。
https://csreviser.github.io/CaptureStream2/

これはWindows10以降とMacOSに対応している無料ソフトで、NHKの語学番組でストリーム配信しているものをダウンロードすることができます。またその他の見逃し配信しているラジオ番組もダウンロード可能です(やり方は後述)。ソフトをインストールして起動すると、デフォルトで「小学生の基礎英語」、「中学生の基礎英語レベル1」、「中学生の基礎英語レベル2」、「中高生の基礎英語in English」、「ラジオ英会話」、「ラジオビジネス英語」、「ニュースで学ぶ「現代英語」」、「英会話タイムトライアル」、「ボキャビルダー」、「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」の合計10番組のダウンロードボタンがついています。

また8つの任意の番組のダウンロードボタンを自分で設定できるようになっています。ソフトを起動してでてくる画面の最上部にあるカスタマイズと書いてある部分をクリックすると、任意番組設定問い言う項目が選べるので選びます。すると「らじる番組1」から「らじる番組8」までの設定窓がある画面がでてきます。設定窓にはあらかじめ0953_01 (これは「まいにちフランス語【入門編】」をダウンロードするための番組IDです)とか、0943_01(これは「まいにちドイツ語【入門編】」の番組IDです)などの番組IDが記入してあります。このIDを自分の録音したい番組のIDに変えればOKです。たとえば昨日紹介した「科学と人間」の番組IDを探しましょう。まず「聴き逃し番組を探す」というタイトルのページにアクセスします。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/
このページから自分の録音したい番組を探します。上から順番にみていってもいいですし、ジャンル別、50音別で番組を探すこともできます。50音別の検索で「科学と人間」を探す場合、カ行の部分をクリックして、探します。すると「カルチャーラジオ科学と人間」というのが見つかるのでクリックします。開いたページのurlの末尾が探していた番組IDです。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=3065_01
この番組の場合、3065_01がIDなので、これを先ほどのCapture Stream2の任意番組設定のメニューにある「らじる番組1」の0953_01の部分に上書きすればOKです。「まいにちフランス語【入門編】」のボタン名が、「科学と人間」に変わったら成功です。上書きするのは他の番号の「らじる番組」のウインドウでもかまいません。この要領で、自分の好きな番組のダウンロードボタンを8個つくれます。参考までに、8367_01は「朗読の世界」、8062_01は「朗読」の番組IDです。後者には、「朗読 上白石萌音が読む 辻村深月「『妹』という祝福」 」など面白そうな朗読がそろっています。
お正月ですので、面白そうな番組を見つけて聴いてみてください。今年もよい年になりますように。

数学者岡潔の生涯と業績についての、高瀬正仁先生によるNHKカルチャーラジオの講演が聴けます。

以前紹介したように、九州大学におられた数学者の高瀬正仁先生がNHKのカルチャーラジオの科学と人間という番組で、以下の連続講演をしておられます。

https://www.nhk.jp/p/rs/XKR4W8GY15/list/?pastOffset=20
12月29日に放送された、岡潔についての講演の回(第13回=シリーズ最終回)が再放送で聞けますので、興味のある方はお聴きください。岡潔の生涯、留学先での先生とのやりとり、数学上の発見とその意義などわかりやすく解説してくださっています。高瀬先生は様々な数学者の業績を多くの本にまとめておられます。また岡潔についても評伝や岡潔の数学の専門的解説書、岩波新書などいろいろ書いておられます。

NHKのラジオ番組の聴きのがし配信については11月の以下の投稿をご覧ください。以下にあるリンクから、第6回から13回までの放送は聴くことができます。ただそれぞれ公開期限が設定されていて、第6回は1月5日午後9時で配信終了、第7回は1月12日午後9時で配信終了となっています。第8回以降もそれぞれ一週間ごとに配信終了になりますので聴くなら急いでください。

NHKのラジオ番組が聴けるらじるらじるの聴き逃し配信で高瀬正仁先生の数学史の番組が聴けます。おすすめです

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

あけましておめでとございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
これを書いている途中で大きな地震と津波の報道がとびこんできました。被災したり今現在避難している皆様にお見舞い申し上げます。
余震が続きますがお体に気をつけてお過ごしください。私たちも玄海沖地震や熊本地震など余震が長く続く経験があります。余震で全然寝られないという学生さんもいましたし、揺れてないのに揺れている気がするという学生さんもいました。ゆれるたびに夜中に子供を抱きかかえてドアを確保していた人もたくさんいました。元旦そうそうの地震だったので、帰省して皆さんで久しぶりにゆっくりしていた方も多いと思います。被害がすくないことと、これから最小の被害で今回の地震と津波をのりきれることをお祈りしております。

昨日の大晦日の話を書こうとしていたのですが、やめて一つYouTubeの動画を紹介しておきます。
よびのりさんの昨日アップロードされた動画です。108冊というのは除夜の鐘の数からきているのでしょうか‥‥‥??
おすすめの教科書を108冊紹介します【理系大学生必見】予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
https://youtu.be/PnjhP_lAOK4?si=NxkmYchCiahV1QPX

物理出身のよびのりさんが生物学の教科書としてはどんなのを紹介されているのかなと思ってみて生物学の教科書の部分をまず見ました。
なるほど、物理の人が読める教科書の紹介でした。その動画の部分でよびのりさんが生物物理専攻だったのを知りました。
https://www.youtube.com/watch?v=PnjhP_lAOK4&t=3231s

望月さんが編集した本とか熟読されたそうで、なるほどと感心しました。ただ一つだけ物理の人に気を付けてほしいことがあります。私のように生物学出身のものからみると物理の人は一般に、生物学の学説や技術・手法を無批判にうのみにしやすい弱点があると思います。
Xでのツイートなどを見ていると、ものすごく偉い物理学の先生でも、生物学となると生物学についての解説をうのみにしてしまうする傾向があると思います。私から見ると、自分が理解できて納得できたら、その生物学についての学説や技術の説明は正しいと思い込んでしまうという恐ろしい弱点です。物理の人は、ちゃんとしたデータが与えられて論理的に理解できるように組み立てられた生物学のプレゼンをされると、生物学的に???と思われてつっこみどころがいろいろある学説でも、自分が知らなかったことが、こんなによく理解できたのに感動して、うのみにするという弱点をお持ちです。第一原理から論理的にくみたてられる物理学の理論を議論するのと違い、生命現象はゆらぎや、ネットワークが組み合わされていることに留意してほしいのです。「生きもののしたたかさ」 というのは私の先生だった岡田節人先生の京大退官時の最終講義(先生は京大を退官して岡崎の基礎生物学研究所の所長、機構長、日本発生生物学会会長、国際発生生物学会会長を務められました)のタイトルですが(註参照)、生命のもつ重要な側面を言い表しているよいタイトルです。あるインプットを生命システムに与えると、いままで眠っていたシステムが呼び起されることもあるでしょう。またインプットに応じて生物が示す応答が、環境やエピジェネティックなシステムによって個体ごとにそして個体の状態ごとに異なることもよくあることです。こうした生命の応答の搖動や可塑性、ゆらぎ、したたかさというような応答を頭に入れたうえで、生物物理の研究をしていかなくてはならないと、私は思っています。具体的な話はまた日を改めて書こうと思います。今年も皆様にとって素晴らしい年となりますように!!

註;1985年3月23日実施された岡田先生の退官記念講義で、内容は岩波書店の雑誌 科学 (55巻、第8号、9号)所収

本年もこのブログを読んでいただいてありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

本年もこのブログを読んでいただきましてありがとうございました。閲覧数も順調に増加しています。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今日は、今年読んだ本を一冊紹介します。
今年の初秋に京都に出かけた時、京大医学部で教授の先生が稲盛和夫(1932年生- 2022年没)さんとの死生観や生命観について対談したときの経験を熱く語ってくださいました。それで京都の大垣書店でいろいろ稲盛さんの本を眺めて購入したのが『京セラフィロソフィ』(サンマーク出版)という本です。オンラインで立ち読みもできますので読んでみてください。https://www.sunmark.co.jp/pr/inamori/phi/

稲盛さんについては京セラやKDDIを創設しJALを再生させた偉大な経営者というのは知っていましたが、山中 伸弥先生との対談本以外は稲盛さんの本を読んだことはありませんでした。山中先生との対談本はなかなか面白かったので文庫本で安いですから一度読んでみることをおすすめします。
『賢く生きるより 辛抱強いバカになれ』稲盛 和夫 / 山中 伸弥 ISBN:9784022618962 定価:704円(税込)朝日新聞出版社という本です。https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18879

今回読んだ、『京セラフィロソフィ』は出版社の宣伝通り、座右の書となりうる本だと感じました。稲盛さんについては、「カルト資本主義」(斎藤貴男、文春文庫)という本で、オカルトチックであるという酷評を読んだことがあります。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167443023
稲盛さんは僧侶にもなっておられたはず(在家得度)ですので、宇宙と一体化するというようなスピリチャルな考えをもっておられたことが本文からもうかがえます。しかし一読して、そういう面がある人の本だからと、この本を手に取らないのは結果的に、大きな損失になると思いました。全体としては、きわめてよい本だと思います。特に理系の研究室のリーダーになる人には是非とも若いうちに読んでおいてほしい本です。研究室を経営していくときの心構え、そのときに直面する困難、ポスドクやラボのメンバーの処遇や不満に対する対応の仕方などを、自分で考えて実行していく際の参考書として、とても役立つ本です。私も、もっと早くこの本を読んでおればよかったのにと思いました。時間があるときに是非手に取ってみてパラパラ読んでみることをおすすめします。

写真は今夜、散歩にでかけたとき撮った、恒例の年末・年始のイルミネーションです。毎年12月の半ばから1月の7日あたりまで近所の丘で点灯されます。
とてもきれいで子供たちに大人気で、多くの人が夜 見に出かけています。

BBCで放送されたばかりの英国王立研究所のAIについてのクリスマスレクチャー(全3回)が全世界向けに公開されました!子供にもわかるAIレクチャーは必見です。

The Royal Institutionのクリスマスレクチャーが公開されました。実施後、BBCで英国内で放送されたあと、全世界向けにYouTubeで公開されたものです。
今年はAIについてのクリスマス講義で、対象は一般向け(子供以上が対象)です。一時間程度の講演が連続3回です。クリスマスレクチャーは1800年代はじめから続いているイベントで、マイケル・ファラデーの「ロウソクの化学」の有名な本も、彼の1848年のクリスマスレクチャーを書籍化したものです。ファラデーはなんと生涯で19回もクリスマスレクチャーをしたという前人未到の記録をもっています。このあたりのクリスマスレクチャーの歴史にについては、こちらのサイトを見てください。
https://www.rigb.org/christmas-lectures/history-christmas-lectures
ことしのクリスマスレクチャーの動画を以下に貼り付けておきます。

The Truth about AI 2023 Christmas Lectures with Mike Wooldridge
一回目
https://youtu.be/l0gZAlZgI34?si=TRDQC91RaRnMqtYG

脳やニューロンの紹介につづいて、機械で脳の機能を再現できるかという話に移り、IPU (intelligene processing unit)を手にもって話が進みます。IPUというのはAIにつかわれているGPUをしのぐ性能をもつプロセッサーでGPUより安く高性能だそうです。事故で腕と足の一部を失った女性Sarah de Lagardeさんが登場して、AIで動くバイオニックアームの動きを見せてくれるのが、AIの進歩を示す最初の例となっています。彼女についてはChatGPTにきいてみていろんなネットの記事を知りました。たとえばこんなサイトをご覧ください。https://www.itv.com/news/london/2023-09-06/first-ever-mind-reading-ai-bionic-arm-given-to-woman-run-over-by-tube
その後、Turingの話が続きTuring testの話もでてきます。会場には子供たちがいっぱいで、大変わかりやすく工夫された講演です。字幕もついていますので是非、年末に楽しんで見てください。

2回目
https://youtu.be/Ib9cCztutBo?si=Ia7uf8LBwJrnyfst

3回目
https://youtu.be/B3IeRplsYXw?si=bU3AE5fF-mO6uyrh