コロナ感染拡大にともない公開されている無料で使えるサービスのいろいろ(4/18追記あり)

今日はコロナで外出できなくなっている人のために公開されている、面白そうな無料サービスをいくつか紹介します。

Ohmshaからマンガでわかる免疫学という本その他が無料公開されています。4月19日まで無料公開ということなので急いでご覧ください。(無料公開は終了しています)自然免疫とは何かとか、コロナウイルス感染の報道を理解する上での基礎知識です。(九大の人はMaruzen eBook Libraryにログインしたら読めますし、50ページづつのダウンロードも可能です。)同じサイトに公開されている本には、算数の本とかコスプレ入門とかもあって面白そうです。

英語で書かれた線形代数の教科書Linear Algebra Done Right (Sheldon Axler著、Springer)が演習問題解答やスライドなども含めて無料でダウンロードできます。本はSpringerのコロナ感染拡大にともなう無料公開措置で7月末までここからダウンロードできるそうです。https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-11080-6 また、スライドやビデオは、ここにあります数学のお好きな方はこの本はおすすめです。物理や化学の人にはこんなのはどうでしょうか。Linear Algebra and Analytic Geometry for Physical Sciences (Giovanni LandiとAlessandro Zampiniの共著。)これもSpringerが公開してくれている本です。もっといろいろな本がコロナ流行にともないSpringerから公開されています。リストは下のほうに載せてある九大の公開しているリンク集からダウンロードできます ( 九大図書館のリンクは今日ー4/18ーみたところ消えていたので下のほうにあるリンクあるいは、こちらをご覧ください。日本語でのアナウンスはここです。リンク集のExcelファイル中に本の名前とダウンロード用urlなどがのっています)。

私は一昨日、下のリンク集にあるサービスで大図書館にログインして使えるサービスAcademic Video Online(授業や自学自習に役立つ質の良いビデオコンテンツを61,000件以上収録している、ストリーミングビデオのデータベースです。2020年6月30日まで特別トライアル)というのを試してみました。いろんな教育関係のビデオがあるのですが、BBCの番組が多いのに気づき、では昔BBCのHorizonという番組でやっていたというドラマLife Storyがないかなと探してみました。ありました!これはDNAの二重らせん構造を解明した科学者たちの競争と研究の様子をかなり忠実にたどった感動のドラマです。昔、数万円でビデオが売られていたのですが高くで買えませんでした。無料トライアルの今ならその番組が英語字幕付きでみられます。契約している大学も多いと思いますので、アクセスできる方は是非ごらんください。舞台はLondonとCambridgeですが、私がいたCambridge大学の研究室は昔Watson, Crickが研究していた旧キャベンディッシュ研究所の隣にありました。ワトソンが音連れたことがあるプレハブもあって、のぞいていたのを覚えています。この番組は Crickによるとかなり忠実に史実をなぞっているとのことで、Watsonの二重らせんという本を読むより、最初このドラマをみるほうが感動が深いのではないかと思いました。ブラッグとロザリンド・フランクリンが、完成した二重らせんモデルを身にやってきて二人で語り合う最後の場面は感動です。(写真はケンブリッジのMRC分子生物学研究所のノーベル賞関係展示にかざってあったWatsonとCrickが作ったDNAの模型です。ドラマにもこの模型が登場します)
この番組はロザリンド・フランクリンの協同研究者で彼女を良く知るAaron Klug(MRC LMBの所長だった方で、ノーベル賞受賞者)も作成に協力しており、実際こんな会話がかわされたのかもしれないと思われます。Klugさんはロザリンドフランクリンは本当に偉大な科学者だったと語っていたそうです。MRC LMBには彼女とKlugさんが研究していたタバコモザイクウイルスの模型が飾ってありました。(下の動画ですがAcademic Video Onlineの動画リンクなので、認証失敗とかの表示がでて絵がでないときは無視してください。ログインできる人はログインして鑑賞してください。同じ動画はDailymotionにもだれかがアップロードされていますが、字幕抜きなので聞き取りにくいかもしれません。Part 1とPart 2にわかれているようです)

Life Story

ブラッグ:模型を前にしてフランクリンにIt looks as if they have got it right.
フランクリン:Yes.
ブラッグ:I’ve given my life to crystallography.I never thought I’d live to see this.
フランクリン: It’s your work too.
ブラッグ:And yours.
フランクリン:And mine.
ブラッグ:I know how you must feel. I’m sorry.
フランクリン:I might have seen it, but I didn’t. I see it now.
ブラッグ:This race, this winning and loosing, it’s not the way I was taught to do science.
フランクリン:It doesn’t matter. モデルをあおぎみて、This is what matters.
Life is the shape it is for a purpose. When you see how things really are, all the hurt and the waste falls away. What’s left is the beauty.

様々な大学の図書館のホームページには、自宅から使える様々な便利なサイトが載っていると思いますが、コロナ感染拡大にともなってさらに新しいサービスが無料で使えるようになっているので是非大学の図書館のホームページを見てください。たとえば九州大学の図書館のニュースページをみると、先日紹介したCambridge University Pressの無料で教科書で読めるサービスへのリンクがでていますし、様々なサービスが無料で使えるようになっているのがわかると思います。九大図書館が新設した「新型コロナウイルス感染症対応 特設ページ」には上のリンク集以外にいろいろ参考になるリンク(ログインしなくても使えるサービスも含む)がありますので学外の方もふめてご参照ください。ログインなしで無料で使えるサービスリストも同じところにでていますので九大以外のかたも是非ニュースページをご覧ください。たとえばこんなのがのっていました(九大図書館のニュースから引用。詳しくは上のリンクを参照してください。)


期間限定の無料アクセスなど(認証不要)

※新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、各社のご厚意により提供して頂いております。

Project MUSE
50以上の出版社の電子ジャーナルと電子ブックを無料で提供しています。
出版社及びアクセス可能範囲・期限の一覧
おおむね2020年6月30日まで無料アクセス。

Annual Reviews
全ての電子ジャーナルを無料で提供しています。
2020年4月30日まで無料アクセス。

Royal Society
全ての電子ジャーナルを無料で提供しています。
当面の間、無料アクセス。

雑誌記事索引データベース ざっさくプラス
2020年5月31日まで無償公開。

Springer
教科書などを無料で提供しています。
タイトルリスト
2020年7月31日まで無料アクセス。

ACM Digital Library
2020年6月30日まで無料アクセス。

自宅で手軽にみられる生命科学系のビデオの紹介です―コロナウイルスに負けずに日本生化学会での有名な先生がたの講演をみましょう!

コロナウイルスの感染で遠隔授業が始まったりしている学校も多いと思います。またテレワークしておられる方も多く、自宅に新しい椅子を買ったという人も多いそうです。福岡はもうすぐ緊急事態宣言がでそうですが天気がよくて空が青く、満開の桜が息をのむほどきれいです。写真は車で通りかかったとき撮影した山際の桜の写真です。丘の上と丘の周りをとりまいている桜がきれいでした。
さて今日は自宅で手軽にみられる生命科学系の科学講演会のビデオを紹介します。日本生化学会が以下のページで近年の日本生化学会大会でのシンポジュウムの講演13本を公開しています。生命科学、免疫学、細胞生物学、医学の日本語での講演ですのでちょっと背伸びをして最先端の生命科学の講演をききたい高校生や中学生、そして一般の方々にも最適のビデオです。コロナに負けないで勉強するのには絶好の番組ですので、是非ご覧ください。講演者はノーベル賞をもらわれた大村 智 (北里大学北里生命科学研究所)先生、山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所)先生、大隅 良典(東京工業大学 科学技術創成研究院)先生、本庶 佑(京都大学高等研究院)先生、そしてノーベル賞候補の先生がたです。
Vimeo日本生化学会チャンネルに動画がありますのでご覧ください。

以下に生化学会の会長からのメッセージの一部を転載しておきます。

「生化学会のホームページ(http://www.jbsoc.or.jp/)の右上のバナー(日本生化学会チャンネル)にConBio2017のプレナリーレクチャー10編の動画と2018年第91回生化学会大会(京都)の特別講演3編の動画を配信しています。内容は専門的ではありますが、このような(外出自粛要請が発出されている)機会に、日本を代表する最先端の科学研究の成果を高校生や市民に知っていただくことも、私共の活動の一つかもしれません。現在、生物科学学会連合を通して、これらの講演動画の存在を知っていただくように、スーパ―サイエンスハイスクール等に連絡をしていただいているところです。会員の皆様におかれましては、研究室や自宅でご覧になることに加えて、生化学会関係者以外の方に、この存在をお伝えいただければ幸いです。終息への道筋はまだ見えませんが、私達は、新型コロナウイルスの性状を正しく理解し、その感染拡大を防ぐための適切な行動をしながら、なすべき活動の質と量を低下させることなく継続できる教育者・研究者の集団です。会員の皆様方が協力して、この難関を乗り切られることを心から願っています。 日本生化学会 会長 菊池 章」

桜が満開です―ABC予想の解決のニュースがとびこんできました!

コロナウイルス対策のための自粛で、オンライン講義の用意や自宅での勉強、テレワークなどがあちこちで続いていますが皆さんお元気でしょうか。

今日は明るいニュースとして、京都大学数理解析研究所の望月新一教授のABC予想の解決の論文が、査読を終わってアクセプトされたという記事が目をひきました。望月先生のブログによると、だいぶ前に査読が終わって肯定的な査読結果を知らされたにもかかわらず、アクセプトもリジェクトもされずにずっとほったらかしの状態がつづいていたそうですが、ほったらかしにされていた雑誌をやめて別の雑誌にアクセプトされたようです。今回証明されたのは弱いABC予想と呼ばれるもので、これが証明されたことにより、実効版モーデル予想、シュピロ予想、フライ予想、そして双曲的代数曲線に関するヴォイタ予想が自動的に正しいと証明されるそうです。また今回は証明されていませんが強いABC予想というものが正しければ簡単にフェルマの最終定理の証明ができるそうです(下に書いている加藤先生の本150ページあたりより)(下線部は4月3日10時すぎに追記)。この弱いABC予想を証明するために構築されたIUT理論はとても独創的な画期的なもので、地動説や量子力学と同じほどのインパクトを与える理論のようです。この未来からきた論文と言われた論文を理解して理論に習熟している人は現在、世界で10人程度だそうです。この理論についての解説は「宇宙と宇宙をつなぐ数学IUT理論の衝撃」(加藤文元著・角川書店)にあります。私も去年の春、購入して読みました。興味のあるかたは是非ご覧ください。YouTubeに加藤先生の解説動画(日本語)もでていますよ。

それから望月先生のブログですが、全部に目をとおされることをおすすめします。紅白歌合戦や逃げ恥などテレビ番組のことが先生の理論や学問観に絡めて議論されています。またここ(ブログ記事へのリンク)には、英語で論文を書くことについて定冠詞、不定冠詞のことなどもふくめて面白い記事がのっています。先生はラテン語、ギリシャ語、サンスクリット語なども学ばれたようで、冠詞のない言語もあること、語順がSOVという言葉もあることなどいろいろ面白いことが学べます。そしてなにより、学問をするうえで英語ができることより大切なことについての議論、水村美苗さんやカズオ・イシグロの小説についての議論などにとても感銘を受けました。

下は今日撮影した公園に咲く桜の写真です(クリックして拡大可能です)。福岡も土日は外出自粛要請がでているので今日は桜を見に近くの公園にでかけました。田舎ですので人はまばらです。