ChatGPTの使い方についての良い動画を紹介します。またChatGPT Plusでのオプトアウトをやってみました。

ChatGPTの有料版 ChatGPT Plus (月額20ドル)を契約して使ってみています。
Chat GPTという言葉の起源ですが、Chatは、人と会話するように設定されたAIであることを示し、GPTはGenerative Pre-trained Transformerの略で、Open AIという会社がつくった四兆語をこえる言語データで訓練した大規模言語モデルGPT-3を利用して動いていることを示しています。ChatGPT PlusではGPT-3.5がデフォルトで、最近ではオプションで新しく改善されたGPT-4が使えるようになっています(使用にすこし制限があります)。

専門の糖鎖科学のこととか、科学関係の質問をしてみると答えはけっこういいかげんなものだとわかります。ただもとは機械翻訳を目的に開発されていたトランスフォーマーという新しいニューラルネットワークを利用している深層学習モデルなので、文章の作成や校正、要約、翻訳などは大変優秀にこなすと思います。ちょっと英文法の問題などを解いてもらったりしていたのですが、高難度の問題も正確に解けるのがわかりました。そしてどうしてそんな答えになるのかと聞いてみると、的確に理由も述べてくれるのがわかりました。英語を道具として使うのには最適のAIです。このあたりの特徴を掴んで、ChatGPTを使ううまいやり方を教えてくれる動画がありますので紹介しておきます。
「あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線」という動画です。
https://www.youtube.com/live/ReoJcerYtuI?feature=share


このChatGPTは、利用者が入力したデータをトレーニングに利用する場合があるとされています。またChatの内容を技術者が見る場合があるとも書かれています。それで安全のためにトレーニングへの利用をしないようにする(オプトアウト)ことが必要な人もいると思います。ChatGPT Plusではオプトアウトが可能です。今日、それをやってみました。やり方はChatGPT Plusにログインして、 FAQの部分でOptoutをどうするのかという質問を探します。そこにあるリンクをクリックすると、Opt outフォーム (Open AI Opt out Requestというフォームです)が開きますのでそれにemailアドレス、Organization ID、Organization Nameを記入して送信すればOKです。IDとNameはOp out用のフォームの該当部分にある Account Org Settingsというリンクをログインした状態でクリックすると開くページに書かれています。それをコピペすればOKです。送信ボタンを押して送信するとメールアドレスのOpt outのメールがとどきます。今日はそこまでで本当にオプトアウトされているのかはわかりません。

以下のページにはオプトアウトの方法がのっています。オプトアウトフォームの日本語は意味不明なものもありますが、実際のフォームをみるときの参考程度には使えるかと思います。https://www.gamingdeputy.com/jp/windows/chatgpt-%E3%81%A7%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%92%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95-2/

SF映画の金字塔 インターステラ―の紹介です。

今日は映画の話です。
Interstellarという映画をご存知ですか?2014年製作のSF映画で最高傑作という人が多い映画です。特にブラックホールの映像などの迫力はものすごくて、映画館でみるのがおすすめという有名な映画です。Amazon Prime Videoとかその他の色々なストリーミングサービスでもみることができます。見ていないかたは一度ご覧になることをおすすめします。
https://youtu.be/OA3Txp94pjs

この映画、監修はKip Thorneさんです。この人は物理学者で、前に書いたこと(2022/7/26 の記事)がありますが、Carl SaganがSF小説「コンタクト」を書くときにワームホールを使うというプロットを、物理学面からアドバイスしたのでも有名です。解りやすい物理学の啓蒙書の著者でもあります。2014年にはこの映画Interstellarの科学監修をつとめており、ブラックホールが実際にどの様に見えるかを一から計算してその結果の映像が映画では使われているそうです。いままでのブラックホールの映画とは全く違う、科学にもとづいた映画になっています。Kip Thorneさんは重力波検出の物理学への貢献により2017年度のノーベル物理学賞を受賞しています。https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2017/thorne/biographical/
この映画についての本も書いています。The Science of Interstellar というタイトルでKindle版もあるようです。以下はスタンフォード大学でのThorneの講演で本の内容の解説だと思われますので、興味あるかたはご覧ください。
https://youtu.be/vNFBpKm1O9Y

 

創薬で、リガンドがタンパク質に結合するように薬を設計する時に考慮すべき、最も重要な結合は何でしょう?

創薬で最初に考慮すべき結合は何でしょうか?薬が目的とするタンパク質と結合するかどうかを検討するときに考慮すべき結合の種類にはどんなものがあるでしょうか。答えは水素結合です。
2017年にでたこの論文では、タンパク質とリガンドの相互作用が登録されているPDBデータベースの一万組以上のデータを分析してどのような結合相互作用がどれくらいの割合でみられるかを検討しています。
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2017/MD/C7MD00381A
この論文では全部で7つの相互作用をリストしているのですが、以下のブログの筆者は、論文で疎水性相互作用(疎水結合)とひとくくりにされているタンパク質・リガンド相互作用を再検討して、以下の6種類の相互作用が重要だと結論づけています。

 PDBのデータからわかった6種の相互作用の割合は以下のとおりだそうです。

Hydrogen Bonds – 79%
pi-pi Interactions – 8%
sigma-sigma interactions – 6%
cation-pi interactions – 2%
sigma hole bonds – 0.3%
pi-hole bonds -0.1%


以下のブログの記事を参考にしてください。https://mcconnellsmedchem.com/2023/03/18/the-six-molecular-interactions/

無料でコンピュータサイエンスを学べるサイトの紹介です。

このところ毎晩、量子生物学の初のゴードン会議の前に開催されている量子生物学入門講義シリーズにzoomで参加しています。夜の2時過ぎまであるのでやや疲れますが面白いです。昨日の講義は三番目の演者が公表されていなかったのですが、なんとサプライズでノーベル賞受賞者の、Rudolph A. Marcus先生の講義がありました。タイトルはApplication of electron transfer theory to group transfers in biological motors:single molecule experimentsというものでした。先生は現在カリフォルニア工科大学教授で
http://chemistry.caltech.edu/rudyamarcus/
、化学反応における電子移動の研究(マーカス理論)
https://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E7%90%86%E8%AB%96
でノーベル化学賞を1992年に単独受賞されています。昨日はF1 ATPaseについて話されたのですが、昨夜は80台の先生だと思っていたのですが、朝おきて調べてみると、なんと今年百歳になられる先生でした。若い学生さんもいろいろ質問していました。先生の健康や知性の維持の秘訣は何ですかとか、万物の理論が完成したとしたらどうなるでしょうかとかいう質問にもウイットにとむ的確な答えをされていました。講義を聞いて、先生の知的、体力的な強靭さに感動しました。動画は今日は公開されていませんが、また公開されたら紹介します。

今日はプログラミングなどを無料で学べる無料サイトの紹介をします。
FreeCodeCampというサイトで無料で学べる世界的に利用されているサイトです。
日本語版もこちらにありますのでご覧ください。役立ちそうなサイトです。
https://www.freecodecamp.org/japanese/news/learn-programming-by-yourself-freecodecamp-japanese-released/
こちらからemailアドレスなどを登録して受講することができます。
https://www.freecodecamp.org/japanese/

今日紹介するのはそのYouTubeチャンネル(英語版)です。
https://www.youtube.com/@freecodecamp/videos
たとえば、線形代数の講義(教科書も無料ダウンロードできます)や
https://youtu.be/JnTa9XtvmfI

LaTexの使い方入門の最新の講義動画、
https://youtu.be/ydOTMQC7np0

Pythonで学ぶ大学レベルの代数の講義動画
https://youtu.be/i7vOAcUo5iA
その他 統計学、機械学習、WordPress、PHP、CSSやC言語などのコースもあります。

IBMの現役量子コンピュータ研究者がすすめる、量子物理学のおすすめ本

現代の科学は、量子コンピュータや量子生物学など、量子力学をマスターした、生まれつき量子力学と遊んで育った新世代の科学者を必要としているといえるでしょう。こうしたquantum nativeを育てるためには、大学や高校の教育を変えて、新しいカリキュラムを導入していかなくてはりません。今日、Scientific Americanという雑誌のサイトをみていたら、IBMで量子コンピュータを研究している物理学者のOlivia Lanesさんのそうした意見がのっていましたので紹介しておきます。
https://www.scientificamerican.com/article/quantum-computing-is-the-future-and-schools-need-to-catch-up/

Olivia LanesさんはYouTubeでも大活躍している方で、多くの動画がみられます。
以下の動画は、Oliviaさんによる、量子力学、量子コンピュータ、量子科学のおすすめ本の紹介です。https://youtu.be/xpSevVullcQ

コミックや高校生レベルでよめる量子力学の入門書、量子力学を物理学科の学生のように学んでから量子コンピュータを学ぶのではなく、まず線形代数や量子コンピュータから一冊の本で学んでしまおうという新し試みの教科書などの紹介もあります。数学をあまり知らない人向けの本やコミックの紹介もありますが、最後には大学院レベルのおすすめの教科書SakuraiのModern Quantum Mechanicsも紹介されています(Sakuraiの本は新版がたしか去年発行されていたと思います)。紹介されている本の中には邦訳のあるものもありますので探してみてください。
もう一本、ちょっと前のおすすめ本の動画もあります。https://youtu.be/rbcNQB7VMtI
日本語で量子コンピュータを知りたい方にはこんなサイトもあるみたいです。さっき知ったばかりですが、面白そうなので紹介しておきます。
https://dojo.qulacs.org/

分子研の中高生むけ講座、量子生物学入門講座、分子動力学講義などの動画を紹介します。

昨日は円周率の日だったんですね。UCLAの量子生物学入門シリーズは二日目まですすんで、生物学におけるスピンの役割の紹介がありました。有名なコマドリの渡りの研究も詳しく紹介されていたので、本日公開された動画をご覧ください。https://youtu.be/1oGzFZQlAWQ

今日はエキシトンの話、明日はトンネル効果や電荷移動の話です。

また昨日は、 分子科学研究所(分子研)で動画のライブ配信があったようです。現在 YouTubeで録画がみられます。タイトルは以下のとおりです。

分子研の以前紹介した分子動力学シミュレーションの講義は第8回まですすんでいます。こちらも理解できそうな方はチャレンジしてみてください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLFeFFDIymHoNKMqUYPgIPIOCe3x6faQTs

量子生物学入門講義シリーズ (カリフォルニア大学UCLA) がZoom開催中です!

量子生物学入門講義シリーズ(カリフォルニア大学UCLA)がzoom開催中です

以前お知らせしたようにカリフォルニア大学ロサンジェルス分校の量子生物学入門講義シリーズがZoomで連日開催されています。昨日が初日で、日本時間の夜11時(現地時間朝7時から)開催でした。以前お知らせした時は現地時間7時は夜午前0時の開催だったのですが、3月の第二日曜日(12日)午前2時から夏時間にかわったため、日本時間の夜11時開催になったという次第です。私が気づかなかったのでブログに遅い開始時間を書いてしまって申し訳ありませんでした。

私は昨日は夜11時から参加したのですが、ぶっ続けで3時間の2本の講義なので途中で寝てしまいました。午前2時ぐらいまでおきていたのですが、遺伝子の制御の話など知っている話で油断して、そこで寝てしまい気づいたら午前3時半で、Zoomがきれていました。Zoomにexitしないで最後まで私の名前がでていたようです。

この講義シリーズは、おすすめです。昨日は量子力学入門と生物学入門の2本だてでした。量子力学の発展方程式の話などもふくまれていて、一味かわった講義なので是非ごらんください。なんと、講義終了後すぐに以下のチャンネルに動画がアップロードされていました。
https://www.youtube.com/@quantumbiologytechlabatucl6800

今日はSpin in Biologyという回なので、ますます楽しみです。今日は起きているつもりですがまた寝てしまうかもしれません。
2023 Pre-GRC Quantum Biology introductory lectures, Day 1: Bootcamp Quantum Mechanics & Biology
https://youtu.be/ntsCrBZYlAI

以下はこの講義開催を紹介した以前の記事へのリンクです。もう一つ前の記事へのリンクもはってあるので合わせてご覧ください。

カリフォルニア大学の世界初(?)の量子生物学入門(春の学校のような)講義がZoom開催されます。開始時間が午後11時夏時間になってました。すみません訂正します。

深層学習を使った生体高分子モデリングの原理や、フラグメント分子軌道法についての最新の総説を紹介します。

今日は日本結晶学会誌の記事の紹介です。
AlphaFold2で深層学習を用いた構造モデリングの有効性が広く知られるようになりました。この最新号の次の総説は、そうした発展を学ぶのによい記事だと思います。AlphaFold2の原理と限界についてもわかりやすく解説してあっておすすめの総説です。是非ご覧ください。
深層学習を用いた構造モデリングと評価,その最近の展開
寺師 玄記, 木原 大亮
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcrsj/65/1/65_3/_article/-char/ja
この記事目当てにJ-STAGEの日本結晶学会誌の目次をみていたら次の記事も役立つと思いました。
フラグメント分子軌道計算による構造解析
福澤 薫, 渡邉 千鶴, 加藤 幸一郎
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcrsj/65/1/65_17/_article/-char/ja
Fragment Molecular Orbital Methodは、日本初の生体高分子に適用可能な量子化学的計算手法であり、さまざまな分子の量子化学計算に活用されている手法です。この総説では、生体高分子へのFMO法の適用例がわかりやすく説明されていてFMO法について知りたい人には最適の総説だと思います。九州大学の先生も共著者になっておられます。

他にもこの雑誌にはいろいろな面白そうな記事が満載ですので是非一度目次を眺めてみてください。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jcrsj/65/1/_contents/-char/ja

女性科学者による動画2本を紹介します。

女性科学者のによる動画二本を紹介します。

Julie Ahringer – Ahead of the Curve: Women Scientists at the LMB
https://youtu.be/J_mToLrLkTY

この動画は、線虫C. elegansのfeeding RNAiライブラリで皆さんおなじみのJulie AhringerさんがMRC分子生物学研究所(MRC LMB)で開催された講演会 Ahead of the Curve: Women Scientists at the LMB (Thursday 10th November 2022)で行った講演の記録です。
MRC LMBで働いていた輝かしい成果をあげた女性研究者を扱った本
Ahead of the Curveにちなんで開催された講演会だと思われます。https://aheadofthecurve.org.uk/#book
この本はKindle版が1138円で買えるので読んでみてください。MRC LMBで活躍した女性と男性科学者の話がいろいろのっていて安くて面白い本です。

Ahringerさんは私がMRC LMBで研究していた時に、同じJohn Whiteラボでポスドクをされていました。この動画では、線虫研究の歴史にはじまって、AhringerさんのRNAiライブラリの話、その後の線虫ゲノム研究の話などがやさしく紹介されていて面白いです。

また、もう一本の短い動画はノーベル化学賞を2022年に受賞されたBertozziさんの動画です。
女性だけでなく、困難にめげずに生きているすべての人に贈る言葉だと思います。是非こちらもご覧ください。
https://my.linkedin.com/posts/nobelprize_carolyn-bertozzi-on-finding-your-role-models-activity-7039245908202422272-ZOap

記憶をRNAで移植できるという実験について

記憶がRNAで移植できるという実験がいくつも報告されているので簡単に紹介しておきます。

昔、プラナリアに光をあててその直後に電気ショックを与えるプロセスを繰り返すと、プラナリアが光をあてるだけで体を縮めるようになるという実験をしていた科学者がいました。そのトレーニングをつんだプラナリアを餌にして別のプラナリアに食べさせると、たべたプラナリアが光をあてると体を縮めるようになったそうです。この実験での記憶の伝達はRNAを介して起こっているのだという説が展開されて、皆の興味をかきたてたのです。James V. McConnell(1925-1990)という科学者が、1959年に発表した論文では、プラナリアを頭と胴にきりわけて再生させる実験で記憶の移動が起こることを示していました。プラナリアに光をあてて電気ショックをすぐ与えると、プラナリアは体を縮めます。この光と電気ショックを繰り返し与えるトレーニングをつむと、プラナリアは長期記憶LTSをもつようになり、光をあてるだけで電気ショックなしで体を縮めるようになるそうです。このLTSをもっているプラナリアを頭と、胴にきりわけます。頭だけのプラナリアは、胴も再生して完全な個体にもどります。胴だけのほうからは頭が再生して、こちらも完全な個体にもどります。どちらのプラナリアも、光を当てると体を縮めます。プラナリアの次の世代に記憶が伝わったことを示している実験で世界に衝撃をあたえた実験です。彼は、記憶分子があると考えてそれがRNAだと推定していました。後の1962年の実験では、上の実験で教育されたプラナリアを切り刻んで、未教育のプラナリアの餌にしました。すると餌をたべたプラナリアは、光に対して体を縮めるようになったというわけです。記憶の伝達にRNAがかかわっているという説をMcConnellはたてました。私も高校生のころ本で読んだのですが、RNAは不安定な物質なので食べたRNAが記憶の伝達にかかわっていることは考えにくいという声が大きくて、再現性もないとかでこの説は1970年代になるとやがて注目されなくなりました。
1959年の実験、何年か前に再現実験がおこなわれてなんと見事に再現に成功しています。このブログでもたびたび登場するLevin教授のグループが論文を書いています。さらにカリフォルニア大学のロサンジェルス分校のDavid L. Glanzman教授は、アメフラシでのRNAによる記憶の移植実験に成功してこれも論文になっています。https://www.eneuro.org/content/5/3/ENEURO.0038-18.2018
教授によるとトレーニングしたアメフラシの脳からとったRNAをトレーニングしていないアメフラシに注射すると、記憶が移せるのだそうです。この記憶の移動にはDNAのメチル化がかかわっていることも明らかにしています。さらにプリンストン大学のColeen T. Murphy教授は、線虫C. elegansで病原性バクテリアを忌避する記憶がP11というnoncoding RNAを介して伝えられていることを明らかにしています。この三名の方の講演が以下にありますのでご覧ください。
https://youtu.be/IFRvMvSdYzE

RNAは不安定でというのはよく聴く話ですが、線虫のRNAiでは二重鎖RNAを食べさせると線虫の遺伝子機能が全身で阻害されることが今では知られています。自然は人間の考えているよりもっと深いもののようで、今回紹介したRNAによる記憶移植実験の歴史は、人間の上から目線の断定が医学や生命科学の分野では失敗する(あるいは科学の発展を阻害する)よい例になっていると思います。