佐々木閑先生のAIと仏教の動画が参考になります。

理系出身の仏教学者 佐々木閑先生の動画の紹介です。ミリンダ王の問いの講義がつづいていましたが特別回だそうです。『特別回 AIと仏教 その1』
https://youtu.be/r_F6YoGkcaI?si=LUGCiHC0jpwAt3PG

昨日、AlphaFoldを生み出したGoogleのDeepMindが開発した、AlphaGeometry 2と強化学習を利用した形式推論システム AlphaProofの二つを組み合わせる手法で、数学オリンピックの問題を解くとなんと銀メダルレベルの得点をはじき出したというニュースがながれていました。動画ではその話題も含めて、AIの今後について仏教の立場からの議論が展開されており、大変参考になると思います。国際数学オリンピックの問題が解けたというツイートも埋め込んでおきます。

 

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトと本の紹介です。

今日は数学を学ぶときの参考になるサイトを紹介します。
Gigazineのツイートでコグニカルというサイトが紹介されていました。たしか個人で作っておられるサイトだったと思います。

数学検定とかうける人にピッタリのサイトですね。

ほかに高校数学の美しい物語というサイトもおすすめです。https://manabitimes.jp/math
アクセスしてみて広告が気になる人もいると思います。私もFirefoxでアクセスしたのですが広告が気になるので、Braveでアクセスしてみました。見事に広告が消えて内容が頭に入りやすくなりました。これも数検を受験する人にはおすすめできますね。

ほかにもいろいろ数学関係の役立つサイトを紹介した本もあります。


古いツイートを埋め込んだので新発売となっていますが、今は普通に購入できます。
この本の第0章「記号・用語」は数学の本を読むとき初心者がつまづきそうな記号を網羅した解説の章です。この章だけでも買う価値があると思います。
巻末の参考文献の前には、「参考にするとよい優良サイト」というページがあって、19の優良サイト(「高校数学の美しい物語」や、Wolfram Alphaなどなど)の紹介と解説、論文の読み方その他 大変役立つ情報が書かれています。本文の内容は、高校数学を大学数学で解くといもので、高校数学の問題をテイラーの定理と超準解析で解くなどという項目もあって、どれも面白すぎる内容になっています。難しい部分もありますが買って損のない本です。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第17回)

国立国会図書館デジタルコレクションで読める面白そうな本の紹介です。

176) ヨハネス・ケプラー 著 ほか『ケプラーの夢』,講談社,1985.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12624099 (参照 2024-07-25)
ケプラーが書いた月旅行のSFです。

177) アーサー・ケストラー 著 ほか『ヨハネス・ケプラー : 近代宇宙観の夜明け』,河出書房新社,1977.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12226060 (参照 2024-07-25) これはケプラーの伝記です。

178)アーサー・ケストラー 著 ほか『コペルニクス : 人とその体系』,すぐ書房,1977.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12224912 (参照 2024-07-25) 上と同じく、ケストラーの書いたコペルニクスの伝記です。

179)『世界大思想全集』[第2期] 第31 (社会・宗教・科学思想篇 第31),河出書房新社,1963. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2940345 (参照 2024-07-25) これには以下の本 (たぶん抄訳もあると思いますが確かめていません)が含まれています。
ガリレオ 星界の報告/ガリレオ 太陽黒点論/ケプラー 新しい天文学/ケプラー 世界の調和/

180)ルドフ・カルナップ 著 ほか『物理学の哲学的基礎 : -科学の哲学への序説-』,岩波書店,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621660 (参照 2024-07-25) 科学哲学の古典です。

181)ルドルフ・カルナップ 著『意味と必然性 : 意味論と様相論理学の研究』,紀伊国屋書店,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12224414 (参照 2024-07-25) 同じくカルナップの有名な本です。

182)福井謙一 (ノーベル化学賞の日本人初の受賞者)著『量子化学』
これはデジタルコレクションを著者名 福井謙一で検索してもヒットしない本です。以下から読めます。小田良平 等編『近代工業化学』第2,朝倉書店,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2463524 (参照 2024-07-25)

183)福井謙一 著『化学反応と電子の軌道』,丸善,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12697699 (参照 2024-07-25)
ノーベル化学賞に輝いたフロンティア軌道の学部生から読める解説書。学部生の最初の一冊としては多分難しすぎると思います‥‥。

自然科学研究機構若手研究者賞記念講演会が本日開催されていました。

今日の午後に『第13回 自然科学研究機構若手研究者賞記念講演会』という講演会をYouTubeのライブでやっていました。これは自然科学研究機構が毎年若手研究者に贈っている賞でその受賞記念講演会だそうです。こちらに今日の講演会の要旨集のダウンロードリンクやテーマなどが紹介されていますのでご覧ください。
https://www.nins.jp/event/cat75/y_awards/13.html
YouTubeのライブのリンクを埋め込んでおきます。https://www.youtube.com/live/UaB_lLEEPsk?si=cSLiFb2ZVjs0eqbl

これがみられなくなっても後日、自然科学研究機構公式YouTubeチャンネル
であらためて公開されるとのことですので是非ご覧ください。高校生から一般向けのやさしい講演会です。天文学から生物学までさまざまなトピックスがとりあげられているので面白いですよ。講演のタイトルをコピペしておきます。


講演 13:00 『アインシュタイン”最初”の宿題』太田 雅人(核融合科学研究所 助教)
13:30 『宇宙の夜明けを探る:130億年以前の星々の誕生から始まる酸素の進化』中島 王彦 (国立天文台 特任助教)
14:00 『核融合プラズマのデジタルツイン制御への挑戦』森下 侑哉(京都大学大学院工学研究科 助教(核融合科学研究所の共同利用研究者))
14:30 『光で探りあてるイオンチャネル分子の隠しコマンド』下村 拓史(生理学研究所 助教)
15:00 『生命38億年の進化を超える挑戦 〜生き物の中で働いている分子タンパク質をデザインする〜』小杉 貴洋(分子科学研究所 助教)
15:30 『細胞の中を覗いて読み解く植物のかたち』四方 明格(基礎生物学研究所 助教)
16:00 『「系外地球」のシルエットを捉える ~地上望遠鏡で地球サイズの太陽系外惑星の観測を実現~』福井 暁彦(東京大学大学院総合文化研究科 特任助教) 研究者トーク
16:35 『研究者を目指した特異点』   司会者:渡部 潤一(国立天文台 上席教授) 閉会挨拶
17:15 自然科学研究機構 副機構長 渡辺 芳人

TOGO TVのSnowflakeの紹介動画が役立ちます。

TOGO TVの動画はよくこのブログでも紹介しています。今日は最新の動画二本を紹介します。
一本目はクラウドベースでバイオインフォマティクスのデータ解析ができるSnowflakeというサービス(有料ですが安いです)の解説動画です。Snowflakeを用いたインシリコ創薬、疾患バリアント解析、シングルセルRNA-Seqについてデモが入っている動画で、大変役立ちそうです。
『Snowflakeで実現するAll-in-One Bioinformatics Platform @ Bio”Pack”athon2024#7』
https://togotv.dbcls.jp/20240712.html
YouTubeでもみられるので、動画を埋め込んでおきます。
https://youtu.be/bx2X04xMGUc?si=eJcaUFCzqobdIF8E

もう一本は最新のLLMの動向についての定期的なまとめの動画です。以前も紹介したことがありますが、最新版はこちらです。
『LLM/ChatGPTの現状理解と2024年6月版LLM情報アップデート @ Bio”Pack”athon2024#6』
https://togotv.dbcls.jp/20240620.html
https://youtu.be/7sQlv0PD4S0?si=cPgjNyn4ROO1Z2zS

有名なベイズ統計学の教科書が賞を受賞したそうです。

昨年紹介した(文末に記事へのリンクを埋め込みました)ベイズ統計学の教科書Statistical Rethinking 2nd ed (Chapman & Hall/CRC) が賞を受賞したそうです。

 

この本をもとにした講義がYouTubeで公開されており、著者のGithubのページにはRやPythonのコード、スライドもダウンロードできるようになっています。またYouTubeビデオへのリンクもあります。
https://github.com/rmcelreath/stat_rethinking_2024
2024年の講義サイトですが、動画へのリンクは2023年のもののようです。動画の一例(第6回目の講義)を埋め込んでおきます。
https://youtu.be/uanZZLlzKHw?si=5Da_osSR4O0lrsfy

 

ベイズ統計学の「院生、研究者むけ」のよい教科書があるそうです。

やまなみ書房からでているCC BY 4.0で公開されているPDF版の本を紹介します。

クマゼミが毎朝早くから鳴いています。ものすごくやかましいので都会から来た人はおどろくかもしれません。写真は朝、我が家の壁にのぼって脱皮し終えたクマゼミとその抜け殻です。早朝6時過ぎにみつけたのですが10時すぎて見るともう飛び去っていなくなっていました。

今日は、やまなみ書房という出版社からでている本を紹介します。紙の本は有料で販売されていますがpdf版は無料でダウンロードできます。どれも出版社のトップページにあるリンクからダウンロードできますのでご覧ください。

https://www.yamanami.tokyo/

素粒子読本  樋口正人 (著), 小林悌二 (編集), 齋藤曉 (編集)
https://www.yamanami.tokyo/particle_tokuhon/
解析力学 細谷曉夫著
https://www.yamanami.tokyo/analytical_mechanics/

形式論理探求 第1巻 古典論理のタブロー 高木 翼 著
https://www.yamanami.tokyo/tableau_contents/tableau01classical_logic/

地球最古の微生物―20億年前から生きている生きた化石―が回収されたというニュースの論文が公開されています。

7月18日のNHKニュースに「“20億年前”地球最古の微生物? 生命の起源に迫る重要な発見か」というのがありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240718/k10014514831000.html

東京大学の鈴木庸平先生たちのグループによる発見です。南アフリカの Bushveldというところにある古い岩石層(ブッシュフェルト複合岩体)をドリルして20億年の地層の岩石を採取したところ、なんとその中に生きた微生物が存在したというニュースです。サンプリングの際の生物の混入がないように慎重にデザインされた方法で採取されているのでコンタミネーションはないと考えられ、コンタミがおこったらら検出できるような実験方法でサンプリングされています。その上で、岩石内部に微生物が存在することをOptical-photothermal infrared (O-PTIR) spectroscopyという非破壊的手法で確認したあと、切片をつくってDNAを SYBR Green I という蛍光色素で染めて顕微鏡で観察したり、電子顕微鏡で観察したりしています。生きた化石というのはいままでいろいろ知られていましたが、なんと20億年前から岩石の中で生きている微生物がいたというのはすごい発見です。ゲノム配列の解析をしているとのことで、どんなDNAの塩基配列が含まれているか本当に楽しみですね。

論文がプレプリントとしてすでに公開されています。

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.07.08.602455v1.full.pdf

鈴木先生の研究室のツイートはこちらからみることができます。
https://nitter.poast.org/YoheysuzukiL

鈴木先生のこの発見の解説記事はこちらにあります。
https://yoheysuzuki.jimdofree.com/%E5%A4%A7%E6%B7%B1%E5%BA%A6%E6%8E%98%E5%89%8A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B20%E5%84%84%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%A7%8B%E7%94%9F%E5%91%BD%E6%8E%A2%E6%9F%BB/

「身の回りに潜む対称性」という東大TVの動画をお薦めします。

今日は対称性についての最近公開されたわかりやすい動画を紹介します。
東京大学の数理物理学者 松井千尋先生による公開講座の録画です。
松井 千尋「身の回りに潜む対称性」第137回(2023年秋季)東京大学公開講座
https://youtu.be/daKYy2r_i1Y?si=SylamvnSGsXs-0fS

この動画をみて興味を持った方には、超有名なファインマン物理学の教科書の該当箇所をお読みになるとよいでしょう。
英語版の第一巻52章がイントロになっています。以下のサイトではファインマン物理学の全巻が無料で読めるのみならず、ファインマンさんの講義の録音も聴くことができます。講義写真とかもみられます。すごいサイトです。
https://www.feynmanlectures.caltech.edu/I_52.html

さらに対称性についてのファインマンさんのさらに進んだ解説講義もあります。日本語で読める翻訳書 ファインマン物理学(岩波書店)Vの量子力学の巻、第17章は対称性についての章です。こんな文章が書かれてるので岩波書店の本から引用しておきます。
『したがって,諸君は,各種の保存則とこの世界の対称性との間の関係を知ることができたわけである.時間のずらしに関する対称性はエネルギー保存則を与え,またx, y, z の位置のずらしに関する対称性は,それぞれの方向の運動量の成分の保存をもたらす. x,y およびz 軸のまわりの回転に関する対称性は,角運動量のx,y,z 成分の保存則を与えるというわけである.反転に関する対称性はパリティーの保存を与える.また, 2 個の電子のいれかえに関する対称性は,名前をもたない何かの保存を与える等々といった具合である.』

対称性がエネルギーの保存則や運動量の保存則を与えるというのは面白いですね。

原文は以下で読めます。原書では第三巻の第17章です。原文も引用しておきます。わかりやすい英語ですね。講義の録音も聴くことができるのでよかったら聞いてみてください。
https://www.feynmanlectures.caltech.edu/III_17.html

You see, therefore, the relation between the conservation laws and the symmetry of the world. Symmetry with respect to displacements in time implies the conservation of energy; symmetry with respect to position in x, y, or z implies the conservation of that component of momentum. Symmetry with respect to rotations around the x-, y-, and z-axes implies the conservation of the x-, y-, and z-components of angular momentum. Symmetry with respect to reflection implies the conservation of parity. Symmetry with respect to the interchange of two electrons implies the conservation of something we don’t have a name for, and so on. Some of these principles have classical analogs and others do not. There are more conservation laws in quantum mechanics than are useful in classical mechanics—or, at least, than are usually made use of.

また、有名なウイグナーの次の本にも対称性についての議論があります。
E.P.ウィグナー 著 ほか『自然法則と不変性』,ダイヤモンド社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12609298 (参照 2024-07-19) この本は有名な「自然科学において数学がおかしなほど有効であることについて」という文章を含んでいる本です。是非お読みください。

最後に少し離れるかもしれませんが、前に紹介したヘルマン・ワイルの本も面白いかもしれません。国立国会図書館の個人送信資料で探すときにはワイルではヒットしません。ヘルマン ヴァイルとしなくてはヒットしないので注意してください。
ヘルマン・ヴァイル 著 ほか『シンメトリー : 美と生命の文法』,紀伊国屋書店,1957. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2484767 (参照 2024-07-19)

ゴッホが見た星月夜という本がでています

印象派誕生150周年を記念して、オルセー美術館に所蔵されている ゴッホの有名な絵画Starry Night (Arles, Sept. 1888)(ローヌ川の星月夜)という作品が、絵が描かれた地元アルルに里帰りしているそうです。アルルで展覧会が開かれているようです。

Van Gogh and the Stars – A cosmic journey through 165 works by over 76 artists!

この絵は私たちの家にも複製画が飾ってあって毎日みています。ゴッホが天文学に興味をもって星や月を描き始めた最初の作品だそうです。この絵には北斗七星が描かれていて、その星の光に合わせるように街の灯がローヌ川の川面に映えています。1888年の9月にゴッホが夜スケッチしたという記述が手紙に残っているそうです。こんな星空が本当にみえたのかどうか、興味がありますね。天文ソフトStellariumを使って1888年9月の星空をゴッホがカンバスをたてていた川辺の緯度経度で再現してみようと前から思っていました。ところが同じことを考える人がいるもので、フランスの天文学者の方が、すでにこんな本を出しているのを知りました。

ゴッホが見た星月夜

ゴッホが見た星月夜 天文学者が解き明かす名画に残された謎

ローヌ川の星月夜だけではなくて、ゴッホの描いている星や月の絵を当時の星図をみながら考察しているよい本です。フランスの人なのでアルルの現地にいってゴッホがどこから上の絵を描いたかなど検証しています。

とても面白い本ですので読んでみることをおすすめします。
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/032900009/020900537/