今日は中秋の名月です。秋らしい写真と、ブルーバックスチャンネルで今日公開された動画を紹介します。

今日は中秋の名月が空にかかっていてきれいです。秋がきました!今年は毎朝朝顔がきれいにまだ咲き続けています。
近所に散歩にでかけると、萩の花の側にクズの紫の花がきれいに咲いているのを見つけました。イネの側にヒガンバナが咲いていて先日写真に撮ったのですが、稲刈りが済んだ田圃の畦にも、まだ彼岸花がきれいです。

萩やクズの花は今真っ盛り。昼間、日がさして来ると暑いですが朝夕は20℃ほどになって寒いくらいになってきました。

さて今日は、先ほど公開されたYouTubeのブルーバックスチャンネルの動画を埋め込んでおきますので是非ご覧ください。

前にこのブログで紹介した名著「土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る」の著者の藤井一至さんの動画の総集編が今日公開されました。この本をまだ読んでおられない方は是非よんでみてください。私は図書館で借りてきて読んで感動して、Kindle版をセールの時に買いました。紙の本を買ったかたは、高解像度のカラー写真もダウンロードできるので是非、末尾の過去記事中にあるダウンロードリンクからダウンロードしてみてください。
動画はこちらです。

【総集編】土と生命の46億年史/面白すぎる土の話/土の研究者・藤井一至に質問ある?/「理工書の楽園」で偏愛炸裂!【藤井一至】
https://youtu.be/5IF2o2dOwBM

ブログの過去記事はこちらです。

このブルーバックスはおすすめです! 「土と生命の46億年史」土と進化の謎に迫る

無料でオープンソースのAI対応の化学構造描画ソフトReShikiが公開されています!

 

このソフトは、高価なChemDrawが買えない人向けに展開されていたACD/ChemSketch Freewareの消滅による空白を埋めることが出来る新ソフトです。こちらからインストールや、マニュアル、動画をみることもできます。

https://reshiki.com/
動画のダウンロードリンクはこちらです。https://reshiki.com/media/reshiki-promo.mp4
GitHubのページはこちらです。https://github.com/Ameyanagi/ReShiki

ChemSketchの開発および無料版の提供はすでに終了しています。2026年に入り、ChemSketchを取り巻く環境に決定的な変化がありました。ChemDraw開発元による買収があったのです: 2026年1月、ChemSketchを開発していたACD/Labs社は、業界標準ソフト「ChemDraw」を展開するRevvity Signals社に買収されました。 この統合に伴い、長年親しまれてきた無料版「ACD/ChemSketch Freeware」は正式に提供を終了(サンセット)しました。現在、公式サイトからの新規ダウンロードは完全に停止しています。新規の顧客に対してはChemSketchの販売も終了しており、今後は自社の主力製品であるChemDrawへの移行が公式に推奨されています。すでにPCにインストール済みのユーザーがそのまま使い続けることは可能ですが、今後の新機能追加やアップデートによるサポートは行われません。この「最大の無料デスクトップツールであったChemSketchの終了」という2026年の出来事によって、フリーソフトの選択肢が大きく狭まりました。ReShiki(2026年9月公開)は、まさにこのChemSketchが空けた「無料で使えるローカルの描画ツール」という穴を埋める最新の代替ソフトとなるソフトです。現在開発途上ということで、例えば糖を描画する時にHaworth projectionsがまだ使えないというような(次のバージョンで対応予定)点がありますが、Codex CLIに対応していること、Linux, Mac, Windowsで利用できるオープンソースプログラムであることなど、「使える」化学描画ソフトとして注目のソフトです。

Windowsにインストールして、CodexCLIを使えるようにしてみましたが、簡単にインストールできて最新版のAIと共同作業できる素晴らしいソフトだと感じました。まだまだ改善点はあるようですが、良いソフトだと思います。皆さんも是非インストールして試してみてください。WindowsのPowerShellでCodex CLIをインストールしている途中のスクショを貼り付けておきます。このあとyを押してインストール完了です。日本語でCodex CLIに指示をして、共同作業して描画や調査をすすめることができます。これは便利です!

ChatGPTに自然言語で文献検索を依頼するときの注意点(その3 最終回)

ChatGPTに作ってもらった、文献検索の注意点の最終回です。


6.Textpresso ― 「論文を探す」より「論文中の事実を探す」

Textpressoは、PubMedとは発想がかなり異なります。Textpresso Centralは全文をsentence単位で処理し、単なるkeywordだけでなく、遺伝子、解剖学的用語、phenotype、biological processなどのsemantic categoryを使って検索する仕組みです。
https://www.alliancegenome.org/textpresso
この検索システムの場合は、利用に簡単な登録が必要になっていますが、大変強力な文献検索システムで、毎日利用することが多いサービスです。たとえば、ある遺伝子名を検索すると、その遺伝子名を本文やタイトルに含んでいる論文がヒットして、その遺伝子に関するいろんな事実を簡単に知ることができて重宝します。私が以前、ナショナルバイオリソースプロジェクトの線虫の委員を努めていたときには、ノックアウト株の利用数を調べるのにも重宝していました。まだ使ったことがない方は是非、利用してみてください。手放せないことうけあいのサービスです。現在はショウジョウバエ、線虫、出芽酵母のTextpressoが利用できます。

特にC. elegansはTextpressoが最初に開発された対象であり、WormBase bibliographyとも深い関係があります。

Textpresso Centralでは、keywordとontology/categoryを組み合わせて検索できます。例えば論文でも、C. elegans genes、alleles、organsなどのcategoryを組み合わせた検索例が示されています(PubMed)。したがってTextpressoは、「このテーマの代表的論文を10報探す」という用途よりも、「この遺伝子とintestinal phenotypeが同じsentenceまたは文脈で記述された論文を探す」という用途に強みがあります。

PubMedが「論文単位」の検索に近いのに対し、Textpressoは論文内部のbiological statementを探すシステムと理解すると、使い分けがしやすくなります。


7.ChatGPTに自然言語だけで文献検索を頼む場合

ここは、2025年頃から最も状況が変わったところです。以前のLLMでは、○○について重要な論文を10報挙げてください。と聞くと、モデルが内部知識から論文名、著者、DOIなどを「生成」することがありました。この場合、実在論文 + 実在論文の書誌情報の混同 + 存在しない論文が混在することがありました。この問題は、現在も原理的には残っています。

2026年に発表された研究でも、Web検索やretrievalを禁止した「memory-only」の条件では、最新世代LLMにも多数の不正確または架空の引用が生じました。重要なのは、この研究が検索を使ったChatGPTの評価ではないという点です。むしろ、LLM内部の記憶だけから参考文献を作らせない方がよいという点を示しています。(PubMed)


8.ChatGPTでWeb検索を使うと何が変わるか

現在のChatGPTには、必要に応じてWeb上の情報を実際に検索し、その結果をもとに回答する機能があります。ここでは、このWeb検索機能を使った回答を「ChatGPT Search」と呼びます。従来のLLMでは、質問に対してモデル内部に学習済みの知識だけを使って答える場合が多くありました。これに対してChatGPT Searchでは、必要に応じてWeb上のページを検索し、PubMed、PMC、出版社の論文ページ、データセットなどを実際に確認しながら回答できます。7で書いたようにモデル内部の記憶だけから論文を挙げるのではなく、

検索 → PubMedページ → PMC → 出版社ページ → datasetというように、実際の情報源をたどりながら調べることができます。これは、モデル内部の知識だけを使って回答していた従来のLLM利用とは大きく異なる点です。

また、検索に利用したWebページをcitationとして示すことができるため、利用者自身が情報源を確認しやすくなっています。
なお、ChatGPTは質問内容に応じて、自動的にWeb検索を使用することがあります。ただし、必ずWeb検索が行われるとは限りません。文献の存在確認、最新文献の検索、PMIDやDOIの確認など、外部情報源の確認が重要な場合には、プロンプトに「Webを実際に検索してください」「PubMedやEurope PMCを検索して確認してください」のように、利用者側から検索を明示的に指示しておくと安心です。

ChatGPT searchと呼ばれることがある、Web 検索については、OpenAIの日本語解説も参考にするとよいでしょう。(OpenAI Help Center)


9.ChatGPT Search と Deep Research の違い

ChatGPT Searchは、比較的明確な質問に向いています。例えば、「このDOIの論文は実在するか」

「egl-1とcrn-2を同時に扱った論文を探す」「chondroitinについて2025年以降の論文を探す」といった検索です。

ChatGPT Searchは、比較的明確な質問についてWeb上の情報を検索しながら回答する場合に向いています。
一方Deep Researchは、複数の情報源を調べ、比較・検討しながら、より詳しい調査を行うための機能です。
Deep Researchを利用する場合は、ChatGPTの入力欄にある「+」のツールメニューから Deep research を選択します。サイドバーから選択したり、プロンプトに /Deepresearch と入力して開始することもできます。Deep Researchを開始すると、まずChatGPTが調査計画を作成します。利用者はその内容を確認し、必要であれば調査範囲や使用する情報源などを修正してから調査を進めることができます。

たとえば、Deep Researchは、「過去20年間のC. elegans glycosaminoglycan研究の流れを整理し、chondroitinとheparan sulfateを比較する」のように、複数文献を検索して比較し、長いレポートに統合する仕事に向いています。現在のDeep Researchは、公開Web、アップロードしたファイル、利用可能な接続済みアプリやMCPなどを情報源として利用でき、Web検索を特定サイトだけに制限することもできます。Chatだけでなく、利用可能な環境ではWorkやCodexでも利用できます。(OpenAI)
生命科学では、非常に有用な機能です。例えば情報源を、
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
europepmc.org
pmc.ncbi.nlm.nih.gov
wormbase.org

などに限定して調査するという方法も考えられます。この機能はGoogleのNotebookLMと似ているのですが、「この30本の論文だけを根拠として答えてほしい」という用途ではNotebookLMのソース管理方式が分かりやすく、一方、「この30本を起点として、私が知らない関連文献も探してほしい」という用途ではDeep Researchの方が適しているようです。


10.しかしDeep ResearchもPubMedの代わりではない

ここは重要な点です。Deep Researchが100本の論文を調査したとしても、その100本が、そのテーマについて存在する全論文とは限りません。Web検索にはrankingがあるため、重要そうな情報を優先して調査します。一方、
(A OR B OR C)

AND

(D OR E)

というPubMed検索は、検索時点のPubMedデータベース全体に対して同じ条件を適用します。したがって、両者は性格が異なります。

Deep Researchは、複数の文献や情報源を調べ、それらの結果を比較し、共通点や相違点を整理して全体像をまとめる evidence synthesis に強みがあります。一方、PubMedやEurope PMCは、あらかじめ定めた検索条件をデータベース全体に適用して文献を抽出する database retrieval に強みがあります。したがって、Deep Researchは「文献を漏れなく集めるための検索手段として利用するべきではなくて、「Deep Researchで集めた文献や検索で得られた情報を比較・統合して理解するための道具」と考えると分かりやすいでしょう。systematic reviewや「該当論文をできるだけ漏れなく列挙する」仕事では、PubMedやEurope PMCが依然として重要です。実際、ChatGPTによるsystematic-review検索式作成を調べた2024–2025年の研究では、AI生成検索式は有望ではあるものの、既存の専門家作成検索式を完全には再現できないことが報告されています。(PubMed)


11.Workを使えばハルシネーションはなくなるのか

ChatGPTのChatモードのとなりにある、Workモードは、長時間・多段階の作業、Web調査、ファイル解析、成果物作成などをまとめて行うために非常に便利です。しかし、Workを選択しただけで、文献情報の信頼性が自動的に保証されるわけではありません。重要なのはモードそのものではなく、
どの情報源を使ったか
どの検索を行ったか
書誌情報をどこで確認したか、という点です。したがってWorkでも、
PubMedとEurope PMCを一次的な文献情報源として使用してください。
論文の存在をPMIDまたはDOIで確認してください。
検索に使用したqueryを最後に示してください。

という指示を与える方がよいでしょう。Workの価値は、その後、
検索結果の整理
abstract比較
PDF解析
表作成
レポート化までを一連の作業として進められる点にあります。


12.MCPが文献検索にもたらした変化

このブログでもたびたびとりあげているMCP(Model Context Protocol)は、LLMと外部データベースの間に標準的なインターフェースを作る仕組みです。例えばPubMedを扱うMCPであれば、自然言語

C. elegansでchondroitinを扱った論文を調べて

という依頼から、NCBI E-utilitiesなどへの検索要求を作り、得られた実在するレコードをLLMに返すことができます。この場合、LLMが論文を「思い出す」のではなく、データベースからレコードを取得して、その結果をLLMが解釈するという構造になります。この違いは非常に大きなものです。


13.TogoMCP ― 生命科学では特に注目すべきMCPの例

DBCLSは2026年3月、生命科学RDFデータベースとAIを接続するリモートMCPサーバーTogoMCPを公開しました。(DBCLS)
TogoMCPは現在、RDF Portalだけでなく、NCBI E-utilities、UniProt、ChEMBL、PDB、Reactome、Rhea、MeSHなど複数の生命科学データソースへのアクセスを提供しています。(GitHub)
2026年にはTogoMCPの論文も Database に掲載されました。
Kinjo AR et al. TogoMCP: natural language querying of life-science knowledge graphs via schema-guided LLMs and the Model Context Protocol. Database (Oxford). 2026. PMID: 42496188 DOI: 10.1093/database/baag042. (PubMed)

DBCLSによると、23種類のknowledge baseを用いた評価で、TogoMCPによってquestion-answering performanceが改善したと報告されています。(DBCLS)

このTogoMCPの本当の利点は、単なるPubMed検索よりも広いところにあります。例えば、
gene
↓
ortholog
↓
protein
↓
pathway
↓
disease
↓
publicationのように、異なる生命科学DBを横断する質問に向いています。つまり、
PubMed MCP = 主に文献検索様MCPであるのに対して、

TogoMCP = 文献+生命科学knowledge baseの統合探索様MCPであるという違いがあります。


14.MCPを使えば完全に安全というわけでもない

このすばらしいMCPにも注意点があります。MCPが返した情報をLLMが誤って解釈する可能性は残っているので注意しましょう。また、検索query自体をAIが誤って構築すれば、正しいデータベースを使っていても検索漏れが生じる可能性があります。さらにOpenAIも、信頼できないMCPサーバーではprompt injectionなどのセキュリティリスクがあり得るため、接続先を信頼できるサーバーに限定することを勧めています。(OpenAI Developers)したがって、

MCP = ハルシネーションをゼロにする仕組み
と考えるのではなく、
データベースに存在しない情報をLLMが自由生成してしまう領域を大幅に減らす仕組み
と理解するとよいでしょう。


この後には、この連載の第一回目の記事の内容(下のリンクからご覧ください)が続き最後のパート(19から始まる)が続きます。。

ChatGPTに自然言語で文献検索を依頼するときの注意点(その1)

以下は上の記事の文末からの続きです。


19.日常の研究で推奨できる実際のワークフロー

生命科学研究では、次のような流れが実用的です。
ChatGPT SearchまたはDeep Researchでテーマを探索します。

  1. 研究分野の重要概念、代表論文、著者、専門用語、同義語を把握します。
  2. ChatGPTに検索式を作らせます。
    PubMedのMeSH+Title/Abstract、Europe PMC用queryなどを作ります。
  3. PubMed / Europe PMCで検索式を実行します。
    ヒット数と重要論文の回収を確認します。
  4. 検索式を修正します。
    既知論文が漏れていないか、ノイズが多すぎないかを確認します。
  5. 必要であれば全文検索を行います。
    Europe PMCまたはTextpressoを使用します。
  6. 重要論文をChatGPT / Deep Researchで比較・要約します。
    PDFやabstractを読ませて研究内容を整理します。
  7. 完成した検索式を保存します。
    データベース名、検索式、検索日を記録します。
  8. Europe PMC RSSなどに登録します。
    以降は新着文献を自動監視します。

この流れであれば、AIと従来型データベースの長所を両方利用できます。


20.systematic reviewと通常の研究調査は区別する

日常研究では、必ずしも完全な網羅性が必要とは限りません。例えばDiscussionを書くために、この結果を支持または反証する論文を調べたいという用途であれば、ChatGPT SearchやDeep Researchは非常に効率的です。一方systematic reviewでは、同じ検索を第三者が再現できることと、重要な研究をできるだけ漏らさないことが重要になります。この場合には、
データベース
検索式
検索日
検索件数

などを保存する必要があります。したがってAIは非常に優秀なsearch-strategy assistantとして利用できますが、検索プロセスそのものをブラックボックス化しない方がよいでしょう。


21.2025年頃の注意書きはどう変更すべきか

以前は、ChatGPTに文献検索を依頼すると架空の論文を生成することがあるため、PubMedなどで必ず確認する。という注意書きが適切でした。2026年現在であれば、少し書き換えた方がよいでしょう。

ChatGPTの内部知識だけから文献情報を生成させた場合には、現在でも架空または不正確な引用が生じる可能性があります。文献調査にはWeb検索、Deep Research、PubMed、Europe PMC、または信頼できるMCPなど、実際の外部情報源を利用します。重要な文献はPMID、DOI、原論文で確認します。網羅性と再現性が必要な調査では、使用したデータベース、検索式、検索日を保存します。

これが、現在の状況により合った表現です。


22.結論 ― 文献検索におけるAIの位置づけ

AI以前は、
研究者
↓
検索式
↓
PubMed
↓
論文
という流れが基本でした。現在は、

研究者
↓
自然言語
↓
ChatGPT
↓
検索語・検索式・検索戦略
↓
PubMed / Europe PMC / Textpresso / MCP
↓
実在する文献・生命科学DB
↓
ChatGPT
↓
整理・比較・要約
↓
研究者による検証
という形になりつつあります。

この変化の中で、ChatGPTの最も価値のある役割は、文献データベースそのものになることではありません。
研究者と専門データベースの間に入り、自然言語を検索戦略へ変換し、得られた情報を整理・統合することです。

PubMedやEurope PMCは、今後も重要です。

むしろLLMによって、
PubMed、Europe PMC、Textpresso、生命科学knowledge baseを以前より高度に使えるようになったと考える方が適切でしょう。

そして日常的な研究では、ChatGPT Search / Deep Research → PubMed・Europe PMCで確認 → RSSで継続監視

という組み合わせが非常に使いやすいでしょう。

C. elegansのように専門的なmodel organismを扱う場合には、さらに

Textpresso / WormBase / TogoMCP

を加えることで、通常のWeb検索だけでは得にくい情報にも到達しやすくなります。
これが2026年時点での、生命科学におけるAI文献検索の実用的な位置づけです。

ChatGPTに自然言語で文献検索を依頼するときの注意点(その2)

ChatGPTなど生成AIでの文献検索を行う際の注意点をChatGPTにまとめてもらった文章をところどころ読みやすく改訂したものを以下にペーストしておきます。


Europe PMC、RSS、PubMed、Textpresso、ChatGPT、Deep Research、MCPの使い分け

1.文献検索は「検索式を作る作業」から変わりつつある

従来の生命科学の文献検索では、PubMed、Europe PMC、Web of Scienceなどに対して、研究者自身がキーワード、MeSH、Boolean演算子を組み合わせた検索式を作ることが基本でした。
例えば、C. elegans と chondroitinの文献を検索する場合、

(“Caenorhabditis elegans”[MeSH Terms]
OR “Caenorhabditis elegans”[Title/Abstract]
OR “C. elegans”[Title/Abstract])
AND
(“chondroitin”[ Supplementary Concept]
OR “chondroitin”[All Fields]
OR “chondroitin”[MeSH Terms]
OR “chondroitins”[All Fields]
OR “chondroitine”[All Fields])
のような検索式を組み立てます。これは現在でも非常に重要で、2026年版MeSHについては以下のリンクをご覧ください。
(メッシュデータベース)
しかしChatGPTのようなLLMが登場したことで、研究者が最初からこのような式を書く必要はなくなりつつあります。
例えば、

  1. C. elegansを用いたchondroitinの研究を探してください。同義語(略語を含む)も考慮し、PubMedとEurope PMCを検索してください。

と自然言語で依頼し、AIに検索式を組み立てさせることができます。ここで重要なのは、検索式が不要になったのではなく、検索式を人間だけで作る必要がなくなったということです。AIが裏で検索語や検索式を作ることになるため、その内容を確認できるようにしておく配慮が、研究の再現性の観点から重要です。

2.文献検索の目的別の手法一覧

文献検索を行う目的によって、PubMed、Europe PMC、ChatGPT、Textpressoなどからどれを選べば良いかを一覧しておきます。

目的 適した方法
ある研究分野の概要を知る ChatGPT Search / Deep Research
特定テーマの論文を漏れを少なく検索する PubMed / Europe PMC
検索を再現可能にする PubMed / Europe PMC + 検索式保存
新しい論文を継続監視する Europe PMC RSS / PubMed Saved Search
論文本文中の特定記述を探す Europe PMC全文検索 / Textpresso
C. elegansの本文中の遺伝子・表現型・相互作用を探す Textpresso
複数DBを横断して遺伝子・疾患・化合物などを調べる TogoMCPなど
文献群を読ませて比較・統合する Deep Research / Work
systematic reviewに近い検索 PubMed等の正式な検索式+AI補助

上の表を目安に、検索の目的に応じて用いる手法、文献データベースを使い分けるとよいでしょう。

3.PubMed ― 再現性のある文献検索の中心

PubMedは現在4,000万件以上の生命科学・医学文献のcitationを収録しています。全文データベースではなく、主に書誌情報、abstract、MeSHなどを検索するシステムです。(NCBI)
PubMedの大きな特徴はAutomatic Term Mapping(ATM)を採用している点です。例えば単純な自然言語に近い検索語を入力しても、PubMed側がMeSH、同義語、表記揺れなどをある程度自動で解釈してくれます。さらにAdvanced Searchの Search Details を見ると、入力した検索がPubMed内部でどのような検索式に翻訳されたか確認できます。(PubMed)

したがって現在では、C. elegans chondroitin proteoglycanのような簡単なPubMed検索から始め た場合、重要な調査ではSearch Detailsを確認し、”Caenorhabditis elegans”[MeSH]などが意図通り使われているかを見るのが大事です。PubMedはこの意味で、探索にも使えるが、最終的には検索式を明示して再現可能にできるデータベースという位置づけのサービスと考えるとよいでしょう。

4.Europe PMC ― PubMedよりも「全文」と「監視」に強い

Europe PMCはPubMedと大きく重なるが、完全に同じものではありません。Europe PMCにはPubMed/MEDLINEのabstractに加え、PubMed Centralの全文、preprint、Agricola由来文献、書籍などが含まれます。Europe PMC自身の説明でも、PubMedとPMCの内容を取り込みながら、それ以外のコンテンツも収録していると記しています。(Europe PMC)

さらに大きな違いは全文検索です。PubMedは基本的にcitation metadata、abstract、MeSHなどを対象にするのに対し、Europe PMCでは利用可能な論文について全文が検索できます。TITLE:、ABSTRACT:、TITLE_ABS: だけでなく、Introduction、Methods、Results、Discussionなど特定sectionを対象にした検索も可能である。(Europe PMC) したがって、
「この遺伝子について論文タイトルやabstractには書かれていないが、Resultsに記述されていないか」という検索をしたい場合などではEurope PMCが非常に有用になります。またREST APIも提供されており、検索結果をXMLやJSONとして取得できる。(Europe PMC)

5.Europe PMC RSS ― 「検索」ではなく「定期監視」の道具

昨日の記事で紹介したRSSは、保存した検索条件を定期的に再実行して、新しく追加された文献を知らせる仕組みです。Europe PMCではキーワード、著者、ジャーナルなど任意の検索をRSS feed化でき、新しい該当論文が追加された時に追跡できる。(Europe PMC)
例えば、”Caenorhabditis elegans” AND glycosylationを昨日の記事で紹介した方法でをRSSにすれば、新しい関連文献を毎日チェックできます。ただしRSSを使う場合、検索式が悪ければRSSで得られる結果も悪いという点に留意する必要があります。
例えば、elegansだけなら感度は高いがノイズも増て無関係な文献もたくさんヒットしてしまいます。検索語を追加して、”Caenorhabditis elegans” AND  (“glycosaminoglycan” OR “chondroitin sulfate”)とするとヒットする論文はずいぶん絞られます。RSSは、検索式を完成させた後、その検索式を自動監視装置にする方法であると理解するのがよいでしょう。またRSS feed自体を「過去文献を網羅する検索結果」として使うべきではないのは昨日記したとおりです。過去の文献探索はEurope PMC本体やAPIで行い、RSSは今後追加されるものの監視に使う方が適しています。

明日はtextpressoやMCPについて触れて完結する予定です。

ChatGPTに自然言語で文献検索を依頼するときの注意点(その1)

前2回の記事で、Europe PMCやPubMedを検索式を作って検索する方法を紹介しました。最近では生成AI の文献検索を依頼する方も多いと思います。ChatGPTに自然言語で文献検索を依頼するときに、ハルシネーションを少なくして検索結果を得る方法を尋ねてみたのでその結果の一部を引用します。


自然言語検索(ChatGPTなどLLMに依頼する検索)と検索式検索を組み合わせる方法が便利です:

2026年現在、研究者にとって最も便利な文献検索法はこの両者を組み合わせる方法です。例ではPubMedとしていますが、Europe PMCでも同じです。

例えば研究者はChatGPTに、

C. elegansのchondroitinについての文献を検索したい。
概念を分解し、PubMedのMeSHとTitle/Abstract語を使った感度の高い検索式を作ってください。
CSなどの表記も考慮してください。

と依頼します。AIが検索式を作ってくれるので、それをPubMedで実際に実行します。得られた結果のSearch Detailsを確認して、既知の重要論文が検索結果に入っているかを見ます。うまく検索できていない場合は、検索式を修正します(LLMに修正を依頼しても自分で修正してもOKです)。この方法なら、検索式を一から人間だけで作る必要はなく、しかも最終的な検索はPubMedで実行されるため再現性があることになります。


ChatGPTに文献探索を依頼するときの推奨プロンプトの例:

2026年現在なら、単に「○○について論文を探して。」とするより、次のように依頼する方がハルシネーションが少なく安全です。

○○について文献を調査してください。

PubMed、Europe PMC、および出版社の原論文ページを
実際に検索してください。

モデル内部の知識だけから文献を挙げないでください。

各論文について、
・タイトル
・著者
・雑誌
・発表年
・PMID
・DOI
を可能な範囲で確認してください。

存在を確認できない文献はリストに含めないでください。

最後に、
・使用した検索語
・可能ならPubMed検索式
・検索したデータベース
・検索日
を示してください。

このプロンプトの最大の意味は、生成ではなくretrievalを要求することです。文献の外部からの取得を依頼しない場合、ChatGPTやGeminiなどの生成AIは、内部情報から文献リストを作るので、架空の文献がでてくるハルシネーションが避けられません。必ずプロンプトで、文献の外部からの取得を依頼することが必要です。


網羅性が必要な場合のプロンプトは少し違います:

例えば、「C. elegans の innate immunityに関する主要論文を教えてください。」ならChatGPT SearchやDeep Researchで十分な場合が多いです。(innate immunityは自然免疫のことです。)

しかし、「2000~2026年に発表されたC. elegans の innate immunity研究を可能な限り漏れなく収集したい。」となると方法を変える必要があります。この場合はAIに直接「論文を全部探せ」と依頼するより、

「このテーマをPubMedで高感度に検索するための概念群と同義語を列挙し、MeSHとTitle/Abstract語を組み合わせた検索式を作ってください。」

と依頼するほうがよいです。そして完成した式をPubMedまたはEurope PMCで実行します。つまり、

AIに論文を探させるのではなく、AIに検索戦略を設計させる
という方針がよいということです。

この違いはかなり重要です。(以下、明日に続く)

論文やプレプリントを一挙に検索できるEurope PubMed Centralの使い方(2)

昨日の続きです。

Europe PMCは、デフォルトで本文も検索対象にしているため、PubMedで検索できない論文も検索でヒットする可能性が高い上に、PubMed, PubMed Central, preprint serverを一括して検索できるので、論文検索のもれが無くなる可能性が高いということを書きました。
一方で、
fat
division

のような一般的な単語を含む検索では、本文中にたまたまその語が登場しただけの論文まで拾い、検索結果がかなり増える可能性があります。その場合には、Europe PMCの

TITLE_ABS:

を使う方法がおすすめです。

これは検索対象をtitleとabstractに限定するフィールドです。Europe PMCでは2023年にtitleとabstractを同時に検索する TITLE_ABS: フィールドが追加されました。

たとえば、より厳密にするなら、

TITLE_ABS:elegans AND
(
TITLE_ABS:glyco* OR
TITLE_ABS:sugar OR
TITLE_ABS:transferase OR
TITLE_ABS:proteoglycan OR
TITLE_ABS:fatty OR
TITLE_ABS:fat OR
TITLE_ABS:division OR
TITLE_ABS:meiotic OR
TITLE_ABS:meiosis OR
TITLE_ABS:GPI OR
TITLE_ABS:lipid OR
TITLE_ABS:sphingo*
)
AND
FIRST_PDATE:[2003-01-01 TO 2030-12-31]

という検索式にするというのもありです。

こちらは全文中に単語が出てくるだけの論文を除外できるので、毎日見るRSSとしてはこちらの方が扱いやすい可能性が高いかもしれません。

ただし、Europe PMCの特徴である全文検索能力を積極的に利用したければ、最初のフィールド指定なしの検索式を使う方がよいでしょう。

まとめると:

広く文献を拾いたい場合 → フィールド指定なし

PubMedに近い感覚で新着論文を監視したい場合 → TITLE_ABS:

の使い分けが可能であるということになります。

実際にRSS feedを作る

操作は簡単です。ただ注意したいのは、昨日書いたようにRSS feedを作成する検索式にFIRST_PDATE:[2003-01-01 TO 2030-12-31]などのFIRST_PDATE:が入っているとRSS feedが作れないことです。詳しくいえば、Europe PMCでは FIRST_PDATE:[2003-01-01 TO 2030-12-31] のような日付範囲は通常のWeb検索では利用できます。しかし、2026年9月現在、この日付範囲の入っている検索式からRSSを生成しようとすると HTTP 400 Bad Request というエラーがでてRSS feedは作れませんでした。ということで、継続的な新着文献チェックを目的とするRSSでは日付条件を外し、キーワード部分のみをRSS検索式として使用するのがおすすめです。過去文献を調査するときには、通常のEurope PMC検索で FIRST_PDATE: を追加すればOKです。

ではRSS feedの作り方です。

  1. Europe PMCを開く。 Europe PMC
  2. 検索欄にEurope PMC用の検索式を入力する。たとえば

elegans AND
(glyco* OR sugar OR transferase OR proteoglycan OR fatty OR
fat OR division OR meiotic OR meiosis OR GPI OR lipid OR sphingo*)

  1. Searchを実行して、検索結果を確認する。
  2. 検索結果ページ右上から二番目にある Subscribe to RSS を選ぶ。
  3. 表示されたRSS feedのURLをコピーする。
  4. Feedly、Inoreader、Thunderbirdなど、自分が使っているRSS readerにURLを登録する。

これで、その検索条件に一致する新しい論文がEurope PMCに追加されると、RSS readerから確認できます。
検索結果が出た直後の画面をペーストしておきますので参考にしてください。

Europe PMCの公式文献によれば、検索結果ページの Subscribe to RSS からカスタムRSS feedを登録でき、RSSにはEurope PMC検索結果の先頭25件が提供されます。

RSS URLを自分で組み立てるよりも、検索を実行して Subscribe to RSSから生成されたURLをコピーする方法の方が、Europe PMC側のURL仕様変更にも強く安全です。

Preprintも同じRSSに入る

ここがEurope PMCを使う大きなメリットです。上の検索式ではpreprintを除外していないので、

PubMed収載論文
+
PMC収録論文
+
preprint

をまとめて検索できます。

Europe PMCではpreprintに PPR というsource codeが割り当てられています。
したがって、preprintだけを検索したければ、検索式に
SRC:PPRを追加します。

例えば、
elegans AND
(glyco* OR proteoglycan OR lipid OR sphingo*)
AND
SRC:PPR

とすれば、該当するpreprintだけを検索してくれます。

逆にPubMed由来の文献は
SRC:MEDで指定できます。研究分野によっては、
全論文+preprintのRSSと、
preprintのみのRSS
の2つを登録して利用するのも良いと思います。

preprintだけを別feedにしておけば、「昨日から今日にかけてbioRxivなどで何が出たか」を短時間で確認でます。

Preprintから正式論文になった場合

一つ注意したいのは、同じ研究が
preprint
↓
査読
↓
journal article

となった場合です。Europe PMCではpreprintと正式出版版を可能な場合には相互にリンクしています。preprintのページからjournal-published versionへ移動することもできます。したがってRSSでは、以前preprintとして読んだ研究が、後日正式な論文として再び現れることがあるというわけです。これは「以前のpreprintが正式出版された」という情報であり、とても、研究動向を追う用途ではむしろ有用である。

Europe PMCのRSSをPubMed RSSの代わりにできるか

完全に同一の検索結果にはなりません。

PubMedとEurope PMCでは検索エンジンやフィールドの扱いが異なり、特にEurope PMCでは全文検索とpreprint検索が加わるためです。

しかし、「自分の研究テーマについて新しい研究が出たら知りたい」

という目的にはEurope PMCのほうが適していると思われます。特に
PubMed
+
PMC full text
+
bioRxivなどのpreprint

を一つの検索式、一つのRSS feedで監視できる点が秀逸です。
従来PubMed RSSを使っていた方は、PubMed RSSとEurope PMC RSSをしばらく併用して、どの程度検索結果が異なるかを比較してみるとよいでしょう。

Europe PMCでフィールド指定なしの全文検索を使う場合には、思いがけない論文を拾う利点がある一方、検索結果が増えすぎる可能性もあるので、しばらく使ってみて、必要ならTITLE_ABS:を使ってtitleとabstractに限定するのもよいでしょう。

論文やプレプリントを一挙に検索できるEurope PubMed Centralの使い方(1)

今日はEurope PMC (PubMed Central )の使い方をまとめてみます。長くなるので二回にわけます。

Europe PMCでPubMed・PMC・プレプリントをまとめてRSS監視する

PubMedでは検索式をRSS feedとして登録しておくことで、自分の研究分野の新着論文を継続的にチェックできます。以前この方法を紹介した記事を書きました。

生命科学系論文の探し方―PubMedの定期的検索

しかし最近は、正式な論文としてPubMedに収載される前に、bioRxivなどのpreprint serverに重要な研究成果が公開されることも多くなっています。そこで今回は、PubMedだけでなく、PMCの全文とpreprintも含めて一括検索し、その検索結果をRSSで監視する方法としてEurope PMCでのRSSの設定方法をまとめます。

Europe PMCとは

Europe PMCは、EMBL-EBIが運営する生命科学・医学文献データベースです。
https://europepmc.org/
PubMedだけのヨーロッパ版というわけではありません。また米国で公開されているPubMed Centralは全文が読める論文のみを集めているもので、Europe PMCよりずっと狭い範囲の論文データベースです。
Europe PMCは:

  • PubMedに収録されている文献
  • PubMed Central(PMC)の全文
  • bioRxiv、medRxiv、Research Square、orgなど多数のpreprint server
  • Agricolaなどの追加文献データ

などが統合されている大規模のデータベースです。したがって、一つの検索式で査読済み論文とpreprintを同時に検索できるのが大きな特徴で便利な点です。Europe PMC公式サイトによれば、PubMedとPMCからのデータは日々取り込まれているそうです。

PubMedで使っていた検索式

最初に紹介した記事では、PubMedで、C. elegansについて次のような検索式で検索を行っていることを紹介しました。

elegans AND (glyco* OR sugar OR transferase OR proteoglycan OR fatty OR
fat OR division OR meiotic OR meiosis OR GPI OR lipid OR sphingo*)
AND 2003[EDAT] : 2030[EDAT]

glyco* の * はワイルドカードで、glyco*と書けば、glycan、glycosylation、glycoproteinなど、glyco から始まる語を広く拾うことができます。

PubMedの検索式をEurope PMC用に書き換える

Europe PMCでも * のワイルドカードが使用できるので、上の検索式の検索語の部分はほぼそのまま移植できます。注意する必要があるのは日付指定です。

PubMedで使われる2003[EDAT] : 2030[EDAT]という表記はEurope PMCでは使用できません。
Europe PMCで「最初に公表された日」を指定する場合には、
FIRST_PDATE:
を使用します。したがって、上の検索式はEurope PMCでは次のように書き換えて利用できます。

elegans AND
(glyco* OR sugar OR transferase OR proteoglycan OR fatty OR
fat OR division OR meiotic OR meiosis OR GPI OR lipid OR sphingo*)
AND
FIRST_PDATE:[2003-01-01 TO 2030-12-31]

FIRST_PDATE は、その文献が最初に公開された日付で、電子版と印刷版のうち早い方を基準にするフィールドです。Europe PMCの検索画面でPublication dateを指定した場合にも、この FIRST_PDATE が使用されます。したがって、FIRST_PDATE:[2003-01-01 TO 2030-12-31]は、

「2003年1月1日から2030年12月31日までに最初に公開された文献」という意味になります。

なお、Europe PMCにはCREATION_DATE:という別の日付フィールドもあります。これは論文の発表日ではなく、そのレコードがEurope PMCデータベースに登録された日を意味します。

新着論文をRSSで監視するだけなら、通常は検索式に CREATION_DATE を書く必要はありません。RSS自体が、新しく検索結果に加わった文献を知らせてくれるからです。

Europe PMCでは検索範囲がPubMedより広くなる

ここは重要な違いです。上のように単にelegans

やglyco*

と入力すると、Europe PMCでは利用可能な全文も検索対象になります。PMCに全文がある論文や、一部のpreprintでは全文まで検索されるため、PubMedで同じ単語を検索した場合よりも多くの文献がヒットする可能性があります。Europe PMC自身も、全文を検索できることをPubMedとの違いの一つとして挙げており、これは文献を広く拾う目的なら非常に大きな利点です。その一方で、fatやdivisionのような一般的な単語を含む検索では、本文中にたまたまその語が登場しただけの論文まで拾い、検索結果がかなり増える可能性があります。そのあたりは検索式をつくるときに注意してください。今日はここまでにします。
とりあえず、Europe PMCのサイトにいって、上の検索式をいれて検索して感じをつかんでみるのがよいでしょう。RSSフィードも簡単につくれます。ただし上の検索式の日付範囲指定の部分があるとエラーになってRSSフィードがつくれません。検索では日付範囲指定が使えるのですが、RSSフィードでは使えない仕様になっているようです。(PubMedの方は日付範囲指定をしていてもRSSフィードはつくれます。)

AI時代の到来で英語教師はどうあるべきかという柳瀬先生の考察

今日はPubMedのRSS feedのやり方の改訂版をつくっていたのですが、まだ完成しないので明日の記事にします。代わりに柳瀬陽介先生のAI時代に英語教師はどうあるべきかという考察紹介しておきます。私達、研究者は英語で発表することが多いので、学生にどのように英語を教えていくかという問題は英語の先生と共通しています。大変参考になる考察だと思います。柳瀬先生のツイートを埋め込んでおきます。柳瀬先生によると埋め込んだツイートにあるリンクの記事は以下のような内容だそうです。


『大修館『英語教育』2025年8月増刊号に書いた原稿の一部を、編集部の許可を得て転載します。英語の先生方に向けて書いたものです。「AIはまず、生徒に教えるための道具ではなく、自分が英語を学び直すための道具として使ってほしい」というのが要点です。後半では、この時代の英語教師の市民的責務についても書いています。』

直リンクはこちらです。

https://x.com/yosukeyanase/article/2100832216607830068

また文末には柳瀬先生の関連記事へのリンクもあります。
https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2000817

他にも、全国英語教育学会50周年記念特別誌『英語教育学の今―実践と理論の統合―』の全文無料公開へのリンクもありますので興味のある方はご覧になるとよいでしょう。

AIが翻訳した古典が無料で読めるサイト

AGIラボというところが、こんな企画をたちあげているそうです。

ソクラテスの弁明とか、孫子、老子、イソップ寓話、法句経、竹取物語、方丈記など現在26冊が公開されています。週ごとに一冊ついかされていくそうです。いろいろな世界の古典が読めます。epub版は有料だそうです。
https://atlas.agi-labo.com/#works

nitterインスタンスがまた消滅しているようです⋯しかし新たなnitterも立ち上がっています。

先日、nitter.netが復活するという宣言をこのブログで紹介しました。書いたときにはすでにxcancel.comが再開していてxの公開ツイートが読めたました。またnitter.netもGitHubのアーカイブ化を解除してxと戦う姿勢を鮮明にしていました。しかし9月11日にnitter.netのGitHubが再びアーカイブ化されてしまい、nitter.net自体も現在アクセスできなくなっています。xcancel.comのサイトにはこうあります。

昨日までアクセスできていた別のnitterインスタンス https://nitter.kareem.one/も今はつながりません。おそらくXのほうからなんらかの通告があったのでしょうね。
このように今まで動いていたnitterインスタンスは読めなくなっているものが多いです。しかし新しいインスタンスの立ち上げも続々と行われていて、いたちごっこのようになっています。今動いているインスタンスを探すサイト、https://status.d420.de/
をみると、ぼちぼちと新しいインスタンスができているのがわかります。またnitterとは違うプログラムteapawtをつかっているhttps://nitter.cfというサイトもまだ動いていますね。https://xitter.cf/
でもアクセスできます。GitHubはこちらからみることができます。https://github.com/4cuck/teapot