今度はamazonを騙る詐欺メールが届きました。詐欺メール振り分け法の紹介です。

今朝、メールをみるとamazonからと称するメールが迷惑メールフィルタをすりぬけてとどいていました。メール一覧には、【Amazon 配送サービス】と表示されていますが、下のスクショにあるように、メールのFrom欄を見ると、文字が左右逆順に表示されているのがわかります。空白もはいっていますね。

メールの本文をみると、置き配にするのに、アプリをダウンロードして設定してくれなどという文面です。

こういう詐欺メールには、迷惑メールフィルタをすりぬけるために文字列を逆順に反転する文字(Bidi制御文字)を含むものがあるそうです。これを迷惑メールフィルタに移動させるには、お使いのメールソフトの振り分け条件設定でこうした逆順表示を含むものをよりわけるのが良いと思います。


振り分け条件の設定画面で、
From:が次の正規表現と一致するもの、と指定します。
正規表現:[\x{200B}-\x{200D}\x{202A}-\x{202E}\x{2066}-\x{2069}]

念のため、「あるいは(OR)」の条件設定で、
Subject:のほうにもこの正規表現と一致するものという条件をつけておけば万全でしょう。


以前の国税庁を騙るメールの設定の記事も参考にどうぞ。Bidi制御文字についても紹介しています。Bidiというのはbidirectionalのことだと思います。

国税庁をかたる巧妙な詐欺メールを回避する方法

夏目漱石が推理小説を書いているって 本当でしょうか?

小学生のころ、はじめて読んだ新書に 『勉強が好きになる本』(KAPPA BOOKS)というのがあって、著者が林 髞(はやし たかし) 慶応義塾大学医学部生理学教室主任教授とありました。パブロフのところに留学した人で大脳生理学の日本での開拓者の一人みたいですね。この人が、ペンネームの木々高太郎という名前で推理小説を書いているとは知りませんでした。林 髞という本名の漢字をバラバラにしてこしらえたペンネームですね。


この人の著作を国立国会図書館デジタルコレクションの検索で探すと、著者名に木々高太郎と入れて探したのですが、一冊しかヒットしませんでした。ところが、国立国会図書館サーチ https://ndlsearch.ndl.go.jp/で、著者名に木々高太郎と入れて探したところ、69件ヒットしました。図書だけなら14件ヒットしていることが、スクリーンショットからわかると思います。

上のスクショのように検索すると、なんか面白そうな本がみつかりました。文芸推理小説選集 第5 (夏目漱石,木々高太郎集)というタイトルの本です。夏目漱石の推理小説があるのでしょうか?


次に、この本の巻末の「解説」への直リンクをはっておくので、知りたい方は是非ご覧ください。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1646330/1/170

 

中田真秀さんによるPubChemにある分子1100万余りの量子化学計算結果のデータベースが公開されました!

以前紹介したことがある中田真秀さんによる、PubChemに登録された分子の量子化学計算結果のデータセットがさらに正確なものになって公開されました。
https://zenodo.org/records/23749554

私は素人なのでまちがっているかもしれませんが、以前の8600万分子の計算結果は、半経験的分子軌道法(PM6)で構造最適化して密度汎関数法B3LYP/6-31G*で電子状態を計算していたと思います。今回は、構造最適化や振動計算の段階からより高度な密度汎関数法と基底関数(wB97X-D/def2-SVP)を利用しており、これをもとに光を吸収した励起状態やイオンの精密計算には、基底関数をdef2-SVPよりも精密に電子の広がりを計算できるdef2-SVPD(Dはdiffuse関数の意味らしいです)を用いています。(Geminiに教えてもらったのですが、タイトルの//の後の部分が構造最適化や振動計算(立体構造の計算)に用いた手法と基底関数を示しており、//の前の部分が構造最適化の結果(立体構造)を使って励起状態やイオンのエネルギーの計算を行なった手法と基底関数を示しています。)以前の8600万個の計算よりも精密な計算で計算時間をとるので多分今回は1100万個の計算結果になっているものと思われます。PubChemにでている多数の分子の量子化学計算結果がデータセットとして利用できるのはすごいことですね。私の学生時代、Quantum Biochemistryというフランスのプルマン夫妻(Pullman夫妻)の本がでて、図書館でみると生体分子の分子軌道法による計算結果がいっぱいのっていました。隔世の感があります。(この本はInternet Archiveで昔は借りて読めたのです紹介しようと思い検索しました。今はremovedになっていて読めませんね。)

PubChemデータベースに含まれる約8600万種の分子についての量子化学計算結果のデータセットが公開されました!

AIがとてつもなく賢くなった今、物理学や数学の研究者はどう対処していくのでしょうか?

AIが数学、物理学者を震撼させています。
さまざまな未解決問題を解いたという報告がOpenAIその他のAI企業からでているのです。
これについて物理学者や数学者はどう考えているのでしょうか。
それを知るのに参考になる動画を3本埋め込んでおきます。

まずはこちらの日本語の動画をごらんになってから、次の数学者の英語版の動画をご覧になるとよいでしょう。

【完全版】OpenAI論文と理論物理|学習物理学・緊急オンライン座談会(2026年10月12日)
https://youtu.be/MdDQ1zwsrcU

AI Crisis in Math: Navier-Stokes, Riemann Hypothesis & Complexity Theory | Lex Fridman Podcast #503
https://youtu.be/ZAzWPE9CItg

こちらもわかりやすい動画です。AI時代の数学についてゲストの数学者と対談して考察しています。
Steven Strogatz on the Humanity of Math
https://youtu.be/xUSznTR2cwc

アルキメデスの死にまつわる疑惑とは‥‥。

古代ギリシャのヘルメスというサイトは読みごたえのある記事満載です。去年も紹介したことがあるので過去記事のリンクは末尾に埋め込んでおきます。


アルキメデスは斬首されたという説があるそうで、意図的に処刑されたという論文の解説です。

このnoteのサイトには他にもおすすめの記事がいっぱいあるので是非訪れてみてください。
https://note.com/greekmathematics
以下は過去記事です。


西洋古代人がどこまで到達していたのかを,史料をもとに検討する隠れた名著『古代の旅行者』が読めるそうです。

紹介した動画の続編がいろいろでています!Startrekとか進化についての動画など

先日紹介したStartrekについての講演会、全2回の後半Part 2がでました。

これとは別に先日紹介した Oxford 2026 Evolution Conference(8 January 2026)の動画が続々と公開されています。2つほど動画を埋め込んでおきます。他の動画もこちらのチャンネルで視聴してみてください。
https://www.youtube.com/@voicesfromoxfordUK/videos

7. Evolving Evolutionary Theory: Towards a New Unification of the Life-Sciences? – Eva Jablonka

創薬する人のための30分でわかる密度汎関数法(DFT)という動画がありました。

Learn Basics of DFT n 30 Minutes for Drugs Discovery Project: No Quantum Mechanics Background Needed
という動画がYouTubeのおすすめで表示されたので紹介します。
タイトルを訳すと『創薬プロジェクトのための密度汎関数法の基礎を学ぼう―量子力学は知らなくてもOK』 というような動画です。
ざっとみましたがこれはおすすめの動画だと思いました。
https://youtu.be/fni_cifbLIM

続きの動画もアップロードされていて、これはPythonで密度汎関数法を実践するワークフローについてのチュートリアルのようです。この動画だけでは自分で解析できないですが、流れはわかるのではないでしょうか。動画のサイトにあるリンクをクリックすると、Jupyter notebookなどがついた教材を40ドル(7000円ちょっと)で売っているようです。しかし日本にはよい教材、教科書、よいネット上のチュートリアルがありますので、買う必要はないと思いました。ざっとPythonでのDFTの流れをみるのによい動画と思います。

DFT in Python: Complete Quantum Chemistry Workflow Tutorial | PySCF, HOMO-LUMO & UV-Vis
https://youtu.be/CIKZLMjclsE

生命とはなにか?知性とは何か?進化とは何か?Googleの研究者の講演動画が面白かったです。

面白い講演会動画が今日公開されました。GoogleのAI研究者であるBlaise Agüera y Arcasさんによる、生命と進化についての講演です。今年の1月にOxford大学で開催されたOxford 2026 Evolution Conferenceでの講演です。生命とは何かを定義することから始まるとてもわかりやすく面白い講演でした。
Blaise Agüera y Arcas delivers “A Cooperative, Computational Theory of Evolution” at the Oxford 2026 Evolution Conference.

A Cooperative, Computational Theory of Evolution – Blaise Agüera y Arcas
https://youtu.be/ZnadfNE_gvk

彼の有名な本の概要にもなっている講演です。
MIT Pressから刊行されているWhat Is Intelligence?という本ですが、オンラインで公開されている無料版の方が(電子ブックにはない図や動画などもはいっているので)おすすめです。こちらから読むことができます。https://whatisintelligence.antikythera.org/

この本へのリンクが載っている次のサイトには、他にも面白そうな本がいろいろ公開されているので調べてみてください。https://journal.antikythera.org/
Launchと書かれている本はオンラインで読めます。

最後にOxford Evolution Conferenceの基調講演を含む他の講演動画もいくつか公開されているので興味のある方はご覧ください。
https://www.youtube.com/@voicesfromoxfordUK/videos
会議のプログラムはこちら。まだ公開されていない講演で面白そうなものがあるので公開されるとよいですね。
https://oxford2025evolutionconference.com/programme/

世界を震撼させた物理学の10日間についての本の紹介です。

今日は市販の本を紹介します。ブライアン・クレッグという英国のサイエンスライターが書いた物理学の歴史とその成果が私たちの生活をどの様に変えたかについての面白い本の日本語訳です。大変良く調べて書かれている密度が濃い、そして誰にも読みやすい、わかりやすく書かれた本です。ニュートン、ファラデー、クラウジウス、マックスウエルなどが登場し、青色ダイオードの発明についても日本人研究者についても含めて詳しく書かれています。
『私たちの生活をガラッと変えた物理学の10の日』というタイトルで、ブライアン・クレッグ著 東郷えりか訳 本体 2,400円 (作品社)という本です。
Ten Days in Physics That Shook the World: How Physicists Transformed Everyday Life (2021年出版)の日本語訳です。本のタイトルの由来についてはこのブログ記事の末尾の註をご覧ください。
次の出版社のリンクから目次や試し読みができるので是非読んでみてください。
https://sakuhinsha.com/nonfiction/29918.html
この本が出版された時はちょうどAlphaFoldがタンパク質の立体構造予測に成功したころでAIについての章ではAlphaFoldについても触れられています。ただChatGPTの出現前だったので、AIの現在の発展までは予測できなかったようです。
CleggさんはRoyal Institutionでも講演しています。一番最近の講演はこちらです。
The Fundamental Patterns that Explain the Universe – with Brian Clegg
https://youtu.be/dXgcVTquGh0

Cleggさんの本には、他に数学や物理、量子力学の入門書、ゲーム理論の入門書、タイムマシンの作り方などいろんなものがあります。どれもベストセラーになっているようで、ポピュラーサイエンスライターとして賞ももらっています。

註:この本のタイトルは、 Ten Days that Shook the World (English Edition)
written by John Reedのもじりだと思います。ソビエト連邦の誕生を現地で目撃したジャーナリストJohn Reedによるルポで世界的ベストセラーになった本です。R日本語訳はこちらで読むことが出来ます。
ジョン・リード 著 ほか『世界を震撼させた十日間』,角川書店,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12185515 (参照 2026-10-25)
英語版は、こちらからダウンロード可能です。
https://www.marxists.org/ebooks/reed/ten-days-that-shook-the-world-reed.pdf

Startrek放送開始から60年たったそうです!記念の講演会などが開催されています。

宇宙大作戦という名前でスタートレックがテレビ放送されてから今年で60年たつそうです。その後、映画やさまざまなスタートレックシリーズ(12のシリーズ、14本の映画)ができて、今も放映中というのはすごいですね。今回はStartrek60歳記念の講演として、英国のThe Royal Institutionで開催された講演会の動画を紹介します。Part 1が公開されたばかりで、近々Part 2も公開されるでしょう。
How Star Trek inspired real science | Part 1
https://youtu.be/y4szgt79BX8

この講演会では、スタートレックがなぜ60年も続いているのかという話からはじまって、スタートレックの未来予測が当たった例、スタートレックの宇宙人のメーキャップ、クジラ保護に役立ったスタートレック、宇宙人との交信、スタートレックに登場する元素周期表、ダイリチュウムって本当にあるのか?などなど、スタートレックフアン向けの話題満載です。何人ものゲストが講演会に登場して解説してくれるパートもあるので是非ご覧ください。
最近のスタートレック・ディスカバリー (アマゾンプライムに最近追加されました) では胞子ドライブという宇宙の生命ネットワークをつかってワープよりすぐれた超光速移動する宇宙船がでてきて面白かったです。シーズン3以降はダイリチュウムとかがでてきて、まだみていませんが、Part 2ではこうした話題もでてくるのでしょうか?ちょっと楽しみです。