意識の量子論の現状を解説するNew Scientistの動画がでました。

The Experiment That Could Explain Consciousness
https://youtu.be/VjlX7w_CjqQ

New Scientist (有名な一般向け科学解説誌で英国では駅の売店やニューススタンドで売っています)のチャンネルに掲載された最新の動画です。Jacklin Kwanが、意識の量子論について解説してくれています。意識の量子論といえばノーベル物理学賞をもらっているPenroseと麻酔学者のHameroff(アリゾナ大学名誉教授)によるOrch ORが有名です。この理論の解説や、Penroseの観測問題に対するアイデア、チューブリンの示す量子効果の実験、キセノンによる麻酔がチューブリンに作用していることを示唆する同位体実験などがわかりやすく紹介されています。Googleで量子人工知能ラボを創設して研究をしているHartmut Nevenも登場して解説しています。彼は、ショウジョウバエや脳のオルガノイドでこのキセノン実験の追試をしているそうです。また彼は量子力学の観測問題の解決にむけて、人間の脳と量子コンピュータをつなぐことで、多世界理論と意識の関係について研究するという大胆な実験計画を披露してくれています。面白い動画なので是非ご覧ください。次の動画も参考動画としてあげられています。
We May Never Understand Reality
https://youtu.be/LJ_l_DQ1AnU

YouTube動画の精度の高い文字起こし法―スクショ付き実行手順です。

今日は一昨日紹介したGoogle AI Studioを使って動画を文字起こしする手順を紹介します。次の動画を文字起こししてみましょう。(これはAlphaGenomeなどの紹介を含む、最新のゲノム解析ツールについての良い動画です。知識をアップデートするのに最適の動画です。

まずGoogle AI Studioを使えるように設定してみてください。Google AI Studioについては、こちらの記事がわかりやすそうです。Google アカウントでログインした状態で、こちらのサイトにアクセスして利用します。
https://aistudio.google.com/

【無料】Google AI Studioとは?できることや使い方、料金を解説
https://shift-ai.co.jp/blog/10672/
一昨日の記事で、私はGemini 3.8 Flashを使っていると書きました。私はGemini Proのユーザーなのでこの最新モデルが使えますが、契約していない無料ユーザーの方は、使えるモデルが違うかもしれません。


一番重要な注意です。;Google AI Studioの無料枠の場合、Pro ユーザでも利用した内容は、Googleの学習に使われるので(無料枠での使用は学習に使われるのを、オプトアウトできません)公開すべきでない情報は絶対に入力しない、またそうしたリスクが懸念される用途には絶対に利用しないでください。


では、早速文字起こしをためしてみましょう。次の画面(Playgroundの画面)がでたところから始めます。

上のスクショの右端に、現在選択されているモデル名が表示されています。Gemini-3.8 -flashが選択中です。モデルの切り替えは、モデル名の部分をクリックして表示される一覧から選択して切り替えます。無料枠の方は、一番高性能のモデルを選んでください。モデルが選べたら、さっそく動画のurlを入力しましょう。上のスクショの下のほう、Start typing a prompt to see what our models can doとある部分の下にある円に囲まれたプラスの記号をクリックしてください。選択メニューが下のスクショのように表示されます。

YouTube Videoという項目をクリックします。下のスクショのようなポップアップが表示され、YouTube URLの部分に今回の動画のurlをペーストすると、以下のように動画のタイトル画面が表示されて、動画が正しく読み込まれる準備ができたことが確認できます。
Saveボタンを押すと読み込みます。するとこんなメッセージがでるかもしれません。
「Configure agentic video understanding in video settings(動画設定でエージェンティック動画理解を設定してください)」

AI StudioでYouTube動画を追加した際に出る 「Configure agentic video understanding in video settings(動画設定でエージェンティック動画理解を設定してください)」 というメッセージは、「新しく追加された高効率な動画読み込みモード(Agenticモード)が使えますよ」というシステムからの案内です。詳しくは記事の末尾の註に書いておきますので参考にしてください。Agenticモードを使うほうが文字起こしなどのピンポイントの作業にはトークン使用量も少なくなってよいそうです。
Saveボタンを押した後の画面はこんな感じになります。

下の方に今読み込んだYouTubeビデオの画面が表示されています。Agenticとなっている場合は、Agenticモードが使えます。Agenticモードの切り替えは、ビデオ画面の右にある歯車マーク(Edit video optionsボタン)をクリックして行います。押すとこんな表示になります。

Agentic video understandingボタンを上のようにセットしたらAgentic modeでプロンプトを処理できます。白いボタンを左に設定するとAgentic modeが解除されます。設定したらSaveボタンをおして戻ります。いよいよプロンプトを入れて実行です。


今回は一昨日紹介したプロンプトを入れました。Run Ctrlのボタンを押すとAI agentモードで、文字起こしが始まります。数分で完璧な文字起こしが終わりました。こちらは何も指示していなかったのに、英文文字起こしのあとに日本語訳までついています。


あとは、回答をコピーしておきましょう。Google driveへ保存するか?というようなダイアログがでたら保存するを選んでください。保存しないでブラウザを閉じると結果が全部消えてしまうので注意しましょう。自分でテキストファイルやマークダウンで保存しておくのをおすすめします。その場合は、上から二番目の点が3つ縦に積み重なっているマークをクリックしてみてください。上のスクショのようにCopy as textやCopy as markdownの選択肢がでますので好きな方でコピーして、エディタやWordなどにペーストしてください。これで結果が保存できました。Google driveに保存している場合も、テキストファイルやマークダウンファイルで保存した後、Google driveのほうは消しても良いと思います。空き容量があまりない方の場合は特にそのあたりを注意してください。


註:以下はGeminiによる、Agent modeについての解説のコピペです。
AI StudioでYouTube動画を追加した際に出る 「Configure agentic video understanding in video settings(動画設定でエージェンティック動画理解を設定してください)」 というメッセージは、「新しく追加された高効率な動画読み込みモード(Agenticモード)が使えますよ」というシステムからの案内です。これは2026年9月にGeminiに追加されたばかりの非常に強力な新機能です。具体的にどういう意味なのか、設定すべきかどうかを分かりやすく解説します。

従来の読み込み(Static)との違い

  • 従来(Staticモード): 動画の最初から最後まで、機械的に「1秒間に1コマ(1FPS)」ずつ切り出してすべての画像をAIに読み込ませていました。これだと、長時間の動画ではデータ量(トークン)が爆発的に増えてしまい、1秒未満の一瞬の動きも見逃しがちでした。

  • Agentic(エージェンティック)モード: AI自身が「エージェント(自律的な処理者)」として振る舞います。あなたの質問(プロンプト)を受け取った後、まずは動画の文字起こしや概要をざっと確認し、「質問に答えるために映像を見るべき重要なシーン」だけをピンポイントで探しに行きます。

Agenticモードを使う3つのメリット

  1. トークン(データ量)の劇的な節約: 必要な部分だけを見るため、長時間の動画でも消費トークンを最大88%も削減できます。

  2. 精度アップ: 重要なシーンを見つけた際は、そこだけ高いフレームレート(コマ数)で細かく観察できるため、素早い動きや見逃しやすい一瞬の変化も正確に捉えます(精度が最大7%向上)。

  3. コストダウン: 処理するデータ量が減るため、有料プランの場合はコストが大幅に下がります(無料枠でも制限に引っかかりにくくなります)。

メッセージが出たらどうすればいい?

特に長時間の動画(今回のシングルセル解析の動画など)や、ピンポイントで情報を探したい場合は、AgenticモードをONにするのがおすすめです。

  1. AI Studioの画面右側、または追加した動画ファイルの近くにある 「Video settings(または歯車マーク)」 をクリックします。

  2. 処理モード(Processing mode)を選ぶ項目があれば、「Agentic」を選択します。

  3. あとは通常通りプロンプトを入力して「Run」を押すだけです。

「5分以内の短い動画」や「動画全体の映像をくまなくチェックしてほしい時」は従来のモードが良い場合もありますが、文字起こしや内容検索がメインであれば、Agenticモードを利用することでより早くスマートな回答が得られます。

 

ノーベル化学賞に硤合憲三先生が選ばれましたね!おめでとうございます!

今日のノーベル化学賞の発表は期待していました。硤合憲三先生の受賞、おめでとうございます。生命のキラリティーの生成の解明にもつながりそうな研究は素晴らしいですね。

さっそく雑誌現代化学が昨年の記事を無料公開してくださっています。これはわかりやすい対談で必見です。
『受賞を記念し、『現代化学』2025年9月号に掲載されました,川﨑常臣先生・硤合憲三先生による解説記事「不斉自己触媒反応で迫る 生命のホモキラリティーの起源」を無料公開いたします。 』ということです。次のリンクからダウンロードできます。

【無料公開】2026年ノーベル化学賞 関連情報
https://www.tkd-pbl.com/news/n130781.html

下の画像は、本家のhttps://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/
の本日のページからのスクショです。

昨日予告しましたGoogle AI Studioによる文字起こしの手順は、明日に記載します。

YouTube動画の精度の高い文字起こし法を習いました。

今日はTogoTVの新しい動画を見ました。この動画なんですが1細胞レベルのRNA-seqの話で、解析にAIをどう活用するかの実例を披露されている動画です。
『Agent-readyなデータ解析ワークフローの構築』

https://youtu.be/_GhEF7oYc3E

大変面白い動画でしたが、一細胞レベルのRNA-seqの専門用語に馴染みがない私には理解できない部分があちこちにありました。自動文字起こしは例えばこんなふうです。これは最後の質疑応答の部分の文字起こしです。


【ああ、そっか。そういうことであれば この細胞型ノテーション っていうのがすごい複雑な作業だっていう 話をしたと思うんですけど、これあの論文 にはこういうラベルが付いてるのにGO みたいな公共データベースではついてない んですよね。で、みんながメタデータとし てそのラベ情報を当てがっていたり、ま、 あとは解析済みのスーラとかスキャンパー みたいな、え、ファイをGOでも共有し てればこんな苦労はないんですけど、 なかなかそういうのをGOがやってくれ ないっていう、やってくれないていうか なんてだろう、やらなくてもデータとして 受け付けるような状況になっていて、で、 毎回このデータは、あ、この細胞は何の 細胞ですか?ての著者に問い合わせたりと かしてきてるんですけど、そこがま、 ちょっとデータ側にはやってほしいなって 感じですね。ただAIが結構高制度に予測 してくるようになったってのが現状には なります。】


スーラとかスキャンパーとか、なんのことかわからない文字起こしや、GOなど誤りらしい部分を青字で示してみました。スーラとかスキャンパーってなんなのでしょう?「バイオインフォマティクス」などの単語と合わせてGoogle検索してもなんのことかわかりませんでした。GOと文字起こしされているのは、実はGEOです。Geminiに動画のurlを入れて聞いてみると、スーラとスキャンパーというのは実は、SeuratとScanpyというのが正しい用語だとわかりました。以下はこの2つのGeminiによる解説です。

Seurat(スーラ)とScanpy(スキャンピー)は、どちらもシングルセルRNA-seq(scRNA-seq)で得られた膨大なデータを解析し、生物学的な意味を見出すための総合的な解析パッケージ(フレームワーク)です。

  • Seurat: R言語ベースのパッケージ。Satijaラボが開発しており、世界中で最も広く使われている事実上の標準ツールです。ドキュメントやチュートリアルが非常に豊富です。

  • Scanpy: Python言語ベースのパッケージ。Theisラボが開発。Pythonの機械学習ライブラリとの連携がしやすく、数百万細胞規模の巨大なデータセットに対しても高速に処理できるのが強みです。


これはGeminiのプロンプトに動画のurlを貼り付けて質問して、「スーラというのはsraファイルのことですか?」などとプロンプトでたずねたときの回答です。この後は、シングルセルRNA-seqの実習をしてみますか?というようなチャットが続いて、scRNA-seqデータの解析をRやPythonで体験する教科書をつくってくれました。すごい時代になったと実感します。その後、YouTube動画を正確に文字起こしする方法を教えてもらおうと次のプロンプトを入力しました。
【ところで、YouTube動画の文字起こしで、科学的内容を正確に文字起こしできるものでおすすめのソフトやサービスがありますか?Googleのものが良いと、この動画の演者が述べていましたが。】
回答では3つの方法を教えてくれました。記事の最後に回答をそのまま貼り付けますが、私は2番目のGoogle AIStudioを使ってみました。使い方は明日書きますが、無料でこの程度の動画なら2分もかからず全文文字起こししてくれます。モデルは最新のGemini 3.8 Flashを選び、プロンプトは以下のものを考えて使ってみました。
『読み込んだ動画の音声を、タイムスタンプ付きで全文文字起こししてください。

【指示ルール】
> 1. **省略禁止:** 要約はせず、発言内容をすべてテキスト化してください。
> 2. **タイムスタンプ:** 内容の区切りが良いところ(おおむね3〜5分間隔)で、見出しとともにタイムスタンプ(例:)を挿入してください。
> 3. 音声が聞き取れない箇所や、専門用語の正確なスペル・意味に確信が持てない単語については、無理に推測せず 【?:聞こえたままのカタカナ】 のように目立つ印をつけて出力してください。
> 4. **ケバ取り:** 意味を持たない言い淀み(あー、えーっと等)のみ削除し、自然な日本語の文章にしてください。』

このプロンプトの3番目は、AIが勝手に推測して適当な単語に変換してしまうのを防ぐものです。AIが知らない、あるいは聞き取りにくかった部分は【】にかこんで表示してくれるようになります。

最初に自動文字起こしで表示された部分の文字起こし結果は以下のように完璧です。
『Google AIStudioによる文字起こし:
ああ、そっか。そういうことであれば、この細胞型アノテーションというのがすごい煩雑な作業だという話をしたと思うんですけど、論文にはこういうラベルが付いているのに、GEOみたいな公共データベースでは付いていないんですよね。みんながメタデータとしてそのラベル情報を当てがっていたり、あとは解析済みのSeuratとかScanpyみたいなファイルをGEOでも共有していればこんな苦労はないんですけど、なかなかそういうのをGEOがやってくれないというか、やらなくてもデータとして受け付けるような状況になっていて。毎回「このデータは、この細胞は何の細胞ですか」というのを著者に問い合わせたりとかしてきているんですけど、そこはちょっとデータ側にはやってほしいなという感じですね。ただAIが結構高精度に予測してくれるようになったというのが現状にはなります。』
GOと自動文字起こしで書かれていた部分も、ちゃんとGEOになっていますし、スーラとかスキャンピーとか意味不明な文字起こしの部分も、正確な解析パッケージ名であるSeuratとScanpyになっています。他の部分も完璧で人名、大学名などもちゃんと認識していました。このGoogle AIStudioなら長い動画の文字起こしも、あっと言う間に完了してしまいます。これはすごいのでぜひ活用してみてください。詳しい利用法は明日書きます。

以下はGeminiが教えてくれた3つの高精度で文字起こしできるツールについての回答です。


動画の中で演者の方が「ジェミノートブック(旧ノートブック)」と呼んでいたのは、Googleが提供している NotebookLM(およびバックエンドで動く Gemini)のことです。
科学・バイオインフォマティクスのような専門用語(Seurat、UMAP、トランスクリプトームなど)が飛び交う動画・音声の場合、一般的な文字起こしツールでは誤変換が頻発します。「文脈を理解して専門用語を推測できる大規模言語モデル(LLM)ベースのツール」を選ぶのが確実です。
YouTube動画の科学的内容を正確に文字起こし・テキスト化する上でおすすめのツールは以下の3つです。

1. Google NotebookLM(演者が言及していたツール)

  • 特徴: Googleが提供する無料のリサーチアシスタントツールです。
  • YouTube対応: ソース追加画面で YouTubeのURLを貼り付けるだけ で内容を読み込みます。
  • 強み:
    • 背景にあるGeminiが文脈(ライフサイエンス、情報科学など)を理解した上で処理するため、専門用語の認識率が非常に高いです。
    • 文字起こし全体を出力させるだけでなく、「この動画で説明されている解析手順を箇条書きでまとめて」「〇〇について話している部分を抜き出して」といった対話形式の抽出が強力です。

2. Google AI Studio(Gemini を直接利用)

  • 特徴: Googleが開発者・一般向けに公開しているAIの実験環境(無料で利用可能)。
  • YouTube対応: プロンプト入力欄に YouTube のURLを直接貼り付ける、またはダウンロードした音声/動画ファイルをアップロードできます。
  • 強み:
    • 長時間の動画を丸ごと読み込める非常に大きなコンテキスト窓を持っています。
    • 「バイオインフォマティクスおよびシングルセル解析に関する動画です。専門用語(Seurat、Scanpy、PCA、UMAP、クラスタリングなど)を正確に反映して、タイムスタンプ付きで全文書き起こしてください」といった指示(プロンプト)を与えることで、極めて高い精度の全文文字起こしが得られます。

3. OpenAI Whisper(特に large-v3 モデル)

  • 特徴: 音声認識(STT)に特化したオープンソースの最高峰モデル。
  • 利用方法:
    • Macならアプリ MacWhisper
    • Webブラウザ完結なら Hugging Face上のWhisperスペース
    • コマンドライン(Python)
  • 強み:
    • 単語単位のタイムスタンプ付きSRT(字幕ファイル)を作りたい場合に最適です。
    • プロンプト(initial_prompt)機能: あらかじめ「Seurat, Scanpy, scRNA-seq, UMAP, 単一細胞」といった専門用語の単語リストをプロンプトとして渡しておくことで、発音の似た一般的な単語への誤変換を防ぐことができます。
    • 完全に自分のパソコン内(ローカル環境)で動かせるため、未公開の研究データや機密動画でも安全に使えます。

実務でのおすすめの使い分け

  1. 手軽に内容を把握・要約・参照したい場合:
    NotebookLM に動画URLを貼り付けるのが最も簡単でおすすめです。
  2. 完全な文字起こしテキスト(全文)が欲しい場合:
    Google AI Studio(Gemini) にURLを渡し、専門用語の前提条件をプロンプトで指定して書き出させるのが最も精度が高くなります。
  3. 字幕ファイル(.srt)を作成したい、または機密データを扱う場合:
    Whisper(largeモデル) に専門用語プロンプトを添えてローカルで処理するのがベストです。

Adobe製品の代わりになりそうなオープンソースソフトがでたようです。

Linux, Mac, Windowsで使えるAdobe製品と同じ機能を持つオープンソースのソフト群が公開されたようです。これって、使えるといいですね。今日、ツイートを見たばかりなので時間があるときにUbuntuで試してみたいです。

GitHubはこちら。
https://github.com/orgs/storytold/repositories?type=all

計算機プログラムの構造と解釈 第2版 という名著があるそうです。

今日はプログラミング学習の名著の紹介です。私には難しすぎる本のようですが、古典的名著だそうで、興味のある方はご覧ください。

Structure and Interpretation of Computer Programs
second edition
by Harold Abelson and Gerald Jay Sussman
With Julie Sussmanという本で、日本語訳も販売されていますが、下のリンクにあるように無料の日本語訳pdfも公開されています。原著はMIT Pressのオープンアクセスの本です。Schemeという有名なLisp系の言語で学ぶ本格的プログラミングを学びたい人向けの教科書です。
https://mitpress.mit.edu/9780262510875/structure-and-interpretation-of-computer-programs/
JavaScript版もオープンアクセスで読めます。
https://mitpress.mit.edu/9780262543231/structure-and-interpretation-of-computer-programs/

日本語版もあってこちらからダウンロードできます。
https://github.com/minghai/sicp-pdf
英語版の原著です。
https://web.mit.edu/6.001/6.037/sicp.pdf
多分同じpdfがこちらからもダウンロード可能です。
https://media.githubusercontent.com/media/sarabander/sicp-pdf/master/sicp.pdf
この教科書を使った講義動画もYouTubeにいろいろあります。一つ埋め込んでおきます。
https://youtu.be/oA-FdE3KV88

以下はこの教科書についてのGeminiの解説です。


この本は、1980年代からMIT(マサチューセッツ工科大学)の入門コースで使われていた教科書ですが、単なる「プログラミング言語の構文」を教える本ではありません。「計算という行為そのものをどう捉え、どう組み立てるか」という、プログラミングの根本的な思想と抽象化の技術を学ぶための本です。オリジナル版ではScheme(Lispの方言)が使われています。構文が極めてシンプルであるため、言語の仕様に気を取られることなく、アルゴリズムやデータ構造、プログラムの設計に集中できるように作られています。(※近年、現代の読者向けにJavaScriptに置き換えた「SICP JS」版もオープンアクセスで公開されています)。

6.037 – Structure and Interpretation of Computer Programs [2019]は2019年のこの教科書を使った講義のサポートページです。
https://web.mit.edu/6.001/6.037/

主なテーマ: 手続きの抽象化、データの抽象化、状態とモジュール性、メタ言語的抽象化(プログラミング言語を作るプログラム、つまりインタプリタの実装)など。

難易度: 「入門コース」用とはいえ、数学的な題材(微分方程式など)も頻繁に登場し、内容は非常に高度でハードです。

誰におすすめか

この本は、「手っ取り早くWebアプリを作りたい」「最新の言語を覚えたい」という目的には適していません。以下のような方におすすめです。

コンピュータサイエンスの基礎を本格的に学びたい人: 情報工学の学位を持たずにプログラマになった方で、CSの根本的な考え方を体系的に身につけたい方に最適です。

中級〜上級への壁を越えたい現役プログラマ: 日々の業務でコードを書いているが、「良い設計とは何か」「より高いレベルの抽象化とは何か」を深く理解し、ソフトウェアアーキテクチャの視座を高めたい方。

プログラミングの「本質」に触れたい人: 新しい技術が次々と生まれる中で、何十年経っても色褪せない普遍的な原理原則を学びたい技術者。

読むのにかなりの時間と根気を要する鈍器のような本ですが、最後まで読み通す(あるいはコードを書きながら演習問題を解く)ことで、プログラミングに対する視界が劇的に変わると多くのエンジニアが評価しています。

スキーム版と、JavaScript版のどちらを読むべきか?

JavaScript版(SICP JS)をおすすめする人:

Webエンジニアや現代の言語に慣れている人: JS、TypeScript、Python、C++などで普段開発している方。言語の構文(カッコだらけのLisp)で挫折することなく、SICPの「本質的な概念(抽象化や設計)」の学習に直行できます。

環境構築の手間を省きたい人: シンガポール国立大学が提供している「Source Academy」というWebサイトを使えば、ブラウザ上ですぐにコードを試しながら読み進められます。

Scheme版(オリジナル)をおすすめする人:

プログラミングのパラダイムシフトを体験したい人: Lispの「コードとデータが同じ形をしている(同図像性)」という魔法のような性質に触れたい方。特に第4章のメタ循環評価器(インタプリタの実装)の美しさは、Scheme版だからこそ最大限に味わえます。

古典としての「完全なSICP」を味わいたい人: コンピュータサイエンスの歴史に残る名著を、作者が意図したオリジナルの思考プロセスそのままで体験したい「ピュアリスト」向けです。

結論: 現代の実務プログラマが「アーキテクチャや抽象化の基礎力」を鍛え直す目的であれば、JavaScript版(SICP JS)の方が圧倒的に挫折しにくく、学習効率が高いためおすすめです。一方、「Lispという言語の美しさ」や「ハッカー文化の源流」に触れたい場合はScheme版に挑戦してみてください。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第46回)

私の学生時代によく読まれていた武谷三男の本で、国立国会図書館デジタルコレクションで読めるものをいくつか紹介します。最後には、武谷とは関係ないですが、ハックスレーの「すばらしい新世界」の載っている本もあるのでご覧ください。

547) 武谷三男 著『思想を織る』,朝日新聞社,1985.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12188767 (参照 2026-10-03)
これは武谷さんの自伝のような本です。生い立ちから始まって物理学者として日本の原子爆弾開発にかかわった話もあるようです。武谷三男の三段階論が湯川秀樹の中間子論の発展に役立ったという話もあって面白そうです。
548) 技術と人間 [編]『技術と人間』(臨時増刊),技術と人間,2000-09. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3257978 (参照 2026-10-03)
これは立教大学で行われた、「武谷三男を語る会」での講演をまとめた増刊号です。
549) 武谷三男 著『量子力学の形成と論理』1 (原子模型の形成),勁草書房,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592596 (参照 2026-10-03)
550) 武谷三男, 長崎正幸 著『量子力学の形成と論理』2 (量子力学への道),勁草書房,1991.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592597 (参照 2026-10-03)
551) 武谷三男, 長崎正幸 著『量子力学の形成と論理』3 (量子力学の成立とその論理),勁草書房,1993.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592598 (参照 2026-10-03) これら三冊は、量子力学史の本で英語版も出版されています。
552) 武谷三男, 野島徳吉 著『現代生物学と弁証法 : モノー『偶然と必然』をめぐって』,勁草書房,1975. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12603026 (参照 2026-10-03)
大学院生の時、読みました。読んで、武谷さんの本は全部捨てました。当時の生物学を研究している学生からみると、世迷言満載の本でした。
553) 武谷三男, 藤田邦彦 著『歩かない足には泥はつかない』,ほんの木 ,1993.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13300830 (参照 2026-10-03)
こちらは対談の本で、武谷三段階論の話では野球の落合選手の話がえんえんと続きます。
554) 高内壮介 著『秩序と混沌 : 湯川秀樹論』,工作舎,1979.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12226289 (参照 2026-10-03) 湯川さんが序文を寄せておられる湯川秀樹論の本です。武谷三段階論の影響を湯川さんが受けているのがよくわかる本です。
555) 『武谷三男現代論集』4 (思想・科学・哲学),勁草書房,1977.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589787 (参照 2026-10-03)
武谷さんが物理学について論じている部分が面白そうです。
556) 『世界文学全集』84 (ウエルズ,ハックスリー),講談社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12445214 (参照 2026-10-03)
これは武谷さんの本とは関係ありません。100分de名著でハックスレーの「すばらしい新世界」を取り上げていたので、選びました。ウエルズのタイムマシーンその他の短編、ハックスリーの作品二点などが入っている本です。

『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』(早川書房)の電子ブックが期間限定で99円で買えます!

最近、図書館から借りてきて読んだ本の電子ブック安売りのお知らせです。よい本なので、また借りようと思っていたのですが、Kindleでなんと99円セールをやっています。私はアマゾンのポイントで買いました。10/2(金)~4(日)の3日間限定とのことですので急いで買いましょう!

AIの急激な発展にともない、もう古くなっている記述もあります。しかしAIが人類を滅ぼすSFの部分も面白いので是非読んでみてください。

最近の発展については著者のページでフォローすることができます。古くなってしまった点の追加情報もあります。
https://ifanyonebuildsit.com/

また著者のサイトにある
Additional Resourcesでも本書刊行後の知見や参考資料もみることができて親切です。
https://ifanyonebuildsit.com/resources

東北大学の大関 真之先生の後期の講義が必見です。

東北大学の大関 真之先生の後期の講義がはじまって、YouTubeで聴講することができます。
【東北大ライブ講義】第1回: シュレーディンガー方程式とフーリエ変換【情報基礎科学としての数理情報学・2026年度東北大学大学院情報科学研究科】
https://www.youtube.com/live/blaK0nIRSY4

量子アニーリングとかではなくて(これは東京科学大学の講義動画や、今書いておられる教科書にまかせるとして)、今回は量子機械学習の講義だそうです。量子コンピュータのゲート方式のアルゴリズムとかも講義されるようです。第一回目を見ましたが、大変わかりやすい講義でした。量子力学を知らなくても、うまく解説してくださっているのでついていけます。無理と思った方は、大関先生の前学期の講義 量子力学Bを勉強しましょう。

大関先生の講義は応用数学とか、量子力学とか、機械学習とかいろいろ公開されています。私のブログでいろいろ教科書とかサイトとかを紹介していますが、数学や量子力学の入門は、この大関先生の公開されている講義動画で必要十分だと思います。この頃は、小学生でも視聴している子がいるようです。良い講義なのでおすすめします。

ChatGPTのバイオセーフティモードで回答が拒否されました

ChatGPTで完了した実験データをデータベースにアップロードするための英文をこしらえていました。ある時から、突然
「このコンテンツは、生物学的安全性に関するリスクが疑われるため、フラグが付けられました
判断に誤りがありましたか?この回答に低評価を付けてお知らせください。その後、リクエストを言い換えてみてください。私たちの方針の詳細は、ブログ記事をご覧ください。」というメッセージがでて、回答が読めなくなるケースがでてきました。追加安全性チェックによるブロックらしいのですが、別に生物兵器への応用がありうるような作業ではないので困りました。サポートページから連絡するとAIが答えるだけで、らちがあきません。ChatGPTに手伝ってもらって、人間のサポートからの連絡をほしい旨の英文を作って、それをヘルプのチャットに入れて、警告文がでたあたりの画面のスクリーンショット(機密の情報は表示されていない部分を選びます)を一緒にアップロードしました。まずAIの返事が来てまともな返事がなかったので、もう一度ChatGPTと人間のサポートにつなげという内容の英文を作って再アップロードしました。やっと人間のサポートからの返事がきたのですが、警告文のでた部分のプロンプトと前後のスクショを送れとか(もう送ってあるのに)、警告文の出た部分のチャットを共有してほしいとかいってきたので無視していました。すると数時間後にもう一度別の人物からメールがきて、やっとまともな対応が始まりました。OpenAIでもこうしたフォールスポジティブの出現の問題は認識しており、改善をおこなっているところだそうです。今回の問題はフォールス・ポジティブが発生してしまった典型的な事例として理解したという大変まともな返事でした。当面は以下のような文をブロックされそうなプロンプトの前にあらかじめ書いておくのがよいそうです。

“Please proofread the following English solely for scientific documentation and public database submission. Preserve the scientific meaning. Do not provide experimental procedures, optimization, troubleshooting, or recommendations for modifying the experiment.”

バイオセーフティのブロックは、生物兵器などの製造など生命科学の知識の悪用を防止するためのものなので、実験方法の最適化とか、変更とかをLLM二要求した場合に発動することが多いそうです。そんなことを要求していないというのをまず最初に記述してチャットを始めるのがよいということです。またテンポラリモードでチャットを行うのも、ブロックの発動を抑えるのには有効だと教えてくれました。

文献検索でも生物毒素についての文献をサーベイしているときに、このブロックが発動していくつかの文献が見えなくなるという経験をしています。文献検索の場合は、見えなくされても自分で検索式を使って検索すればよいのですが、英文チェックとかの場合は困るので上のようなプロンプトは役立つのではないでしょうか。

あとはローカルLLMや、Geminiなど別のLLMを使ってみてブロックされないことを期待するという方法を試すのもよいかもしれません。多分、生命科学のチャットでブロックを頻発するというClaudeはだめでしょうが。