無料の電子書籍リーダーのCalibreで縦書きの本を横書きのpdfに変換する方法―その2 CSSファイルを編集する方法

福岡は台風6号の影響で風の強い一日でした。台風の風というのは音も普通の強風と違いますね。散歩にでかけるには怖い風なので、今日は家にこもっていました。庭の木や草花も風で倒れたものが多かったです。

今日は昨日の記事への追加です。
日本語の縦書きの本をCalibreなどでpdfにしようとしたとき、うまくpdfができなくて困った経験があるかもしれません(たとえば、縦書きの本文が二重に重なってしまう、ページ内に横線が入るなどの症状がでたりします)。そういう場合は、まず縦書きの本を横書きの本にしたあとで、Calibreでpdfに変換するときれいなpdfができます。昨日のdocxに変換してからpdfにする方法とあわせて、自分の用途によって使い分けてください。

CSSを編集して一挙に縦書きを横書きに変換する方法は以下のとおりです。結構簡単ですのでこれを試してみるのもおすすめです。


DRM(著作権管理システム)フリーのEPUBやAZW3形式の本をCalibreで開きます。

Calibreで対象の本を右クリックし、「書籍編集」を選択します。

開いたウインドウの左側にある「ファイルブラウザー」パネルから、スタイルフォルダを展開し(下向きのアローヘッドをクリックします)、中にある .css ファイル(例:0001.cssや0002.cssなど)をダブルクリックして開きます。ファイルブラウザには、「テキスト」、「スタイル」、「画像」、「フォント」、「その他」などのカテゴリ―別にファイルがいっぱい並んでいるのでそれぞれのアローヘッドをクリックして、「テキスト」や「画像」を畳み込むと「スタイル」を探しやすくなります!

真ん中にあるエディタ内に検索、置換窓があるので検索窓のほうにvertical-rl という文字列を入れて検索します。(cssファイルが複数あるので、順に検索して、この文字列があるファイルを見つけます。)

検索で引っかかった以下のような行を、行ごと削除するか、置換機能を利用してvertical-rl文字列をhorizontal-tb に書き換えます。

削除する行の例:writing-mode: vertical-rl

削除する行の例:-webkit-writing-mode: vertical-rl

念のため、同じCSSファイル内で direction: rtl (右から左へ読むという指示)があれば、それも削除するか direction: ltr に変更します。

左上の「保存」アイコンを押して閉じます。

これで本自体が完全な横書き仕様になるため、この状態からPDF変換を行えば、Calibreのデフォルト設定でもかなり綺麗に出力されるようになります。iPad向きのページ設定などをすることもできるので昨日の記事を参照してください。

無料の電子書籍リーダーのCalibreで縦書きの本を横書きのpdfに変換する方法

無料の電子書籍リーダー・電子書籍管理ソフトのCalibreで縦書きの本を横書きのpdfに変換する方法をメモしておきます。Calibreについては、こちらの窓の杜のページをご覧ください。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/calibre/

Calibreで読んでいる縦書きのオープンアクセスのEPUBやAZW3型式の本を、横書きのpdfにする方法をいろいろ試してみました。CSSを編集する方法もあるのですが、Calibreのメニューから「本を変換」を選び、マイクロソフトワードのファイル形式docxに変換するとうまくいったので、やり方をメモしておきます。

本をCalibreで開いておき、Calibreのメニュー上部にある「本を変換」を選び、「個別に変換」を選んで開くメニューで、右上にある「出力型式」のプルダウンメニューからDOCXを選びます。左のメニューから、「ページ設定」を選び、「出力プロファイル」を私の場合はiPadにして、「入力プロファイル」はデフォルトプロファイルかKindleなど自分に合ったものを選びます。OKボタンを押すとすぐに変換が始まってしばらくするとMS Word型式に変換されたファイルが出来上がります。ファイルをひらいてみると縦書きだった本が、横書きに変換されているのがわかると思います。

あとは、MS Wordで本を開いて、ちゃんと全部横書きになっているか、図の位置などがちゃんと変換されているかなどを確認します。ページ設定とかルビの間隔とか余白などを自分好みに変更して、MS Wordの印刷メニューで出力ページなどを設定してpdf印刷すればOKです。縦書きの本が横書きになったワードのファイルから、横書きのpdfが完成します。EPUBやAZW3形式の本の縦書きはWeb技術(CSSの writing-mode: vertical-rl;)で制御されています。Calibreの変換エンジンがこれをDOCXの内部構造(Word特有のXML)に書き出す際、この縦書き指定をうまく翻訳できずに欠落させる(デフォルトの横書きとして処理してしまう)仕様になっています(多分外国のソフトなので縦書きのことはあまり考慮していないのだと思います)。今回の方法は、そのフォーマット間の変換不具合を利用しているわけです。(うまく本が変換できていない場合は、本を変換で開いたメニューの「概観」の下にある、「ヒューリスティック処理」を選び、「ヒューリスティック処理を行う」にチェックをいれてみて再度変換してみてください。)

今回紹介した、 CalibreでDOCX化 → Word等で確認 → PDF印刷 という方法は、かなり実用的だと思います。縦書きの本がうまくpdfに変換できない場合は試してみてください。

地球科学の日本の名著と、英国王立研究所の講演会の紹介です。

岩や土に興味がある人は多いと思います。日本では『土と生命の46億年史』(ブルーバックス、藤井一至著) という名著が最近出版されこれを読んで地球科学ファンになった人も多いと思います。この本は一押しです。

このブルーバックスはおすすめです! 「土と生命の46億年史」土と進化の謎に迫る

さて、英国のRoyal Institutionで今年4月に行われた次の講演も面白そうです。
How geology built civilisation | with Anjana Khatwa | Part 1
https://youtu.be/LpuMY_zTmCE

How geology built civilisation | with Anjana Khatwa | Part 2
https://youtu.be/DaNuwuokitU

彼女の本も面白そうです。
The Whispers of Rock: Stories from the Earth
https://www.anjanakhatwa.com/writing

AIでタンパク質を研究する新しいツールが公開されました!

Gigazineにこんな記事がのっていました。これはよさそうなツールですね。
『AIでタンパク質を予測・設計・発見するモデルをマーク・ザッカーバーグが出資する研究所「Biohub」が無償公開』https://gigazine.net/news/20260528-biohub-protein-ai-model/
Biohubのアナウンスメント記事が読めます。

“Biohub releases a world model of protein biology
Biohub’s open models map the protein universe and design functional binders with therapeutic-level affinity in the lab”
https://biohub.org/news/world-model-of-protein-biology/

実際に使うためのサイトはこちらです。
https://biohub.ai/
プレプリントも公開されています。
“Language Modeling Materializes a World Model of Protein Biology”
https://biohub.ai/papers/esm_protein.pdf

まだ使っていないのですが、試してみようと思います。

おもしろそうな動画のあれこれ―Codex for beginnersその他色々。

昨日話題にした柳瀬陽介先生のツイートに、Codexの入門動画が紹介されていました。
以前UbuntuにCodex CLIを入れて動かす手順を紹介しましたが(末尾に埋め込んでおきます)、本格的な勉強の最初の一歩には絶好の動画ではないでしょうか。
Codex for BeginnersというCodex提供元のOpenAIの動画です。
https://academy.openai.com/public/videos/codex-for-beginners-2026-04-22
他にも、Codex FundamentalsとかIntroduction to Codexとか入門動画がいっぱいあるんですね。これは勉強しなくては‥!

以前、伊藤隆太さんの「進化政治学と平和―科学と理性に基づいた繁栄」という本を紹介しました (末尾に記事を埋め込んであります)。戦争をまきちらしている国がのさばっている現代を考えるのに参考になる本だと思います。東京大学の次の動画は、現代のいまそこにある危機を理解しようとする試みへの、入門講義です。第三次世界大戦せとぎわへとすすみかねない現代を考えるよすがになる、必見の動画だと思います。高校生以上向けの講義なのでなおさら見てみたいですね!

最後の動画は、ちょっと前に紹介したJpGU2026 JAXA高校生向け講演会の第二部です。
#JpGU2026 JAXA高校生向け講演会② 〜地球を守れ!地球 × 地球防衛 × 惑星宇宙天気〜
地球を守れ!というのは、上の戦争から地球を守るのではないですが、こちらも必見ですね。
https://www.youtube.com/live/yTtIkeFxtlc

今日のブログで引用した過去記事を以下に埋め込んでおきます。

UbuntuにCodex CLIをいれてみました。手順をChatGPTにまとめてもらったので載せておきます。

進化論で戦争勃発の原因が説明できるのでしょうか?

柳瀬先生のLLMを活用して英語を学ぶプロンプト集をおすすめ します!

京大で英語を教えておられる柳瀬陽介先生のブログ記事はいつも参考にさせてもらっています。LLM時代の英語教育のリーダーともいえる先生です。先生のツイート(末尾にあります。「さらに表示」を押してXで全文をご覧ください)にあったプロンプト集は特に英語学習者や英語を使っている人には貴重なツールだと思います。こちらのブログ記事を是非ご覧ください。


2025/02/03
【まとめ】AIを活用した英会話練習のすすめ―12個のChatGPT/Geminiプロンプト(カスタムGPTs)
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2025/02/ai7chatgptgpts.html


ChatGPTやGeminiでのLLMとの音声会話による英語の練習法が丁寧に解説してあるのでとても役立ちます。
次に埋め込んだツイートでは、学生さんがどのようにこれらのツールを活用して実力をつけていったかが紹介されています。皆さんもやってみませんか!Googleのアプリの紹介もあります。

物理学の古典がInternet Archiveで読めます。

昨日はゼーマン効果の動画を紹介しました。Internet Archiveには昨日紹介したようにマイケル・ファラデーの日記やロウソクの科学などが無料でダウンロードできるようになっています。他にもいろいろダウンロードできるのでいくつかまとめて紹介しておきます。
昨日の動画の中で紹介されていたMaxwellのFaradayの最後に実験について触れている論文は以前紹介した以下のInternet Archiveから読むことが出来ます。4年前の記事ですので本のタイトルと冊数が現在では少し変わっているので現在のものに、変更済みです。
2022/1/20の記事:
マックスウェル(マクスウェル)は電磁気学や統計力学に燦然と輝く業績を残したイギリスの大学者です。彼の有名な電磁気学の著作は日本語訳もありますが、Internet ArchiveにはMaxwellによる英語の本がアップロードされています。彼の論文集Scientific Papersや電磁気学の本、マックスウエルの伝記、Maxwellがまとめたキャベンディシュの論文集、一般向けの本など7冊が読めますし、ダウンロード可能です。以下がそのリストです。
1. A Treatise on Electricity & Magnetism (3RD Edition)
2. An Elementary Treatise on Electricity (2ND Edition)
3. Matter and Motion
4. The Theory of Heat (10TH Edition)
5. Scientific Papers (この論文集の中にあります。検索してみてください。)
6. The Electrical, Chemical, & Dynamical Researches of Sir Henry Cavendish
7. 
Life, Selections from the Correspondence, & Occasional Writings

キャベンディシュの論文や原稿を集めた本もダウンロードできます。
Scientific papers. Edited from the published papers, and the Cavendish manuscripts in the possession of the Duke of Devonshire by Cavendish, Henry, 1731-1810; Larmor, Joseph, Sir, 1857-; Maxwell, James Clerk, 1831-1879; Thorpe, T. E. (Thomas Edward), Sir, 1845-1925
https://archive.org/details/scientificpapers01caveuoft/mode/2up

パスツールとかニュートンの本もダウンロード可能です。

Scientific Works by Louis Pasteur
https://archive.org/details/life_20200513/%28Some%29%20Researches%20on%20the%20Molecular%20Asymmetry%20of%20Natural%20Organic%20Products/
パスツールの初期の研究や自然発生説、発酵、狂犬病の研究、パスツールの伝記などが読めます。

ニュートンの著作もダウンロード可能です。プリンキピア第三版の英訳とか、光学とか流率法の本とかもあります。
Scientific Works by Isaac Newton
https://archive.org/details/TheMathematicalPrinciplesOfNaturalPhilosophy3/The%20Mathematical%20Principles%20of%20Natural%20Philosophy%203/mode/2up

ファラデーの最後の実験という動画がおすすめです。ゼーマン効果の発見の話です。

マイケル・ファラデーの最後の実験という動画が公開されました。このブログでたびたび紹介しているDr. Jorge S. Diazさんの動画です。
Faraday’s last experiment
https://youtu.be/dM5xWIsNbR4

量子力学の発展史についての一連の動画の最新作です。今回はゼーマン効果の発見についてのわかりやすい解説です。ファラデーは1862年に馬蹄形電磁石の磁場の中に炎をいれて、炎色反応を観察してスペクトルが変化するはずだと詳細に観察しました。しかし変化は全く観察できませんでした。(ファラデーの日記の該当部分を引用しておきます)

12 MARCH 1862.
Apparatus as on last day (28 Jany.) but only 10 pr. of Voltaic battery for the Electromagnet.
The colourless Gas flame ascended between the poles of the Magnet
and the salts of Sodium, Lithium, etc. were used to give colour.
A Nicol’s polarizer was placed just before the intense magnetic field and an analizer at the other extreme of the apparatus.
Then the E. Magnet was made and unmade, but not the slightest trace of effect on or change of the lines in the spectrum were observed in any position of the Polarizer or analyzer.
Two other pierced poles were adjusted at the magnet-the coloured flame established between them, and only that ray taken up by the optic apparatus which came to it along the axis of the poles, i.e. in the magnetic axis or line of magnetic force. Then the Electro magnet was excited and rendered neutral;but not the slightest effect on the polarized or unpolarized ray was observed.

ファラデーの実験日誌の最後の段落です。これがファラデーの行った最後の実験です。
ZeemanはFaradayの実験を知らずに全く同じ実験を思いつき、観察していました。しかし全く変化は見つかりません。実験を止めようとしていたとき、Maxwellが論文のなかで、Faradayの最後の実験について書いているのを見つけたそうです。FaradayにあこがれていたZeemanは、Faradayが始めた実験ならきっと最新の装置を使えば変化が検出できるはずと実験をつづけました。そしてついに磁場をかけたときだけスペクトル線の太さが増大することを発見したのです。当時、有名な物理学者ローレンツの助手をしていたZeemanが彼に実験結果を報告すると、ローレンツは瞬時にそれを説明する理論を考え出しました。早速、その理論の予測が検証できるかを実験で調べると、検証できる予測のすべてが検証できることがわかり、論文発表するとヨーロッパ各地での追試がはじまり、予測が正しいことが証明されました。一本のスペクトル線が磁場によって二つや三つに分裂する予測も実験で確認されました。このゼーマン効果の発見とそれを説明する理論の完成で、ローレンツとゼーマンはノーベル物理学賞を受賞しています。
この動画はとてもわかりやすいです。また実験の成功も失敗も等しく紹介しているので、科学の進歩がどのようにおこるかも理解できて楽しい動画だと思います。

動画にでてくるZeemanのエピソードも面白いです。彼が高校生の時、太陽活動が活発化してヨーロッパ各地で ものすごいオーロラが見えたそうです。彼はそのオーロラをスケッチし観察記録を作成して雑誌Natureに投稿し、見事掲載されたそうです。NatureはZeemann教授のレポートという風に紹介しており、まさか高校生が書いたとは思っていなかったそうです。

ファラデーの日記はこちらからダウンロードできます。

マイケル・ファラデーの著作集がダウンロードできます―Faradayの日記(Faraday’s Diary)も全巻公開されました!

こちらのドキュメンタリーも面白かったです。
Split Light – documentary about the discovery of the Zeeman effect, and the legacy of Pieter Zeeman
https://youtu.be/DWpgglMh7i0

Oxford Mathematicsの数学史動画が更新されています。特殊相対性理論の講義も公開中です。

Oxford MathematicsのRobin Wilsonの数学史の動画を3月に紹介しました。今日はWilson教授の動画の続きを紹介します。Oxford Mathematicsのチャンネルの動画には、数理生物学の講義(前に紹介しました)や、特殊相対性理論の講義、数学史の講義などいろいろわかりやすい動画がそろっていておすすめです。

Oxford Mathematicsの数学史の動画がわかりやすく面白いので紹介します!

Robin WilsonのSum Stories: Equations and their Originsという動画シリーズであと少しで本の内容全部の紹介動画シリーズが完結すると思われます。、
https://youtube.com/playlist?list=PL4d5ZtfQonW0yqeFK__FirrjjmcQFpyye

Euler’s equation and identity (e^(i π) + 1 = 0 & e^(i x) = cos x + i sin x)
https://youtu.be/qgfuUzoGF2c

The Basel Problem & the Riemann hypothesis (1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + 1/25 + ∙ ∙ ∙ = π²/6)
https://youtu.be/uqp7QmnlgPY

最後に特殊相対性理論の講義動画の第一回も埋め込んでおきます。
Special Relativity, Lecture 1: Space, time and relativity before Einstein – 3rd Year Student Lecture
https://youtu.be/xSDsrjw7upI

JAXAの高校生向け講演会が面白そうです。ついでにMathematicaによる数論入門無料本の紹介。

YouTubeのおすすめ動画にでてきたこの講演会は面白そうです。
JAXAの中高生向けの講演です。こんな講演がオンラインで観られるのは素晴らしいですね。

#JpGU2026 JAXA高校生向け講演会① 〜探査の瞬間を見逃すな!今年ホットな宇宙科学ミッション〜
次世代の宇宙科学を担う高校生向けに、JAXAで最前線に立つ研究者らが惑星探査や太陽圏、地球観測などの最新状況を分かりやすくお伝えします。
https://www.youtube.com/live/e8fSXqRQaOA

YouTubeのサイトから登壇者と簡単な紹介文を引用しておきます。

登壇者:
 村上 豪 JAXA宇宙科学研究所 准教授 【BepiColombo/みお】
 川﨑 盛矢 JAXA宇宙科学研究所 研究開発員 【MMXに向けたキュレーション】
 嶌生 有理 JAXA宇宙科学研究所 主任開発研究員 【Hera】
 坂本 佳奈子 JAXA宇宙科学研究所 主任開発研究員 【はやぶさ2#】
 藤本正樹 JAXA宇宙科学研究所 所長 【座談会MC】次世代の宇宙科学を担う高校生向けに、JAXAで最前線に立つ研究者らが惑星探査や太陽圏、地球観測などの最新状況を分かりやすくお伝えします。

 

Wolfram Researchから数論の入門の無料本が公開されました。MathematicaのNotebookとして無料でダウンロードできます。