ニュートンについての国立国会図書館デジタルコレクションの本やニュートンのリンゴの話

国立国会図書館デジタルコレクションの中で個人送信サービスで読める本をみていたら、私が昔購入したニュートンの大部の伝記(Never at Rest) の翻訳が出版されていて読めることに気づきました。

540) リチャード・S.ウェストフォール 著 ほか『アイザック・ニュートン』1,平凡社,1993.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13308693 (参照 2026-08-30) Never at Restの日本語訳です。原書よりずっと読みやすい。

541) リチャード・S.ウェストフォール 著 ほか『アイザック・ニュートン』2,平凡社,1993.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13308691 (参照 2026-08-30) Never at Rest の日本語訳の続きです。

542) 吉仲正和 著『科学者の発想 : ガリレイ・ニュートン・寺田寅彦・橋田邦彦』,玉川大学出版部,1984.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12591691 (参照 2026-08-30) ガリレオからニュートン、そして寺田寅彦、橋田邦彦が取り上げられているのは面白い観点です。

543) 『人類の知的遺産』37,講談社,1982.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12289988 (参照 2026-08-30) ニュートンの評伝です。

これは既出
191)吉仲正和 著『ニュートン力学の誕生 : 現代科学の原点をさぐる』,サイエンス社,1982.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592855 (参照 2026-08-30)

544) 『世界の名著』31,中央公論社,1979.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12406045 (参照 2026-08-30) こちらは、ニュートンのプリンシピアの全訳です。

545) アイザク ニュートン 著 ほか『光学』,槙書店,1980.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12593144 (参照 2026-08-30) 光学の専門家が加わったニュートンの光学の改訂第四版の日本語訳です。

546) ニュートン 著 ほか『光学』,岩波書店,1983.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12593156 (参照 2026-08-30) こちらは第3版の日本語訳です。第四版は誤りが多いというので第三版を訳したと書いてありました。上の第四版の訳は光学の専門家が主に翻訳しているのでお勧めです。

436)吉仲正和 著『力学的世界の創造 : ガリレイ・デカルト・ニュートン』,中央公論社,1979.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592824 (参照 2025-12-12) デカルトと、ガリレオ・ニュートンの科学を扱った読みやすい本です。

6年前の記事ですが、ニュートンのリンゴの話は本当だったという記事も書いているので再録しておきます。

Newtonのリンゴ―疫病を逃れての大発見

謎のヴォイニッチ手稿についてのガリレオXの番組が、科学技術映像祭で優秀賞を受賞したそうです!

謎のボイニッチ手稿についての番組が第67回科学技術映像祭の優秀賞を受賞したそうです。

『ヴォイニッチ写本の謎 この本はデタラメなのか?|ガリレオX第350回【第67回科学技術映像祭優秀賞受賞作品】』
https://youtu.be/arplh7OJ1hc

2026年8月19日 科学技術館で開催された第67回科学技術映像祭 表彰式で優秀賞を受賞した番組動画です。

登場する先生ご夫妻の書かれた記事を昔読んだことがあります。とても面白い番組なので是非ご覧ください。この番組にでてくる
Voynich手稿をダウンロードしたいという方には、昔の記事ですが以下をどうぞ。今でもダウンロードできます。

 

謎のVoynich手稿:ボイニッチ手稿をダウンロードしてみよう (Internet Archiveの使い方1)

nitterの代替についてChatGPTで調べてみました。

(追記2026/08/29日: 昨日の記事、さっそくトップのTwitterWebViewer.comという代替サイトがXからの法的措置をとるとの手紙によって閉鎖されました。のこりのサイトはまだ動いている模様です。)

x.comのツイートをログインせずに読めるサービスnitterがすべてのpublic instancesに対するXからの法的措置を取るとの警告文によって停止してしまいました。これはついにニュースにもなっていました。
https://techcrunch.com/2026/08/25/x-sends-cease-and-desist-to-open-source-project-nitter-over-alleged-scraping

前に怪しそうなサイトだと書いていたtwstalkerはまだ動いていてログインせずにツイートを読むことができます。このサイトについてはネットでみるかぎり気をつけてアクセスしなくてはならないという評判です。TwStalkerは「直ちにマルウェアサイトと断定するほどではないが、Nitterの代替として安心して勧められるサイトでもない」という評価のようです。

ではとりあえずのnitterの代替はないでしょうか?ChatGPTにきいたところいくつかを教えてくれました。『』内がChatGPTの意見の抜粋、それ以外は私の文です。


まずTwStalkerのセキュリティ評価です

2026年7月のセキュリティ検査では、92種類のセキュリティエンジンのうち91は検出なし、1つだけがmalicious判定でした。Google Safe Browsing、Bitdefender、ESET、Kaspersky、Sophos、Fortinetなど主要なものは検出していません。その意味では「アクセスしただけで即座に危険」というサイトではなさそうです。(MalwareTips Tools)
一方、その評価サイトMalwareTipsはTwStalkerを 44/100 “High Risk” としています。理由は主としてマルウェアそのものではなく、

  • 広告や第三者スクリプトが多い
  • intrusiveな広告やリダイレクトの報告
  • トラッカーが多い
  • 運営主体の透明性が低い

という点です。(MalwareTips Tools)

さらにTwStalker自身のPrivacy Policyを見ると、Google AdSense、Google Analytics、DoubleClickなどを利用し、広告・解析用Cookieを利用すると明記されています。つまり、Nitterの「JavaScriptなし、広告なし、TwitterからIPを隠す」という設計思想とはまったく違います。 (TwStalker) このPrivacy Policy自体にも少し気になる点があります。「shopping cart」「orders」といったTwStalkerには関係なさそうな文章が残っており、さらに「We do not use an SSL certificate」と書いてある一方、現在のサイトには正常なTLS証明書があります。かなり古いテンプレートを流用して十分更新していないように見えます。これはマルウェアの証拠ではありませんが、プライバシーポリシーへの信頼度を下げる要素です。(TwStalker)

したがって私(ChatGPT)ならTwStalkerを、「読むだけなら警戒しながら利用可能。しかし個人情報・Xのパスワード・メールアドレスを絶対入力しない。通知を許可しない。ファイルをダウンロードしない。広告ブロッカーを使う」

という位置づけにします。特にTwStalkerが突然「Xでログインしてください」などと表示しても、絶対にXの認証情報を入力しないほうがよいです。
ということで、このサイトや以下の代替サービスにアクセスするときには、プライバシーを守るためにTorブラウザを使って閲覧するのが必須だと思います。


『現在動いている代替サービスのリスト:

現在動いていることを確認できたものを比較すると、次のようになります。

サービス 8/28時点 ログイン不要 セキュリティ・プライバシー評価 ChatGPT
の評価
TwitterWebViewer.com 稼働 セキュリティ評価75/100、26中1検出 まず試す候補
TweetViewer.com 稼働 Privacy Policyは比較的具体的。ただし広告Cookieあり 次点
TwStalker.com 稼働 92中1検出、44/100。広告・redirect懸念 慎重利用
Sotwe.com 稼働 44/100。広告・redirect等の評判あり あまり勧めない
TwitterViewer.net 稼働 10セキュリティプロバイダが警告、3/100 避ける

私がさっき試したところでは、上の表のトップのTwitterWebViewer.comとTweetViewer.comがよさそうです。

TwitterWebViewer.com
現在もホームページが稼働しており、プロフィール、ツイート、返信などの閲覧、検索などをログインなしで実行できます。
https://twitterwebviewer.com/
ChatGPTによると、『Nitterへの法的措置について警告が出た後の8月26日にもセキュリティスキャンされています。Gridinsoftでは 75/100 “Trusted but Verify”。外部26エンジン中、警告は1件だけでした。ドメイン自体は2026年1月開設と新しい点には注意が必要です。また広告ネットワークはかなり使っています。(Gridinsoft LLC)今回調べたサービスの中では、現状これが一番バランスがよいと思います。ただしNitterとは異なり、広告などの第三者要素がありますので「完全なprivacy frontend」とは考えないほうがよいです。』とのことでした。

TweetViewer.com  これも現在稼働しています。
TweetViewer.com
ChatGPTのコメントです。『ここのPrivacy PolicyはTwStalkerよりかなり具体的です。IPアドレス、ブラウザ、OSなど通常のサーバーログは取得すること、Google AdSenseなどの広告Cookieを利用することを明記しています。一方、入力したX URLは恒久保存しないと説明しています。(Tweet Viewer)注意すべきなのは、画像や動画の一部を利用者のブラウザからXのCDNへ直接取得する仕組みであることです。その場合、X側にはIPアドレスやUser-Agent、閲覧対象などが見える可能性がある、とサイト自身が明記しています。(Tweet Viewer)これは重要な違いです。
したがって、単に「Xアカウントにログインしたくない」という目的には向きますが、XからIPアドレスまで隠したいというNitter本来の用途には不十分です。

SotweSotweというサイトも現在活発に活動しているようです。これはセキュリティ評価はTwstalkerと同じくらいであまりよくありません。
SotweSotwe
https://www.sotwe.com/
『実際に今日クロールされたOpenAIなどのプロフィールには、数時間前の投稿まで取得されていますので、Xデータ取得機能自体は生きています。(sotwe)しかし安全評価はTwStalker同様あまりよくなく、44/100で、広告やredirectについての報告があります。(MalwareTips Tools)したがって私(ChatGPT)はTwitterWebViewer → TweetViewer → TwStalker/Sotweという順に使います。TwitterViewer.net は勧めません名前が紛らわしいのですが、twitterviewer.netは別サービスです。現在サイト自体は動いていますが、2026年4月のGridinsoft調査では外部29セキュリティソース中10が警告しており、Bitdefender、Fortinet、Sophosなども警告側に入っています。評価は3/100でした。(Gridinsoft LLC)これは私(ChatGPT)は利用しません。』

もちろんTwitterWebViewerやTweetViewerもNitterと同様にXから法的措置を受ける可能性はあるので、代替に移行してもまた読めなくなるかもしれません。とりあえずということで、上の二つのサイトなどをTorブラウザ経由で使ってみてはいかがでしょうか。Torは広告ブロック機能もデフォルトで動いておりIPアドレスもXからは出口ノードしか見えないのでプライバシーを保ってツイートをみるのにはよいと思います。普通のブラウザでこれらの代替サイトをみると、ご自身のIPアドレスがサイトやXから見えるのでお勧めしません。

文字起こしソフトBuzzはLinuxからも使えます。検索ソフトEverythingの最新β版1.5bでファイル内容検索をする際の方法とトラブルシューティング。

昨日の記事でWindows版のBuzz (OpenAIが提供している最強の文字起こしソフトWhisperをGUIで簡単に使えるソフトです)の使い方を紹介しました。Buzzは単にWhisperをGUIで包んだだけのソフトから、かなり機能が増えています。現在は、音声・動画ファイルやYouTubeリンクの文字起こし、マイクからのリアルタイム文字起こし、話者識別、ノイズのある音声での音声分離、TXT/SRT/VTT出力、文字起こし結果を音声を再生しながら確認するビューアなどが可能のソフトになっています。さらに Whisper、whisper.cpp、faster-whisper系など複数バックエンドを利用できます。オススめはfaster-whisperです。もとのWhisperと同じtinyとかsmallとかturboとかも選べる上、処理スピードと精度が上がっています。たとえばChatGPTと講師が話したのをWhisper turboではCHET GPTと文字起こししてしまうのですが、fastewr-whisper turboではちゃんとChatGPTと文字起こしされるのを経験しました。
このBuzzには公式にWindows版、Mac版、Linux 版が公開されています。私はMacはもっていないので、Linux版を今日、Ubuntuにインストールして試してみました。Linux版のインストールには、Flatpak、Snap、AppImageが使えるようですがUbuntuにはSnapがインストールされているので、snapをつかってターミナル(Bash)で次のコマンドを実行するだけでインストールできます(インストールにはすこし時間がかかります)。
sudo apt-get install libportaudio2 libcanberra-gtk-module libcanberra-gtk3-module
sudo snap install buzz

インストールが終わると、GUIでBuzzが使えます。使い方はWindows版と全く同じですのでLinuxマシンを使っている方はお試しください。

次の記事は今作っているファイル検索ソフトEverythingのマニュアルからの抜粋です。前回はインデックスを作ったあとの検索式の解説部分を紹介しました。今回はファイルの内容を検索する方法の解説です。前の回とあわせれば、検索の達人になれると思います!


Everything 1.5bでファイルの中身を高速検索する
― Content Indexの設定方法と1.5 alphaからの変更点

Windows用の高速ファイル検索ソフト Everything は、ファイル名を探すだけなら非常に高速です。さらにEverything 1.5では、Word、Excel、PDF、テキストファイルなどのファイルの中身(content)を検索する機能も利用できます。

私は以前からEverything 1.5 alphaでcontent検索を利用していましたが、最近、別のPCに新しい Everything 1.5b(Beta) をインストールしたところ、以前あった
Tools → Options → Indexes → Contentという設定画面が見当たりませんでした。

調べてみると、content検索が廃止されたのではなく、1.5.0.1416b(2026年7月2日)からcontent indexingの設定がAdvancedへ移動したことが分かりました。公式の変更履歴にも「moved content indexing options to advanced」と明記されています。

つまり、Everything 1.5bでもcontent indexは利用できる。ただし設定場所が変わった。ということです。Everythingでファイルの内容検索ができないという方は是非参考にしてください。


1. Everythingのcontent検索とは

通常のEverythingは、ファイル名をあらかじめインデックス化しているため、

report

と入力するだけで、ファイル名にreportを含むファイルが瞬時に表示されます。

一方、

content:"egl-1"

のように入力すると、

ファイル名ではなく、ファイルの中に「egl-1」という文字があるファイル

を検索できます。

例えば研究データを多数のExcelファイルに保存している場合、

content:"egl-1"

と検索することで、どのExcelファイルに egl-1 が含まれているかを探せます。

Everythingの公式ドキュメントでも content: はファイル内部のテキストを検索する機能として定義されています。


2. Content Indexを作らなくても検索はできる

ここは重要です。Everythingではcontent indexを作成していなくても、

content:"検索語"

と入力すればファイル内部を検索できます。ただしこの場合は、検索するたびに実際のファイルを読み込むため、ファイル数が多いとかなり時間がかかります。Everything公式サイトでも、content検索は通常のファイル名検索と異なり「slow」であり、拡張子やフォルダなど他の条件と組み合わせることが推奨されています。

そこで、頻繁に内容検索するファイルについては、あらかじめContent Indexを作っておくことができます。Content Indexがあれば、

content:"egl-1"

の検索結果がほぼ瞬時に表示されます。


3. 1.5 alphaと1.5bでは設定場所が違う

以前のEverything 1.5 alphaでは、

Tools
  ↓
Options
  ↓
Indexes
  ↓
Content

を開くと、

Index file content

というチェックボックスがありました。ところが、1.5.0.1416b以降ではこのContent画面が通常の設定画面からなくなっています。

現在は、

Tools
  ↓
Options
  ↓
Advanced

から設定します。開発者によると、content indexingは今後、hidden advanced feature with limited supportという位置づけになるとのことです。Everythingは基本的には「ファイル名検索ソフト」であり、大量のファイル内容をすべてインデックスする用途を標準機能として前面に出さない方針になったようです。ただし、機能そのものが削除されたわけではありません。


4. Everything 1.5bでContent Indexを有効にする

まずEverythingを起動します。
メニューから、

Tools
 → Options

を開きます。
左側から、

Advanced

を選択します。Advancedには非常に多くの設定項目があって見にくいので画面上部の

Show settings containing:

に、

content

と入力します。すると、content関連の設定だけに絞り込まれて表示されます。


5. content_indexing_enabled を有効にする

表示された一覧から、

content_indexing_enabled

を探します。これが以前の

Index file content

に相当します。値を

true

に変更します。Boolean型の設定は項目をダブルクリックすることでも切り替えられます。Advanced設定そのものの操作方法についても公式ドキュメントで説明されています。これでContent Index機能が有効になります。


6. インデックスするフォルダを限定する

次に非常に重要なのが、

content_indexing_include_only_folders

です。ここには、「内容をインデックスしたいフォルダ」を指定します。

例えば、

D:\Documents

だけを対象にしたいなら、

D:\Documents

を指定します。複数のフォルダなら ; で区切ります。

D:\Documents;D:\Research;E:\Data

のように指定できます。

PC全体を指定する必要はないし、PC全体を指定しないのが推奨。

Content Indexでは、抽出したテキスト情報をメモリに保持します。そのため、

C:\

のようにPC全体を対象にするのはおすすめできません。Everythingの開発者自身も、Content Indexはユーザー文書を対象とする機能であり、対象フォルダを限定することを推奨しています。また、テキスト内容が1GBを超えるような大規模なインデックスは推奨していません。

したがって、

Documents
研究データ
論文
講義資料
解析結果

など、実際に内容検索したいフォルダだけを登録するのがよいでしょう。


7. 新しい1.5bでは「Edit…」ボタンを使うと設定が簡単

Content Indexの設定がAdvancedへ移された直後のちょっと古いEverything 1.5bでは、対象フォルダを指定する場合、

D:\Documents;D:\Research;E:\Data

のように、複数のフォルダをセミコロン ; で区切って手入力する必要がありました。読者の中にはこの古いβ版の1.5bを使っていて困っている方がいるかも知れません。
フォルダが2~3個ならこれでも問題ありませんが、10個、20個と登録する場合にはかなり面倒です。実際、Everythingの公式フォーラムでも、
「以前のようにダイアログ画面からフォルダを選びたい。多数のフォルダを一つずつコピー&ペーストするのは不便」
という要望が出されました。これを受けてEverything 1.5.0.1420b(2026年8月10日)から Edit... ボタンが追加されています。このボタンを使うと、Advanced設定の中にあるフォルダやファイルの一覧をList Editorで編集できます。


Edit…ボタンの使い方

まず、

Tools
 → Options
 → Advanced

を開きます。上部の

Show settings containing:

に、

content

と入力します。Content Index関係の設定が表示されます。

ここで例えば、

content_indexing_include_only_folders

を選択します。これは、

Content Indexを作成する対象フォルダを限定する

ための項目です。1.5.0.1420b以降では、このようなフォルダやファイルの一覧を指定するAdvanced設定を選択すると、値を編集するところに

Edit...

ボタンが利用できます。Edit... を押すとList Editorが開き、対象となるフォルダやファイルを一覧として追加・削除できます。したがって、

D:\Documents;D:\Research;E:\Data

という長い文字列を自分で作って貼り付けなくても、GUIを使って簡単に貼り付けられるようになり便利になっています。


Include only folders ではEdit…を使うのがおすすめ

例えば、Content Indexの対象を

D:\Documents
D:\Research
E:\Data

の3か所だけにしたい場合、

content_indexing_include_only_folders

を選択して Edit... を押し、List Editorでこれらのフォルダを登録します。
Everything内部では最終的に、

D:\Documents;D:\Research;E:\Data

のようなセミコロン区切りの設定として保存されますが、利用者がこの形式を意識して入力する必要が少なくなります。特に多数の研究データフォルダや文書フォルダを登録するときには、こちらの方が間違いが少ないでしょう。


ファイル形式の設定にもEdit…を利用できる

Edit... はフォルダだけの機能ではありません。

例えば、

content_indexing_include_only_files

を選択すれば、Content Indexの対象とするファイルについても一覧を編集できます。例えば、

*.doc
*.docx
*.pdf
*.txt
*.xls
*.xlsx
*.xlsm
*.ppt
*.pptx

などを登録します。これらも内部的には、

*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx

という形になります。そのため、

  • content_indexing_include_only_folders
    どこのフォルダを調べるか
  • content_indexing_include_only_files
    どの種類のファイルを調べるか

という2つを Edit... から設定すると分かりやすいでしょう。


IncludeとExcludeも使い分けられる

Content Indexには次のような設定があります。

content_indexing_include_only_folders
content_indexing_exclude_folders
content_indexing_include_only_files
content_indexing_exclude_files

それぞれ、

設定 意味
include_only_folders インデックスするフォルダを限定
exclude_folders インデックスしないフォルダを指定
include_only_files インデックスするファイル形式を限定
exclude_files インデックスしないファイルを指定

という意味です。通常は、

content_indexing_include_only_folders

で「検索したい文書がある場所」を指定し、

content_indexing_include_only_files

でWord、Excel、PDFなど「検索したいファイル形式」を指定するだけで十分でしょう。


Edit…が表示されない場合

ここは注意が必要です。

Content IndexがAdvancedへ移されたのは、Everything 1.5.0.1416b(2026年7月2日)

ですが、Edit... ボタンが追加されたのは少し後の、Everything 1.5.0.1420b(2026年8月10日)です。したがって、AdvancedにはContent Indexの設定があるのに、Edit…ボタンが見当たらないという場合は、1416b~1419bなどの少し古い1.5bを使用している可能性があります。その場合はEverythingを新しい1.5bへ更新するとよいでしょう。


8. 検索対象のファイル形式を指定する

次に、

content_indexing_include_only_files

を設定します。EverythingのContent Indexで標準的に設定されている対象は、

*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx

です。ここで注意したいのが、

*.xlsm

です。Excelの**マクロ有効ブック(.xlsm)**は標準リストには含まれていません。したがって、xlsmも検索したい場合は追加しておきます。例えばOffice文書を広く対象にするなら、

*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx

などと設定できます。自分が実際に使用するファイル形式だけに絞る方が効率的です。


9. Content Indexができたら検索してみる

例えば、ファイル内部に

egl-1

という文字列があるファイルを探すなら、

content:"egl-1"

と入力します。Content Indexが作成されていれば高速に結果が表示されます。


10. Excelファイルだけを検索する

例えばExcelファイルだけを対象にするなら、

ext:xlsx content:"egl-1"

とします。extというのはファイルの属性で、エクセルファイルの.xlsxで終わるファイルだけを検索するという意味です。xlsとxlsxの両方なら、

ext:xls;xlsx content:"egl-1"

マクロ有効ブックも含めるなら、

ext:xls;xlsx;xlsm content:"egl-1"

とできます。これは非常に便利です。PC内に多数の解析結果のExcelファイルがある場合でも、

ext:xls;xlsx;xlsm content:"遺伝子名"

とするだけで、その遺伝子を含むExcelファイルをまとめて探せます。


11. フォルダも限定するとさらに便利

content検索は、検索対象を絞れば絞るほど効率的です。例えば、

D:\Research

以下だけを検索対象にして、

egl-1

を含むExcelファイルを検索する、といった使い方ができます。フォルダをEverythingの検索欄へドラッグ&ドロップして検索対象を指定してから、

ext:xls;xlsx;xlsm content:"egl-1"

を追加する方法も便利です。


12. 複数の検索語を使う

Everythingではcontent検索にもANDやORを使用できます。例えば、

egl-1

crn-2

両方を含むファイルを検索するなら、

content:<egl-1 crn-2>

とします。一方、

egl-1

または

crn-2

どちらかを含むファイルなら、

content:<egl-1 | crn-2>

です。公式のContent Index解説でも、このAND・OR形式が紹介されています。


13. インデックスしていないファイルも検索したい場合

Content Indexを有効にすると、通常の

content:

検索は基本的にContent Indexに含めたファイルを対象にします。しかし、
「このフォルダはインデックスしていないが、今回だけ中身を調べたい」という場合もあります。
その場合は、

fromdisk:content:"egl-1"

を使用します。

fromdisk: はEverythingのインデックスを使わず、実際のファイルをディスクから読んで検索する指定です。例えば、

ext:pdf fromdisk:content:"glycosyltransferase"

とすれば、PDFを実際に読みながら検索します。当然、Content Indexを利用する検索より時間はかかります。したがって、

  • よく検索する文書 → Content Index
  • 一時的に検索したい場所 → fromdisk:content:

と使い分けると便利です。


14. Windows Searchのインデックスを利用する方法もある

Everything自身のContent Indexとは別に、Windowsが作成している検索インデックスを利用する方法もあります。その場合は、

system-index:

または短縮形の

si:

を使います。例えば、

si:"glycosyltransferase"

です。Everythingの開発者も、自前のContent Indexを作る前にWindows Searchのインデックスを利用する方法を検討するよう案内しています。ただし、Windows Searchのインデックス対象になっている場所に限られるため、研究データなどを特定フォルダに大量に保存している場合には、Everything自身のContent Indexの方が管理しやすいこともあります。


15. EverythingはどのようにWord、Excel、PDFを読んでいるのか

テキストファイルなら内容を直接読むことができますが、Word、Excel、PDFなどは内部構造が複雑です。Everythingはファイル形式に応じて、

  • plain textとして読む
  • WindowsのiFilterを利用する
  • 必要に応じて文字列として読み込む

といった方法を使います。公式ドキュメントによれば、content: 検索では、既知のテキスト形式、メール形式、WindowsのiFilter、各種文字コードのバイトストリーム検索などが使用されます。したがって、特殊なファイル形式では、対応するiFilterがWindowsにインストールされているかどうかによって検索できる内容が変わる場合があります。私の経験では日本語の縦書きpdfなどのインデックス作成はうまくいかないことが多いです。したがって縦書きの本などは以前の記事に書いたように横書きに直してからインデックス作成用に使うのが良いと思います。


16. おすすめの初期設定

研究・教育用途などでWord、Excel、PDFを多数保存しているPCなら、まず、

Tools
 → Options
 → Advanced

を開き、

content

で検索します。そして、

content_indexing_enabled

true

にします。次に、

content_indexing_include_only_folders

には、

D:\Documents;D:\Research

など、実際に検索したいフォルダだけを指定します。さらに、

content_indexing_include_only_files

には例えば、

*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx

を指定します。これで普段は、

content:"検索語"

で高速検索できます。インデックスしていない場所を検索したいときだけ、

fromdisk:content:"検索語"

を使います。この2つを覚えておけば、かなり使いやすくなります。


まとめ

Everythingは本来、ファイル名を高速に検索するソフトですが、1.5ではファイル内容の検索も非常に強力です。特に大量のWord、Excel、PDFファイルを保存している場合、

content:"検索語"

を使えるようにしておくと、

「あのデータはどのExcelに入っていたか」
「この言葉を使った資料はどれだったか」
「この遺伝子名が含まれている解析結果はどれか」

といった検索が非常に簡単になります。Everythingを単なる「ファイル名検索ソフト」として使うだけでも十分便利ですが、Content Indexまで使えるようになると、大量の資料や研究データを扱うPCではさらに強力な情報検索ツールになります。私も古いPCに埋もれていた色々なファイルを探し出すことができてその威力に感動しています。

英語の動画や音声ファイルから文字起こしする方法―WhisperをBuzzから使う方法

今日は福岡空港の気温が40.4℃という史上最高温度を記録したそうです。ものすごく暑い一日でしたが夕方から激しい夕立となり、気温が急激に低下して快適な夜になっています。一ヶ月以上、夕立もなくて雨も降らなかったので「雷さんありがとう」の一日でした。

さて、最初のお知らせです。このブログでもよく紹介しているSNSのXのツイートを、ログインせずに読めるサービスnitterを、イーロン・マスクが潰しにかかっているようです。サービスを止めないと法的措置をとるという警告文を世界中のnitterインスタンスの主催者に送りつけ、nitterインスタンスの停止とプログラムをおいてあるGitHubの閉鎖を要求しているとのことでした。さまざまなpublicのnitterインスタンスが停止してしまっています。マスクのXに対して法的対抗措置をとるかどうかを法律家との相談をしているというnitterインスタンスもありますが、nitterインスタンスでスクレイピングをするやからが多いようで、それが今回のXの行動の原因なのかもしれません。また復活してくれるといいのですが。(これに関連してアクセスの多い、nitterの紹介記事には、インスタンスが止められてしまったという追記を入れておきました。多分そのせいだと思いますが今日はアクセス数が1100を超えています)


さて本題です。昨日書きましたWhisperを簡単に使える方法を紹介します。
高精度のAI音声認識「Whisper」を、難しい設定なしで手軽に使える無料ツール「Buzz」。Windows環境へのインストール方法から、英語学習を劇的に効率化するおすすめの設定までをまとめてみました。


Buzzで超簡単!高精度AI文字起こしの始め方(Windows版)

OpenAIが開発した高精度な音声認識AI「Whisper」。利用にはPythonなどの知識が少しだけ必要で敷居が高いと思う方もいると思います。そんな方の場合には、「Buzz」というアプリをおすすめします。これを使えば、誰でもクリック操作(GUI)で簡単にパソコン上で文字起こしができます。しかも完全無料でオフライン動作するため、情報漏洩の心配もありません。

1. Buzz(Windows版)のインストール手順

インストールは非常にシンプルです。

  1. Buzzのダウンロード:
    Buzzの公式GitHubページ(またはSourceForge)のReleases(リリース)ページにアクセスし、最新バージョンのWindows用ファイル(例: Buzz-x.x.x-Windows.zip.exe など)をダウンロードします。日本語での紹介ページも公式GitHubページにあるので参考にしてください。https://github.com/chidiwilliams/buzz/blob/main/README.ja_JP.md
  2. ファイルの解凍(展開): ZIPファイルの場合.
    ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択して任意のフォルダに解凍します。
  3. アプリの起動と警告の回避:
    展開したフォルダ内にある Buzz.exe をダブルクリックして起動します。
    ※初回起動時、Windowsの「SmartScreen」による青い警告画面が出ることがあります。その場合は、画面内の「詳細情報」をクリックし、「実行」ボタンを押せば安全に起動できます。

2. Buzzの基本的な使い方(ファイルの文字起こし)

Buzzが起動したら、あとは直感的に操作するだけです。

  1. ファイルの追加:
    画面左上の「+(Add)」ボタンをクリックし、文字起こししたい音声ファイル(MP3など)や動画ファイル(MP4など)を選択します。ボタンを押すとモデルや文字起こし条件などの設定画面がでます。


  2. 各種設定を行う:
    ファイルを追加すると上のような設定画面が開くので文字起こしの条件を設定します。
  • タスク: Transcribe(そのままの言語で文字起こし)
  • 言語: 英語の動画なら「英語」を選びます。
  • モデル: 文字起こしに使うAIモデルを選びます。
  • モデルの下の空白プルダウンメニューはモデルサイズの選択用です:
    後述のおすすめ設定を参照
  • 出力形式: 出力形式のチェックボックス(TXT、SRT、VTTなど)にチェックを入れます。
    上のスクショでは、モデルはWhisperになっています。プルダウンメニューを開くと他のモデルに変更することもできます。
    スクショではFaster Whisperを選ぼうとしています。Faster Whisperの下の欄が文字起こしのモデルサイズ(文字起こしの品質)を選ぶプルダウンメニューです。

    スクショでは英語に特化した末尾にenがついているモデル、Medium.Enを選んでいます。
    以上を選び終わった画面がこちらです。
  1. 文字起こしを実行:
    「実行」をクリックすると処理が始まります。パソコンのスペックやファイルの長さによって時間がかかりますが、完了すると指定した形式でテキストファイルが保存されます。

英語学習(動画教材・ラジオ講座)に最適なモデルと設定

動画の英語教材や、NHKラジオ英語講座などを文字起こしして学習に活かす場合、「速度」「精度」のバランスが重要になります。英語学習に特におすすめの設定は以下の通りです。

設定項目 おすすめの設定 理由・ポイント
モデル Faster Whisper 通常のWhisperよりも処理速度が圧倒的に速く、メモリ消費も少ないため、長時間のラジオ講座などに向いています。
モデルサイズ Medium.en または Small.en 英語専用の「.en」モデル(English-only)を選ぶのが最大のコツです。多言語対応モデルよりも英語特有の単語や言い回しの認識精度が高くなります。PCスペックに余裕があれば Medium.en、動作が重ければ Small.en がおすすめです。
タスク Transcribe 英語の音声をそのまま英語のテキストにする設定です。
出力形式 TXT または SRT/VTT ラジオ音声を読んで勉強するなら「TXT(テキスト)」。動画教材に英語字幕として重ねて再生したい場合は「SRT」や「VTT」を選びます。

💡 学習のヒント:
ラジオ英語講座の音声をBuzzで「TXT」形式で文字起こしし、それを読みながら音声を聴く(シャドーイングやディクテーションの答え合わせをする)ことで、リスニング力が劇的に向上します。


YouTube動画の要約をGeminiとChatGPTに依頼してみました。その違いとは⋯。

YouTube動画の要約をGeminiに頼む事が多いです。これはGoogleがYouTubeを運営しているためGeminiが音声字幕に簡単にアクセスすることができるからです。またGeminiは動画をみることができるそうで動画から定期的二フレームを抽出して内容を理解しているそうです。また字幕だけではなく音声も聴いているとのことで音声の抑揚なども把握しているそうです。ですから動画のurlを渡して「要約して」と依頼するのにはGeminiがおすすめです。

OpenAIのChatGPTで同じように動画の要約を頼んでみました。ChatGPTは音声字幕に直接アクセスできないので字幕を入手してアップロードする必要があります。字幕は以前紹介したようにChrome の機能拡張であるYouTube summaryやGlasp Web Highlighterで取得することができます。

英語のYouTube動画の字幕を一気にダウンロードする方法があります!

これらの機能拡張で字幕を入手してChatGPTにわたせば的確な要約を作ってくれるのでおすすめです。YouTube以外の動画からの字幕作成にはOpenAIのWhisperを使うとよいでしょう。Pythonから使う方法や、Buzzというオープンソースのソフトを使ってWhisperを使うことができるので、字幕を簡単に入手することができます。ただChatGPTは動画をみているわけではないので、スライドを読むことができません。それで動画から切り出したスライドの画像ファイルをアップロードすると要約が一段と詳細になります。ChatGPTは動画を直接見ることができないのですが、アップロードされた画像、図、グラフ、スクリーンショットを理解できるからです。

明日は、Whisperを使って字幕を作る方法の解説をしますのでお楽しみに。英語教材の文字起こしにもものすごく役立つソフトです。

Claude academy日本語版が学生、教育者必見の教材になっています!

Claude academyというAnthropicのサイトが最近公開されました。日本語でも学べるというので評判になっています。ほとんどの部分で日本語化が完全に行われていますが、まだ不完全なパートもあるようです。英語版か日本版かはサイトにいくと、ブラウザを使って判定しているようです。もしブラウザで英語版しか表示されない場合は、こちらをクリックしてください。

https://academy.claude.com/ja

と入れると日本語版がでます。


このサイトをChatGPTに調べてもらいました。ChatGPTのOpenAIやGeminiのGoogleも類似の学習用サイトをもっています。これら3つを比較するとつぎのようになるそうです。
Claude Academy = AIとの付き合い方を体系的に学ぶ「教科書」
OpenAI Academy = ChatGPTを仕事で使いこなす「実践講習会」
Google Skills = AI・クラウド技能を身につけて受講終了証を取得する「職業訓練校」

Claude Academyは2026年8月20日に公開されたばかりでAnthropicによると、単なる「Claudeの操作説明」ではなく、同社が社員教育で使っている考え方を一般向けに展開しているとのことです。特に「AIに何を任せるか」「どこを人間が判断するか」「生成物をどう検証するか」というAI Fluency(AIを使いこなす能力)を重視しています。しかもClaude 入門コースだけでなく、Claude Code、API、MCP、エージェント、AIの能力と限界、学生向け、教育者向けなど、現在22の体系的なコースがあります。Claude Academy自体は無料で、サインインしなくても閲覧でき、無料Claudeアカウントでログインすると進捗保存や修了バッジ取得ができます。特に大学の学生や教師むけのコースがあるのが特徴的です。

学生向けコースでは、

  • AIを「答えを作らせる装置」ではなく学習パートナーにする
  • AIを使っても、自分自身が学ぶ
  • human in the loopを維持する(AIの結果をうのみにするのではなく、AIに指示をだし回答を自分でチェックし、それをもとにAIに確認改良提案させて、またその結果を人間が吟味するというように、一連の作業の中に必ず人間の判断、方針、仕事の運び方などを何度も何度もいれてAI・人間の共同作業を行う―というような意味です)
  • AI利用について自分自身の方針を作る

というところまで扱います。

大学教育についてはさらに面白く、Teaching AI Fluencyという4.5時間の教員向けコースまであります。AI時代の課題設計、評価法、学生にどこまでAIを使わせるか、専門教育の内容がどう変わるか、といったテーマです。
大学で学生にAIをどう教えるかという観点なら、Claude Academyの AI Fluency: Framework & Foundations → AI Fluency for students → Teaching AI Fluency の3つは、必見のコースですね!リンクはこちらです。
https://academy.claude.com/ja/courses/ai-fluency-framework-foundations
https://academy.claude.com/ja/courses/ai-fluency-for-students
https://academy.claude.com/ja/courses/teaching-ai-fluency

最強のファイル検索ソフトEverythingでの検索入門

このブログで度々紹介してきたファイル検索ソフトEverythingの簡単なマニュアルをこしらえています。今日はその最初のあたりの抜粋を紹介します。ソフトをインストールしてインデックスを作り、内容のインデックスもできた状態で初めて使う人向きの検索法の紹介です。


まずはこれだけ! 最初に覚える検索式10選

Everythingを起動したら、画面上部の検索欄に次の検索式を入力してみましょう。

最初から検索式をすべて覚える必要はありません。
まず実際に検索して、「こんなことができる」という感覚をつかんでください。


① ファイル名をキーワードで検索する

microarray

ファイル名やフォルダ名に microarray を含むものをすべて探します。

Everythingの最も基本的な使い方です。

例えば、

RNAseq
Shiga
seminar

など、自分が探している資料に関係ありそうな単語を入れてみましょう。

覚えること:単語をそのまま入力するだけ。


② 2つの単語を両方含むファイルを探す ― AND検索

microarray normalization

microarraynormalization両方をファイル名に含むものを探します。

Everythingでは、単語の間を空白にするとAND検索になります。

例えば、

RNAseq analysis

なら、RNAseqとanalysisの両方を含むファイルを探せます。

覚えること:空白 = AND


③ どれか1つを含むファイルを探す ― OR検索

<egl-1|crn-2|atf-2>

egl-1crn-2atf-2どれか1つをファイル名に含むものを探します。

| は「または(OR)」を意味します。

研究では、複数の遺伝子名、タンパク質名、化合物名などについてまとめて検索するときに便利です。

覚えること:| = OR


④ PDFファイルだけを探す

ext:pdf

PC内のPDFファイルだけを表示します。extというのはファイルの拡張子extensionの略です。

さらにキーワードを追加すると、

ext:pdf glycobiology

のように検索できます。

これは、

PDFファイルで、ファイル名にglycobiologyを含むもの

という意味です。

論文、マニュアル、学会資料などを探すときによく使います。

覚えること:ext: = ファイルの種類を指定


⑤ Word・Excel・PowerPointをまとめて探す

ext:doc;docx;xls;xlsx;xlsm;ppt;pptx

Word、Excel、PowerPointのファイルをまとめて表示します。

例えば、

ext:xls;xlsx;xlsm microarray

とすれば、Excelファイルの中からファイル名に microarray を含むものを探せます。

マクロを含むExcelファイルだけなら、

ext:xlsm

です。ワイルドカードのアスタリスクを使って、xls*とするとxls, xlsx, xlsmなどを一括で探せます。doc*も同様です。

覚えること:複数の拡張子は ; でつなぐ。


⑥ 最近変更したファイルを探す

dm:7days

最近7日以内に変更したファイルを探します。

「昨日まで作業していたファイルがどこにあるか分からなくなった」という場合に非常に便利です。

今日変更したものだけなら、

dm:today

です。

例えば、

ext:xlsx dm:7days

とすれば、

最近7日以内に変更したExcelファイル

を一覧できます。

覚えること:dm: = Date Modified(更新日時)
他にも
作成日 dc:2026-08

アクセス日 da:today
特定の期間 dm:2026-08-01..2026-08-23や
日付(月)dm:2026-08-20 (dm:2026-08)なども指定できます。迷子になったファイル探しにも大活躍するソフトです。


⑦ 特定のフォルダ内部(サブフォルダも含む)だけを検索する

例えば研究データが、

D:\Research

に保存されている場合、

ancestor:"D:\Research"

とすると、D:\Researchとその下のサブフォルダを検索対象にできます。
さらに、

ancestor:"D:\Research" microarray

とすれば、
D:\Research以下にある、名前にmicroarrayを含むファイル

を検索します。ancestorというのは、先祖のことですが家系図のようにそのフォルダ(先祖)の子孫にあたるすべてのサブフォルダを指定しています。parentというのもあって、こちらは親ですから、parentのフォルダの直下のファイルだけを検索します。

もっと簡単な方法

検索したいフォルダをWindowsのエクスプローラーからEverythingの検索欄へドラッグ&ドロップすることもできます。

初心者には、まずこちらの方法がおすすめです。

覚えること:検索範囲をフォルダに限定できる。


⑧ 大きなファイルを探す

size:>100mb

100 MBを超えるファイルを探します。

例えば、

ext:mp4 size:>1gb

なら、

1 GBを超えるMP4動画

だけを探せます。

PCや外付けHDDの空き容量が少なくなったとき、巨大な動画や解析データを探すのにも便利です。

覚えること:size: = ファイル容量


⑨ PDFの「中身」を検索する

内容インデックスを設定してあるフォルダでは、

ext:pdf content:"Shiga toxin"

と入力します。

すると、ファイル名ではなく、

PDF本文の中に Shiga toxin と書かれているPDF

を探すことができます。

論文のファイル名を覚えていなくても、論文本文に出てくる言葉を覚えていれば探せます。

例えば、

ext:pdf content:"oxidative stress"
ext:pdf content:glycosyltransferase

などと検索できます。

覚えること:content: = ファイルの中身を検索


⑩ Excelの中から遺伝子名を検索する

ラボでは非常に便利な検索です。

ext:xls;xlsx;xlsm content:egl-1

とすると、

Excelファイルの内部に egl-1 が書かれているファイル

を探せます。

過去の発現解析、エンリッチメント解析、遺伝子リストなどから目的の遺伝子を含むファイルを探す場合に利用できます。

複数の遺伝子のどれかを含むファイルを探したい場合には、

ext:xls;xlsx;xlsm content:<egl-1|crn-2|atf-2>

とします。

さらに検索する研究フォルダを限定すれば、

ancestor:"D:\Research" ext:xls;xlsx;xlsm content:<egl-1|crn-2|atf-2>

となります。

これで、

D:\Research以下にあるExcelファイルの中から、egl-1、crn-2、atf-2のいずれかが書かれているファイル

を探すことができます。

覚えること:フォルダ指定、ファイル形式指定、内容検索は組み合わせられる。


最初はこの5つだけ覚えても十分です

10個を一度に覚える必要はありません。

特に使用頻度が高いのは次の5つです。

microarray
ext:pdf
ext:xls;xlsx;xlsm
dm:7days
content:egl-1

Everythingでは、これらを組み合わせることで検索を次第に絞り込んでいきます。

例えば、

ext:xlsx

ext:xlsx dm:7days

ext:xlsx dm:7days content:egl-1

というように、簡単な検索式に条件を一つずつ追加するのが基本です。

最初は検索式を暗記するよりも、

「名前」「種類」「場所」「日付」「中身」を組み合わせて検索できる

ということを理解してください。

マークダウンをワードのファイルやpdfに変換する方法の補足です―MarkItDownはどう活用するのか?

今日は昨日の内容の続きです。トラブルシューティングは長くなったので今日はやめにして、Microsoft MarkItDown とPandocの違いについて昨日はこのように書きました。
・Pandoc = 文書形式どうしを構造的に変換する汎用コンバーター、
・MarkItDown = PDFやOfficeファイルなどから、LLMが読みやすいMarkdownを取り出すためのマイクロソフトが無料で公開しているツールです。日本語の簡単な比較は次の記事などを参照してください。

技術調査 – markitdown (に公開)https://zenn.dev/suwash/articles/markitdown_20260410
今日はPandocとMarkItDownの違いについて、ChatGPTに教えてもらった内容を少し改変したものをペーストしておきます。


MarkItDown と Pandoc の違い

一言でいうと、

Pandoc = 文書形式どうしを構造的に変換する汎用コンバーター
MarkItDown = PDFやOfficeファイルなどから、LLMが読みやすいMarkdownを取り出すためのツール

です。Microsoft自身もMarkItDownを「各種ファイルをMarkdownへ変換し、indexing や text analysis などに利用するPythonパッケージ/CLI」と位置づけています。PDF、DOCX、PPTX、XLSXなどに対応しています。 (GitHub)

項目 Pandoc Microsoft MarkItDown
主目的 文書形式の相互変換 文書内容をMarkdown化
Markdown → DOCX 基本目的ではない
Markdown → PPTX 基本目的ではない
DOCX → Markdown
PPTX → Markdown ◎(現在は対応)
PDF → Markdown 現行版では入力対応あり 得意分野
XLSX → Markdown 現行版で対応
OCR 基本機能ではない OCR拡張あり
LLM投入用テキスト作成
書式の相互変換
Pythonが必要 不要 必要

Pandocは内部で文書をAST(文書構造)に変換してから別形式へ書き出す設計で、見出し、リスト、表、数式などの文書構造をなるべく保つことを重視しています。ただし元形式のすべてのレイアウトを完全保存できるわけではありません。 (Pandoc)


最近のPandocは以前よりかなり強くなっています

ここは少し重要です。以前は、

PPTX → Markdown はPandocでは難しい

という説明が一般的でしたが、Pandoc 3.8.3(2025年12月)でPPTXが入力形式として追加されました。XLSX入力も同じバージョンで追加されています。 (Pandoc)

今回インストールした Pandoc 3.10.2 はそれより新しいので、例えばコマンド

pandoc lecture.pptx -o lecture.md

を試すことができます。

現在のPandoc公式マニュアルでは、入力形式として

docx
pdf
pptx
xlsx
...

が列挙されています。 (Pandoc)

したがって、いまお使いの最新版Pandocだけでも、以前考えていた以上に逆変換ができます。


MarkItDownが特に有利なのはPDF

PDFはWordやPowerPointとは性質が違います。DOCXやPPTXには、

これは見出し
これは段落
これは表
これはスライドタイトル
という構造情報があります。一方PDFは基本的には、
この座標にこの文字を描く
この位置に画像を置く

という「完成したページ」の記述です。

そのため、

PDF → Markdown

は単なる形式変換というより、

PDFを解析して、人間が読める文書構造を再構築する

作業になります。

ここがMarkItDownの狙いとよく合っています。

MarkItDownの現在のPDF処理には pdfminer.sixpdfplumber が利用されています。 (GitHub)

基本的なコマンドも非常に単純です。

markitdown paper.pdf > paper.md

Microsoftの公式READMEにも、この形が示されています。 (GitHub)


PowerPointではMarkItDownは何を取り出すか

PPTXの場合、MarkItDownは例えば、

# Slide 1
タイトル

本文……

# Slide 2
タイトル

- 箇条書き
- 箇条書き

のように、スライドの内容を文章として再利用しやすいMarkdownへ変換する方向です。

PPTXコンバーターは現在もMicrosoftのMarkItDown本体に組み込まれています。 (GitHub)

ですから、

昔の講義のPowerPointをMarkdownにして、ChatGPTに渡して教材を改訂する

という用途には非常に向いています。


MarkItDownはLLM利用を強く意識している

これがPandocとの大きな思想の違いです。例えば昔の講義スライド

lecture_2015.pptx

を、

lecture_2015.pptx
        ↓
    MarkItDown
        ↓
lecture_2015.md
        ↓
      LLM
        ↓
内容更新・要約・再構成

という形で使えます。

PDF論文なら、

paper.pdf
   ↓
MarkItDown
   ↓
paper.md
   ↓
ChatGPT / その他のLLM

となります。

つまりMarkItDownのMarkdownは、最終配布文書というより、LLMが読みやすい中間形式と考えると理解しやすいです。


OCRもMarkItDownの方向性に合っています

Microsoftのリポジトリには現在、markitdown-ocr というOCRプラグインもあります。PDF、DOCX、PPTX、XLSX内の画像から、LLM Visionを利用して文字を取り出す仕組みです。 (GitHub)

したがって、

スキャンPDF
↓
OCR
↓
Markdown

という用途まで視野に入っています。

これは通常のPandocが本来得意としている領域ではありません。


ただしMarkItDownも完全な「レイアウト復元」ではない

ここは注意が必要です。例えばPowerPointの

┌─────────────┐
│ 図          │ 解説文 │
│             │        │
└─────────────┘

という視覚的配置を、

# タイトル

図

解説文

へ変えるわけなので、元のレイアウトは基本的に失われます。

複雑な表やPDFの段組みなどでも、完全に元文書を再現できるとは限りません。実際、MarkItDownのIssueでもPDF/PPTXの構造化Markdown変換やDOCX表などについて改善課題が継続して報告されています。 (GitHub)

したがって、

Markdown化された内容が正しいかは、人間が一度確認する

という使い方が安全です。


今回の環境なら、両方使うのがよいと思います

今回構築した環境にMarkItDownを追加すると、とても分かりやすい循環ができます。

                 Pandoc
Markdown ─────────────────→ Word
   ↑                         │
   │                         │
   │                         ↓
   └──────── Pandoc ─────── DOCX


PDF ──────── MarkItDown ─→ Markdown
PPTX ─────── MarkItDown ─→ Markdown
XLSX ─────── MarkItDown ─→ Markdown
                           ↓
                          LLM

ただし現在はPandoc 3.10.2もPPTX/XLSX入力ができるので、実際には、

DOCX → Markdown
PPTX → Markdown

についてはPandocとMarkItDownを両方試して、結果が良い方を使うのも面白いです。

PDFについては、私はまず MarkItDownを試す方をおすすめします。


研究・教育用途ならこう使い分けると便利です

たとえば、

ChatGPTの回答を講義資料にする

ChatGPT
 ↓
Markdown
 ↓ Pandoc
DOCX
 ↓
Wordで仕上げ
 ↓
PDF

一方、

昔の教材をLLMで再利用する

古いPPTX / PDF / DOCX
 ↓
MarkItDown または Pandoc
 ↓
Markdown
 ↓
VS Codeで確認
 ↓
LLMで修正・再構成
 ↓
Markdown
 ↓ Pandoc
新しいDOCX

となります。

この「Markdownを中心にOffice文書とLLMを行き来する」仕組みは、今回作り始めたマニュアルの次の章としてちょうどよい内容だと思います。特に昔のPowerPoint教材やPDF資料を再利用する場合には、MarkItDownを追加するとかなり実用的になります。


こんな感じで、MarkItDownはLLMへの入力準備に活用して、人間が読むマニュアルはMS Wordとかpdfとかにするとよさそうですね。

ChatGPT やGeminiなどの回答はマークダウン形式です。これをきれいなワードのファイルに変換する方法の紹介です(後編)

昨日の記事の後半部分(つづき)です。ChatGPTの回答をワードのファイルにして保存したり、pdfにして保存する方法の紹介の後半です。昨日はChatGPTやGeminiなどの回答(markdown形式)をVS Codeにペーストしてmdファイルとして保存→Pandocという文書コンバーターをコマンドラインで使ってMS Wordの文書に変換したり、MS Wordからpdfに出力する方法を解説しました。今日は昨日の記事の続きの応用編です。ChatGPTの回答を少し修正したものです。明日はトラブルシューティングとPandocとMarkItDownとの違いをまとめます。
・Pandoc = 文書形式どうしを構造的に変換する汎用コンバーター、
・MarkItDown = PDFやOfficeファイルなどから、LLMが読みやすいMarkdownを取り出すためのマイクロソフトが無料で公開しているツールです。日本語の簡単な比較は次の記事などを参照してください。

技術調査 – markitdown (に公開)https://zenn.dev/suwash/articles/markitdown_20260410


15. LibreOffice Writer形式に変換する

Microsoft WordではなくLibreOffice Writerで使いたい場合は、ODT形式に変換できます。

pandoc report.md -o report.odt

すると、

report.odt

が作成されます。

LibreOffice Writerで開いて編集できます。

16. HTMLファイルに変換する

ブラウザで見られるHTMLに変換することもできます。

pandoc report.md -s -o report.html

-s はstandalone、つまり単独で開ける完全なHTML文書を作成する指定です。Pandoc公式の例でもこの形式が使われています。 (Pandoc)

作成した

report.html

をChromeやFirefoxで開くと、整形された文書として表示できます。

ブラウザの

「印刷」→「PDFに保存」

を利用することもできます。

17. Pandocから直接PDFを作ることもできる

Pandocでは、

pandoc report.md -o report.pdf

という変換も可能です。

ただし、PDFを直接作成するときには通常LaTeXなどのPDF作成エンジンが別途必要になります。Pandocの標準PDF出力はLaTeXを利用します。 (Pandoc)

そのため、初心者にはまず、

Markdown
 ↓
Word
 ↓
PDF

をおすすめします。

18. 同じMarkdownから複数の形式を作る

一つの

report.md

から、

pandoc report.md -o report.docx
pandoc report.md -o report.odt
pandoc report.md -s -o report.html

とすれば、

report.md
report.docx
report.odt
report.html

を作成できます。

つまりMarkdownを「原本」として残し、用途によって出力形式を変えられます。

19. おすすめのフォルダ構成

文章だけの場合は、

ChatGPT_manual/
├── report.md
├── report.docx
└── report.pdf

程度で十分です。

画像を含む文書では、

ChatGPT_manual/
├── report.md
├── images/
│   ├── figure1.png
│   └── figure2.png
├── report.docx
└── report.pdf

としておくと管理しやすくなります。

Markdownには例えば、

![実験結果](images/figure1.png)

と書きます。

PandocでWordへ変換するときも、このフォルダ構造を保ったまま変換します。

20. Wordの書式を統一したい場合

通常、

pandoc report.md -o report.docx

でもWord文書を作れますが、フォント、見出し、ページ余白などを研究室や授業で統一したい場合には、Pandocの reference-doc 機能が便利です。

まずWordで、

reference.docx

という文書を作成し、

  • 標準本文
  • 見出し1
  • 見出し2
  • 見出し3
  • フォント
  • ページ余白
  • ヘッダー
  • フッター

などを設定しておきます。

その後、

pandoc report.md --reference-doc=reference.docx -o report.docx

とします。

Pandocは参照DOCXを利用してWord出力のスタイルを変更できます。 (Pandoc)

研究室のマニュアルや講義資料を何度も作る場合には、この方法が非常に便利です。

21. Word文書をMarkdownへ戻す

逆方向の変換もできます。

例えば、

old_manual.docx

というWord文書をMarkdownにする場合、

pandoc old_manual.docx -o old_manual.md

とします。

これによって古いWord文書をMarkdown化し、VS Codeで編集したり、ChatGPTに渡して再編集したりできます。

ただし、Word独自の複雑なレイアウトや図形などはMarkdownでは完全には表現できません。

したがって、

Markdown → Word

は非常に扱いやすい一方、

Word → Markdown

では一部の書式が失われる可能性があります。


22. よく使うPandocコマンド一覧

Markdown → Word

pandoc report.md -o report.docx

Markdown → LibreOffice Writer

pandoc report.md -o report.odt

Markdown → HTML

pandoc report.md -s -o report.html

Markdown → PDF

pandoc report.md -o report.pdf

※ PDFエンジンが別途必要です。

Word → Markdown

pandoc report.docx -o report.md

Word用テンプレートを使用

pandoc report.md --reference-doc=reference.docx -o report.docx

23. よく使うVS Codeの操作

操作 方法
作業フォルダを開く ファイル → フォルダーを開く
別のフォルダへ変更 ファイル → フォルダーを開く
新しいMarkdownファイル エクスプローラー → 新しいファイル → 名前.md
保存 Ctrl + S
Markdownプレビュー Ctrl + Shift + V
横にプレビュー Ctrl + K のあと V
ターミナルを開く ターミナル → 新しいターミナル
ターミナル表示/非表示 Ctrl + `

Markdown previewや統合ターミナルはVS Codeの標準機能なので、基本的な作業には追加のMarkdown拡張機能は必要ありません。 (Visual Studio Code)


24. 「ファイルが見つかりません」と表示される場合

例えば、

pandoc report.md -o report.docx

を実行して、

report.md: No such file or directory

のようなエラーが出た場合、最も多い原因はターミナルが別のフォルダにいることです。

Windows PowerShellなら、

Get-Location
dir

を実行します。

Ubuntuなら、

pwd
ls

を実行します。

目的の

report.md

が一覧に表示されることを確認します。

表示されなければ、

「ファイル」→「フォルダーを開く」

から report.md が入っているフォルダを開き直し、

「ターミナル」→「新しいターミナル」

を実行するのが簡単です。


25. pandoc が見つからない場合

例えばWindowsで、

pandoc : 用語 'pandoc' は認識されません

と表示された場合は、

  1. Pandocがインストールされているか確認する
  2. VS Codeを完全に終了する
  3. VS Codeを再起動する
  4. 新しいターミナルを開く
  5. 次を実行する
pandoc --version

それでも認識されない場合には、PandocのPATH設定を確認する必要があります。


26. ファイル名についての注意

Pandocは日本語ファイル名も扱えますが、慣れるまでは、

実験結果 2026年8月.md

よりも、

experiment_2026_08.md

のような、英数字とアンダースコア _ を中心としたファイル名をおすすめします。

空白を含むファイル名の場合は、

pandoc "experiment report.md" -o "experiment report.docx"

のように引用符で囲む必要があります。


27. 最初に覚えるのはこの操作だけでよい

初めて使う場合には、すべての機能を覚える必要はありません。

まず次の流れだけ覚えれば十分です。

① 作業フォルダを作る

Documents
└── Markdown
    └── report01

② VS Codeで開く

ファイル → フォルダーを開く → report01

③ Markdownファイルを作る

report.md

④ ChatGPTの回答を貼り付ける

Ctrl + V

⑤ 保存する

Ctrl + S

⑥ プレビューする

Ctrl + Shift + V

⑦ ターミナルを開く

ターミナル → 新しいターミナル

⑧ Wordへ変換する

pandoc report.md -o report.docx

⑨ Wordで開く

必要に応じて書式を調整します。

⑩ PDFが必要ならWordからPDF保存

これだけで、

ChatGPT
   ↓
Markdown
   ↓
VS Code
   ↓
Pandoc
   ↓
Word
   ↓
PDF

という一連の作業ができます。


28. この方法の利点

Word文書だけを保存する方法に比べて、Markdownを原本として残す方法には次の利点があります。

  • ChatGPTなどのLLMとの文章のやり取りが簡単
  • VS Codeで高速に検索できる
  • Word、HTML、ODTなど複数形式へ変換できる
  • 元の文章が単純なテキストなので長期保存に向く
  • 過去の文章を再利用しやすい
  • 文書の構造を保ったまま修正しやすい
  • Wordの書式変更に原稿自体が影響されない

したがって、

Markdown = 原稿・保存用
Word     = 最終調整・配布用
PDF      = 完成版・閲覧用

と役割を分けると分かりやすくなります。


29. 基本方針

日常的な利用では、次の方法を推奨します。

                 ┌── Word (.docx)
                 │
ChatGPT → Markdown (.md)
                 │
                 ├── LibreOffice (.odt)
                 │
                 ├── HTML (.html)
                 │
                 └── PDF

Markdownファイルを原本としてVS Codeで管理し、Pandocを「形式変換器」として利用する、という考え方です。

この基本さえ理解しておけば、ChatGPTで作成した文章を研究資料、講義資料、学生向けマニュアル、README、報告書などへ効率よく展開できます。

この版は、VS Codeをすでに日本語化している人が最初の1回を自力で完了できることを重視して、フォルダ・ターミナル・エラー対処まで含めました。特に「VS Codeで開いているフォルダ=Pandocを実行する作業場所」という点を理解してもらうと、学生向けマニュアルとしてもかなりトラブルが減るはずです。