量子生物学の核スピン効果についての厳密な実験の動画がでていて面白そうです!

量子生物学の動画で面白いものがありました。Geminiに解説してもらったものを交えて紹介します。最後のQ&Aでは Stuart HameroffとRoger Penroseの「Orch OR理論(統合情報理論)」や、治部・保江が提唱した「量子脳力学(微小管内の水分子の電磁場コヒーレンス)」との関連に関する話もでてきています。

Biology at the Quantum Scale | A Presentation by Dr. Travis Craddock
https://youtu.be/qEsvgVEXCW8

鳥の渡り(クリプトクロムというタンパク質によるスピンを介した量子生物学的効果で鳥が磁気を視ることができて渡りに利用しているという有力な説)に関わる磁気受容などの話題は耳にしても、ミリテスラ以下の弱磁場が生体分子に影響を与えるという主張には、「室温の熱ゆらぎエネルギー(kT)の壁をどうやって乗り越えるのか?」と胡散臭さを感じるのが、古典的・熱力学的な物理法則を熟知した生物物理学者の自然な反応です。この動画の演者であるウォータールー大学のTravis Craddock博士は、まさにその「kT問題の壁」を、外部磁場だけでなく「同位体の核スピン」という内部パラメーターを用いて突破しようとする、非常に厳密で検証可能な実験を行なっています。この動画では、スピンを生物が利用しているとされる例を、鳥の渡り、プラナリアの再生などから詳しく解説しており、勉強になります。さらに

1)弱磁場効果に対する熱やpHに起因する「アーティファクトの疑念」をどう晴らすかについての解説が続きます:

量子生物学において、弱磁場(地磁気〜数ミリテスラ)を加えて細胞の挙動(活性酸素種ROSの発生量やプランナリアの再生速度など)が変わったという報告は多数あります。 しかし、これらは「実験セットアップに起因する熱やpHのアーティファクトではないか?」という批判が常につきまといます。そこでCraddock博士が決定打として導入したのが上に述べた「同位体効果(Isotope Effect)」です。化学的な性質(電子配置)は全く同じであるにもかかわらず、リチウム(Li-6 / Li-7)やキセノン麻酔薬の同位体の違いによって、動物の行動や麻酔の効き目に明確な差が出ることが近年報告されています。博士はこれを質量による「速度論的同位体効果(Kinetic Isotope Effect)」ではなく、純粋な「核スピン」によるラジカル対機構(RPM)の変調として証明しようと試みています。

2) 完璧な対照実験となる「マグネシウム同位体」

Craddock博士の真骨頂は、神経系において極めて重要な役割を果たす微小管(Microtubules)の重合プロセスと、その触媒として働くマグネシウム(Mg)を用いた実験デザインにあります 。マグネシウムには3つの安定同位体Mg-24、25、26が存在します。質量数24のものが自然界では80%ほどを占め、25と26はそれぞれ10%ほど存在しているそうです。核スピンは24と26がゼロで、25が5/2です。もし同位体による挙動の違いが単なる「質量の差」に由来するならば、Mg-24、25、26と質量が増えるに従って連続的な変化が見られるはずです。しかし、もし中間の質量であるMg-25の条件でのみ特異な反応が起きれば、それは質量の効果を完全に排除した「核スピン(5/2)」によるスピンダイナミクスであると強力に結論づけることができます。

3) チューブリン重合におけるGTP加水分解とスピンの相互作用
チューブリンダイマーが重合して微小管を形成する際、末端のβ-チューブリン上のGTPがGDPへと加水分解されます。この時、Mgイオンがリン酸基に配位結合し、加水分解反応をアシストします 。博士の研究チームは、純度99.7%以上のMg-24、Mg-25、Mg-26のバッファーをそれぞれ精製し、地磁気下および弱磁場(3mT)下でのチューブリンの重合量を光学濃度(OD)で比較しました。

【実験結果】 外部磁場がない(地磁気レベル)場合、どの同位体でも重合量に有意差はなかった。
「Mg-25」かつ「3mTの弱磁場」を加えた条件でのみ、チューブリンの重合量が劇的に増加した。(スピンを持たないMg-24, Mg-26では磁場をかけても変化なし)

この結果は、カルガリー大学のChristoph Simonらのグループが構築した「Mgの核スピンが介在するラジカル対機構の理論モデル(リウヴィル超演算子を用いた三重項収率予測)」のシミュレーションカーブと見事に一致したそうです。

4) 生物物理学としての到達点

これまで「熱ノイズに掻き消されるはずだ」と一蹴されがちだった量子生物学ですが、Craddock博士のアプローチは、スピンを持たない同位体をネガティブコントロールとして完璧に機能させることで、熱力学的なノイズの向こう側にある純粋なスピン・カップリング効果を抽出しています。微小管の動態変化は、神経細胞の形態形成やシナプス可塑性、さらには神経変性疾患に直結します。単なる「オカルト的な量子現象」ではなく、GTP加水分解という生化学の根幹において量子スピン効果が機能構造を制御しているという、非常にハードで検証可能な生物物理学の領域に入りつつあることを示す講演内容となっています。

厚生労働省が公開していた癌の全ゲノム解析講習会のテキストはよい教科書です。

こちらのツイートで知りましたが、この講習会のテキストは良いと思います。

ガンにおける遺伝子変異や次世代シークエンサーの基礎的解説からはじまり、linux入門の章や、癌の全ゲノム解析の結果の解析法、臨床例まで充実の講義の教科書(スライド)です。私のように、昔習った知識のブラッシュアップを必要とする者にも最適の教科書だと思いました。実習のデータファイルは入手法がわからないのですが、ChatGPTなどに助けてもらいながら自分で公開データベースから必要なデータファイルをダウンロードしてきて実習することもできると思います。これは必見の教科書です!


ツイートにあるリンク

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000204873_00006.htmlにアクセスすると、「お探しのページが見つかりません」となります。

これは、こちらのweb pageのアーカイブサービスからみることができます。
テキストの pdf もダウンロード可能です。

消えてしまったweb ページはurlをアーカイブサービスのWayback machineの検索窓に入れて探すことができます。検索窓にツイートのuurlを入れて、一番新しい日付のアーカイブを探しました。結果がこちらです。
http://web.archive.org/web/20260607142146/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000204873_00006.html

ここから令和6年度の研修テキストがダウンロードできます。基礎から本格的解析までこれは日本語で読める素晴らしいテキストです。

ChatGPTのWorkという機能はよさそうです!

最近ChatGPTを使っていると、Workを使いませんか?というお誘いが毎回でてきます。
Workを使うには:
1)サイドバーで「新しいチャット」を選ぶと、始めるときに画面上部に切り替えボタンが出てきてChatとWorkを選べます。あるいは、
2)サイドバーのプロジェクトを選んで、プロジェクトを開いたり作ったりするときに画面上部にでる切り替えボタンでWorkを選べます。

Workって何だろうと思っている時に、ちょうどこんな記事をみつけてChatGPTのWorkについて興味を持ちました。

『ChatGPTのWorkをまだ使ったことがない人へ』

https://note.com/yugen_matuni/n/n31ef23b47669


ChatGPTにWorkについて聞いてみるとこんな答えがかえってきました。


Workとは何か

ChatGPT Work は2026年7月9日に発表された新しいエージェント機能で、現在はGPT-5.6を使っています。通常のChatが「質問に答える」ことを中心としているのに対して、Workは長い複数ステップの作業を進め、最終的な成果物まで作ることを目的にしています。

たとえば、「このCSVを調べてください」だけではなく、

この実験データ一式を確認し、ファイル間の不整合を探し、必要な修正点をまとめ、最終的に提出用ExcelとMethodsの文章を作る

というように、ゴールを指定して一連の工程を任せることができます。Workは資料を調べ、工程を分解し、途中の成果物を作りながら進める設計になっています。ユーザーは途中で進捗を確認したり、方向を変更したり、重要な操作を承認できます。

さらに、Word系文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、レポートなどを直接作成・編集でき、既存ファイルやテンプレートを見本として指定することもできます。Google Docs / Sheets / Slidesにも、対応するアプリを接続すれば直接作成・編集できます。


ということで、使えそうな機能です。たとえば、遺伝子のエンリッチメント解析の論文を書いている時なら、一つのプロジェクトに次のような材料をいれておきます。

  • manuscript
  • Supplementary data
  • Figure legends
  • Tables
  • Methods
  • DDBJ accession情報
  • 正規化の方法
  • エンリッチメント解析方法
  • 参考文献PDF
  • 投稿規程

そして、Workモードにして、「Results、Methods、Figure legends、Supplementary tablesを横断的に確認し、strain名、処理時間、サンプル数、統計方法、遺伝子数、Figure番号に矛盾がないか検査してください。」などと依頼をして投稿用ファイルのチェックができます。これは従来の「英文を直してください」とはかなり違って論文全体を一つのシステムとして検査するという用途です。しかもWorkは既存の文書やテンプレートを参照して、レイアウトや構成を維持した編集もできるそうです。

他にも90分授業用に、講義スライド25枚、学生用handout、演習問題10問、解答、実習用Excelを作成する。というふうに複数の成果物を一度に作らせることもできます。Workは文書・スプレッドシート・プレゼンテーションを成果物として作れるので、こうした教材パッケージ作成には通常のChat以上のメリットがあります。さらにSitesという機能を使えば、簡単なインタラクティブWeb教材やデータ閲覧ページを作ることもできます。

また定期的に変化する情報を追跡するという用途にも使えます。
WorkにはScheduled Tasksが組み込まれており、定期実行や変更監視を一連の仕事に組み込めます。サイトの更新状況を定期的にチェックして、「変更があった部分だけレポートにする」といった運用もできるそうです。

論文執筆法のサイトが秀逸です‥。

論文の書き方についてのスライドが公開されています。
『研究室の論文執筆ガイドライン』

情報系の論文執筆法なのでLaTexやGitHubの使い方など、生命科学系の人にはとっつきにくい内容を学ぶ手引きにもなると思われます。最初のほうのスライドで詳しく解説されています。またスライド内に執筆法についての書籍や記事の紹介もあるので役立つと思います。以下のツイートをご覧ください。


執筆されている山田先生のGitHubも参考になります。

https://github.com/orgs/koki-yamada-lab/repositories?type=all

文献管理ソフトZoteroとGoogleのNotebookLMの連携法 追加版―Zoteroのプラグインを使う方法

文献管理ソフトZoteroとGoogleのNotebookLMの連携法―Zoteroのプラグインを使う方法についての記事への追加です。今日、自分のZoteroのデータをNotebookLMに取り込む作業をNZBridgeで行ってみて気づいたことをならべておきます。前回のこちらの記事への追加です。

文献管理ソフトZoteroとGoogleのNotebookLMの連携法―Zoteroのプラグインを使う方法

設定するときつまづいた点を列挙します。
1)NZBridgeはGoogle のGemini notebookを英語モードにして使わないといけません。これはプログラムが英語のメニューを読んで動くようにできているためで、notebookのメニューが日本語だとうまく動作しません。日本語の文献をアップロードできないというわけではありません。あくまでブラウザの優占言語が英語でないとだめというだけです。
GeminiとnotebookLMを英語表示に設定するのはPC版(およびスマホのブラウザ版)では以下のようにしてください:

  1. Google アカウントの言語設定ページ にアクセスします。

  2. 「優先言語(Preferred language)」の横にある鉛筆アイコン(編集)をクリックします。

  3. 「English」を検索して選択し、地域(「United States」とかUnited Kingdomとか)を選んで「選択(Select)」をクリックします。

  4. Geminiのページに戻り、画面を再読み込み(リフレッシュ)します。


2)前の記事の通りに設定してZoteroから161個の文献をNotebookLMにアップロードしようとしました。するとNZBridgeがこんなエラーメッセージを出してきてアップロードできません。
⚠ 161 items — NotebookLM free tier supports max 50 sources
これはNZBridge のプログラムがNotebookLMの無料版のアップロード制限50個までというのを組み込んでいるからだそうです。有料版で300個まで一つのNotebookLMにアップロードできる人でも50個しか一回でアップロードできません。Zotero内で親コレクションをそのまま同期するのではなく、サブコレクション(例: 論文_01 論文_02 …)のフォルダを作成し、1つのコレクション内のアイテム数を50件未満に分けて同期すると300個まで(Proプランの場合。Ultraはもっといっぱいアップロードできます)アップロードできます。


3)私の場合、zoteroからsyncしようとするとチェックボックスでpdfを選択した後、エラーメッセージ
No NotebookLM tab foundがでてアップロードできませんでした。原因は、開いているNotebookLMのノートブックがGemini notebookのurlだったことでした。NZBridgeは、NotebookLMのurlを探しに行くようになっていて、Gemini Notebookのurlを認識しません(今の最新版version 0.43の場合)。
例えばこんなurlのノートブックを開いていても認識しないのです。(https://gemini.google.com/notebook/この後に長い識別文字列が続きます)

NZBridgeはスタンドアローン版のnotebookのurl こんなurl
(https://notebooklm.google.com/notebook/)しか認識できないようです。
解決法は以下のとおりです:
スタンドアロン版の NotebookLM のURLにアクセスして、そちらでノートブックを開いてから同期を試してください。ブラウザで https://notebooklm.google.com/ に直接アクセスします。

そちらの画面でノートブックを新規作成するか、既存のものを開きます。

URLが [https://notebooklm.google.com/notebook/](https://notebooklm.google.com/notebook/)… になっていることを確認します。
そのタブを開いたまま、NZBridgeの同期を実行すると、NZBridgeがnotebookを正しく認識するようになります。


以上のようなトラブルがおこりましたが解決して、無事Zoteroの文献をNotebookLMにアップロードできました。Zoteroの文献をアップロードしたこのnotebookはGeminiでも表示されているので問題なく利用できます。
いったんアップロードができるようになれば、あとは文献フォルダをZoteroで選んでクリック一つでNotebookLMにアップロードできるので便利です。pdfがない文献も文献情報はアップロードできるのでZoteroの文献をもとにハルシネーションなしの推論ができるようになります。

圏論をベースにした新しいAIも開発がはじまったようです。

量子力学を圏論で定式化しているBob Coeckeが新しいAIの開発をはじめたようです。Relational Intelligenceと名付けているもので現在のAIのようにニューラルネットを使うのではなく、圏論などをベースにしたネットワークで推論するAIです。何をどう推論しているかが可視化できて量子コンピュータにもそのまま全く変更なしで載せられるAIをめざしているようです。これは先日紹介したLanyon AIのLEANなどをベースにしているものと似ていますが、圏論のRelational String Diagramを使うというアプローチのようです。


関連する動画も公開されています。

Bob Coecke: From Quantum Picturalism to Education, Cognition, AI, and Music
https://youtu.be/gjEYwi7kWg8

ポドキャストも今月公開されました。
Episode 146: Relational Intelligence and Quantum Entertainment with Bob Coecke
https://ep.entangledthings.com/19581866

英国王立研究所で開催された進化生物学の一般向け講演が面白そうです!

いつも紹介している英国The Royal Institutionの動画ですが、最新の動画は進化に関する最新の手法と知見をまとめていて面白そうです。ロンドンの自然史博物館の先生による講演で、最新の化石の三次元分析法を駆使して環境と進化の相互作用をどんどん明らかにしている仕事の紹介です。地球温暖化が生物の進化速度にどのように影響するかという重要な問題に関する研究も紹介されています。ネコとイヌの進化をくらべるとなぜネコはほとんど進化していないのにイヌは様々な種類に進化しているのか?恐竜の進化速度と、恐竜の子孫である鳥の進化速度をくらべると鳥の進化がおどろくほど遅いのは何故か?ワニはなんで昔からほとんど形態が変化していないのか?などなど、進化を学ぶものが一度は疑問に思うのですが、答えをきいたことが無い疑問が回答されていてとても良い動画だと思います。これは観る値打ちのある動画ですのでお勧めします。例によってLanguage reactorの機能拡張などを使って日本語訳を表示させながら視聴するのもよいですし、最後に私がはりつけているように生成AIで要約してもらったり、文字起こし用のブラウザ機能拡張たとえばGlaspで講演内容を全部書きだしてもらってそれを翻訳するのもよいでしょう。YouTube動画のAIを使った視聴法についてはこちらの過去記事のリンクをご覧ください。

AIを使ってYouTubeの科学動画(英語版など)を効率的に視聴しましょう!第2回

さて、今日紹介する動画です。埋め込んでおきます。

The hidden rule behind all evolution | with biologist Anjali Goswami
https://youtu.be/UMjoNUb2A0I

最後にGeminiによる講演の要約も貼り付けておきます。進化生物学を学んでいる大学生向けに要約してもらいました。ざっと読んでみて、面白そうだったら動画を視聴するとよいでしょう。[]内の数字は動画の再生位置を分:秒で示したものです。元の回答にはurlリンクがあったのですがそれは省いてあります。


2. 進化生物学を学ぶ大学生向けの内容要約

本講演は、生物の形態進化におけるテンポ(進化速度)とモード(進化様式)を制御する内因的要因(発生・解剖学的制約・遺伝的相関)と外因的要因(環境・気候・生態的ニッチ)の相互作用を、幾何学的形態測定学および最新のフェノミクス(Phenomics)の手法を用いて包括的に論じたものです。

Ⅰ. 発生的・機能的制約と形態多様性

アイソメトリー vs アロメトリー [09:25]
ネコ科(Felidae):頭骨の発達において成長に伴う相対比例の変化が少ない「アイソメトリー(等比成長)」を示す。また肉食への過度な適応(裂肉歯以降の臼歯の喪失)という機能的制約により、形態的・生態的進化の自由度が著しく低い。
イヌ科(Canidae):成長過程で吻部が伸びる「アロメトリー(異比成長)」を示す。この発生プロセスの柔軟性が、人工選択(ブリーディング)における劇的な形態多様化を可能にした。

Ⅱ. 形質相関と「Fly in the Tube」モデル [16:25]

* 表現型形質間には遺伝的連鎖や発生経路の共有による強い共変異(Covariance)が存在する。
* これにより、理論上可能な表現型空間(Morphospace)の大部分は占有されず、進化の軌跡は狭い領域(チューブ状)に制限される。
* この制約こそが、有袋類のフクロオオカミ(Thylacine)と有胎盤類のオオカミ(Wolf)に見られるような収斂進化(Convergence)が頻発するメカニズムである。

Ⅲ. 進化的フェノミクス(Evolutionary Phenomics / Fionomix)の展開 [23:40]

* 従来の線形計測や少数ランドマークに基づく幾何学的形態測定学(Geometric Morphometrics)から、3D表面スキャン・CTデータを活用したセミランドマーク自動配置法およびAI学習モデル(自動化パイプライン)への移行。
* 海底堆積物コア中の微化石(有孔虫)の高処理3D解析により、地質学的時間軸における気候変動に伴うリアルタイムの種分化プロセス(Speciation)の視覚化・定量化に成功 [32:00]

Ⅳ. 大進化(Macroevolution)パターンの検証

*鳥類と非鳥類恐竜の頭骨進化 [36:03]:高次元形態空間の解析結果、鳥類は非鳥類恐竜に比べて頭骨の進化速度が著しく遅い。鳥類の頭骨は「拡大した脳+クチバシ」という基本構造に特化し、摂食やディスプレー機能を他の器官や軟組織に依存しているためである。
*哺乳類の形態進化と適応放散 [39:06]:哺乳類頭骨の平均的形態(Morphospaceの中心)はキツネ型に収斂する。進化速度の分岐には、生態(水生・草食)、発達様式(早成性/晩成性)、社会性、日周性が強く寄与しており、水棲化(クジラ類)や高い社会性・早成性を持つ系統で進化速度が顕著に増大する。

Ⅴ. 気候変動と進化速度・絶滅リスク [43:12]
* 過去200億〜数億年規模の気候データ(気温および気温変化速度)と系統推定量を用いた進化モデルの適合度検証を実施。
* 多くの系統(鳥類、ヘビ、有袋類等)において、単なる環境温度の絶対値ではなく「気候変化の速度(Rate of climate change)」が形態進化のテンポを駆動する主要因となっている。
* 現在進行中の生物多様性減退速度は、地質時代最大の温暖化イベントである古第三紀始新世極大温暖化(PETM: Paleocene-Eocene Thermal Maximum)[48:56] を遥かに上回るスピードであり、第6の大量絶滅(Mass Extinction)の閾値に達しつつあることを警告している。

戦争の時の家族の話―家系図をたどろうとした話です。

孫が歴史に興味をもっているので、先祖や家系図について調べてみることにしました。

まずは私と奥さんの戸籍を役場に出かけてさかのぼって取得することにしました。役場のすいている時間を電話できいて出かけ、試しにそれぞれの父親の戸籍をいくつか取得しました。奥さんのお父さんの兄弟は、日米戦争の時には得意の英語を使って米軍放送の傍受、解析をしていたそうです。このため敗戦後は公職追放になっていたそうですが、後には大学の英語の先生になっていたのがわかりました。この人が二年ほどかけて、先祖を戸籍と、お寺の過去帳などを使って調査していたそうで、その調査によると、先祖には大河ドラマで出てくる蜂須賀小六がいるというのがわかりました。本当なら面白いので私たちのほうでも確認しようと、過去帳のあるお寺を調べたのですが残念ながら廃寺になっていました。過去帳やお墓や親戚などから調べられるかもしれないので一度調べにいってみたいものです。

私の父親の戸籍をたどっていくと、父親の一番上のお姉さんのことがわかりました。結婚して満州に移住して小さな娘さんから年頃の娘さんまで多くの子供たちと満州開拓に携わっていたそうです。私の父親が一番上の姉は戦争で亡くなった話していたのですが、国立国会図書館のデジタルコレクションで名前を探す(キーワード検索です)とヒットしました。昭和20年の敗戦にともない帰国準備をしているところを匪賊に包囲され、家族全員自害したとありました。私の家系にも満州で亡くなった人がいるのがわかりました。

この時、満州には義母もおりました。敗戦にともない、帰国するための列車の場所についてウソを教えられて迷っていたところを、親戚にみつけてもらいやっとのことで列車に乗れて大連に到着したそうです。若い娘は襲われるので、髪を丸坊主にして逃げたそうです。大連では中国人の子供の子守をしていたと聞きました。ユーピンという名前の男の子の子守をしていたといっていました。中国の人が、平和を願うという意味の名前だよと教えてくれたと話していました。多分 宇平(ユーピン / Yǔpíng)と書くのではないでしょうか。さっきGeminiにきいてみると、この名前の「宇」は宇宙や世界といった広がり、空間を意味しており、「平」は平和ですから「世界が平和であるように」「広い心を持って平穏な人生を歩むように」といった、スケールの大きな願いが込められた名前だそうです。戦争が続いた中国の人たちの平和への願いがこもった名前ですね。その子の子守をして暮らしている時、義母は八路軍の将校に求婚されたそうですが、「私は やっぱり、日本に帰りたい」といって断りました。その将校はその後も親切にしてくれて、義母に日本に帰る船が港に来たことを教えてくれた上に、荷物を運んでくれて一緒にその船まで送ってくれたのだそうです。こうした中国の人たちの善意とやさしさのおかげで無事日本に帰国できたのは嬉しいことです。当時の八路軍は、満州に侵入したソビエト連邦軍とちがって強姦などは行わない規律の正しい軍隊だったと最近読んだ本
『ソ連兵へ差し出された娘たち』
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-789015-0
にも書かれていました。

さて話を私の家系にもどすと、こちらには蜂須賀小六などは先祖におらず、平民だったようです。父の兄弟姉妹の何人かは戦争で亡くなっています。祖父は敗戦後も生き延びて、役場で働いて村の歴史をまとめた本を発行する仕事をしたりしていたことがわかりました。国立国会図書館デジタルコレクションは家系調査にも役立ちますね! 祖父の父についても戸籍から名前がわかってデジタルコレクションにも名前があるのですが、同姓同名の人かどうかは、戸籍を取り直してみないとわからない状態です。そのあたりになると文化とかいう年号がでてくる、江戸時代の生まれになるので戸籍がもう廃棄されて消えている可能性が高いようです。役場のオンラインシステムではこれ以上はたどれないようでした。こちらも親戚や地元の過去帳などから調べる他ないようです。

今日は戸籍で先祖をたどった時に知ったり、思い出した先の戦争の話でした。

文献管理ソフトZoteroとGoogleのNotebookLMの連携法―Zoteroのプラグインを使う方法

文献管理ソフトZoteroとGoogleのNotebookLMが連携できたら便利です。Zoteroにあるpdfを一発で、NotebookLMにアップロードできたら自分専用の文献データで信頼できるハルシネーションなしのChatができます (無料版のNotebookLMではnotebook一つあたり50個、有料版では300個がアップロードできます)。

Zoteroのフォーラムを検索するとよい方法がありました!ブラウザはChromeかEdgeを使う必要があり、NotebookLMの言語はEnglishにしておく必要があります。

Zoteroフォーラムの次の記事をご覧ください。今年公開された機能拡張ですが活発に開発がつづいているようでおすすめです。
“NZBridge – Bidirectional sync between Zotero and Google NotebookLM”
https://forums.zotero.org/discussion/130764/nzbridge-bidirectional-sync-between-zotero-and-google-notebooklm
デモがYouTubeにでています。
NZBridge — NotebookLM Zotero Bridge | Zotero Plugin and Edge Extension
https://youtu.be/RCJhwf-Kwto

詳しいインストール法や使い方、最新版の入手はこちらのGitHubにあるのでご覧ください。

https://github.com/Rafael-Silva-Oliveira/NZBridge
NZBridgeのインストールに必要なのは:
Zotero 7.0 or later — Zoteroのプログラム本体です。こちらからダウンロード可能です。 zotero.org
ブラウザはGoogle Chrome or Microsoft Edge (version 116+) — Manifest V3 support しているブラウザで動くそうです。
あと、NotebookLMをつかうので、 Google account が必要です。

On Chrome/Edge 142+, you must allow the extension to reach Zotero on localhost: chrome://extensions → NZBridge → Details → Site settings → Local network access → Allow. See Troubleshooting if collections won’t load or syncs time out.

Note that it only works if your NotebookLM language settings is set to english.

二つのプラグインが必要です。
Zotero Plugin Runs inside Zotero, exposing your collections and items via a local HTTP server
Browser Extension Runs in Chrome/Edge, providing the popup UI and automating sync with NotebookLM
NZBridgeの最新版はこちらからダウンロードできます。
https://github.com/Rafael-Silva-Oliveira/NZBridge/releases

話題の証明支援システム LEANについての本やサイトの紹介です。

話題の証明支援システム LEANについての本やサイトの紹介です。
望月先生のABC予想の証明の正しさをチェックするプロジェクトが使っているLEANについての本が評判になっています。The Proof in the Codeという本です。
https://www.quantabooks.org/books/the-proof-in-the-code/

もともとLEANはMicrosoftのLeo de Mouraによって開発されたプログラムです。Microsoft WordやWindowsなどのプログラムのコードにバグがないか、セキュリティ脆弱性がないか、そして設計どおりに動作するかをチェックするプログラムとして開発されました。LEANはあまり使われていなかったようですが、数学者がこれが数学の証明のチェックに使えるのに気付き、現在の証明支援システムに育て上げたのだそうです。ものすごく面白い本のようで多くの人の賛辞が上のサイトにのっています。

このLEANの公式サイトはこちらです。https://lean-lang.org/

無料のエディタであるVS Codeの機能拡張としてインストールしてセットアップして使うようです。
日本語で参考になるサイトがありました。
https://aconite-ac.github.io/
こちらはLEAN関連の、日本語の情報を中心にまとめてくださっているサイトです。ご自身の哲学探究サイト『束跡』をホストしているサイトでもあるのでとても興味のもてる内容のようです。LEAN関係の部分を以下に引用しておきます。


・Theorem Proving in Lean 4 日本語訳 : Leanのチュートリアルドキュメント「Theorem Proving in Lean 4」の非公式日本語訳です。
・Leanのインストール方法・elanとLakeの使い方 : Leanのインストール方法・elanとLakeの使い方をまとめた非公式資料です。

外部リンク
日本語情報

LEAN JA : Lean言語の日本語コミュニティです。豊富なリンク集が掲載されています。Discordサーバーもあります。
Lean by Example : LEAN JA管理者の北窓氏による、Lean言語とその主要なライブラリの使い方を豊富なコード例とともに解説した日本語資料です。


英語情報もまとまっているので役立ちます。是非参考になさってください。