昨日の記事でWindows版のBuzz (OpenAIが提供している最強の文字起こしソフトWhisperをGUIで簡単に使えるソフトです)の使い方を紹介しました。Buzzは単にWhisperをGUIで包んだだけのソフトから、かなり機能が増えています。現在は、音声・動画ファイルやYouTubeリンクの文字起こし、マイクからのリアルタイム文字起こし、話者識別、ノイズのある音声での音声分離、TXT/SRT/VTT出力、文字起こし結果を音声を再生しながら確認するビューアなどが可能のソフトになっています。さらに Whisper、whisper.cpp、faster-whisper系など複数バックエンドを利用できます。オススめはfaster-whisperです。もとのWhisperと同じtinyとかsmallとかturboとかも選べる上、処理スピードと精度が上がっています。たとえばChatGPTと講師が話したのをWhisper turboではCHET GPTと文字起こししてしまうのですが、fastewr-whisper turboではちゃんとChatGPTと文字起こしされるのを経験しました。
このBuzzには公式にWindows版、Mac版、Linux 版が公開されています。私はMacはもっていないので、Linux版を今日、Ubuntuにインストールして試してみました。Linux版のインストールには、Flatpak、Snap、AppImageが使えるようですがUbuntuにはSnapがインストールされているので、snapをつかってターミナル(Bash)で次のコマンドを実行するだけでインストールできます(インストールにはすこし時間がかかります)。
sudo apt-get install libportaudio2 libcanberra-gtk-module libcanberra-gtk3-module
sudo snap install buzz
インストールが終わると、GUIでBuzzが使えます。使い方はWindows版と全く同じですのでLinuxマシンを使っている方はお試しください。
次の記事は今作っているファイル検索ソフトEverythingのマニュアルからの抜粋です。前回はインデックスを作ったあとの検索式の解説部分を紹介しました。今回はファイルの内容を検索する方法の解説です。前の回とあわせれば、検索の達人になれると思います!
Everything 1.5bでファイルの中身を高速検索する
― Content Indexの設定方法と1.5 alphaからの変更点
Windows用の高速ファイル検索ソフト Everything は、ファイル名を探すだけなら非常に高速です。さらにEverything 1.5では、Word、Excel、PDF、テキストファイルなどのファイルの中身(content)を検索する機能も利用できます。
私は以前からEverything 1.5 alphaでcontent検索を利用していましたが、最近、別のPCに新しい Everything 1.5b(Beta) をインストールしたところ、以前あった
Tools → Options → Indexes → Contentという設定画面が見当たりませんでした。
調べてみると、content検索が廃止されたのではなく、1.5.0.1416b(2026年7月2日)からcontent indexingの設定がAdvancedへ移動したことが分かりました。公式の変更履歴にも「moved content indexing options to advanced」と明記されています。
つまり、Everything 1.5bでもcontent indexは利用できる。ただし設定場所が変わった。ということです。Everythingでファイルの内容検索ができないという方は是非参考にしてください。
1. Everythingのcontent検索とは
通常のEverythingは、ファイル名をあらかじめインデックス化しているため、
report
と入力するだけで、ファイル名にreportを含むファイルが瞬時に表示されます。
一方、
content:"egl-1"
のように入力すると、
ファイル名ではなく、ファイルの中に「egl-1」という文字があるファイル
を検索できます。
例えば研究データを多数のExcelファイルに保存している場合、
content:"egl-1"
と検索することで、どのExcelファイルに egl-1 が含まれているかを探せます。
Everythingの公式ドキュメントでも content: はファイル内部のテキストを検索する機能として定義されています。
2. Content Indexを作らなくても検索はできる
ここは重要です。Everythingではcontent indexを作成していなくても、
content:"検索語"
と入力すればファイル内部を検索できます。ただしこの場合は、検索するたびに実際のファイルを読み込むため、ファイル数が多いとかなり時間がかかります。Everything公式サイトでも、content検索は通常のファイル名検索と異なり「slow」であり、拡張子やフォルダなど他の条件と組み合わせることが推奨されています。
そこで、頻繁に内容検索するファイルについては、あらかじめContent Indexを作っておくことができます。Content Indexがあれば、
content:"egl-1"
の検索結果がほぼ瞬時に表示されます。
3. 1.5 alphaと1.5bでは設定場所が違う
以前のEverything 1.5 alphaでは、
Tools
↓
Options
↓
Indexes
↓
Content
を開くと、
Index file content
というチェックボックスがありました。ところが、1.5.0.1416b以降ではこのContent画面が通常の設定画面からなくなっています。
現在は、
Tools
↓
Options
↓
Advanced
から設定します。開発者によると、content indexingは今後、hidden advanced feature with limited supportという位置づけになるとのことです。Everythingは基本的には「ファイル名検索ソフト」であり、大量のファイル内容をすべてインデックスする用途を標準機能として前面に出さない方針になったようです。ただし、機能そのものが削除されたわけではありません。
4. Everything 1.5bでContent Indexを有効にする
まずEverythingを起動します。
メニューから、
Tools
→ Options
を開きます。
左側から、
Advanced
を選択します。Advancedには非常に多くの設定項目があって見にくいので画面上部の
Show settings containing:
に、
content
と入力します。すると、content関連の設定だけに絞り込まれて表示されます。
5. content_indexing_enabled を有効にする
表示された一覧から、
content_indexing_enabled
を探します。これが以前の
Index file content
に相当します。値を
true
に変更します。Boolean型の設定は項目をダブルクリックすることでも切り替えられます。Advanced設定そのものの操作方法についても公式ドキュメントで説明されています。これでContent Index機能が有効になります。
6. インデックスするフォルダを限定する
次に非常に重要なのが、
content_indexing_include_only_folders
です。ここには、「内容をインデックスしたいフォルダ」を指定します。
例えば、
D:\Documents
だけを対象にしたいなら、
D:\Documents
を指定します。複数のフォルダなら ; で区切ります。
D:\Documents;D:\Research;E:\Data
のように指定できます。
PC全体を指定する必要はないし、PC全体を指定しないのが推奨。
Content Indexでは、抽出したテキスト情報をメモリに保持します。そのため、
C:\
のようにPC全体を対象にするのはおすすめできません。Everythingの開発者自身も、Content Indexはユーザー文書を対象とする機能であり、対象フォルダを限定することを推奨しています。また、テキスト内容が1GBを超えるような大規模なインデックスは推奨していません。
したがって、
Documents
研究データ
論文
講義資料
解析結果
など、実際に内容検索したいフォルダだけを登録するのがよいでしょう。
7. 新しい1.5bでは「Edit…」ボタンを使うと設定が簡単
Content Indexの設定がAdvancedへ移された直後のちょっと古いEverything 1.5bでは、対象フォルダを指定する場合、
D:\Documents;D:\Research;E:\Data
のように、複数のフォルダをセミコロン ; で区切って手入力する必要がありました。読者の中にはこの古いβ版の1.5bを使っていて困っている方がいるかも知れません。
フォルダが2~3個ならこれでも問題ありませんが、10個、20個と登録する場合にはかなり面倒です。実際、Everythingの公式フォーラムでも、
「以前のようにダイアログ画面からフォルダを選びたい。多数のフォルダを一つずつコピー&ペーストするのは不便」
という要望が出されました。これを受けてEverything 1.5.0.1420b(2026年8月10日)から Edit... ボタンが追加されています。このボタンを使うと、Advanced設定の中にあるフォルダやファイルの一覧をList Editorで編集できます。
Edit…ボタンの使い方
まず、
Tools
→ Options
→ Advanced
を開きます。上部の
Show settings containing:
に、
content
と入力します。Content Index関係の設定が表示されます。
ここで例えば、
content_indexing_include_only_folders
を選択します。これは、
Content Indexを作成する対象フォルダを限定する
ための項目です。1.5.0.1420b以降では、このようなフォルダやファイルの一覧を指定するAdvanced設定を選択すると、値を編集するところに
Edit...
ボタンが利用できます。Edit... を押すとList Editorが開き、対象となるフォルダやファイルを一覧として追加・削除できます。したがって、
D:\Documents;D:\Research;E:\Data
という長い文字列を自分で作って貼り付けなくても、GUIを使って簡単に貼り付けられるようになり便利になっています。
Include only folders ではEdit…を使うのがおすすめ
例えば、Content Indexの対象を
D:\Documents
D:\Research
E:\Data
の3か所だけにしたい場合、
content_indexing_include_only_folders
を選択して Edit... を押し、List Editorでこれらのフォルダを登録します。
Everything内部では最終的に、
D:\Documents;D:\Research;E:\Data
のようなセミコロン区切りの設定として保存されますが、利用者がこの形式を意識して入力する必要が少なくなります。特に多数の研究データフォルダや文書フォルダを登録するときには、こちらの方が間違いが少ないでしょう。
ファイル形式の設定にもEdit…を利用できる
Edit... はフォルダだけの機能ではありません。
例えば、
content_indexing_include_only_files
を選択すれば、Content Indexの対象とするファイルについても一覧を編集できます。例えば、
*.doc
*.docx
*.pdf
*.txt
*.xls
*.xlsx
*.xlsm
*.ppt
*.pptx
などを登録します。これらも内部的には、
*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx
という形になります。そのため、
content_indexing_include_only_folders
→ どこのフォルダを調べるか
content_indexing_include_only_files
→ どの種類のファイルを調べるか
という2つを Edit... から設定すると分かりやすいでしょう。
IncludeとExcludeも使い分けられる
Content Indexには次のような設定があります。
content_indexing_include_only_folders
content_indexing_exclude_folders
content_indexing_include_only_files
content_indexing_exclude_files
それぞれ、
| 設定 |
意味 |
include_only_folders |
インデックスするフォルダを限定 |
exclude_folders |
インデックスしないフォルダを指定 |
include_only_files |
インデックスするファイル形式を限定 |
exclude_files |
インデックスしないファイルを指定 |
という意味です。通常は、
content_indexing_include_only_folders
で「検索したい文書がある場所」を指定し、
content_indexing_include_only_files
でWord、Excel、PDFなど「検索したいファイル形式」を指定するだけで十分でしょう。
Edit…が表示されない場合
ここは注意が必要です。
Content IndexがAdvancedへ移されたのは、Everything 1.5.0.1416b(2026年7月2日)
ですが、Edit... ボタンが追加されたのは少し後の、Everything 1.5.0.1420b(2026年8月10日)です。したがって、AdvancedにはContent Indexの設定があるのに、Edit…ボタンが見当たらないという場合は、1416b~1419bなどの少し古い1.5bを使用している可能性があります。その場合はEverythingを新しい1.5bへ更新するとよいでしょう。
8. 検索対象のファイル形式を指定する
次に、
content_indexing_include_only_files
を設定します。EverythingのContent Indexで標準的に設定されている対象は、
*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx
です。ここで注意したいのが、
*.xlsm
です。Excelの**マクロ有効ブック(.xlsm)**は標準リストには含まれていません。したがって、xlsmも検索したい場合は追加しておきます。例えばOffice文書を広く対象にするなら、
*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx
などと設定できます。自分が実際に使用するファイル形式だけに絞る方が効率的です。
9. Content Indexができたら検索してみる
例えば、ファイル内部に
egl-1
という文字列があるファイルを探すなら、
content:"egl-1"
と入力します。Content Indexが作成されていれば高速に結果が表示されます。
10. Excelファイルだけを検索する
例えばExcelファイルだけを対象にするなら、
ext:xlsx content:"egl-1"
とします。extというのはファイルの属性で、エクセルファイルの.xlsxで終わるファイルだけを検索するという意味です。xlsとxlsxの両方なら、
ext:xls;xlsx content:"egl-1"
マクロ有効ブックも含めるなら、
ext:xls;xlsx;xlsm content:"egl-1"
とできます。これは非常に便利です。PC内に多数の解析結果のExcelファイルがある場合でも、
ext:xls;xlsx;xlsm content:"遺伝子名"
とするだけで、その遺伝子を含むExcelファイルをまとめて探せます。
11. フォルダも限定するとさらに便利
content検索は、検索対象を絞れば絞るほど効率的です。例えば、
D:\Research
以下だけを検索対象にして、
egl-1
を含むExcelファイルを検索する、といった使い方ができます。フォルダをEverythingの検索欄へドラッグ&ドロップして検索対象を指定してから、
ext:xls;xlsx;xlsm content:"egl-1"
を追加する方法も便利です。
12. 複数の検索語を使う
Everythingではcontent検索にもANDやORを使用できます。例えば、
egl-1
と
crn-2
の両方を含むファイルを検索するなら、
content:<egl-1 crn-2>
とします。一方、
egl-1
または
crn-2
のどちらかを含むファイルなら、
content:<egl-1 | crn-2>
です。公式のContent Index解説でも、このAND・OR形式が紹介されています。
13. インデックスしていないファイルも検索したい場合
Content Indexを有効にすると、通常の
content:
検索は基本的にContent Indexに含めたファイルを対象にします。しかし、
「このフォルダはインデックスしていないが、今回だけ中身を調べたい」という場合もあります。
その場合は、
fromdisk:content:"egl-1"
を使用します。
fromdisk: はEverythingのインデックスを使わず、実際のファイルをディスクから読んで検索する指定です。例えば、
ext:pdf fromdisk:content:"glycosyltransferase"
とすれば、PDFを実際に読みながら検索します。当然、Content Indexを利用する検索より時間はかかります。したがって、
- よく検索する文書 → Content Index
- 一時的に検索したい場所 →
fromdisk:content:
と使い分けると便利です。
14. Windows Searchのインデックスを利用する方法もある
Everything自身のContent Indexとは別に、Windowsが作成している検索インデックスを利用する方法もあります。その場合は、
system-index:
または短縮形の
si:
を使います。例えば、
si:"glycosyltransferase"
です。Everythingの開発者も、自前のContent Indexを作る前にWindows Searchのインデックスを利用する方法を検討するよう案内しています。ただし、Windows Searchのインデックス対象になっている場所に限られるため、研究データなどを特定フォルダに大量に保存している場合には、Everything自身のContent Indexの方が管理しやすいこともあります。
15. EverythingはどのようにWord、Excel、PDFを読んでいるのか
テキストファイルなら内容を直接読むことができますが、Word、Excel、PDFなどは内部構造が複雑です。Everythingはファイル形式に応じて、
- plain textとして読む
- WindowsのiFilterを利用する
- 必要に応じて文字列として読み込む
といった方法を使います。公式ドキュメントによれば、content: 検索では、既知のテキスト形式、メール形式、WindowsのiFilter、各種文字コードのバイトストリーム検索などが使用されます。したがって、特殊なファイル形式では、対応するiFilterがWindowsにインストールされているかどうかによって検索できる内容が変わる場合があります。私の経験では日本語の縦書きpdfなどのインデックス作成はうまくいかないことが多いです。したがって縦書きの本などは以前の記事に書いたように横書きに直してからインデックス作成用に使うのが良いと思います。
16. おすすめの初期設定
研究・教育用途などでWord、Excel、PDFを多数保存しているPCなら、まず、
Tools
→ Options
→ Advanced
を開き、
content
で検索します。そして、
content_indexing_enabled
を
true
にします。次に、
content_indexing_include_only_folders
には、
D:\Documents;D:\Research
など、実際に検索したいフォルダだけを指定します。さらに、
content_indexing_include_only_files
には例えば、
*.doc;*.docx;*.pdf;*.txt;*.xls;*.xlsx;*.xlsm;*.ppt;*.pptx
を指定します。これで普段は、
content:"検索語"
で高速検索できます。インデックスしていない場所を検索したいときだけ、
fromdisk:content:"検索語"
を使います。この2つを覚えておけば、かなり使いやすくなります。
まとめ
Everythingは本来、ファイル名を高速に検索するソフトですが、1.5ではファイル内容の検索も非常に強力です。特に大量のWord、Excel、PDFファイルを保存している場合、
content:"検索語"
を使えるようにしておくと、
「あのデータはどのExcelに入っていたか」
「この言葉を使った資料はどれだったか」
「この遺伝子名が含まれている解析結果はどれか」
といった検索が非常に簡単になります。Everythingを単なる「ファイル名検索ソフト」として使うだけでも十分便利ですが、Content Indexまで使えるようになると、大量の資料や研究データを扱うPCではさらに強力な情報検索ツールになります。私も古いPCに埋もれていた色々なファイルを探し出すことができてその威力に感動しています。