是非視聴しておきたい生命科学系の動画を2本紹介します。

今日は2本、YouTubeで最近公開された動画を紹介します。これはじっくり見ておきたいと思った動画ですので、よかったらご覧ください。どちらも素晴らしい動画です。

一本目は、東京大学理学部のオープンキャンパス2026の動画です。DNAの塩基配列の決定(シークエンシング)に革命をもたらしたナノポア・シークエンスについて高校生にもわかるように、そして本格的に解説している素晴らしい講演です。ヒトゲノムの配列決定が今や1日以内に可能になった技術について知るには最適の動画です。
東京大学理学部オープンキャンパス2026 講演「ナノポアを用いた単分子計測技術」柳至准教授
https://youtu.be/V-YDW8OV0Bs

もう一つの動画は、英国Royal Societyでの講演動画です。これは自然界に全く存在しないタンパク質を人工的に設計して作成する話です。タンパク質のアミノ酸配列は進化の結果に制約されていると考えられていますが、この講演では、全く既存のタンパク質の配列に基づかない、独自の設計のタンパク質の合成がどんどん進みつつあるのがわかります。

The Croonian Medal 2026 を授与されたDr David Baker (タンパク質の立体構造予測やコンピュータで新規タンパク質を設計する研究で有名。ノーベル化学賞を2024年に受賞)による受賞講演(クルーニアン講演)です。AI時代のタンパク質設計についての最新の状況を学ぶのに最適な演者による、すばらしい講演です。
Advances in computational protein design | The Royal Society
https://www.youtube.com/live/1mu3x97th90

NIH videocastの動画を視聴する方法3回目―ライブ配信の視聴方法

NIH videocastの最新の講演が、配信サービスで見られるようになるにはこのところ1月ほどかかる模様です。
すぐに最新の講演をみたいという人むけに、今日は最新の講演をライブで視聴する方法を紹介します。

1)まずどんな講演がこれからあるかをEvent Calendarのサイトで確認します。 スクショを貼り付けておきます。
開催日、開催時間、一般公開されているかNIH onlyで一般に非公開かなどがわかります。NIH onlyのものは一般人はみることができません。

2)上のスクリーンショットの11月13日開催のNLM Colloquia: Biomedicine in the Age of Foundation Models and Agentic AIという講演を視聴することにします。Event Detailsのボタンをクリックすると次の表示がでてきます。

このスクショでわかるように、
視聴したい講演をクリックすると、「This is an upcoming VideoCast event. To watch, visit the provided URL on the event day…」と書かれた事前ページ(UUID形式の固有URL)が開きます。ページ内のカレンダー追加ボタンを使うか、そのURLをそのままブックマークしておきます。時間がきたらブックマークしたページを開いて視聴します。Live配信の場合は、NIH Videocastのトップページhttps://videocast.nih.gov/でもみることができるそうです。Live Now(現在配信中)と表示されている部分から視聴できます。

3)開催時日時についての注意です。
今回の例では、Event Detailsのページには2026年11月12日 午前10時55分から正午までの講演とあります。ここの表示は日本時間ではないので注意しましよう。現地時間のEST表示であることに注意してください。ESTは東部標準時で冬時間(標準時)であることを示しています。夏時間はEDTと表示され、ETは冬時間と夏時間どちらにも使える便利な表現です。米国は11月第1日曜日(2026年は11月1日)に夏時間(EDT)から冬時間(EST:標準時)へ切り替わったため、現在の時差は14時間(日本の方が14時間進んでいる状態)です。この講演が開始されるESTの11月12日午前10時55分は、日本時間の11月13日午前0時55分になります。 この日本時間がブラウザのEvent Calendar(上のスクショ)のほうには表示されているので、混乱しないように注意してください。

日本からライブ視聴する際の時差の目安(米国東部時間 ET → 日本時間 JST)

WALS(水曜午後レクチャー):現地時間 水曜 14:00〜15:00 EST = 日本時間 木曜 午前4:00〜5:00
Demystifying Medicine(火曜午後): 現地時間 火曜 16:00〜18:00 EST =日本時間 水曜 午前6:00〜8:00
午前開始のシンポジウム・評議会(Council):現地時間 午前9:00〜10:00開始 EST = 日本時間 当日 23:00〜翌0:00開始

午前開催のシンポジウムや、火曜夕方の「Demystifying Medicine」(日本時間の水曜朝6時〜)などは、日本の生活時間帯でも比較的リアルタイム視聴しやすい枠となっています。

4)Live ストリーミングの録画:OBS Studioで録画するのがよいでしょう。OBS Studioの使い方についてはこのブログでも何回か紹介していますので、検索してみてください。

NIH videocastを視聴する方法 第2回目―字幕のない動画の字幕を自動生成する方法

今日は、NIH videocastの字幕がついていない動画で、字幕を生成する方法を紹介します。この方法は、どんな動画でも使えますので自分のパソコンの動画をChromeにドラッグ・アンド・ドロップして字幕を生成させるのも簡単です。
Chromeで字幕がついていない動画の字幕を表示させる方法:Chromeの自動字幕おこしをオンにして動画を再生すればOKです。Chrome上部のアドレスバー(URLを入力する欄)に chrome://settings/accessibility と入力してEnterキーを押します。次のスクショのような画面が開くので、自動字幕起こしをオンにします。

自動字幕起こしなので、間違いもありますが動画を開く、あるいは動画をブラウザにドラング・アンド・ドロップするだけで動画が再生されて字幕が表示されるようになります。
字幕の表示ボックスはドラッグして好きな部分に動かすことができますので、みやすいところに表示させます。また字幕ボックス右上のピン留めアイコンをクリックしておくと、別のタブをひらいていても字幕だけは表示できるので他の作業中でも字幕を確認することができます。ブラウザの外に字幕を表示させると、スライドが隠れないので便利です。

しかし、上のスクリーンショットの状態では字幕が二行しか表示されないので不便です。
字幕の表示行数を増やすには、字幕ボックスの下にある丸で囲まれた下向き矢印をクリックします。するとこんなふうに表示行数が増えて実用的になります。

今例に上げているのはmp4形式の動画を、Chromeブラウザの表示ページにドラッグ・アンドド・ロップして再生させているものです。英国の講演ですがほぼ完璧に正確な英語の字幕がついています。字幕の表示画面を広くするのと、字幕表示をドラッグ・アンド・ドロップして動画の再生画面の外で表示させる(ブラウザの外に引っ張り出して字幕画面を表示できます)だけでスライドの画面を隠さずに字幕を読めるのでお試しください。

字幕の設定はこの記事の最初のスクリーンショットにある、字幕の設定からおこなうことができるはずです。ただ私のWindows10の環境で今試しているのですが、設定して字幕のプレビューではうまく設定できたナズなのに、実際の動画を再生して字幕を生成させると反映しない項目が多いです。今、試しているところなのでうまく行ったらまたお知らせします。

NIH videocastを視聴する方法―第一回目

NIH video castのYouTubeチャンネルは最近更新が止まっていて最新のものでも7ヶ月前の動画しかアップロードされていません。NIH videocastのサイトで過去動画Past Eventsを見る方法を今日は紹介します。次のページを開きます。
https://videocast.nih.gov/past-events
最近の過去動画から古い(2000のものまで)までの動画へのリンクがここからたどれます。昔は数日で動画が公開されていたのですが、最近は講演があってからだいたい一ヶ月後くらいから動画が公開されるようです。それで今みることができるのは10月はじめくらいの講演動画以前のものです。(最新の動画をみたい時は、ライブで見るしかないのでその方法は明日書きます。)
古い動画は検索窓にキーワードを入れて検索します。たとえばEnglish writingといれてみましょう。

動画が次のようにでてきます。

科学英語の話し方、書き方(実験プロトコルの書き方とか、Grant申請書の書き方講座、レジュメの書き方、論文の書き方など)のNIHの動画がいろいろあるので参考にしてください。NIH Qnlyの表示があるものは視聴できません。私はImproving spoken Englishを以前、学生さんに薦めていたことがあります(記事へのリンクはこちら)。今日は他の動画をクリックした画面をスクショしておきます。

検索窓に他の単語を色々入れてでてくる結果で面白そうなものをクリックして視聴するとよいでしょう。検索窓にはANDとかORとかを使うことはできないそうです。単語をならべるのが最も簡単です。”mass spectrometry”などのようにquotation markで囲むと、正確に一致するものだけがヒットします。

このようにして、NIHの過去の講演動画を再生できます。しかしダウンロードはできません。これは配信方法がHLSという形式(HTTP Live StreamingというものでAppleが開発して広く使われるようになったもの)に変わったためで、従来のようにmp4などの動画をサイトにおいてあるわけではないからです。画質も最近の動画はHLSが勝手に回線にあわせた画質で送信してくるため変更できないようです。また上のmass spectrometryの動画は字幕がありませんが、これはNIHの配信するものは正確でなくてはならないというルールがあるため、人が字幕を検閲して正確なものにするのに時間をとっているからだそうです。字幕の完成しだい字幕がみられるようになるそうです。それまではChromeなどで自動生成字幕を表示させる他ないでしょう。その方法も明日書くことにします。

今度はamazonを騙る詐欺メールが届きました。詐欺メール振り分け法の紹介です。

今朝、メールをみるとamazonからと称するメールが迷惑メールフィルタをすりぬけてとどいていました。メール一覧には、【Amazon 配送サービス】と表示されていますが、下のスクショにあるように、メールのFrom欄を見ると、文字が左右逆順に表示されているのがわかります。空白もはいっていますね。

メールの本文をみると、置き配にするのに、アプリをダウンロードして設定してくれなどという文面です。

こういう詐欺メールには、迷惑メールフィルタをすりぬけるために文字列を逆順に反転する文字(Bidi制御文字)を含むものがあるそうです。これを迷惑メールフィルタに移動させるには、お使いのメールソフトの振り分け条件設定でこうした逆順表示を含むものをよりわけるのが良いと思います。


振り分け条件の設定画面で、
From:が次の正規表現と一致するもの、と指定します。
正規表現:[\x{200B}-\x{200D}\x{202A}-\x{202E}\x{2066}-\x{2069}]

念のため、「あるいは(OR)」の条件設定で、
Subject:のほうにもこの正規表現と一致するものという条件をつけておけば万全でしょう。


以前の国税庁を騙るメールの設定の記事も参考にどうぞ。Bidi制御文字についても紹介しています。Bidiというのはbidirectionalのことだと思います。

国税庁をかたる巧妙な詐欺メールを回避する方法

夏目漱石が推理小説を書いているって 本当でしょうか?

小学生のころ、はじめて読んだ新書に 『勉強が好きになる本』(KAPPA BOOKS)というのがあって、著者が林 髞(はやし たかし) 慶応義塾大学医学部生理学教室主任教授とありました。パブロフのところに留学した人で大脳生理学の日本での開拓者の一人みたいですね。この人が、ペンネームの木々高太郎という名前で推理小説を書いているとは知りませんでした。林 髞という本名の漢字をバラバラにしてこしらえたペンネームですね。


この人の著作を国立国会図書館デジタルコレクションの検索で探すと、著者名に木々高太郎と入れて探したのですが、一冊しかヒットしませんでした。ところが、国立国会図書館サーチ https://ndlsearch.ndl.go.jp/で、著者名に木々高太郎と入れて探したところ、69件ヒットしました。図書だけなら14件ヒットしていることが、スクリーンショットからわかると思います。

上のスクショのように検索すると、なんか面白そうな本がみつかりました。文芸推理小説選集 第5 (夏目漱石,木々高太郎集)というタイトルの本です。夏目漱石の推理小説があるのでしょうか?


次に、この本の巻末の「解説」への直リンクをはっておくので、知りたい方は是非ご覧ください。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1646330/1/170

 

中田真秀さんによるPubChemにある分子1100万余りの量子化学計算結果のデータベースが公開されました!

以前紹介したことがある中田真秀さんによる、PubChemに登録された分子の量子化学計算結果のデータセットがさらに正確なものになって公開されました。
https://zenodo.org/records/23749554

私は素人なのでまちがっているかもしれませんが、以前の8600万分子の計算結果は、半経験的分子軌道法(PM6)で構造最適化して密度汎関数法B3LYP/6-31G*で電子状態を計算していたと思います。今回は、構造最適化や振動計算の段階からより高度な密度汎関数法と基底関数(wB97X-D/def2-SVP)を利用しており、これをもとに光を吸収した励起状態やイオンの精密計算には、基底関数をdef2-SVPよりも精密に電子の広がりを計算できるdef2-SVPD(Dはdiffuse関数の意味らしいです)を用いています。(Geminiに教えてもらったのですが、タイトルの//の後の部分が構造最適化や振動計算(立体構造の計算)に用いた手法と基底関数を示しており、//の前の部分が構造最適化の結果(立体構造)を使って励起状態やイオンのエネルギーの計算を行なった手法と基底関数を示しています。)以前の8600万個の計算よりも精密な計算で計算時間をとるので多分今回は1100万個の計算結果になっているものと思われます。PubChemにでている多数の分子の量子化学計算結果がデータセットとして利用できるのはすごいことですね。私の学生時代、Quantum Biochemistryというフランスのプルマン夫妻(Pullman夫妻)の本がでて、図書館でみると生体分子の分子軌道法による計算結果がいっぱいのっていました。隔世の感があります。(この本はInternet Archiveで昔は借りて読めたのです紹介しようと思い検索しました。今はremovedになっていて読めませんね。)

PubChemデータベースに含まれる約8600万種の分子についての量子化学計算結果のデータセットが公開されました!

AIがとてつもなく賢くなった今、物理学や数学の研究者はどう対処していくのでしょうか?

AIが数学、物理学者を震撼させています。
さまざまな未解決問題を解いたという報告がOpenAIその他のAI企業からでているのです。
これについて物理学者や数学者はどう考えているのでしょうか。
それを知るのに参考になる動画を3本埋め込んでおきます。

まずはこちらの日本語の動画をごらんになってから、次の数学者の英語版の動画をご覧になるとよいでしょう。

【完全版】OpenAI論文と理論物理|学習物理学・緊急オンライン座談会(2026年10月12日)
https://youtu.be/MdDQ1zwsrcU

AI Crisis in Math: Navier-Stokes, Riemann Hypothesis & Complexity Theory | Lex Fridman Podcast #503
https://youtu.be/ZAzWPE9CItg

こちらもわかりやすい動画です。AI時代の数学についてゲストの数学者と対談して考察しています。
Steven Strogatz on the Humanity of Math
https://youtu.be/xUSznTR2cwc

アルキメデスの死にまつわる疑惑とは‥‥。

古代ギリシャのヘルメスというサイトは読みごたえのある記事満載です。去年も紹介したことがあるので過去記事のリンクは末尾に埋め込んでおきます。


アルキメデスは斬首されたという説があるそうで、意図的に処刑されたという論文の解説です。

このnoteのサイトには他にもおすすめの記事がいっぱいあるので是非訪れてみてください。
https://note.com/greekmathematics
以下は過去記事です。


西洋古代人がどこまで到達していたのかを,史料をもとに検討する隠れた名著『古代の旅行者』が読めるそうです。

紹介した動画の続編がいろいろでています!Startrekとか進化についての動画など

先日紹介したStartrekについての講演会、全2回の後半Part 2がでました。

これとは別に先日紹介した Oxford 2026 Evolution Conference(8 January 2026)の動画が続々と公開されています。2つほど動画を埋め込んでおきます。他の動画もこちらのチャンネルで視聴してみてください。
https://www.youtube.com/@voicesfromoxfordUK/videos

7. Evolving Evolutionary Theory: Towards a New Unification of the Life-Sciences? – Eva Jablonka