AlphaFoldをどうやって研究に使うのか?―その見事な実例を学べる講演動画が公開されました!

今日の大宰府は最高気温37.8℃で全国一暑かったそうです。台風9号からの南東の風が九州山地にあたってフェーン現象をおこしているとのこと。明日、明後日はもっと暑くなり福岡市でも38℃になる可能性もあるそうです。一昨日、今年はじめてヒグラシの鳴き声を聴きました。また昨日ははじめてクマゼミの声をきいて夏が始まったのを実感しています。写真は一昨日、散歩の途中でみつけた ねむの木(合歓の木)に咲いた花です。このまえ写真をとったのは一か月前ですから、二回目の花が咲いたことになります。結構たくさん花がついていて見事でした。今回は花が低いところで咲いてくれていたので、ピントがあってぼけていない写真がとれてうれしかったです!

 

今日はAlphaFold2でヒトのキナーゼを網羅的にモデリングして研究しているという講演があったので紹介します。
以前の記事で、演者の Roland DunbrackさんによるAlphaFoldの入門動画を2本紹介しました。

AlphaFoldを使う人のためのワークショップ動画とスライドが公開されました!

今回の動画は、この入門動画を見た人が、実際の研究でどのようにAlphaFoldを活用していくかを実感するのに最適の内容になっています。単に「AIが構造を予測した」というレベルにとどまらず、構造バイオインフォマティクスを駆使して立体構造予測データをどう料理し、どう研究や創薬に役立てるかが詳細に語られている素晴らしい動画です。

Structural Bioinformatics & AlphaFold Modeling of the Human Kinome & Its Interactions.
https://youtu.be/o1s13RGEWFY

演者の Roland Dunbrackさんが、フランスのナント大学 理学・科学技術学部(NANTES UNIVERSITÉ – UFR SCIENCES ET TECHNIQUES)で、今年の6月10日に行った講演の動画です。ヒトのKinaseの網羅的モデリングの話で、AlphaFoldを使う研究の実技編にあたる講演で、上の二つの講演を聴いたあとに聴くのに最適の講演です。もちろんイントロもちゃんとあるので、上の二つの講演を聴いていない人にも理解できます。例によってオームというのはオームの前の対象物の全部を集めた集合のことです。kinase (リン酸化酵素)のすべてということで、kinomeと呼ぶわけです。

以下はGeminiによる動画の要約です。動画はまだみていないのですが、要約をみるとものすごく面白そうですね。明日見てみようと思います。 以下の要約に書いてある[20:30]など[  ]で囲まれている数字は再生位置を示しています。この例では20分30秒の部分をみなさいという意味です。


1. なぜ「ヒト・キノーム(リン酸化酵素群)」を標的にするのか?

ヒトには約500種類のキナーゼ(リン酸化酵素)ドメインが存在し、がん細胞の異常増殖などに直接関わるため、極めて重要な創薬ターゲットです [00:09]。
キナーゼは、ATPと基質(別のタンパク質)に結合してリン酸化反応を触媒しますが、常にオンになっているわけではなく、「活性型」と「不活性型」などの様々な状態(コンフォメーション)を行き来しています。実は、既存の実験手法(X線結晶構造解析など)で構造が解明されている「活性型」キナーゼは、全体の約25%に過ぎませんでした [43:40]。残りの構造をどう予測するかが大きな課題でした。

2. 独自のスコア「IPS」による複合体予測の精度向上

AlphaFoldが出力する予測モデルには、構造の信頼性を示すスコアが付属しています。

pLDDT: 各アミノ酸の局所的な構造の確からしさ。構造を持たない天然変性領域などの判別に有用です [20:30]。
PAE (Predicted Aligned Error): 離れたドメイン間や、2つのタンパク質間の相対的な位置関係の誤差予測。

巨大なタンパク質同士の複合体を予測する際、AlphaFold標準の評価スコア(ipTMなど)では、構造を持たない「天然変性領域」の不確実性にスコア全体が引っ張られてしまい、本当に結合しているドメイン間の評価が不当に下がってしまうという弱点がありました。
そこでDunbrack博士のチームは、AlphaFoldが「自信を持っている(PAEが低い)領域」だけを抽出してドメイン間の相互作用を評価する「IPSスコア」を独自に考案しました [29:46]。これにより、生体内での真の相互作用と偽の相互作用を高精度で見分けられるようになりました。

3. AlphaFoldに「活性型構造」を強制的に作らせる

通常のAlphaFoldは、PDB(タンパク質構造データバンク)に登録されている最も安定した状態や一般的な状態を予測しがちです。博士らは、過去のPDBの膨大なデータから、キナーゼが基質やATPと結合して「活性型」になるための厳密な立体構造の条件(特定アミノ酸の二面角や距離など)を数学的に抽出しました [33:34]。
そして、その条件を満たす構造を鋳型(テンプレート)としてAlphaFoldに与えることで、未解明だった残り75%のキナーゼ群についても、「活性型」の立体構造モデルを人為的に予測させることに成功しました [45:24]。

4. タンパク質デザイン(人工タンパク質創出)への応用

これらの精密な構造解析とIPSスコアは、次世代の創薬にも繋がっています。例えば、標的のキナーゼの活性を抑え込むための「人工ミニタンパク質」をコンピュータ上で設計する際、生成された無数の候補の中から「本当に標的に強固に結合するデザイン」を、IPSスコアを用いて的確にスクリーニングできることが示されています [57:48]。

この動画から学べること(まとめ)

この講演の最大のメッセージは、「AlphaFoldは、ただ配列を投げ込めば望み通りの答えを出してくれる魔法の箱ではない」ということです。対象となる生体分子のメカニズム(キナーゼの活性化ループの挙動など)を深く理解し、計算機科学の力(スコアの再定義や条件のチューニング)を掛け合わせて初めて、生物学的に意味のあるデータを取り出すことができます。基礎的な生化学の知識が、最先端のインフォマティクス研究でどう活用できるのかを感じられる必見の講演です。

Rで解析する際に最適なパッケージをAIを使って探してくれるサイト、The Warehouse が登場しました!

プログラミング言語のRでこんなことを解析したいと思った時に、その作業にぴったりのパッケージを探してくれるサイトができています。
メルボルン大学の Kylie Ainslieさんが公開しているサイトThe Warehouseです。

こんなことをRでやりたいが、適切なパッケージを見つけたい時に役立つサイトです。紹介記事は上のツイートにリンクがありますが、こちらにあります。

”Searching the R Ecosystem by Function, Not Package Name”
https://r-consortium.org/posts/the-warehouse-searching-r-packages-by-function/

AIを使ってCRANだけでなく、BioconductorやGitHubまで探してくれて、維持開発が盛んなパッケージを推薦してくれます。パッケージの名前を知らなくても探せるのでこれは役立つサイトです。ブックマークしておくとよいでしょう。

AIを使っているので、質問入力には英語だけでなく、日本語も使えるので試してみてください。

https://rwarehouse.netlify.app/

たとえば「R commanderのプラグインをリストして」
といれて、Search Packagesボタンを押すと、EZRをはじめとするプラグインがいろいろでてきます。生存解析のパッケージもありますね!


プラグインがずらっと100ほど並んで表示されます。それぞれをクリックすると詳細も表示されます。

もちろん、「こんな作業をしたいので役立ちそうなパッケージを推薦して」、などというプロンプトもOKですし、「Rでやりたいこと」を入力するだけで、それに使えそうなパッケージをずらっと列挙してくれます。とにかく柔軟な入力に対応しているので是非使ってみてください。

圏論の入門動画や入門書いろいろ。

圏論の本や動画をいくつか紹介します。次の加藤先生のブルーバックスの紹介動画と視聴者からの質問回答の動画はとてもよいと思います。
『【ゼロからの圏論入門】いま最も注目される「未来の数学」/M-1王者のネタにも「圏論」が?!/世界中で圏論が注目されている理由/圏論で書くミステリー小説…数学者・加藤文元#2【BLUE BACKS+】』

『数学者・加藤文元に質問ある? | 数学の新理論はどう生まれる?/圏論は数学か、それとも論理学か/数学史上、最も激動だった時代とは/「関手」「モノイド」「カルテシアン」の本質』

量子力学がご専門の中平先生の本も評判です。
書籍「ストリング図で学ぶ圏論の基礎」
https://sites.google.com/view/nakahira/%E5%9C%8F%E8%AB%96?authuser=0
こちらでも紹介しました。

絵で学び絵で計算する量子力学

プログラマーのための圏論という本の内容もオンラインで公開されています。
https://ktgw0316.github.io/milewski-ctfp-markdown/#
原著はこちらからダウンロードできるようです。
https://ai.dmi.unibas.ch/research/reading_group_archive.html
のなかにpdfへのリンクがあります。
https://ai.dmi.unibas.ch/research/reading_group/milewski-2023-01-30.pdf
以前紹介した圏論入門の教科書や動画も以下からご覧ください。

ケンブリッジ大学出版会発行のゲーデルの定理や形式論理学、圏論への入門書がオープンアクセスで著者のサイトで公開されています!

圏論の入門動画の紹介です。

梅雨が明けたみたいです!九大のデータサイエンス関連の講義資料の紹介です。

福岡には夏がきたみたいです!
昨日の夕方、夕日が射している庭は光の具合が「梅雨明け!しました」といっているみたいでした。
今朝も梅雨明け空で、入道雲がわいています。今日は七夕ですが晴れるでしょうか?
近所を散歩して撮った写真を数枚貼り付けておきます。
ねむの木の花は6月10日あたりから21日すぎまできれいに咲いているのがみられました。だいたい散ってしまったのですがまた咲いている花があるようで二回咲くのかもしれません。
近くの公園にはネジバナ(ねじればな)も咲いていました。茎に花が巻き付いていることから名前が付いた花で蘭の仲間だそうです。
また庭には一昨日から江戸風の朝顔が咲きはじめました。

さて、今日の本題は、九大の情報科学関係の教材の紹介です。九州大学 数理・データサイエンス教育研究センターの資料です。

前にも紹介していましたがパワーアップしているようです。昔の紹介記事は末尾にリンクを埋め込んでおきました。
https://mdsc.kyushu-u.ac.jp/lectures

どんな教材があるのかについては、参考までに上のサイトのページの一部をコピペしておきます。
次のような資料があります。よい資料満載ですね!

『資料リストとリンク

データサイエンス概論Ⅰ&Ⅱ(データサイエンス総論Ⅰ&Ⅱと同じ.2026/5/8版)
文理だれもがデータサイエンスの基礎を広く浅く学べることを目指した入門教材
データサイエンス実践Ⅰ~Ⅳ(2025/10/3版)
データサイエンス概論のプログラム演習版
情報科学 【AI・データサイエンス】(2026/5/13版)
AI・データサイエンスのリテラシー
Pythonプログラミング基礎(2025/4/30版)
プログラミングを初めてやる人のための予習教材
応用プログラミング演習(IoT,計測データ)(2025/9/26版)
マイコンを使ったセンシングの実践や,計測データの分析を題材としたプログラミング
応用プログラミング演習(言語理解)(2025/11/18版)
プログラミング実習を通して言語データの分析の手法について理解を深める
応用プログラミング演習(画像解析)(2025/11/18版)
Pythonを用いた画像解析の基礎と応用を演習中心に学ぶ
コンピュータシステム入門(2026/03/04版)
社会情報学(2025/11/25版)
社会経済分野におけるデータ活用の入門
人文情報学(2025/12/9版)
化学情報学(2025/12/9版)
生命情報学(2025/12/22版)
物理情報学(2025/12/25版)
社会のデータ・AI等活用事例動画(九州経済産業局様作成)
データやAIが社会でどのように使われているかをわかりやすく紹介する動画.講義での利用も自由
統計基礎(英語版)
<参考資料> サイバーセキュリティ基礎論
<参考資料> 統計学』

最後に昔の紹介記事を貼り付けておきます。2023年の記事なので較べてみると、だいぶ資料が追加されて充実し、アップデートされているのがわかります。

九州大学のデータサイエンス講義資料です。

はやぶさ2による小惑星トリフネの撮影画像が公開されました!

はやぶさ2は凄いですね。今日の記者会見のYouTube中継で5000m/secで通り過ぎる小惑星トリフネの画像が公開されました。下の画像は今日の記者会見のYouTube動画のスクリーンショットです。https://www.youtube.com/live/ptnVCeR3rqI
秒速5km程度でトリフネに接近・通過中に四つの観測機器すべてが正常に作動してデータがとれているようですばらしい成果です。トリフネにどのくらい最接近していたかは解析中とのことで楽しみです。

JAXAからの発表写真のリンクは以下のとおりです。
https://www.jaxa.jp/press/2026/07/20260706-3_j.html

今日の記者会見の動画からのスクリーンショットを一枚あげておきます。10分51秒あたりでのスクショです。

トリフネというのは、古事記にでてくる 天鳥船(あめのとりふね)から来た名前だそうです。

R/Medicine 2026 医学・健康科学のためのR入門・ブラッシュアップ用講義が公開されています。

R/Medicine 2026という医科学・健康科学関連のデータ解析をRでおこなう手法を紹介してくれる会議が開催されました。その動画が公開されています。
https://rconsortium.github.io/RMedicine_website/

Rを使う方法を学び、新しいパッケージを知るには絶好の会議ですので以下の再生リストから興味のあるものを選んで視聴するとよいでしょう。
R/Medicine 2026
https://youtube.com/playlist?list=PL4IzsxWztPdncdf8q6TBT6xT2imoqurxX

いくつか動画を埋め込んでおきます。
LLMs for Data Analysis in R
https://youtu.be/kQVDlcK_tVU

R101: Introduction to R for Clinical Data
これはR入門講義です。
https://youtu.be/Mc4J80eJ-S0

Building Accessible, On-Brand Documents with Quarto
https://youtu.be/ouupXnDNpBo

Use AI to build and share insights from health data
https://youtu.be/UGgd1gO0aKE

面白そうですね。是非再生リストをご覧ください。

話は変わりますが、Amazon Prime Videoで映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が配信されていますね!今日気付きました。
映画館にいきたかったのですが行くチャンスを逸したので、週末にでも見てみようと思います。小説は以前紹介したことがあります。ペーストしておきます。

2022/4/27
先日近くの図書館で面白いSFを借りました。新しく入った本のコーナーにあったので何も知らずに借りた本です。タイトルは「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(アンディ・ウイアー著、小野田和子訳、早川書房)上・下二冊の小説です。内容は全く知らなかったのですが、ビルゲイツ、オバマ元大統領推薦、Amazon年間ベストブック選出、NYタイムズ・ロサンジェルスタイムズベストセラーと帯にありました。さらに映画「オデッセィ」(書籍名:火星の人)の原作者の最新作で映画化も進行中とも書かれていました。私は本の始めにある宇宙船の構造図だけをみて、本当にどんな小説か全く知らず(帯の文句もみないまま)読み始めました。この本は面白かったです。2日で読み終わりました。中にはJAXAもでてきます。推理小説のような謎解きですすんでいく展開、宇宙における生命のありかたについての仮説などなど読み始めたら止まらない本でした。皆さんも是非連休中に読まれるとよいと思います。試し読みはこちら。https://www.hayakawabooks.com/n/n5887064dcfbf

 

AIエージェント入門講座が公開されています!中高生以上向けですのでおすすめです。

AIエージェントについてはこのブログでも何回か紹介しました。バイオインフォマティクスでの使い方の教科書も紹介しましたね。

二階堂先生のバイオインフォマティクスの教科書の最新版を作る方法

この教科書を開いて、AIエージェントって何?という疑問を持った方もいると思います。この問いに答えてくれる中高生と保護者、教師向けのすばらしい動画があるので紹介します。
吉田塁先生の東京大学メタバース工学部ジュニア講座の最新の動画です。

スライドもダウンロードできるので、よかったら視聴してみてください。
AIエージェントに対する受講者からの質問に答えるコーナーが特に役立つのではないでしょうか。

大学一年生にもきっと役立つと思います。

『AIエージェント講座(東京大学メタバース工学部ジュニア講座)』
東京大学 吉田塁 研究室
https://www.youtube.com/live/DjUFoe23qFw

講習会の案内はこちらです。https://www.meta-school.t.u-tokyo.ac.jp/junior/26sai/
質疑応答の内容はこちら。https://app.sli.do/event/caJCfkZ3RhHdNRD3ubNQv5
スライドはこちら。https://drive.google.com/file/d/1EWziEZAPn57zX8AIpoKQlvGG3Ryep_fr/view

YouTube動画を快適に観るためのショートカットキー一覧

YouTubeのおすすめ動画にこれがでてきました。YouTubeで使えるショートカットキーについては、スペースキー以外全く知らなかったのでものすごく参考になりました。皆さんもまだ使ったことのないショートカットキーがあると思いますので是非この動画を見てください。

『もっと早く知りたかった…PCでYouTubeを快適に使う便利技集』
https://youtu.be/GIDANZi_VKI

YouTubeのキーボードショートカットは、マウスを使わずに素早く操作できるため、動画視聴の快適さが格段に上がります。ショートカットの一覧をみるためのショートカットはこちらです。
”Shift + ?”
このshift+?(shift keyをおしながら?キーを押すという意味です)で表示される、ショートカットキー全一覧の中からいくつか上の動画にあるものとないものを含めてまとめておきます(GoogleのGemini3 proに教えてもらいました)」

注意;以下のショートカットの大文字は小文字でもOKです。Kと書いてあっても、小文字のkでも動作します。


【講演・講習会の動画を見る時に役立つショートカット】
学習やメモ取り、内容の反復確認に便利な、再生位置や速度のコントロール機能です。

“K” または”スペースキー”:再生 / 一時停止(メモを取る時などに即座に止められます)
“J”:10秒巻き戻し(聞き逃したところをサッと戻して聞き直すのに最適です)
“L”:10秒早送り(不要な前置きなどを飛ばすのに便利です)
“←” / “→” (左右矢印キー):5秒巻き戻し / 5秒早送り(”J”や”L”よりも細かい調整ができます)
“>” (Shift + .):再生速度を上げる(講師のテンポが遅い時に倍速学習ができます)
“<” (Shift + ,):再生速度を下げる(専門用語など、早口で聞き取りにくい部分をゆっくり聞けます)
“C” 小文字の”c”でもOKです:字幕のオン / オフ(話している内容を文字でも確認したい時に役立ちます)
“0” 〜 “9” の数字キー:動画の特定の割合の位置にジャンプします。
“0” を押すと動画の最初(0%)に戻ります。
“5” を押すと動画のちょうど真ん中(50%)に飛びます。”9″を押すと動画の90%再生した部分に飛びます。

【さらに細かい再生コントロール】
コマ送りや、動画の最初・最後へのスキップなど、動画の分析や特定シーンの確認に便利です。
“Home”:動画の最初(0秒)に戻る
“End”:動画の最後(終了位置)に飛ぶ
“. (ピリオド)”:【一時停止中のみ】動画を1フレーム(コマ)進める
“, (カンマ)”:【一時停止中のみ】動画を1フレーム(コマ)戻す
“Shift” + “P”:前の動画へ移動(プレイリスト再生時)

【字幕のカスタマイズ】
先ほどの “C” キー(字幕のオン/オフ)に加えて、字幕の見え方を自分好みに調整できます。ブラウザによってはこれは効かないことがあるようです。ChromeやBraveならOKでした。
“+” または “=”:字幕の文字サイズを大きくする
“-“:字幕の文字サイズを小さくする
“O” (オー):字幕の文字の透明度を変更する(押すたびに切り替わります)
“W”:字幕の背景(ウィンドウ)の透明度を変更する(押すたびに切り替わります)

【映画やエンタメ動画を見る時に役立つショートカット】
画面の表示領域や音量を調整し、没入感を高めたい時に便利な機能です。
“F”:全画面(フルスクリーン)表示 / 解除(画面いっぱいに映像を楽しめます)
“T”:シアターモードのオン / オフ(全画面にはしないものの、動画サイズを横幅いっぱいに広げます)
“↑” / “↓” (上下矢印キー):音量を上げる / 音量を下げる(5%刻みで細かく音量調整ができます)
“M”:ミュート(消音) / 解除(急な来客や電話の際に、一瞬で音を消せます)

【その他のおすすめショートカット】
知っておくと、YouTubeの操作全体がさらにスムーズになる小技です。
“I” (アイ):ミニプレーヤーの起動(画面右下に小さく動画を表示させたまま、YouTube内で他の動画を探せます)
“Shift” + “N”:次の動画へ移動(プレイリスト再生時や、おすすめ動画にサクサク移りたい時に便利です)
“/” (スラッシュ):検索ボックスにカーソルを移動(動画を見終わって、すぐに次の検索を始められます)

マルチバースの存在を検証できるのか?

The Royal Institutionで開催されたマルチバースの解説動画がとても面白そうです。

Quantum Paradoxes: 5 Ways to Test the Multiverse | Maria Violaris
https://youtu.be/B1WP3jgavbA

講師のMaria ViolarisさんはOxford大学でPhDを取得したOxford大学の研究者で量子コンピュータの専門家です。一般向けの活動で表彰された人で、YouTubeチャンネルやPodcastも評判になっているそうです。
この動画では、マルチバースの存在を検証する5つの実験についてわかりやすく解説してくれています。

量子力学が示す「重ね合わせ状態」が、観測された時ににどうなるのかという根本的な問いについての話から講演が始まります。単一世界解釈(コペンハーゲン解釈など)では、観測によって量子状態は一つの結果に「不可逆的に収縮(コラプス)」するとされていますが、多世界解釈(Many-Worlds Interpretation)では、 観測者自身も量子力学に従う原子でできているため、系と観測者がエンタングルして「もつれ」状態になり、重ね合わせが宇宙全体に波及して世界が分岐するという立場をとるのだそうです。講演ではマルチバースの存在を検証するための実験や思考実験を5つとりあげています。シュレーディンガーの猫の実験の観測の逆再生は可能かという思考実験(量子コンピュータの誕生にもかかわる思考実験だそうです)、量子爆弾テスト(Elitzur-Vaidmanの爆弾テスト)の実験結果がマルチバースの存在を実証しているのかという話、量子テレポーテーションと局所性 の解釈にはマルチバースの立場の方が有効ではないかという話、量子コンピュータの圧倒的な計算リソースがマルチバース由来ではないかという仮説の検討、Mariaさん自身の研究テーマである、「分岐した別の世界の自分と通信することは可能か?」という究極の問いに対しては、現在はまだ可能ではないがAIを搭載した量子コンピュータが完成すれば可能になるのではないかと考えているそうです。

とても面白い動画なので是非ご覧になることをお薦めします。彼女のPodcastにはマルチバース関係のものもいろいろあります。

マルチバースの解説動画
Part 1 数式なし編
The Physicist Convinced There’s a Quantum Multiverse
https://youtu.be/kdd-tAvFdOI

Part 2 数式入り編
The quantum multiverse: explained mathematically
https://youtu.be/4Z4YPSiV6bM

彼女のIBMでの解説シリーズQuantum paradoxesも理解を助けてくれると思います。https://www.mariaviolaris.com/quantum-paradoxes/
YouTube動画もあります。たとえばこちらの日本語記事からリンクをご覧ください。Royal Institutionの動画ででてくるWignerの友人の解説があります。
https://www.ibm.com/jp-ja/think/insights/wigners-friend-qiskit

入門には今週土曜日のこのNHKの番組がよさそうですね。

望遠鏡と顕微鏡の原理を解明したケプラーの著書『Dioptrice (屈折光学)』の英訳版がオープンアクセスでダウンロードできます!

オープンアクセス本が集めてあるサイトDOAB: The Directory of Open Access Books を時々みています。https://www.doabooks.org/en

今日、このサイトでHistory of Scienceのキーワードで検索してみると、なんと有名なヨハネス・ケプラーの屈折光学 Dioptriceの世界で初めての英訳版が公開されているのを見つけました。読者の理解を助ける註と序論がついていて読みやすそうです。pdfで無料ダウンロードが可能です。紙の本は有料で売っているそうです。
https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/160574


ケプラーは火星の軌道が円軌道ではなく楕円であることを発見し、ケプラーの法則でも有名な天文学者です。彼はこの本で、はじめて望遠鏡と顕微鏡の原理を解明し、幾何光学を創始しました。光学Opticsの誕生をつげる画期的な一冊です。
このへんのところはこちらの記事に詳しいので是非読んでみてください。
立教大学物理学科の山田 真也先生の記事です。
『望遠鏡史(後編):16世紀以降、望遠鏡が広げた宇宙と科学の世界』
https://qiita.com/yamadasuzaku/items/a6efa64fab9c194e07c1
山田先生のこの記事中に、今日みつけたケプラーの屈折光学へのダウンロードリンクものっていました。

前編も是非読んでみてください。
『望遠鏡史(前編): 16世紀まで:望遠鏡はなぜ「必要とされる世界」に至ったのか』
https://qiita.com/yamadasuzaku/items/efd3af9d323b0a5515fa

原著の扉は金沢工業大学の工学の曙のサイトのこちらの記事からみることができます。
https://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/110/161101.html
ケプラーの屈折光学で顕微鏡の原理も記述されていることについては、次の記事をご覧ください。
日本顕微鏡工業会の「顕微鏡の歴史」という記事の「3. 顕微鏡の発明」です。
https://microscope.jp/history/03.html