2022/10

 

2022/10/31
今日はハロウイーンですね。昨日の韓国での事故で亡くなられた方々と御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。また怪我をおわれた方々の一日も早い、御回復をお祈り申し上げます。
今日の動画はRoyal Institutionのハロウイーン動画です。マイケル・ファラディーの超常現象実験の再現動画です。
Michael Faraday’s supernatural experiment
https://youtu.be/lvB9hZf0hRU

ファラデーの生きたビクトリア朝時代、霊との交流会など超常現象がものすごく流行っていました。その中でも有名なのはTable turnです。Table movingともいわれるこの現象は、テーブルを何人かでかこんでテーブル上に各人の手をのせて手を動かさず、そのままじっとまっていると、霊がやってきてテーブルが霊におされて動き出すというものです。やってみると誰も意識的にテーブルを動かしていないのに自然にテーブルがまわりだすそうです。この現象をファラデーは実験的に研究して、論文にしています。今回の動画はファラディーがどのようにこの現象を解明したかをみせてくれます。各人の手が無意識にテーブルを押しているのか、あるいは霊がテーブルをおしているのかをそれぞれの人が区別できる仕掛けをつくってそれを使ってやってみると、テーブルは全く動かなくなりました。動画では実際のtable movingをやっている様子がでてきて面白い動画になっています。ファラデーの論文は以下のものです。有料ですが大学などから無料で読める方はダウンロードしてみてください。

Experimental investigation of table-moving,
Journal of the Franklin Institute,
Volume 56, Issue 5,1853,
Pages 328-333, ISSN 0016-0032,
https://doi.org/10.1016/S0016-0032(38)92173-8.
(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0016003238921738)

2022/10/30

今日は私の使っている辞書ソフトの紹介をしておきます。Windows PCでは
辞書ソフトはシェアウエアのPDICを使っています。http://pdic.la.coocan.jp/unicode/
”書籍版「英辞郎」を購入された方に限り、送金免除になっています。”とのことですので私は送金していません。機能制限なしのシェアウエアです。上記のサイトに書かれているように辞書データは別途インストールする必要があります。私は書籍版の英辞郎(version 144.8以前のデータはプロテクトがかかっていなかったのでPDICに簡単にとりこめました)の付属ディスクからデータをPDICにとりこんで利用しています。ただし、現在の最新版英辞郎や上に述べたバージョン以降の英辞郎(第九版 version 148以降)のデータはプロテクトがかかっているのでPDICにとりこめませんので、誤ってこれらを購入しないように注意してくだい。プロテクトがかかっている英辞郎には、プロテクトされたデータをよみこめる特殊なPDICがついているようです。プロテクトがかかっていない最も新しい辞書データはこちらから購入できます。https://booth.pm/ja/items/777563
安価なのでこれを購入してPDICにとりこめばよいと思います。ただ私はやったことがないので、サイトからテスト用サンプルデータを無料ダウンロードして、PDICにとりこめるのを確認してから購入するようにしてください(と書いたのですが、現在サイトに書いてあるリンクはアクセスできないようです。Firefox, Chromeでクリックすると、You don’t have permission to access this resource.とでるだけです。)サイトに書かれている注意点をあらかじめよく読んでから購入してください。

PDICにはFirefoxあるいはChrome用の機能拡張FirePop!が用意されています。
http://firepop.osdn.jp/
この機能拡張を有効にしておくと、画面の英単語にカーソルをあわせておいてAlt+右クリック(左クリックにも設定変更できます)すると、訳がポップアップします。便利ですので使ってみてください。またPDICはEPWING形式の辞書その他を利用することもできます。ネットで検索すれば、EPWING形式の辞書をPDIC形式の辞書に変換する方法も見つかりますので、辞書の拡張も簡単にできます。

あと、iPadでは次の辞書を使っています。
ウイズダム英和、和英辞典2(物書堂)
Merriam-Webster Dictionary & Thesaurus
この英英辞典は古いバージョンです。英英辞書の中では最高の辞書だと思います。ただ最新版は改悪されています。それで旧版を、時々起動時にバージョンアップのおすすめがでても無視して使い続けています。それで皆さんにはオンライン版の辞書サイトの利用をおすすめします。

https://www.merriam-webster.com/
このサイトを利用すると、私の使っている旧版と同じようにDictioanry とThesaurusが使えることがわかりました。ブックマークして是非活用してください。


2022/10/29

京都大学のOpen Course Ware (OCW)は大変役立つサイトです。運営母体の高等教育研究開発推進センターの廃止にともない、今後が心配されていましたが、現在のコンテンツは維持するとのことで、京大OCWの今後を検討するタスクフォースが設置されたとのことで年内に結論がでるそうです。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2022-09-16

検索機能もまだサイト
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/
で使えるので、興味のあるテーマのキーワードで検索して、いろいろ学ぶことができます。
たとえばソフトマター物理学は生命科学におおいに関係する分野ですが、ソフトマターで検索すると、ソフトマター物理学基礎論という講義の講義ノートを読むこともできます。
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/71/
相転移生物学で注目の相転移についてもこの講義ノートで学べます。

また以前紹介したMACSコロキウムの講演で面白そうなものもいろいろあります。
https://youtu.be/iz1uitO4LOo

この講演は、「形態形成の多細胞力学シミュレーション」井上 康博(工学研究科 教授)2022年4月18日というもので、サイトの他、YouTubeでも見ることができます。
京大OCWのYouTubeチャンネルの動画一覧をみると興味深い動画がいろいろ見つかると思います。
https://www.youtube.com/user/KyoDaiOcw/videos

さらに2022年10月18日、京都大学情報学研究科の有志が、同大学の講義動画や資料を集めたポータルサイト“OCW Central”を作成したことを発表しています。
OCW Central
https://ocwcentral.com/
講義音声の書き起こしもあるそうです。サイトのソースコードも公開されています。
OCW Central(GitHub)
https://github.com/ocw-central

日本のOCWのリストはここ(クリックするとウイキペディアの記事が別タブで開きます)にまとめられているようです。


2022/10/28

「ロウソクの科学」で有名なMichael Faraday は1821年9月3日に世界ではじめての電気で動くモーターを発明しました。発明に要した時間はたったの一日。それが世界を変えました。このFaradayのようなイノベーションをどうしたら実現できるでしょうか。その秘密を解説する動画が公開されていますので紹介します。Royal Institutionの動画です。
https://youtu.be/z1uOsg2-LTA

ハーバード大学の David Rickettsさんによる講演で、様々なイノベーションを企業(Mastercard, Ubisoft, Disney, General Motors, Dell や Ferrariなど) とともに進めている方だそうです。 201年前の9月3日のFaraday’s Diaryの実物を書画カメラで映しながら電気モータ―の発明の様子が語られているのは必見です。これは観るしかないという動画です!
写真はファラデーの日記の1821年9月3日の最初のページです。以前紹介した記事でダウンロードしたファラデーの日記からとりました。過去記事はFaradayなどでこのブログを検索してみてください。

ファラデーのモーターは再現している方が日本におられます。
こちらも必見の記事で参照をお勧めします。
https://umihoshi.com/index.php?QBlog-20191002-1
「うみほしの部屋」というタイトルのブログで以前の記事でも紹介しましたが、
https://umihoshi.com/index.php?FrontPage
霧箱の作り方やファラデーの様々な実験の再現、放射線の測定など参考になる記事満載です。


2022/10/27

COVID-19に対するmRNAタイプのワクチンについての動画をNIH videocastでみることができます。

Understanding adaptive immunity and immune memory to SARS-CoV-2 and COVID-19 RNA vaccines, with lessons for vaccines against other pathogensというタイトルの動画です。

(携帯でみたとき技術的な問題によって動画が再生できませんというerror code 100000 がでることがあります。NIH videocastのページでも同じエラーがでてみられないかもしれません。iPadやPCではみられましたので申し訳ありませんが端末を変えてみてください。)


https://videocast.nih.gov/Summary.asp?file=32709


mRNAタイプのワクチンは世界中で接種がすすめられましたが、感染予防にはなぜか効果がないことが確認されているようです。本当に接種が意味があるのかどうか、このビデオをじっくり見てみようと思いました。例によって、英語字幕付でみられますし、動画も字幕もダウンロードできます。上のリンクをクリックして開く動画のページの左下にある「+More…」ボタンをおすと、ダウンロードボタンがでますので、開いたVideoCast Downloaderのメニューから動画のビットレート=解像度をSelect bitrateボタンをクリックして選んでダウンロードしてください。bitrateは150k, 440k, 740k, 1040k, 1240k, 1840kから選べます。携帯で見るには低いbitrateを選び、PCやiPadでみるには最高bitrateでみるとよいでしょう。スライドもくっきり見えます。またCaption textのダウンロードボタンもありますので、必要に応じてダウンロードしてください。)。じっくり見てみたいと思います。


2022/10/26

まだ空色アサガオは毎日咲き続けています。今朝も百余りの花が楽しめました。絞りの朝顔はほとんど種になって来年用の種を集めてかたずけました。しかし庭の芝生にはいつ落ちたのでしょう、小さな絞りの朝顔が花を咲かせ続けています。今日も一日快晴でした。

昨日は英語を母国語としない人むけの英語論文執筆の教科書を紹介しました。とても良い本だと思いますので是非ダウンロードして読んでみてください。この本の中に、自分の論文をどんな雑誌の投稿すればよいかを教えてくれる(投稿先の雑誌候補をあげてくれる)Janeというサイト(Journal/Author Name Estimator) が紹介してありましたので今日はそのリンクを下に張っておきます。
https://jane.biosemantics.org/
論文のタイトルやアブストラクトを検索窓にペーストして、検索窓の下にあるFind journalsボタンを押すと、投稿先の候補がズラーッとランク付けされて表示されます。これで投稿先のJournal候補が選べます。また下のFind articlesボタンを押すと関連のある論文がこれもランク付けされて一覧表示されます。Find authorsボタンを押すと関連のある論文を書いた著者が一覧されます。著者名の右にはemailアドレス(E-mailボタン)やその著者による関連論文を表示するボタン(Show articlesボタン)がありますので、押すとそれぞれの情報が得られます。Show articlesボタンは関連論文を探すのにとても便利です。Janeにキーワードを含む研究のタイトルやアブストラクトをいれて1)Find articlesボタンを押す、2)Find authorsボタンで表示される各authorについてShow articlesボタンで関連論文を表示する、の二つの方法で、関連論文を効率的に探すことができます。自分の論文のタイトルなどをいれて、一度試してみてください。かなり的確な答えがかえってくるので驚きました。これは使えます。


2022/10/25
英語で科学論文をはじめて書く外国人のための論文執筆の指導書がオープンアクセスで公開されています。
The Pathway to Publishing: A Guide to Quantitative Writing in the Health Sciences (Springer)という本で以下のリンクから誰でもダウンロード可能です。pdf版とEPUB版どちらでもダウンロードできます。
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-98175-4
著者 (スタンフォード大学のStephen Lubyさんと、 ハーバード大学/CDCのDorothy L. Southernさん)はバングラデシュやパキスタンで疫学をもとに現地の健康のために活動してきた方々です。https://lubylab.stanford.edu/
はじめて論文を書く人を指導して論文の原稿を直してあげた豊富な経験をお持ちの先生です。その過程で、初めて論文を執筆する人が犯しがちな誤りのリストをまとめていったそうです。論文を直すときに、「リストの何番にのっている誤りですので見てください」と言うように使うリストが、どんどん膨らんでいったそうです。そのリストの最新版をもとに書かれたのが本書で、part 1では論文の執筆法についての詳細な手引き、part 2ではよくある誤りのリストがそれぞれ詳しい解説と例文つきでのっています。最初の論文の書き方の部では、論文執筆をする具体的な方法、ドラフト版の共著者への回覧と返されてきたコメントを元に改良するやり方、投稿するジャーナルの選び方や、著者の記載順の決め方、gift authorshipなどの問題についてもきっちり書かれています。2022年出版の本ですのでプレプリントサーバーへの原稿のアップロードについても的確に指南されているのはありがたいです。part 2では、よくある誤りが網羅されています。疫学の論文など定量的データを扱う論文を書くときに犯す誤りのリストのみならず、どんな科学論文の執筆でもありがちなエラーもリストされているので、この本は生命科学一般の論文執筆指導書としても大いに役立つものになっています。正しいコンマの入れ方、スペースの入れ方などまで書かれていますし、ポスター発表の手引きまで書いてありますので、どなたにも大いに参考になると思います。この本はオープンアクセスにしてありますがその理由は、お金のない はじめて論文を書こうとする科学者が無料でダウンロードして読める論文執筆指導書を提供するためだそうです。英語で書かれていますが、英語を第二外国語とする人のために書かれた本ですので是非ダウンロードして読んでみてください。論文執筆を指導している先生にも読んで役立つ本だと思います。付録もとても役立ちます。
2022/10/24

奈良先端科学技術大学院大学の動画を紹介します。
田口, 善弘 (タグチ, ヨシヒロ) 先生のTwitterで先生の講義の動画がみられることを知りました。Application of tensor decomposition based unsupervised feature extraction to genomic scienceというタイトルです。英語ですが、わかりやすい英語なので私も勉強してみようと思います。田口先生はブルーバックスに「はじめての機械学習」という本を書いておられます。こちらはやさしい入門書でおすすめします。他にもブルーバックスに「生命はデジタルでできている」という本も書かれております。

さて講義の動画ですが、以下のリンクで
https://library.naist.jp/opac/book/102922
上のほうにある2022年10月5日の資料内のMPDASHのボタンをクリックすると
自動再生失敗」というタイトルのポップアップがでて、「自動再生はブロックされました。手動で再生してください。」と表示されます。ポップアップを閉じると下の方に再生ツールバーが出るので、手動再生して視聴してください。

https://library.naist.jp/library/archive_top/st/2022.htmlのページにはいろんな講義がならんでいます。Freeの文字が緑の背景に白抜きでくっきり見える講義は動画が公開されているようです。興味のあるものを見てみるとよいでしょう。


2022/10/23

お化けの話を書くとブログのアクセス数があがるのがわかりました。近くの図書館で借りてきた本に

「江戸の怪談がいかにして歌舞伎と落語の名作となったか 」
http://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305709646/
というのがあります。

櫻庭由紀子(著/文 他)四六判  352頁 定価 1,800円+税(笠間書院)
これは落語の皿屋敷で有名な番町皿屋敷、四谷怪談、牡丹灯籠など怖い怪談のなりたちや、内容などを詳しく知ることができる本です。通読できる大変面白い本なのですが、詳細な文献引用もあって、研究書ともいえるほど詳細な知識が得られる本になっています。こちらの動画がこの本の紹介動画になっています。
https://youtu.be/BDKzjzLUGTo
ラジオの番組です。この番組によると櫻庭さんの夫は落語家の三遊亭楽松さんだそうで、楽松さんが有名な円朝怪談の練習をはじめたところ、みるみるやつれていって陰にこもった、死に急ぐような感じになったのだそうです。それで円朝怪談について元ネタを含めて調べ始めたのが執筆のきっかけだそうです。
写真は散歩の途中の景色です。快晴が毎日続いて秋が深まってきています。


2022/10/22

英語で論文を書くときに役立つツールや本、記事などをまとめたサイトを以前(9/29)紹介しました。

TwitterをみていたらAcademic Phrasebankの本の日本語訳が出版されたとのことでした。
たとえばこちら。https://nitter.net/kspub_kodansha

以前詳しく紹介しようと思っていたAcademic phasebank
https://www.phrasebank.manchester.ac.uk/ (論文を書くときに必要な言い回しの例文を網羅しているサイトです)
ですが、このサイトの内容を増補したebookが、サイトからenhanced pdfあるいはKindle本としてダウンロード購入できます。初心者の方は、今回出版された翻訳本で読むのも良いと思います。
「アカデミック・フレーズバンク そのまま使える!構文200・文例1900」
著者:ジョン・モーリー 訳:高橋 さきの 監修:国枝 哲夫 (講談社)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000314092
この本の活用法については翻訳者の高橋さんのTwitterに詳しいです。
https://nitter.net/sakinotk
高橋さんによる「日本語訳をてがかりに必要な英語の文を拾って並べていくと、とりあえず文章の原型が完成します」といった手法の紹介のほかいろいろ有用な情報がみられます。

探してみたのですが、今のところ、日本語版のKindle版はなさそうです。原書の英語版Kindle本は翻訳書よりずっと安く手に入ります(さっき購入しました。893円でした)ので、英語版を買う方が便利かもしれません。kindle版は検索機能が使えますので役立ちます。

こうした英語論文執筆に役立つサイトやツール、本などを詳しく紹介している以前紹介した、以下のQiitaのサイトはおすすめです。私がこのブログに書いている内容や、以前分子生物学会のランチョンセミナーで紹介したサイトなどもいくつか入っています。
https://qiita.com/k-kawakami213/items/5e7e1ffccbe708e6ac50
この記事中には他にもいろいろ役立つサイトが紹介されています。リンクの方も是非ご覧ください。たとえば以下のサイトなどです。
いつか博士になる人へ  https://www.ki1tos.com/entry/2020/03/27/183528 


2022/10/21

YouTubeをみていたら右側のおすすめ動画にこんなのがでていました。
https://youtu.be/-5oQgijHgS8

スケザネという方の動画です。渡辺祐真(スケザネ) さんについては以下のnoteに詳しく書かれています。。
https://note.com/sukezane33/n/n87668250cbe8
毎日新聞文芸時評担当(2022年4月~)だそうで、俵万智さんについての本なども書いておあられます。動画には俵万智さんとの対談もあります。

動画は岡潔と小林秀雄の対談「人間の建設」についての紹介です。私はこの本を何回か読みました。あまり面白い本ではないと思い対して感銘も受けず、岡潔より小林秀雄がリードしている対談だと感じていました。夏ごろ、Kindleポイント50パーセントキャンペーンの対象だったので、Kindle版を半額で買って読み直しました。今回読んだときはじめて、二人が対等に話していると感じました。そしてタイトルの「人間の建設」というのが深い意味をもっているのだと初めてわかりました。「人間の建設」という言葉の深い意味を知りたい方は、一度読んでみることをお勧めします。とても深い内容だと、年をとった今はわかりました。スケザネさんの感銘を受けておられるところと私の感銘したところは全然違います。人それぞれの感銘する部分が違うと思いますので、皆さんも一度読んでみてください。
スケザネさんの「文学系チャンネル【スケザネ図書館】」の動画一覧には以下をご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCLqjn__t2ORA0Yehvs1WzjA/videos


2022/10/20

数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム(九州大学も参加しています)は、全国すべての高等教育機関の学生が、数理・データサイエンス・AIを習得できるような教育体制の構築、普及を目指しているとのことです。詳しくは次のweb page
「数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムとは」
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/overview.htmlをご覧ください。

拠点校の東京大学のサイト
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/index.html
に教育的な動画やスライドがいろいろおいてあります。ライセンスを一読の上、利用されるとよいと思います。以下のリンクから利用可能です。

応用基礎レベルモデルカリキュラム対応教材
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/e-learning_ouyoukiso.html
1. データサイエンス基礎
2. データエンジニアリング基礎)
3. AI基礎

リテラシーレベルモデルカリキュラム対応教材
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/e-learning.html
1. 社会におけるデータ・AI利活用
2. データリテラシー
3. データ・AI利活用における留意事項
4. オプション

写真は山際に咲いている野萩です。このところ快晴の日が続いていますので秋を満喫できますね。

 

2022/10/19

古いギリシャの天文学者ヒッパルコス(紀元前190生ー120ごろ没)の失われた星図(星座観測記録)の一部が発見されたそうです。https://www.nature.com/articles/d41586-022-03296-1
論文はこちらにあります。
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/00218286221128289
中世の修道院では、書物をつくるための羊皮紙を使いまわしていました。古い羊皮紙の本の文字を消してその上に新しい本を書き込んでいくわけです。そういう本をpalimpsest パリンプセストと呼びます。今回、エジプトの修道院に保存されていた祈祷書の下にギリシャ語のテキストが発見されました。方法はマルチスペクトルスキャンで、異なる波長の光をあててうかびあがってくる文字を映像のコンピュータ解析で復元するという方法です。これは古代ギリシャの偉大な科学者アルキメデスの著作「方法」を中世の祈祷書のテキストの下から復元した仕事と似ています。学生実習でパリンプセストを解析していたところ、下になにやらギリシャ語があるというのを学生が発見して、本気になって解析を進めた末の大発見だそうです。プトレマイオス(紀元83年頃 – 168年頃)のアルマゲストには星座を構成する星の位置の観測データの表がのっています。これが最古の星の位置の観測データだったのですが、その記録が更新されて、なんと羊皮紙の下に書かれていたのは失われたヒッパルコスの星図の一部だろうという結論になったそうです。星の位置の現在の値とのずれは1°以下で、プトレマイオスのアルマゲストの値より正確だそうです。発見されたかんむり座(かんむりざ、冠座、Corona Borealis)を構成する星の位置を、このブログでも紹介しているStellariumその他で計算して観測された時代を推定したところ、紀元前のヒッパルコスの時代の空の星図とぴったり合うのがわかったようです。大発見ですね。

まだ星図の全文は回収されていないので今後は、修道院にある他の羊皮紙の本を調べるなどしてできる限りすべての本文を回収する計画だそうです。

2022/10/19

2022/10/18

秋が深まってきましたね。今日も昨日に引き続いて、Royal Institutionの動画を紹介します。
Quantum computing in the 21st Century – with David Jamieson
https://youtu.be/zxml8UQSwC0

質疑応答はこちら。
https://youtu.be/gnf9eH4WjQM

この新しい動画は、オーストラリアのメルボルン大学の David Jamieson先生による量子コンピュータの平易な解説動画です。シリコンチップで量子コンピュータdeviceを作成している先生です。
20世紀の科学の発展、月着陸やスマートフォンの開発などを回顧し、ヤングの光の二重スリット実験の解説をかわきりにスピンの話、量子コンピュータの話がわかりやすく語られています。時間のあるときにご覧ください。よくわかります。
写真は散歩の途中でみつけたカラスウリです。田んぼのそばにあったのであやうく見逃すところでした。秋が深まってきています。


 

2022/10/17

今日は宇宙の起源についての新しい学説の動画を紹介します。ビッグバンの前はどうなっていたのか、という疑問に答える画期的理論を提唱した女性科学者の講演です。
Laura Mersini-Houghtonさんは共産主義に支配されていたアルバニア生まれでフルブライト奨学金をうけてアメリカで学んだ理論物理学者で、多元宇宙multiverse研究の世界的リーダーだそうです。ノーベル賞候補ともいわれているそうです。

https://youtu.be/GYVg50_w1UA

Lauraさんの新著”Before the Big Bang: The Origin of Our Universe from the Multiverse” https://geni.us/2TDDa の宣伝を兼ねた講義です。多世界理論を使えばこの宇宙の起源を鮮やかに説明できるのだそうです。以下はRoyal InstitutionのYouTubeページにのっている講義の目次です。
0:00 Introduction
3:15 The story of the universe in one slide
6:49 Why does entropy make the universe seemingly impossible?
11:49 The origin of the universe in philosophy
16:54 Is the universe deterministic
22:14 The quantum to classical transition
28:45 Developing the theory of the multiverse
33:32 A crisis in string theory
37:48 Using quantum cosmology
45:18 The cold spot theory and cosmic variants
48:10 The progress of cosmology
52:22 Dinner in a nuclear reactor

質疑応答は以下のリンクにあります。
https://youtu.be/6xpVP_ITEYE

2022/10/16

幽霊をみたという話

今日は科学の話ではなくて、お化けの話を書きます。
私は京都生まれですので、深泥池の幽霊の話はよく聞きました。深泥池は氷河期以来の動植物が生息する天然記念物に指定されている池です。近くに病院があってあたりはなんとなく不気味な雰囲気が感じられるところでした(私が京都に住んでいた昔の話です)。夜、タクシーが深泥池近くの道路を走っていると、女の人がタクシーを止めます。行先を告げたので走り出して しばらくして「お客さん」、といってバックミラーを見ると女の人は消えていて、止めて座席を見るとびっしょりと濡れていたというのが定番の深泥池の幽霊の話です。https://www.leafkyoto.net/makai/2017/03/midorogaike/
女の人が車から落ちたと思って交番に運転手が駆け込んだという話がこれに続きます。
そういう話がときどき京都の新聞にのっていました。比叡山にのぼって展望台で京都を眺めていた時、中学生二人が近くの席で話しているのが聞こえてきました。「あの幽霊見たって新聞にでていたの、xx君のお父さんやで。」「そうやそうや」と。その会話を聞くと、結構信頼性のある話みたいでした。実は私の住んでいた左京区の役場の所長さんも幽霊を車にのせたのだそうです。これは全国放送のテレビでやっていました。八瀬の人通りもない寂しい車道を夜 車で走っていると道に若い女の人が立っていたので、こんなところに夜女性一人で歩いているのは危ないと、車をとめて後部座席に乗せてあげたそうです。「送りますわ」、といって車を走らせてしばらくして橋を渡る時ふと後ろをみると、誰ものっていなかったそうです。「えらいこっちゃ、女の人が落ちた」と、車をとめて橋の周囲や川などを探したのですがどこにも見当たりません。警察にとどけたのですが、やはり女の人がのっていた座席はぐっしょりと濡れていたそうです。この所長さんは役所のいろいろな手続きでよく応対してくれていた方なので、土曜10時すぎからのバラエティ系のニュース番組に出演されているのをみてびっくりしました。こういう幽霊の話は京都ではけっこうある話でした。ではおやすみなさい。


2022/10/15

Mathematicaで微分方程式を解く方法の動画と教科書の紹介です。
去年紹介したWolfram-Japanが開催するMathematicaで微分方程式を解こうという講座が今年も開催されました。私も視聴したのですが、講義部分の動画がYouTubeで公開されていますのでご覧ください。
Mathematicaで微分方程式を解こう応用編
https://youtu.be/_jY4irvFfaw

動画のページにある解説を以下に転載します。
「線形・非線形偏微分方程式を解くときのいちばんのハードルは境界条件の指定ではないでしょうか.Mathematicaでは任意の領域形状について,ディリクレ条件,ノイマン条件(とそれらの混合条件)をわかりやすく指定することができます.ナビエ・ストークスの式を解く例や,計算の進捗をリアルタイムでモニタするテクニックも紹介します.

2022年8月に実施したWebinarを録画したものです.
資料(Mathematica notebook)のダウンロードはこちらから:
https://wolfr.am/16KBRrKN6

(波動方程式に対して吸収端条件を設定する際,表示している境界条件が間違っていますが,Mathematica上のコード,上の資料nb内の表示は正しくなっています)

基本のき編もご覧ください
https://youtu.be/eOXi9M6rMoY 」

微分方程式の解き方はこの2本の動画で十分わかるのではないでしょうか。あとはご自分の興味のある微分方程式をこれらの動画で学んだ知識を利用して解いていけばよいと思います。参考書としてはWolframのサイトにいろいろMathematicaの参考書がのっています。https://www.wolfram.com/books/index.cgi
ここでdifferential equations で検索すると以下のページがでてきます。
https://www.wolfram.com/books/topics.html?topic=%22Differential%20Equations%22
無料の本では、上から三番目の本
Differential Equations & Linear Algebra with Wolfram Mathematica
Author: Aruzhan TleubekBalnur ZhaidarbekYanwei Wang
Publisher: Nazarbayev University School of Engineering and Digital Sciences
Year: 2022
というカザフスタンの大学の本がやさしい本です。大学のrepositoryにアップロードされているのでダウンロードして読んでみてください。Mathematicaの使い方からはじまって、微分方程式と線形代数を扱っている本です。
https://nur.nu.edu.kz/handle/123456789/6561
pdfへのリンクがありますが、見つけにくいので以下に貼り付けておきます。
https://nur.nu.edu.kz/bitstream/handle/123456789/6561/Differential%20Equations%20%26%20Linear%20Algebra.pdf?sequence=1&isAllowed=y

ちょっと高い本ですが以下の本もよさそうです(私は持っていませんので、Look Insideのリンクをクリックして試し読みしただけで、たぶんよいだろうと思うだけですが…。第5版まででているので広い支持を集めている本のようです。)
Differential Equations with Mathematica
5th Edition – January 18, 2022
Authors: Martha Abell, James Braselton
https://www.elsevier.com/books/differential-equations-with-mathematica/abell/978-0-12-824160-8

2022/10/14
今日は肩の凝らない話です。タイムトラベルもののSFを紹介します。以前AmazonのKindle Unlimitedに梶尾真治さんの「つばき時跳び」という小説が入っていたので読みました。作者は「黄泉がえり」(映画化されて竹内結子さんと草彅剛さん主演でよい映画でした)も書かれていて短編、長編小説の名手です。「つばき時跳び」は、熊本在住の作者の以前暮していた自宅(熊本地震で壊れてしまったそうです)を舞台に、そこで暮すかけだしの作家が若い女性の幽霊?と出会い、それが家に知らないうちに設置されていた装置によって引き起こされた時間跳躍によるものだと気付くことから始まります。最初は江戸時代に熊本のこの家で暮らしていた女性(つばきという名前だとわかります)が現代にやってきて、作者と交流してテレビや自動車、電車などに驚く話から始まり、つばきさんが突然消えた後、作者は屋根裏の見知らぬ装置をいじってなんとかもう一度つばきさんと会おうと試みます。装置をいじったせいで、逆に自分が江戸時代へと跳躍してしまいます。江戸時代での探索の結果、この装置はタイムトラベラーによって設置されていたと判明し‥‥。というような話です。梶尾さんの作品はハッピーエンドですので安心して楽しめる作品です。文庫本にもなっていますのでお読みになることをおすすめします。この作品は、ラジオドラマになってNHKで放送されていましたし、舞台での上演も行われています。また映画化も大林 宣彦監督が予定していましたが、惜しくもなくなられたので別の監督さんによって映画化される予定とのことです。
梶尾さんのタイムトラベルものの小説では、「クロノス・ジョウンターの伝説」が有名です。これは2019年に映画化されているようですね。この本の第3話「鈴谷樹里の軌跡」が特に面白かったです。子供の時に出会った難病の青年を救いたいと、開発されたばかりの特効薬をもってタイムトラベルする女性医師の話です。一読をお勧めします。また「クロノス・ジョウンターの黎明」という新刊も面白そうです。
2022/10/13
WordPressの記事を書くためのブロックエディタを始めて試していたため記事の投稿がおくれました。以下の記事は10/14日改訂したホームの記事を転載しました。

機械学習を使ってコンピュータで新たな抗生物質を設計するといった講演が聴けます。

現在 機械学習はAlphaFold2の威力でわかるように生命科学の発展に絶大な貢献をしています。今回紹介するNIH Videocastの講演は、以下のタイトルで行われた若い科学者による講演です。 Artificial Intelligence Approaches for Antibiotic Discovery​​

Headshot of Speaker, Dr. César de la Fuente
​César de la Fuente, Ph.D. Credit: Martí E. Berenguer.

​César de la Fuente, Ph.D.による若手科学者による講演です。

薬剤耐性菌をやっつける新しい抗生物質や抗菌剤を、耐性菌の膜に相互作用する物質を選び出すようにプログラムしたコンピュータで見つけて、耐性菌をin vitroやモデル動物内で殺すことに成功したというお話です。さらにヒトのプロテオームに含まれる数千もの抗生物質候補をコンピュータで発見したり、自然界の毒素を改変して新しい抗菌剤を開発しているという話も聴けます。斬新なアプローチなので若い科学者の方々にも刺激になる講演だと思います。是非聴いてみてください。 https://videocast.nih.gov/watch=459182022/10/12 Linuxのコマンドラインの活用法についての無料本を紹介します。 http://linuxcommand.org/index.php にある本です。このサイトにはLearning the Shellと題するわかりやすいshellの解説記事もあります。 http://linuxcommand.org/lc3_learning_the_shell.php現在のコンピュータはマウスとポインタで動かすのが普通です。著者は、それはコンピュータを電気ではなくて、手押しポンプで動かしているようなものだと言います。今のコンピュータは性能がものすごく向上して、小さいおもちゃのような$35 のRaspberry Piマシンが、1990年初頭の$30,000もした Unixワークステーションに匹敵する性能を持っています。電気で動くこうしたコンピュータの性能を存分に発揮して活用するにはコマンドラインが一番というわけです。その手引きとなる入門記事が英語ですが、いろいろhttp://linuxcommand.org/index.php このリンクのサイドメニューにあるのでご覧ください。 無料のコマンドライン本はこちらにリンクがのっています。 http://linuxcommand.org/tlcl.php このページからは以下の二冊の本が無料ダウンロードできます。 The Linux Command Line by William Shotts これはLinuxのコマンドラインについて詳しく書かれた本です。 この本の続きというか補完本のような本もダウンロードできます。 Adventures with the Linux Command Line by William Shotts 私もこの二冊をダウンロードして、手元において随時参照してみることにします。2022/10/11 東京大学の門田幸二先生のweb pageにはRで塩基配列解析をするための詳細かつ丁寧、わかりやすい資料が満載です。たとえばRとRStudioのインストール方法や使い方が最初から一歩一歩丁寧に解説されています(スライドやpdfがダウンロードできます)。Rで塩基配列解析をしてみようと思う方には必須のサイトですので是非ご覧ください。先生のこのページ https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html のトップのほうにあるリンクではRやRStudioおよび必要なパッケージの初心者用インストールの手引きがダウンロードできます。 https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/R_install_win.pdf Mac用の手引きももちろんあります。これでR、RStudio、必要なパッケージなどをインストールできたら次は「基本的な利用法」 https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#users_guide にある資料でRStudioを使っていきましょう。最高の手引きだと思います。 これが終わったらあとは、塩基配列解析の手引きがはじまります。一歩一歩着実にわかりやすい手引きにしたがってRの塩基配列解析法を学んでいきましょう。先生が書かれた日本乳酸菌学会誌に書かれた記事もダウンロードして読めます。 次にあげる、門田先生のラボのホームページ(いろいろな有用な情報がのっているので是非ご覧ください。) https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/index.html にのっている、第16-18回の記事へのリンクを下にのせておきます。 https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/kadota/JSLAB_16_kadota.pdf https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/kadota/JSLAB_17_kadota.pdf https://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/JSLAB_18_kadota.pdf2022/10/10 今日も生物関係の動画を紹介します。 Iranian spider-tailed viper tricks birdという動画です。 https://youtu.be/XFjoqyVRmOU

この動画のヘビは、イランに生息しており、尾の部分に蜘蛛と見まがう構造を持つものです。鳥は蜘蛛を餌にして、ヘビは鳥を餌にするという関係があります。ヘビは尾を蜘蛛とそっくりな動きで動かして、鳥は蜘蛛がいると思って食べに来たところをヘビの餌になるというわけです。尾は蜘蛛の形と動きをするルアーになっているわけです。 恐ろしい動画ですね。進化生物学の観点からこんな生物がどうしてできたのかと思いますよね。これについての解説が書いてある本があるそうで、「Dancing Cockatoos and the Dead Man Test」というタイトルです。Marlene ZukというHamiltonさんとの共同研究でも有名な、ミネソタ大学の行動生態学、進化生物学などを研究している先生(女性)による本です。 この本と蛇の動画は、「shorebird 進化心理学中心の書評など」という有名ブログで知りました。進化や哲学に興味のある方にお勧めのブログです。 https://shorebird.hatenablog.com/entry/2022/09/13/110957 この動画がのっているSciNewsのYouTube チャンネルには他にも面白い 動画がいろいろあります。 https://www.youtube.com/c/ScinewsRoPlus/playlists2022/10/9 秋が深まってきて、シュウメイギク(秋明菊)の花が咲き始めました。ソライロアサガオはまだ毎日沢山花を咲かせていますが、そろそろ種もできはじめたようです。 8月21日のブログに「Rによる疫学解析のためのハンドブックがあるそうです。」という記事を書きました。 https://glycostationx.org/2022/08/21/4362/ 英語版の紹介でしたが、めでたく日本語版「疫学のための R ハンドブック」がでたそうです。無料で本格的な解析方法が学べます。これはおすすめです。オンライン版はこちらから読めます。https://epirhandbook.com/jp/ただオフライン版のリンクは英語版のhtmlファイルになっているようです。

2022/10/8

これは凄い動画です。カモフラージュしているタコが最初はまったくどこにいるのかわかりません。 後半で逆再生しているのをみると、体色を巧みに変化させているタコの凄さがわかります。ウッヅホール臨海研究所のHanlonさんの動画です。次のiBiologyの講義では詳しい解説を聴けます。 Roger Hanlon (MBL) Part 1: Camouflage and Signaling in Cephalopods

https://www.ibiology.org/ecology/cephalopods/ タコなどの頭足動物の体色変化についての講義ビデオです。part 3まであります。 最初のYouTubeの動画の解説もありますので聴いてみてください。2022/10/7 「長い長いお医者さんの話」を読んでいます。 Amazon のKindle Unlimitedを3か月99円というプランで利用しています。以前は科学関係の本が少ないという記事を書きましたが、現在は少しづつ改善されているようです。今までは岩波書店の本があまり入っていなかったのですが、昨日百冊以上の本がKindle Unlimitedで読めるようになっているのを知りました。表題の「長い長いお医者さんの話」は、私が子供の時に読んだ童話集です。カレル・チャペックというチェコの劇作家、小説家の作品です。懐かしいので今読んでいます。チャペックはロボットという言葉を発明した人物です。SFの古典といわれる「ロボット-R.U.R」や「山椒魚戦争」も書いていてどちらもKidle unlimitedで読めます。岩波書店の本として新しくKindle unlimitedに入った本をいくつか紹介します。 「御冗談でしょう、ファインマンさん」 ファインマン(岩波現代文庫)上、下巻 「学びとは何か」今井むつみ(岩波新書) 「英語独習法」今井むつみ(岩波新書) 「実践 自分で調べる技術」宮内泰介・上田昌文(岩波新書) 「ゲーム理論入門の入門」鎌田雄一郎 (岩波新書) 「深層学習の原理に迫る 数学の挑戦」今泉 允聡 (岩波科学ライブラリー) 「驚異の量子コンピュータ」藤井 啓祐 (岩波科学ライブラリー) 「脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか」 乾 敏郎、阪口 豊 (岩波科学ライブラリー) 「科学者の卵たちに贈る言葉-江上不二夫が伝えたかったこと」笠井 献一 (岩波科学ライブラリー) 「五輪書」 宮本武蔵(渡辺一郎校注)(岩波文庫) 「茶の本」岡倉覚三(村岡博訳) (岩波文庫) そのほか、エンデの「モモ」とか梅棹 忠夫の「知的生産の技術」とかも入っています。これだけの本が無料で読めるので一か月1000円以下の利用料金は安いと思います。今井むつみ先生の「英語独習法」は、以前このブログでお勧めした本です。最後の本は、中学生の時、担任の先生が卒業祝いの餞別に皆にくださった本の一冊です。私は「みずうみ」を頂きました。2022/10/6 ノーベル賞の発表が続いています。今日は文学賞でしたね。 nobelprize.orgのページをみていると、下のほうに血液型ゲームというのがあるのに気づきました。 ABO式血液型とRh式血液型についてゲームで学べるというものです。ベッドに患者が横たわっていて、輸血が必要。血液型を判定して輸血するというゲームです。血液型についての知識も別途まとめられているので、それを読んでからプレイすることもできます。皆さんは基本的知識をお持ちですから、いきなりプレイをはじめてもOKでしょう。ほかにもいろんなゲームがあるのがわかりました。 Educational games というページにまとめられています。興味のあるもので遊んでみるとよいでしょう。 https://educationalgames.nobelprize.org/educational/index.php Blood Typing Pavlov’s Dog Control of the Cell Cycle The Red Cross Movement MRI Chirality Vitamin B1などのゲームがあります。さらにFlash playerを必要とするゲームが下に列挙されています。2022/10/5 このブログでたびたび紹介してきた糖鎖生物学の Carolyn Bertozziさんにノーベル化学賞が贈られました。おめでとうございます。私も以前コンドロイチンをclick chemstryでラベルして可視化できないか彼女とメールをやり取りしたことがあります。彼女の動画はいろいろありますのでこのブログなどからご覧ください。Carolyn Bertozzi2022/3/30 今日は深夜12時から英国Cambridge(ケィンブリッジと発音します)にあるMRC分子生物学研究所(MRC LMB)のセミナーをオンラインで視聴しました(現地時間午後4時です)。昔 在籍したことがある研究所ですが、Zoomでオンラインセミナーをやってくれているので最新のセミナーに参加できて助かります。昨夜はスタンフォード大学に移籍された糖鎖生物学の有名な研究者Carolyn Bertozzi (キャロライン ベルトジ)先生のシアル酸と結合するレクチンSiglec(シグレック)やSiglecが結合する、シアル酸が付加されている分子を標的とした癌治療法の開発のお話でした。とてもわかりやすく面白いセミナーでした。YouTubeのMRC LMBチャンネルで公開されていますので是非ご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=jVm3Ec53aeg

他のYouTubeビデオも以下に貼り付けておきます。click chemistryについてはpart 2が参考になります。 https://youtu.be/WCbg-kOY_8E

https://youtu.be/g17QmtZOyWc

2005年のNIH videocastの講演もあります。click chemsitryの話です。 https://videocast.nih.gov/watch=38867 こちらは2020 年のvideocastです。https://videocast.nih.gov/watch=38867 2022/10/4 本日のノーベル物理学賞は、量子力学のベルの不等式の研究で有名なアスぺさんなどでしたね。基礎研究の鑑のような業績です。 The Nobel Prize in Physics 2022 was awarded to Alain Aspect, John F. Clauser and Anton Zeilinger “for experiments with entangled photons, establishing the violation of Bell inequalities and pioneering quantum information science”. Their results have cleared the way for new technology based upon quantum information. アスぺ先生は、「アインシュタインを打ち負かした実験」と言われるアスぺの実験で昔から有名な方です。まだノーベル賞をもらっていなかったのかと毎年言い続けられてきた先生ですね。局所的隠れた変数の理論を原子カスケードを使った実験で否定する結果を得たClauser先生たち(フリードマン先生と共同の実験。フリードマン先生は故人です)の成果を、洗練された決定的実験で完成させたアスぺ先生は超有名な量子力学の基礎論の実験家です。Zeilinger先生は量子テレポーションや量子もつれの研究で有名だそうです。ベルの不等式については、学習院大学の田崎先生が急遽作成された動画が参考になりそうです。私もみてみます。 https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mgr/2020_qm3/ 第 2 回 量子力学の非局所性:「隠れた変数」とベルの不等式(2022年10月版) 講義ノート (pdf 4.5 MB) 1 部:動画(22 分)「エンタングルした二つのスピンの測定」 https://youtu.be/-_KA6hhw98o

2 部:動画(17 分)「ベルの不等式(前半)」 https://youtu.be/D83eUQ_t5LY

3 部:動画(20 分)「ベルの不等式(後半)」 です。 https://youtu.be/OP79_7CjMhs

明日は化学賞の発表ですね。
2022/10/3
ノーベル賞の発表がはじまりましたね。今日は生理学・医学賞の発表で、ネアンデルタール人のゲノム解読に成功したスヴァンテ ペーボ(Svante Pääbo) さんが受賞されました。Svante Pääbo さんのお父さんはプロスタグランジンなどの発見でノーベル賞を受賞したSune Bergströmさんなんですね。父子のノーベル賞受賞(ともに同じ生理学・医学賞)になりました。彼の自伝であるNeanderthal Man-In Search of Lost Genomesは翻訳されていて私も読みました。とても読みやすくわかりやすい本なので是非読まれることをお勧めします。ただ「ネアンデルタール人は私たちと交配した」という日本語訳のタイトルは、私の本棚に並んでいるのをみても、なんだか違和感がある、とても不快なタイトルだと感じます。文庫版がそのうちでるのではないかと思いますが、文庫になるときには改題されると、もっと読者が増えると思います。明日は物理学賞の発表だそうです。楽しみですね。今日は物理数学の教科書をついでに紹介しておきます。物理数学の教科書で、複素関数論を扱ったものが京大で公開されてるのをみつけました。武末 真二先生の「物理のための数学2」という講義の講義ノートです。先生のホームページにダウンロードリンクがありますのでご覧ください。 http://noneq.scphys.kyoto-u.ac.jp/2022/10/2 今日は科学についての動画を紹介します。 https://www.whyarewehere.tv/このサイトの動画はvimeoを使っているのですが、動画にドメイン制限がかかっており、動画をこのブログに埋め込むことができません。超有名な科学者や哲学者へのインタビューを見ることができます。動画リストはこちらです。 https://www.whyarewehere.tv/people/ たとえばノーベル物理学賞を授賞したFrank Wilczek: A Beautiful PuzzleやRoger Penrose、数理生物学者のMartin Nowak、物理化学の教科書が世界中で使われている化学者のPeter Atkins、チンパンジーが道具を使うことを発見した霊長類学者のJane Goodallなど、興味深いインタビューがいろいろありますのでご覧ください。英語が聞き取りにくい場合は、インタビューの書きおこし(transcript)がついていますので、それをダウンロードするとよいでしょう。 https://www.whyarewehere.tv/people/frank-wilczek/ https://www.whyarewehere.tv/people/roger-penrose/ https://www.whyarewehere.tv/people/martin-nowak/ https://www.whyarewehere.tv/people/peter-atkins/ https://www.whyarewehere.tv/people/jane-goodall/ インタビューをみてみると、宗教に対して批判的な方が多いような気がします。たとえばhttps://www.whyarewehere.tv/people/alex-rosenberg/ をご覧ください。私の知り合いにイギリスの科学者de Pomeraiさんがいます。以前、de Pomeraiさんが来日したときは自宅に泊めて、九大でセミナーをしてもらいました。その来日の折、九大に来る前に京大に招かれていて、京大の竹市先生のところで、新発見の細胞接着分子にカドヘリンという名前を提案したのは彼だと聞いています。英国人の命名なので、世界にあっというまにカドヘリンの名前がうけいれられたのだと。岡田先生はいっておられました。彼は牧師の資格をもっていて、英国でRichard Dawkinsと大論争をやっていました。上の動画のAlex Rosenberg先生(Duke大学の哲学者)はDawkinsと同じ立場の方です。英国での宗教と科学についての議論を知るのによい動画だと思います。2022/10/1 告知です。このブログを携帯でみると大変見にくくなっていることがわかりました。使っていた Wordpressのテーマが携帯対応になった最初のversionだったので、現在の携帯ブラウザとあわなくなったようです。それでテーマを本日変更しました。PCで見る場合は固定ページなどが依然と同じように並んだタブで表示されます。携帯でみるときには「サイトナビゲーション」と白字で書いてある青い線の部分をタップすると固定ページ(リンク集や糖鎖生物学入門、研究概要等)へのメニューがでますのでご利用下さい。