Clonezillzaの使い方―LinuxやWindowsのまるごとバックアップのやり方

(注:このブログでは、12ポイント太字の部分はリンクです。クリックすると該当ページが開きます。)
日経Linux2020年11月号の付録にClonezilla 2.6.7-28のISOファイルがついていました。このソフトはLinuxやWindows(MacやChromeOS、アンドロイドなども可能)のシステムを、まるごとバックアップをするフリーソフトでここからダウンロード可能です(最新版は2.7.0-10)。使用しているブロックだけをバックアップするので、短時間でイメージやクローンがつくれます。ちょうど今まで利用していたLinux LTS版(ubuntu 16.04 LTS)のサポートがきれていたので、現在の環境をClonezillaでバックアップしておいて、最新版のLTSを入れなおすことにしました。
このソフトはNorton GhostとかTrue Imageとかいう有料ソフトと同様なソフトで、Windows やLinux、Macなどのイメージをつくっておいて、必要になったらそのイメージから現在のシステムを復活する(リストアする)ことができます。
注意点ですが、このソフトでは、まずバックアップ先を指定した後、バックアップするシステムを指定するという順番でバックアップします。つまりバックアップ用の外付けハードディスあるいはUSBメモリなどをまず指定し、その後、現在使っていてバックアップしたいドライブ(バックアップ元といわれるもので、複数同時指定可能)を指定してバックアップするのです。
ネット検索してみても日本語で使い方の詳しい説明をしているサイトがあまりなかったので、以下に具体的なやり方をまとめておきます。
1)まずClonezillaのサイトからClonezilla LiveのISOイメージファイル (ubuntuベースのものでなくて、DebianベースのものでOKです)をダウンロードします。ダウンロードしたISOファイルから起動用USBメディアをEtcherというソフトを使って作成します。EtcherというこのソフトはWindows, Mac, Linuxなどに対応しており、一発で起動用USBを作成できるソフトです。イメージファイルのありかを指定し、USBメモリを選び、ボタンを押すだけでブート用USBメモリができあがります。前に紹介したRufusというソフトも利用できますが、Etcherのほうが簡単です。(もちろんClonezillaのISOイメージをCDやDVDに焼いて、CDやDVDから起動して利用することもできます。)
2)次に、システムのイメージを保存するUSBドライブあるいはハードディスクドライブなどを決めて、その中にイメージ保存用のフォルダを作っておいてください。英語名のフォルダを作っておきます。(私は今回はCloneZilla_demoという名前のフォルダにしました。)ディスクにパーティションを切ってある場合は、どのパーティションを保存先に選ぶかを、容量や大事なファイルの有無(万が一のエラーでファイルが壊れることもあるかと思います)などを考慮してきめます。重要なファイルが入っているディスクやパーティションは壊れると怖いので、大事なファイルは別の場所にバックアップしておくことを薦めます。私は何もファイルがはいっていないパーティションにイメージ保存用のフォルダを作りました。まっさらのUSBメモリだとより安心ですね。保存用のフォルダを中に作成できたら、準備は完了です。

3)上の1)で作成したブート用USBメモリをパソコンに差し込んで起動します。Clonezillaが起動します。起動しない場合はUEFIのブートメニューを(F11キーなどマザーボードに応じたキーを押して)表示してUSBメモリを選べば起動します。古いパソコンでBIOSのもの(legacy BIOS)では起動順序をUSB優先に変えなくてはいけないかもしれません。うまくブートメディアから起動したら次に進みます。
4)上の写真のような起動画面が表示されますので、一番上のデフォルト(Clonezilla live)のままエンターを押す、あるいはしばらく放置しておくと下の写真のような言語選択画面になります。矢印キーで日本語を選びます。enterを押して次に進みます。
5)「キーボードのレイアウトを変更?」の画面、デフォルトのキーボードレイアウト(英語キーボード)を維持の選択のままenter。
6)Clonezillaを開始します のメニューがでます。そのままenter。
7)Clonezilla-オープンソース複製システム(OCS)という画面が開きます。今回はディスクイメージを作って保存したいので、開いたメニューで一番上にある「device-image ディスク/パーティションイメージ」(デフォルトで選ばれている)を選んだままenter。
8)Clonezilla  イメージディレクトリのマウントという画面がでます。(ここからがイメージの保存先の設定になります)一番上の「local_dev ローカルディスク(例=ハードディスク、USBドライブ)をマウント」が選ばれているのでそのままenter。
すると、次の写真のように「Clonezilla イメージリポジトリとしてUSBディバイスを使用したい場合」というメッセージが下部に表紙されるので、イメージ保存用のUSBディバイスを接続します。5秒以上待つとUSBディバイスが認識されるのでenter。
9)すると画面がかわって、現在認識されているストーレッジの一覧が表示されます。イメージを作ろうとしているハードディスクと、さっき接続したイメージ保存用のUSBディバイスが表示されているのを確認してください。皆さんのパソコンによりますが、例えば/dev/sda、/dev/sdb、/dev/sdcなどと表示されると思います。私のパソコンの場合、sdaがSSDでメインディスク、sdbが補助のハードディスクで、sdcは今接続した外付けハードディスクです。これで全部のドライブが表示されているのでCtrl-Cを押します(Ctrlキーとcを同時に押します)。上の写真ではsda、sdb、sdcなどの後に表示されているハードディスクの型番などを消してあります。

10) こんどは「Clonezilla-オープンソース複製システム(OCS)|モード」という画面になります。
さきほど表示されたsda、sdb、sdcのそれぞれのディスクの詳細が表示されています(上の写真)。私の場合はsdcのパーティションsdc2にイメージを保存する予定なので矢印キーでsdc2を選びます。enter。(註:この写真の場合、sda1は200.9Gのext4形式でフォーマットされているSDDであり、sdb1は1.8テラバイトのディスク、sdc1は2Tバイトのntfs形式でフォーマットされているボリューム(パーティション)、sdc2も同様で、sdc3は1.6Tバイトのntfs形式でフォーマットされたボリューム(パーティション)だとわかります。写真ではsda1, sdb1などのディバイスのメーカー型番などは消してありますが本当はIn_以下の部分に詳しく表示されています。)
11) 次は「Clonezilla イメージリポジトリ用のディレクトリブラウザ」という画面になります。私の場合、sdc2を選んだのでその内容が表示されています。いちばん上にあるゴミ箱recycling binが選択されていますが、あらかじめ2)で作っておいたCloneZilla_demoというディレクトリにイメージを保存するので、矢印キーでそれを選びます。選んだらenter。
12)次は保存先の最終確認画面になります。/dev/sdc2[/CloneZilla_demo/]というように、保存先として選んだディレクトリが表示されているので、画面の指示どおり、Tabキーを押してDoneを選択します。そしてenter。するとこの画面の画面下部に黒地に白で保存先の容量と名称などが表示されます(下の画像)。OKなのでenter。
13)画面が替わって、「Clonezilla-オープンソース複製システム(OCS)」の画面で初心者モードを選べる画面となります。デフォルトで選択されている初心者モードを選んでenter。
14)次は「モードを選択してください」 の画面です。「ローカルディスクをイメージに保存」を選びます。enter。(他にパーティションをイメージに保存するモードも選べます。)
15)すると「イメージの保存名を入力してください」という画面になります。西暦と月日からなる保存名がついています。そのままでもいいです。enter。

16)ここからは、 いよいよ保存したいローカルディスク(コピー元)の選択画面となります。私の場合は、sdaとsdbを保存したいのでスペースを押してまずsdaを選択。次に矢印キーで下のsdbを選び、スペースを押してsdbも選択します。選択完了したドライブには先頭に星印*がつきます。17)次の画面は、「Clonezilla 拡張パラメータ| モード savedisk」という画面で、圧縮オプションの選択画面となります。一番上の「zip 並列 GZIP圧縮を使用(マルチコア/SMP用)」でOKなのでこれを選んでenter。(画像は省略しました)
18)次は、ファイルシステムの保存前のチェックの画面となります。これはNTFSシステムを使っているwindowsでは使えません。Linuxなどではチェック可能ですなどと書かれています。今回はディスクに問題はないので、「元ファイルシステムのチェック/修復をスキップする」を選んでenter。

19) イメージ保存後、保存イメージが復元可能かどうかのチェックをするかどうかのオプションです。「はい 保存イメージをチェックします」を選んでenter
20) 画面が替わって、イメージを暗号化しますか?の画面となります。暗号化しないのでそちらを選んでenter。
21)すべての処理の完了後に実行される操作の選択画面です。一番上の「すべての処理の完了時に実行する、再起動シャットダウン他を選択してください」というメニューのままでenter。下に黒地で緑のメッセージが表示されます。確認してenter。
22)すると緑のメッセージの下に、ずらーっとメッセージがならんで表示されます。この中には、これからイメージを作成するドライブについての情報があるので確認しましょう。黒地に黄色の文字で「次のステップは、このマシンのハードディスク・パーティションをイメージとして保存することです。本当に続けてよろしいですか?(y/n)」と聞いてきます。よろしければyを押します。これでイメージ作成が始まります。
23)進行状況の画面がしばらく表示されます。数時間以上かかると思いますので気長に待ちましょう。以下のようにイメージは復元可能ですというメッセージがでたらほぼ完了です。確認してenter。
24)すると次の画面がでます。この画面で矢印キーを使って、電源offを選んでenterで終了です。再起動その他も選べます。

あけましておめでとうございます!2021年迎春

新年あけましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルスに社会がひっかきまわされた一年でしたが、今年はもとの平穏な社会がもどってくることを願っています。元旦の今日は、新型コロナウイルスについて詳しく解説したパンフレットと、トランプ大統領などの治療に使われた新型コロナウイルスに対する抗体医薬品について紹介します。

このブログでもコロナウイルスについては何回か触れましたが、ここに「新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き 第4.1版」という医療関係者向けの厚生労働省発行の手引きがあるのをみつけました。どうやってPCRをやるのかとか、潜伏期間はどれくらいとか、症状や、マスクや消毒の効果などなど、各自の知識に応じて興味深く読むことができる内容です。読むと新型コロナウイルス感染症の全貌がわかるのでダウンロードして手元に置いておくのをおすすめします。

Google検索していたら、以前の記事で紹介したVir Biotechnology社の抗体医薬品は第3相の世界規模の試験に入ったのがわかりました。またニュースによると(英語のリンクです。日本語の記事は以下を参照してください)同じ記事で紹介していたvaccinal effect (おおざっぱにいえば抗体を投与した後、まるでワクチンをうたれたような防御効果がでる現象です)がインフルエンザウイルスに対する抗体に関して確認されたという論文を、同社が雑誌Natureに載せているそうです。このNatureの論文についてはここに日本語による紹介の記事をみつけましたのでリンクしておきます。またこちらにもわかりやすい日本語での紹介があります。この論文ではウイルスや癌細胞を殺す抗体(ウイルスや癌細胞にある特異的なタンパク質や糖鎖に対する抗体で治療用に使う抗体です)の根元の部分のアミノ酸配列に3箇所のアミノ酸配列変異、いわゆるGAALIE突然変異を導入するという手法を使っています。GAALIE突然変異というのは、G236A/A330L/I332Eの変異から “GAALIE”と名付けられた変異のことす。抗体の研究で有名なKabatさんのデータベースでの抗体のアミノ酸配列の番号づけ(EU index in Kabat )で、Fc領域にある236番目のアミノ酸グリシン(G)をアラニン(A)、330番目のアラニン(A)をロイシン(L)、332番目のイソロイシン(I)をグルタミン酸(E)に変化させた抗体を作成することです。

この三箇所の変異を導入した抗体を人工的に作って投与したらインフルエンザウイルスに対する強いvaccinal effectが観察されたそうです。

このGAALIE突然変異によるvaccinal effectはもともと癌の治療薬として使われた抗体の研究で見つかりました。現在利用されている多くの腫瘍マーカーは糖鎖です。膵臓癌や胃癌、大腸癌などの診断に広く活用されている腫瘍マーカーとしてCA19-9(シーエーナインティーンナイン)というのがあります。これは4つの糖が結合した糖鎖でシアリルルイスa (Sialyl Lewis A (sLeA))と呼ばれる糖鎖(シアル酸がついた糖鎖でシアリルルイスエーと読みます)のことです。この糖鎖の発現がこれらの癌で高まることから、この糖鎖は極めて有用な腫瘍マーカーとして、現在臨床検査で活用されています。

この糖鎖と結合する抗体を投与することで癌細胞を殺す治療法が研究されていました。この治療用のシアリルLewis aに対する抗体の根元部分(Fc部分)にGAALIE突然変異を入れた抗体を作って投与すると、vaccinal effectがみられることが発見されて論文になっています。ここにロックフェラー大学の特許へのリンクがあります)。最初に紹介したNatureの論文では、インフルエンザウイルスに対する抗体で、このアミノ酸配列の三か所での改変を行うと、インフルエンザウイルスに対する高い免疫効果がみられたそうです。同様の改変はもちろんSARS-CoV2の治療抗体でも既に実施されています。

このように新型コロナウイルスに対する治療用抗体薬品の開発もすごい勢いで進んでいますので、COVID-19に感染しても抗体で治療することが容易になる日も近いと思われます。ワクチンの開発もすすんでいますし、今回 phase IIIに進んだというのを紹介したFc部分を改変したヒト型モノクローナル抗体も巨力な治療効果が期待されるので、ちょっと明るい希望が見えてきた元旦だと思います。みなさんもどうぞゆっくり休んで英気を養って、コロナにまけないように今年もがんばっていきましょう。

お正月ですので、写真は床の間の掛軸とハイビスカスの花にしました。般若心経の掛軸を飾っています。