2022/09

2022/9/30 アーサー ケストラーをご存知ですか。彼の本には死刑廃止論や鈴木大拙との禅についての論争、「真昼の暗黒」というソビエト批判本、「機械の中の幽霊」という生命科学に関連した本(ホロンの概念の提唱で有名)などがあって多くの読者を得ています。今日は彼の科学関連の著作を少し紹介します。「サンバガエルの謎―異端の生物学者カンメラーの悲劇」 これは獲得形質の遺伝を実証したというウイーンの科学者カンメラーの伝記です。中古本で入手可能です。原著はThe case of the midwife toadというタイトルで、Internet Archiveで以下のリンクから貸出可能です。 https://archive.org/details/caseofmidwifetoa0000koes_e3f4 これは私の先生だった岡田節人先生が喜んで読んで皆に紹介しておられました。「機械の中の幽霊」 日本語訳は中古本で無茶な値段がついています。以下から英語版は貸出可能です。The ghost in the machineというタイトルです。 https://archive.org/details/ghostinmachine0000koes_w6k4「創造活動の理論(上下)」これはThe act of creationというタイトルの創造性についての本です。翻訳が国立国会図書館個人送信資料で読めます。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2979351 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2979352 原著は以下から貸出可能です。 https://archive.org/details/actofcreation0000koes天文学の歴史を扱った本もあります。ギリシャ天文学から暗黒時代、そしてコペルニクス、ケプラー、ガリレオ、ニュートンに至る歴史をたどっている本です。ケプラーの伝記の部分の翻訳も昔でていました。中古本で入手可能と思います。原著はThe sleepwalker : a history of man’s changing vision of the universeという本でこちらから貸出できます。 https://archive.org/details/sleepwalkerhisto00koes 
2022/9/29 「論文執筆/プレゼン資料作成時の参考資料」 というQiitaの記事には、英語論文作成に役立つ良質な資料がまとめられています。 https://qiita.com/k-kawakami213/items/5e7e1ffccbe708e6ac50 例えばマンチェスター大学のAcademic Phrasebankとか、https://www.phrasebank.manchester.ac.uk/ 私が以前推薦したMerriam Websterのオンライン版英英辞典とかhttps://www.merriam-webster.com/ 日本語の論文執筆指南書や文法チェッカーなど多彩な資料が紹介されています。いろいろ掲載されているリンクをクリックしてみてください。役立つサイトです。
2022/9/28 英語の記号の読み方について。 英語で>とか<とかの読み方、@の読み方とかについて迷ったことがありませんか。 すこしまとめておくことにします。英語の単語をいれるとその発音をYouTubeの動画で教えてくれるサイト、Youglishも活用してみてください。https://youglish.com/先ず図の読み方です。Fig.2-1というを英語ではどう読むでしょう。 答え:Figure two dash one と読みます。-はダッシュと読むのですね。電子メールのアドレスで*****@gmail.comと書いてあるとき読み方は? 答え:読み方は、*****at gmail dot comです。@はatと読みます。ではアットマークそのもののことを英語ではどう読むのでしょう。 答え:@をアットマークと読むのは日本流で、英米ではat signとかat symbolというようです。以上とか以下を示すこんなマーク(≤や≥といいます。はどう読むでしょうか。 答え: ≤これはThe “less than or equal to” signといいます。 ≥これはThe “greater than or equal to” signです。 関連した記号の読み方は以下のとおりです。 =は equalsとよみます。equals signです。 ≠はnot equal to >はgreater than <はless than とよみます。他にもいろいろ記号があります。それらの読み方をまとめた「英語 @ めもらんだむ」というサイトも是非参考にしてください。上にあげた記号の別の読み方もわかります。また記号の読み方だけでなく、日付の読み方とかいろんなことを学べるサイトです。 https://memotec.net/etc/mark.html 英語の勉強に小学校の算数の教科書を読んで英語で問題を解くことが薦められていました。(たとえば国立国会図書館の個人送信資料でよめる本:松本享著 英語で考える本など) そんな勉強に最適のサイトがありました。Math is Funというサイトです。 https://www.mathsisfun.com/これは面白いサイトですよ。以上とか以下についてはこちらに説明があります。 https://www.mathsisfun.com/equal-less-greater.html 算数だけでなく数学や物理の記事もあります。またいろんな数学関係ツール集もあって役立ちます。 https://www.mathsisfun.com/math-tools.html このサイトの英語はやさしいので、英作文の練習に使えます。どうするかというと、一つの古くからあるやり方を紹介しておきます。これは明治時代の先人が英語を学ぶのに使った方法だそうです。まずこのサイトのすきなところを読んでそれを日本語に訳しておきます。しばらくしてからその日本語の文章を、原文をみずに自分で英文に直してみてください。自分で書いた英文と、サイトにある原文を比較してどこが間違っていたかを調べると実力がつきます。
2022/9/27 テキストエディタは何を使っていますか?VSCode (Visual Studio Code)は最近よく使われているマイクロソフト製のエディタです。 https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/visual-studio-code/ プログラムを書くのにこのエディタは大変便利です。いろいろ機能拡張が用意されていて、たとえばPython用機能拡張とかR用の機能拡張、そしてMathematicaのWolfram言語用の機能拡張もあります。プログラムを書いた時に全角スペースが入っているところを指摘してくれる機能拡張とか、Pythonプログラムの整形をしてくれる機能拡張とかもあって、とても便利です。書いたプログラムはVSCodeから実行してみることができます。無料ですので是非使ってみてください。使い方は以下の連載などをご覧ください。https://codezine.jp/article/detail/16467
2022/9/26 今日は線虫C. elegansを使って遺伝学を研究しているJonathan Pettitt先生(スコットランドにあるthe University of Aberdeenの遺伝学の教授)の英国Royal Institutionでの講演動画を紹介します。 What Darwin won’t tell you about evolution – with Jonathan Pettittと、いう動画です。ダーウインが進化について触れなかったこと‥‥というようなタイトルです。 集団遺伝学、遺伝的浮動genetic drift、ノンコーディングDNA、スプライシング、トランススプライシングなどダーウィンが知らなかったけれど、進化で重要な概念をとりあげてわかりやすく解説されているようです。私もゆっくり見てみようと思います。 https://youtu.be/7dzoGb-jcW4How did the complexity of life evolve? Was it via finely-tuned natural selection, or a more messy process altogether?https://youtu.be/7dzoGb-jcW414 June 2022の講演で以下のような内容です。0:00 Intro and complexity in the visual system 4:43 Population genetics 5:59 What is genetic drift? 14:46 Where non-coding DNA came from 19:57 Self-splicing introns 22:50 How mechanism that saved eukaryotes 28:00 What C. elegans can teach us about genetics 30:14 How C. elegans translate DNA differently 39:01 Why trans-splicing is important 42:35 Using trans-splicing as a drug target 43:39 Constructive neutral evolution質疑応答も公開されています。 https://youtu.be/TS3uyVtuZGI
2022/9/25 AlphaFold2やAlphaGOで有名なDeepMindではいろいろなAI学習用教材を用意しているそうです。たとえばこちらには、 https://github.com/deepmind/educational 深層学習Deep LearningのためのPython、NumPy講座や、教師あり学習入門、教師なし学習入門、タンパク質の立体構造予測原理の入門講座などすべてGoogle Colabで体験しながら学べる教材各種が用意してあります。 Introduction to Python and NumPy for Deep Learning Introduction to Supervised Learning 1 – Regression Introduction to Unsupervised Learning Protein Folding また大学レベルの講義も公開されていて、 https://www.deepmind.com/learning-resourcesにいろいろ講義が集められています。一例をあげると、 https://www.deepmind.com/learning-resources/reinforcement-learning-lecture-series-2021は強化学習入門講義ですが、スライドをダウンロードして講義を聴くことができます。スライドには役に立つ強化学習の教科書のダウンロードリンクも載っています。 http://incompleteideas.net/book/RLbook2020trimmed.pdf
2022/9/24 今朝、綺麗な宇宙の写真がみられサイトがあることを教えてもらいました。 英国グリニッジ天文台のそばにある、国立海事博物館が毎年開催している宇宙の写真のコンテストの受賞者が9月15日に発表されたそうで、受賞者のきれいな天体写真がネットでもみられます。Astronomy Photographer of the Year 14というコンテストで世界最大の天体写真のコンテスト(14 回目の開催)だそうです。現在この博物館でコンテストの写真の展示会をしているそうで、きれいな照明で照らされた各部門の優勝者の写真がみられるそうです。ネットでは次のリンクからご覧ください。 http://rmg.co.uk/astrophoto past winnersはこちら。 https://www.rmg.co.uk/whats-on/astronomy-photographer-year/galleries/past-winners またhttps://youtu.be/cyz1tEDhySIには受賞者のメッセージビデオがでています。

最初にエリザベス女王の話がでてくるので、一番最初の部分に、この動画は女王のご逝去前にとられたものですという断り書きがつけてありました。月面を横切る宇宙ステーションの写真はどんな人がとったのかとか、よくわかります。アンドロメダの写真で受賞した中国のお子さん、賢そうです。

2022/9/23 Breakthrough Prizesの発表がありました。この賞は2012 にロシア生まれの富豪 Yuri Milnerさんが創設して、現在はMeta (旧称 Facebook)を作った、Mark Zuckerbergその他のインターネットの富豪の夫妻が加わって賞を授与しているものだそうです。Yuri Milnerさんの最近の本はこちらからダウンロードできます。https://breakthroughprize.org/Manifesto今年の受賞者ですが、生物学分野ではまず、 Clifford P. Brangwynneさん( Princeton University, Howard Hughes Medical Institute  and the Marine Biological Laboratory)とAnthony A. Hymanさん(Max Planck Institute of Molecular Cell Biology and Genetics)の相分離生物学の開拓者の二人が選ばれました。膜につつまれていない細胞内小器官を発見し、相分離生物学を開拓した業績です。これは以前のブログの以下の記事をご覧ください。線虫C. elegansのP顆粒という生殖細胞形成の指令役の細胞内小器官が実は膜でつつまれていないものであることを発見した二人です。そしてこの細胞内小器官が液相内での相分離で形成されることを明らかにし、液相内での相分離が、実は核内の転写因子複合体や核小体、アミロイド体、カハール体その他さまざまな小器官形成でも働いているということを明らかにする契機となった、まさにブレイクスルーの発見でした。 https://glycostationx.org/2022/05/09/%e7%9b%b8%e5%88%86%e9%9b%a2%e7%94%9f%e7%89%a9%e5%ad%a6%e3%81%ae%e8%a7%a3%e8%aa%ac%e3%83%93%e3%83%87%e3%82%aa%e3%82%92%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99/For discovering a fundamental mechanism of cellular organization mediated by phase separation of proteins and RNA into membraneless liquid droplets. またこのブログでもよく紹介しているAlphaFold 2の開発者2人も受賞しました。Demis Hassabis(DeepMind)さんとJohn Jumper(DeepMind)のお二人です。 二人はタンパク質の立体構造を予測する人工知能を利用したAlphaFold2を開発、公開してアミノ酸配列がわかれば立体構造が正確に短時間で予測できるようにすることに成功しました。これは構造生物学に革命的進展をもたらしました。 For developing a deep learning AI method that rapidly and accurately predicts the three-dimensional structure of proteins from their amino acid sequence.日本人の柳沢 正史さん(筑波大学)とEmmanuel Mignotさん(Stanford University School of Medicine)は、睡眠に関する病気であるナルコレプシー(過眠症)の原因である脳細胞とその細胞の産生する物質orexin.の発見に対してやはりBreakthrough Prizeを受賞されています。 For discovering that narcolepsy is caused by the loss of a small population of brain cells that make a wake-promoting substance, paving the way for the development of new treatments for sleep disorders. 柳沢先生については以下の先生のweb siteをご覧ください。 https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/research/member/detail/masashiyanagisawa/2023 Breakthrough Prize in Fundamental Physics (基礎物理学)では以下の四名の方が授賞されています。量子コンピュータの開拓者、量子コンピュータのアルゴリズムの開拓者の方々のようです。Charles H. Bennettさん(IBM Thomas J. Watson Research Center) Gilles Brassardさん(Universite de Montreal) David Deutschさん(Oxford University) Peter W. Shorさん(MIT) For foundational work in the field of quantum information.Deutschさんは量子計算の開拓者で日本語に翻訳された本もいくつかあります。「世界の究極理論は存在するか」(朝日新聞社)は有名です。2023 Breakthrough Prize in Mathematics 数学ではDaniel A. Spielmanさん(Yale University)が受賞されています。 For breakthrough contributions to theoretical computer science and mathematics, including to spectral graph theory, the Kadison-Singer problem, numerical linear algebra, optimization, and coding theory.
2022/9/22 弦理論 string theoryというのはどんなものか、素人ながら興味があります。 YouTubeで弦理論って何だろうという動画がありましたので紹介します。東京大学の立川祐二先生の動画です。

https://youtu.be/lFL7YY3R0Lo 先生の他の動画もわかりやすそうです。興味のある方はご覧ください。https://www.youtube.com/user/iroganai/videos こういう高度な理論は実は意外にスピントロニクスとかにも応用できるらしいという噂です。よく知りませんが…。こんな書評とかもあります。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/75/6/75_365_2/_pdf

2022/9/21 様々な科学関係の講義ビデオをあつめてあるGithubサイトがあることを教えてもらいました。Developer-Yという方のサイトです。 コンピューター関係の講義がいっぱいのっているリンク集もありますが、https://github.com/Developer-Y/cs-video-courses (コンピューターサイエンスの講義集)それ以外にも、数学、物理、化学、バイオインフォマティクスなどの講義が掲載されているリンク集も掲載されていて、英語で科学を学ぶためのポータルサイトとして役立ちそうです。 https://github.com/Developer-Y/math-science-video-lectures (数学と科学の講義集)有機化学(organic chemistry) の講義もありました。有名なYale大学の講義で、物理学が好きな人向けの有機化学入門というような雰囲気の講義です。物理系の方にもなじめそうな講義です。もちろん量子化学的な説明が十分なされている有機化学の講義で、フロンティア分子軌道のこともちゃんと扱われています。 https://oyc.yale.edu/chemistry/chem-125a 上のリンクで開くページには、講義の動画がのっています。上のほうのSESSIONSをクリックすると、各回の講義へのリンクが開きます。残念ながら、講義のpptファイルのリンクはきれていました。それでちょっとGoogle検索で探してみると、切れていないリンクが掲載されている新しいページをみつけました。以下のリンクがそれで、このページから講義の各回の講義のパワーポイントファイルや、試験問題、試験問題の解答など教材すべてがダウンロードできます。 http://chem125-oyc.webspace.yale.edu/ これは、じっくり物理的な解説をききながら有機化学に入門するのにはよい講義だと思います。立体化学の講義の回では、パスツールの有名な酒石酸の旋光性の話を詳しく解説してくれています。面白い講義ですので、おすすめします。 ホームの方にのせている写真は今年種から育てて開花したローゼルです。ハイビスカスティーの原料で、ジャムにもなる植物です。
2022/9/20 今日は小学生とZoomで話す機会がありました。ゲームを作ったのでみせたいというので画面共有で、作ったゲームをみせてもらいました。「ゲーム作りで楽しく学ぶ Pythonのきほん」(森 巧尚 著、マイナビ出版)を、だいぶ前からやっていたのでPythonのプログラムかと思いましたが、スクラッチ(Scratch)という小学校のプログラミングで習うソフトでゲームを作ったのだそうです。Zoomの合間にネット検索してみると、ScratchはMIT(マサチューセッツ工科大学=アメリカの有名大学です)のメディアラボが作った無料の教育用のプログラミングツール(8歳から16歳向けだそうです)で、世界中でプログラミング学習に使われているのだそうです。オンラインでも使えますし、自分のPCやマック、携帯などにダウンロードして使うこともできます。こちらをご覧ください。 https://scratch.mit.edu/ 日本の小中学校のプログラミング教育でも採用されているとのことで、NHKでも番組があります。 https://www.nhk.or.jp/school/sougou/programming/origin/playworld.html とても使いやすい開発環境付きのプログラミング言語なので、これでプログラミングを学んでおけば、現在使われているPythonなどのプログラミング言語を学ぶのに大いに役立つと思われます。現在はノーコードのプログラミング言語(以前紹介したOrangeは有名です)も増えていますので、ひょっとしたら将来は、このスクラッチの大人版のようなものを使って、ノーコードでプログラムを書くのが普通になるのかもしれません。スクラッチはそういう時代を先取りしているような気がしています。次の動画はOrangeの紹介です。https://youtu.be/HXjnDIgGDuI

下にはPythonの入門書について以前書いた記事を再録しておきます。下で紹介した本はとっても面白い本だそうです。Python入門にはお勧めの本です。 2022/2/9 小学校からプログラミングの考え方を学ぶようになってきましたね。小学生でPythonとか学んでおけば、たとえPythonがJuliaに替わっても、あるいはMathematicaがもっと普及しても対応できるでしょう。実際につかえるプログラミング言語をさっさと小学校の適当な時期に学ぶのが一番いいと思います。たとえばこんな本はどうでしょう。 「ゲーム作りで楽しく学ぶ Pythonのきほん」(森 巧尚 著、マイナビ出版)という本です。 ちゃんとしたゲームがつくれるので、ABCとタッチタイピングを学びながらプログラムを打ち込んでいけば、小学生でもPythonが学べます。小学1年生でもお母さんやお父さん、あるいは家族と一緒に学べばなんとか読める本です。ゲーム世代には最適の本で、評判の本です。

2022/9/19 今朝の台風は福岡直撃でした。幸い私の近所では被害はなかったようです。風も昨夜鹿児島に上陸した頃から夜半までが最も強かったみたいです。福岡県を通過中は風速30 m/s程度の風だったようで、夜もぐっすり眠れました。去年もそうでしたが、「今まで経験したことのない台風」だの、風速75 m/sの予報だの、いつもながらの気象庁の予告ホームランにはうんざりします。この頃は、昔のように台風の中心に飛行機がとびこんでいって観測したり、ラジオゾンデをばんばん飛ばして観測したりはしないようです。その代わりに衛星からみた雲の形や状態、レーダーでの観測などのデータをつかって理論モデルで台風の中心気圧とかも推定しているそうです(ドボラック法)。 http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/dvorak.html.ja このところ大きい台風が毎年くるようになったのではなくて、得られたデータと、それから推定したデータから台風の状態を予測するアルゴリズムがおかしいのではないかとさえ思うような、外れ続発です。毎回毎回打席に立っごとにバッターが予告ホームランを宣言しては、だれも信用しなくなります。数十年に一度の水害とかいう表現も、毎年毎年、数十年に一度の災害が迫ってくるようで、聴いていて不快になるばかりです。毎回毎回念のためにと、当らない警報を出し続けることを止めて、なんとか予測精度の向上に努めてもらいたいものです。すくなくとも今年や去年のような空振りの警報(台風にかぎらず水害でも続発しています)がなぜ出されたのか、その再発防止策はどうするのかなどはちゃんとNHKなどで発表、公表してもらいたいものです。そうすれば予算が不足しているのがわかるかもしれません。写真は、昨日の台風接近前に、朝から我が家の波板に避難していたカマキリです。今朝とった写真ですが、昨日から今朝までずっと同じところにいて、御昼過ぎにはいなくなっていました。虫もちゃんと避難しているのですね。
2022/9/18 今夜は暴風雨になるようですので、ブログも早めに更新します。線虫講習会のお知らせです。私もこの春まで委員をつとめさせていただいていたナショナルバイオリソースプロジェクト線虫 (NBRP線虫)の運営委員会で、初心者向けの線虫講習会をすることが決まりました。現在では、高校の先生が教材として線虫を利用したいという要望や、企業の方が動物愛護の3Rsの観点から代替実験動物として線虫を使いたいという要望もとみに高まってきています。この要望にこたえるため初心者向けの線虫の扱い方の基本を体験していただく講習会を12月14日〜15日で計画しているとのことで、お知らせします。 https://nbrp.jp/wp-content/uploads/2022/09/Celegans_training.pdf 申込みフォームはこちらにリンクがあります。 https://nbrp.jp/public/event/training/event-221214/ 
2022/9/17 2022/1/5の以下の記事で紹介した無料で利用できる動画編集ソフトDaVinci Resolveについて、日本語のマニュアルが追加されたようです。こちらからダウンロードできますので、興味のある方はダウンロードしてみてください。編集の方法のマニュアル「DaVinci Resolve 17のエディターズガイド」が新たに追加された日本語版のようです。この編集ソフトはversionが18になっていますが、17の解説でも十分役立ちそうです。 https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve/training#books以下の前の記事にあるリファレンスマニュアルのリンクは今は見つけにくいので、下の記事のリンクからリファレンスマニュアルはダウンロードするとよいでしょう。(2022/1/5の記事) 動画編集にはどんなソフトを使っていますか?以前、Scientific Americanという雑誌をパラパラみていたら、DaVinci Resolve  17という動画編集ソフトの広告がでていて、ハリウッドで使われているソフトで、なんと無料で利用できるとありました。Blackmagic Design Pty. Ltd.社の製品ですが最近日本語のリファレンスマニュアルが無料で公開されているのを知りました。チュートリアルとかも充実しているので時間のある方は試してみるのもいいと思います。Windows, Mac-OSX, Linux対応のソフトです。HDビデオの編集程度ならさほど高スペックなコンピュータはいらないもようです。 
2022/9/16 今日は有機化学の理解に役立つYouTubeチャンネルを紹介します。もろぴー有機化学・研究ちゃんねるというチャンネルで学習院大学の諸藤 達也先生の動画チャンネルです。諸藤 先生はこの動画チャンネルでの「動画配信による大学有機化学教育の普及」をたたえて、日本化学連合主催の化学コミュニケーション賞 2021(個人)が授与されています。 こちらが再生リストです。 https://www.youtube.com/channel/UCVdqfcGIhXFEe4JDV97X1ig/playlists こんな動画もあります。 https://youtu.be/aNn3rdJU6mE

初歩からの解説もあります。 https://youtu.be/IEnL_s5HH6k

2022/9/15 ホームのほうに、昔 私が学生の頃に参加したセミナーで聞いた、驚きの発言について書きました。研究倫理の教育の重要性が納得できる話だと思いますのでご覧ください。
2022/9/14 YouTubeで量子生物学の番組を探していたら、以下の動画の右に表示されるおすすめに https://youtu.be/wN1vLuNPsfk

AcademicLessonというチャネルのQuantum Mechanics Full Courseというのが表示されていたので見てみました。これはなんと一つの動画が11時間42分余りの動画です。 https://youtu.be/hyctIDPRSqY

ほかの動画リストもみてみると、https://www.youtube.com/c/AcademicLesson/videos 量子力学のadvanced レベルの講義や、線形代数、量子力学のための線形代数、解析学や代数学、グラフ理論、Rを使って学ぶ深層学習Deep Learning with R、LaTex入門コース、Data science with Python course for beginners、近代物理学入門、Git入門などなどいろんな面白そうなコースが満載でした。すべて無料ですので手軽に学べて役立ちそうです。 最初の量子生物学のビデオは、the Quantum Biology Tech Lab (QuBiT) at UCLA on Quantum BiologyというCalifornia NanoSystems Institute at UCLA(カリフォルニア大学ロサンジェルス分校) https://cnsi.ucla.edu/about-us/what-is-cnsi/ が去年創設した量子生物学の推進を目指した研究所の所長Clarice Aielloさん(an assistant professor of electrical and computer engineering)による今年三月に行われたzoom 会議の記録です。この研究施設については次のNatureの記事も参考になります。https://www.nature.com/articles/d41586-020-02463-6 彼女のサイトもご覧ください。https://samueli.ucla.edu/people/clarice-aiello/ また、こんなサイトも参考になりそうです。世界の量子生物学センターのリストです。 https://www.theguyfoundation.org/quantum-biology-centres/ このリストがのっている The Guy Foundation Family Trust website (私設の財団のようです)のサイトには他にも量子生物学についての情報(有用なテキストのリストとか、動画、論文の一覧など)がいろいろのっています。 https://www.theguyfoundation.org/useful-reading/

2022/9/13 私が糖鎖生物学の研究をはじめたのは、両生類であるアフリカツメガエルの卵母細胞や受精卵、初期卵割胚の細胞表面にB型血液型物質が存在しており、B型血液型物質が初期胚の細胞接着に働いていることを発見したのがきっかけです。それでABO 式血液型物質には特に興味をもっています。今日は植物にもABO式血液型物質が存在するのかというお話です。以前、糖鎖生物学の入門書籍で植物にもABO式血液型があるという話を読んだことがあります。たしかカエデは紅葉する前後で血液型物質の種類が変わると言う話だったと思います。多くの糖鎖生物学の入門書は、退職の時に学生さんにあげたり図書館に寄贈したりしたので、どの本で読んだのか思い出せません。血液型物質の研究で有名な山川民夫先生に、懇親会で植物がABO型の血液型物質をもっているって本当ですかと質問したことがあるのですが、そんな話はきいたことがないというお答えでした。Google検索では、「植物の血液型」で検索するといくつもweb pageがヒットして植物にも血液型があると書いてありますが、文献があげてないので真偽不明です。さっきおもいついて、国立国会図書館のデジタルコレクションの全文検索で、「植物の血液型」というキーワードで検索すると論文がヒットしました。もちろん植物が血液をもっているわけではないので、ABO(ABH)式血液型物質(の糖鎖構造)が存在するかを血液凝集活性阻止実験や吸収実験で確認している論文です。 「植物の血液型学的研究-4-抗H,抗A,抗B凝集素を阻止する高等植物の種子と果実について / 山本茂 ; 森岡ハツ 」科学警察研究所報告. 30(2)(118号) 86-93 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1781133/8 「植物の血液型学的研究-5-ABO式血液型様活性を有する野菜,果物,香辛料の血清学的性状 / 山本//茂」 科学警察研究所報告. 34(4)(136号) 191-196 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3390226/3カエデなどにH型物質(これがO型物質のことです。)やA型物質、B型物質が存在すると書かれています。いろんな植物、種、果物、野菜などでの検索も行われています。 論文が見つかって安心しました。ABH式血液型物質については、これからいろいろ解説していく予定です。
2022/9/12 学習院大学の田崎晴明(たざき はるあき)先生の物理数学の教科書 「数学:物理を学び楽しむために 」が9月2日に改訂されています。https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mathbook/ 目次をご覧になるとわかりますが、微分、積分、常微分方程式、線形代数、偏微分や場の量の微分と積分など。基本的な物理数学がわかりやすく解説されています。また統計力学IとII(培風館、新物理学シリーズ) https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/statbook/index.html への修正のweb pageが9月10日更新されているほか、 https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/statbook/errata.html 統計力学Iの一部さしかえ用のpdfもアップロードされています。 https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/statbook/files/RevP77.pdf https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/statbook/files/RemP77.pdf 田崎先生は他に熱力学の教科書も書いておられますが https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/td/、これもきめこまやかな出版後のfollow upがされています。 また量子力学についても第二量子化の解説その他、有益な記事を公開されています。 https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/qmbj/ 動画とかもいろいろ公開されているので先生のホームページ https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/indexJ.htmlでご覧ください。勉強になります。https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mgr/2021_qm1/とか https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mgr/2020_qm3/とかが面白そうです。

https://youtu.be/v-auy9yseJ0

2022/9/11 「デモクリトスと量子計算」(森弘之訳、Scott Aaronson著)という本がでています。https://www.morikita.co.jp/books/mid/087201 訳者の森先生は東京都立大学の教授でブルーバックスの「二つの粒子で世界がわかる」https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000322626を書かれた先生です。この本「デモクリトスと量子計算」の著者Scott Aaronsonさんは、現在テキサス大学(Austin)のコンピューター科学部の教授で、量子情報センターの所長をしておられる先生です。以前はMIT(マサチューセッツ工科大学)のElectrical Engineering and Computer Scienceで9年ほど教えておられたそうです。量子コンピュータに何ができて何が限界かを研究しておられる専門家だそうです。 https://www.scottaaronson.com/ 上のホームページにリンクが載っていますが、最近、先生の学部向け講義のノートが公開されました。最近公開されたのはIntroduction to Quantum Information Science II (undergraduate, 2022)という講義の講義ノートのpdfで、以前公開されていた講義Introduction to Quantum Information Science (undergraduate, 2016)の講義ノートの続きになっています。まず2016年の講義ノートから勉強してくださいとのことです。 https://scottaaronson.blog/?p=6685 2016年の講義ノートのほう(2018年発行)を読み始めてみると、大変わかりやすい講義ノートのようです。Church-Turing Thesisとは何か、という解説から始まっていますが、わかった気にさせてくれる説明でした。二重スリットの実験の話が次に続いていて、読みやすい講義ノードです。興味のあるかたは一度ダウンロードして読んでみてください。
2022/9/10 今日は中秋の名月です。ここ数年 福岡では、中秋の名月は雲に隠れてちらっとしかみえなかったり、雨だったりしたのですが、今日は快晴で丸い美しい満月を堪能できました。(15夜の月は必ずしも毎年満月とはかぎらないのです) 東の山から高く上った月の左下には、木星がでていました。今日は数学関係の本を二冊紹介して寝ることにします。 一冊目は、今日AmazonのKindle unlimitedで偶然見つけた本です。「世にも美しき数学者たちの日常」(二宮敦人著、幻冬舎2019年)という本で、日本の数学者の方々(黒川信重、加藤文元、千葉逸人、高瀬正仁など著名な数学者や数学教室講師、芸人などへのインタビューが集められている本です。 https://www.gentosha.co.jp/book/b13642.html 最初に九州大学におられた高瀬正仁先生(九大名誉教授)のインタビューを読みました。先生とは残念ながらお話したことがないのですが、岡潔やガウス、リーマンなど数学史に名を刻んでいる数学者の原著の解説本や数学史の本、岡潔の伝記など様々な興味深い本を書かれている先生です。現代数学は間違った方向にいってしまっていて、しょうむない問題を設定してそれを高度な数学を構築して解いているというような現代数学批判の発言が収録されています。鶴亀算の解き方を例にとって、亀がぱっと二本足で立ったとしたらというアイデアで問題を解くのが岡潔やオイラー、リーマンの情緒の数学、鶴亀算から連立方程式を考案して、一般化して様々な問題が解けるようにするのがカルタンなどが創始した現代数学だという話をされています。高瀬先生がなぜ数学史や偉大な数学者の原典解説本を著されているかがよくわかりました。他の先生がたへのインタビューもとても面白そうでこれから読んでみようと思います。もう一冊は、「ガロアの夢―群論と微分方程式」(久賀道郎 著 日本評論社)という本です。東京大学教養学部のゼミナールで行われた講義の記録という本で、名著という評判の高い本です。これは購入しなくても国立国会図書館の個人送信資料で読めます。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1383206 こちらでパラパラ眺めてみて読めそうだったら読んでみてください。私は昔 紙の本を購入して読み出しましたが、挫折中です。
2022/9/9 今日は以前紹介したことがあるサイト 科学図書館 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/scilib.html#top にある本をいくつか再紹介しておきます。是非サイトを訪れてダウンロードして読んでみてください。私は、パスツールの「自然発生説の検討」を高校の時によんで感動しました。このサイトには国立国会図書館の個人送信資料でよめる本もはいっていますが、その場合でもTexでくみなおされたpdfは、個人送信資料のみにくいスキャン画像を凌駕しています。『数学史散策」(増補版)村田全 『科 学の価値』ポアンカレ・田辺元訳 『科学者と詩人』ポアンカレ ハーヴェイ 『動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究』 ルグロ 『科学の詩人――ファーブルの生涯』 ダーウィン 「人 及び動物 の表情について」〔改訂版〕 パストゥール 「自 然発生説の検討/自然発生について」 アーレニウス 「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」〔改訂版〕寺田寅彦訳 オストワルド 「エネ ルギー」 全面改訂版。 『量 子力学史」(改訂版) 天 野清の主著。 「熱輻射論と量子論の起源(改訂版)」天野清 「光 と生命」(N・ボーア著) 「物理学序説〔改訂版〕」寺田寅彦 (物理学の哲学的考察を目指しながら、惜しくも 未完に終わった論考。附録として「自然現象の予報」をつけた)以前の記事はこちらです。 https://glycostationx.org/2018/06/06/%e7%84%a1%e6%96%99%e3%81%ae%e7%84%a1%e6%96%99%e3%81%ae%e7%a7%91%e5%ad%a6%e3%81%ae%e6%9c%ac%e3%82%92%e3%83%80%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%89%e3%81%97%e3%81%a6%e8%aa%ad%e3%82%81%e3%82%8b/ 
2022/9/8 東京大学の進矢 先生の研究室ホームページ http://enzyme13.bt.a.u-tokyo.ac.jp/fushi/index.htmlと twitterをときどき拝見して勉強させてもらっています。 https://nitter.net/sugargroove 今日みた先生のtwitterでは論文で%や℃の前にスペースをいれるのかどうかということについて議論されていました。 一般に単位で測る量を論文に書くときは、単位の前にスペースを入れるのが原則です。これは数字のあとのスペースが、掛け算を意味していると考えるとわかりやすいです。プログラミングでスペースは乗算を意味するので、なじみやすい解釈ですね。ということで30 kmとか100 mAのように、測定値のあとにスペースをいれて単位を書き込むわけです。それから唯一の例外は、角度を表す度(°)と分(′)と秒(″)でこれはスペースなしで使いなさいと教えてきました。また単位ではない℃や%を使う時には、数字のあとにスペースを入れてはいけませんと教えてきました。27℃とか100%とか書きなさいということです。しかしtwitterの議論によると、最近では、この℃と%の前にもスペースをいれなさいという規則ができてきたようです。 国際度量衡局(BIPM)の決めたSI単位系の使い方の基準 国際単位系(SI)という冊子によると、℃もパーセントも共に数字の後にスペースをいれるそうです。こちらからhttps://www.bipm.org/en/publications/si-brochure 冊子をダウンロードして5.4.7節や5.4.3節をごらんなさい。 SI Brochure: The International System of Units (SI) pdfファイルへのリンクはこちらです。 The International System of Units – 9th edition – Text in English (2019) https://www.bipm.org/documents/20126/41483022/SI-Brochure-9-EN.pdf 日本語版は計量標準総合センターのサイト https://unit.aist.go.jp/nmij/ の以下にあります。SI文書第9版(2019)日本語版及び関連資料 https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/index.html pdfへのリンクはこちらです。 https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_r.pdf 正誤表もご覧ください。 https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/20220714_seigohyo.pdfでもいまのところ、℃と%の前にスペースを入れない流儀が生命科学系では主流みたいです。また、角度の表記についてのスペースをいれないという例外慣習は、国際単位系の冊子でも守るようにと書かれています。
2022/9/7 YouTubeをみていたら、右のほうにでてくる おすすめ動画に大隅 良典先生の講演「半世紀の研究を振り返り、コロナ禍に思う ー基礎科学の大切さと魅力ー」が表示されたので見てしまいました。基礎研究の大切さをうったえる先生のこの講演動画をおすすめします。大隅先生は福岡の高校、福岡高校(通称 福高)の卒業生です。ノーベル賞をもらわれたあと、母校の復興で講演されたと聞いています。 https://youtu.be/8IGJ802yYPI

東京理科大学創立140周年記念講演会・招待講演「半世紀の研究を振り返り、コロナ禍に思う ー基礎科学の大切さと魅力ー」 東京工業大学 栄誉教授 2016年ノーベル生理学・医学賞受賞 大隅良典氏の動画です。細胞周期研究、液胞研究、オートファジー研究の歴史をふりかえり、基礎研究の軽視に警鐘を鳴らしておられます。

2022/9/6 こちらでは台風11号の被害はあまりありませんでした。福岡は暴風域がかすめたので風はすごかったです。でも対策が進んでいるのか、いつも台風が通過したあとにみられる倒れた屋根の上のアンテナとか、カーポートの波板がはがれているというような風景はみかけませんでした。直撃の台風でなくてよかったです。私の家では南風で郵便受けの蓋が外れて飛んで落ちたくらいの被害でした。あとはご近所の庭の木が風で傾いたり、草花が倒れたりしていました。温帯低気圧になったようですが、北日本の皆様も被害がないことを祈っています。さて、今日はYouTubeをみるときの広告を消す機能拡張を紹介しておきます。Braveのブラウザではなにもせずとも広告は自動で除去されます。FirefoxではAdBlocker for YouTube™という機能拡張https://mybrowseraddon.com/adblocker-for-youtube.html をあらかじめ入れておくと、広告は表示されなくなります。いつもでてくる英文文法チェッカーの広告とかがなくなるので快適です。たとえばこんな動画をみることができます。 https://youtu.be/B8WnCAOcheMhttps://youtu.be/B8WnCAOcheMこの動画は以下のチャンネルの動画の一つです。人気のチャンネルだそうです。マイクロソフトのエディタのVSCodeの入門動画ですね。 https://www.youtube.com/channel/UC5Kgc_HNzx4GJ-w4QMeeKiQ/playlists VSCodeのプログラミング用のおすすめ機能拡張については以下のQiitaにでている記事をご覧ください。とても参考になります。 https://qiita.com/KNR109/items/5f933df1292564e6dc70 下の動画はMRC LMBの動画です。これも見る時に広告がでます。私はヘッドホンを使っているので広告がでてもヘッドホンを外すだけですけれど‥‥。 https://youtu.be/D8xv_pJvD1g
2022/9/5 今日は福岡に台風が接近しています。夕方、玄関でガシャーンとガラスの割れる音がしました。あわてていってみると飾ってあった額が風で落ちてガラスが散乱していました。たいした風も吹いていなかったので玄関を網戸にしていたのが悪かったのでした。突風が突然吹き込んできたようです。 天気予報をみると、台風の風向きをベクトル場のように動画で表現した画面で解説している場面をよくみかけます。それによると今夜は台風の風は南から吹き付けてくるそうです。ニュースでやっているような、ベクトル場表示の風向き地図はこちらで見ることができます。 https://earth.nullschool.net/jp/ NHKもdigital earthというのを作っているはずなんですが、今夜はみつけられませんでした。このサイトでは風向きの他、海流や波浪も動画表示で見られます。また気温やオーロラとか、湿度、降水量などなどいろんな情報が地球儀上でみられますので面白いです。みたいももは、下の写真の左下にあるearthという部分をクリックすると選択窓が開くのでそこで選べます。Copyright (c) 2022 Cameron Beccario 詳しくはこちらでどうぞ。 https://earth.nullschool.net/jp/about.html
2022/9/4 Mathematicaを使って量子力学を学ぶための教科書の紹介をホームに書きましたのでご覧ください。無料で公開されている、量子力学をMathematicaを使って学ぶという教科書については以前紹介しました(ホームの方の記事の末尾にペーストしておきますのでご覧ください)。別の先生の教科書をみつけたので紹介しておきます。Daniel V. Schroeder先生(アメリカのオレゴンにある大学の先生のようです。Department of Physics and Astronomy,Weber State University のMathematicaを使った量子力学の講義本(ドラフト版でNotes on Quantum Mechanics (unpublished, 2022) という本です。a draft textbook for a one-semester undergraduate course in Quantum Mechanicsと書かれていますが、次のweb pageにあるリンクからダウンロードできるので、ご覧ください。https://physics.weber.edu/schroeder/quantum/QuantumBook.pdf この先生のページhttps://physics.weber.edu/schroeder/#booksにはMathematicaを使った量子力学の講義がいかに優れているかを紹介している次の動画もありますのでご覧ください。Liberating undergraduate quantum mechanics through computation (21-minute video of talk for AAPT summer meeting, 2021)という動画です。 https://1533221.mediaspace.kaltura.com/media/Liberating+undergraduate+quantum+mechanics+through+computation/1_ta4qsdny他にもhttps://physics.weber.edu/schroeder/software/には、物理の教育用のソフトがおいてあります。分子動力学のデモソフトとかいろんなソフトもありますので面白いと思います。
2022/9/3 今日はThe 24th Collegium for Comparative Glycomics(毎年開催されている比較グライコーム研究会の国際的な新しい名称です)にオンラインで参加しました。興味深い講演ばかりでしたが、長崎国際大学の藤井 佑樹先生のお話のなかにブリコラージュ bricolageという言葉が紹介されたので、皆さんにも紹介しておこうと思います。これはノーベル賞を授賞したFrançois Jacob( フランソワ ジャコブ)が進化の機構として紹介した概念です。藤井先生によると、Jacobの本  The possible and the actualにのっているとのことで、さっそくInternet archiveで探してみました。貸出可能な本でこちらから借りられます。https://archive.org/details/possibleactual00fran 本の中身を検索するとbricolageではヒットしませんがbricoJageでヒットして以下の記述がでてきました。(OCRしたテキストを検索しているのがわかりますね!) Page 34 In contrast to the engineer, evolution does not produce innovations from scratch. It works on what already exists, either transforming a system to give it a new function or combining several systems to produce a more complex one. Natural selection has no analogy with any aspect of human behavior. If one wanted to use a comparison, however, one would have to say that this process resembles not engineering but tinkering, bricolage we say in French. While the engineer’s work relies on his having the raw materials and the tools that exactly fit his project, the tinkerer manages with odds and ends. Often without even knowing what he is going to produce, he uses whatever he finds around him, old cardboards, pieces of string, fragments of wood or metal, to make some kind of workable object. As pointed out by Claude Levi-Strauss, none of the materials at the tinkerer’s disposal has a precise and definite function. Each can be used in different ways. What the tinkerer ultimately produces is often related to no special project. It merely results from a series of contingent events, from all the opportunities he has had to enrich his stock with leftovers. In contrast with the engineer’s tools, those of the tinkerer cannot be defined by a project. What can be said about any of these objects is just that “it could be of some use.” For what? That depends on the circumstances.生物の進化におけるイノベーションは、技術者が一から設計するようなイノベーションではなくて、生物が既にもっているもの=既存のシステムに新しい役割をわりふったり、あるいは既存のシステムをいくつか併せて新しい複雑なシステムに仕上げたりすることで実現するというのです。これはちょっとした手直しをして道具を改良したり修理したりする作業(tinkering)=鋳掛屋仕事といえるものであり、これをフランス語でbricolageというのだというようなことが書いてあります。Jacobのインタビューでbricolageに触れているYouTube番組はこちらです。英語字幕付きです。https://youtu.be/P5TNjLzy6QI ホメオティック遺伝子とブリコラージュというフランス語のインタビューです。

このサイトWeb of Stories – Life Stories of Remarkable Peopleには有名な科学者のインタビューがいろいろあります。 https://www.youtube.com/c/webofstories/playlists Brennerさんとか、物理学者のフリーマンダイソン、コンピューター科学者のKnuthとかいろんな方の話が聴けますので一度みてみるとよいでしょう。

2022/9/2
京都大学の京都大学図書館機構から小冊子「あなたのための推薦図書」 vol.1~vol.3が発行されました。学生がこんなことを学ぶのにいい本はないか、こういう目的にかなった本はなにかないかなどを図書館にリクエストして、大学院生のスタッフが答えた内容をまとめたパンフレットだそうです。たとえば圏論の入門書でいいのはありませんかとか、Pythonのいい入門書、テキスト処理のいい入門書なども含まれています。哲学のいい本、生命科学のよい入門書などなどいろいろな本の紹介が読めます。これはよくある、先生が推薦するおかたい名著をあつめたものではないので、ダウンロードしてゆっくり眺めてみると とても参考になると思います。こちらからダウンロード可能です。 https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1394993
2022/9/1
9月になりました。8月の末に、一年に一回受講することが大学できめられているeLearningの受講をすませました。日本学術振興会の「研究倫理eラーニングコース」というオンライン研修です。登録すればどなたでも受講できるそうです。 https://elcore.jsps.go.jp/top.aspx その内容は別途発行されている 「日本学術振興会『科学の健全な発展のために』編集委員会編『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』 丸善出版株式会社、2015(平成27)年」にもとづいているそうです。ですから登録が面倒な一般の方はこちらから https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/rinri.pdf pdfをダウンロードして読まれるとよいと思います。大学や研究所に所属しているかたはすでに受講を済ませておられるか、あるいはそのうちに受講指示がきて受講することになるので、個人で登録して受講する必要はないと思います。私は九大時代から結構な回数受講しています。昔と比べると、内容は徐々に改良されているのがわかります。以前こうしたeLearningの中にしばしば無批判に含まれていた、物理学者ミリカンのcherry picking疑惑とかメンデルのデータ操作疑惑の話(いずれもしっかりとした反論がなされていて、研究不正の例にするには問題がある話でした)などはこのeLearningの内容には含まれていませんでした。学生や研究者、事務の方などは受講が義務付けられていることが多いと思いますが、一度は受講しておくとよい内容の研修です。科学に興味がある一般の方もいちどはpdf版に目をとおしておかれることをお勧めします。研究不正といえばこんなYouTube番組がありました。音声読み上げソフトをつかった動画で聞き取りにくいので、私は音を消して字だけを読むようにして視聴しようと思います。 https://youtu.be/OtXTv9KF1eY

この動画シリーズにもとづく本で、Kindle unlimitedに含まれている「奇書の世界史」という本にも収録されていますので、「ゆっくり」と俗称される音声読み上げソフトの声が嫌いなかたは、この本を読まれても良いと思います。とても面白い本なので一読をおすすめします。