田崎晴明先生のオンライン講義『非平衡統計力学入門:現代的な視点から』をおすすめします。

私が九州大学の生物学科に就職したときの学部生向きの授業には、不可逆過程の熱力学入門の講義がありました。Prigogine, I. (1955). Introduction to Thermodynamics of Irreversible Processes. Springfield, Illinois: Charles C. Thomas Publisher.が教科書に指定されていて、生物学科の大学院を受験する学生はこんな勉強もしているのかとびっくりした覚えがあります。私は授業をうけることはできなかったのですが、いつかはこういう分野も理解できるようになれたらなと思ったのを覚えています。
さて、それからずいぶん年月がたって、現代では非平衡の統計力学入門という講義もオンラインで聴講できる時代になりました。おすすめの講義が以下のものです。

学習院大学の田崎晴明先生がオンライン講義をYouTubeにアップロードしてくださっています。NEJ00 田崎晴明『非平衡統計力学入門:現代的な視点から』
Hal Tasaki / 田崎晴明 https://youtu.be/uowGMIQzabk

日本語の講義と英語版の講義があって、後者は日本語版のあとに収録されているのでより詳しくなっているところなどもあるそうで、興味がある人は英語版もみるといいでしょう。講義全体についてはこちらに詳しく紹介されています。
https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/OL/ne/j/
に講義全体のリストがあります。スライドもダウンロードできます。ランジュバン方程式やアインシュタインのブラウン運動の理論ではじめる旧来のスタイルではなく、現代的にもっとも初学者にわかりやすいと思われるスタイルで講義を設計してくださっているそうです。まず最初にJarzynski等式やゆらぎの定理というモダンな題材からはじめて、最後によりむずかしいランジュバン方程式やアインシュタインのブラウン運動の理論を解説するという講義になっています。昨日全編アップロードが完了したようですので以下の動画リストなどからも視聴できます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLYhBJtIRxi8wcev2MDStS7odXx8upSNT8
英語版はこちらです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLYhBJtIRxi8z0sxhuKCZ3HZK0GZUAlrKg

ログインなしでtwitterを使う方法。悪質サイトにひっかかりました!

twitterはtweetの中からtweetへのリンクが張ってある場合は、下に紹介しているtwilogからtweetリンクが開けるようになっているみたいです。しかし依然として、アカウントをもっていない私などはtweetを読むことはできません。twilogなどでみると、やはり企業や公共団体が公報用に活用していたtwitterはもはや無用の長物になっている状態のようです。Google検索にもヒットしづらくなってきており、 twitterを止めてblueskyへ移動中の人や、ブログにするという人などが増えている模様です。

私が今、twitterを読んでいる方法を紹介します。日本のアカウントなら、twilog (ついろぐ)というサービスにアカウント名をいれると ついろぐに登録している方のtweetは読めます。ただ登録していない人のtweetは読めません。奥村先生は登録されているので、こちらtwilogからtwitterを読めます。
https://twilog.togetter.com/h_okumura

みなさんのお気に入りのアカウント名をいれてみて、読めればラッキーという状態です。

あと、外国の人や、twilogで読めない人のtweetを読めるサービスというのがあるのですが、以下のような怪しげなサイトなのでurlは紹介しません。このサイト、FirefoxやiPhoneでは問題なくアクセスできてtweetの本文(画像はだめです)は読めるのですが、Chromeではとんでもないことになります。サイトにアクセスすると、写真の様なポップアップがあらわれるように設定されているサイトだとわかりました。Firefoxや携帯などでは普通に読めるので、Chromeでもちゃんと読めるはずだと思い、画面がかわってでてきた「ロボットでなければ押して」という許可ボタンを押したところ、速攻であなたのPCはウイルスに感染しているとか、マカフィーでスキャンしろとか、Microsoftに電話をかけろとかいう表示がでてきました。

通知を許可するボタンを、別の名前に偽装しているようです。上の左の写真のようなポップアップがうるさくでてくるので、右上の×印を押しました(これは押してはいけないと後で後悔しました)。しかしそのポップアップが消えるだけで、右の写真のような別の表示が続々とあらわれてポップアップは消せません。サイトにアクセスしたとたんに他人のPCがウイルスに感染しているかが速攻でわかるわけもないので、悪質なサイトにひっかかったとわかりました。これはChromeの通知機能を利用してポップアップをだしているので、Chromeを閉じれば消えます。しかしChrome を再起動するとまたあらわれますので、通知を送ってくるサイトを設定でブロックすると二度とでなくなります。こういったサイトにひっかかったときの、通知のブロックのやり方はこちらのサイトに詳しく書いてあるので参考にしてください。https://fkc-door.com/tools/1888/#Google_Chrome
通知の許可やブロックの設定画面は、Chromeのアドレスバーにchrome://settings/content/notificationsと入力すると開くこともできます。こちらが簡単だと思います。

ろくでもないサイトにひっかかったものです。私はFirefoxの最新版をつかっていますが、Chromeは最新版でアクセスしてもサイトにアクセス直後に、ロボットでない場合は許可を押してくださいという画面がでて、許可をおすとそれが通知を許可することになるという仕組みだとわかりました。私はChromeはあまり使わないのでセキュリティの設定がデフォルトのままなのが悪いのだと思いますが皆さんも注意してください。ブラウザのBraveはさすがにこのサイトからのトラッカーや通知をしっかりBrave shieldで自動でブロックしてくれていました。この件でみるかぎり、BraveはChromeの拡張機能が利用できるうえに、安全性はChromeより格段に高いようです。今回のような怪しいサイトにアクセスするときにはBraveやFirefoxの最新版あるいはTorがより安全だという話です。

ChatGPT 時代の英語論文作成法のサイトと、英文校正用プラグインを紹介します。

今日はまず、ChatGPT時代に対応した、英語での論文の書き方についての素晴らしいサイトを紹介します。
臨床研究論文作成マニュアル(旧JEMNet論文マニュアル)というサイトです。
http://gotoresearch.jp/wp/
著者は後藤匡啓(Goto Tadahiro)先生で、初心者むけに懇切丁寧に研究の仕方と論文の書き方を手取り足取り解説してくださっています。
pdfファイルは有料で販売されているようですが内容が古いもので、最新版は無料でオンラインで読めるようになっています。
臨床研究論文とタイトルにありますが、生命科学系の大学生、大学院生、現役の研究者にも最適の解説サイトです。私の学生にも読ませられたらよかったのにと思います。是非読んでみてください。人生が変わるかもしれません。
先生の自己紹介はこちらです。http://gotoresearch.jp/wp/?page_id=38
後藤先生は羊土社から「僕らはまだ、臨床研究論文の本当の読み方を知らない。」という本も出しておられます。この本も、生命科学系の学生、研究者にお勧めできる本だと思います。試し読みできるので羊土社のサイトでご覧ください。
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758123730/

つぎに、ChatGPTで英文校閲をするためのChromeやFirefox用の機能拡張 editGPTというのを見つけたので紹介しておきます。https://www.editgpt.app
私は使ったことがありませんが、よさそうです。Grammarlyとの比較も参考になるでしょう。
https://www.editgpt.app/chatgpt-v-grammarly

類似のChrome用の機能拡張TrackChangeGPTもあるようで、以下のサイトをごらんください。https://ai-popularizer.tech/trackchangegpt/
このサイトの他の記事も参考になります。
TrackChangeGPTのデモ動画はこちらです。https://youtu.be/KyHWohvCE3w

相分離生物学の観点からゲノム構造と機能を研究する研究会(2022 年夏の学校の動画)が面白そうです。

twitterはまだ復旧しませんね。新刊告知とか災害情報、公共の告知などに自治体や企業も活用していたサービスですので、一刻も早くログインなしでもtweetを見られるように戻して欲しいものです。

さて、今日は相分離生物学に関する良いセミナーを紹介します。
ほぼ一年前に開催されたゲノムの構造と機能についての夏の学校で、主に相分離生物学の観点からの研究講演会です。

2022 International Summer School & Genome Architecture and Function Workshop
http://physicsoflivingsystems.org/events/genomearch2022/
以下のYouTubeのプレイリストから動画をみてください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8GO9vYZtRvgYJx8tOLUIqlT74sU5tBff

ただプレイリストの表示では、講演動画の内容がわからないと思いますので以下にこの夏の学校のプログラムからとった、講演タイトルと講演者名をならべておきます。https://docs.google.com/spreadsheets/d/1s14nin7u2qYFxJ5b_LxWahk7uig3emWEsoK_gDATVP4/edit?usp=sharing
このリストにある全部の講演の動画がYouTubeで公開されているわけではないのですが (14本のみ公開されています)、タイトルをみて興味があるものが公開されていれば、視聴するとよいでしょう。

Non-equilibrium Regulation of Transcriptional Condensates
Arup Chakraborty, MIT

Chromosomes as Genomic Communication and Memory Machines
Leonid Mirny, MIT – via Zoom

Spatially Resolved Single-cell Multi-omics
Xiaowei Zhuang, Harvard University

The RNA Code in Condensates
Amy Gladfelter, UNC at Chapel Hill

Superresolution Imaging of Transcription in Live Mammalian Cells
Ibrahim Cissé, Max Planck Institute for Immunobiology and Epigenetics, Germany

RNA Promotes the Formation of Spatial Compartments in the Nucleus
Mitchell Guttman, California Institute of Technology

Watching Translation within Germ Granules
Ruth Lehman, MIT/Whitehead Institute

Protein-based Inheritance: Epigenetics beyond the Chromosome
Daniel Jarosz, Stanford University

Bimolecular Condensates in Stress and Disease
Simon Alberti, Technische Universität Dresden, Germany

Superresolution Imaging of Transcription in Live Mammalian Cells
Ibrahim Cissé, Max Planck Institute of Immunobiology and Epigenetics, Germany

Spatially Resolved Single-cell Genomics & Cell Atlases of Complex Tissues
Xiaowei Zhuang, Harvard University

Control of Chromosome Entanglement and Disentanglement through the Cell Cycle
Job Dekker, University of Massachusetts

RNA Promotes the Formation of Spatial Compartments in the Nucleus
Mitchell Guttman, California Institute of Technology

Genome Organization through Phase Separation: Random yet Precise
Bin Zhang, MIT

Landscapes of Genomic Architecture Across Evolution
Michele di Pierro, Northeastern University

Defining How Sequence and Local Chromatin Context Regulate Gene Expression
Seychelle Vos, MIT

Rethinking Protein Aggregation and Drug Discovery in Neurodegenerative Diseases
Hilal Lashuel, École Polytechnique Fédérale de Lausanne, CH (EPFL) – via Zoom

Bimolecular Condensates: New Insights into Disease and the Behavior of Small Molecule Therapeutics
Richard Young, MIT

以下は動画の一例です。’The RNA Code in Condensates’Amy Gladfelter, UNC at Chapel Hill
https://youtu.be/We2D2RIa99o

日本人のための英語演説の古典的指南書(松本亨先生の本「英語演説」)が無料で読めます。

英語でのプレゼンテーションの練習をChatGPTでおこなう方法について先日紹介しました。

AIを活用して英語のプレゼンテーションの練習をしましょう!

今日は追加で、英語で演説するための手引書を紹介します。朝ドラのカムカムエブリボディで最初のラジオ英語会話を担当された平川先生が登場しましたが、平川先生の後を引き継いだのは松本亨先生でした。

朝ドラの「カムカムエヴリバディ」になぜ松本亨先生が登場しなかったのか?

松本亨先生がカムカム先生の後をついでラジオ英語会話を担当されたという体験談は、松本先生の本「Hello Friends」に詳しいです。興味のある方は国立国会図書館の個人送信資料でご覧ください。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2494554
なぜか松本先生については朝ドラではふれられませんでしたが、私が高校生の頃は、松本先生の英会話の時間をいつも楽しみにしていました。その松本先生は上にリンクを張ったブログ記事で紹介したように、ユニオン神学校の奨学金を得で日米学生会議で米国留学中に日米開戦となり、日系米国人とともに強制収容所にいれられた経験をお持ちです。戦争中に収容所からだされて米国各地の教会や集会で「本当の日本人として」講演や説教(松本先生は米国で牧師の資格を取得されていました)をした方です。ノーベル文学賞を受賞したパール・バック女史に依頼されて日米戦争の最中に講演されたこともあるそうです。こういう英語講演の名手が、戦後の日本人のために書かれた本が「英語演説」です。国立国会図書館の個人送信資料でよむことができますので、是非ご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/pid/2509053 
序文にはこうあります。「この本は、テーブル・スピーチとか、3分間演説の雛形を紹介するハンドブック的なものではありません。大勢の人の前で、英語で自己を主張する技術―public speaking―の原則と実際について、私の経験と知識を通して、野心ある英語青年に贈るために書いたものです。」
この本では、英語演説での声の出し方、イントネーション、話の運び方、演説の構成の仕方など、ご自身の経験をもとに詳しく説明してくださっています。後半には、世に有名な演説も収録、紹介されているので自分で英語演説する人はもちろん、英語演説とはどんなものかを知りたい人にも役立つ本になっています。昔の本ですので、スライドを使って講演するという現代のスタイルとは違って、話と表情、アイコンタクトなどだけで相手に伝える演説のやり方です。目次をご覧になってわかるように今でも大切な、I 人の前で話す心構え、II 聞く人を知ることの重要性、そしてIII タイトルのえらび方,つけ方 V スピーチの構造などについても詳しく書かれています。
以下が国立国会図書館のサイトからコピーしたこの本の目次です。


目次/p5
I 人の前で話す/p7
II 聞く人を知れ/p22
III タイトルのえらび方,つけ方/p29
IV スピーチの内容/p46
中学生の部/p46
高校生の部/p58
大学生の部/p72
社会人の部/p88
V スピーチの構造structuring a Speech/p97
VI 発声法Elocution/p106
VII 有名な演説/p113
山上の垂訓/p114
マーカス・アントーニアス/p130
チャーチル首相の就任演説/p134
ケネディ大統領の就任演説/p146
ジョンソン大統領の就任演説/p158
VIII スピーチこぼれ話/p172
IX 発音上達のためにPronunciation Aid/p179
第1表/p181
第2表/p192


最後の表は、演説のときrとlの発音を間違いやすい単語のリストや、発音の難しい単語の代替語のリスト、および演説の必須な単語のリストです。これらの単語は是非使えるようにしておきましょう。
また、目次のVII「有名な演説」にあるマーカス・アントーニアスの演説はこんな感じです。
Friends, Romans, countrymen, lend me your ears;
I come to bury Caesar, not to praise him.
The evil that men do lives after them;
The good is oft interred with their bones;
So let it be with Caesar. The noble Brutus
Hath told you Caesar was ambitious:
If it were so, it was a grievous fault,
And grievously hath Caesar answer’d it.(以下略)

本文には、演説の際に強調すべき単語に印がつけてあって、演説の時に留意すべき点も解説されています。この演説は、実はシェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」の戯曲に載っている演説です。とても有名な演説ですので、私の好きな英国のテレビドラマ(BBCの「ブラウン神父」)をみていたら、この演説をもじったセリフがでてきて驚きました。英国人はシェイクスピアをよく知っていますね。息子が英国の小学校に通っていた時、お世話係になってくれた男の子が、家によく来ていましたが、彼はTo be, or not to be, that is the questionとかいって遊んでいました。ハムレットです。

この英語演説の本にある、有名な演説ですが、YouTubeでこの本にのっている演説を聴くことができます。
こんなのはどうでしょう。Charlton Hestonの映画です。
Charlton Heston Mark Antony speech “Julius Caesar” (1970)
https://youtu.be/0bi1PvXCbr8

これはチャーチルの演説です。https://youtu.be/s_jYYl74awM
ケネディ大統領やジョンソン大統領の就任演説もYouTubeで本人による演説を聴くことができます。キリストの山上の垂訓はさすがに本人の演説はきけませんが、検索するといろんな俳優さんの演ずるキリストが演説する動画を聴くことができます。

是非一回、松本亨先生のこの本を読んでみて、これらの演説も聴いてみてください。英語で講演するときの参考になります。

細胞と遺伝子の起源についての大胆な仮説―Nick Laneの最新講演動画をご覧ください。

このブログでたびたび紹介しているNIH VideoCastでNick Laneの最新の講演(2023年6月26日)が公開されました。

On the Origin of Cells and Genes (And Why It Matters) by Author and Biochemist Nick Laneというタイトルで、生命の起源、細胞と遺伝子の起源についての説得力ある仮説を展開している講演です。彼の最新の著書Transformerについても触れています。

https://videocast.nih.gov/watch=49844 

去年書いた以下の記事でも彼の動画を紹介しています。彼の去年のNIHでのZoomでの講演動画 (2022年3月)も記事の最後の部分で紹介していますのでそちらもご覧ください。

クレブス・サイクルが生命を生命たらしめている基本システムであるという講演動画がでています

今回の講演はNick LaneがNIHに出向いてのオンサイトでの講演の録画です。一年たった動画の内容はより洗練されて刺激的なものになっていると思います。彼はプロトンの生命における意義を以前から深く考察しています。私も彼と同じような考えを昔からもっていたので、彼の本を読んで驚き、愛読書になりました。彼の本や動画はどれもthought provokingなものです。皆さんにお勧めします。

twitterがログインなしで見られなくなっています。とりあえずの対策 (7/1朝現在無効になってしまいました)を紹介します。

 昨夜、以下の記事を投稿しましたが、今朝おきてみるとnitterもアクセスできなくなっていました。事前の周知もなく、こういう変更を突然実施してしまうというのが、私企業というものなんでしょう。日本企業では許されないでしょうが、外国の私企業というのはこんなものですね。外国の私企業に 情報の発信とそれへのアクセス権限の許可を、(お金をとられるだけで代表権のない国民が)無制限に与えるのは考え直さなくてはならないと思わせる出来事でした。個人のブログはまだまだ存在が不可欠な情報伝達・公開手段ですね。


今日は豪雨のところが多く、福岡でも大宰府などあちこちで、電車が運休したり学校が休校になったりしています。今夜から明日にかけても線条降水帯がでる可能性もあるそうで、皆さんに被害がないことをお祈りします。

さて、びっくりしたのですが、今日の午後からtwitterがログインなしで見れなくなっていますね。極めて不便で、もしシステムトラブルでなくて意図的な改訂であるなら、即刻止めてほしいものです。公共機関などもtwitterで発信しているので、今 現在進行中の豪雨災害情報の伝達にも影響を与えていると思います。以前もこんなことがあったのはブログでも記事にしていました。https://glycostationx.org/2022/05/28/twitter%e3%81%ae%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%97%e3%82%88%e3%81%86%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%84%e4%bb%95%e6%a7%98%e3%81%ae%e5%9b%9e%e9%81%bf%e6%b3%95/
とりあえず対策としては、上の記事の最後のほうで紹介したnitterを使うのがよいです。nitterならブラウザから、まだログインせずにみられますので以下のgithubのリストにあるどれかのactiveなインスタンスでみるとよいでしょう。
https://github.com/zedeus/nitter/wiki/Instances#official
たとえば柳瀬先生のtwitterアカウントはこんなふうに見られます。
https://nitter.lacontrevoie.fr/yosukeyanase

上のgithubにまとめられているnitterのインスタンスのurl (上の例ではhttps://nitter.lacontrevoie.fr)の最後の部分に/を付けて、その後にuser name (上の例ではyosukeyanase)をいれるだけでアクセスできます。背景が黒くでいやな人は、最上段の一番右にある歯車マークpreferenceをクリックしてください。Displayという画面がでて一番上にThemeとあり、右の箱の中が白字でnitterと表示されていると思います。白地のnitterの部分をクリックするとプルダウンメニューがあるので、その中のtwitterを選んでください。最後に一番下の部分にあるsave preferencesをクリックして変更を保存したら完了です。白いtwitter風の背景になったと思います。

本家のtwitterが早急に復旧することを願います。

さて、nitterで柳瀬先生のtweetをみると以下の記事(The Asahi Shinbun GLOBE+)が紹介されていました。
【ChatGPTが変える英語学習、京都大の金丸敏幸氏「トレーナーとして…」 教師も影響?】
https://globe.asahi.com/article/14944208
ChatGPTの英語は、もともとが大規模言語モデルというぐらいなので、言語のあつかいについてはほぼ完璧なものだそうです。専門用語とかは知らないときがあるので、その時は適当な言葉を作ってしまう場合があります。その点を注意して使えばよいとのことです。
以下の過去記事で紹介した金丸先生のYouTube動画も視聴して、再度この記事を読むと、現代の英語教育が革命の渦中にあることがわかります。よい時代になったものです。

ChatGPTを知るための良いリンクを紹介します。

糖鎖科学関係の情報配信サービス「Glycoforum News」への配信登録のおすすめ。

今日は蒸し暑い梅雨の一日でした。しかし夕方にはヒグラシの声を今年はじめて聞きました。季節は着実に移っていきますね。

さて今日は生化学工業という会社がやっているGlycoforumというサイトと、
https://www.glycoforum.gr.jp/indexJ.html
そのメール配信サービスGlycoforum Newsの紹介です。

生化学工業は、世界の糖質科学の発展を試薬や研究資金の提供、情報提供など多方面から強力にサポートしている日本の会社です。Glycoforumは生化学工業が運営しているオープンアクセスジャーナルで、全世界的な糖鎖情報ネットワークのメンバーの一つです。
https://www.glycoforum.gr.jp/about/indexJ.html
先日の記事で紹介したGlycoword
https://www.glycoforum.gr.jp/glycoword/indexJ.html
もGlycoforumのサイトですが、
Glycoforum Newsというメール配信サービスもやっていて、糖鎖関係の興味深い情報を配信してくれています。今日届いたメールには、末尾に並べたような、糖鎖関係のわかりやすい講義の動画と資料の紹介がのっていました。

末尾の動画をみたい方はこちらのフォームから、Glycoforum Newsの配信登録(無料)をしてください。
https://www.glycoforum.gr.jp/about/inquriesJ.html
氏名、ふりがな、メールアドレスの入力のみが必須です。メール配信の部分で「希望する」を選ぶと、メールが届くようになります。是非登録してみてください。日本語で糖鎖科学について知りたい方には必須のサイトです。

なお講義のスライドなどの資料はこちらからダウンロードできます。
https://www.glycoforum.gr.jp/glycotext/index.html

以下は動画のタイトルです。面白そうな講義が並んでいます。
Glycoforum. 2022 Vol.25 (SI), G5
GAGを用いた核酸デリバリーシステム
慶應義塾大学理工学部 佐藤 智典

Glycoforum. 2023 Vol.26 (SI), G3
生物医薬糖タンパク質生産に向けた糖鎖改変と糖鎖代謝経路可視化ツール開発
東海国立大学機構岐阜大学 糖鎖生命コア研究所(iGCORE)  藤田 盛久

Glycoforum. 2023 Vol.26 (SI), G2
N型糖鎖分岐形成酵素の活性・特異性の制御と疾患関連性
東海国立大学機構岐阜大学 糖鎖生命コア研究所(iGCORE)  木塚 康彦

Glycoforum. 2023 Vol.26 (SI), G1
外科医と研究者で挑む膵癌研究
筑波大学医学医療系消化器外科 下村 治

Glycoforum. 2022 Vol.25 (SI), G3
糖鎖・レクチン創薬の基礎と糖鎖解読の新技術(scGR seq)
産業技術総合研究所/筑波大学医学医療系 舘野 浩章

AIを活用して英語のプレゼンテーションの練習をしましょう!

昨日は、スライドでの発表で注意すべき点をいくつかあげました。

では英語でのプレゼンテーションの組立や練習をどうやったらいいでしょうか。大規模言語モデルLLMが爆発的に普及している現在では、DeepLやChatGPTを使って英語のプレゼンテーションを組み立てたり、発表の練習をしたりすることができます。
最近の柳瀬陽介先生のブログ記事
【AIを活用した英語プレゼンテーションの練習方法】はそのやり方の懇切丁寧な紹介です。先生の作られたChatGPTの練習用プロンプトがありますので是非使ってみてください。
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2023/06/ai.html
この記事には、プレゼンテーションの達人へのインタビュー動画などを見た後、自分のプレゼンテーションを作って練習する具体的方法が書かれています。
これから英語でプレゼンテーションをやろうとする学生さんに是非一度はみてもらいたい記事です。

この記事のプレゼンテーションの達人に対するインタビュー動画に登場するのは、京都大学の森和俊先生です。
このブログでも先生の著書や動画は紹介したことがあります。(たとえばこちらこちら)ノーベル賞候補にもあがっている有名な生命科学の先生です。
動画は以下にありますので、是非ご覧ください。京大の研究室での英語指導の一端をかいまみることができると思います。

【京都大学自律的英語ユーザーインタビュー:森和俊先生(理学研究科)】
アカデミアの世界に行くと、ポジションを取るときには、最後はプレゼン勝負になります(14:25 どのように話すと伝わるか)

以下のようにYouTubeの動画の共有リンクhttps://youtu.be/9UOhoud85S8のあとに、&t=866sとつけると、動画開始部分から866秒後の部分にリンクがはれるんですね。
https://youtu.be/9UOhoud85S8&t=866s
知りませんでした。これから使ってみます。

スライドでのプレゼンの心得について

プレゼンスライドの作り方についてのメモです。

講演スライドの構成は、朝ドラ方式でつくるのが初心者にはわかりやすいかもしれません。15分の朝ドラ(テーマ曲をのぞくと12分ちょっと)というのは学会での口頭発表の時間とほぼ同じです。学生さんも朝ドラが好きな人が多いので、学会発表の講演の構成を朝ドラのストーリー展開を参考に組み立てるとよいとアドバイスしたりしました。たった12・3分で結構たのしませてくれたり、はらはらドキドキさせてくれたりする朝ドラをお手本に、学会の口頭発表も聴いている人が聴いて良かったと思えるような構成にするのはそんなに難しくないわけです。

科学者が主人公の朝ドラが放送されるようです―牧野富太郎

朝ドラのテーマソングに相当するスライドは次の2枚です。
1)講演タイトルや学会名、開催日、所属、自分の名前などが入った口演の第一枚目のスライド。
2)第2枚目に置くことが多い謝辞のスライド:これは今回発表する仕事の共同研究者、お世話になった方々、研究資金の提供元などを列挙したスライドです。謝辞のスライドは末尾のほうに置く人も多いですが、講演に熱がはいってしまって時間オーバーになった時、さらっとしか見せられなくなるので私は最初のほうに置くようにしていました。初心者は謝辞を忘れることが結構あるので、その防止にもなります。

あとは朝ドラの本篇に相当する講演内容のスライドです。
どのように研究方法や研究成果、結論や今後の展望を語るかが腕のみせどころになります。私は以下のような点に気をつけてスライドを用意していました。

●見やすいスライドにすること。後ろの方からでも見えるようにフォントの大きさや種類を決めてスライドをつくる必要があります。昔、国際学会で日本の演者がスライドで発表していました。大きな会場の入り口で日本の偉い先生がたが二人、そのプレゼンをみて話しておられるのが聞こえました。当時は白黒のスライドかOHPのトラペレというものでプレゼンするのが普通でした、「あのスライドはなんですか。見にくいスライドですねぇ。字が薄くて何が書いてあるか読めませんねぇ。もうちょっと見えるように作れんものでしょうかなぁ」研究費の申請で不利になること請け合いのプレゼンとはこんなものかと、院生時代に実感した恐ろしい風景でした。

●スライドにやたらにアイドルだのピカチュウだのをいれて発表しないこと。たしかにピカチュウだとかR2D2だとか、スタートレックのエンタープライズ号とかをいれて講演すると受けることがあります(昔きいたヒトデの再生に関する講演。スライドにヒトデの形をしたエンタープライズ号が描かれ、下のほうにStarfish the next regenerationと書かれていました! ピカード船長の活躍するSFテレビドラマStartrek the next generationのもじりで、ものすごくうけていました)。そうした面白い発表を何回か聞いたことがあります。しかしこうした人目をひくスライドを使うべきかどうかは、オーディエンスを慎重に考慮してきめてください。これも私の経験なのですが、上に述べたような一般受けするスライドを入れて研究発表をした研究者が、そのプレゼンの態度を最後に酷評されて二度と研究会に呼んでもらえなくなったのを目にしたことがあります。研究会のオーディエンスをあらかじめ予想して、そのオーディエンスにあったスライドをつくらなくてはいけません。

●スライドの配色を統一しましょう。留学生の人にありがちな、カラフルすぎる極彩色のスライドは日本の研究者にはうけません。極彩色の色に気をとられて研究内容に集中できない人が多いので、配色には気を付けてください。

●発表では、研究の結論をはじめのほうに提示することも多いです。またはじめのほうで、この講演の流れをスライドでみせる場合もあります。こうした場合に注意するべきことは、講演の流れや結論をアニメーションで示さないことです。アニメーションでひとつずつ項目をみせていくと、全体を一目で把握することが困難になります。短時間みただけではついてこれない人がでます。どこでアニメーションを使うのが聴衆の理解に最適かどうか、全体を一度にみせておいてポインタで順に説明する方がいいのではないかをよく考えましょう。たいていはアニメーションをやめて、最初から一枚のスライド全体をみせるほうがいいと思います。

●図などを他人の資料から引用している場合は必ず出典を書きこんでおくことも忘れないようにしましょう。スライドにのせてある総説とかを後で読もうと思って、熱心にメモする人も多いです。講演でこの研究に興味を持った人が、文献を探せるように自分の論文や他人の論文、そして総説などのソースが書き込まれていると喜ばれます。PubMedとかで検索する人が多いので、筆頭著者名と雑誌、発行年が書いてあればよいでしょう。著者名と発行年だけでも捜せると思います。もちろん、学会のアブストラクトなどに文献をあらかじめ載せておくのもよい習慣です。

●最後のスライドは、質問の時間の間に出したままになる場合もあるので、そういう場合には講演の結論やこれからの展望、そしてメールアドレスなどを書き込んでおくとよいでしょう。またスライドの最後に、予想される質問回答用のスライドをあらかじめ数枚用意しておくのも役だちます。四年生が、そうした予想質問への回答用スライドがさっとでてきた大学院生の発表をみて、「かっこいい」と卒論発表で真似していました。

この講演をきいて良かったと一人でも多くの人に思ってもらえることを目指して発表しましょう。