武道の秘伝書を読んでみましょう。

先日は能の秘伝書 風姿花伝について紹介しました。同じ秘伝書でも武道の秘伝書というのもいろいろあります。
昔の時代小説では、秘伝書を盗み見て剣術の新しい境地を知るというようなストーリーがあったように思いますが、秘伝書というのはそういうものではなさそうです。地道に稽古や工夫を重ねて体を自在に操ることを目指す、修行の道しるべになるような内容が書かれているものが秘伝書というもののようです。また盗まれて読まれることを念頭に、わざと誤った内容が書かれていることもあって、そのあたりは口伝えで訂正しながら流儀を伝えていったもののようです。これは英国のバベッジが、世界初のプログラムで動くコンピュータといえる機械「階差機関Difference Engine」の設計書に、一か所誤った内容を書いて盗まれた時に備えたというのと似た対策ですね。ロンドンにあるScience Museumにその設計書から組み立てられた実際に設計計画どおりに動く Difference Engineが展示されていますが、その組立の時にわかった事実だそうです。余談はさておき、武道の秘伝書は国立国会図書館の個人送信サービスで読めるものが多いです。(個人送信サービスは登録しないと使えませんが、登録はオンラインで簡単にできますのでまだ登録していない方は絶対登録することをお薦めします。)

武道関係の有名な著者に今村嘉雄という方がおられます。国立国会図書館のでデジタルコレクションのページの詳細検索
https://dl.ndl.go.jp/search
で、著者名に今村嘉雄といれて検索してみてください。いろんな武道関係の書籍がヒットします。
日本武道体系 第1巻から第10巻は、日本武道に関する文献をいろいろ集めた全集です。剣術、柔道、合気道、棒術、弓、馬術、忍術、手裏剣術などなどありとあらゆる武道の文献が集められています。また武道関係の随筆類もあつめた巻もあります。
日本武道大系 第1巻 剣術(1)
https://dl.ndl.go.jp/pid/12149408
には新陰流、タイ捨流、心形刀流の秘伝書など資料がまとめられています。
第2巻 剣術(2)には、宮本武蔵の二天一流の五輪書その他いろいろな流派の伝書、資料がまとめてあります。https://dl.ndl.go.jp/pid/12144629
第3巻 剣術(3)には、神道流、示現流、居合その他いろんな流派がのっています。https://dl.ndl.go.jp/pid/12141690
第9巻には武芸随筆というくくりで、猫の妙術、不動智神妙録などいろんな文書が集められていて便利です。https://dl.ndl.go.jp/pid/12144618
第10巻は武道の歴史というタイトルです。https://dl.ndl.go.jp/pid/12146662  相撲を含めた武道の歴史が書かれています。

また、今村嘉雄の本には、柳生十兵衛の書いた伝書 月之抄 の校註版もあってこれも無料で読めます。
https://dl.ndl.go.jp/pid/12146232

なんで生命科学に従事しているものが武道に興味を持ったかという点については前の記事をご覧ください。

宮本武蔵の五輪書と五輪の意味について