新井仁之先生の数学 数理科学オンライン公開講座やルベーグ積分の本の解説動画などはすばらしい内容です。

今日は暖かな晴れの一日でした。日射しがまぶしい快晴で夜は月が冴えわたっています。
さて今日は、日本語で学べる数学の動画を紹介します。こちらのツイートが早水桃子先生のXでリツイートされていて知りました。
錯視の科学で有名な新井仁之 (Arai Hitoshi)先生(早稲田大学教育・総合科学学術院教授・東京大学名誉教授)のツイッターを以下に引用します。これは先生の書かれた有名な教科書「ルベーグ積分講義」(2002年刊行)の改訂版の案内です。なんと改訂版は動画連動となっており、YouTubeでルベーグ積分の解説をじっくり学ぶことができます。さきほど第一回目を視聴してみましたが、大変わかりやすい講義です。なお、先生は数学の解説動画をいっぱいアップロードされています。それについては下のほうに書いていますのでご覧ください。

先生のホームページは大変魅力的です。
http://www.araiweb.matrix.jp/
錯視の科学館というサイトへの入り口もありますので錯視をまず楽しむこともできます。http://www.araiweb.matrix.jp/Exhibition/illusiongallary4.html
また私の名著発掘というページもあって、古本屋めぐりで先生がみつけた名著がいろいろ並んでいます。
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/81393/9d0fab16c652c3d2fcc1063ffacd36fb?frame_id=406408
挙げてある本が古本でしか入手しずらいと先生は書いておられるのですが、かなりの本は今は国立国会図書館の個人送信資料で読むことができるので、探してみてください。

たとえば「確率論 : 近代確率論への入門 (近代数学新書)」 鶴見茂 著 至文堂 はこちらのリンクから登録している人ならだれでも読めます。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1380273
また復刊してほしい書いておられる
「位相解析の基礎」 吉田耕作, 河田敬義, 岩村聯 著 岩波書店もこちらから個人送信資料で読めます。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1378036
検索してみるとわかりますが、至文堂の近代数学新書もかなりの本が個人送信資料に収録されており無料でオンラインでよめるので検索してみてください。

最後に先生の動画です。
『サイバーアカデメイア 数理科学デジタルオープンレクチャーズ Digital Open Lectures in Mathematical Sciences
数学 数理科学 オンライン公開講座』 というサイトに動画がたくさんあります。全部無料公開されていますので、是非視聴してみてください。
http://www.araiweb.matrix.jp/OpenLect.html
いろんなコース別に動画がまとめられています。

微分積分コース   (更新中)
No.1 14分でわかるエプシロン-デルタ論法入門 – その意味と使い方-
No.2 微積分の基礎を38分で一気に解説
No.3 連続だが至る所微分不可能なワイエルシュトラス関数
No.4 d次元ユークリッド空間の距離,開集合,閉集合 – 多変数関数の極値問題に向けて
No.5 多変数関数のテイラー展開徹底講義 No.1 – 多重指数で簡単表示
No.6 多変数関数のテイラー展開徹底講義 No.2 – しっかり解説、定理と証明
No.7 多変数関数のテイラー展開徹底講義 No.3 – 勾配ベクトルとヘッセ行列による表示

画像処理入門コース  (更新中)
No.1 画像と線形空間
No.2 離散コサイン基底

ディープラーニング入門コース (更新中)
No.1 順伝播型ニューラルネット
No.2 誤差逆伝播法
その他、貴重な動画が満載です。下の動画はルベーグ積分の動画シリーズの第一回目です。びっくりするほどわかりやすい講義です。
https://youtu.be/D-3XOovWB6Q?si=6dNNw8YF4eiSkOmt

東京大学松尾研究室のLLMのサマースクールのスライド、「人工知能・深層学習を学ぶためのロードマップ」のサイトが秀逸です。

東京大学松尾研究室の講習会スライドが公開されました。松尾豊教授は、政府のAI戦略会議の座長をつとめられています。
今夏にその松尾研究室によって実施された大規模言語モデル(LLM)についてのサマースクール
https://deeplearning.jp/llm2023/
の講義スライドがすべてダウンロードできるようになっています。
こちらから利用条件を確認の上、ダウンロード可能です。https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/llm_contents/
松尾研のツイート(X)も貼り付けておきますので参考にしてください。

このサマースクールのスライドをダウンロードして眺めてみると、自分はどのへんがわからないかを知ることができて、大変役立つと思います。講義の録画も公開されるといいですね。スライドをみながらわからないところは、LLMにたずねるという勉強法もできそうです。

しかし、ちゃんと学ぶためには、松尾研の以下のページを使うのがよさそうです。
https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/%e4%ba%ba%e5%b7%a5%e7%9f%a5%e8%83%bd%e3%83%bb%e6%b7%b1%e5%b1%a4%e5%ad%a6%e7%bf%92%e3%82%92%e5%ad%a6%e3%81%b6%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%9e%e3%83%83%e3%83%97/

このページには、情報系以外の大学生向け、社会人向けの「人工知能・深層学習を学ぶためのロードマップ」が掲載されており、勉強の仕方や実際に手を動かして学べる教材がそろっていてます。日本語でまなべる素晴らしいサイトです。もっとたくさんの方がその存在を知るとよいと思い、紹介しました。

科学のためのPythonの使い方―講習会ビデオや資料の紹介です。

Python は数学や物理学、生物学、データサイエンスなど様々な科学分野でもよく使われるプログラミング言語です。今夜は、scienceのためのPythonの設定などについて解説しているサイトをみつけたので紹介しておきます。

行列やテンソルなど多次元のデータを扱うためのPythonのライブラリにNumPy (numerical Python) やSciPy (scientific Python)というのがあります。SciPyはNumPyを拡張したNumPy+ともいうべきものです。SciPyを使っているときにはNumPyをベースにその拡張版を使っているというようなイメージで理解できると思います。
NumPyの使い方については日本語の動画もYouTubeにいっぱいありますので探してみてください。今日は英語のやさしい動画を紹介しておきます。これは分かりやすい動画です。
https://youtu.be/ZB7BZMhfPgk?si=koHcA3T0vI9h_RDv

この動画は毎年開催されているScientific Pythonの会議の動画の一つです。SciPy2019での講演動画を全部集めてある以下のような動画リストもあるのでご覧ください。https://www.youtube.com/playlist?list=PLYx7XA2nY5GcDQblpQ_M1V3PQPoLWiDAC
またSciPy2023など年号をいれてYouTubeで検索すると、最新のAIの科学分野のPython利用について言及した動画や、生命科学への応用の動画などもありました。検索してみてください。

一番上にあげたNumPy入門の動画は、NumPyの公式サイトにある学習用教材のページで紹介されていたものです。、
https://numpy.org/learn/
ここには初心者むけのNumPy入門サイト(上級者向けの資料ももちろんあります)が多数紹介されているので、はじめて使う人はいろいろクリックして自分に適したサイトで学ぶとよいと思います。私が一番興味をひかれたのは次のサイトです。
Scientific Python Lectures
One document to learn numerics, science, and data with Python
これはNumPyだけでなく、科学でのPython使用環境全般について設定をふくめてまとめてあるサイトです。
https://lectures.scientific-python.org/

今日は簡単に科学技術分野でのPython利用に役立つサイトや動画を紹介しました。

統計解析を誤用しないために‥‥

統計解析で誤った結果をだしてしまうことを防ぎたいものです。ツイートで知ったのですがこちらの神谷之康先生の講演のスライドが公開されていて、さまざまな統計解析の誤用例、参考文献やサイトが載っているので読んでみようと思います。

実験データ解析再入門:論文を「フェイクニュース」にしないために

https://speakerdeck.com/ykamit/shi-yan-detajie-xi-zai-ru-men-lun-wen-wo-hueikuniyusu-nisinaitameni
(このスライドのサイトから、講演の概要を以下に引用します。)

脳科学若手の会ワークショップ(2022.3.13)神谷之康(京都大学・ATR)
概要
概念や仕組みをよく理解しないまま実験データの解析で使っている統計手法はありませんか。神経科学では大規模で多様なデータ取得が可能となり、統計解析の重要性が増しています。昔なら比較的無害だった統計の誤用が致命的な偽陽性を生み、論文を「フェイクニュース」にしてしまうことがあります。このワークショップでは、実験データ解析で最近よく使われるが授業ではあまり学ばない、効果量、サンプルサイズ設計、多重比較補正、交差検証、混合モデル、ベイズ推論、因果推論などの考え方のキモを、演習を交えて解説します。その後、参加者が作成する実験の事前登録(プレレジ)のサンプルについてディスカッションし、オープンで再現可能な研究実践法を身につけることを目指します。

先生のツイートも載せておきます。

今年のノーベル物理学賞の異色の解説動画を紹介します―波とかパルスとかについての理解がすすみます。

クリスマスも終わりましたがサンタさんは来たでしょうか?アメリカ東海岸あたりはまだクリスマスの朝ですね。
私のほうは、Rのコードが動かない原因が今日やっとわかって、うまく動いたのでよいクリスマスでした。

さて一月ほど前に「物理学者とティータイム」というYouTubeチャンネルを紹介しました。

YouTube動画チャンネル 「物理学者とティータイム」や科研費の学習物理領域の動画が面白いので紹介します。

新しい動画が本日追加されたので紹介します。
【ド文系が】東大博士にノーベル物理学賞について聞いてみた【2023年物理学賞】 #寝るまで物理学
https://youtu.be/qUaAx3YtA9s?si=4YQoHsPWuXgkujBk

今年のノーベル物理学賞についての解説ですが、とてもよくわかる説明だと思います。

こんなビデオもYouTubeにありました。ストロボで落下していくボールをとらえるという動画です。

ChatGPTでプログラミングを効率化する方法の動画や、研究に役立つGPTsなど各種ツールの紹介記事がでています!

ChatGPTでプログラミングを効率化しよう!ITエンジニア必見のAI活用ガイド
https://youtu.be/O7juZaQuhXg?si=5X5NvDJbSe0hmGwp
(この動画の埋め込みは制限されているので、動画をはりつけらません。お手数ですが、上のリンクをクリックして視聴してください。)

この動画は、ChatGPTを使ってプログラミングを学んだり、つくってもらったり、エラーをみつけてもらったり、改善したりする方法のやさしい紹介になっています。以前紹介したGitHubCopilotやCursorの動画(末尾の記事を参照してください)の中村祐太さんのチャンネル『中村祐太のプログラミング入門ナビ』に二日前に公開された動画です。私も今、論文のデータ処理に使うR (プログラミング言語のRです)のコードをChatGPTに解説してもらったり、エラーメッセージを解説してもらったり、エラーがでなくなるようにコードを改訂してもらったりしています。Google Bardも同じように使えるのでそちらも並行して使ってみていますが、どちらも大変役立つという印象です。いままでプログラミングをあまりやったことがない方も、この動画をみるとChatGPTでプログラム学習が飛躍的に楽になることがわかると思います。今やプログラミングするのにAIを使わないという手はない時代になったのがわかります。是非一度視聴してみてください。

もう一つこんなnoteの記事があることをツイートで知りました。
研究ツールまとめ2023
https://note.com/cvpaperchallenge/n/n6f18dbbc1c85
この記事には、論文の要約ツールのGPTsをはじめ、GitHubCopilotの本格的な使い方のサイトなども紹介されているて必見です。上の動画よりもやや専門的ですが、学生、研究者なら簡単に使いこなせるツール満載です。是非いろいろためしてみて皆さんの研究、学習に役立ててください。

研究発表スライドの添削の動画がでています。

早稲田大学の早水桃子先生のスライド作成についての動画が公開されて評判になっています。研究発表スライドの添削をする動画で、スライド作成の参考になると思います。是非ご覧ください。
https://piped.video/watch?v=aWIWkk4ArKU
YouTubeはこちら。
https://youtu.be/aWIWkk4ArKU?si=Bbe17s2W8YIqI0Hk

早水先生の動画はいろいろあって参考になります。このブログでも以前何度か紹介していますので検索してみてください。YouTubeチャンネルの再生リストはこちらです。離散数学入門の講義やスライド作成法の動画が秀逸です。https://www.youtube.com/@hayamizu/playlists
早水先生のツイートはこちらからみられます。https://nitter.net/hayamizu_lab
今回の動画の紹介ツイートもはりつけておきます。

量子生物学の歴史と現況、将来を展望する動画と、生命哲学についてのオープンアクセス本を紹介します。

量子生物学の普及と研究に貢献しているProf. Jim Al-Khalili (University of Surrey, UK) が今年の11月22,23,24日にバルセロナで開催されたthe 3rd edition of Single-Molecule Sensors and NanoSystems International Conferenceで講演した Plenary speechの講演動画がYouTubeにアップロードされています。Plenary speechというのは会議でのその分野での有名人による招待講演で、平行して開催される講演がなく参加者全員が聴くことができるようにスケジュールがくまれている講演です。量子生物学のはじまり、歴史からはじまって現況、将来について語るという講演です。まだ歴史のところしか見ていないのですが、ジョルダンがはじめて量子生物学の論文を書いたのが1932年というのは初めて知りました。Per-Olov Löwdinは私が初めて国際量子化学会議に参加した時のplenary speechをしていた大学者で彼の講演でのjokeを以前紹介したことがあります。

英語の科学jokeを一つ紹介します。

彼がDNAにおけるプロトンのトンネル効果についての論文を書いていたこともこの動画で紹介されています。わかりやすい英語ですので是非ご覧ください。
https://youtu.be/ptTMrP7dXQU?si=kStrKEw4fZiJBC4p

あとこんな本はいかがですか?https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/121403
Organization in BiologyというSpringer-Natureからでている最新のオープンアクセス本です。中にはOrganicism (有機体論とでも訳すのでしょうか)についても詳しく書かれています。
量子Hall効果とか、ウッジャーの理論、フォン・ベルタランフィによる〈一般システム理論〉などについても言及されている本です。哲学的見地から生命や発生を考えてみるのに参考になるかもしれません。Bertalanffyについては、上のYouTube動画でも量子生物学の発展史のところで触れられています!

Pythonのオープンアクセス本をいくつか紹介します。

今日は福岡は雪でした。雪が降るとすこし暖かくなるので降る前よりはましです。
表題の無料のPython本では以下のような本です。常微分方程式をPythonで解く本は今年出版されたばかりです。タイトルは
Solving ODEs in Python で、常微分方程式をPythonで解く本です。大学の講義から生まれた教科書です。 著者 Joakim Sundnesのサイトには本へのリンクや関連の資料へのリンクがあります。

https://sundnes.github.io/solving_odes_in_python/

こちらはこの著者のPython科学プログラミングへの入門書です。同じくオープンアクセスです。
Introduction to Scientific Programming with Python
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-50356-7
著者のgithubにはこれらの本のJupyter notebook版やソースコードもあるので役立ちそうです。
https://github.com/sundnes
本をつくるソフトの使い方ものっています。
https://github.com/sundnes/setup4book-doconce

こちらは別の著者によるPythonで科学技術プログラミングを学ぶためのオープンアクセスの入門書です。とてもやさしい初学者向け解説本だと思います。
Programming for Computations – Python
A Gentle Introduction to Numerical Simulations with Python 3.6
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-16877-3
本のGithubサイトはこちら。https://github.com/slgit/prog4comp_2

生成AIについての講演動画をいくつか紹介します。

今日は生成AIについての講演の動画を紹介します。

ひとつめは、一昨日の記事で紹介していたthe Royal Institutionのクリスマス講演の演者による生成AIについての講演です(クリスマス講演ではありません。クリスマス講演は年末にオンエアーの予定だそうです)
What’s the future for generative AI? – The Turing Lectures with Mike Wooldridge
https://youtu.be/b76gsOSkHB4?si=hL-t09BXnPSfik8F

内容を次にYouTubeのページから引用しておきます。
00:00 What is machine learning?
05:54 How do neural networks work?
12:49 How Silicon Valley money created Big AI
14:50 The birth of Transformer Architecture
16:06 How was GPT-3 trained and created?
22:12 A massive step change in AI
25:45 How GPT-3 passed the 90s AI reasoning test
28:40 How has AI learned things it wasn’t taught?
31:07 Chat GPT and how NOT to use it
32:26 Why do LLMs get things wrong so often?
35:29 The problems of bias and toxicity
39:12 Copyright issues with LLMs
42:23 Interpolation vs Extrapolation
45:44 Is this the dawn of General AI?
49:19 The different varieties of General AI
54:01 What actually is human general intelligence?
56:07 Is machine consciousness possible?
12月6日にThe Alan Turing Instituteの後援でthe Royal Institutioで行われた講演の録画です。面白い内容です。

もう一つは、 【第71回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(11/13 オンライン開催)の講演動画です。こちらにリンクがのっています。https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/past.html
6.「大規模言語モデルChatGPTを活用した翻訳トレーニングと外国語教育」
山田 優 立教大学異文化コミュニケーション学部/研究科・教授
https://youtu.be/dl8qX0q56vs?si=rmNFCePEo6fuyAat

7.「医学教育環境の変革:ChatGPT搭載の医療面接チャットボットの紹介」
山本 憲 京都大学医学部 医学教育・国際化推進センター 講師
https://youtu.be/P9yJQ9vunqE?si=jQ7B6at_VhTwuYh3
8.「病院におけるChatGPT-4V活用 -マルチモーダルAIの可能性-」
中村 賢治 群馬大学医学部先端医療開発センター・数理データ科学教育研究セ
https://youtu.be/KKohrYfrOls?si=mX9joGWOo7LcujhC
など面白そうな講演動画がみられます。

また12月22日の金曜日朝9時までは、先日開催された第72回DXシンポのタイムシフト視聴ができるそうです。
https://www.youtube.com/live/0myQL2ACT-4?si=nobmrHEKB6ya90Np