量子生物学の歴史と現況、将来を展望する動画と、生命哲学についてのオープンアクセス本を紹介します。

量子生物学の普及と研究に貢献しているProf. Jim Al-Khalili (University of Surrey, UK) が今年の11月22,23,24日にバルセロナで開催されたthe 3rd edition of Single-Molecule Sensors and NanoSystems International Conferenceで講演した Plenary speechの講演動画がYouTubeにアップロードされています。Plenary speechというのは会議でのその分野での有名人による招待講演で、平行して開催される講演がなく参加者全員が聴くことができるようにスケジュールがくまれている講演です。量子生物学のはじまり、歴史からはじまって現況、将来について語るという講演です。まだ歴史のところしか見ていないのですが、ジョルダンがはじめて量子生物学の論文を書いたのが1932年というのは初めて知りました。Per-Olov Löwdinは私が初めて国際量子化学会議に参加した時のplenary speechをしていた大学者で彼の講演でのjokeを以前紹介したことがあります。

英語の科学jokeを一つ紹介します。

彼がDNAにおけるプロトンのトンネル効果についての論文を書いていたこともこの動画で紹介されています。わかりやすい英語ですので是非ご覧ください。
https://youtu.be/ptTMrP7dXQU?si=kStrKEw4fZiJBC4p

あとこんな本はいかがですか?https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/121403
Organization in BiologyというSpringer-Natureからでている最新のオープンアクセス本です。中にはOrganicism (有機体論とでも訳すのでしょうか)についても詳しく書かれています。
量子Hall効果とか、ウッジャーの理論、フォン・ベルタランフィによる〈一般システム理論〉などについても言及されている本です。哲学的見地から生命や発生を考えてみるのに参考になるかもしれません。Bertalanffyについては、上のYouTube動画でも量子生物学の発展史のところで触れられています!