日本生化学会の2023大会プレナリーレクチャー、奨励賞受賞講演動画が公開されました!

今年の福岡で開催された日本生化学会2023大会のプレナリーレクチャー、奨励賞受賞講演動画が日本生化学会ホームページで一般公開されました!どれもとてもよい講演なので是非全部視聴されることをお勧めします。日本生化学会は2017年からこのような公開を行っており、一般の方や生化学会の会員で大会に参加できなかった会員、そして参加した会員にも役立つすばらしい情報公開をつづけています。お金がなくて学会に参加できない人、あとであの講演を聞きたかったと思う人などなど、皆が大喜びする方針です。是非みなさんも視聴してみてください。
以下は会員あてに今日とどいたメールからの引用(アンダーライン部分)です。(生化学会のVimeoの動画は残念ながらブログにうめこめないので、以下のリンクからご覧ください。)

https://vimeo.com/channels/jbsoc

今回の公開 プレナリー5題
■伊藤 隆司 氏(九州大学)
「遺伝子重複による進化への構成的アプローチ」
■赤池 孝章 氏(東北大学)
「超硫黄分子の発見と生理機能の解明」
■望月 敦史 氏(京都大学)
「生命システムの振る舞いをネットワークの形だけから決定する」
■神田 大輔 氏(九州大学)
「蛋白質分子が立体構造を素早く形成できる謎に残基ベースの平衡定数と
速度定数の相関関係で答える」
■三浦 岳 氏(九州大学)
「頭蓋骨と植物細胞壁:生物の形を数理モデルで理解する」

~~奨励賞受賞講演3題~~
■加藤 一希 氏 東京医科歯科大学(テニュアトラック准教授)
「抗ウイルス免疫応答における自己・非自己の認識メカニズムの解明」
■岩崎 信太郎 氏 国立研究開発法人理化学研究所開拓研究本部(主任研究員)
「翻訳の網羅的理解」
■杉浦 歩 氏 順天堂大学(講師)
「ミトコンドリアを中心としたオルガネラ間相互作用の解析」

伊藤先生は大学の会議などで大変お世話になりました。望月先生は前に書いたように九大の大学院生時代に、私のラボのセミナーに参加しておられました。今回の講演後に少し話せてよかったです。とてもよい教科書「理論生物学概論(共立出版)」も書いておられます。おすすめの本です。
https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10003326.html
神田先生は九大医学部キャンパスに私たちがいたとき大変お世話になりました。三浦先生はメールでやり取りをさせていただいたことがあります。枕にあたるお話で講演にひきこまれたのですが、公開された動画ではどうやらその部分は編集されているようです。奨励賞の先生がたのお話は別のセッションにいっていて聞けなかったのでこの動画で聞かせてもらえるのはありがたいです。

数学や物理を解説する優れたオンラインコンテンツを表彰するコンテスト―Summer of Math Expositionというのがあります。

Summer of Math Expositionというコンペが開催されています。今年で3回めだそうで、オンラインでアクセスできるすぐれた数学コンテンツの開発を促進するためのコンテストです。こちらのサイトから、様々な切り口で紹介される、数学や物理学の動画やオンライン解説を楽しめます。
https://some.3b1b.co/
今年のノミネートされた動画リストはこちらです。https://youtube.com/playlist?list=PLnQX-jgAF5pQS2GUFCsatSyZkSH7e8UM8&si=8uupKA6WU6gpmdLM
25の今年2023年のwinnerの紹介動画はこちらです。
https://youtu.be/6a1fLEToyvU?si=TiFDQhXb5MXFJkL-

動画以外のオンラインコンテンツのリストはこちらです。
https://some.3b1b.co/non-videos

動画の例です。変分法の解説と導入実験は見事です。
Minimal Surfaces & the Calculus of Variations
https://youtu.be/8SABptOYUVk?si=H13dah6D7i18zTdR

圏論の解説もあります。
The Mathematician’s Weapon | An Introduction to Category Theory, Abstraction and Algebra
https://youtu.be/FQYOpD7tv30?si=5yu6Lma26VkvsWYT

気に入った動画やコンテンツを見つけたら、その作成者の他の動画などをチャンネルで探すのも役立ちそうですね。

柳瀬先生の論文「AIを活用して英語論文を作成する日本語話者にとっての課題とその対策 」が読めるようになっています。

柳瀬陽介先生の「情報の科学と技術」73 巻 (2023) 6 号の論文が公開されていました。

「AIを活用して英語論文を作成する日本語話者にとっての課題とその対策 (柳瀬 陽介)」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/73/6/73_219/_article/-char/ja/

先生の以前の記事を参照してください。
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2023/06/ai-736-pp-219-224.html
柳瀬先生のこの記事にも書かれていますが、この号にはいろいろ役立つ論文がのっているので興味のあるものを読んでみるとよいでしょう。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jkg/73/6/_contents/-char/ja
たとえばこちらの論文「「科学における言語の障壁」(天野達也)」は、英語の論文執筆が英語を母国語としていない科学者には障壁になっていることを論じています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/73/6/73_200/_article/-char/ja
天野先生の言語の障壁についての論文やツイートも参考にしてください。

岩波書店からでている本「インフルエンザウイルスを発見した日本人―知られざる医学者山内保とは誰か。黄金期のパスツール研究所に連なる病原体の狩人たちの探究のドラマ」が面白いです。

今日は
「インフルエンザウイルスを発見した日本人―知られざる医学者山内保とは誰か。黄金期のパスツール研究所に連なる病原体の狩人たちの探究のドラマ」山内 一也 著 岩波科学ライブラリー321を読んでみたので紹介します。

https://www.iwanami.co.jp/book/b629840.html
これはとても面白い本でした。インフルエンザを引き起こすのがHibワクチンの標的である肺炎を引き起こすバクテリアである「インフルエンザ菌」ではなくて、濾過性病原体=ウイルスであることを世界ではじめて発見したのは日本人の山内保という医学者だということをこの本で初めて知りました。著者の山内先生は有名なウイルス学者ですが、山内先生のところに古くからの友人の有名な外国のウイルス学者からメールがとどいたのだそうです。インフルエンザウイルスを発見したのは山内保という日本人だということがわかって本にそのことを書くので写真を送ってほしい、きっとあなたの親戚だろうから‥‥という内容のメールだったそうです。山内一也先生は親戚ではなかったのですが、これをきっかけに山内保という知られざる医学者の事績を調べたことからこの本が生まれました。山内保という方はパスツール研究所に留学して、食細胞による細胞性免疫の発見やプロビオティクスで有名なメチニコフ(1908年にノーベル賞受賞しています)のラボで研鑽をつんで素晴らしい業績をあげています。第一次大戦では戦場での戦傷と感染症の調査のためパスツール研究所から派遣されて、戦場での従軍研究もおこなっていたそうです。いかに信頼されている日本人研究者であっかがわかるエピソードです。山内が日本に帰国後、どのようにしてインフルエンザがウイルスによる感染症であることを発見したかについては、是非この本を読んでみることをおすすめします。この本は単に山内のことだけを書いているのではなくて、パスツールやコッホ、ラントシュタイナーの業績や、長野泰一のインターフェロンの発見などについてもとりあげていて大変勉強になります。ラントシュタイナーは糖鎖生物学ではABO式血液型の発見で有名ですが、医学者としてほかにどのような業績があったのかが詳しく書かれていて初めて知ることが満載の本でした。よい本ですので是非、一度手に取って読んでみることをお勧めします。

Kindleでいろんな本の安売りをやっています。また新刊のR Bioinformatics Cookbookという本は安売りはしていませんがおすすめ本です。

Kindleなどの電子本は、紙の本より安く買えることがしばしばあります。今はAmazonの月替わりセールのラインアップに、いろいろ統計関係の日本語の教科書がはいっているのでなかなか魅力的です。今日はそうした値引き本の紹介と、10月に出版されたばかりの、Rを使ったバイオインフォマティクスの実践レシピ本の紹介をします。

Amazonの12月の月替わりセールのタイトルには、統計関係の本が、多数入っています。以下がおすすめです。

データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために Kindle版
江崎貴裕 (著) 形式: Kindle版

データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門 分析の全工程に発生するバイアス その背景・対処法まで完全網羅 Kindle版
山田典一 (著) 形式: Kindle版

データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門 仮説検定から統計モデリングまで重要トピックを完全網羅 Kindle版
阿部真人 (著) 形式: Kindle版

分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術 Kindle版
江崎貴裕 (著) 形式: Kindle版

本質を捉えたデータ分析のための分析モデル入門 統計モデル、深層学習、強化学習等 用途・特徴から原理まで一気通貫! Kindle版
杉山聡 (著) 形式: Kindle版

数理モデル思考で紐解くRULE DESIGN -組織と人の行動を科学する- Kindle版
江崎貴裕 (著) 形式: Kindle版

どれも紙の本の半額以下の値段で購入できます。

また今は中公新書とか中公文庫などのポイント半額還元セールもやっているようです。半額還元にはなっていないタイトルも多いですが、お目当ての本が半額還元になっていたら購入を検討されてはどうでしょうか。私は昔、中公文庫で辻 邦生の「背教者ユリアヌス」(上中下の三分冊)の下だけ買い漏らしていました。今は四分冊になっているので、Kindle本を買うとしたら二冊買わなくてはならないので思案中です。

最後にこれは割引になっている本ではないのですが、R Bioinformatics Cookbookという本がでていてちょっと高額ですがよい本のようなので紹介します。
R Bioinformatics Cookbook – Second Edition By Dan MacLean
これはKindleのサンプルをダウンロードして今見ているのですが、大変実践的な Rでバイオインフォマティクスの研究をすすめるための実用本です。RとRStudioを使ってバイオインフォマティクスを研究するためのレシピとそのレシピの細かい解説がのっています。斬新なのは、再現可能な実験をすすめるための詳細な配慮がなされていることです。RからPythonを使う方法(reticulateやanaconda, conda)やCなどをコンパイルする方法(rtoolsなど)も載っていますし、パッケージの作り方、複数のBioconductorのバージョンの共存のさせ方、RStudioのプロジェクトの再現可能性に注意した初期設定法や、プロジェクトのバージョン管理、WindowsやMac、Linuxなど違うOSを使っている共同研究者と共同作業をすすめるための細かい配慮の仕方(the here packageの使い方)などもちゃんと書かれていて大変勉強になります。 ChatGPTについても触れてあるようです。実際に研究に活用して、多数のBioconductorのパッケージも作成している著者ならではの、超実践的な教科書・マニュアルだと思います。こちらのGitHubのページも購入検討の参考になると思います。https://github.com/PacktPublishing/R-Bioinformatics-Cookbook
本自体は、出版社の以下のサイトでfree trialを選んで読むことができそうです。(やっていないので多分できると思います。
https://www.packtpub.com/product/r-bioinformatics-cookbook-second-edition/9781837634279
またオライリーのサイトでO’Reilly learning platform with a 10-day free trialを試して読むこともできそうです。
https://www.oreilly.com/library/view/r-bioinformatics-cookbook/9781837634279/

ネットでみつけた無料の教科書などを少し紹介します。

今日は忙しかったので、ネットでみつけた無料の教科書などを少し紹介します。

ゲームで有名なセガの社内勉強会用資料が公開されています。大変基礎的なところから丁寧に説明されているのでおすすめします。

物理の教科書としては、東京大学の白石直人先生の講義ページにあるテキストが役立つと思います。
https://sites.google.com/site/naotoshiraishiphys/home-jp/lecture
力学、物理数学、電磁気学の2023年版のテキストがダウンロードできます。

またRについては今私も時々参考にさせてもらっている以下のリンクをおすすめします。

わたしたちのR https://www.jaysong.net/RBook/
Practical R Package Development (Japanese)  https://bookdown.org/yutannihilation/practical-r-package-development-ja/ 
こちらは未着手となっている部分もありますが、とても役立つ解説だと思います。

ChatGPTを使いながらUbuntuにR環境を設定しています。

今、Linuxのディストリビューションでもっとも普及しているUbuntuにプログラミング言語Rの環境設定を行っています。一昨日、UbuntuにRをインストールしました。引き続き、CRANから全ライブラリパッケージをダウンロードしてインストールする作業を行ってみました。これは昨日の午前中にはじめたのですが、昨日の記事に書いたように今朝起きた時には終わっているとおもいきや、まだ続いていました。今日は一日中、ずーっとLinuxのPCを動かしたままでみていたのですが、夕食後にやっとダウンロードとパッケージの展開、インストールが終わりました。門田先生の「トランスクリプトーム解析」(共立出版」)という教科書に従って作業したのですが、9年も前の本なので、CRANのパッケージ数が増えているので時間がほぼ一日半もかかったのだと思います。またBioconductorの中のパッケージのインストール方法も変わってしまっており、本に書いてあるbiocLiteを使う方法は使えなくなっていて、BiocManagerを使う方法に変更しなくてはいけませんでした。Rのコンソールで作業していましたが最初のCRANの全パッケージの導入作業が終わったあとにはwarningsが50以上ありましたというメッセージが表示されていました。これを全部ファイルにおとして後で、ゆっくり見るにはどうしたらいいのかをChatGPTに聞いてみました。sink関数を使う方法をすぐ教えてくれます。また50以上のwarningsを後でみることはできないので、インストールするまえにこれこれのコマンドを与えておくとファイルにwarningをセーブすることができるといったアドバイスもしてくれるのは助かります。時にはうまく動かないコマンドも教えてくれますが、動かないとchatすると、すぐに謝って違う提案をしてくれるので、たいていは数分以内に問題が解決します。BioconductorのUbuntuへの導入法、RStudioの入れ方なども懇切丁寧に教えてくれて大変便利です。Rのコードも書いてくれるので、試してみるとたいていはすぐ動きます。教えてくれたコードのわからない部分について解説してとチャットで依頼すると、丁寧に解説してくれるのは感動ものです。エラーメッセージについて解説をお願いしてみると、特定のエラーについて解説してくれるだけでなく、一般的なエラーメッセージの読み方、その対処法の調べ方なども教えてくれて、プログラムの勉強の最強の家庭教師になっていると思います。英語の勉強、プログラミングの勉強、数学の勉強などなどChatGPTはたしかに役立つものだと いまさらながら、実感しています。

昨日のニュースで流行語大賞トップテンに生成AIが選ばれていたそうですが、ビジネスパーソンの中では生成AIが9割得票のトップの流行語だったそうです。

来年はもっとすごいことになるかもしれませんね。

理化学研究所と編集工学研究所のコラボ企画 科学道100冊傑作選が発表されました。

今年も理化学研究所と編集工学研究所の発表する推薦本の紹介、科学道100の季節がやってきました。
今年は
「科学道100冊」シリーズベスト盤、「科学道100冊 傑作選」を発表
-理研の研究者 × 本のプロ・編工研が選ぶ、良書100冊-

というタイトルで、「シリーズ第7弾となる今回は、これまでの「科学道100冊」シリーズを総括した「傑作選」を発表します。」ということです。https://www.riken.jp/pr/news/2023/20231130_2/index.html

こちらにはhttps://kagakudo100.jp/lineup-masterpiece
今回の傑作選の100冊の他に、今まで各年に選ばれた100冊のリストも載っています。

選ばれた本の画像をクリックすると、本の内容や推薦コメントがみられます。面白そうな本をみつけて是非読んでみてください。
今年の傑作選をみると、私は30冊ほどは読んでいるのがわかりました。

昨年のこのブログでの紹介はこちらから読めます。

科学道100冊 2022年版が発表されています―面白い科学の本をみつけましょう!

実は今、Ubuntuの最新版LTSに最新版のRと、CRANのパッケージ全部をインストールしています。午前中からはじめていますが、いまだにpackageのインストールのほうが終わりません。多分明朝には終わっているでしょう。

Stephen Wolfram の新しい科学の定式化についての動画がありました‥‥。

Stephen WolframはThe Royal Institutionで講演していたんですね。この動画です。 サイトには3 November 2020の講演となっています。
Computation and the Fundamental Theory of Physics – with Stephen Wolfram
https://youtu.be/qoDZKlcdPNM?si=K7GG5EoHDkfox2Lx
日本語字幕もついているので日本語で字幕を読みながら視聴することも可能です。cellular automataの実演による解説などわかりやすい動画です。

彼は Mathematica、Wolfram Alpha、および Wolfram 言語の作成者として有名な科学者です。オートマトンの理論家で多くの著書もあります。最近ではChatGPTの一般向け解説書「ChatGPTの頭の中」を書いていて、日本語にも翻訳されているので読んだ方も多いと思います。https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015521/
この本の内容は英語なら無料で読めます。以前の記事をご覧ください。

ChatGPTのWolframによる解説や、いろんな機能を持ったAIを探せるサイトなどがありました。

Wolframはこの講演で彼の本のA Project to Find the Fundamental Theory of Physics (English Edition)の内容について触れているのだと思います。この本はKindle unlimitedで読めるようですので契約している方はご覧になるとよいと思います。
この彼のプロジェクトは着実に進んでいるようです。
こんな動画をみつけました。私には理解できない内容ですが、Wolfram流の物理の定式化であるhypergraphから一般相対性理論が導けるという動画だそうです。
How to derive general relativity from Wolfram Physics with Jonathan Gorard
https://youtu.be/1tjhE0U-mgc?si=yHGdoIDqNUDpyzp7

量子力学もでてくるとか‥‥。
How to derive quantum mechanics from Wolfram Physics with Jonathan Gorard
https://youtu.be/YZhCYLZanEE?si=c7eH-FodA5RVKl1J
ほんとうなら面白いですね。

AlphaFold2がアップデートされているそうです。糖鎖生物学にも役立つと期待できます。

今日は毎週開講されている神戸大学計算科学教育研究センター提供の遠隔講義、計算生命科学の基礎10の講義の日でした。今日は「タンパク質人工設計の基礎」という講義で、
講師は古賀 信康 先生 (大阪大学蛋白質研究所)でした。タンパク質を設計して天然にない構造のものもつくれるという実例も面白かったですが、なによりも蛋白質の折りたたみ、立体構造のルールを物理化学的な研究で明らかにしたという研究は刺激的でした。またタンパク質のfoldingの原理もよくわかる講義でした。またAlphaFold2のような機械学習のAIは既存のタンパク質の立体構造を学習して予測するため、天然に存在しない新たなタンパク質を作って、それらの構造を予測させると誤ることが多くなる(予測構造と実際の構造とが一致しない)というのもなるほどと思いました。そのAlphaFoldですが、東京医科歯科大学教授の清水 秀幸先生のツイートでさらに強力にバージョンアップしていることを知りました。


ツイートにあるサイトをみると、https://deepmind.google/discover/blog/a-glimpse-of-the-next-generation-of-alphafold/
私たちが研究している糖鎖生物学にもこれからずいぶん役立ちそうです。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(糖タンパク質です)の抗体と結合したモデルの動画などもこの記事にのっています。この記事内のRead our progress updateというリンクにある最新情報入りのpdfには、糖鎖付加したタンパク質の糖鎖を含めた構造も予測できるようになっている例や精度についての評価ものっています。
https://storage.googleapis.com/deepmind-media/DeepMind.com/Blog/a-glimpse-of-the-next-generation-of-alphafold/alphafold_latest_oct2023.pdf
もちろん動的な糖鎖の動きを知るのは先の話ですが、とりあえずは糖鎖を含めた蛋白質の構造のスナップショットがうまくいけば原子サイズレベルで予測できると期待できるようです。糖鎖生物学の新しい展開を期待しています。