岡潔関係の本とサイトの追加紹介です。

昨日は岡潔関係の無料で読める本を紹介しました。
岡潔の数学について解説した本がいくつかでているようです。私には難しすぎると思いますが、本屋で眺めてみて興味のある方は購入を検討されてはいかがでしょうか。

https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1590-0.htm
岡理論新入門 -多変数関数論の基礎-
A New Introduction to Oka Theory:Basics of Several Complex Variables
東京大学名誉教授・東京工業大学名誉教授 理博 野口潤次郎 著

岡潔 多変数解析関数論の造形 単行本 – 2020/5/31
高瀬 正仁 (著) 東京大学出版会
https://www.utp.or.jp/book/b507931.html

岡潔の随筆ではよく光明主義の本「無辺光」の話がでてきます。こちらは国立国会図書館の登録なしでダウンロードできる以下のサイトから読めます。ちょっと覗いてみましたが、こちらも上の二冊と同様に難しい本のようです。https://dl.ndl.go.jp/pid/1029121

個人送信資料のほうにももうすこし見やすい画像でアップロードされています。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1178585

ついでに奈良女子大学の岡潔のサイトも紹介しておきます。
https://www.nara-wu.ac.jp/aic/gdb/nwugdb/oka/
古本で高値がついている岡潔遺稿集とかが無料で読めます。その他の様々な資料もありますので必見のサイトです。

岡潔関係の本を少し紹介します。

私の中・高校生のころは、国語の教科書に岡潔の「春宵十話」にのっている随筆がとりあげられていたりして、岡潔の随筆をよく読みました。NHKのFMラジオでも岡潔さんと秋月康夫さんの対談が放送されていて、録音して聴いていたのを思い出します。岡潔は文化勲章を受賞した有名な数学者で、九州大学におられた数学者の高瀬正仁先生は岡潔関係の本 (岩波新書をはじめ、すぐれた評伝や岡潔の数学的業績を解説した数学書など)を沢山執筆されています。岡潔は湯川秀樹や朝永振一郎に数学を教えた先生でもあります。このごろ岡潔に興味をもつ人が多いようですので、今日は国立国会図書館の個人送信資料などで読める岡潔の著書や関連書を一部紹介してみます。

春の雲 1967年刊 講談社現代新書 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934437
月影 1966 年刊 講談社現代新書 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934709
昭和への遺書 月刊ペン社 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934708
春宵十話 https://dl.ndl.go.jp/pid/2932270/1/95 これは十話だけ収録した随筆選集の一部です。
岡潔が随筆の中でたびたび触れている建国新書という本も個人送信資料で読めます。古本では高値がついている本です。
建国新書 胡蘭成 著 中日新聞社東京本社東京新聞出版局
https://dl.ndl.go.jp/pid/3446248

線形代数の入門書の本日限定の割引販売をみつけました―「スタンフォード ベクトル・行列からはじめる最適化数学」

今日はプロテオグリカンフォーラムがオンライン(Z00m)で開催されたので参加していました。
第31回プロテオグライカンフォーラム

「グリコサミノグリカンの代謝とシグナル伝達:基礎から疾患研究へ」という講演会です。
プロテオグリカンと病気の関係について興味深い講演がきけてよかったです。
http://proteoglycan-forum.moon.bindcloud.jp/index.html

ちょっと早いですが今日の記事をアップしておきます。
Kindleの本日の日替わりセールでこんな本が499円で売っていました。
「スタンフォード ベクトル・行列からはじめる最適化数学 (KS情報科学専門書) Kindle版 」という本で、線形代数の応用例が満載の予備知識なしに学べる入門書です。
出版元のページはこちらです。
https://www.kspub.co.jp/book/detail/5161968.html

紙の本が4950円で販売されているのですから、破格の値引きです。この本はスタンフォード大学の先生の教科書の翻訳書で、原書はオンラインで公開されています。訳書は読みやすい日本語で、訳者の名古屋工業大学の玉木徹先生によるGithub サイトには原書者のページにあるJulia companionの翻訳が掲載されています。原著者によるサポートページは以下にあります。
https://web.stanford.edu/~boyd/vmls/
このサイトに原著のダウンロードリンクがある他、講義ビデオ、講義スライド、Python やJuliaでつかえるnotebookやPython利用の手引き、Julia companion、それに正誤表なども公開されているので独習可能な本でとてもよさそうです。割引は本日中なので購入を検討してみるとよいでしょう。私は買ってしまいました。

糖鎖生物学に関係するtwitterアカウントを紹介します。

糖鎖生物学に関するtwitter アカウントのtop 10を紹介して―とChatGPTに頼んでみました。すぐに10個紹介してくれてそれぞれに説明もついていたので早速アクセスしてみました。でも残念。教えてくれた10個には存在ないアカウントが二つ三つ混じっていたり、更新が2014年で止まっているアカウントなどがあり、実際に役立ちそうなアカウントは一つか二つでした‥‥。そこで、今日は私がよくみている糖鎖生物学関係のtwitterアカウントをChatGPTに代わって、三つ紹介しておきます。

1)https://twitter.com/ACSCentSci
これは2022年のノーベル化学賞に輝く糖鎖生物学者Carolyn R. Bertozziさんが編集長を務めるアメリカ化学会The American Chemical Society (ACS)の雑誌ACS Central Science
https://pubs.acs.org/journal/acscii
のtwitterアカウントです。Bertozziさんもtweetしていて糖鎖生物学に関する情報も豊富です。彼女の受賞したclick chemistryの特集号もこの雑誌からでていて参考になります。
https://pubs.acs.org/page/vi/bioorthogonal-click-chemistry?utm_source=pcm&utm_medium=virtual_issue&utm_campaign=PUBS_1122_KLR_OC_acscii_Bioorthogonal_and_Click_Chemistry&src=PUBS_1122_KLR_OC_acscii_Bioorthogonal_and_Click_Chemistry

2)こちらは日本語のtwitterアカウントです。
https://twitter.com/sugargroove
東京大学の伏信 進矢(ふしのぶ しんや)先生のtwitterで毎日面白い話題が提供されています。

3)https://twitter.com/GlycoinfoC
こちらは Glycoinformatics Consortium (GLIC) https://glic.glycoinfo.org/のtwitterアカウントです。有用なソフトなどへのリンクが頻繁に掲載されているので参考になります。

ChatGPTの詳細な使い方の解説記事を紹介します。

エンジニア向けの情報共有サイトのQiitaをみるのに私は以前紹介したOpen Qiitaというアプリを使っています(iPad版 やGoogle Play版があります)。https://app-liv.jp/5344164/
このアプリ、年末あたりに検索などに不具合がおこって使えなくなったのですがこれはQiita側のインターフェイスの改変による不具合だったようで今は改訂されて以前よりさらに使いやすくなっています。このアプリは新着記事をみたり、好きな記事を保存したりできて大変便利でQiitaにログインせずに使えるのですぐれたアプリだと思います。このアプリで Qiitaの記事をChatGPTというキーワードで検索していた時みつけた2/20日の記事を紹介しておきます。これは役立つ記事だと思います。
https://qiita.com/tak001/items/7605f0be7b424118e5a5
ChatGPTを最強の学習ツールにする方法というタイトルですが、こんなこともできるのだという例が満載です。ChatGPTの登録方法からはじまって、様々な質問とそれに対するAIの回答がならべてあります。誤った答えを返してくることに対する注意ものっていて大変勉強になる記事です。この記事にならって各人の専門に役立つ使い方が考え出せると思います。是非一度読んでみてください。よい記事です。

ウエットの生命科学者向けの数理生物学の入門書と動画を紹介します。

数理生物学の入門書を紹介します。金沢大学の佐藤純(さとうまこと)先生の新刊です。以前日本語で書かれた「いますぐ始める数理生命科学 – MATLABプログラミングからシミュレーションまで – (コロナ社)」という本のアップデートされた英語版で演習問題も追加されているそうです。
Getting Started in Mathematical Life Sciences From MATLAB Programming to Computer SimulationsというタイトルでSpringer Nature から今年刊行されました。(英語版の本は所属機関がSpringer Linkを契約していると無料でダウンロードできるかもしれませんので調べてみてください。九州大学の場合は無料でpdfやepub版がダウンロードできました。)理論家ではない生命科学者にむけて書かれている本でMATLABを利用して学ぶように書かれていますが、生物学者にはなじみのMATLABですので読みやすいと思います。MATLABの代わりにMATLAB互換のフリーソフトOctaveでも動きます。Pythonで学びたい人向けにはYouTubeで先生が動画を順次公開されているのでそちらを利用するとよいでしょう。

先生のPythonによる動画リンクは以下のとおりです。
https://www.youtube.com/watch?v=hQiu4eXyuP8
https://www.youtube.com/watch?v=V-2rAQui8nI
https://www.youtube.com/watch?v=2WKm9cjB7V8
https://youtu.be/QaDt0aPCims
こちらのチャンネルに全部まとまっています。
https://www.youtube.com/@mochizunda8827

ChatGPTに英文の意味をきいてみました。

ChatGPTは評判の人工知能です。まだ使い始めたばかりですがいろいろ試してみています。今日は私がよく教材につかっているFaradayの書いた文の意味をやさしい英語で解説してくれるように頼んでみました。意味を調べたい文は私が昔。英国のFaraday博物館を訪れたときに展示してあったパネルに書いてあったものです。

“All this is a dream. Still, examine it by a few experiments.
Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the
laws of nature and in such things as these, experiment is the
best test of such consistency.”

This note was made by Faraday on 19th March 1849, when set out
in search of a connection between gravity and electricity and magnetism
–the final link in the unity of natural forces in which he so firmly believed.

ファラデーが重力と電磁気力の間に関連があるはずだと行った実験が、否定的な結果しか出なかった後、日記に書き遺した言葉です。その中の。Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the laws of nature and in such things as these, experiment is the best test of such consistency.という部分の意味をやさしい英語で解説してとChatGPTに頼んでみました。やり方はログインボタンを押して、メールアドレスとパスワードをいれてログイン後、一番下のChatの入力欄に質問を入れてエンターを押すだけです。下のギャラリーのサムネールをクリックすると、もとの画像が開きますのでご覧ください。ログイン画面、ログイン後のChatGPTの使用例入りのChat画面(一番下にChatの入力窓があります。画像には写っていません。)、そして今回のChatのやり取りの画像を載せておきました。

3番目の画像にあるように、
私がCould you explain the meaning of the following paragraph in plain English?と聞くと、
Sure, I’d be happy to help. Can you please provide me with the paragraph you’d like me to explain?
と答えてきます。私が次の文を入力してリターンを押すと、
Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the laws of
nature and in such things as these, experiment is the best test of such
consistency.
ChatGPTの答えが以下のように帰ってきました。

Certainly! This paragraph is saying that something that seems incredible or unbelievable can still be true, as long as it doesn’t violate the laws of nature. To determine whether something is consistent with the laws of nature, the best way is to conduct experiments to see if the results match what we would expect based on what we know about how the world works. In short, the paragraph is encouraging us to keep an open mind and use experimentation to verify the truth of extraordinary claims.

実験の大切さを説いているパラグラフだとわかりやすく説明してくれています。

皆さんもいろいろ使ってみてください。最近ではMircosoft EdgeのブラウザにもChatGPTが組み込まれたそうです。いろいろそちらも使ってみたいと思います。

世界各国のテレビやラジオを視聴できるイカテレビというサイトがあるそうです。

イカテレビについて。
今日知ったのですが、イカテレビというサイトがあります。https://ikaten.squidtv.net/
このサイトでは世界各国のテレビやラジオで公開しているものを視聴することができます。ライブ配信や、YouTubeチャンネルへのリンクなどからなるポータルサイトです。日本の放送 NHK worldその他へのリンクもみうけられます。世界の放送を視聴できるというサイトなので、英語にかぎらず、世界各国の言語での放送が視聴できます。ときどき広告がポップアップするので気をつけて視聴してみてください。字幕がでない放送の場合は、以前紹介したGoogle Chromeでアクセスして、字幕自動生成を放送されている言語に設定しておくと字幕付きで観ることができるので便利です。以下に記事へのリンクを載せておきますので参考にしてください。

英語の音声教材や、英語の動画で字幕を自動生成する方法を紹介します。

指紋の形成がTuring (チューリング)の反応拡散方程式で記述できるそうです。

有名な雑誌Cellに指紋はTuringの反応拡散系で形成されるという論文がでました。オープンアクセスの論文ですので興味のある方はご覧ください。具体的に反応拡散している分子も同定されておりしっかりした研究です。
https://doi.org/10.1016/j.cell.2023.01.01
やさしい解説は英語ですがこちらなどにあります。
https://www.sciencealert.com/theres-an-amazing-link-between-zebra-stripes-and-how-our-fingerprints-grow

このブログでも何回か、Turingのモデルについて書きました。

生物の形態形成の理論 Turingの反応拡散モデルのその後

おすすめの数理生物の教科書「発生の数理」(三浦岳著 京都大学出版会)について

上の過去記事で紹介したものより古い動画ですが、参考になる動画を二つ紹介しておきます。
1)「第54回科学技術映像祭」教育・教養部門優秀賞受賞  2012年10月放送作品
シマシマの謎 動物の模様を“数学”で解く? | ガリレオX (2012年)第38回
https://youtu.be/LcLKQSQGlcU
あるいは、
2) 日本物理学会 2017 年度公開講座「生物の模様ができるしくみ」 近藤 滋 日本物理学会チャンネル
https://youtu.be/PhQZsS0_bhY

九州大学箱崎キャンパスが登場する映画―怪人二十面相伝

K-20という映画です。九大ロケが行われました。
https://youtu.be/xKf5_lnssIU

怪人20面相伝というサブタイトルの映画で、平行世界の私達の歴史とは異なる発展をとげた帝都日本が舞台の映画です。怪人20面相と明智小五郎の対決などがテスラの遺産をめぐって描かれている映画 (2008年の作品)です。金城武・松たか子・仲村トオル・國村隼・高島礼子さんなど豪華キャストが出演されています。この映画、九州大学箱崎キャンパスでロケが行われたので有名です。いまはもう箱崎キャンパスから消えてしまった建物がちらちらとでてきて、九大箱崎キャンパスで過ごしたことのある人にはなつかしい映画になっています。映画撮影後、九大での試写会が箱崎キャンパスの中央大講堂で行われて見に行った人も多いのではないでしょうか。以下のリンクなどで映画の中にどこがでているか確認してからみてみるとよいでしょう。

http://hakozaki-kyudai.com/c3_campus/c3_sp1_k-20_i.html
http://hakozaki-kyudai.com/c3_campus/c3_sp1_k-20.html

ちょうど近所の図書館で「絵葉書が映す九州帝国大学と箱崎」(長副博之著・海鳥社)
http://kaichosha-f.co.jp/books/history-and-folk/5726.html
という面白い本を借りてきて読んでいるうちにこの映画があるのを思い出しました。こちらの本は九州大学箱崎キャンパス、医学部キャンパス、福岡高校、教養部など九大とその周辺の歴史を、古い写真や絵ハガキを通じて教えてくれるよい本です。以前紹介したアインシュタインの治療をした医学部の三宅速教授の話や、心臓拍動のメカニズムを解明してペースメーカーの父と呼ばれる田原淳教授の紹介もしっかり書かれています。箱崎や馬出キャンパスで過ごした方が読むと、ああ、あそこは昔こんなんだったんだなどの感慨もひとしおという本になってておすすめします。

以下のAmazonのリンクにはサンプルページものっているので一度ご覧になって購入の参考にされるといいと思います。
https://www.amazon.co.jp/%E7%B5%B5%E8%91%89%E6%9B%B8%E3%81%8C%E6%98%A0%E3%81%99%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%A8%E7%AE%B1%E5%B4%8E-%E9%95%B7%E5%89%AF-%E5%8D%9A%E4%B9%8B

追記;是非読んでいただきたい本である「アインシュタインからの墓碑銘」についてはもう一本記事を書きました。こちらからご覧ください。この本はKindle版もでていて手軽によめるので是非読んでみてください。

アインシュタインの旅日記とアインシュタインからの墓碑銘の話―アインシュタインが訪れた九州大学と福岡(その5)