フカシギおねえさんのYouTube動画を紹介します。

今日は日本評論社からでている雑誌『数学セミナー』2025年1月号の記事
「コンピュータによる数え上げ」(湊真一 京都大学教授)の記事で教えてもらった動画を紹介します。
12年前の動画だそうですが色あせない面白い動画です。組み合わせ爆発のすごさを印象的におしえてくれる動画です。小学生から見ることができると思います。是非、未見の方は家族そろってご覧ください。

『フカシギの数え方』 おねえさんといっしょ! みんなで数えてみよう!

https://youtu.be/Q4gTV4r0zRs?si=Uk8v5sU8BgqTY-w2

より詳しくは上の数学セミナーの記事をご覧になることをおすすめします。
また湊先生の講演動画もあります。

オープンハウス2013:基調講演「フカシギの数え方― 組合せ爆発に立ち向かう最先端アルゴリズム技術」湊真一
https://youtu.be/8xqEBQc1nTo?si=RCr5XJwOMT_pezrA

ニホニュウムって聞いたことがありますか?小学生からわかる解説動画が公開されています!小学生がいるご家庭必見の元素についての動画です!

昔、九大の私の研究室の廊下に「一家に1枚 元素周期表」という周期表のポスターを張っていました。今でもこちらのサイトからダウンロードできるので是非、ダウンロードしてみてください。面白いし、お子さんにも喜ばれることうけあいです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/week/1413572_00004.htm
この周期表にのっている日本で発見された元素 ニホニュウムについて小学生でもわかる解説動画がYouTubeで公開されています。理研・九州大学の森田 浩介教授が中心になって発見された113番元素ニホニュウムと、昔日本で発見された幻の新元素ニホニュウムについても知ることができる講演会動画です。今日本で合成にチャレンジされている119番元素の話もあります!
元素ってなにかということから解説してくださっているので小学生、中学生、高校生から理解できるよい動画です。すばらしい動画ですので是非みてください。科学者になった気持ちで聞いてくださいという講演会最初の櫻井 博儀RNCセンター長の言葉も印象的です。ただ原子の顕微鏡画像は著作権の関係で削除されていてQRコードでみるようになっているのでこれは残念ですね。(学校での講演や講義などでは著作権法に照らして論文の本や図などは利用できるのですが、不特定多数に対する配信の場合はこうした著作権の制限があるのです。この事実もこの動画で理解できます。こうした法律がある現代の社会の現実を一目で理解できるのでその意味でも教育的によい動画です!)
講演会の概要はこちらの理化学研究所のサイトをみてください。
https://www.riken.jp/pr/news/2025/20250106_1/index.html
YouTube動画はこちらです。リンクは動画の最初から再生したい場合に利用してください。埋め込んだ動画は著作権についての表示がある部分を再生するように埋め込んでありますので参考にしてください。
『科学者に聞いてみよう「ニホニウムってなんだ!?」 ~誕生20周年記念講演会』
https://youtu.be/tyKuIz0FkwM?si=uKd0C4f8fjjobM-e

とても良い動画なのですが、広告がやたらに入りますね。また最近ではログインせずにYouTubeを見ようとすると頻繁に
「ログインして bot ではないことを確認してください コミュニティの保護に役立ちます。詳細」というメッセージがでてログインしないと動画が再生できなくなりました。どうやらIPv6のプロトコルのインターネット接続でYouTubeにアクセスするときに時々このメッセージがでるようです。Windowsのネットワークアダプターの設定のプロパティを開き、インターネット接続プロトコルバージョン6 TCP/IPv6に入っているチェックを外して、インターネットプロトコルバージョン4 TCP/IPv4のチェックだけ入っているようにすると、このメッセージがでなくなるようです。

LinuxやGitなどコンピュータ科学に必須のツールの使い方講座(日本語版あり)が一押しです!マサチューセッツ工科大学の講義です!

コンピュータサイエンスを学ぶときに必須ですが、あまり講義ではとりあげられないLinuxのシェルの知識、コマンドラインの使い方とか、エディタの使い方、Gitによるバージョン管理などについての講義が MIT(マサチューセッツ工科大学)から公開されています。英語がオリジナルですが日本語版もあるので日本語版を紹介します。エディターは Vimというのを使っていますがもちろんVS codeについても配慮されていて、VSCodeVim(Vim emulation for Visual Studio Code https://github.com/VSCodeVim/Vim)を使用する方法もあわせて紹介されています。
講義の日本語版ノートはこちらです。ビデオへのリンクもあります。
https://missing-semester-jp.github.io/
日本語版から、冒頭の講義の紹介部分を引用します。
『The Missing Semester of Your CS Education (日本語版)
大学の講義ではオペレーティングシステムから機械学習まで、 コンピュータサイエンスの様々な発展的トピックを学びます。 しかし、重要であるにも関わらず講義で教わることはめったになく、 したがって自分で学ばなければならないことがあります。 それは「コンピュータを操作するツールを習熟すること」です。 本講義では、コマンドライン操作をマスターすること、パワフルなテキストエディタを使いこなすこと、 バージョンコントロールの様々な機能に触れること、などなどを教えます!
とてもよさそうな講義ですね!
この一連の講義は日本語で学べて動画(英語ですがLanguage Reactorなどを使って日本語訳表示でみることもできます)もそろっているので一押しです。1トピック1時間の講義なので必要なものから視聴することも可能です。第一回の講義をサンプルに埋め込んでおきます。
https://youtu.be/Z56Jmr9Z34Q?si=DUYib9-y1WXuRk77

こちらは英語ですが、ワシントン大学の同様の講義もあります。動画もあるので自分の気に入ったほうから学ぶのがよいでしょう。
https://courses.cs.washington.edu/courses/cse391/24au/

量子力学の発展史の新しい動画が公開されています。

今年は量子力学ができて100年の年にあたるようで、様々な本が日本でも出版されています。このブログでいつも紹介しているDr. Jorge S. Diazのチャンネルhttps://www.youtube.com/@jkzero
で新しい動画が公開されているので紹介します。物質波のアイデアがどのように生まれたかという動画です。いつもながらオリジナルの論文に基づいた歴史の動画は迫力があります。

de Broglieは波動力学の祖ですが、日本からも渡邊慧が彼のもとに留学しておられました。

この動画ではde Broglieのインタビュー動画もみせてくれます。フランス語ですが英語の字幕が付いた動画はこちらにもあります。1967年のインタビューなんですね。

オンラインで高品質の生命科学系の図を作れるサイトができています!

論文の投稿用などにつかえる高品質の図をオンラインで作成できるサイトが公開されました。中国のラボがこしらえたオンラインツールで今月号のNucleic Acid Researchの恒例のデータベース特集
https://academic.oup.com/nar/issue/53/D1
に論文が載っていて現在論文とサイトが公開されています。
このデータベース特集は最新の生命科学系データベースを概観するのに最適ですので、上のリンクからサイトを訪れて自分にあったデータベースを見つけてください。本当に色々なデータベースがあるので驚かされます。
さて今回紹介する図を作れるサイトについては以下の論文で紹介されています。

Generic Diagramming Platform (GDP): a comprehensive database of high-quality biomedical graphics
Shuai Jiang and others
Nucleic Acids Research, Volume 53, Issue D1, 6 January 2025, Pages D1670–D1676, https://doi.org/10.1093/nar/gkae973

このサイトについては、以下のBlueskyの投稿でさっき知ったところですのでちょっと使ってみただけですが、なかなかよさそうです。使い方は簡単でPhotoshopやIllustrator, Power pointなどで苦労して図を作る手間が大幅に省けると思われます。皆さんもぜひ試してみてください。サイトのHelpには簡単な使い方の動画Workflowもあります。

Generic Diagramming Platform (GDP): a comprehensive database of high-quality biomedical graphics

Website
BioGDP.com

Open Access
academic.oup.com/nar/article/…

[image or embed]

— Science News (@scinews.bsky.social) 2025年1月9日 22:04

図式による量子論―圏論をもとにした量子力学の定式化についてのわかりやすい講演が公開されています。

The Royal Institutionの最新動画はPicturing Quantum Processesの著者である Bob Coeckeの講演です。
彼は量子コンピュータの会社をやっていて、量子物理の論理や圏論による量子物理の定式化の専門家です。インダストリアルという音楽のミュージシャンとしても有名だそうです。(このブログでも何度もとりあげていますので検索窓にCoeckeなどと入れて検索してみてください。)

この動画は、彼の最新の本の解説が聴けるチャンスです。彼の研究グループは圏論の立場から量子力学を再構成することに成功し、ヒルベルト空間を用いて定式化されている現代の量子力学のすべての計算を、この動画で解説されているスパイダーダイアグラムという図式表示で可能にした人です。この図式表現は、世界中のいたるところで使われており、量子コンピュータのプログラム作成にも利用されているそうです。講演の中でテーブルに山積みされていて、最初にクイズに正解した人に配っている本Quantum in Pictures: A New Way to Understand the Quantum Worldの解説が中心の一般向け講演で、この本は現在Kindle版では600円ちょっとで購入できます。講演を聞いてみて興味がわいたら購入してみてはどうでしょうか。この本で教えた15-17歳の生徒は、試験でOxford大学の量子物理の卒業生の平均点を越えたそうです。

A new way to understand quantum – with Bob Coecke
https://youtu.be/s0oF4olxIVQ?si=unCPGVpo8s0xBdTH

日本語の一般市民向け講演会―ブラックホールや量子論、スピンや量子情報などについての動画とスライドが公開されました。

昨年12月14日に Zoomで開催された『学術変革領域研究(A)極限宇宙の物理法則を創る』の第三回の市民講演会の動画を紹介します。以前にも第二回の市民講演会の動画を紹介したことがありますが(本記事の末尾のリンク参照)、つぎの領域ホームページの成果・アウトリーチの市民講演会のページに今回の動画のスライドと動画へのリンク、第二回、第一回の動画とスライドへのリンクが掲載されています。
https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~extremeuniverse/public_talk/

今回の講演会動画は2本あります。
1)飯塚則裕(国立清華大学(台湾)物理学専攻・副教授/京都大学基礎物理学研究所・特任准教授、専門:量子重力理論と弦理論)「思考実験とブラックホールと量子論」https://youtu.be/HbhqRlopTYc?si=evRzrs5VOFQDuMS3

2)奥西巧一(新潟大学自然科学系・准教授、専門:統計物理)
「物質中に広がる小宇宙―スピンで見る物質と量子情報の世界―」
https://youtu.be/ypGm_ZVhUYY?si=5sfJfTORm4cHmJMU

今はやりのスピンや量子もつれ、そしてブラックホールなどの話題が一般市民向けにやさしく解説されています。これは面白そうです。

『学術変革領域研究(A)極限宇宙の物理法則を創る』 のホームページはこちら。
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~extremeuniverse/
この領域のYouTubeのチャンネルには今回紹介した動画などの他に、もう少し専門性の高い、場の量子論の解説動画などもありますので、興味がある方は次のリンクをご覧になるとよいと思います。
https://www.youtube.com/@extremeuniverse4346/playlists

『学術変革領域研究(A)極限宇宙の物理法則を創る』の市民講演会の動画を紹介します。

MITの公開している講義動画や無料教科書・講義資料をみてみましょう。

米国の有名大学であるMITは多くの講義をオンラインで公開しています。YouTubeならこちらでみることができます。
https://www.youtube.com/user/MIT

MITのOpen Course Wareのサイトについては何度も紹介しています(末尾のリンクを参照)が、サイトには講義資料やテキストでダウンロードできるものもいっぱいありますので是非、本家の方も探してみてください。リンクはこちらです。https://ocw.mit.edu/
サイトにいって、検索窓にlinear algebra (線型代数)といれて検索してみましょう。すると有名なStrang教授の授業が公開されているサイトなどが一覧ででてきます。こんな感じです。
https://ocw.mit.edu/courses/18-06sc-linear-algebra-fall-2011/
教材やビデオへのリンクもあります。
2021年のStrang教授の線形代数の教科書ZoomNotes for Linear Algebraもダウンロードできます。
https://ocw.mit.edu/courses/18-06-linear-algebra-spring-2010/4d876a9159e32543eb0d73b4d4382f4c_MIT18_06S10ZoomNotes.pdf
線型代数に限らず、生化学の講義
https://ocw.mit.edu/courses/7-05-general-biochemistry-spring-2020/video_galleries/video-lectures/
とか分子生物学の講義もありますし、機械学習やPythonの入門講義や場の量子論の講義、以前紹介したことがある量子論の発展史の講義などいろいろあるので是非探してみてください。英語で講義をする人、英語の講義をきいて専門用語を発音と一緒に覚えようとする人にも役立つサイトですね。

さがしてみると、なんと大学院生のためのテクニカルライティングの講義資料もダウンロードできます。
https://ocw.mit.edu/courses/21w-794-graduate-technical-writing-workshop-january-iap-2019/pages/lecture-notes/
MITのOpen CourseWareを紹介した以前の記事にも載せましたが、Strang教授の微積分入門書Calculus online textbookもダウンロードできますよ。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/textbook/
以前の記事はこちらです。併せて参考にしてください。

MITのOpen CoursewareでMathematics for Computer Scienceという教科書をダウンロードしたり、有名なStrang先生の微積分入門講義が学べます!

望月新一教授のブログ記事が1月4日に追加されています。量子力学の新しい教科書(英語版)が今年でるようです。

一昨日紹介したABC予想の解決で有名な京都大学の望月新一教授のブログ記事が1月2日に続いて4日にも更新されました。
高度な偽装を狙う「技術」と、究極的な真実の解明を目指す「科学・純粋数学」
というタイトルの記事で、AIをはじめとした技術(文字の発明もとりあげられています)の齎す(もたらす)成果と、純粋科学としての数学との対比、純粋数学の研究の人類にとっての重要性を力説されています。記事は上のリンクから読めますが、私の今の要約では尽くせない内容ですので是非各自で読まれることをお薦めします。
https://plaza.rakuten.co.jp/shinichi0329/diary/202501040000/

話は変わりますが、量子力学の新しい教科書がSpringerから今年出版されるようで著者(ジョージタウン大学物理学教室のJames Freericks教授)が宣伝の動画シリーズをアップロードされています。堀田先生の本と同じような、量子ネイティブのための新しい教科書になるようで興味のある方はご覧になるとよいでしょう。
Quantum Mechanics Done Rightというタイトルの本だそうです。動画のプレイリストはこちらです。どれも10分以下の動画です。
https://youtube.com/playlist?list=PLxyBMSdBhYxP1QiBmfRXcDorphxjQT_ye&si=pEVyNfADNlAwDZF2

最新の回の動画を埋め込んでおきます。
Chapter 3: The quantum mechanics of light (Quantum Mechanics Done Right video 7)
https://youtu.be/DrJCTz6sOJo?si=cFJado4QMcey5lzq

線虫C. elegansの神経回路網からAIを考える動画が面白そうです。

今ではショウジョウバエのコネクトームも解明されましたが、線虫C. elegansはそのすべての神経細胞の神経回路の接続(コネクトーム)が解明された最初の多細胞生物です。コネクトームという単語に含まれているオームというのは、数学のΣ記号にあたる接尾辞で、プロテオームproteomeといえばすべてのタンパク質の集合、ゲノムgenomeといえばすべてのgeneの集合という意味になります。つまりコネクトームconnectomeといえばすべての神経細胞間のコネクションの集合という意味になるわけです。線虫のコネクトームが解明された時、先見の明のある企業のNECは、基礎研究所に線虫研究の部門をつくって研究をすすめていました。現在活躍されている優秀な線虫研究者にはこの研究所出身のかたもおられます。九大で開催された線虫講習会には、NECの佐野亨さんが講師でこられており、Linuxの使い方からはじまって線虫ゲノムデータベースであるACEDBの使い方などを教えてくださいました。私がはじめてLinuxというものを知ったのも、この佐野さんの講義です。
近頃、線虫のコネクトームは、AI研究にどのように役立つのだろうか、と思っていたのですが、ちょうどよい動画を見つけました。

YouTubeの動画で、線虫のコネクトームのAIとの関連を、制御工学とニューラルネットワークの立場から考えている動画です。PubMedで演者を検索すると、神経ネットワーク解析やバイオインフォマティクスの専門家の方でしっかりした論文もだしておられる若手の研究者の方のようです。

AI時代に線虫のコネクトームがどう生かされるのか、ちょっと興味をひかれる動画で時間ができたら見てみたい動画です。