久保さんの緑本『データ解析のための統計モデリング入門』を読むための動画やサイトを紹介します。

岩波書店から出ている久保 拓弥さんの本は緑本とよばれて読まれている名著です。
確率と情報の科学シリーズの一冊です。岩波書店のサイトへのリンクをのせておきます。
『データ解析のための統計モデリング入門
一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC』
https://www.iwanami.co.jp/book/b257893.html

久保さんの講義が公開」されているのをうかつにも今日まで知りませんでした。次のツイートにある講義は緑本を読む前に学ぶととても良いと思います。私も勉強させてもらおう糖思います。

動画リンクはこちらです。
https://www.ism.ac.jp/lectures/leadingdat/2022/free_movie.html
いろんな動画がありますが一番下に久保さんの動画へのリンクがあります。
埋め込んでおきます。
https://youtu.be/Hq4K2Kk3lbU?

https://youtu.be/lj77dMmw98E?

こちらのサイトも緑本を読むのに参考になりそうです。
「データ解析のための統計モデリング入門」 読書メモ一覧
https://stern-bow.hatenablog.com/entry/2024/12/30/180000

Perimeter Instituteの一般むけ動画―数学と物理学の未来について

Perimeter Institute for Theoretical Physicsの一般むけ講演の動画が面白そうです。
After Big Science: The Next Breakthroughs in Physics
https://youtu.be/Gq1ywqdYvrs?

数学と物理学との関係について歴史(ピタゴラスやプラトンからウイグナーやファインマン、そして現代の物理学と数学の関係まで)について聞き取りやすいやさしい英語で解説がはじまります。物理学は実験と数学で進むという話です。講演では、隠れた次元、マルチバース、ダークマターなどについての驚くような仮説を紹介してくれます。
講演の最初のほうででてくる、ウイグナーのエッセイの日本語訳は国立国会図書館のデジタルコレクションで読むことが出来るのでよんでみてください。
『自然法則と不変性』(ダイアモンド社)という本にある「自然科学において数学がおかしなほど有効であることについて」というエッセイです。とても有名なエッセイですので、話の種に是非読んでみてください。。直リンクをはっておきます。

https://dl.ndl.go.jp/pid/12609298/1/175

宇宙からの謎のシグナルWow!シグナルが再解析されたそうです。

GIGAZINEの次の記事で知ったのですが、Wow!シグナルについての新しいプレプリントが公開されたそうです。

『1977年に観測された謎の信号「Wow!シグナル」の再調査が行われてやはり地球外に起源を持っている可能性が高いと判明』
https://gigazine.net/news/20250827-wow-signal-extraterrestrial-source-powerful/
プレプリントサーバーに論文がアップされています。

Arecibo Wow! II: Revised Properties of the Wow! Signal from Archival Ohio SETI Data

arXiv:2508.10657 [astro-ph.HE]
(or arXiv:2508.10657v1 [astro-ph.HE] for this version)
https://doi.org/10.48550/arXiv.2508.10657

Wow!シグナルについては一年前にこちらのプレプリントが公開されています。今回のは第二段です。

Arecibo Wow! I: An Astrophysical Explanation for the Wow! Signal

arXiv:2408.08513 [astro-ph.HE]
(or arXiv:2408.08513v2 [astro-ph.HE] for this version)
https://doi.org/10.48550/arXiv.2408.08513

以前NHKのコズミックフロントで紹介していた宇宙人からの信号かもしれないという電波です。詳しい論文がでたので興味がわきますね。

言語学入門の動画をみつけました―学び直しによさそうです。

大学の教養科目で言語学をとったことがあります。ソシュールとかチョムスキーの話がきけるとおもってとったのですが、めちゃめちゃしょうむない授業でした。毎回、日本語の単語の起源とか解説をきかされるだけでがっかりしたのが唯一の記憶です。最近はYouTubeなどで面白い講義がきけるのでよいですね。今朝見かけたツイートを埋め込んでおきます。

 

こちらが動画です。三年前の動画とのことです。

講義「言語学入門(前編)」(柴谷方良)/言語学レクチャーシリーズVol.14
https://youtu.be/ce1xYAP2cmI?

講義「言語学入門(後編)」(柴谷方良)/言語学レクチャーシリーズVol.14
https://youtu.be/gypKhYKPZPE?

国立国語研究所 言語学レクチャーシリーズの動画です。

以下のリストには、いろんな講義があって面白そうです。
https://youtube.com/playlist?list=PLZfZgVvFbh1a3zOK9Z2OJk6mA0olmcw3u&

Reactomeというデータベースをご存じですか?

Reactomeはヒトの生体中での代謝や遺伝子パスウエイ、酵素反応や分子反応などの知識を網羅しているデータベースです。
https://reactome.org/
ずいぶん前から存在して地道にアップデートされているデータベースで、とても信頼できるデータベースとされています。今私は、線虫C. elegansの遺伝子リストをこのデータベースにいれて、入力した遺伝子をヒトのオーソログ遺伝子に対応させてどんな遺伝子がエンリッチされているかをみています。線虫でのパスウエイもみることができますし、線虫遺伝子のオーソログ遺伝子がどんなパスウエイにマップされているかを知ることができて大変便利で役立つと感じています。使い方は別の記事にまとめますが、簡単な紹介はToGO TVにあるのでまず動画をみて使ってみてください。綺麗な図もいっぱい載っているので、パスウエイデータや生化学反応、遺伝子相互作用、低分子リガンドとタンパク質との相互作用などを目で見て知ることができます。
動画はこちらです。
Reactome を使ってパスウェイ情報を検索する〜基本操作編〜
https://togotv.dbcls.jp/20230625.html

Reactome を使ってパスウェイ情報を検索する〜解析データのマッピング〜
https://togotv.dbcls.jp/20231110.html

ReactomeにはCytoscapeから使えるプラグインもあります。
https://apps.cytoscape.org/apps/reactomefiplugin
試してみた結果は後日まとめて記事にします。

Ulam記念講演第2夜は老化についての一般向け講演でした―12時間ほど前に配信済み

昨日紹介したVenki Ramakrishnanさんの講演会が終わり、動画が配信されています。Ramakrishnanさんはリボソームの構造決定でノーベル化学賞を受賞した生命科学者(構造生物学者)で英国MRC LMBの所長もつとめていた方です。老化研究についての一般向けの本Why we dieはベストセラーになっていて日本語訳もあるので読んだ方もいるかもしれません。
Why We Die (ホワイ・ウィ・ダイ) 老化と不死の謎に迫る
価格 2,420円(税込)ISBN 9784296113590 発行日 2025年01月29日
著者名 ヴェンカトラマン・ラマクリシュナン 著、土方 奈美 訳
発行元 日本経済新聞出版
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/24/12/13/01776/
老化研究について線虫C. elegansの果たした役割にも一章があてられていて、
とても読みやすそうな本です。
この本についての講演もすでにYouTubeにでていたのでリンクをあげておきます。

今回のUlam講演は特に人間の老化とその対策について主に扱う話になっています。もちろんヒドラや死なないクラゲの話 もあるので視聴してみてください。

ノーベル化学賞受賞者が語るリボソームのすべて:Santa Fe Instituteの一般講演会Ulam記念講演会が必見です!

ノーベル化学賞受賞者が語るリボソームのすべて
2009年のノーベル化学賞を受賞したMRC LMBのVenki Ramakrishnanさんが、複雑系科学の頂点の研究所Santa Fe Instituteで一般向け講演(Ulam Lecuter)を二晩にわたっておこなっています。第一夜の講演が公開されました。リボソームの構造解析でノーベル賞を受賞した研究者がリボソームやクライオ電顕についてわかりやすく話していますので、とても役立つ講演です。是非視聴してみてください。

My Adventures in the Ribosome: The Cellular Machine that Reads our Genes
Santa Fe Institute
Venki Ramakrishnan 30th Ulam Lecture Night 1
https://www.youtube.com/live/xJ5BFBbakSk?

明日は第二夜で老化と死、寿命と長寿にtづいての科学が学べるようです。これも必見です!

量子力学100年ですので、1925年のハイゼンベルグの行列力学の論文を解説している動画や、その論文と数式解説などへのリンクを紹介します!

Dr. Jorge S. Diazの量子力学の歴史の動画シリーズが更新されました。
なんと、ハイゼンベルグの行列力学の論文1925年の解説です。行列力学の歴史はなじみがうすいので、とてもよさそうに思えます。
いつもながら、素人でも数式を巧みにおっていけるように導いてくれる動画ですので、すばらしい作品だと思います。
This is how Heisenberg created quantum mechanics – a step-by-step guide
https://youtu.be/oVzzIkkYGY8?

原論文の英訳はこちらにあります。
https://www.neo-classical-physics.info/uploads/3/4/3/6/34363841/heisenberg_-_qm_interp_of_kin_and_mech.pdf
また、この論文の数式を丁寧におっていきながら解説するという、プレプリントもあるので参考にしてください。
https://mwolf.pracownicy.uksw.edu.pl/MK/Aitchison%20et%20al%20Understanding%20Heisenberg%e2%80%99s%20%e2%80%98magical%e2%80%99%20paper%20of%20July%201925%20a%20new%20look%20at%20the%20calculational%20details%200404009v1.pdf

日本語解説としては、武谷三男さんの本がよさそうです。デジタルコレクションで読めます。

武谷三男, 長崎正幸 著『量子力学の形成と論理』3 (量子力学の成立とその論理),勁草書房,1993.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592598 (参照 2025-08-25)

またSources of Quantum Mechanicsという有名な本にはこの論文の前後の論文、量子力学の始まりの論文などが網羅されているのでおすすめです。波動力学の論文はふくまれいないので注意してください。Internet Archiveで借りることができます。https://archive.org/details/sourcesofquantum0000unse
Google検索してみると、こちらのサイトにこの本へのリンクがあるのがわかりました。
https://mwolf.pracownicy.uksw.edu.pl/MK/
シュレーディンガーの波動力学の論文集へのリンクものっています。ド・ブロイの学位論文とかTonomuraの二重スリット実験の論文、Bellの不等式の論文などいろいろリンクがあって楽しめます。二重スリットの実験の共著者には江沢洋先生がはいってたのですね。はじめて知りました。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第36回)藤永茂先生の本とブログ記事など

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第36回)

昨日は100歳を今年迎えられた江崎玲於奈さんの著書を紹介しました。
今日は来年100歳を迎えられる藤永茂先生の著書とブログ記事を紹介します。藤永先生はこのブログでも何度も紹介していますので適宜検索してみてください。専門書では名著と名高い分子軌道法がデジタルコレクションで読めます。

先生のブログ記事も紹介しておきます。
『人間をかえせ』
2025-08-09 08:32:06 https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/45c88da90f151274289316f794d4a42c
藤永先生のお兄さんは長崎で被爆されています。お兄さんのその後についても書かれていて感銘をうけました。

核抑止力についての藤永先生の記事も紹介しておきます。
悪魔の代弁人
2025-08-16 20:45:30
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/1bac556cbcd717b7f5fea72197405d90
この記事で紹介されている核抑止力についての必読書は、すべてデジタルコレクションの個人送信サービスで読めるので以下で紹介します。

以前紹介したこの本も再度リンクをあげておきます。
111)  藤永茂 著『おいぼれ犬と新しい芸 : 在外研究者の生活と意見』,岩波書店,1984.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589597 (参照 2024-05-30) 藤永先生のこの本はおすすめです。
382) 藤永茂 著『アメリカ・インディアン悲史』,朝日新聞社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12149296 (参照 2025-08-24)
383) 藤永茂 著『分子軌道法』,岩波書店,1980.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12697671 (参照 2025-08-24)
以下の4冊が、『悪魔の代弁人』の記事に掲載されている必読書です。是非読んでみてください。第三次世界大戦をひきおこしかねないウクライナでの戦争を考える上でも必読書です。
384) 豊田利幸 著『核戦略批判』,岩波書店,1965. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9544597 (参照 2025-08-24)
385) 豊田利幸 著『新・核戦略批判』,岩波書店,1983.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11894416 (参照 2025-08-24)
386) 豊田利幸 著『SDI批判』,岩波書店,1988.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12658991 (参照 2025-08-24)
387) 日本平和委員会 編『平和運動20年資料集』,大月書店,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11925427/1/307 (参照 2025-08-24)
これはラッセル・アインシュタイン宣言がのっている本です。掲載されてるページへのリンクを載せました。
388) その他の豊田利幸さんの本もデジタルコレクションで読めます。豊田利幸 [ほか]編著『太平洋の非核化構想』,岩波書店,1990.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12761829 (参照 2025-08-24)
389)豊田利幸 著『核時代における科学と政治』,れんが書房,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11927269 (参照 2025-08-24)

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第35回)江崎玲於奈さんの本

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第35回)
私の中学時代、図書室で本を読んでいました。司書の先生が「この部屋でノーベル賞をとった江崎玲於奈さんが君と同じように本を読んでおられた」と教えてくださいました。江崎さんは京都府立一中の試験に落ちて同志社中学に入学されたそうです。読売新聞のノーベル賞フォーラムでの対談によると、『江崎氏: 私も小学校の成績は良く、いわゆる優等生だった。しかし、当時の京都府立一中に進もうとして、受験で落とされた。軍国主義の時代で、健康優良児が求められていたが、私は体が細かった。当然入れる試験に落ちて大きな打撃だった。それ以後、入学試験をあまり信用しなくなった。東京大学は、戦争中で入試が行えず、無試験で入学した。』とのことです。
江崎先生は今年で100歳になられたそうで、今年あちこちで祝われている「量子力学100年」と完全に重なっているのですね。量子力学の実用の扉を切り開いた方なので国立国会図書館のデジタルコレクションで読める本を並べてみました。

375)江崎玲於奈 著『トンネルの長い旅路』,講談社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12593810 (参照 2025-08-21)
376)江崎玲於奈 著『新・日本イソップ物語 : 一科学者の提言』,日刊工業新聞社,1978.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12266407 (参照 2025-08-21)
377)『創造性への対話 : 江崎玲於奈対談集』,中央公論社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589472 (参照 2025-08-23)
378)江崎玲於奈 [述] ほか『創造の風土』,富山県未来財団,1994.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13105097 (参照 2025-08-23)
379)江崎玲於奈 著『アメリカと日本 : ニューヨークで考える』,読売新聞社,1980.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12237999 (参照 2025-08-23)
380)江崎玲於奈 著『個性と創造』,読売新聞社,1993.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13058784 (参照 2025-08-23)
381)江崎玲於奈 著『日本への提案 : 技術立国を目指して』,現代研究会,1980.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589551 (参照 2025-08-23)

これらの本が書かれた後、日本の科学や世界の科学がどのようになっていったかを見るのも今後の科学の発展の道しるべづくりに役立つと思います。