確率と統計の集中講義の公開がはじまりました!ワシントン大学のSteve Brunton教授の初心者向け講義です。

ワシントン大学のSteve Brunton教授の有名な教科書
Data-driven Science and Engineering (Cambridge University Press) が著者のサイトから無料でダウンロードできることを去年紹介しました。

技術者とコンピュータ科学者のための最新の機械学習の教科書(第2版)がダウンロードできます!

教授は物理学(流体力学など)を機械学習・データサイエンスを駆使して研究するのが専門で、YouTubeで有益な動画を多数公開しておられます。

先日から、教授による、確率と統計に関する初心者向けの集中講座の公開がYouTubeで始まったので紹介します。確率と統計学の基礎をそれぞれ5時間ずつ、進んだ内容をそれぞれ5時間ずつで講義するようです。
まず確率の集中講義からはじまっているので、こちらから見ることができます。
Probability Bootcampと題する集中講義の再生リストです。
https://youtube.com/playlist?list=PLMrJAkhIeNNR3sNYvfgiKgcStwuPSts9V&si=61G4RFQKvniEBbVX
短い動画が44本あってコイン投げから中心極限定理まで学べます。教授は物理学と機械学習・データサイエンスが専門なので、モデルをつくってデータを解析するという普通の自然科学者向けの講義はとてもわかりやすいと思います。

講義全体の展望とイントロはこちらです。
Probability and Statistics: Overview
https://www.youtube.com/playlist?list=PLMrJAkhIeNNR3sNYvfgiKgcStwuPSts9V

Pythonで量子化学計算する新記事と、手軽に量子化学・分子動力学計算を試せるMoleculatioの紹介です。

Pythonではじめる量子化学計算についての紹介を以前何度か行いました。

Pythonで量子化学計算

『Pythonで動かして始める量子化学計算 』という本を立ち読みしてきました。

新しい記事がLabCodeからでていたので紹介します。

『PySCFとGPUの連携で中・大規模分子を解析【Pythonで始める量子化学計算】』
https://labo-code.com/python/quantum-chemical-calculation/pyscf-gpu/

Google colabで動かす方法が、詳しく解説されているので、試してみるとよいでしょう。この記事ではPySCFを使っていますが、前に紹介したPsi4を使う方法もありますので合わせて学んでみてください。

量子化学計算を自分のパソコンで手軽に試せるよい時代になったと思います。
量子化学入門の方は、上に一連の記事にあるPythonでの量子化学計算やGAMESSでの量子化学計算を学ぶ前に、この前紹介した山本典史先生のMoleculatioをまず動かしてみるのをお薦めします。

高校レベルから大学レベルへつながる物理学講義と量子化学・分子動力学が簡単に試せるアプリの紹介です。

Moleculatioは
https://moleculatio.yamlab.app/
から利用できます。

SMILESの型式で分子を入力するのが面倒な人は、まずでデフォルトで登録されている分子をつかって計算をしてみるのがよいでしょう。
いろんなアミノ酸や核酸塩基AGCTも登録されているので生命科学に興味のある人も手軽に量子化学計算を楽しめます。
分子動力学計算までできるのは感動ものです。有機化学の反応機構を学ぶときに必要な有機分子のHOMOやLUMOも計算して表示してくれますので、有機化学を学ぶ人にも必須の計算サイトだと思います。
内部でどんな計算が実行されているかについての次の記事もおすすめします。
『Moleculatioの内部で採用している技術と計算条件などのまとめ』
https://yamnor.me/2024-11-26-1902/

相分離生物学の新しい動画がMRC LMBから公開されました。

昨日から、今年MRC LMB (英国ケンブリッジにあるMRC 分子生物学研究所)で開催されたthe Next Generation Biophysics Symposium 2024の講演の動画が続々と公開されています。その中でも私が聴きたかったスイスのUniversity of ZurichのBen Schuler博士によるintrinsically disordered proteins ( 天然変性タンパク質:IDP)の核内での挙動の可視化とモデル化の研究の動画を紹介します。Histone H1とそのシャペロンProthymosinAlpha (ProTAlpha)はそれぞれ天然変性領域intrinsically disordered  region (IDR)を持つタンパク質です。これらがどのように相互作用して相分離を起こしてコアセルベートをつくるか、その条件はなにかなどについての研究をわかりやすく動画をまじえて紹介している講演です。相分離生物学に興味のある方には必見の講演ですので、入門者の方も是非ご覧ください。

Ben Schuler博士のホームページはこちらです。
https://schuler.bioc.uzh.ch/

生化学と分子生物学のやさしい英語による解説動画チャンネルがあります。

英語を学びながら生化学や分子生物学の基礎を学べるYouTubeチャンネルがあります。

Quick Biochemistry BasicsというYouTubeチャンネルです。
https://www.youtube.com/@quickbiochemistrybasics/videos
いろんな動画があるので最新の動画を埋め込んでおきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6TnKeXPdQAM

英語が聞き取りにくい人は、Chromeの機能拡張を使うか、自動字幕表示でみるとよいでしょう。ゆっくり話してくれている動画も多いので自動字幕表示で十分理解できると思います。

無料で使える日本語のOCRソフト2つを紹介します。

今日は日本語のOCRソフトを二つ紹介します。

一つ目は、日本の古文書(江戸期以前や)をOCRするソフトウエア『NDL古典籍OCR-Lite』です。国立国会図書館がCC BY 4.0ライセンスで公開するソフトウエアです。

NDL古典籍OCR-Liteは、ノートパソコン等の一般的な家庭用コンピューターやOS環境(Windows, Mac, Linux)で、江戸期以前の和古書、清代以前の漢籍といった古典籍資料のデジタル化画像からテキストデータが作成できる軽量なOCR(光学的文字認識)とのことです。GPU不要の軽量なソフトだそうです。
このソフトを公開した、という紹介記事はこちらにあります。
https://current.ndl.go.jp/car/230438

ソフトのダウンロードや使い方はこちらにあるのでダウンロードして使ってみてください。
NDL古典籍OCR-Liteアプリケーションのリポジトリ
https://github.com/ndl-lab/ndlkotenocr-lite

よく「開運なんでも鑑定団」で依頼人が出品した掛け軸に何が書いてあるかわからないという場面をみかけますが、このソフトならOCRしてテキストファイルにして読めるかもれませんね。日本の古典が自分で読めるようになるのは画期的です!暇ができたら私もインストールしてみたいです。

もう一つは、日本語に特化したOCR、文書画像解析Pythonパッケージ「YomiToku」というPythonのパッケージです。こちらはGPUを使うのが推奨ですが、強力なOCRが使えるようになったのは画期的ではないでしょうか。ネットにつながない状態で自分のPCでOCRができるので、会社の資料のOCRなどにも使えそうです。
詳しくはこちらの記事にのっています。
https://note.com/kotaro_kinoshita/n/n70df91659afc

 

こちらのGitHubのページに使い方やインストール方法が詳しくのっています。
https://github.com/kotaro-kinoshita/yomitoku
Google Colabでも使えるみたいです。マンガのOCRの例がネットにでていました。
『YomiToku で漫画のOCRを試す』
https://note.com/kotaro_kinoshita/n/n70df91659afc

無料で読めてダウンロードできる生命科学の教科書を集めたサイトがあります。

今日はインターネットで無料で提供されている生命科学の教科書をあつめたサイトを紹介します。

https://bio.libretexts.org/

これは以前紹介したLibreTextsというサイトの生物学サイトです。このLibreTextやその他の無料で読める教科書を集めたサイトについては、末尾に以前の記事へのリンクを貼り付けておきますのでご覧ください。
この生物学の教科書サイトに、どんな本があるかはこちらのリンクでみてください。
https://bio.libretexts.org/Bookshelves
たとえばHuman Biologyというヒトの生物学の教科書は無料でよめて一冊まるごとダウンロードできます。
https://bio.libretexts.org/Bookshelves/Human_Biology

他にもいろんな本が読めますので探してみてください。

生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

動物進化学入門の講義動画(日本語)が公開されています!

大学の講義をYouTubeなどで公開するのを妨げている原因の一つは著作権処理です。生物学の講義では、最新の論文の図や写真、欧米の教科書の付属スライドなどもまじえて話すことが多いです。しかしこれをインターネットで「不特定多数」に送信すると著作権法に反することになります。それで自分で作った図や著作権フリーの素材だけしかスライドに使えないので、実際に大学でやっている生命科学系の講義をそのまま公開するのは困難なことが多いのです。物理や化学、数学の講義の場合は生物ほど著作権のある素材を使う必要がないので、大学の講義をそのままネット送信している日本の大学も多いので、羨ましい限りです。

さて今日、YouTubeのおすすめにでてきた次の講義は、鹿児島大学の冨山清升教授による進化生物学の大学初年級むけの講義です。この動画は著作権処理をうまい方法ですませた講義動画です。著作権処理のやりかたがYouTubeの動画のページに説明してありました。要するに大学がまとめて著作権処理をしてくれた素材を使った授業を公開するという方法です。この方法なら公衆送信しても著作権処理済みなので問題ないわけです。

動物進化学入門の講義全15回やその他の講義動画が公開されています。中には間違った内容の講義もあるそうでそれは逐一動画のページに記載されているのもすばらしいです。私は進化生物学については素人ですのでこうした講義を公開してくださっているのはありがたいです。

第一回の動画のページに全15回の内容と、誤りについての注意がかかれているのでご覧ください。

遺伝学やDNAの初歩から解説してある講義で、生物と進化に興味のある物理の人にもよさそうな講義です。

AIの発展をふまえた決断の科学の参考書や動画の紹介です。

今日の午後は、筑波大学で行われた研究会「2024年ノーベル物理学賞、ノーベル化学賞、AIで自然科学はどう変わったのか、どう変わるのか」にオンライン参加していました。樺島祥介さん、森脇由隆さん、今井翔太さん、橋本幸士さんという豪華メンバーによる学術講演でとても面白かったです。理解できないことも多かったのですが、今のAI for Scienceの現況と未来の展望について学ぶことが多い講演でした。

YouTubeのおすすめ動画でこんな動画をみつけました。AIが急激に発展している現代人にとって重要な決断の科学に興味をかきたててくれる動画ではないでしょうか。
Stanford AA228/CS238 Decision Making Under Uncertainty I Policy Gradient Estimation & Optimization
スタンフォード大学の大学院レベルの講義なので、私には全部を理解するのは難しすぎる動画ですがスライドや教科書も公開されていて興味のある方にはよい講義ではないでしょうか。(埋め込み禁止の動画なのでYouTubeへのリンクだけはっておきます)
https://youtu.be/PgPNfPhG4Wc?si=px1LG93Xki1f5nNG

教科書はこちらからダウンロードできます。Juliaのコードもダウンロードできるようです。
https://algorithmsbook.com/
三冊あります。どれもMIT Pressから出ている本で紙の本を買うこともできます。

Algorithms for Optimization
Algorithms for Decision Making (これは以前紹介したことがあります。その記事へのリンクが末尾にあります。)
Algorithms for Validation

Juliaでのnotebookはこちら。
Decision Making Under Uncertainty with POMDPs.jl
https://github.com/JuliaAcademy/Decision-Making-Under-Uncertainty

Algorithms for Decision Makingという教科書が無料公開されています。

NHK地上波の番組「歴史探偵 宮沢賢治と銀河鉄道の夜」は面白い番組です。

歴史探偵 「宮沢賢治と銀河鉄道の夜」」の録画を今夜みました。賢治が天文学についての深い知識をもっていたこと、そして妹トシの死に大きく影響されて「銀河鉄道の夜」を書いたことなどがよくわかりました。永訣の朝の誌のローマ字書きの原稿用紙も放送されていて、はじめてみて感動しました。宮沢賢治について知るにはとてもよい番組ではないでしょうか。

番組紹介はこちらにあります。
https://www.nhk.jp/p/rekishi-tantei/ts/VR22V15XWL/episode/te/6V677ZLWZ4/
再放送はNHK 地上波Gで11月26日(火) 午後11:50〜午前0:35 だそうです。ご覧になることをおすすめします。

NHK plusでも今放送しているので、そちらで見ることもできます。11月27日水曜日午後10時44分までの配信です。

永訣の朝は、たとえばこちらで読めます。

宮澤賢治の詩の世界というサイトです。

このサイトの永訣の朝のページを二つほど紹介します(もっといろいろな版本も読めます)。
https://ihatov.cc/haru_1/047_p.htm ローマ字書きの原稿部分そのままの形で読めるページです。

刊行された形の詩はこちらから読めます。https://ihatov.cc/haru_1/047_d.htm

こちらのサイトも参考になります。
「永訣の朝」(宮沢賢治)の全文と現代語訳・意味を紹介! 詩の背景も解説
https://news.mynavi.jp/article/20230531-2692576/

生命科学におけるAIに関する(ノーベル賞受賞者を含む)対談、座談会の動画が公開されました。

Google DeepMindが英国のRoyal Societyと共同でAI for Science Forumという講演会を11月18日に開催しました。
The AI for Science Forum: A new era of discovery
https://blog.google/technology/ai/ai-science-forum-2024/
主に生命科学や創薬へのAIの応用について扱っている対談を以下のYouTubeの再生リストでみることができます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLqYmG7hTraZBwZQwCxzIlsyFxC3WKH_Ii
生命科学に興味のあるものには、細胞周期の有名な研究者Paul Nurseさんや、CRISPR/Cas9のDoudnaさんなど全員ノーベル賞受賞者による座談会や、対談の動画などに興味をひかれます。時間があるときにみてみたい対談です。

AI for Science with Sir Paul Nurse, Demis Hassabis, Jennifer Doudna, and John Jumper
https://youtu.be/nQKmVhLIGcs?si=jqSgO5zxypCM3IWk 全員ノーベル賞受賞者による座談会です。

Lessons from CRISPR with Jennifer Doudna | AI for Science Forum
https://youtu.be/SqKV1o-Jdso?si=6Djdd8163nsXwLzG