プログラミング言語Rのすばらしい初学者向き教材を紹介します。

プログラミング言語Rのよい教材が公開されています。
https://comicalcommet.github.io/r-training-2022/
名古屋大学理学研究科の石川 由希先生が公開してくださっている
「Rを用いたデータ解析の基礎と応用2022」というスライド形式のR入門教材です。ざっと拝見しましたが、これは初学者にとって最高の教材だと思います。まずRとRStudioのインストールの解説から始まり、なぜ再現可能な「研究実施手順の記録」が必要か、それにはどうするかという問題意識をもたせて、研究の再現可能性をどう実現していくかもわかるように構成してある優れた教材です。実習から生まれた教材だそうで、参加者からのフィートバックが反映されているので、ものすごくわかりやすい教材になっています。グラフの書き方や生データの整形、統計解析も詳しく解説されています。これ一つでデータ解析の入門としては必要十分だと思います。おすすめの教材です!
下のリンクにある、「
進化学実習2022牧野研の資料も参考になりますのでご覧ください。これは東北大学 生命科学研究科進化ゲノミクス分野 牧野研究室の 岩嵜 航先生による教材です。
https://heavywatal.github.io/slides/tohoku2022r/

Algorithms for Decision Makingという教科書が無料公開されています。

Decision Making Under Uncertainty についての教科書(Algorithms for Decision Making)が無料公開されています。紙の本(マサチューセッツ工科大学出版会発行)は8月にでるそうで、Kindle本は今でも買えるみたいです。スタンフォード大学の先生たちが書いた本で、著者の一人はDecision Making Under Uncertainty という本をすでに書いている方です。限られた情報のもとで事故がおこらないように航空管制を行い、危険を察知して警告をだすようなシステムはこうしたdecision makingの例です。こうしたdecision makingは人工知能AIの実装にも不可欠で、この本は不確実、不確定な要素が含まれている条件のもとで、最善の行動方針を導くためのアルゴリズムを解説してくれています。プログラミング言語としてはJuliaを使っており、必要な数学(大学卒業レベル)をまとめた付録がついています。ぱっとみた感じ、すっきりした説明がしてあるので下手な解説書を読むよりは要点がわかりやすいと思われます。
サイト https://algorithmsbook.com/のDownloadをクリックして開くページで、最初の文”The full book is available as a PDF.”のPDFの部分にリンクがありますので右クリックでsave asをするか、クリックしてブラウザでpdfを開いて表示して保存することができます。興味のある方はご覧ください。スタンフォード大学ではこの本を教科書にした講義も公開するようですのでチェックしてみてください。https://web.stanford.edu/class/aa228/cgi-bin/wp/

「リンドバーグ第二次大戦日記」と「続・英語と私」

AmazonのKindle unlimitedを先日解約したのですがプライムデーのキャンペーンに99円 3か月間の契約というのがあったのでまたKindle unlimitedの会員に戻りました。以前書いた10冊しか同時に借りられないという制限は20冊までに緩和されたようです。いろいろな本がありますが、リンドバーグ第二次大戦日記(上、下)の(上)がKindle unlimitedに入っていました。去年会員だった時には(下)のほうが読めて(上)は読めませんでした。この(下)ですがリンドバーグが第二次大戦中、太平洋戦線を回っていた時の日記があって去年読んで衝撃を受けました。アメリカ軍が、ナチスのユダヤ人に対して行った戦争犯罪と同じ戦争犯罪を、日本人に対しておこなっているという意味の言葉に驚きました。米軍は日本兵が降伏してきても捕虜にせずに虐殺していたという話です。我々は捕虜はとらないんだという言葉。そして日本兵の持ち物を戦利品として持ち帰る米兵の姿、米軍の戦争犯罪の記録ですが、なぜかあまり注目されずひっそりと文庫本で刊行されている本です。勝てば官軍という話です。本当にリンドバーグがこの訳書に書いてあるようなことを書いたのかどうか疑問になったので、さっそくInternet Archiveで検索するとBooks to Borrowの中に原書がありました。
https://archive.org/details/wartimejournalso0000lind
The wartime journals of Charles A. Lindberghというタイトルです。
タイトルにwartime journalsという言葉があります。私達はジャーナルというと研究成果を投稿する専門誌(雑誌)が思い浮かびます。Wisdom2の英和辞書でjournalという単語を調べてみると、「専門誌」という私達が良く使う意味のほかに、「日誌、日記」という意味ものっていました。さらに「diaryより詳細な記録で、時に著名人の手による本を指す」という註も書かれていました。

ということで、これは大西洋単独無着陸横断飛行に成功した(翼よあれがパリの灯だの主人公)リンドバーグの第二次世界大戦のときの従軍日記という本です。さっそくInternet Archiveで貸出手続きをして本を表示し、japという日本人の蔑称で検索してみました。するといろいろ日本兵についての記事がでてきて、翻訳どおりの記述もみつかりました。戦争とはいえ、従軍して投降したのに殺された日本兵が多数いたということで、ご家族の皆さんの無念を思います。一方、先日紹介していた松本亨先生が書かれた自伝 「続英語と私」には、
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2489884
硫黄島の激戦で負傷した兵隊に対して、松本先生が米国でなさった講演の後、「日本兵は白旗をかかげて来ながら、救いに行ったら俺に向かって銃を放ったのはどうゆう訳か」と松本先生に聞いてきた(続・英語と私、147ページ)という話ものっていました。こういう相互の憎しみを生み出す出来事が、どうしたら二度とおきないようにできるのでしょうか。ただ嘆いたり、こんなことが二度と起きないようにすべきだと思います、などと言うだけではだめなことは歴史が証明しています。プラカードをもって反戦平和を唱えても戦争は今も起こっています。具体的にどういう方策を実施するのが有効なのかを、真剣に議論すべきだと思います。

随筆集 「わが師・わが友」を紹介します

大雨のところもあったようですが、福岡は夜明け前の驟雨の後は、陽が時々さし、午後は快晴の時間も長かったです。アサガオも庭に咲いています。
今日は忙しかったのでいつもの国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料の紹介をすることにします。
エッセイで「わが師・わが友」という本があります。

第一と第二が発行されていてどちらも有名な科学者の随筆です。
目次とリンクをあげておきますのでご覧ください。
わが師わが友 1
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2421413
目次
・ 序
・ 印象的なアマカラ採点法 服部静夫/p7
・ 仁科先生の温情に泣く 朝永振一郎/p15
・ 農芸化学の黄金時代 坂口謹一郎/p27
・ 真島先生の牽引力 野副鉄男/p39
・ 京都の数学山脈 秋月康夫/p53
・ 悪口をいわぬ人々 茅誠司/p65
・ 高分子化学の開拓者たち 桜田一郎/p77
・ 罪深き青春の記 伏見康治/p93
・ 悔い多き〝反逆児〟の頃 松浦一/p121
・ 誤解の中の橋田邦彦先生 本川弘一/p139
・ 『航空力学』の小野正三氏 谷一郎/p150
・ 初の女性博士となるまで 保井コノ/p163
・ 地震に弱い長岡先生 松沢武雄/p178
・ 油壺を去来した人と言葉 団勝磨/p193
・ 齢三十にして表現の大事さを知る 堀内寿郎/p206
・ 修道院なみの教育を憶う 小川鼎三/p219
・ 川は流れている 安芸皎一/p230
・ 風変りな進学の動機 古賀逸策/p243
・ 執筆者略歴

わが師・わが友 2
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371042
目次
・ 心かよわす世界の星々 萩原雄祐/p5
・ 同僚・先輩としての三先生 吉田洋一/p19
・ 研究と教職を両立させた陰の力 玉虫文一/p30
・ 薬学を志してから 宮木高明/p43
・ 水青き吉野川のほとりにて 井本稔/p58
・ 叱らない先生と頭の上がらない先生 永田武/p73
・ 埒外にのびる弟子を評価した先生 桑原万寿太郎/p89
・ 先輩から受けついだ学問の悩み 永宮健夫/p103
・ 微鉱物と鈴木梅太郎先生 須藤俊男/p117
・ 分裂病の研究をめぐる師と友 台弘/p131
・ わけもわからず化学科へ 三宅泰雄/p147
・ チトクロム研究をめぐって 森健志/p161
・ 実験物理学と西川正治先生 熊谷寛夫/p177
・ 私の情報理論の温床 喜安善市/p193
・ 大阪の生化学の流れの中で 須田正巳/p209
・ 菊池先生とその研究室 渡瀬譲/p227
・ 極低温物性にたどりつくまで 神田英蔵/p240
・ 自慢のわが師わが友 矢野健太郎/p255
・ 諸先生とあまのじゃく 高橋秀俊/p269
・ 執筆者略歴

今日は祇園山笠のフィナーレ 追い山のひきやまが博多の町を駆け抜けました!

今朝は博多祇園山笠2022のフィナーレ、追い山笠(追い山)が雨の中 3年ぶりに開催されました。コロナで二回実施できなかったので久しぶりの追い山笠です。地デジの中継で見ました。下のビデオはRKB放送の期間限定配信動画です。

https://youtu.be/b9Q7Nj6RdZY
動画をみてもらえば、こんな感じのお祭りということがわかると思います。
博多祇園山笠はユネスコ無形文化遺産です。https://www.hakatayamakasa.com/
この動画の最期の方にでてくる千代流(ちよながれ)は、
https://www.hakata-yamakasa.net/yamakasamap/category/chiyo-nagare/
私のいた九州大学医学部キャンパスに近いところの町内がかつぐので、いつも応援しています。今年は7番目に櫛田神社入りしたのですが、5キロほどの行程の完走タイムは3年前のコロナ以前のタイムを大幅に更新し、さらに今回はトップと19秒差の堂々2位だったので大喜びです。千代流の舁き山笠(ひきやまがさ)は期間中に私の子供たちの通っていた高校の運動場にもはいってくれるのです。また身をきよめる真砂をとりにいって沈む夕日に柏手を打って安全を祈願する7月9日 の「全流お汐井とり」(ぜんながれ おしおいとり)の時には、午後6時から7時過ぎにかけて九大医学部の塀の外を「おいさおいさ」のかけごえをかけながら筥崎宮(はこざきぐう)の浜辺(箱崎浜)まで子供たちを含めて、提灯を先頭に行進するのを毎年みかけたものでした。
https://www.hakata-yamakasa.net/word/oshioitori/
マスクのいらない山笠が来年は実施されることでしょうね。

高木貞治の著作を現代仮名遣いに直した本や、最新の物理、数学、IT関係の本が読めるおすすめサイトの紹介です。

さきほどネット検索をしている途中で偶然見つけた、とても役立つサイトを紹介します。国立国会図書館デジタルライブラリにはいろんな本がありますが、古い本は旧仮名遣いなどで読み難いです。こちらのサイトでは、そんな本を現代仮名遣いに直してアップロードされています。ていねいな著作権処理の説明もありますのでおすすめです。https://linesegment.web.fc2.com/
有名な高木 貞治の著作、「数の概念」、「初等整数論講義」、「増訂解析概論」、「代数的整数論」、「代数学講義改訂新版」などがあるほか、物理学の本などもあります。

またネットで読める数学の書籍
https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Mathematics_books.html
や物理学の書籍
https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Physics_books.html
IT情報学の書籍
https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Infomatics_books.html
などのリンク集もあります。これらは最新版の現代の書籍です。このブログで紹介した田崎先生の物理数学の教科書へのリンクなどものっています。https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mathbook/
その他の興味深いリンクも満載ですのでご覧になることをお勧めします。

James Webb Space Telescopeの最初の公開画像の続きです

皆さん今晩は。昨日紹介したJames Webb Space Telescopeのライブ配信の録画がこちらにあります。

https://youtu.be/nmMRMIE3MGw
昨日公開された新しい写真はこちらでみることができます。
https://webbtelescope.org/news/first-images/gallery
高画質で写真をダウンロードすることもできるので壁紙などにして楽しめますね。私は早速iPhoneの壁紙にしました。昨日紹介した地球から46億光年ほど離れている銀河団の写真をダウンロードしてトリミングした写真をのせておきます。46億光年離れた銀河の光というのは、地球ができたころに発せられた光ということになりますね。

渦巻き銀河とか、ジェットがでているように見える銀河も写っているようです。重力レンズで歪んだ銀河の映像も見事ですね。高解像度の画像で結構長時間遊べます。Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI

James Webb宇宙望遠鏡の最初の公開画像

さっき息子からJames Webb Space  Telescopeの凄い写真が公開されているのを教えてもらいました。James Webb 宇宙望遠鏡はラグランジュ点に設置されている宇宙望遠鏡ですが、調整がおわって最初の公開画像が発表されたそうです。この宇宙望遠鏡の主力カメラであるNear Infrared Camera (NIRCam) は近赤外光(0.6から5 μmの間の波長)で観測するカメラです。最初の一枚になったのはSMACS 0723という銀河団を観測した画像(赤外線で6種類の波長で12.5時間かけて撮影された画像を重ねて疑似カラーをつけたものだそうです)です。

https://www.nasa.gov/image-feature/goddard/2022/nasa-s-webb-delivers-deepest-infrared-image-of-universe-yet

これは46億光年以上の距離にある銀河団の写真で、何千もの銀河が写っています。歪んでいる銀河も写っていますが、これはこの銀河団の物凄い質量による重力レンズ効果による歪みです。

こちらにはHubble望遠鏡で撮った写真と、今回の望遠鏡で同じ場所を撮った写真を比べていますのでご覧ください。
https://sorae.info/astronomy/20220712-jwst-smacs0723-73.html

今夜11時半からさらに新しい写真が公開されるそうです。公開された写真はこちらにアップロードされるそうです。楽しみです。
https://webbtelescope.org/news/first-images

Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI
NASA – NASA’s Webb Delivers Deepest Infrared Image of Universe Yet
ESA – Webb Delivers Deepest Infrared Image of Universe Yet In Special Briefing
STScI – NASA’s Webb Produces the Most Detailed Image of the Early Universe to Date

ガモフ全集が無料で全巻読めます

ガモフはビッグバンの名残である宇宙背景放射の存在を予想をした物理学者で、α崩壊の原因がトンネル効果によることを明らかにした研究で有名です。生物学にも興味をもっていて遺伝暗号の解読 (コドンの概念の提唱にかかわる先駆的研究)にも携わっていた人です。ガモフ全集はガモフの著作を集めたもので私も「不思議の国のトムキンス」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371299とか、「1,2,3、無限大」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371304、「物理の伝記」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371658などを持っています。これらの本を読んで物理学を専攻したという人も多いようです。ガモフ全集は、国立国会図書館の個人送信資料に全巻入っているので無料で読むことができます。前に紹介した「重力の話」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9583303や、「現代の物理学 : 量子論物語」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429599という本も無料で読めます。「トムキンス氏最後の冒険」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1383323には、筋肉の浜という章があって、セントジェルジをモデルにした聖者がトムキンス氏に筋肉のアクチン・ミオシンによる収縮の解説をするシーンがあります。ガモフはセントジェルジとも知り合いだったようですね。個人送信資料の検索ページで「ガモフ」で検索して「図書」を選ぶと一覧表示されるのでいろいろ眺めて好きな本を読むといいと思います。

機械学習のための数学の教科書(英語版)の紹介です

今日は参議院選挙の投票にお昼ごろでかけました。投票場はとてもすいていて 同時に投票している人は3人くらいでした。前の人は投票証明書をくださいといっていたので、お店の選挙割を利用するんでしょうね。「投票すればラーメン無料」とかいうあれです。気温は高かったですが湿度が低いので快適な投票日でした。

さて時々、機械学習や深層学習の本を紹介しています。
今日は機械学習に必要な数学を学べる英語の本が無料公開されていたので紹介します。Mathematics for Machine LearningというCambridge University Pressから出た本(2020年4月刊)のpdf版です。ケンブリッジ大学出版会のページはこちらです。https://www.cambridge.org/jp/academic/subjects/computer-science/pattern-recognition-and-machine-learning/mathematics-machine-learning?format=PB
下のほうに書評もでていて、しっかり機械学習の数学を学ぶにはよさそうです。著者の序文によると高校数学と物理がわかっていれば読めるということです。

こちらに著者のホームページがあり、https://mml-book.com
Table of Contentsの下のほうにあるDownloadsのところにPDF of the bookというリンクがあります。これが最新版へのリンクです。クリックしてダウンロードしてみてください。紙の本も売っているのですが高いです。無料版のpdfを読みながら、上に紹介したホームページにある練習問題やJupyter notebookを利用しながら学べます。興味のある方は序文や目次をのぞいてみてください。