有機化学でよくみかけるR/S表示を楽しく学べるゲームがあります

生化学で糖やアミノ酸などを扱う時、enantiomerというのがよくでてきます。
enantiomer : 鏡像異性体, 鏡像体, 対掌体, エナンチオマー という訳がLife Science Dictionaryのサイトにでています。こんな例があります。
(R)-1-bromo-1-chloroethane と
(S)-1-bromo-1-chloroethaneと書かれている化合物の違いはなんでしょうか。

これらの化合物は、正四面体の中心に位置する炭素原子Cに、臭素原子Br・塩素原子Cl・メチル基CH3・水素Hが結合している分子です。鏡像異性体が二つあってそれぞれR型、S型と呼ばれます。このRとSを使った立体構造の記述法では、(R) はラテン語のrectus;  right, correct or properという意味の単語、(S) はラテン語のsinister; left or improperという意味の単語に由来しています。どのようにRとSを決めるかについては、以下のサイトのゲームが面白いです。
https://rschemistry.com/
カリフォルニア大学ロサンゼルス分校UCLAのGarg Labの作ったフリーのゲームです。https://garg.chem.ucla.edu/のeducationの部分をクリックすると他のゲームもありますので遊んでみるといいでしょう。説明をじっくり読んでから(英語が苦手な人は日本語の適当な説明を読んでから(たとえばこちらhttps://www.t.soka.ac.jp/chem/yuki/text/OC1ch7.pdf)やってみると絶対配置を記述するRS表示が使いこなせるようになると思います。

クレブス・サイクルが生命を生命たらしめている基本システムであるという講演動画がでています

YouTubeのRoyal Institutionのチャンネルに、Nick Laneの新しい動画がアップロードされました。https://youtu.be/vBiIDwBOqQA
“How the Krebs cycle powers life and death – with Nick Lane”
What process animates cells and gives life to lifeless matter? What brings our own lives to an end? The Krebs cycle is the answer – and it could turn our picture of life on Earth upside down. Watch the Q&A here: https://youtu.be/UqsqJM8g604

Nick Laneはとても優秀な生命科学の解説者だと思います。彼の本や動画にはいつも感銘をうけます。今回は彼が5月に行った講演の動画です(NIHでの生命の起源の動画はこの記事の末尾をご覧ください)。新しい本を出版したそうで、新しい本を書いた著者はちょくちょく、このRoyal Institutionの講演を依頼されるようです。Nick’s book ‘Transformer: The Deep Chemistry of Life and Death’ is out now: https://geni.us/X1cOOL8
今回の動画はKrebsサイクルを中心に生命とは何かを考えるという内容です。Krebsサイクルが生命の中心に存在して、生きているという状態を特徴づける代謝経路であるとともに死とも関係していることをわかりやすく、また斬新な観点から解説しています。癌のワールブルック効果の話や生命の起源の話もありますので是非ご覧さい。眼細胞は解糖系を活性化させているというWarburg効果は一度は批判にさらされましたが、今では様々な実験から確認されて、広く受け入れられている事実です。癌とKrebsサイクル、どんな関係があるかは動画で確認してみてください。Royal Institutionのチャンネル登録はこちらです。Subscribe for regular science videos: http://bit.ly/RiSubscRibe

Krebsサイクルについては今年3月の固定ページの記事でも紹介しました。以下に再録しておきます。

2022/3/14
今日は確定申告のサイトのトラブルで更新が遅くなってしまいました。昨日のKrebsサイクルの論文、読めない方は著者のLydia Finleyさんのtwitterをご覧ください。authorとSpringer Natureとの取り決めで本文が読めるリンクを彼女が紹介してくれています。ダウンロードはできないですが、オンラインで読めます。今論文を読んでいますが、分化能力がpluripotentなES細胞はKrebs サイクルをつかっており、その分化能力がしぼられてくる段階の細胞では今回発見された
non canonical な新経路を使うようです。筋肉細胞に分化する能力がある幹細胞のmyoblastとかもその例で、myoblastが分化してmyotubeになるとKrebsサイクルを使うようになるそうです。
2022/3/13
Natureの最新号に生物の教科書を書き換えなくてはならない衝撃的な論文が発表されました。80年以上まえにKrebsが発見してNatureに投稿するもreject (掲載拒否)されたクレブス・サイクル(
Nobel賞を受賞した高校でも習う有名な業績です)を書き換える必要がでてきたという論文です。ニューヨークのスローン・ケタリング癌センター (Memorial Sloan Kettering Cancer Center) の研究者による論文です。Krebsの投稿した時は掲載する紙面が限られているのでという理由(rejectの定番のいいまわし)で掲載されなかったのですが、今回は掲載する余裕があってよかったと、著者がいっています。スローンケタリング癌センターによる解説はこちらをどうぞ。グルコースをエネルギーの産生にではなく、脂質などの膜の構成要素や細胞自体をつくりあげるための炭素源としてつかうための経路で、ES 細胞とかはこの新経路を用いておりKrebsがつかったハトの胸筋細胞では運動するための筋肉なのでATPを産生するために 従来のKrebsサイクルを使っているという使い分けがあるようです。細胞のタイプごとに使いわけがあり、細胞の分化運命をこれでコントロールすることもできそうです。Krebsが発見したTCA サイクルの歌があります。こちらのブログ記事で紹介したKrebs本人が序文をよせている本にのっている歌で、面白いのできいてみてください。耳についてはなれなくなることうけあいです。2022/3/10
NIH videocastにイギリスの名門校ユニバーシティカレッジ・ロンドンの教授であるNick LaneさんとJennifer Lippincott-Schwartzによる生命の起源についての講演が公開されました。
Origin of Life: Viewed by Evolutionary Biochemist and Cell Biologistというタイトルです。まだYouTubeには公開されていません。動画自体は字幕つきでみることができます。また様々なビットレートの動画をダウンロードできますし、字幕ファイルもダウンロードできますので、字幕ファイルを読み込めるVLC media playerで字幕ファイルを読み込んで動画を再生すればネット接続のない環境でも字幕付きで観ることができます。


3/23日追記:YouTube版はこちらにあります。)
 

日本の著作権法のおかげで、日本は外国もうらやむ機械学習のパラダイスだそうです!

今日は著作権についての論文の紹介です。
早稲田大学の上野達弘教授は著作権についての教科書や弁理士の知識のブラッシュアップや政府委員などもつとめられている著作権の専門家です。
http://www.f.waseda.jp/uenot/profile.html
Twitterで先生の以下の論文が話題になっていました。
アーティクル:情報解析と著作権——「機械学習パラダイス」としての日本
人工知能 36 ( 6 ) 745 – 749 2021年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/36/6/36_745/_article/-char/ja/
論文はこのようにはじまります。以下に引用します。
「情報解析と著作権──「機械学習パラダイス」としての日本
1.は じ め に
とかくドメスティックになりがちな(日本の)法学分野において,できるだけ国際的な発信を心掛けている筆者にとって,近時最大の持ちネタが,「情報解析のための権利制限」という著作権法上の規定である.これは,日本法の中では珍しく外国に自慢できるものだからである.簡単にいうと,この規定によって,機械学習など情報解析を目的とするのであれば,著作権等のあるコンテンツを自由に利用できるのである.したがって,この規定は人工知能の研究開発にとっても極めて有用な規定のはずである.諸外国にも同様の規定を設ける動きはあるが,日本法ほど広範で強力な規定は見られない.日本は,世界に例を見ない “ 機械学習パラダイス” なのである。」

極端な例としてはたとえば、AIにディズニーの映画やアニメのDVDなどを見せて学習させて、ディズニー風の新しいアニメを作って販売することは、たとえディズニー社が反対しても、法律違反にならないということだそうです。これはすごいことですね。日本では有料論文を学習させてAIを作って売ったり、無料公開したりしても著作権に触れないということになるのでしょうか。もしそうなら日本人の英文での執筆に計り知れない貢献をすることになりますね。著作権というものに興味がなかった方も、この日本語論文を読んで興味がもてたら、上野先生の他の本や論文を勉強してみたらいかがでしょうか。先生のホームページも紹介しておきます。http://www.f.waseda.jp/uenot/
httpsで見たい方は以下の早稲田大学のデータベースをどうぞ。
https://w-rdb.waseda.jp/html/100000865_ja.html

WinShotという昔からあるソフトを使った、スクリーンショットの取り方

Windowsの場合、WinShotというソフトがスクリーンショットをとるのに便利です。WinShotはhttp://www.woodybells.com/winshot.htmlに作者による解説があり、ダウンロードは窓の杜などから可能です。https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/winshot/
Windows10でも作動します(ヘルプは表示されないです)。このソフトではホットキーの登録もできmす。たとえば、環境設定のホットキーメニューで、PrtScrキーを「jpeg保存・矩形(くけい)範囲指定」のホットキーに指定します。WinShotを起動しておいて、PrtScrキーを押すと、矩形指定用の十字の形のカーソルがあらわれ、この十字のカーソルを動かして、選択したい範囲を設定できます。これで自分の好きな範囲の画面をPrtScrキーを一回押すだけで、指定してあるフォルダに連番でjpegで保存できます。

これを利用して、PCで電子ブックのページを表示しておき、電子ブックのページをめくりながら、PrtScrキー一発で同じ範囲を次々と指定したフォルダに連番でjpeg保存することも出来ます。あるいは、定期実行キャプチャモードを使えば、指定した秒数ごとに指定範囲をキャプチャすることもできます。これも、矢印キーでページをめくりながら、キーを押さずに次々とキャプチャすることができて便利です。WinShotは極めて丁寧に作りこんであるソフトで、いろいろ工夫すると便利に画面キャプチャができるので、一度使ってみることをお勧めします。

京大Open Course Ware (OCW)閉鎖のニュースと、MITの学部生むき現代量子科学の講義OCW

とても面白い教育的な動画をあつめているサイトとして、京都大学のOCWを紹介してきました。残念なニュースです。京都大学オープンコースウェア(OCW)の閉鎖についてというニュースが飛び込んできました。https://ocw.kyoto-u.ac.jp/news/6/
京都大学高等教育研究開発推進センターは2022年9月末に廃止されることになりました。京都大学オープンコースウェア(OCW)も、残念ながら9月中旬以降にサイトを閉鎖することになりました。2005年以来、京都大学OCWをご利用いただき誠にありがとうございました。」とあります。
このOCW閉鎖のニュースのページに書いてある参考になりそうな部分を引用します。

「OCWの講義ビデオは10月以降すべて削除されてしまうのですか」
本学のOCWの動画についてはYouTubeチャンネルを利用して運用してきました。10月以降、動画が直ちにアクセスできなくなることはありませんが、OCWの運用組織がなくなることから安定的な運用が困難となりました。

「動画以外のコンテンツのバックアップを保存したい」
ウェブページに掲載されているテキスト情報については、お使いのブラウザで「保存」「別名で保存」することで保存できます。各ページからリンクされているPDFファイル等はリンク先を右クリックなどでデータを保存して下さい。

動画のYouTubeからのバックアップ方法が書かれていたそうですが、YouTubeの規約違反になるとのことで削除されたようです。後日、対処方法がアップされるようですので楽しみに待ちましょう。

こうしたOpen Course Wareは外国にもいっぱい公開されています。
今日、量子力学の教科書を探していたらMITから今年刊行された Mastering Quantum Mechanics Essentials, Theory, and Applications という本の著者 Barton Zwiebach教授は、MITで量子科学の学部生用講義を長年担当されてきた学部教育に意欲的な先生で、かつ有名な弦理論の物理学者だそうです。この先生の講義が講義ビデオ、講義資料ともにダウンロードできる形でMITのオープンコースウエアとして公開されています。新刊の教科書のホームページhttps://mitpress.mit.edu/books/mastering-quantum-mechanicsにリンクがのっています。ページ左下のReader Resourcesには正誤表の下にOpenCourseWare Quantum Physics I, II, IIIのページへのリンクがあります。OpenCourseWare Quantum Physics I https://ocw.mit.edu/courses/physics/8-04-quantum-physics-i-spring-2016/
をクリックすると、Quantum Physics I のサイトが開き、ビデオレクチャーズをクリックすると、https://ocw.mit.edu/courses/8-04-quantum-physics-i-spring-2016/pages/video-lectures/が開き、Part I Basic conceptsから講義が始まります。
https://ocw.mit.edu/courses/8-04-quantum-physics-i-spring-2016/pages/video-lectures/part-1/
最初の講義は、Quantum mechanics as a framework. Defining linearityというものでビデオやスクリプト、講義資料などをダウンロードできます。ビデオのダウンロードは、再生中にダウンロードボタンをクリックして出てくるポップアップから、ダウンロードをマウスで選ぶ(マウスの右クリック)と自分のパソコンにダウンロードできます。字幕も表示できていたれりつくせりです。

このPart 1 のLecture 2で、すでに量子的もつれなども紹介されていて、量子力学ネイティブな時代の講義のようです。教科書もKindle版では1万円程度ですので、講義をきいてよさそうだったら買うとよいでしょう。

科学随筆全集の紹介とUni-Foldというタンパク質立体構造予測プログラムの紹介。

科学者の随筆といえば私達の年代は寺田寅彦を思い浮かべます。今でも広く読まれていますが、今日は個人送信資料から、科学随筆全集を紹介します。科学随筆全集続もあります。
こちらから検索するといろんな日本の科学者(数学者、物理学者、医学者、生命科学研究者、化学者などなど)の随筆が読めます。
木下是雄、秋月康夫、吉田耕作その他いろんな方の随筆があります。夏休みの読書にいいかもしれません。

あと、さっき気づいたのですが、AlphaFold2より優れた立体構造予測力を持ち、複合体のタンパク質立体構造解析につよいUni-FoldというAIプログラムが発表されています。
Uni-Fold: An Open-Source Platform for Developing Protein Folding Models beyond AlphaFoldというタイトルの論文がこちらにプレプリントででているのでご覧ください。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.08.04.502811v1
中国からの論文で、オープンソースでトレーニング資料も公開されています。まさにオープンソースサイエンスの精神を具現化した論文のようです。

8月6日 父の語った戦争の話を思い出しています。

今日は8月6日です。防災無線で広島原子爆弾犠牲者追悼の鐘がなりました。福岡は広島や長崎に近いので、原子爆弾の犠牲になった方の身内や被曝二世とかの方も多く暮らしておられます。あの戦争のことは、私の父親や家内の両親からいろいろききました。そんな話もブログに書いておくことにしました。

私の父親は二度、出征しました。一度目は中国に派兵されて、無線機の修理にあちこちまわっていたようです。京都市の都市計画のモデルになった西安(長安)にもいったことがあると話していました。中国人の子供はものすごくかわいいといつも言っていました。軍隊で支給された中国語会話の本も残してあったので、私も小学校に行く前に、その本で数の数え方などの中国語を知りました。

二度目の徴兵では南方戦線に向かうことになりました。各自の出身地で入隊し、武器を受領した部隊から順次南方に向かいます。父親の部隊は「天皇陛下から受領する」武器の受領が遅れたため出発が遅れ、先発隊よりだいぶ遅れて船で南方へ向かったそうです。その航海の途中、「敵第7艦隊 機動部隊接近中」の警報で、台湾の港に緊急避難のため入港、下船したそうです。その夜、港に大空襲があって、乗ってきたすべての船が撃沈され、もはや南方には向かえなくなり、台湾で終戦を迎えました。先に出発した郷里の部隊は南方で全滅し、一人も戻ってこなかったそうです。台湾で歩哨に立っていた時、近くにいた人が父に「兵隊さん、危ない!」と大声をかけてくれて とっさに飛んで地面に伏せたそうです。米軍の艦載機が父をめがけて爆弾を落としたのでした。落ちてくる爆弾をみて女の人が、大声をかけてくれたとのこと。幸い脚にけがをしただけですみました。あの女の人が声をかけてくれていなかったら、死んでいたよとよく話していました。父は台湾で終戦を迎えたのですが、終戦直後、知り合いの兵隊が上官から、車に乗りたいのでお前運転しろと命令されました。その兵隊は自分は運転免許も持っていないので運転できませんといったのですが、簡単だから運転しろと命令されて無理やり運転させられたのだそうです。そのあげく、車は爆撃で道に開いていた穴に落ちてしまい、その同僚は命を落としたそうです。終戦を生きて迎えたのに、名誉の戦死という広報がだされたと悔しそうに語っていました。父は台湾で、モーターボートに爆弾を積んで体当たりする特攻兵器(震洋やマルレと呼ばれたものです)の修理、整備もしていたそうです。いつも言っていたのは兵隊が死ぬとき、「天皇陛下万歳!」などと言って死んだというのは嘘だ。みんな「おかあちゃーん」といって死んでいったのが 本当のことだ、という話でした。

イギリスの作家 クローニンの小説「城砦」の紹介です

国立国会図書館デジタルコレクションでは小説もいろいろ読めるということで、前回はボーヴォワールの「人はすべて死す」を紹介しました。今回は医療小説を紹介します。イギリスで医師をしていたこともある作家 クローニンの「城砦」という作品です。若い医師の青春、仕事、挫折と再生というテレビドラマに最適な内容で、実際日本でも翻案されてドラマになったこともあり、私は観たことがあります。市販本は絶版になっているのでお近くの図書館や個人送信資料でお読みになるとよいと思います。個人送信資料で読まれるときは、画像が読み難いと思いますので、必ず画面上に並んでいるメニューの中から、「印刷するには」の隣にある、「画質調整ダイアログ」を利用して画質を読みやすく調製してお読みください。ガンマの調節が一番有効だと思います。あるいはスクリーンショットをとってjpegなどの画像にしてから一括で画質調整して読みやすくするのもよいでしょう。
クローニン全集第八巻 城砦のリンクはこちらです。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1695760

iBiologyのサイト紹介―光学顕微鏡のすべてを紹介する動画シリーズもあります

iBiologyの動画は時々紹介しています。iBiologyのトップページを是非ご覧ください。https://www.ibiology.org/
最新の研究の紹介のほか、生命科学の歴史に関する動画シリーズ Featured Playlist: Famous Discoveriesや、登録が必要ですが、よい講演をするためのコースとかもあります。

今日は顕微鏡の動画シリーズを見つけたので紹介します。光学顕微鏡のすべてというような内容の動画シリーズで、時間があるときに見ると大変役立つと思います。https://www.ibiology.org/online-biology-courses/microscopy-series/
に動画がいろいろありますのでご覧ください。こちらはイントロの動画です。
https://youtu.be/4c5ILWQmqRY

なんと井上信也先生の動画もありました。https://youtu.be/_-C2Db-aBuU

井上先生は偏光顕微鏡やビデオ顕微鏡の発明で有名(シンヤスコープって聞いたことがあるかもしれませんね)ですし、wikipediaによると、息子さんと共同で画像解析ソフトMetamorphを開発されたそうです。Metamoprhは私達がいつもお世話になっていた有料ソフトです。

ボーヴォワールの小説「人はすべて死す」が個人送信資料で読めます

今日も個人送信資料の紹介です。
SFではないのですが、ボーヴォワールの「人はすべて死す」という文学作品が読めるのをお知らせします。私が岩波文庫版で読んで感動した作品です。

国立国会図書館デジタルコレクションんの個人送信資料の中に、ボーヴォワール著作集というのがあって、その第4巻です。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1695176
岩波文庫本ではタイトルが「人はすべて死す」となっていますが、この著作集では、「人はすべて死ぬ」となっています。ストーリーは、ヨーロッパ中世のころ、あるきっかけで、一匹の二十日鼠といっしょに不死になった男が、世代を越えて生き続ける話です。愛するものとの別れ、戦争と平和の繰り返し‥‥。作品を通じて不老不死というのがどんなものか、考えさせられます。岩波文庫の帯にはこうあります。「”不死の薬”を飲んだフォスカは戦いにも倒れず、ペストにも冒されない。だが、人類の歴史を眺める」彼の深い悲しみは癒えないのだ」個人送信資料には岩波文庫版もあります。どちらも同じ訳者による翻訳です。夏休みの読書にもおすすめの作品です。

写真は今、我が家の庭に咲いているジュズサンゴの花と実です。綺麗な実ができますね。