英語でやさしい講義を聴いてみよう!―その1―

ネットサーフィンでやさしい英語の高校、大学レベルの講義をさがしていたらこんなチャンネルをみつけたので紹介します。
Crash Courseというチャンネルです。
https://www.youtube.com/@crashcourse/playlists
アメリカや世界の歴史、数学、気候とエネルギー、環境科学、数学、有機化学、生物学、心理学や政治学、経済学、英語のレトリックについての講義など、広範囲のトピックについてそれぞれ30回くらいの無料講義がアップロードされています。ただ注意してほしいのは、古いビデオもあるので最新の知見を学ぼうという人には向いていません。英語で講義する人には、講義の仕方の勉強に使うのがよいかもしれません。英語で論理的に話すとき使える言い回しとか、話の運び方などを学ぶにはやさしい講義や授業ビデオを視聴するのが参考になります。ちょっとお好きな授業をきいてみてください。けっこうわかると思いますがどうでしょう。
サンプルに疫学入門のビデオを貼り付けておきます。
Intro to Epidemiology: Crash Course Public Health #6
https://youtu.be/_luU3I03JwE

次のものは、有機化学の最終回の講義です。
Medicinal Chemistry and Penicillin Total Synthesis: Crash Course Organic Chemistry #50
https://youtu.be/qygFjt2_LG4

外国の有名大学の講義の例は明日紹介します。また別のやさしい高校レベルの授業の動画も紹介しますのでお楽しみに。

神経科学入門という、コンピュータや物理に興味をもっている人むけの講義動画(英語)があります。おすすめです。

神経科学の入門動画の紹介です。
先日紹介したワシントン大学のSteven Brunton先生の奥さんであるBing Wen Brunton先生もワシントン大学の先生で神経科学を生物学、物理学そしてデータサイエンスの立場から研究しておられます。彼女は10歳のときにアメリカに両親とともにやってきた移民で、両親は物理学者でNASAで働いていたとのことです。彼女の簡単な自伝がこちらにあります。https://www.bingbrunton.com/bing
その中に、どの道にすすもうか、どうしようかなどと悩んだ時にどうするべきかについてのアドバイスを、メンターであるカリフォルニア工科大学のGrant Jensenからもらったと書かれています。とても参考になるアドバイスだと思いますので以下に引用しておきます。
When deciding what to work on, he told me that there are three criteria that people should look for: what you’re good at, what you like to do, and what’s important for the world. He then said that most people are good with two out of three, but if I find something that fits all three, I should not hesitate and go for it. This bit of wisdom has guided my decision-making process many times. Especially when faced with walking into a position with substantial uncertainty, I try to choose options where I’ll be challenged, where I’ll learn something valuable, and where I might make a difference while spending time with fun people.

彼女のIntroduction to Neuroscienceという一連の講義は、物理やコンピュータサイエンスの方に神経科学を理解してもらうために最適のものでおすすめです。再生リストはこちらです。
https://youtube.com/playlist?list=PLqgZEQsU_8E0l1P9bKR6yKOKPMpoJ_tLR
見本に最初の動画を貼り付けておきます。
https://youtu.be/xWcloVll138

計算物理春の学校2023の動画や講義資料が公開されました。

沖縄で3月に開催された「計算物理春の学校2023」の講義動画と講義資料、スライドなどがこちらから利用できます。
https://hohno0223.github.io/comp_phys_spring_school2023/
「機械学習入門」の講義や、「Julia入門」(最近出版されたばかりの 、「1週間で学べる! Julia数値計算プログラミング」(KS情報科学専門書)の著者永井佑紀 先生による講義もあります。その他には、「GPUコンピューティング入門」、「MateriApps LIVE! で始める計算物性科学」(スライドのみ)―これは様々なソフトがプリインストールされたDebian Linuxベースのパッケージの紹介だけでなく、量子力学による計算の入門のスライドもどっさり入っています―、
また「虚時間グリーン関数に対するスパースモデリング入門」とか、「量子計算入門とハンズオン」の動画、「テンソルネットワーク法入門」や「プログラム開発の技術」の講義などもみられます。
次のYouTubeのチャンネルには動画がまとまっていますのでお勧めです。
https://www.youtube.com/@comp_phys_spring_school2023/playlists
講義の動画を2本、見本に貼り付けておきます。

機械学習入門前半
https://youtu.be/N8yW9vh6OPI

GPUコンピューティング入門 & ハンズオン (1/2) 入門
https://youtu.be/vp_rM8kFYNc

Microsoft Researchの研究法についての動画(論文の書き方、プレゼンの仕方、研究生活のおくりかた)が観られます。

研究法の動画をいくつか紹介します。

英語ですがMicrosoft Researchの動画が役立ちます。Cambridge Lab PhD Summer School というシリーズの動画です。
まずは論文の書き方の動画を二つ。
How to Write a Great Research Paperというタイトルの2本の動画です。
https://youtu.be/VK51E3gHENc

https://youtu.be/CmvWIy6l1Fg

プレゼンのやり方の動画はこちら。
How to Give a Great Research Talk
https://youtu.be/sT_-owjKIbA

これは必見の動画だと思います。

Strategic Thinking for Researchers
これは研究生活の戦略についての講義です。未見ですが見てみたいと思っている動画です。人生を研究にささげるとしたらどうやって燃え尽きないようにするか、研究の重圧にどう対処するかとかも話されているようです。是非ご覧ください。
https://youtu.be/f-FkMeeqjTY

ChatGPTにうまく答えさせるための入力文の作り方

ChatGPTに質問して答えをもらうための入力文をプロンプトといいます。
このプロンプトをうまく作ると、ChatGPTなどの大規模言語モデル(Large Language Models :LLMs)は大変正確な答えを返してくれます。プロンプトは、LLMが特定の目標やタスクにもとづいて、有用で筋のとおった返答を生成できるようにするために、LLMを微調整するのに大変重要な役割を果たします。ではどのようなプロンプトをつくったらLLMは的確な答えを返してくれるのでしょうか。その疑問に答えることができる、LLMに入力するプロンプトをつくるやり方の教科書 Prompt Engineering Guideの日本語版web pageができています。https://www.promptingguide.ai/jp
これは役立ちそうです。もともとは英語版ででていたDAIR-AI (Democratizing Artificial Intelligence Research, Education, and Technologies)がつくったオンライン版教科書です。https://github.com/dair-ai

またDAIR-AIをGoogle検索して知ったのですが、
ChatGPTについては日本語のサイトで、ChatGPT研究所というサイトは役立ちそうです。
https://chatgpt-lab.com/
色々記事があって、有料記事も交じっているのですが、多くの無料記事も大変役立ちます。
プロンプトについては次の2つの記事がわかりやすそうです。
プロンプトエンジニアリング基礎編
https://chatgpt-lab.com/n/n67b5c987a74c
プロンプトエンジニアリング応用編
https://chatgpt-lab.com/n/na4b6676093b1

私は英語でプロンプトをよく書きますがその書き方ガイドはOpenAIのサイトにあります。悪い例と良い例がならべて比較してあるので役立ちます。英語でプロンプトを書くと、より詳細な答えがかえってくるそうですので、英語でのプロンプトも試してみてください。
https://help.openai.com/en/articles/6654000-best-practices-for-prompt-engineering-with-openai-api
英語でプロンプトをつくるとなると、英語版のPrompt Engineering Guideを見たくなりますね。英語版はこちらです。
https://www.promptingguide.ai/

物理や工学で機械学習を使うすべての人(良くできる学部学生や修士の学生など)にピッタリの教科書(英語)を紹介します。

Data driven science & engineeringという本 (ケンブリッジ大学出版会発行)です。ワシントン大学のBrunton先生と同僚のNathan Kutz先生による共著の教科書で、次のサイトにhttp://databookuw.com/
教科書に関する教材や動画のリンクが全部のっています。
物理や工学で機械学習をつかうすべての人(良くできる学部学生や修士の学生など)にピッタリの本のようです。Kindleで買っても7600円ほどの値段でちょっと高い本ですが、本の内容はすべてYouTubeに動画でみられるし、MatlabやPythonコードも無料でダウンロードできます。以下にこの本の紹介文を上のサイトからコピーしておきます。
Data-driven discovery is revolutionizing the modeling, prediction, and control of complex systems. This textbook brings together machine learning, engineering mathematics, and mathematical physics to integrate modeling and control of dynamical systems with modern methods in data science. It highlights many of the recent advances in scientific computing that enable data-driven methods to be applied to a diverse range of complex systems, such as turbulence, the brain, climate, epidemiology, finance, robotics, and autonomy. Aimed at advanced undergraduate and beginning graduate students in the engineering and physical sciences, the text presents a range of topics and methods from introductory to state of the art.
Key features:
—In-depth worked examples paired with comprehensive, open-source code
—Concise, digestible explanations of complex concepts and their applications
—Extensive online supplements include exercises, case studies, lecture videos, data, and supplementary code

この本の内容のすべてが動画でアップロードされています。上の本のサイトにリンクがあるのでそちらから観るのが簡単でおすすめです。たとえばこんな講義があります。最初の動画は特異値分解SVD(singular value decomposition)をつかった画像の圧縮の話、下の講義はカーブフィッティングと最小二乗法の話です。
https://youtu.be/QQ8vxj-9OfQ

https://youtu.be/32qEQ29QJco

Brunton先生のYouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/@Eigensteve/playlists には、
機械学習だけでなく、物理や数学の講義ビデオも満載でおすすめです。Data Science for Biologistsという再生リストもありました。
Kutz先生のYouTubeチャンネルにも同様にいろいろ動画があるのでそちらも観るとよいでしょう。

ワシントン・ポトマック河畔の桜並木は高峰譲吉博士によって贈られた桜がそのはじまりです。

今日は日本の有名な科学者 高峰譲吉博士の映画2本を紹介します。よい映画でAmazon Prime Videoでも両方とも見られますので是非ご覧ください。

桜が散り始めている今日この頃ですが、先日NHKニュースでワシントンの桜並木をつくった女性の話がありました。ポトマック川の河畔の桜並木は、昔日本から寄贈されたものです。有名な日本の科学者 高峰譲吉博士がかかわっているのは有名です。こちらのサイトに桜がいかにしてワシントンのポトマック河畔に植えられたかが詳細に書かれています。ヘレン・タフトさん(アメリカ大統領夫人)とエライザ・R・シッドモア女史、そして高峰譲吉博士の三人がいかにしてポトマック川べりに桜を植えることになったかが詳しく書かれていてなるほどと納得できます。
https://npo-takamine.org/who_is_takaminejokichi/private_diplomacy/sakura/

高峰博士の生涯と桜の寄贈の話は映画化されています。「さくら さくら」という映画と「TAKAMINE」という映画の2本で、DVD化されており両方の映画を収録したDVDパッケージを購入することができます(私は2013年頃に買いました)。最初に書いたように、Amazon Prime Videoでは、どちらの映画も観ることができるので、契約している方は是非ご覧ください。予告編を並べておきます。
https://youtu.be/gM-kaVxtR7w

https://youtu.be/8ifFBTSAZoE

高峰博士は理化学研究所の創設の提唱者であり、製薬会社の三共(現在の第一三共)の創設者、ベークライトの国産化会社(現在の住友ベークライト)の創立、酵素事業の先駆けであるタカジアスターゼの開発製品化、世界初のアドレナリンの抽出、結晶化と製品化などなど、多彩な業績をもつ科学者、実業家です。映画はわかりやすくその生涯と業績をまとめていますので、是非ご覧になることをおすすめします。
高峰博士については、高峰譲吉博士研究会のこちらのサイトで詳しく学ぶことができます。
https://npo-takamine.org/

映画Takamineの主題歌は白井貴子さんが歌っており、映画にも北里柴三郎の妻の役で出演されているそうです。
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/3841

ブラックホールを撮影する―という動画の紹介です。

おなじみの英国Royal InstutionのYouTubeチャンネルにの最新の動画に、How to photograph a black hole – with Ziri Younsiという講演がアップロードされています。https://youtu.be/fGGW-kwc2n0

この動画では、ブラックホールの人類初の撮影に成功したイギリスチームのメンバーが、ブラックホールは何か、どのように見えるのか、どのように撮影するのかなどをわかりやすく解説してくれています。講演の中で映画インターステラ―の描くブラックホールに間違いがある(ブラックホールの回転にともなうドップラー効果を映画では考慮していない)という面白い話もあります。この講演を見た後、Interstellarの映画のブラックホールの描写で間違っているところはどこでしょうと、ChatGPT-4にきいてみました。
映画について詳しく教えてくれた後にこんな答えが返ってきました。結構ちゃんとした答えだと感心しました。詳しくは上の講演を聞いてみてください。
Some possible inaccuracies in the Interstellar depiction include:

1.Accretion disk brightness: The brightness and distribution of the light surrounding the black hole in Interstellar might be different from what we observed in the M87 black hole image. The accretion disk in the movie is depicted as being quite bright and uniform, while the real image shows an uneven brightness distribution.

2.Warping of light: While Interstellar did an impressive job visualizing the gravitational lensing effect of a black hole, the real image of the M87 black hole showed an even more dramatic warping of light around it. This is due to the immense gravity of the black hole bending the light from the accretion disk.

These discrepancies can be attributed to artistic liberties taken by the filmmakers and the fact that the real image of a black hole was not available during the production of Interstellar. Despite these differences, Interstellar’s Gargantua remains one of the most scientifically accurate representations of a black hole in popular media.

パワーポイントで図を作る方法の動画を紹介します。

今日は、パワーポイントで図を作る方法についての動画のお話です。
パワーポイントで図を作るのは、イラストレーターなどを使うよりずっと手軽です。作り方の参考になる動画をいくつか紹介します。

以前紹介した早稲田大学の早水先生の動画はパワポの基礎を教えて下さる良い動画ですのでまず見ることをお勧めします。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLCo60G1m_ibpf1tnAnTX5yNJh7rZPk4p6

早水先生の動画でパワポの使い方がつかめたら、自分で図を作ってみましょう。一からつくるのは大変ですので、すでにできている図をもとにして作ってみるのがお勧めです。こうした図の作り方については英語ですがこちらなどは参考になります。動画では英語版のパワポを使っているので日本版とちがってとまどいます。でもこういうことをする方法があるのだと動画でわかれば、Google検索で日本語で動画の操作のやり方を調べて、日本版のパワポで使うのは簡単です。是非やってみてください。
https://youtu.be/rAznt5I2nhs

この動画がのっているチャンネルはこちらです。もっといろんなパワポの使い方がわかります。
https://www.youtube.com/@scienceinfographics4175/videos
https://www.youtube.com/playlist?list=PLaX2vrGncQxhg79Iz5mlXCA22_-HD6hny

データの可視化や強化学習についての無料の教科書(英語版)を3冊紹介します。

データ可視化や強化学習の英語無料本を3冊紹介します。初めの2冊は O’Reillyから出ている本です。
1)Hands-On Data Visualization–Interactive Storytelling from Spreadsheets to Code
Jack Dougherty and Ilya Ilyankou (2023-03-07)
これは紙の本は有料ですがオンラインで無料で読めます。。
https://handsondataviz.org/index.html
最新のスプレッドシート(エクセルではなくてGoogle sheetsやLibreOffice Calcそのほかのソフトを使う最新のデータ可視化の手引き書です。Google Sheets, Datawrapper, Tableau Publicなどの使い方から、Chart.js, Highcharts, Leaflet on GitHubなどでのコードの仕方など、自分のデータを可視化して皆にみせて話の流れをつくって、それを語る、そのやり方の手引き書になっているそうです。プログラミングの経験不要ということですので面白い本だと思います。

2)またデータの可視化については、こちらの本もあります。これは以前の記事で紹介した本です(末尾に該当記事をコピペしておきます)。これは、読んですぐに研究発表に使える本です。学生や研究者が研究発表するときに必須の参考書で、是非持っておきたい本ですね。
Fundamentals of Data Visualization
Claus O. Wilke
https://clauswilke.com/dataviz/

3)最後に強化学習の教科書も無料で読めますし、スライドやpdfをダウンロードすることもできます。
Reinforcement Learning: An Introduction written by Richard S. Sutton & Andrew G. Barto
Second Edition (MIT Press, Cambridge, MA, 2018)
http://incompleteideas.net/book/the-book-2nd.html
2025/3/06追記:著者二人は強化学習のパイオニアで、2024年のTuring賞を受賞しました!

以下は以前の記事の再掲です。
2022/1/11
英語の本ですが図の作り方についての良い本Fundamentals of Data Visualizationがありました。クリックして読んでみてください。とても参考になる内容です。また以下の記事は手っ取り早く良い図の作成について理解できるので有名です。Ten simple rules for better figures (PLOS computational biology 2014)