英語論文の書き方―ABC予想を解決し、新理論を開拓中の望月新一教授のブログ

ABC予想を解決し、新理論を開拓中の望月新一教授のブログ

昨年、NHKでABC予想についての番組が放送され、望月先生がその番組の採点をされたブログを紹介しました。

2022年4月のNHKスペシャルに対する望月新一先生による「合格発表」が掲載されていました。

さきほど久しぶりに先生のブログを拝見すると2023年の記事が掲載されていました。
https://plaza.rakuten.co.jp/shinichi0329/
2022年には次世代幾何学国際センターが京都大学に設置され、またThe LPP-RIMS Arithmetic & Homotopic Galois Theory IRN (AHGT)というフランスと日本の共同研究プロジェクトも発足したそうです。先生が開拓した宇宙際タイヒミューラー理論を中心とする「次世代幾何学」が着実に発展しているようです。先生のブログの年頭所感の部分と補足をご覧ください。

また以前も紹介しましたが、先生の論文執筆の際の語学の扱いについての記事
https://plaza.rakuten.co.jp/shinichi0329/diary/201711210000/
も、とても貴重なアドバイスですので、是非ご覧ください。先生は語学に堪能で、冠詞をもたないラテン語、定冠詞しかもたないギリシャ語、不定冠詞や冠詞をもたないサンスクリット語なども勉強されたそうです。論文の書き方についてのこの記事は日本の研究者が是非読むべきものだと思います。すこしだけ引用させてもらいます。

“先日(=2017-11-14付け)の記事の最後辺りで展開した「Cドライブ・Dドライブ」の観点で説明すると、学生だけでなく、多くの日本人は

 英語を勢いよく自分の脳の「Cドライブ」に
詰め込むことこそが「幸せへの究極的な近道」
と誤解しがち

ですが、私の無数の経験から言わせてもらいますと、

 英語を自分の脳の「Cドライブ」に詰め込む
ことは実際にはむしろ、大変に危険であり、
むしろ「不幸への暴走特急」

にしかなりません。つまり、

 脳の「Cドライブ」に最優先で搭載すべきOS
はむしろ、ことの論理構造を見極め、その論理
構造を上手く分割したり整理したりするための
「組合せ論的整理術」を効率よく実行する仕様
のOSなんです。

上述のような英文添削の文脈ですと、いつも思い出すことですが、英語に出てくるような定冠詞・不定冠詞は、日本では「欧米文化を代表するような事象」として見做されがちですが、古代や東欧まで視野を広げてみますと、
・ラテン語には定冠詞も不定冠詞もない、
・古代ギリシャ語には不定冠詞がない、
・(現代)ロシア語には定冠詞も不定冠詞もない
等、多くの日本人の感覚とだいぶ違う実態が浮かび上がってきます。”

ChatGPTやDeepLがある今、最終的な英文のブラッシュアップにこれらを利用すれば、誰でも簡単に論文が書ける時代になりました。英語にわずらわされることがなくなったので、まず日本語でじっくり論文の構成を考えて、論理的な論旨の展開をすることに集中できます。日本語で論旨と構成がすっきりした論文を書けば、あとはAIで完璧な英文ができる時代になりました。これからは日本人が英語の添削に無駄な時間を費やすことなく、すぐれた研究成果をどんどん発表できるに違いありません。今日紹介した望月先生の記事を参考にして、日本語でじっくり構成を練って作成された、世界に通用する優れた英語論文をかける人たちが続出することを期待しています。