微生物流体力学とは?

微生物流体力学という分野があるそうです。以下の大学受験生むけの石本 健太(京都大学 数理解析研究所 准教授)の動画で簡単に紹介されているのでまずは動画をご覧ください。https://youtu.be/Sh-3W6GdiH0

これは高校生向けのやさしい説明で、微生物やヒトの精子が泳ぐときには、人間が水泳するときにつかうバタ足などは全く役に立たないことがわかります。レイノルズ数とかナビエ・ストークスの方程式とかもでてきますが、とにかくやさしい紹介です。先生は本格的な教科書も書かれています。
「微生物流体力学 生き物の動き・形・流れを探る」という本で。
https://www.saiensu.co.jp/search/?isbn=978-4-7819-1559-3&y=2022
雑誌「数理科学」に連載されていた記事をまとめて本にされたそうで、連載の第一回目は京大の以下のサイトからダウンロードできます。
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/259358/1/math.Science_58-4_68.pdf

先生はJSTのさきがけ研究者もされていたので、以下の成果発表会の動画をみると先生のお仕事の全貌がわかると思います。
「生命ダイナミクスのための流体数理活用基盤」
さきがけ【数理構造活用】領域1期生成果報告会「つながる数学」講演。2023年1月29日
https://youtu.be/rPUNGBCxBDw

先生のホームページ
https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ishimoto/jp/
にある講義資料がとてもよいので、是非みてみてください。
https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ishimoto/jp/lecture-notes.html
微生物流体力学の講義ノート(京大の高校生、中学生を含めた令和4年度 第43回数学入門公開講座や、より上級生向けの数学カフェの講義資料)もダウンロードできます。
大学初年級向けの微分積分学の講義ノートなども公開されています。

また精子はどうやって泳ぐかという英語の動画も面白いのでご覧ください。https://youtu.be/I8bBQnSlQk8

ChatGPTを使う時に頼りになる東大の吉田塁先生のサイトの紹介です。

梅雨があけて昨日、一昨日は夕方に雷雨になりました。
今朝散歩にいくと、小学校のビオトープの池にガマの花や睡蓮の花が咲いているのを見つけました。山のほうには葛の花も咲きだしています。田んぼには案山子が登場しました。夏真っ盛りです。

さて今日は、ChatGPTの使い方についての疑問に答えてくれるサイトを一つ紹介します。
以前紹介した教員向けChatGPT講座

東大のオンラインイベント「教員向け ChatGPT 講座 ~基礎から応用まで~」が昨日開催され、動画と資料が公開されました。

で講演されていた吉田塁先生のホームページはChatGPTを使う上で頼りになるサイトです。
https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/

このサイトの以下のページにある、資料一覧のリンクには、ChatGPT以外にも役立つ情報がいろいろ掲載されており、参考になるのでご覧になることをお勧めします。
https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/resources/

ChatGPTについてはこちら。
https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/chatgpt-ai-resources/
その中にある
「ChatGPT に関する Q&A」
https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/chatgpt-qa/
は使い始めた人がいだくいろんな疑問の答えが載っているのでとても役立つと思います。

深層学習の基礎を学べる教科書Information Theory, Inference, and Learning Algorithmsや講義ビデオ、海外の講義動画を集めたサイトの紹介です。現代的な有機化学入門コースも紹介します。

ネットで海外の大学の講義を聴講することができるようになっているので大変役立ちます。たとえばこちらのサイトVideoLectures.NETをみるといろんなテーマの講義やシンポジュウム、インタビューなどを見ることができるので是非、検索して必要そうな講義や動画を探してみてください。
http://videolectures.net/
このサイトは、サイトの説明によるとVideoLectures.NET is an award-winning free and open access educational video lectures repository.というもので、掲載されている動画や講義ビデオには権利者が許している場合は、無料でダウンロード(高画質版もあります)できるものもあります。サイトにはMITの講義とかCambridge大学の講義とかもありますのでいろいろ探してみるといいと思います。

AIについて本当に真剣に基礎から学びたい人に最適の講義も聴講できます。
ケンブリッジ大学におられた物理学者、数学者、気候問題研究者で今は亡くなられたSir David John Cameron MacKay教授(1967-2016)の講義です。16回の講義全部が聴講できます。
http://videolectures.net/course_information_theory_pattern_recognition/
この動画ビデオはVideoLectures.NETではダウンロードできないのですが、次の著者のサイトからはスライド、動画ともにダウンロードできますので利用してください。
http://www.inference.org.uk/itprnn_lectures/
この講義の教科書も著者のサイトで無料で読めてダウンロード可能です。
Information Theory, Inference, and Learning Algorithmsという本です。図のダウンロードもこのサイトから可能です。
https://www.inference.org.uk/mackay/itila/
この本は、DeepMindで働いた後、OpenAIに移ってDeep Learningを研究しているIgor Babuschkinさんがtweetで AIの学習アルゴリズムを学ぶのにこれ以上の教科書はないと推薦している本です。第一回のMacKay教授の講義をみましたが、板書での説明もなかなかわかりやすいものですね。上手な講義で感心しました。こんな講義や教科書が自由に使えるのは本当に素晴らしいことですね。

あと、化学の講義で面白いものもみつけました。Yale大学のJ. Michael McBride教授の有機化学の講義です。フロンティア分子軌道法も考慮した有機化学の講義です。私も観てみようと思っています。動画はダウンロード可能です。
有機化学入門コース1 これは以前紹介した動画です。pptファイルや講義資料をダウンロードできる今も使えるリンク(このサイトのリンクはリンク切れです)とかも以前の記事 (末尾に載せました)にありますので利用してください。
http://videolectures.net/yalechem125f08_freshman_organic_chemistry/
次のサイトには上のコースの続編があります。基礎編に続いて。やや高度な内容になっています。HOMOとかLUMOとかのフロンティア分子軌道論も活用して、有機化学を解説してくれます。
http://videolectures.net/yalespan125bs2011_organic_chemistry/

VideoLectures.NETのサイトには、MITの分子軌道法の講義とかもありますね。動画は高画質版のダウンロードも可能です。
http://videolectures.net/mit5111f05_ceyer_lec01/

英語での科学関係の講義動画リンク集の紹介―物理の立場から観た有機化学入門動画もあります。

 

ChatGPTのおすすめの解説書『ChatGPTの頭の中』の紹介です。

Stephen WolframはMathematicaを開発してWolfram Research社を設立した理論物理学者です。オートマトンを使って物理学を統一するという壮大なプロジェクトを展開している科学者でもあります。彼の会社が開発したWolframというChatGPT用のプラグインは、ChatGPT のプラグインの中ではひときわ有用なものです。これを入れておくと、今話題の「17077は素数ですか」という問いにも正しく答えてくれるので安心です。このプラグインは、ChatGPTがプロンプトをみて、必要とあれば答えをWolfram Alphaで得るという仕組みで動くプラグインです。Wolfram Alphaは膨大な正確な知識をもったデータベースですので、これを使えることでChatGPTは飛躍的に賢くなるわけです。

さて、昨日紹介した田口善弘先生の講演の最後に、このMathematicaやWolfram Alphaの開発者であるWolframさんが書いたChatGPTの解説書が紹介されていました。早川書房から翻訳刊行された Wolframが書いた本 “What Is ChatGPT Doing … and Why Does It Work?”​の日本語訳『ChatGPTの頭の中』です。ChatGPTの開発元であるOpenAIのCEO、サム・アルトマンが「最高の解説書」と絶賛した本 (今年の3月にでた本です)の待望の日本語訳です。早川書房のこちらのサイトに、ChatGPTで書かれたこの本の紹介ページが公開されていますのでご覧ください。https://www.hayakawabooks.com/n/nea225b41d580
また、この本で扱っているモデルはGPT-4以前のモデルで一部の分析はGPT-2で行っています。GPT-2とそれより新しいモデルの違いなどについては、現在、この本の監訳者解説が公開中だそうです。リンクが上の早川書房の紹介ページにありますのでそちらもご覧ください。

また、原著は以下のページに、Wolfram alphaで実行できるコード入りで公開されていますのでこちらを読むのもいいでしょう。
https://writings.stephenwolfram.com/2023/02/what-is-chatgpt-doing-and-why-does-it-work/

What Is ChatGPT Doing … and Why Does It Work?

Wolfram氏による上の原著についての、IT naviさんによる解説も参考になります。
「Wolfram氏によるChatGPTの仕組みと機能に関する解説について」
https://note.com/it_navi/n/n885a0fcbf6f7

最後になりましたが、原著の末尾についているAdditional resourcesのリンクからは、原著や関連の解説資料へのリンクがみられますのでこちらもご覧ください。https://www.wolframcloud.com/obj/wolfram-media/ChatGPT/AdditionalResources.nb

AIについての日本語での講演会と、有名なSF小説家テッド・チャンの国際人工生命学会 (ALIFE) での公開対談の紹介です。

中央大学の田口善弘先生が昨日行われた講演動画とスライドが公開されています。気楽に学べる良いお話ですので、数学が苦手な方にもおすすめです。参考書とかもあげておられます。

「AI(人工知能)の過去・現在・未来—AIは人間を超えるのか—」中央大学学員会石川支部学術講演会
https://piped.video/watch?v=V0ZvZaHhplU
スライドはこちらです。
次は、有名なSF作家テッド・チャンと神経科学者アニル・セス(サセックス大学・教授)との対談です。テッド・チャンはヒューゴー賞を4回、ネビュラ賞を4回、ローカス賞を6回受賞している作家です。映画化された作品「メッセージ」(原題Arrival)は未知の言語をもつ異星人とのコミュニケーションを描いている秀作です。今回の対談「生命と意識、人工と自然」は一般公開されるとのことで、登録するとZoomで無料で聴けるそうです。
https://2023.alife.org/programme/public-event-jp/

プログラミング言語Juliaへの入門に最適なチュートリアル講演と研究集会の動画(九州大学で開催済み)を紹介します。

九州大学で行われた研究会(開催日:2023/07/10~2023/07/129の講演動画が公開されています。

数学と物理におけるJuliaの活用|共2023a015
共催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所,学術変革領域研究A「「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革」

JuliaはPythonより高速でC言語なみの計算速度を実現できる学びやすい言語としていま人気のプログラミング言語です。この活用の実際をみるのに便利な講演会の動画です。最初にチュートリアル講演もあり、インストールの仕方なども説明されているので、初心者の方もチュートリアル講演①あたりは見るとよいと思います。Juliaを使う人のコミュニティーを拡げるために充実したチュートリアルが用意されている研究集会です。是非一度ご覧ください。
次の研究集会のホームページで、研究会の内容と、動画をみることができます。
https://joint.imi.kyushu-u.ac.jp/post-9030/

動画はYouTubeへのリンクもついているので、YouTubeでみることもできます。
https://www.youtube.com/@imikyoten/videos

チュートリアル講演①はこちらから見ることができます。
https://youtu.be/A11DiBbjKdM

「実践Julia入門」(https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13350-4)の著者の後藤俊介さんのチュートリアル講演②が続きます。
https://youtu.be/1hB_ApwzGDc

梅雨明け宣言をします!天気予報があたらないわけの一つ カオスの一般向け講演会 at 英国王立協会の紹介。

梅雨明けを本日 勝手に宣言します!
気象台はまだ福岡地方に梅雨明け宣言を出していません。しかし今朝おきてみると、外の光は真夏。クマゼミの声がやかましくアサガオもきれいに咲いています。これは梅雨があけたことが一目瞭然の外の景色でした。大宰府では本日猛暑日だったそうで、お昼ごろになると熱中症を避けるためか、あのうるさかったクマゼミがピタッと鳴き止んでしまいました。外では蚊も飛ばなくなるそうで、猛暑でした。

天気予報はスパコンの導入でだいぶあたるようになったといわれますが、本当でしょうか?このごろの天気予報は、当たらなかった時の非難を避けるために慎重になりすぎて、余計あたらなくなっている面も多いように思います。さて、今回紹介するのは、天気予報や台風の予報があたらない理由としてよくあげられるカオスやフラクタルについての講演です。
英国のオックスフォード大学で、一般相対性理論で博士号をとったあと、量子力学の基礎、天気予報、気候変動などを研究している著名な科学者Tim Palmer教授の一般向け講演です。教授は英国Royal Societyのフェローで、アメリカ科学アカデミーの海外会員、受賞歴にはthe Institute of Physics Dirac Gold Medalやthe top medals of the American and European Meteorological Societiesなどをがあります。

この講演は、カオス、フラクタル、状態空間などのカオスやフラクタルの基礎からはじまって、幾何学とベルの定理などにいたる壮大な講演です。数式をほとんど使わず、実験もまじえてわかりやすく話して下さっています。英語は典型的なイギリス英語で、とても聞き取りやすいです。余談ですが、一般に標準的なBritish EnglishのことをRPといいます。RPはReceived Pronunciation の略で、別名“Queen’s English,” the “King’s English,” “BBC English,” or “Oxford English.”などともいわれる標準英語です。教授の講演はRPの見本のような講演です。タイトルは

Chaos theory and geometry: can they predict our world? – with Tim Palmer
https://youtu.be/RkiEV47KPX4

例によってThe Primacy of Doubtという本の出版にあわせた講演のようです。次のAmazonのリンクをご覧くささい。
https://geni.us/5bgfg

朝ドラ「らんまん」にでてくる画工 野宮さんのモデルは平瀬作五郎ではないでしょうか?

朝ドラの「らんまん」をみています。今日の話では、植物学教室の画工の野宮さんが顕微鏡の使い方を習うきっかけが紹介されていました。この画工の野宮さんを助ける学生・波多野さんは、今日のドラマで、植物の目に見えない受精の仕組みを解明したいというような夢を語っていました。
画工の野宮さんは多分、イチョウの精子を世界ではじめて発見した平瀬作五郎さんをモデルにしており、波多野さんは、ソテツの精子をこれも世界ではじめて発見した池野成一郎さんがモデルだろうと推察します。池野さんは平瀬さんに顕微鏡の使い方を教え、平瀬さんが顕微鏡下で見つけたものが精子ではないかと指摘したと伝えられています。その後、平瀬さんが、世界中で探し求められていたイチョウの精子を発見したことを確認すると、その成果をフランス語で論文発表するやりかたなども池野さんが教えたそうです。自身が恩賜賞を授賞することになったときには、平瀬さんも共同受賞すべきだと主張し、「平瀬がもらわないなら、じぶんもことわる」と言ったと伝えられています。こちらのログインしなくても読める国立国会図書館の平瀬作五郎伝という記事をご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/pid/11201475/1/28

二人はめでたく第二回恩賜賞を授賞し、平瀬さんの研究したイチョウは小石川植物園の大イチョウとして今も残っています。

平瀬さんは牧野富太郎と同時に東大助手をつとめた人です。平瀬さんの発見の内容については
こちらの動画「種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化」がよさそうです。数多くの賞をとった動画です。(第41回科学技術映像祭科学技術庁長官賞 第11回TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール TEPIAグランプリ 第21回UNICAJA国際科学映画ビエンナーレ(スペイン・ロンダ)最優秀学術映像賞)

http://www.kagakueizo.org/movie/education/128/
YouTubeでも見ることができます。https://youtu.be/rDkJ-T_Qvik

またこの動画を紹介してくださっている次のブログもわかりやすくて良い記事です。
「小石川植物園を東大教授と巡って訊いてきた話 精子発見のイチョウ編」
https://www.ph-10.com/yakupresso/articles/486/


あと、平瀬作五郎さんについては、Amazon のKindle unlimitedで読める次の本がおすすめです。
本間 健彦 著 「イチョウ精子発見」は、なぜ、封印されてきたのか?: 「発見者」平瀬作五郎と、その時代を読み解く

誤りだらけのGPT生成文書の判別器:non-native speakerの英語をAIが書いたものだと6割以上も誤判定!

以下のようなツイートを今日みつけました。ChatGPTの出現以来、AIが書いた文章を検出できる検出器・検出プログラムが欲しいという教育機関や教師が増えているようです。しかし現状は以下のような誤判定のオンパレードのありさまで、検出器は英語を母国語としていない人の書いた英語をAIが書いたものだと判定してしまうことが多いそうです。現状では、こうしたGPT detectorsの導入は極めて危険なものだという研究結果が査読ずみの論文でも報告されています。

上のツイートでは、GPT-detectorsがChatGPTの作った英文をちゃんと検出できない上に、非英語圏の人の書いた英語をGPTが作った英語だと誤認識することが書かれています。さらに最近公開されたこちらの論文(査読済み)、
https://www.cell.com/patterns/fulltext/S2666-3899(23)00130-7
“GPT detectors are biased against non-native English writers”
Liang, Weixin et al. Patterns, Volume 4, Issue 7, 100779
では、これらのGPT detectorsが、英語のnative speakerの書いたものはちゃんと判別できるのに、non-native speakerが書いた英語はAIがつくったものだと誤って判別することが多いということを明らかにしています。そしてこの検出器はプロンプトを工夫することで簡単にだませるということもわかったそうです。たとえばこんなプロンプトで出力結果を再編集すると、簡単に検出器を回避できます。prompt: “Enhance the word choices to sound more like that of a native speaker”あるいはこんなプロンプトです。“Elevate the provided text by employing literary language”.
こうした不完全にしか機能しない検出プログラムの導入は大きな害悪を及ぼすでしょう(すでに害悪の例もいくつも報告されています)。またこうしたGPT検出プログラムを使ったり改良したりすることで、結果的にAIが書いたと判定されないように英語を書くことを、特に非英語圏の人間に強制することになる危険性が大きいです。自由であるべき英語の表現に特定のバイアスをかけてしまい、不自由な世界をつくりだしてしまいます。以上のような簡単な考察からも、こうしたプログラムの使用や開発は今後大変な問題を引き起こすと予想できます。

この論文で利用したGPT-detectorは以下の7つです。
1. Originality.AI: https://app.originality.ai/api-access
2. Quil.org: https://aiwritingcheck.org/
3. Sapling: https://sapling.ai/ai-content-detector
4. OpenAI: https://openai-openai-detector.hf.space/
5. Crossplag: https://crossplag.com/ai-content-detector/
6. GPTZero: https://gptzero.me/
7. ZeroGPT: https://www.zerogpt.com/

今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。

今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。
https://www.todayinsci.com/

このサイトにアクセスすると、今日7月18日にどんな科学者が生まれたか、どんな科学者が亡くなったか、どんな科学的発見が今日起こったか、どんな科学イベントが今日あるかなどがわかります。
https://www.todayinsci.com/7/7_18.htm

もちろん任意の日付を選んで、その日付に生まれた科学者や亡くなった科学者などなどを調べることも簡単です。

今日が誕生日の人を数人サイトから選んでみましょう。
Hartmut MichelBorn 18 Jul 1948)
光合成システムの構成タンパク質の立体構造を決定したノーベル賞受賞者
Roald Hoffmann (Born 18 Jul 1937)
福井謙一先生とともにノーベル化学賞を受賞したウッドワード・ホフマン則で有名な科学者。絵本を書いておられます。去年紹介した記事を末尾にペーストしておきます。

Thomas S. Kuhn (Born 18 Jul 1922; died 17 Jun 1996 at age 73)
トマス・クーンは有名ですね。「科学革命の構造」という本を書いた人ですが、もともとは 物理学専攻だったようです。藤永茂先生が批判しておられるサイトがあります。https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigerutk
John Glenn Jr. (Born 18 Jul 1921; died 8 Dec 2016 at age 95)
アメリカの宇宙飛行士、アメリカではじめて地球周回軌道にのって地球を回った宇宙飛行士です。
映画The Right Stuffで印象的に描かれていました、

なんと日本の佐藤信淵という江戸時代の経済学者ものっています。
Nobuhiro SatoBorn 18 Jul 1769; died 17 Feb 1850 at age 80)
私は知らない人でした。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%BF%A1%E6%B7%B5

このサイトでは、他に、科学者の残した言葉Science quotesを探したり、
https://todayinsci.com/Quotations/QuotationsIndex.htm
任意の年のカレンダーをプリントすることもできたりします。
https://todayinsci.com/WallCalendar/PrintCalendar.php
クイズのコーナーもありますよ。
https://todayinsci.com/Quiz/Quiz1/Quiz1.htm


ホフマンさんについての記事の再録です。絵本や有機化学の本を紹介しています。

2022/3/4
今日は絵本を紹介します。「ざっそう」というタイトルの絵本です。これはウッドワード・ホフマン則で福井謙一先生とノーベル化学賞を共同授賞されたホフマン先生の原案による絵本です。久留米附設でのホフマンさんの学生への講義に端を発しで日本で出来上がった絵本で、出来上がった経緯はこちらのサイトに詳しく書かれています。https://www.kurume-u.ac.jp/site/fusetsu/20181025.htmlホフマン先生は当時のポーランド領の Zolochiv(今はウクライナ)でユダヤ系ポーランド人として生まれ、ホローコストを生き延びて(お父さんは収容所で殺され、お母さんやホフマンさん、おばさんなどは看守に賄賂をつかって脱出して隠れていたそうです)、ウッドワード先生とともにウッドワード・ホフマン則を提唱されました。私の学生時代に有機化学で勉強したことがある有名な業績です。この法則をも含むフロンティア分子軌道法を提唱された福井謙一先生(京都大工学部教授)とともに二人でノーベル化学賞を受賞されました。(ウッドワード先生は死去されていたので、三人での受賞はありませんでした。もっとも有機合成の大家であったウッドワード先生はビタミンB12の合成などの業績ですでにノーベル賞をもらっておられました!)福井先生のフロンティア分子軌道法は現在でもこれを採用して書かれる有機化学の教科書が増えている強力な理論です。有機化学で習う電子が矢印でとんでいく有機電子論では説明できない反応機構を説明できるのでこれを中心に据えた教科書も出版されています。
フロンティア軌道論で理解する有機化学 [2018] 化学同人(九大の人はMaruzen eBook Libraryで契約しているのでこの本は無料で読めますし、ダウンロード可能です)
有機電子論でせっかく反応を予測したのに、それは実際にはそうはならないんだよと先生に言われて有機化学が嫌いになった人も多いようです。そのような人にはフロンティア軌道論は最適だと思います。量子化学がパソコンで自分で計算できる時代になったので、若い人は有機電子論を手っ取り早く学んで、不足分を量子化学で補うという勉強法が主流になると思われます。量子力学ネイティブな若者の時代がもうきているのですから。