The MIT Pressのオープンアクセス本や無料の線形代数の教科書(英語版)やその解説動画サイトを紹介します。

まず無料の線形代数の教科書と動画があるサイトの紹介です。
A Quick Steep Climb Up Linear Algebra という教科書のpdfがダウンロードできます。講義動画もあります。
https://allthemath.org/course/linear-algebra/

いつもはSpringer-Natureのオープンアクセス本の紹介が多いので、今日はMIT Pressの面白そうなOpen Access本を何冊か紹介します。

Laws of Human Behavior: Steps Toward Hard Science
By Donald Pfaff, Sandra Sherman,  The MIT Press
https://direct.mit.edu/books/oa-monograph/5921/Laws-of-Human-BehaviorSteps-Toward-Hard-Science
人間の行動を科学するという本です。

こちらは、以前紹介したことがある自由エネルギー原理についての本です。
A Drive to Survive: The Free Energy Principle and the Meaning of Life
By Kathryn Nave, The MIT Press
https://direct.mit.edu/books/oa-monograph/5897/A-Drive-to-SurviveThe-Free-Energy-Principle-and

生命や意識の進化についての本も面白そうです。
A History of Bodies, Brains, and Minds: The Evolution of Life and Consciousness
By Francisco Aboitiz, The MIT Press
https://direct.mit.edu/books/oa-monograph/5827/A-History-of-Bodies-Brains-and-MindsThe-Evolution

嗅覚の哲学というような本もあって読んでみたいと思いました。
Stinking Philosophy!: Smell Perception, Cognition, and Consciousness
By Benjamin Young, The MIT Press
https://direct.mit.edu/books/oa-monograph/5811/Stinking-Philosophy-Smell-Perception-Cognition-and

考古学で、DNA配列の決定がどのような進歩をもたらしたかを知りたい人にはこちらの本がよさそうです。
Critical Perspectives on Ancient DNA, Edited by Daniel Strand, Anna Källén, Charlotte Mulcare, The MIT Press
https://direct.mit.edu/books/oa-edited-volume/5800/Critical-Perspectives-on-Ancient-DNA

赤外線で光合成する生命が赤色矮星のそばの惑星上に存在するかもしれません!そんなアストロバイオロジーの一般向け講演会動画が面白い!

地球以外の宇宙に生命はいるのか?そんな興味にこたえてくれる国立天文台のアストロバイオロジーについての講演会の動画が面白いので是非みてください。

光合成をしている生命がいる星をどのようにみつけるか?赤外線で光合成ってできるのか?赤外線で光合成する生命って地球にいるの?こんな疑問にもこたえてくれるとてもよい講演会です。これは見ないと損する講演です。

国立天文台 三鷹・星と宇宙の日2025 メイン講演会 講演2「光合成生物の系外惑星環境への適応進化」
https://www.youtube.com/live/Yz1xOgnkoPQ?

講演1はアストロバイオロジーの素晴らしい紹介です。こちらをご覧になってから上の講演2を見るのもよいと思います。
国立天文台 三鷹・星と宇宙の日2025 メイン講演会 講演1「太陽系外惑星発見から30年、アストロバイオロジーセンター発足から10年」
https://www.youtube.com/live/yPPwNBlnnc8?

戦争と科学と政治について考える基礎になる講演動画が公開されました。

量子コンピュータの研究者から科学の歴史家になったGlickman先生のプリンストン高等研究所https://www.ias.edu/での講演です。アインシュタインや湯川秀樹、ゲーデルなども在籍していたこの研究所のYouTubeチャンネルの動画です。https://www.youtube.com/@videosfromIAS/videos
科学と戦争について考える時、参考になる冷戦とその後の兵器開発、量子コンピュータなどの絡み合いの歴史が学べます。トランプ大統領になってからの集中的に援助される研究テーマの話、有名な物理学者Wheelerとその弟子たちの兵器開発、国防、戦争への寄与の話など貴重な話がきける講演です。アインシュタインと湯川秀樹、Wheelerが映っているスライドもでてきます。

科学と戦争、政治のかかわりについて考える基礎になる入念な調査・研究に基づく講演ですので、今この世界情勢だからこそ見るべき動画だと思います。

Topic: “Philosophy is too Important to be Left to the Philosophers”: On Cold War Crises and Quantum Technologies
Speaker: Susannah E. Glickman
Affiliation: Stony Brook University
Date:October 1, 2025
https://youtu.be/pAGHmgGXd9E?

西洋哲学史ではなくて、世界哲学史が現代の哲学史のトレンドだそうです。

九大の私のラボでは、学生さんたちがシュヴェーグラーの 西洋哲学史 (岩波文庫)の輪読をやっていました。科学研究を志す人で哲学に興味を持てるというのは結構有利な才能だと思います。この本は国立国会図書館のデジタルコレクションでは読めないようですが、ドイツ語からの英訳版はプロジェクト・グーテンベルグで無料でダウンロードできます。

“A History of Philosophy in Epitome” by Albert Schwegler”
https://www.gutenberg.org/ebooks/41412

英語でぱらぱらながめてみて、面白そうだったら岩波文庫(古書でしか買えません)を買うか図書館で借りて読んでみるとよいでしょう。しかし近年、世界的に西洋中心の哲学の発展史を見直す動きが活発だそうです。世界哲学史というのが最近は脚光をあびてきているそうです。いままでは西洋哲学史というのが哲学史のメインになっていたと思いますが、アラビア、中国、インド、日本、アメリカ大陸などなど世界中で人間は哲学を考えてきたのでこの世界哲学史の流れはよいことだと思います。ちょうどYouTube のおすすめに、この流れを知るのに最適の動画がでてきたので紹介します。

哲学の劇場というYouTubeチャンネルの動画です。チャンネルはこちら。
https://www.youtube.com/@tetsugeki/videos
動画はこちらです。
『#244 #ゲスト回 #小村優太 アラビア哲学/イスラーム思想から見えてくるもの 』
https://youtu.be/uFb7WSF3kFU?

早稲田大学の小村優太先生によるアラビア哲学・イスラム思想の観点からの世界哲学史の解説です。

動画の内容目次はYouTubeによると以下のとおりです。
【目次】
3:19 アラビア哲学/イスラームとの出会い
8:45 「アラビア哲学」と「イスラーム思想」
12:12 なぜアリストテレスだったか?(プラトンではなく)
18:06 アリストテレス論理学者 vs. アラビア語文法学者
32:03 哲学史について
36:43 語学の勉強について
39:02 おすすめの入門法
43:46 世界〈哲学〉史について

最後のほうで小村先生が紹介されているイスラム哲学についての入門に役立つサイトは、このブログのリンク集の末尾の方にあるサイトです。
Stanford Encyclopedia of Philosophy
https://plato.stanford.edu/
哲学入門用のサイトとしても活用できるサイトです。是非ブックマークしておいてください。

コンピュータ科学のための数学(英語)の動画があるそうです。

コンピュータ科学のための数学のYouTube動画があるそうです。今日は学会用のポスターを作っていたので、簡単な記事です。

 

Fall 2020: Mathematical Tools for Computer Science

地球軌道を飛行していた謎の物体?―人類が人工衛星を打ち上げる前にパロマ山天文台が撮影した未知の物体についての論文

地球軌道を飛行していた謎の物体?―人類が人工衛星を打ち上げる前の未知の物体についての論文がでているのをYouTubeの動画で知りました。

YouTubeのおすすめに出てきた動画です。
Physicists Find Artificial Objects Around Earth Before We Had Satellites
https://youtu.be/5Gt-w38GeNc?

論文は2本あります。オープンアクセスなので誰でも無料で読めます。
1) Aligned, Multiple-transient Events in the First Palomar Sky Survey
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1538-3873/ae0afe
Beatriz Villarroel et al 2025 PASP(Publications of the Astronomical Society of the Pacific) 137 104504DOI 10.1088/1538-3873/ae0afe

2) Bruehl, S., Villarroel, B. Transients in the Palomar Observatory Sky Survey (POSS-I) may be associated with nuclear testing and reports of unidentified anomalous phenomena. Sci Rep 15, 34125 (2025).
https://doi.org/10.1038/s41598-025-21620-3

UFOの目撃が大気内核実験の際に増加するという話をきいたことがあります。核実験が作った物体が地球軌道を人工衛星のように周回していたのをパロマ天文台が撮影したのでしょうか?あるいは本当のUFOが核実験をみにきていた?YouTube動画のコメント欄も楽しめます。

日本語の高校生向けの生物物理の動画がおすすめです―東京大学理学部オープンキャンパス2025

YouTubeのおすすめ動画に生物物理学の動画がきたので紹介しておきます。
『東京大学理学部オープンキャンパス2025 講演「生命のための新しい物質科学を目指して」竹内一将准教授』
https://youtu.be/AIDiPcbR_A0?

生物に統計力学を応用するというのは昔から盛んな研究ですが、アクティブマターというのを聞いたことがありますか。
この動画は生命の物理の高校生向けの解説からはじまって、細胞の中がどうなっているのか、生きているというのはどういうことかなどを考えさせてくれる内容になっています。
わかりやすいよい動画ですので是非視聴してみてください。

日本語での計算科学の一般向け、学部・大学院生以上向けなど多彩な動画が公開されています!

面白い動画があったので紹介します。科学研究にAI]がどのように導入されているかをとてもわかりやすく解説されていて超おすすめの一本です。AlphaFoldの話、LLMの基礎的な動作原理、現在の世界のAI開発と科学への影響なども学べます。
『2024年 理化学研究所一般公開in神戸「科学研究のためのAIと社会貢献」』
https://youtu.be/rzj02AV4t54?

「計算科学eラーニングアーカイブチャンネル」には他にも多数の動画がありますのでチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/@%E8%A8%88%E7%AE%97%E7%A7%91%E5%AD%A6e%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%81%E3%83%A3

配信講義計算科学特論AとB (毎年交互にAとBを開催) 博士課程レベルくらいの講義ですが初等的なところからはじまっています。
https://youtube.com/playlist?list=PLe3_YvWzUtsRdCrtMKKmxQsGc6nJKIst8&

今年の第一回の講義には、片桐先生による多くの参考書の紹介、初心者向けの解説(スパコンとはなにか?現在のスパコンは全部AIパソコンになってしまっているなど)も含まれていておすすめです。下の埋め込み動画ではスパコンの初等的解説の部分へとぶようになっています。
https://youtu.be/sJA4j4DEGlo?&t=782

講義のページはこちら。スライドや講義動画へのリンクもあります。
https://www.r-ccs.riken.jp/outreach/schools/20250410-0724/

津田一郎さんの対談動画が公開されていました。カオス理論と脳や心の関係の話みたいです。

以前、Kindleで安売りをしていたのでこんな本を買いました。
「初めて語られた科学と生命と言語の秘密」 松岡正剛x津田一郎(文芸春秋社)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166614301

対談本ですが、松岡正剛さんと津田一郎さんが結構密度の濃い話をしている本です。その津田一郎さんの動画がでていたので、見てみたいと思っています。上の本をよりよく理解するのにも役立ちそうです。カオス理論と脳と心の関係というのも興味深そうです。
【AIvs人間】AIは心を持つのか?脳と心の仕組みを解き明かすカオス理論を使った最新研究【ReHacQvsViViモデル】
https://youtu.be/3b6-6umjICo?

ベン図を書くのに便利なサイトがあります。

ベン図( Venn diagram)を書くのに便利なサイトがあるので紹介します。次の3つが有名です。

https://www.interactivenn.net/

https://bioinfogp.cnb.csic.es/tools/venny/

https://www.biovenn.nl/
真ん中のVennyのサイトにある俳優と歌手のリスト(下にリストをあげておきます)を例として、ベン図の作り方を説明します。この二つのリストで俳優で歌手の人は何人いるでしょうか?
歌手だけやっていて俳優でない人、俳優だけやっていて歌手ではない人の数も知りたいというときこれらのサイトを使うと次のような図を書くことができます。それぞれのリストをコピーして、サイトのSet AとかSet B(あるいはList 1, List 2)などと書いてある部分にペーストします。ペーストした集合の名前をSet Aから、Actorsに、Set BをSingersにかえれば下のようなベン図がかけるので試してみてください。俳優だけやっている人が4人、歌手だけやっている人が3人、俳優で歌手の人が3人いることがわかります。今回は7人と6人からなる二つの集合のベン図を書いてみましたが、遺伝子解析などの場合は要素の数が数千から一万を超える集合のベン図を書きたい場合も多いと思います。そうした場合には上のサイトはとても便利です。

一つ目は俳優のリストです。
Actors:
Marilyn Monroe
Arnold Schwarzenegger
Jack Nicholson
Barbra Streisand
Robert de Niro
Dean Martin
Harrison Ford

もう一つは歌手のリストです。
Singers:
Freddy Mercury
Barbra Streisand
Dean Martin
Ricky Martin
Celine Dion
Marilyn Monroe

上の図はVennyでつくりましたが、最初にあげたサイトhttps://www.interactivenn.net/でつくったベン図も載せておきます。
このサイトでは、結果をExcelファイルでダウンロードすることもできます。 キャプションのフォントやサイズ、文面なども自由に変更可能ですし、pngファイルやsvgファイルでベン図をダウンロードすることもできます。今回の例では集合の要素数が6人と7人と少ないですが、遺伝子解析の場合だと集合の要素数が5000や10000以上になる場合も多いので、重なり合っている要素のリストや重なっていない要素のリストをエクセルファイルでダウンロードできるこのサイトは実に解析に便利です。3つとも学術的なサイトで専門誌にサイトの使い方が掲載されているものなので使用したら引用してあげてください。