スクリーンショットをpdfにする方法

以前こんな記事を書きました。

iPadのスクリーンショットをpdfにする方法

今回はjpegファイルをFaststone image viewerでまとめて開き、jpegファイルをまとめて、一つのpdfファイルにする方法を紹介します。このソフトと、ソフトを使ってjpegファイルから余分な余白を次々と切り取っていく方法については以前紹介しました。

jpegファイルから不要な余白を連続して次々と切り取る方法を紹介します

 

このソフトでスクリーンショットなどで集めたjpegファイルを開いて一括でpdfに変換する方法は以下のように簡単です。

jpegファイルを一つのフォルダにまとめておいて、そのフォルダをこのソフトから開くのが便利でしょう。フォルダのjpegファイルが写真のようにサムネール表示されます。

pdfにまとめたい画像ファイルを全部選択します (コントロールキーを押しながら一つずつ選ぶか、shiftキーを押しながら選択します)。選択順にpdfに変換されるのでpdfの一ページ目の画像から順に選びます。全部選び終えたら、上のツールバーのFileからPrintメニューを選びます。(下の写真)

すると下の写真の画面に替わります。Printerの部分のプルダウンメニューで適当なpdf作成用のプリンタ―ソフトを選びます (インストールされていない人はFoxit Readerなど適当なpdf管理ソフトをインストールしてください)。写真ではFoxit Reader PDF Printerが選ばれています。この画面で印刷の向きや解像度を設定します。写真のPortraitかLandscape(縦横をえらべます)、Fit to pageなど自分の目的にあった設定をPreviewを見ながら選びます。Positionでは画像のページ内の位置が調整できます。

さらに上の写真でPrinter名の隣にあるPrint Setupボタンをクリックしてプリンタの調整を行います。印刷の向きやサイズを確認して、希望のものでなかったら変更します。下のような画面に替わります。
さらにプリンタ名の右のプロパティ(P)をクリックします。

上の写真のDefault Settingsのプルダウンメニューから、 High Quality Printを選ぶとpdfの品質が向上します。またImage Resolutionを変更することもできます。写真では600dpiになっています。必要ならDefault Settingsの右にあるEdit ボタンを押して、さらに詳細な設定もできますので試してみてください。こんな感じで設定が終わったら、OKを押してPrintの画面(この記事の上から3枚目の写真)に戻ります。Printを押してpdf作成を開始します。保存場所やファイル名をきめてクリックしていくと、pdfが出来上がります。

電子メールのセキュリティ対策について (追加記事です)

電子メールのセキュリティ対策について

上の記事に電子メールのセキュリティ対策について書きました。トラッキングピクセルだのトラッキングリンクなどを埋め込んだメールの場合、それを読んだかどうかが発信者に通知され、開いた人間の個人情報も盗める可能性があるというお話をしました。相変わらずスパムメールは毎日届いています。スパムメールについて参考になるサイトは以下です。
日本データ通信協会 迷惑メール相談センター
https://www.dekyo.or.jp/soudan/index.html
こちらには迷惑メールについてのパンフレットもあります。
迷惑メール対策BOOK 『撃退!迷惑メール』のご紹介
最近届いたスパムメールのタイトルをいくつか記しておきます。
Your package is waiting for you   DHL Express
【JR西日本:Club J-WEST】お客様への重要なお知らせです。
www.jr-odekake.net:パスワード変更の連絡
三越伊勢丹オンラインストア 【公式】 【重要なお知らせ】エムアイカードカードご利用確認のお願い
あなたのアカウントは停止されました、情報を更新してください amazon,co.jp
“VISA JAPAN【最終警告】VISAカード からの緊急の連絡
申し訳ありませんが、ETCアカウントのセキュリティを確認してください
ヨドバシドットコム:「お客様情報」パスワード変更の連絡
【重要】ビューカードご利用確認
【JR西日本:Club J-WEST】お客様への重要なお知らせです。
一番上のDHL Expressと称するメールはまだ上の日本データ通信協会のサイトに出ていませんが、他のは上のサイトにもリストされています。メールの内容も、「最終警告」だの、「残念ながら」だの日本の会社なら絶対使わない日本語の使い方をしているのが多いし、発信元をメールソフトで眺めるとほとんどが中国、香港、上海などで詐欺メールだと見分けるのは比較的簡単です。メールの迷惑メールフィルタでほとんどはスパムと判断されます。

ただ最近は、日本の会社の発信した文面をそっくり頂いて、リンクだけを詐欺リンクにおきかえたものがちらほら見られます。上にあるJRのおでかけネットやj-westのメールはその代表例で、私も騙されそうになりました。内容は、サービスをリニューアルしたので、最後にログインした日より起算して2年以上ログインが確認できないアカウントは自動退会処理になりますというものでした。一度ログインしてもらえば退会処理しないと書いてあって、ログインのリンクがはってあります。コロナでJRの利用もなかったので仕方ないなと思いましたが、自動退会してもまた登録すればいいわけで、ログインをあせってすることもないと思い、何もしなかったのです。最近知ったのですがこれはおでかけネットなどが送っているメールの文章を利用した、詐欺メールでした。https://secure.okbiz.okwave.jp/eki-net/faq/show/3422?category_id=106&site_domain=default
注意しなくてはいけませんね。メールからリンクをたどるのではなく、自分で公式サイトにいってログインするなどの注意が必要ですね。
(これを書いている最中に地震がありました。福岡はしばらくぐらぐら揺れただけでした。熊本が震源だそうです。皆さん被害がなかったでしょうか。)

自然科学者向けの仏教解説サイトを紹介します。

以前、佐々木閑(しずか)先生の仏教講座を紹介したことがあります。自然科学系出身 (京都大学工学部工業化学科と同文学部哲学科仏教学専攻を卒業されています)の花園大学の先生ですので、私達自然科学を学ぶものに理解しやすいバックグラウンドで仏教の話をされます。YouTubeチャネルに一連の公開講義がいっぱい公開されているので興味のあるものから見ると面白いと思います。https://www.youtube.com/channel/UChq_H8QwhyHlL_JR83vgpGw/videos
今日紹介する動画は化学同人から出版されている『仏教は宇宙をどう見たか』という本の出版記念トークです。

倶舎論(「くしゃろん」と読むそうです)という仏教の教義の体系がどんなものか、自然科学とどんな関係にあるのかなど興味深い話が聴けると思います。https://youtu.be/ygj7853dtXw

宇宙から飛来した探査機?Oumuamuaは宇宙人の探査機か?(続報)

2017年9月6日、それはVegaの方角から飛来して、地球の太陽公転面をよこぎり9月9日には近日点を通過、9月29日に金星の公転軌道をよこぎり10月7日には地球の軌道を横切って高速で太陽系からはなれてペガサス座の方向へと去っていきました。人類がこの天体に気付いたのは10月19日でした。この天体こそ、以前の記事で紹介した太陽系外から飛来した物体Oumuamuaです。これが地球人以外の知性体によってつくられた人工物であるという説を詳しく紹介した本が出版されました。ハーバード大学の有名な天文学者 Avi Loeb教授の本 ExtraterrestrialーThe First Sign of Intelligent Life Beyond Earthという本です。翻訳が早川書房から「ウムアムアは地球人を見たか?──異星文明との遭遇」という題で出版されています。
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015095/
Amazonの試し読みでも本の最初のほうは読めますので、読んでみると面白いと思います。これは人工物ではないという説を唱えるほうが暮らしやすい世の中ですが、そういうバイアスをもった態度は、結局昔、ガリレオを宗教裁判にかけ、ブルーノを火あぶりにした性質がまだ人類から消えていないことを意味するのかもしれません。

 

化学英語の13章という本を紹介します

国立国会図書館デジタルコレクションで、Albert Szent-Györgyi博士のIntroduction to a Submolecular Biologyの訳本(廣川書店発行)を探し当てた話を前に書きました。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2428890
その時はキーワード「廣川書店」で検索をかけて、図書で絞って発行日を新しい順にソートして、順に見ていくという方法で探しました。探しているとき偶然、化学英語の本をみつけたので紹介します。私の中学生のころにいっぱい翻訳本がでていた有名な有機化学の教科書の著者、Fieser夫妻(Harvard大学教授とResearch fellow)の著書 STYLE GUIDE for Chemistsの翻訳本です。「化学英語の13章 : 書きかた話しかたの手引き」というタイトルで翻訳されていました。ちょっと読んでみたのですが、私が昔疑問に思っていたことなどが選んで書いてあるように思える、とても良い本でした。135ページの短い本ですので皆さんも是非読んでみてください。きっと得るところがあると思います。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429348

英語の科学jokeを一つ紹介します。

英語のjoke:科学界で有名なものを一つ紹介します。
こんなjokeです。
In relation to the problem of the connection between mind and matter, I may perhaps tell a small joke about an English philosopher, who had fond and excellent solution to this question: “What is mind – it does not matter, What is matter – never mind”. Unfortunately, it is untranslatable.
1979年に京都の宝ヶ池国際会議場で開催された第三回国際量子化学会議のLöwdin先生による開催挨拶からの引用です。
Opening address at the third international congress of quantum chemistry by Per-Olov Löwdin, President of the International Academy of Quantum Molecular Science. from Horisons of Quantum Chemsitry, xv-xviii, K. Fukui and B. Pullman (eds), copyright 1980 by D. Reidel Publishing Company

私も大学院生の時参加して生でこの挨拶を聞きました。Löwdin先生が物質と精神について、量子力学の観測者の役割に触れた後、量子現象の観測者である人間は物質であるので、人間自体も量子現象によって説明されると話されました。そのうえで、量子現象としての物質とその観測者、そして物質からなる観測者の物質としての量子力学的解明という円環(あるいはらせん)状の関係について議論されました。この円を一回まわるごとに物質と精神に対する理解も深まっていくと述べて、量子生物学の将来性について語った直後のジョークです。講演の最初のほうでは、観測者である人間の意識の投影がこの世界であるという、古い東洋の哲学についても触れられていましたが、京都での開催ということでそういう話が最初に出てきたのだと思います。
上のjokeは有名ですので、他の方がときどき話されるのを聞いたことがあります。覚えておくと皆さんも使う機会があるかもしれません。

国会図書館の個人送信資料のあれこれ。動的平衡論という本もみつけました!

今日は少し忙しいので、国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料の面白そうな本のリンクを紹介するだけにしておきます。私が中学生や高校生のときに持っていた本の中には、「日本の詩歌(中央公論社)」シリーズの本、数冊がありました。石川啄木https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1356615とか宮澤賢治https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1356622とかをもっていて繰り返して読んだものでした。その他の日本の詩歌シリーズの本も全部読めるようです。日本文学全集(河出書房新社)全巻とか、日本現代文学全集とかもありますので、読み物に不自由はしないですね。全集という検索キーワードで検索して、左側の絞り込みで、図書を選び、NDC分類で文学を選ぶと文学全集がヒットします。哲学にするとアリストテレス全集全巻とかプラトン全集とかも読めます。ニーチェ全集とかもありましたので、検索してみてください。アリストテレス全集には動物発生論とかもあって、生物学の歴史に興味のある人にはおすすめです。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2971850
世界大思想全集というのもあって、これにはルクレチウスの宇宙論が含まれています。物理学者の岩田義一先生の名訳です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934639パスカル全集もよめて第一巻は科学論文が訳されています。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3034935真空論とか確率論とか計算機の論文などもありますので面白いです。高校生の時図書館で借りて夢中で読んでいたのを思い出します。高校生の時といえば、化学の先生が授業でゲーテの色彩論の話をしておられました。一度読んでみたいと思っていましたが、個人送信資料の中にはゲーテ全集もあって、中に物理学者の石原純先生の訳されたゲーテの色彩論がありました。自然科学論集という巻の中にあります。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1132610/3?tocOpened=1
マニアックなところでは、柴谷篤弘さんの書かれた「理論生物学 : 動的平衡論」 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1378824という本もみつけました。柴谷先生は九大生物学教室の私のボスだった山名清隆先生と日本に分子発生学を興そうとRNAの研究を日本で始められた開拓者の一人です。九大の山名研究室にもこられたのでお目にかかったことがあります。動的平衡論というのも書いておられたんですね。

深層学習によるタンパク質の立体構造予測プログラムの新顔登場

Alphafold2は有力なタンパク質の立体構造予測プログラムとしてデータベースもできています。世界チャンピオンを打ち破ったAIであるAlphaGOをつくりあげたグループが開発したAIでこちらに開発者のDemis Hassabisさんへのインタビューが翻訳掲載されています。日本語訳は無料では途中までしか読めませんが、日本語版のページ上部にリンクが張ってある本家のほうは、全文無料公開されていますので日本語の無料訳を読んで興味がわいたら英語版を読むとよいでしょう。
Demis Hassabis CEOの講演は以前も紹介したのですが以下でみられます。

Twitterをみていたら、Alphafoldにまさるとも劣らない新プログラム、その名もOmegafoldというのが開発されたようです。
https://twitter.com/peng_illinois
まだ論文発表はないそうですが、MSA (multiple sequence alignment)を用いずsingle sequenceの入力のみで、普通サイズのタンパク質なら数秒で立体構造予測できるそうです。また一段と生命科学が進歩しそうです。

岡潔関係の本と、偽書で有名な東日流三郡誌(つがるそとさんぐんし)も国会図書館でオンライン公開されています

毎日 国立国会図書館の本の紹介を続けています。今日はこのブログで何度かふれている岡潔関係の本と偽書として有名な東日流三郡誌(つがるそとさんぐんし)も読めますよという話をしておきます。写真は今日散歩コースで満開になっていたねむの木の花です。毎年この時期に満開になります。明日からは雨模様になるようで、今日見られたのはラッキーでした。
さて、国立国会図書館デジタルコレクションのページで、図書館・個人送信資料にチェックをいれて、検索キーワードを岡潔として検索してみましょう。すると、左のカラムの図書の部分に100冊ほど図書がヒットしているのがわかります。クリックすると、岡潔だけではなくて西岡潔などの名前でもヒットしているようです。岡潔に関係のある本をじっくり探していきましょう。すると、以下のような本が簡単にみつかります。

「昭和への遺書」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934708
講談社現代新書の随筆集である
「春の雲」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934437
「月影」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934709がヒットします。
また古本では5000円以上の値がついている胡蘭成の書いた「建国新書」という本も探すとでてきます。これは岡潔が推薦していた本ですが、無料で読むことができます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3446248
この本についての岡潔が書いた書評や、著者とかわした手紙などはこちらの本で読めるようです。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3451695
また、国語の教科書などに掲載されていて有名な春宵十話も、単行本のなかの10話の部分のみなら読むことができます。こちらなどにありますのでご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2966234/65

また面白いところでは、「東日流外三郡誌」で検索すると偽書として有名なこの本のいろんな版を読むことができます。https://dl.ndl.go.jp/search/searchResult?featureCode=all&searchWord=%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%B5%81%E5%A4%96%E4%B8%89%E9%83%A1%E8%AA%8C&fulltext=1&viewRestricted=0&viewRestricted=2

Waddingtonの本やEbertさんの発生の教科書、そしてシュペーマンの伝記がオンラインで読めます!

今日は国立国会図書館の個人送信サービスで読める発生生物学関係の本を紹介します。私の大学院の指導教官だった岡田節人先生と奥様の岡田瑛さんが訳されたWaddingtonの本Principles of Development and Differentiationの訳「発生と分化の原理」が読めます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429808/75?tocOpened=1
以前このブログで紹介したepigenetic landscapeの解説ものっています。また岡田夫妻が訳された「発生そのメカニズム」というEbertさんが書いた本も読めるようになっています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382429
これは古いですが、とてもわかりやすい通読可能な発生生物学の教科書でした。Ebertさんについては前にこのブログでも書きました。あと、オーガナイザーの研究でノーベル賞を授賞したシュペーマンの伝記も読むことができますので紹介しておきます。「発生生理学への道」という絶版本です。シュペーマンの学生で弟子、そして共同研究者であるオットー・マンゴルド(オーガナイザーを発見したヒルデ・マンゴルドは、この本を書いたマンゴルドの奥さんです)の書いたシュペーマンの科学的伝記です。シュペーマンの仕事を発展させた福岡大学の景浦宏先生が大学院生時代、熟読していた本です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1374616