京都大学OCW(Open Course Ware)に掲載されている講義ノートや動画を紹介します。

京都大学のOpen Course Ware (OCW)は大変役立つサイトです。運営母体の高等教育研究開発推進センターの廃止にともない、今後が心配されていましたが、現在のコンテンツは維持するとのことで、京大OCWの今後を検討するタスクフォースが設置されたとのことで年内に結論がでるそうです。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2022-09-16

検索機能もまだサイト
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/
で使えるので、興味のあるテーマのキーワードで検索して、いろいろ学ぶことができます。
たとえばソフトマター物理学は生命科学におおいに関係する分野ですが、ソフトマターで検索すると、ソフトマター物理学基礎論という講義の講義ノートを読むこともできます。
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/71/
相転移生物学で注目の相転移についてもこの講義ノートで学べます。

また以前紹介したMACSコロキウムの講演で面白そうなものもいろいろあります。
https://youtu.be/iz1uitO4LOo

この講演は、「形態形成の多細胞力学シミュレーション」井上 康博(工学研究科 教授)2022年4月18日というもので、サイトの他、YouTubeでも見ることができます。
京大OCWのYouTubeチャンネルの動画一覧をみると興味深い動画がいろいろ見つかると思います。
https://www.youtube.com/user/KyoDaiOcw/videos

さらに2022年10月18日、京都大学情報学研究科の有志が、同大学の講義動画や資料を集めたポータルサイト“OCW Central”を作成したことを発表しています。
OCW Central
https://ocwcentral.com/
講義音声の書き起こしもあるそうです。サイトのソースコードも公開されています。
OCW Central(GitHub)
https://github.com/ocw-central

日本のOCWのリストはここ(クリックするとウイキペディアの記事が別タブで開きます)にまとめられているようです。

「Faradayに学ぶイノベーションの方法―電気モーターの発明を例として」というような内容の動画が公開されました。必見です。

「ロウソクの科学」で有名なMichael Faraday は1821年9月3日に世界ではじめての電気で動くモーターを発明しました。発明に要した時間はたったの一日。それが世界を変えました。このFaradayのようなイノベーションをどうしたら実現できるでしょうか。その秘密を解説する動画が公開されていますので紹介します。Royal Institutionの動画です。
https://youtu.be/z1uOsg2-LTA

ハーバード大学の David Rickettsさんによる講演で、様々なイノベーションを企業(Mastercard, Ubisoft, Disney, General Motors, Dell や Ferrariなど) とともに進めている方だそうです。 201年前の9月3日のFaraday’s Diaryの実物を書画カメラで映しながら電気モータ―の発明の様子が語られているのは必見です。これは観るしかないという動画です!
写真はファラデーの日記の1821年9月3日の最初のページです。以前紹介した記事でダウンロードしたファラデーの日記からとりました。過去記事はFaradayなどでこのブログを検索してみてください。

ファラデーのモーターは再現している方が日本におられます。
こちらも必見の記事で参照をお勧めします。
https://umihoshi.com/index.php?QBlog-20191002-1
「うみほしの部屋」というタイトルのブログで以前の記事でも紹介しましたが、
https://umihoshi.com/index.php?FrontPage
霧箱の作り方やファラデーの様々な実験の再現、放射線の測定など参考になる記事満載です。

新型コロナウイルスワクチンの効果についての動画(NIHでの講演)が公開されています。

COVID-19に対するmRNAタイプのワクチンについての動画をNIH videocastでみることができます。

Understanding adaptive immunity and immune memory to SARS-CoV-2 and COVID-19 RNA vaccines, with lessons for vaccines against other pathogensというタイトルの動画です。(携帯でみたとき技術的な問題によって動画が再生できませんというerror code 100000 がでることがあります。NIH videocastのページでも同じエラーがでてみられないかもしれません。iPadやPCではみられましたので申し訳ありませんが端末を変えてみてください。)
https://videocast.nih.gov/Summary.asp?file=32709


mRNAタイプのワクチンは世界中で接種がすすめられましたが、感染予防にはなぜか効果がないことが確認されているようです。本当に接種が意味があるのかどうか、このビデオをじっくり見てみようと思いました。例によって、英語字幕付でみられますし、動画も字幕もダウンロードできます。上のリンクをクリックして開く動画のページの左下にある「+More…」ボタンをおすと、ダウンロードボタンがでますので、開いたVideoCast Downloaderのメニューから動画のビットレート=解像度をSelect bitrateボタンをクリックして選んでダウンロードしてください。bitrateは150k, 440k, 740k, 1040k, 1240k, 1840kから選べます。携帯で見るには低いbitrateを選び、PCやiPadでみるには最高bitrateでみるとよいでしょう。スライドもくっきり見えます。またCaption textのダウンロードボタンもありますので、必要に応じてダウンロードしてください。)。じっくり見てみたいと思います。

自分の論文をどこに投稿しようかと迷った時、投稿先や関連論文候補を教えてくれるサイト Janeがあります!

まだ空色アサガオは毎日咲き続けています。今朝も百余りの花が楽しめました。絞りの朝顔はほとんど種になって来年用の種を集めてかたずけました。しかし庭の芝生にはいつ落ちたのでしょう、小さな絞りの朝顔が花を咲かせ続けています。今日も一日快晴でした。

昨日は英語を母国語としない人むけの英語論文執筆の教科書を紹介しました。とても良い本だと思いますので是非ダウンロードして読んでみてください。この本の中に、自分の論文をどんな雑誌の投稿すればよいかを教えてくれる(投稿先の雑誌候補をあげてくれる)Janeというサイト(Journal/Author Name Estimator) が紹介してありましたので今日はそのリンクを下に張っておきます。
https://jane.biosemantics.org/
論文のタイトルやアブストラクトを検索窓にペーストして、検索窓の下にあるFind journalsボタンを押すと、投稿先の候補がズラーッとランク付けされて表示されます。これで投稿先のJournal候補が選べます。また下のFind articlesボタンを押すと関連のある論文がこれもランク付けされて一覧表示されます。Find authorsボタンを押すと関連のある論文を書いた著者が一覧されます。著者名の右にはemailアドレス(E-mailボタン)やその著者による関連論文を表示するボタン(Show articlesボタン)がありますので、押すとそれぞれの情報が得られます。Show articlesボタンは関連論文を探すのにとても便利です。Janeにキーワードを含む研究のタイトルやアブストラクトをいれて1)Find articlesボタンを押す、2)Find authorsボタンで表示される各authorについてShow articlesボタンで関連論文を表示する、の二つの方法で、関連論文を効率的に探すことができます。自分の論文のタイトルなどをいれて、一度試してみてください。かなり的確な答えがかえってくるので驚きました。これは使えます。

無料で読める、英語を第二外国語としている人のための英語論文執筆の手引きを見つけました!

英語で科学論文をはじめて書く外国人のための論文執筆の指導書がオープンアクセスで公開されています。
The Pathway to Publishing: A Guide to Quantitative Writing in the Health Sciences  (Springer)という本で以下のリンクから誰でもダウンロード可能です。pdf版とEPUB版どちらでもダウンロードできます。
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-98175-4
著者 (スタンフォード大学のStephen Lubyさんと、 ハーバード大学/CDCのDorothy L. Southernさん)はバングラデシュやパキスタンで疫学をもとに現地の健康のために活動してきた方々です。https://lubylab.stanford.edu/
はじめて論文を書く人を指導して論文の原稿を直してあげた豊富な経験をお持ちの先生です。その過程で、初めて論文を執筆する人が犯しがちな誤りのリストをまとめていったそうです。論文を直すときに、「リストの何番にのっている誤りですので見てください」と言うように使うリストが、どんどん膨らんでいったそうです。そのリストの最新版をもとに書かれたのが本書で、part 1では論文の執筆法についての詳細な手引き、part 2ではよくある誤りのリストがそれぞれ詳しい解説と例文つきでのっています。最初の論文の書き方の部では、論文執筆をする具体的な方法、ドラフト版の共著者への回覧と返されてきたコメントを元に改良するやり方、投稿するジャーナルの選び方や、著者の記載順の決め方、gift authorshipなどの問題についてもきっちり書かれています。2022年出版の本ですのでプレプリントサーバーへの原稿のアップロードについても的確に指南されているのはありがたいです。part 2では、よくある誤りが網羅されています。疫学の論文など定量的データを扱う論文を書くときに犯す誤りのリストのみならず、どんな科学論文の執筆でもありがちなエラーもリストされているので、この本は生命科学一般の論文執筆指導書としても大いに役立つものになっています。正しいコンマの入れ方、スペースの入れ方などまで書かれていますし、ポスター発表の手引きまで書いてありますので、どなたにも大いに参考になると思います。この本はオープンアクセスにしてありますがその理由は、お金のない はじめて論文を書こうとする科学者が無料でダウンロードして読める論文執筆指導書を提供するためだそうです。英語で書かれていますが、英語を第二外国語とする人のために書かれた本ですので是非ダウンロードして読んでみてください。論文執筆を指導している先生にも読んで役立つ本だと思います。付録もとても役立ちます。

田口 善弘先生のバイオインフォマティクス(テンソル分解のゲノムサイエンスへの応用)の動画の紹介です。

奈良先端科学技術大学院大学の動画を紹介します。
田口, 善弘 (タグチ, ヨシヒロ) 先生のTwitterで先生の講義の動画がみられることを知りました。Application of tensor decomposition based unsupervised feature extraction to genomic scienceというタイトルです。英語ですが、わかりやすい英語なので私も勉強してみようと思います。田口先生はブルーバックスに「はじめての機械学習」という本を書いておられます。こちらはやさしい入門書でおすすめします。他にもブルーバックスに「生命はデジタルでできている」という本も書かれております。

さて講義の動画ですが、以下のリンクで
https://library.naist.jp/opac/book/102922
上のほうにある2022年10月5日の資料内のMPDASHのボタンをクリックすると
自動再生失敗」というタイトルのポップアップがでて、「自動再生はブロックされました。手動で再生してください。」と表示されます。ポップアップを閉じると下の方に再生ツールバーが出るので、手動再生して視聴してください。

https://library.naist.jp/library/archive_top/st/2022.htmlのページにはいろんな講義がならんでいます。Freeの文字が緑の背景に白抜きでくっきり見える講義は動画が公開されているようです。興味のあるものを見てみるとよいでしょう。

江戸の怪談についての本を読みました。

お化けの話を書くとブログのアクセス数があがるのがわかりました。近くの図書館で借りてきた本に

「江戸の怪談がいかにして歌舞伎と落語の名作となったか 」
http://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305709646/
というのがあります。

櫻庭由紀子(著/文 他)四六判  352頁 定価 1,800円+税(笠間書院)
これは落語の皿屋敷で有名な番町皿屋敷、四谷怪談、牡丹灯籠など怖い怪談のなりたちや、内容などを詳しく知ることができる本です。通読できる大変面白い本なのですが、詳細な文献引用もあって、研究書ともいえるほど詳細な知識が得られる本になっています。こちらの動画がこの本の紹介動画になっています。
https://youtu.be/BDKzjzLUGTo
ラジオの番組です。この番組によると櫻庭さんの夫は落語家の三遊亭楽松さんだそうで、楽松さんが有名な円朝怪談の練習をはじめたところ、みるみるやつれていって陰にこもった、死に急ぐような感じになったのだそうです。それで円朝怪談について元ネタを含めて調べ始めたのが執筆のきっかけだそうです。
写真は散歩の途中の景色です。快晴が毎日続いて秋が深まってきています。

英語で論文を書くときに役立つツールや本、記事などをまとめたサイトを再度紹介します。

英語で論文を書くときに役立つツールや本、記事などをまとめたサイトを以前(9/29)紹介しました。

TwitterをみていたらAcademic Phrasebankの本の日本語訳が出版されたとのことでした。
たとえばこちら。https://nitter.net/kspub_kodansha

以前詳しく紹介しようと思っていたAcademic phasebank
https://www.phrasebank.manchester.ac.uk/ (論文を書くときに必要な言い回しの例文を網羅しているサイトです)
ですが、このサイトの内容を増補したebookが、サイトからenhanced pdfあるいはKindle本としてダウンロード購入できます。初心者の方は、今回出版された翻訳本で読むのも良いと思います。
「アカデミック・フレーズバンク そのまま使える!構文200・文例1900」
著者:ジョン・モーリー 訳:高橋 さきの 監修:国枝 哲夫 (講談社)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000314092
この本の活用法については翻訳者の高橋さんのTwitterに詳しいです。
https://nitter.net/sakinotk
高橋さんによる「日本語訳をてがかりに必要な英語の文を拾って並べていくと、とりあえず文章の原型が完成します」といった手法の紹介のほかいろいろ有用な情報がみられます。

探してみたのですが、今のところ、日本語版のKindle版はなさそうです。原書の英語版Kindle本は翻訳書よりずっと安く手に入ります(さっき購入しました。893円でした)ので、英語版を買う方が便利かもしれません。kindle版は検索機能が使えますので役立ちます。

こうした英語論文執筆に役立つサイトやツール、本などを詳しく紹介している以前紹介した、以下のQiitaのサイトはおすすめです。私がこのブログに書いている内容や、以前分子生物学会のランチョンセミナーで紹介したサイトなどもいくつか入っています。
https://qiita.com/k-kawakami213/items/5e7e1ffccbe708e6ac50
この記事中には他にもいろいろ役立つサイトが紹介されています。リンクの方も是非ご覧ください。たとえば以下のサイトなどです。
いつか博士になる人へ  https://www.ki1tos.com/entry/2020/03/27/183528 

 

「人間の建設」(小林秀雄と岡潔の対談)を紹介します。

YouTubeをみていたら右側のおすすめ動画にこんなのがでていました。
https://youtu.be/-5oQgijHgS8

スケザネという方の動画です。渡辺祐真(スケザネ) さんについては以下のnoteに詳しく書かれています。。
https://note.com/sukezane33/n/n87668250cbe8
毎日新聞文芸時評担当(2022年4月~)だそうで、俵万智さんについての本なども書いておあられます。動画には俵万智さんとの対談もあります。

動画は岡潔と小林秀雄の対談「人間の建設」についての紹介です。私はこの本を何回か読みました。あまり面白い本ではないと思い対して感銘も受けず、岡潔より小林秀雄がリードしている対談だと感じていました。夏ごろ、Kindleポイント50パーセントキャンペーンの対象だったので、Kindle版を半額で買って読み直しました。今回読んだときはじめて、二人が対等に話していると感じました。そしてタイトルの「人間の建設」というのが深い意味をもっているのだと初めてわかりました。「人間の建設」という言葉の深い意味を知りたい方は、一度読んでみることをお勧めします。とても深い内容だと、年をとった今はわかりました。スケザネさんの感銘を受けておられるところと私の感銘したところは全然違います。人それぞれの感銘する部分が違うと思いますので、皆さんも一度読んでみてください。
スケザネさんの「文学系チャンネル【スケザネ図書館】」の動画一覧には以下をご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCLqjn__t2ORA0Yehvs1WzjA/videos

数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの動画やスライドを紹介します。

数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム(九州大学も参加しています)は、全国すべての高等教育機関の学生が、数理・データサイエンス・AIを習得できるような教育体制の構築、普及を目指しているとのことです。詳しくは次のweb page
「数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムとは」
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/overview.htmlをご覧ください。

拠点校の東京大学のサイト
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/index.html
に教育的な動画やスライドがいろいろおいてあります。ライセンスを一読の上、利用されるとよいと思います。以下のリンクから利用可能です。

応用基礎レベルモデルカリキュラム対応教材
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/e-learning_ouyoukiso.html
1. データサイエンス基礎
2. データエンジニアリング基礎)
3. AI基礎

リテラシーレベルモデルカリキュラム対応教材
http://www.mi.u-tokyo.ac.jp/consortium/e-learning.html
1. 社会におけるデータ・AI利活用
2. データリテラシー
3. データ・AI利活用における留意事項
4. オプション

写真は山際に咲いている野萩です。このところ快晴の日が続いていますので秋を満喫できますね。