Mathematicaを使った量子力学の学習について

Mathematicaを使った物理学の学習について

無料で公開されている、量子力学をMathematicaを使って学ぶという教科書については以前紹介しました(この記事の末尾にペーストしておきますのでご覧ください)。別の先生の教科書をみつけたので紹介しておきます。Daniel V. Schroeder先生(アメリカのオレゴンにある大学の先生のようです。Department of Physics and Astronomy,Weber State University のMathematicaを使った量子力学の講義本(ドラフト版でNotes on Quantum Mechanics (unpublished, 2022) という本です。a draft textbook for a one-semester undergraduate course in Quantum Mechanicsと書かれていますが、次のweb pageにあるリンクからダウンロードできるので、ご覧ください。https://physics.weber.edu/schroeder/quantum/QuantumBook.pdf
この先生のページhttps://physics.weber.edu/schroeder/#booksにはMathematicaを使った量子力学の講義がいかに優れているかを紹介している次の動画もありますのでご覧ください。Liberating undergraduate quantum mechanics through computation (21-minute video of talk for AAPT summer meeting, 2021)という動画です。
https://1533221.mediaspace.kaltura.com/media/Liberating+undergraduate+quantum+mechanics+through+computation/1_ta4qsdny

他にもhttps://physics.weber.edu/schroeder/software/には、物理の教育用のソフトがおいてあります。分子動力学のデモソフトとかいろんなソフトもありますので面白いと思います。

2022/2/18
Mathematicaは物理学を学ぶときにとても役立つソフトウエアだと思います。2022/2/5の記事に書いたように、今やJupyter notebookから無料でWolfram Engineが使えるのですからこれを利用しない手はありません。(Raspberry PiならMathematicaそのものも無料で使えます)。今日はかなり実用的な量子力学の教科書を紹介します。Using Mathematica for Quantum Mechanics: A Student’s Manualという本でスイスのBasel大学のRoman Schmiedさんが書いた本です。この先生は量子力学、量子コンピュータなどの専門家でかなり実用的な内容の量子力学の本になっています。初歩的な入門を終えた人や、Mathematicaを使って手っ取り早く量子力学を使えるようになりたい人に適した本のようです。(私はまだ読んでいません。)プレプリントサーバーのarXivで公開されていてダウンロードできますのでご覧になるといいと思います。そこからMathematicaのnotebookもダウンロードできます。これはzipファイルなので7-zipなどで解凍してください。

ブリコラージュの話

今日はThe 24th Collegium for Comparative Glycomics(毎年開催されている比較グライコーム研究会の国際的な新しい名称です)にオンラインで参加しました。興味深い講演ばかりでしたが、長崎国際大学の藤井 佑樹先生のお話のなかにブリコラージュ bricolageという言葉が紹介されたので、皆さんにも紹介しておこうと思います。これはノーベル賞を授賞したFrançois Jacob( フランソワ ジャコブ)が進化の機構として紹介した概念です。藤井先生によると、Jacobの本  The possible and the actualにのっているとのことで、さっそくInternet archiveで探してみました。貸出可能な本でこちらから借りられます。https://archive.org/details/possibleactual00fran
本の中身を検索するとbricolageではヒットしませんがbricoJageでヒットして以下の記述がでてきました。(OCRしたテキストを検索しているのがわかりますね!)
Page 34
In contrast to the engineer, evolution does not produce innovations from scratch. It works on what already exists, either transforming a system to give it a new function or combining several systems to produce a more complex one. Natural selection has no analogy with any aspect of human behavior. If one wanted to use a comparison, however, one would have to say that this process resembles not engineering but tinkering, bricolage we say in French. While the engineer’s work relies on his having the raw materials and the tools that exactly fit his project, the tinkerer manages with odds and ends. Often without even knowing what he is going to produce, he uses whatever he finds around him, old cardboards, pieces of string, fragments of wood or metal, to make some kind of workable object. As pointed out by Claude Levi-Strauss, none of the materials at the tinkerer’s disposal has a precise and definite function. Each can be used in different ways. What the tinkerer ultimately produces is often related to no special project. It merely results from a series of contingent events, from all the opportunities he has had to enrich his stock with leftovers. In contrast with the engineer’s tools, those of the tinkerer cannot be defined by a project. What can be said about any of these objects is just that “it could be of some use.” For what? That depends on the circumstances.

生物の進化におけるイノベーションは、技術者が一から設計するようなイノベーションではなくて、生物が既にもっているもの=既存のシステムに新しい役割をわりふったり、あるいは既存のシステムをいくつか併せて新しい複雑なシステムに仕上げたりすることで実現するというのです。これはちょっとした手直しをして道具を改良したり修理したりする作業(tinkering)=鋳掛屋仕事といえるものであり、これをフランス語でbricolageというのだというようなことが書いてあります。

Jacobのインタビューでbricolageに触れているYouTube番組はこちらです。英語字幕付きです。https://youtu.be/P5TNjLzy6QI ホメオティック遺伝子とブリコラージュというフランス語のインタビューです。

このサイトWeb of Stories – Life Stories of Remarkable Peopleには有名な科学者のインタビューがいろいろあります。
https://www.youtube.com/c/webofstories/playlists
Brennerさんとか、物理学者のフリーマンダイソン、コンピューター科学者のKnuthとかいろんな方の話が聴けますので一度みてみるとよいでしょう。

京大図書館から「あなたのための推薦図書」vol.1~3が公開されました!

京都大学の京都大学図書館機構から小冊子「あなたのための推薦図書」 vol.1~vol.3が発行されました。学生がこんなことを学ぶのにいい本はないか、こういう目的にかなった本はなにかないかなどを図書館にリクエストして、大学院生のスタッフが答えた内容をまとめたパンフレットだそうです。たとえば圏論の入門書でいいのはありませんかとか、Pythonのいい入門書、テキスト処理のいい入門書なども含まれています。哲学のいい本、生命科学のよい入門書などなどいろいろな本の紹介が読めます。これはよくある、先生が推薦するおかたい名著をあつめたものではないので、ダウンロードしてゆっくり眺めてみると、とても参考になると思います。こちらからダウンロード可能です。
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1394993

研究倫理についてのeLearningを受講した話です

9月になりました。8月の末に、一年に一回受講することが大学できめられているeLearningの受講をすませました。日本学術振興会の「研究倫理eラーニングコース」というオンライン研修です。登録すればどなたでも受講できるそうです。
https://elcore.jsps.go.jp/top.aspx
その内容は別途発行されている
「日本学術振興会『科学の健全な発展のために』編集委員会編『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』
丸善出版株式会社、2015(平成27)年」にもとづいているそうです。ですから登録が面倒な一般の方はこちらから
https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/rinri.pdf
pdfをダウンロードして読まれるとよいと思います。大学や研究所に所属しているかたはすでに受講を済ませておられるか、あるいはそのうちに受講指示がきて受講することになるので、個人で登録して受講する必要はないと思います。私は九大時代から結構な回数受講しています。昔と比べると、内容は徐々に改良されているのがわかります。以前こうしたeLearningの中にしばしば無批判に含まれていた、物理学者ミリカンのcherry picking疑惑とかメンデルのデータ操作疑惑の話(いずれもしっかりとした反論がなされていて、研究不正の例にするには問題がある話でした)などはこのeLearningの内容には含まれていませんでした。学生や研究者、事務の方などは受講が義務付けられていることが多いと思いますが、一度は受講しておくとよい内容の研修です。科学に興味がある一般の方もいちどはpdf版に目をとおしておかれることをお勧めします。

研究不正といえばこんなYouTube番組がありました。音声読み上げソフトをつかった動画で聞き取りにくいので、私は音を消して字だけを読むようにして視聴しようと思います。
https://youtu.be/OtXTv9KF1eY

この動画シリーズにもとづく本で、Kindle unlimitedに含まれている「奇書の世界史」という本にも収録されていますので、「ゆっくり」と俗称される音声読み上げソフトの声が嫌いなかたは、この本を読まれても良いと思います。とても面白い本なので一読をおすすめします。

ランサムウエアの犯人からのメールの実例です!

2022/2/13に以下の記事を書きました。医学書院の医学界新聞のサイトはいろいろ生命科学研究者や学生に参考になる記事があるので是非、ちょくちょく見てください。

今日は医学界新聞(医学書院発行)を紹介します。医学に興味のある理系の研究者におすすめのサイトです。いろんな連載や記事があって参考になります。連載では、「臨床研究・疫学研究のための因果推論レクチャー」や「今日から使える医療統計講座」、その他学会発表のやり方や英語論文の書き方などいろいろありますので探してみてください。連載中のものはこちら。連載終了のものはこちらにリンクがあります。

さっき教えてもらったのですが、この医学界新聞に昨年、サイバー攻撃についての記事が昨年出ていました。ランサムウエアをパソコンに入れるために犯人が送りつけてきたメールの実例と、その攻撃に対する対策が書かれている記事です。届いたのは受け取った先生が最近公表して評判になった論文についてのメールで、医学部の学生である私の先生の書かれた論文に対する意見を、個人情報が入っている内容なのでzipファイルで暗号化して添付ファイルにつけています。添付ファイルを開いてみていただいて先生の御意見をいただけたらありがたいですというような慇懃丁寧なメールです。これは私も添付ファイルを開いてしまいそうな文面です。標的型攻撃メールというのだそうです。宛先の業務内容や人物を詳しく研究してそれにあわせた内容をつくりあげて、標的型攻撃メールを作成して送ってくるというのは、ランサムウエアの犯人たちが常用する手段だそうです。どんなものかは以下のリンク先の記事で皆さんご確認ください。対策も書かれているので勉強になります。

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3411_02

九州大学が3Dデジタル生物標本のデータベースを公開しました!

九州大学が3次元立体モデルで生物標本を表示するデータベースを公開しました。昆虫や魚、植物などの標本を三次元立体モデルで表示して観察することができます。

世界に先駆けてリアルな「3Dデジタル生物標本」を1400点以上公開」という九州大学のサイトにのっているニュース記事をご覧ください。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/802/
実際の立体モデルをみるのはこちらのページからどうぞ。
https://sketchfab.com/ffishAsia-and-floraZia/models

「公開された3DモデルのほとんどはCC BY 4.0ライセンスの下、誰でも自由にダウンロード・利用できます。」とのことです。埋め込み用のコがページから取得できるので、自分のweb pageにモデルを埋め込むこともできます。
実際に一つ3Dモデルを埋め込んでみましょう。コオニユリという花を表示したのが次の写真です。下のほうに青い字でDownload 3D modelという表示があります。その隣の隣に</>Embedというボタンがあります。これをクリックしてembed用のコードをコピーして、自分のweb pageにはりつければ終わりです。
こんな感じになります。full screenをクリックすると全画面表示で立体モデルを観察できますのでお試しください。

Credit表記は animal類は ffish.asia | plant類は floraZia.comでお願いしますということです。
論文はこちらを見てください。https://riojournal.com/article/86985/
論文にのっているYouTubeビデオを一つ挿入しておきます。くさいちごの立体標本です。

立体図鑑の登場ですね。子供から大人まで楽しめるサイトです。是非活用してください。

京都の史跡案内本を紹介します。

私は京都出身なので京都の話をしてみます。私が中学生だった時、朝の礼拝の時間に礼拝堂に入ると、前のほうに大きな円筒埴輪がおいてありました。なんだろうと思って見ていると、校長先生からの説明が始まりました。この埴輪は、私達のクラスメートが古墳から掘り出してきたものだそうです。校長先生は歴史の先生だったので、先生にみてもらっていろいろ教えてもらおうと、学校に掘り出した埴輪を持ってきたのだそうです。先生はびっくりしてどこから発掘したのかを確かめ、遺跡を発掘するのには京都市の許可がいるということ、勝手に発掘してはいけないということを伝えて、京都市に連絡して埋め戻すことになっているとのことでした。こんな立派な発掘品がみつけられたのはとても素晴らしいことでその探究精神は素晴らしいことだと先生は褒めてくださいました。しかし発掘にはルールがあるのだということを皆にも知ってほしいということで、朝の礼拝の時間に埴輪をもってきて説明したのだということでした。発掘したクラスメート達は英雄だと思いました。さぞかし発見の喜びを堪能したことだろうと羨ましかったです。自分も掘ってみたいなと思いました。小学校の時、学校の北に坂上田村麻呂の墓がありました。本によると、この墓には甲冑に身をつつんで完全武装した坂上田村麻呂の遺体が埋葬されており、国に大事がおこる前には必ずこの墓が鳴動したと伝えられているそうです。京都の本屋の駸々堂という出版社が昭和京都名所図会という本をだしていたのですが、その本の洛南の巻にこの墓のことが書かれていました。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9576300
このシリーズは京都の有名な史跡や神社、寺などを網羅しており、この本を読んで京都の史跡に興味を持ちました。近所にある円墳とかをこの本で探して友達と一緒に登ってみたこともあります。笹深い小さな円墳でしたが感動はひとしおでした。このシリーズは全7巻で、国立国会図書館の個人送信資料で全巻読めることがわかりました。京都観光の前に予習で読んでみると、お寺や神社、その他史跡の知識が満載されていますので、観光が一段と楽しくなると思います。キーワード「昭和京都名所図会」で個人送信資料を検索してみてください。あと「京都の自然」(ナカニシヤ出版)という本もおすすめです。昔の本ですので山登りの情報は事前に再調査する必要があると思いますが、地質や植生などについての記述は参考になると思います。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9575661
京大の正門前にあった本屋さんの本です。
下の動画は九州国立博物館の円筒埴輪についての動画です。参考までに。

 

今日は日拝塚古墳 (前方後円墳)に行きました。

去年の年末には近所にある前方後円墳 光正寺古墳に登りました。今朝は天気がとてもよかったので、急遽 春日市にある日拝塚古墳(ひはいづかこふん)に連れていってもらいました。下のギャラリーの写真をクリックすると大きな写真がみられます。一枚目は駐車場に面した入口、国史跡に指定されています。写真の左手の道を通って古墳の反対側からとった写真が二枚目です。三枚目に古墳の説明が書いてある案内板を載せておきます。四枚目は玄室に向かう奥さんの写真、最後の写真は玄室の入り口です。この前方後円墳は6世紀前半の築だそうです。春日市に連絡しておくと、玄室(普段は鍵がかかって入れません)の中も見学できるようです。近所の光正寺古墳は上まで登れますが、残念ながらこの古墳の上には登れません。登ってはいけませんという看板があちこちに建っています(ギャラリーの写真一枚目など)。この古墳は長い間 地元の信仰の対象として大切にされてきましたが、1929年に盗掘されたそうです。盗掘を知った地元の人達が激怒して盗人をすぐに捕まえたので副葬品はほとんどが回収されたとのことです。なんと2000点を越える副葬品を盗んだらしいです。その副葬品はほとんどが東京国立博物館に収められており、盗掘のときに出土したと伝えられる金製垂飾付耳飾(きんせいすいしょくつきみみかざり)ただ一点だけが春日市の博物館 (奴国の丘歴史資料館)に展示されているそうです。三枚目の写真の案内板にある写真を拡大するとどんなものかがわかります。東京国立博物館にはこの耳飾りの対の耳飾りが所蔵されているそうです。

文化遺産オンラインにはこの古墳のことも掲載されています。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/202886

春日市は魏志倭人伝の伝える奴国があったところとされています。いろんな遺跡がありますのでこちらに来られた時は訪れてみてください。春日市の遺跡については以下のpdfがわかりやすいです。

https://www.city.kasuga.fukuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/250/naruhodokasuga.pdf
以下のブログの記事も大変参考になります。
https://koikoi2011.blog.fc2.com/blog-entry-499.html
https://koikoi2011.blog.fc2.com/blog-entry-857.html

宮本武蔵の五輪書と五輪の意味について

2022/4/10の固定ページの記事に書いたように、私が武道に興味をもったのは、昔九大生物学科におられた清水博先生の本を読んだからです。生命知としての場の論理」(中公新書1333)という本です。この本は最初はとっつきにくく読めなかったのですが、この本でとりあげられている柳生新陰流についての本を読んだりした後、やっと読めるようになりました。清水先生の本「生命を捉えなおす 生きている状態とは何か」がベストセラーになったのでお読みになった方もいるかもしれません。清水先生の本のおかげで、生命科学の研究の役に立つかもと思って、いろんな武道の伝書を読むようになりました。清水先生の「生命を捉えなおす」と言う本はビジネスパーソンに感動を与えて、先生はいろんな企業や政府の会にも呼ばれてお話をされていたようです。企業戦士に影響を与えたといえば、宮本武蔵も世界的ですね。宮本武蔵についてはその著書 五輪書(ごりんのしょ)が、Book of Five Ringsというタイトルで英訳されて世界中のビジネスパーソンに読まれているそうです。日本語で五輪書の原文と現代語訳が読めるのは国立国会図書館の近代デジタルライブラリーにある、この本(宮本武蔵五輪書詳解 1943年刊)が手軽です。また最近使えるようになった国立国会図書館の個人送信資料の中にも五輪書が入っています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1265872
また、同じ個人送信資料にある日本武道全集の第一巻にも五輪書がよみやすい形で含まれています。これには柳生新陰流、タイ捨流、心形刀流、二天一流などの解説と伝書がいろいろはいっていますので時代劇ファンの方にも興味がもてる本だと思います。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2466845
また
NHKの100分de名著シリーズでも五輪書をとりあげていました。

福岡県には巌流島もありますし、2022/2/26の固定ページの記事でも書きましたように、アニメの「鬼滅の刃の聖地として人気の観光スポットである竈門神社もあります。かまど神社には本殿のとなりに夢想権之助神社でという神社もあります。夢想権之助は、宮本武蔵に挑んで敗れたのですが、この神社近くの宝満山(福岡市民が手軽に登山するのに大人気の山です)にこもって修行し開眼。杖術を創始してそれで宮本武蔵と再度試合して勝ちを収めたとも伝えられています。杖術は福岡藩に伝えられ受け継がれて、現在の警察でも採用されているそうです。言い伝えによると、夢想権之助は宮本武蔵が晩年熊本に居を構えて五輪の書を書いているときにもしばしば訪れて交流していたそうです。海外に紹介された五輪書は、ビジネスパーソンに人気でベストセラーになっていますが、この英訳本のおかげで五輪というのが世界に紹介されたとも言われています。五輪書は、地の巻、水の巻、火の巻、風の巻、空の巻からなっています。地水火風空は五大元素の名前、すなわち物質の5つの構成要素をしめす言葉です。五輪書の各巻の名前はこの5大元素の名前から取られています。五重塔もこの5つの要素をかたどっているはずです。さっき気づいたのですが、この5つの要素というのは近代科学に対応するものを予見しているような名前ですね。私たちが習う物質の4つの状態とは、固体、液体、気体、プラズマです。これは地、水、風、火とよく対応していますね。火はエネルギーに対応しているのかもしれません。また空の巻は、五輪書の英訳ではThe Ether Scrollと訳しているものがあります。空はエーテルを意味しているのかもしれません。前に書きましたように、般若心経の空もエーテルを意味していると考えると、難解な空の解釈がすっきりすると思いました。

無料のPython入門用教科書(追加)

以前、京都大学のPython演習本を紹介したことがあります。この本(こちらからダウンロード可能です)の欠点は解答がないことだという指摘をもらいました。大学生の授業用教材を公開しているだけなので解答を提供していないのは理解できるのですが、Python初心者はちょっとしたところでうまくプログラムが動かず、模範解答がないので、結局有料コースを探してそちらで学ぶということになるようです。

東京大学のこちらの教材はその点、解答つきなので京大版よりずっとよいかもしれません。
https://sites.google.com/view/ut-python/

html版やpdf版、jupyter版などダウンロードして勉強できます。Google Colaboratoryを使うのでGoogleアカウントをつくって利用すると便利です。もちろんanacondaなどでColabを使わずに勉強してもいいと思います。