安宅和人さんのブログ記事が更新されました。
https://kaz-ataka.hatenablog.com/
このブログでも安宅さんの著書 『イシューからはじめよ』
(AmazonのPrime ReadingやAudibleでPrime会員なら無料で利用できます!)や
『風の谷という希望』を何度も紹介しました。
前者は研究室に入った人への必読書として指定していた本です。後者は長い本ですので、Kindle版で買ってゆっくりよんでいるところです。安宅さんのブログはこれらの本を読むのと、読みながら実践のための参考になるのでお勧めです。
先ほど英語で出したessayを、日本語でも読める形に再構成しました。
単なる翻訳ではなく、『風の谷という希望』第7章の価値生成論を、発酵、膜、時間という軸で改めてまとめたものです。
経済は複利で増える。
文化は発酵し、関係は熟成し、大地は循環する。…— Kaz Ataka / 安宅和人 (@kaz_ataka) July 11, 2026
経済が複利で増えるのに対して、分化は発酵し‥‥というのは本当だと思います。cultureという英語の意味についてのお話から始まる文章は価値がある内容です。企業文化 (corporate culture) というのはよく聞く言葉ですが、cultureには文化の他に、培養するいう意味があります。オンラインのLife Science Dictionary
https://lsd-project.jp/bin/ejdic.pl
でcultureをひいてみると:
「culture ***** 培養, 培養液, 培養物, 培養組織, (教養) 文化, (農学) 栽培, 養殖, ((動詞)) 培養 する 」とあります。
企業文化というのは実はどちらかといえば誤訳で、正しくはその企業が育んできた人と生産物を育て、育む培養液、培養条件にあたるものを意味しているのです。
余談になりますが、fieldを場の量子論で用いられているような場の意味で訳すのもよくある誤訳もどきです。生物学で morphogenic fieldを「形態形成場」と訳すのですが、これを初めて聞いた人はなにか摩訶不思議なベクトル場もどきが生物の形態形成を支配していると想像してしまうのではないでしょうか。もともとfieldというのはa field of wheat 麦畑のように使うことが普通ですから、形態形成場というのはそこで形態がつくられていく畑みたいな場所というのが本来の意味だと思います。
逆に物理の場という意味でfieldを使う場合、麦畑をイメージするとわかりやすいと思います。麦の穂をベクトルと考えて、それがあちこちを向いていて畑のように分布しているというイメージをもてば、物理でいうfieldの理解が進むと思います。