「明治・大正・昭和の細菌学者たち 北里柴三郎から藤野恒三郎まで」(竹田美文 著)は必読書です!

細菌学者の野口英世は有名で1000円札になっていましたが、細菌学者の北里柴三郎の新1000円札もすっかりおなじみになってきたと思います。こうした日本の細菌学者についてまとめられた素晴らしい本があるので紹介します。大阪大学出版会からでている

阪大リーブル 80の「明治・大正・昭和の細菌学者たち 北里柴三郎から藤野恒三郎まで」(竹田美文 著)
という本です。
https://www.osaka-up.or.jp/book.php?isbn=978-4-87259-651-9

国立感染症研究所の所長をしておられた竹田美文先生の力作です。
日本の近代医学の夜明けにあたるシーボルトや適塾からはじまり昭和初期の細菌学者までその業績が一般人でもよくわかるように読みやすく書かれています。5000円札になっている発生生物学を学んだ津田梅子についてのコラムもあるので、お札にでてくる3人の学者のことはこの本で全部わかります!
内容は、上の大阪大学出版会のサイトに目次や内容紹介があるので是非ご覧ください。
わが国の近代医学の祖 北里柴三郎の世界的業績、志賀潔の赤痢菌の発見、秦佐八郎の梅毒治療薬の発見、野口英世の研究、病原スピロヘータの発見者(稲田龍吉、井戸泰、二木謙三、谷口腆二)らと野口英世の交流、、長與又郎による つつが虫病病原体の発見、谷口腆二による大阪大学微生物病研究所の創設、大原八郎の野兎病病原体の発見、藤野恒三郎による腸炎ビブリオの発見など盛りだくさんの内容ですがすらすら読み進むことができます。私たちは志賀毒素の研究やレプトスピラの研究もしていたので、志賀潔の章と九大の稲田、井戸によるレプトスピラ研究開拓の歴史は特に興味深く読めました。野口英世の章では、研究の再現性についてとかく悪く言われることが多い野口の、世界的業績についての再評価がなされており、野口英世について語る人は、小説や俗説ではなく細菌学者によるこの本を読んでから語るべきだと思いました。必読書です。