PyMOLでAlphaFold2 databaseのpdbファイルを一発で取り込んで表示するプラグインの紹介

PyMOLでは、PDBのサイトにあるタンパク質なら、登録番号をいれるだけで一発で立体構造を表示できます。
しかし、AlphaFold2で予測されたpdbファイルはPDB のサイトにはないので、AlphaFold Protein Structure Database ( DeepMind と EMBL-EBIが開発)https://alphafold.ebi.ac.uk/ のサイトから、表示したいタンパク質を探し出してpdbファイルをダウンロードして、PyMOLからそのファイルを選んで表示させる必要がありました。別の方法としては、UniProtのサイトhttps://www.uniprot.org/にもpdbファイルは登録されているので、そちらUniprotからpdbファイルをダウンロードしてそのファイルをPyMOLから選んで表示させるという方法も可能です。しかし どちらも面倒です。

実は、UniProtIDをいれるだけでAlphaFold Protein Structure Databaseから構造をPyMOLに取り込むプラグインがあります。
https://github.com/APAJanssen/Alphafold2import
このプラグインはpdb ファイルやmmCIF-formatのファイルに対応しており、かつ複数のタンパク質のUniProtIDをいれるだけで、全部一括でとりこむことも可能です。これをインストールしておけば、UniProtIDを入れるだけでAlphaFold2 databaseにある任意のタンパク質の立体構造を手軽に表示できて便利です。まだ使ったことがない方は、是非インストールして使ってみてください。

作者のGithubページにインストールの仕方が書いてあります。とても簡単です。私はUbuntu 22.04.3 LTSにインストールしたPyMOL にインストールしました。

1)まず、上のGithubのサイトを開き、右上の緑のCodeボタンを押して、出てくるプルダウンメニューの一番下にある、Download ZIPボタンを押してzipファイルをダウンロードしてください。
2)PyMOLを起動して、メニューバーにあるPluginをクリック、Plugin Managerをクリックしてください。
3)Install New Pluginをクリックして、開いたメニューにあるChoose fileボタンを押して、ダウンロードしたzipファイルを選びます。
4)pluginをインストールするディレクトリをきいてきますので、デフォルトのままにするか、あるいは自分のすきなディレクトリを指定します。
5)これで、PyMOLのplugin menuにImport Alphafold2 entry from EMBLが追加されているはずです。選んでクリックすると、Get Alphafold2 modelという画面が開きます。上のボックスにUniProt-identifierをいれて、下のバックスに必要なら分子名を入浴してLoad modelボタンをおすとすぐに構造が表示されますので試してみてください。上のボックスに複数のUniProtIDを入れると、一括して構造をとりこんで表示することもできます。
6)UniProtIDはAlphaFold2 databaseに書いてありますのですぐにわかります。いちいちUniProtデータベースで調べる必要はありません。
7)コマンドラインで複数の分子を一括して取り込むには、次の書式を使います。

fetchAF2 uniprot1 uniprot2 … uniprotN, name1 name2 … nameN

写真は、今朝散歩道でみつけた野生のユリです。