発生を理論的に解析する試みの歴史と展望がわかる面白い動画をみつけました。

今日は暑い一日で福岡も夏日でした。桜もすっかり散って緑の葉が茂り、新緑が美しい一日でした。
さて、今日は発生生物学の理論の動画を紹介します。
発生現象を理論的にとらえる試みの歴史と今後を概観するのにおてもよい動画です。https://youtu.be/TGyrr20h9mw

ダーウインのEndless forms most beautifulという進化発生学のもとになった言葉の解説や、ゲーテのUrpflanzeの話、D’Arcy ThompsonのOn Growth and Formの紹介とこれらのアプローチの限界について話がすすみます。形態形成場のアイデアやWaddingtonのEpigenetic landscapeの話、そして彼の弟子のBrian GoodwinのGenerative Principlesという理論の話が面白いです。そして力学系による発生の解析の話があって、かつて一世を風靡したRene Thom(フィールズ賞受賞者)のカタストロフィーの理論の紹介もあります。このブログでも以前書いたことがありますが、私の院生のころカタストロフィーの理論が注目をあびて、岡田節人先生もイギリスで開催されたカタストロフィーの理論の研究会に参加されて、発生生物学に革命が起こるかもしれないと期待されていたそうです。京大にルネ トムが来たときには私も数学教室で行われたセミナーに参加しました。残念ながらほとんど理解不能でした。
この動画のJohannes Jaegerさんは理論生物学的に生命を解析する試みをしている人で、いろいろ論文もあるので探してみてください。彼の動画は昨日、検索していてはじめて知ったのですが、彼のYouTubeチャンネルにも面白い動画がいろいろあるようです。これから見てみようと思います。
https://www.youtube.com/@johannesjaeger757/videos