ChatGPTにうまく答えさせるための入力文の作り方

ChatGPTに質問して答えをもらうための入力文をプロンプトといいます。
このプロンプトをうまく作ると、ChatGPTなどの大規模言語モデル(Large Language Models :LLMs)は大変正確な答えを返してくれます。プロンプトは、LLMが特定の目標やタスクにもとづいて、有用で筋のとおった返答を生成できるようにするために、LLMを微調整するのに大変重要な役割を果たします。ではどのようなプロンプトをつくったらLLMは的確な答えを返してくれるのでしょうか。その疑問に答えることができる、LLMに入力するプロンプトをつくるやり方の教科書 Prompt Engineering Guideの日本語版web pageができています。https://www.promptingguide.ai/jp
これは役立ちそうです。もともとは英語版ででていたDAIR-AI (Democratizing Artificial Intelligence Research, Education, and Technologies)がつくったオンライン版教科書です。https://github.com/dair-ai

またDAIR-AIをGoogle検索して知ったのですが、
ChatGPTについては日本語のサイトで、ChatGPT研究所というサイトは役立ちそうです。
https://chatgpt-lab.com/
色々記事があって、有料記事も交じっているのですが、多くの無料記事も大変役立ちます。
プロンプトについては次の2つの記事がわかりやすそうです。
プロンプトエンジニアリング基礎編
https://chatgpt-lab.com/n/n67b5c987a74c
プロンプトエンジニアリング応用編
https://chatgpt-lab.com/n/na4b6676093b1

私は英語でプロンプトをよく書きますがその書き方ガイドはOpenAIのサイトにあります。悪い例と良い例がならべて比較してあるので役立ちます。英語でプロンプトを書くと、より詳細な答えがかえってくるそうですので、英語でのプロンプトも試してみてください。
https://help.openai.com/en/articles/6654000-best-practices-for-prompt-engineering-with-openai-api
英語でプロンプトをつくるとなると、英語版のPrompt Engineering Guideを見たくなりますね。英語版はこちらです。
https://www.promptingguide.ai/

物理や工学で機械学習を使うすべての人(良くできる学部学生や修士の学生など)にピッタリの教科書(英語)を紹介します。

Data driven science & engineeringという本 (ケンブリッジ大学出版会発行)です。ワシントン大学のBrunton先生と同僚のNathan Kutz先生による共著の教科書で、次のサイトにhttp://databookuw.com/
教科書に関する教材や動画のリンクが全部のっています。
物理や工学で機械学習をつかうすべての人(良くできる学部学生や修士の学生など)にピッタリの本のようです。Kindleで買っても7600円ほどの値段でちょっと高い本ですが、本の内容はすべてYouTubeに動画でみられるし、MatlabやPythonコードも無料でダウンロードできます。以下にこの本の紹介文を上のサイトからコピーしておきます。
Data-driven discovery is revolutionizing the modeling, prediction, and control of complex systems. This textbook brings together machine learning, engineering mathematics, and mathematical physics to integrate modeling and control of dynamical systems with modern methods in data science. It highlights many of the recent advances in scientific computing that enable data-driven methods to be applied to a diverse range of complex systems, such as turbulence, the brain, climate, epidemiology, finance, robotics, and autonomy. Aimed at advanced undergraduate and beginning graduate students in the engineering and physical sciences, the text presents a range of topics and methods from introductory to state of the art.
Key features:
—In-depth worked examples paired with comprehensive, open-source code
—Concise, digestible explanations of complex concepts and their applications
—Extensive online supplements include exercises, case studies, lecture videos, data, and supplementary code

この本の内容のすべてが動画でアップロードされています。上の本のサイトにリンクがあるのでそちらから観るのが簡単でおすすめです。たとえばこんな講義があります。最初の動画は特異値分解SVD(singular value decomposition)をつかった画像の圧縮の話、下の講義はカーブフィッティングと最小二乗法の話です。
https://youtu.be/QQ8vxj-9OfQ

https://youtu.be/32qEQ29QJco

Brunton先生のYouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/@Eigensteve/playlists には、
機械学習だけでなく、物理や数学の講義ビデオも満載でおすすめです。Data Science for Biologistsという再生リストもありました。
Kutz先生のYouTubeチャンネルにも同様にいろいろ動画があるのでそちらも観るとよいでしょう。

ワシントン・ポトマック河畔の桜並木は高峰譲吉博士によって贈られた桜がそのはじまりです。

今日は日本の有名な科学者 高峰譲吉博士の映画2本を紹介します。よい映画でAmazon Prime Videoでも両方とも見られますので是非ご覧ください。

桜が散り始めている今日この頃ですが、先日NHKニュースでワシントンの桜並木をつくった女性の話がありました。ポトマック川の河畔の桜並木は、昔日本から寄贈されたものです。有名な日本の科学者 高峰譲吉博士がかかわっているのは有名です。こちらのサイトに桜がいかにしてワシントンのポトマック河畔に植えられたかが詳細に書かれています。ヘレン・タフトさん(アメリカ大統領夫人)とエライザ・R・シッドモア女史、そして高峰譲吉博士の三人がいかにしてポトマック川べりに桜を植えることになったかが詳しく書かれていてなるほどと納得できます。
https://npo-takamine.org/who_is_takaminejokichi/private_diplomacy/sakura/

高峰博士の生涯と桜の寄贈の話は映画化されています。「さくら さくら」という映画と「TAKAMINE」という映画の2本で、DVD化されており両方の映画を収録したDVDパッケージを購入することができます(私は2013年頃に買いました)。最初に書いたように、Amazon Prime Videoでは、どちらの映画も観ることができるので、契約している方は是非ご覧ください。予告編を並べておきます。
https://youtu.be/gM-kaVxtR7w

https://youtu.be/8ifFBTSAZoE

高峰博士は理化学研究所の創設の提唱者であり、製薬会社の三共(現在の第一三共)の創設者、ベークライトの国産化会社(現在の住友ベークライト)の創立、酵素事業の先駆けであるタカジアスターゼの開発製品化、世界初のアドレナリンの抽出、結晶化と製品化などなど、多彩な業績をもつ科学者、実業家です。映画はわかりやすくその生涯と業績をまとめていますので、是非ご覧になることをおすすめします。
高峰博士については、高峰譲吉博士研究会のこちらのサイトで詳しく学ぶことができます。
https://npo-takamine.org/

映画Takamineの主題歌は白井貴子さんが歌っており、映画にも北里柴三郎の妻の役で出演されているそうです。
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/3841

ブラックホールを撮影する―という動画の紹介です。

おなじみの英国Royal InstutionのYouTubeチャンネルにの最新の動画に、How to photograph a black hole – with Ziri Younsiという講演がアップロードされています。https://youtu.be/fGGW-kwc2n0

この動画では、ブラックホールの人類初の撮影に成功したイギリスチームのメンバーが、ブラックホールは何か、どのように見えるのか、どのように撮影するのかなどをわかりやすく解説してくれています。講演の中で映画インターステラ―の描くブラックホールに間違いがある(ブラックホールの回転にともなうドップラー効果を映画では考慮していない)という面白い話もあります。この講演を見た後、Interstellarの映画のブラックホールの描写で間違っているところはどこでしょうと、ChatGPT-4にきいてみました。
映画について詳しく教えてくれた後にこんな答えが返ってきました。結構ちゃんとした答えだと感心しました。詳しくは上の講演を聞いてみてください。
Some possible inaccuracies in the Interstellar depiction include:

1.Accretion disk brightness: The brightness and distribution of the light surrounding the black hole in Interstellar might be different from what we observed in the M87 black hole image. The accretion disk in the movie is depicted as being quite bright and uniform, while the real image shows an uneven brightness distribution.

2.Warping of light: While Interstellar did an impressive job visualizing the gravitational lensing effect of a black hole, the real image of the M87 black hole showed an even more dramatic warping of light around it. This is due to the immense gravity of the black hole bending the light from the accretion disk.

These discrepancies can be attributed to artistic liberties taken by the filmmakers and the fact that the real image of a black hole was not available during the production of Interstellar. Despite these differences, Interstellar’s Gargantua remains one of the most scientifically accurate representations of a black hole in popular media.

パワーポイントで図を作る方法の動画を紹介します。

今日は、パワーポイントで図を作る方法についての動画のお話です。
パワーポイントで図を作るのは、イラストレーターなどを使うよりずっと手軽です。作り方の参考になる動画をいくつか紹介します。

以前紹介した早稲田大学の早水先生の動画はパワポの基礎を教えて下さる良い動画ですのでまず見ることをお勧めします。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLCo60G1m_ibpf1tnAnTX5yNJh7rZPk4p6

早水先生の動画でパワポの使い方がつかめたら、自分で図を作ってみましょう。一からつくるのは大変ですので、すでにできている図をもとにして作ってみるのがお勧めです。こうした図の作り方については英語ですがこちらなどは参考になります。動画では英語版のパワポを使っているので日本版とちがってとまどいます。でもこういうことをする方法があるのだと動画でわかれば、Google検索で日本語で動画の操作のやり方を調べて、日本版のパワポで使うのは簡単です。是非やってみてください。
https://youtu.be/rAznt5I2nhs

この動画がのっているチャンネルはこちらです。もっといろんなパワポの使い方がわかります。
https://www.youtube.com/@scienceinfographics4175/videos
https://www.youtube.com/playlist?list=PLaX2vrGncQxhg79Iz5mlXCA22_-HD6hny

データの可視化や強化学習についての無料の教科書(英語版)を3冊紹介します。

データ可視化や強化学習の英語無料本を3冊紹介します。初めの2冊は O’Reillyから出ている本です。
1)Hands-On Data Visualization–Interactive Storytelling from Spreadsheets to Code
Jack Dougherty and Ilya Ilyankou (2023-03-07)
これは紙の本は有料ですがオンラインで無料で読めます。。
https://handsondataviz.org/index.html
最新のスプレッドシート(エクセルではなくてGoogle sheetsやLibreOffice Calcそのほかのソフトを使う最新のデータ可視化の手引き書です。Google Sheets, Datawrapper, Tableau Publicなどの使い方から、Chart.js, Highcharts, Leaflet on GitHubなどでのコードの仕方など、自分のデータを可視化して皆にみせて話の流れをつくって、それを語る、そのやり方の手引き書になっているそうです。プログラミングの経験不要ということですので面白い本だと思います。

2)またデータの可視化については、こちらの本もあります。これは以前の記事で紹介した本です(末尾に該当記事をコピペしておきます)。これは、読んですぐに研究発表に使える本です。学生や研究者が研究発表するときに必須の参考書で、是非持っておきたい本ですね。
Fundamentals of Data Visualization
Claus O. Wilke
https://clauswilke.com/dataviz/

3)最後に強化学習の教科書も無料で読めますし、スライドやpdfをダウンロードすることもできます。
Reinforcement Learning: An Introduction written by Richard S. Sutton & Andrew G. Barto
Second Edition (MIT Press, Cambridge, MA, 2018)
http://incompleteideas.net/book/the-book-2nd.html
2025/3/06追記:著者二人は強化学習のパイオニアで、2024年のTuring賞を受賞しました!

以下は以前の記事の再掲です。
2022/1/11
英語の本ですが図の作り方についての良い本Fundamentals of Data Visualizationがありました。クリックして読んでみてください。とても参考になる内容です。また以下の記事は手っ取り早く良い図の作成について理解できるので有名です。Ten simple rules for better figures (PLOS computational biology 2014) 

ChatGPTの教科書が公開されています。

ChatGPTの教科書がnoteで公開されています。初心者むけの内容ですが、プログラムをつくってもらうのにはどうするかなども書いてあるので役立つと思います。https://note.com/programdiy/n/nc2f9566ac615

ChatGPTの始め方については、この教科書にある以下のリンクにある動画が役立つと思います。

https://www.youtube.com/@ChatGPTResearch/featured
以前のこのブログの記事もご覧ください。

ChatGPTの使い方についての良い動画を紹介します。またChatGPT Plusでのオプトアウトをやってみました。

写真は数日前の我が家の庭です。春の花がずいぶん咲いています。種から育てたストックや、桜の花の下に咲いていた原種水仙もきれいに咲きました。

臓器移植(同種、異種移植)と動物福祉について理解するための最高の本がでています。

今日は「異種移植 医療は種の境界を越えられるか」(山内一也著、みすず書房2022)という本を紹介します。https://www.msz.co.jp/book/detail/09528/
本の帯にはこうあります―「動物の臓器を人に移植する。その挑戦は、超急性拒絶反応や未知のウイルス感染症の出現リスクなどの難題に何度も阻まれてきた。新技術の到達点を展望する書。」

この本は、ヒヒの心臓を新生児に移植した手術 (失敗に終わりました)の話からはじまり、同種移植の歴史(ヒトでの心臓移植などの話)、異種移植の話 (ドナー不足を補うなどの目的で、ヒトの心臓のかわりにブタの心臓を移植するなどの例もとりあげられています)、その実施にともなう拒絶反応(ブタの細胞表面の糖鎖にはヒトにはない糖鎖修飾であるα 1,3ガラクトース修飾があるため拒絶反応がおこります)をおこさないブタの作成、ブタのもつウイルスへの対処法の開発、クローンブタの作成と臓器工場として異種生物を使う可能性の話、パーキンソン氏病への治療法としての脳組織移植の実例、などなどしっかりとした解説で、臓器移植についての理解を格段に深めてくれる本となっています。また動物福祉の考え方と現在の科学界の対応についても、とてもわかりやすく解説してあって、以前このブログでも紹介した3Rについても多分一番わかりやすく解説されていると思います。是非読んでもらいたい本で心からお勧めします。Kindle版もありますのでそちらもおすすめです。

今日は満開の桜見物にでかけました。ChatGPTについての資料の紹介もあります。

今日は桜見物にでかけました。写真は近所の風景です。桜の木のしたにナルキッスス・バルボコディウムという原種水仙がいっぱい咲いていてとても綺麗でした。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-101

桜はほぼ満開です。宇美神宮にもいきましたが、子供たちがいっぱ遊んでいて、さすが子供の神社といわれるだけありました。左の写真は宇美八幡宮のシンボルで、あまりに大きいので一本の木なのに「湯蓋(ゆぶた)の森」といわれる樹齢2000年という話もある国天然記念物のクスノキです。

赤ちゃんをだきかかえたお母さんとお父さんがそろってこの木の前で写真をとったりしている様子はとても幸せそうでした。先日、万葉百科というサイトを紹介しましたが、そこで万葉歌碑を検索すると宇美八幡宮にもあるようです。
https://kofunmeguriwalking.web.fc2.com/8_7_U01_umihachimanguu.html
銀も金も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも
(しろかねもくがねもたまもなにせむにまされるたからこにしかめやも)という、
山上憶良(やまのうへのおくら)の有名な歌の歌碑です。この歌は私は学校の古典の時間に習いました。

さて、今日もChatGPT関連の話題です。
ChatGPTはとても役立つツールだと思います。東京大学の工学系研究科 技術経営戦略学専攻 松尾研究室の今井翔太さんが、ChatGPTについてのわかりやすい資料を公開してくださっています。
以前に今井さんがslideshareに公開されていた資料は、以前は簡単に閲覧できたのですが、今は数枚スライドをみていると広告がはいって閲覧が中断されたり、ダウンロードに認証がいったりと極めて利用しにくくなったので、slideshare離れが起こってしまったようです。今日のtwitterによると、スライドを追加するなどして、Speakerdeckのほうにアップロードしてくださったようです。これは本当に助かります。
https://speakerdeck.com/imai_eruel/chatgpt-imai

またChatGPTとの対話の様子を詳しく紹介している以下の記事(高木浩光@自宅の日記の2023年03月27日の記事)
「■ OECDガイドラインの8原則についてChatGPTに聞いてみた」もとても参考になります。実際にAIと対話する様子とそのテクニックがよくわかります。ChatGPTとの対話では、マスコミにでてくる有識者と対話するよりもずっと、実のある意見がきけそうです。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20230327.html#p01

ベイズ統計学の「院生、研究者むけ」のよい教科書があるそうです。

ベイズ統計学の大学院レベルの教科書で、このごろ話題になっている本に
Statistical Rethinkingという本があります。これは自分で手をうごかして統計学を学ぶための教科書で、統計学を学校で学ばなかったけれど、なんとなく使っている私のような人間に最適の教科書のようです。Rを活用して学べる本です。ドイツのライプチヒにあるマックスプランク研究所のRichard McElreath先生が書いた教科書で。先生は進化人類学者で、Department of Human Behavior, Ecology, and Culture、Max Planck Institute for Evolutionary AnthropologyのDirectorです。
本のサイトはこちらです。

https://xcelab.net/rm/statistical-rethinking/
対象とする読者は回帰分析などを学んでいるが、統計学でのモデルの扱いに いまいち自信が持てない大学院生や研究者だそうです。すでに第二版がでていて著者は第三版の用意もしているようです。YouTubeにこの教科書を使った講義が全部公開されているので興味のある方はみてみるとよいでしょう。2023年の講義が丁度おわったところだそうです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDcUM9US4XdPz-KxHM4XHt7uUVGWWVSus

githubの講義サイトはこちら。
https://github.com/rmcelreath/stat_rethinking_2023