ChatGPTのおすすめの解説書『ChatGPTの頭の中』の紹介です。

Stephen WolframはMathematicaを開発してWolfram Research社を設立した理論物理学者です。オートマトンを使って物理学を統一するという壮大なプロジェクトを展開している科学者でもあります。彼の会社が開発したWolframというChatGPT用のプラグインは、ChatGPT のプラグインの中ではひときわ有用なものです。これを入れておくと、今話題の「17077は素数ですか」という問いにも正しく答えてくれるので安心です。このプラグインは、ChatGPTがプロンプトをみて、必要とあれば答えをWolfram Alphaで得るという仕組みで動くプラグインです。Wolfram Alphaは膨大な正確な知識をもったデータベースですので、これを使えることでChatGPTは飛躍的に賢くなるわけです。

さて、昨日紹介した田口善弘先生の講演の最後に、このMathematicaやWolfram Alphaの開発者であるWolframさんが書いたChatGPTの解説書が紹介されていました。早川書房から翻訳刊行された Wolframが書いた本 “What Is ChatGPT Doing … and Why Does It Work?”​の日本語訳『ChatGPTの頭の中』です。ChatGPTの開発元であるOpenAIのCEO、サム・アルトマンが「最高の解説書」と絶賛した本 (今年の3月にでた本です)の待望の日本語訳です。早川書房のこちらのサイトに、ChatGPTで書かれたこの本の紹介ページが公開されていますのでご覧ください。https://www.hayakawabooks.com/n/nea225b41d580
また、この本で扱っているモデルはGPT-4以前のモデルで一部の分析はGPT-2で行っています。GPT-2とそれより新しいモデルの違いなどについては、現在、この本の監訳者解説が公開中だそうです。リンクが上の早川書房の紹介ページにありますのでそちらもご覧ください。

また、原著は以下のページに、Wolfram alphaで実行できるコード入りで公開されていますのでこちらを読むのもいいでしょう。
https://writings.stephenwolfram.com/2023/02/what-is-chatgpt-doing-and-why-does-it-work/

What Is ChatGPT Doing … and Why Does It Work?

Wolfram氏による上の原著についての、IT naviさんによる解説も参考になります。
「Wolfram氏によるChatGPTの仕組みと機能に関する解説について」
https://note.com/it_navi/n/n885a0fcbf6f7

最後になりましたが、原著の末尾についているAdditional resourcesのリンクからは、原著や関連の解説資料へのリンクがみられますのでこちらもご覧ください。https://www.wolframcloud.com/obj/wolfram-media/ChatGPT/AdditionalResources.nb

AIについての日本語での講演会と、有名なSF小説家テッド・チャンの国際人工生命学会 (ALIFE) での公開対談の紹介です。

中央大学の田口善弘先生が昨日行われた講演動画とスライドが公開されています。気楽に学べる良いお話ですので、数学が苦手な方にもおすすめです。参考書とかもあげておられます。

「AI(人工知能)の過去・現在・未来—AIは人間を超えるのか—」中央大学学員会石川支部学術講演会
https://piped.video/watch?v=V0ZvZaHhplU
スライドはこちらです。
次は、有名なSF作家テッド・チャンと神経科学者アニル・セス(サセックス大学・教授)との対談です。テッド・チャンはヒューゴー賞を4回、ネビュラ賞を4回、ローカス賞を6回受賞している作家です。映画化された作品「メッセージ」(原題Arrival)は未知の言語をもつ異星人とのコミュニケーションを描いている秀作です。今回の対談「生命と意識、人工と自然」は一般公開されるとのことで、登録するとZoomで無料で聴けるそうです。
https://2023.alife.org/programme/public-event-jp/

プログラミング言語Juliaへの入門に最適なチュートリアル講演と研究集会の動画(九州大学で開催済み)を紹介します。

九州大学で行われた研究会(開催日:2023/07/10~2023/07/129の講演動画が公開されています。

数学と物理におけるJuliaの活用|共2023a015
共催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所,学術変革領域研究A「「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革」

JuliaはPythonより高速でC言語なみの計算速度を実現できる学びやすい言語としていま人気のプログラミング言語です。この活用の実際をみるのに便利な講演会の動画です。最初にチュートリアル講演もあり、インストールの仕方なども説明されているので、初心者の方もチュートリアル講演①あたりは見るとよいと思います。Juliaを使う人のコミュニティーを拡げるために充実したチュートリアルが用意されている研究集会です。是非一度ご覧ください。
次の研究集会のホームページで、研究会の内容と、動画をみることができます。
https://joint.imi.kyushu-u.ac.jp/post-9030/

動画はYouTubeへのリンクもついているので、YouTubeでみることもできます。
https://www.youtube.com/@imikyoten/videos

チュートリアル講演①はこちらから見ることができます。
https://youtu.be/A11DiBbjKdM

「実践Julia入門」(https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13350-4)の著者の後藤俊介さんのチュートリアル講演②が続きます。
https://youtu.be/1hB_ApwzGDc

梅雨明け宣言をします!天気予報があたらないわけの一つ カオスの一般向け講演会 at 英国王立協会の紹介。

梅雨明けを本日 勝手に宣言します!
気象台はまだ福岡地方に梅雨明け宣言を出していません。しかし今朝おきてみると、外の光は真夏。クマゼミの声がやかましくアサガオもきれいに咲いています。これは梅雨があけたことが一目瞭然の外の景色でした。大宰府では本日猛暑日だったそうで、お昼ごろになると熱中症を避けるためか、あのうるさかったクマゼミがピタッと鳴き止んでしまいました。外では蚊も飛ばなくなるそうで、猛暑でした。

天気予報はスパコンの導入でだいぶあたるようになったといわれますが、本当でしょうか?このごろの天気予報は、当たらなかった時の非難を避けるために慎重になりすぎて、余計あたらなくなっている面も多いように思います。さて、今回紹介するのは、天気予報や台風の予報があたらない理由としてよくあげられるカオスやフラクタルについての講演です。
英国のオックスフォード大学で、一般相対性理論で博士号をとったあと、量子力学の基礎、天気予報、気候変動などを研究している著名な科学者Tim Palmer教授の一般向け講演です。教授は英国Royal Societyのフェローで、アメリカ科学アカデミーの海外会員、受賞歴にはthe Institute of Physics Dirac Gold Medalやthe top medals of the American and European Meteorological Societiesなどをがあります。

この講演は、カオス、フラクタル、状態空間などのカオスやフラクタルの基礎からはじまって、幾何学とベルの定理などにいたる壮大な講演です。数式をほとんど使わず、実験もまじえてわかりやすく話して下さっています。英語は典型的なイギリス英語で、とても聞き取りやすいです。余談ですが、一般に標準的なBritish EnglishのことをRPといいます。RPはReceived Pronunciation の略で、別名“Queen’s English,” the “King’s English,” “BBC English,” or “Oxford English.”などともいわれる標準英語です。教授の講演はRPの見本のような講演です。タイトルは

Chaos theory and geometry: can they predict our world? – with Tim Palmer
https://youtu.be/RkiEV47KPX4

例によってThe Primacy of Doubtという本の出版にあわせた講演のようです。次のAmazonのリンクをご覧くささい。
https://geni.us/5bgfg

朝ドラ「らんまん」にでてくる画工 野宮さんのモデルは平瀬作五郎ではないでしょうか?

朝ドラの「らんまん」をみています。今日の話では、植物学教室の画工の野宮さんが顕微鏡の使い方を習うきっかけが紹介されていました。この画工の野宮さんを助ける学生・波多野さんは、今日のドラマで、植物の目に見えない受精の仕組みを解明したいというような夢を語っていました。
画工の野宮さんは多分、イチョウの精子を世界ではじめて発見した平瀬作五郎さんをモデルにしており、波多野さんは、ソテツの精子をこれも世界ではじめて発見した池野成一郎さんがモデルだろうと推察します。池野さんは平瀬さんに顕微鏡の使い方を教え、平瀬さんが顕微鏡下で見つけたものが精子ではないかと指摘したと伝えられています。その後、平瀬さんが、世界中で探し求められていたイチョウの精子を発見したことを確認すると、その成果をフランス語で論文発表するやりかたなども池野さんが教えたそうです。自身が恩賜賞を授賞することになったときには、平瀬さんも共同受賞すべきだと主張し、「平瀬がもらわないなら、じぶんもことわる」と言ったと伝えられています。こちらのログインしなくても読める国立国会図書館の平瀬作五郎伝という記事をご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/pid/11201475/1/28

二人はめでたく第二回恩賜賞を授賞し、平瀬さんの研究したイチョウは小石川植物園の大イチョウとして今も残っています。

平瀬さんは牧野富太郎と同時に東大助手をつとめた人です。平瀬さんの発見の内容については
こちらの動画「種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化」がよさそうです。数多くの賞をとった動画です。(第41回科学技術映像祭科学技術庁長官賞 第11回TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール TEPIAグランプリ 第21回UNICAJA国際科学映画ビエンナーレ(スペイン・ロンダ)最優秀学術映像賞)

http://www.kagakueizo.org/movie/education/128/
YouTubeでも見ることができます。https://youtu.be/rDkJ-T_Qvik

またこの動画を紹介してくださっている次のブログもわかりやすくて良い記事です。
「小石川植物園を東大教授と巡って訊いてきた話 精子発見のイチョウ編」
https://www.ph-10.com/yakupresso/articles/486/


あと、平瀬作五郎さんについては、Amazon のKindle unlimitedで読める次の本がおすすめです。
本間 健彦 著 「イチョウ精子発見」は、なぜ、封印されてきたのか?: 「発見者」平瀬作五郎と、その時代を読み解く

誤りだらけのGPT生成文書の判別器:non-native speakerの英語をAIが書いたものだと6割以上も誤判定!

以下のようなツイートを今日みつけました。ChatGPTの出現以来、AIが書いた文章を検出できる検出器・検出プログラムが欲しいという教育機関や教師が増えているようです。しかし現状は以下のような誤判定のオンパレードのありさまで、検出器は英語を母国語としていない人の書いた英語をAIが書いたものだと判定してしまうことが多いそうです。現状では、こうしたGPT detectorsの導入は極めて危険なものだという研究結果が査読ずみの論文でも報告されています。

上のツイートでは、GPT-detectorsがChatGPTの作った英文をちゃんと検出できない上に、非英語圏の人の書いた英語をGPTが作った英語だと誤認識することが書かれています。さらに最近公開されたこちらの論文(査読済み)、
https://www.cell.com/patterns/fulltext/S2666-3899(23)00130-7
“GPT detectors are biased against non-native English writers”
Liang, Weixin et al. Patterns, Volume 4, Issue 7, 100779
では、これらのGPT detectorsが、英語のnative speakerの書いたものはちゃんと判別できるのに、non-native speakerが書いた英語はAIがつくったものだと誤って判別することが多いということを明らかにしています。そしてこの検出器はプロンプトを工夫することで簡単にだませるということもわかったそうです。たとえばこんなプロンプトで出力結果を再編集すると、簡単に検出器を回避できます。prompt: “Enhance the word choices to sound more like that of a native speaker”あるいはこんなプロンプトです。“Elevate the provided text by employing literary language”.
こうした不完全にしか機能しない検出プログラムの導入は大きな害悪を及ぼすでしょう(すでに害悪の例もいくつも報告されています)。またこうしたGPT検出プログラムを使ったり改良したりすることで、結果的にAIが書いたと判定されないように英語を書くことを、特に非英語圏の人間に強制することになる危険性が大きいです。自由であるべき英語の表現に特定のバイアスをかけてしまい、不自由な世界をつくりだしてしまいます。以上のような簡単な考察からも、こうしたプログラムの使用や開発は今後大変な問題を引き起こすと予想できます。

この論文で利用したGPT-detectorは以下の7つです。
1. Originality.AI: https://app.originality.ai/api-access
2. Quil.org: https://aiwritingcheck.org/
3. Sapling: https://sapling.ai/ai-content-detector
4. OpenAI: https://openai-openai-detector.hf.space/
5. Crossplag: https://crossplag.com/ai-content-detector/
6. GPTZero: https://gptzero.me/
7. ZeroGPT: https://www.zerogpt.com/

今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。

今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。
https://www.todayinsci.com/

このサイトにアクセスすると、今日7月18日にどんな科学者が生まれたか、どんな科学者が亡くなったか、どんな科学的発見が今日起こったか、どんな科学イベントが今日あるかなどがわかります。
https://www.todayinsci.com/7/7_18.htm

もちろん任意の日付を選んで、その日付に生まれた科学者や亡くなった科学者などなどを調べることも簡単です。

今日が誕生日の人を数人サイトから選んでみましょう。
Hartmut MichelBorn 18 Jul 1948)
光合成システムの構成タンパク質の立体構造を決定したノーベル賞受賞者
Roald Hoffmann (Born 18 Jul 1937)
福井謙一先生とともにノーベル化学賞を受賞したウッドワード・ホフマン則で有名な科学者。絵本を書いておられます。去年紹介した記事を末尾にペーストしておきます。

Thomas S. Kuhn (Born 18 Jul 1922; died 17 Jun 1996 at age 73)
トマス・クーンは有名ですね。「科学革命の構造」という本を書いた人ですが、もともとは 物理学専攻だったようです。藤永茂先生が批判しておられるサイトがあります。https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigerutk
John Glenn Jr. (Born 18 Jul 1921; died 8 Dec 2016 at age 95)
アメリカの宇宙飛行士、アメリカではじめて地球周回軌道にのって地球を回った宇宙飛行士です。
映画The Right Stuffで印象的に描かれていました、

なんと日本の佐藤信淵という江戸時代の経済学者ものっています。
Nobuhiro SatoBorn 18 Jul 1769; died 17 Feb 1850 at age 80)
私は知らない人でした。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%BF%A1%E6%B7%B5

このサイトでは、他に、科学者の残した言葉Science quotesを探したり、
https://todayinsci.com/Quotations/QuotationsIndex.htm
任意の年のカレンダーをプリントすることもできたりします。
https://todayinsci.com/WallCalendar/PrintCalendar.php
クイズのコーナーもありますよ。
https://todayinsci.com/Quiz/Quiz1/Quiz1.htm


ホフマンさんについての記事の再録です。絵本や有機化学の本を紹介しています。

2022/3/4
今日は絵本を紹介します。「ざっそう」というタイトルの絵本です。これはウッドワード・ホフマン則で福井謙一先生とノーベル化学賞を共同授賞されたホフマン先生の原案による絵本です。久留米附設でのホフマンさんの学生への講義に端を発しで日本で出来上がった絵本で、出来上がった経緯はこちらのサイトに詳しく書かれています。https://www.kurume-u.ac.jp/site/fusetsu/20181025.htmlホフマン先生は当時のポーランド領の Zolochiv(今はウクライナ)でユダヤ系ポーランド人として生まれ、ホローコストを生き延びて(お父さんは収容所で殺され、お母さんやホフマンさん、おばさんなどは看守に賄賂をつかって脱出して隠れていたそうです)、ウッドワード先生とともにウッドワード・ホフマン則を提唱されました。私の学生時代に有機化学で勉強したことがある有名な業績です。この法則をも含むフロンティア分子軌道法を提唱された福井謙一先生(京都大工学部教授)とともに二人でノーベル化学賞を受賞されました。(ウッドワード先生は死去されていたので、三人での受賞はありませんでした。もっとも有機合成の大家であったウッドワード先生はビタミンB12の合成などの業績ですでにノーベル賞をもらっておられました!)福井先生のフロンティア分子軌道法は現在でもこれを採用して書かれる有機化学の教科書が増えている強力な理論です。有機化学で習う電子が矢印でとんでいく有機電子論では説明できない反応機構を説明できるのでこれを中心に据えた教科書も出版されています。
フロンティア軌道論で理解する有機化学 [2018] 化学同人(九大の人はMaruzen eBook Libraryで契約しているのでこの本は無料で読めますし、ダウンロード可能です)
有機電子論でせっかく反応を予測したのに、それは実際にはそうはならないんだよと先生に言われて有機化学が嫌いになった人も多いようです。そのような人にはフロンティア軌道論は最適だと思います。量子化学がパソコンで自分で計算できる時代になったので、若い人は有機電子論を手っ取り早く学んで、不足分を量子化学で補うという勉強法が主流になると思われます。量子力学ネイティブな若者の時代がもうきているのですから。

MRC LMBのバイオインフォマティクス入門ビデオ―バイオインフォマティクスのミニマム・エッセンシャルズを学べます!

MRC LMBのバイオインフォマティクス入門ビデオの紹介です。
これはバイオインフォマティクスを鳥瞰図的に紹介してどんなツールやデータベースがあるか、バイオインフォマティクスを使いこなすには何を学べばいいのかを紹介するTim Stevensさんによる講演動画です。バイオインフォマティクスのminimum essentialsを学べる大変優れた動画ですので、バイオインフォマティクスに興味のある人すべてにおすすめできる動画です。是非ご覧ください。
MRC Laboratory of Molecular Biologyで去年開催されたBiophysical Techniques Course 2022の講演の一つです。(以前このブログで紹介したことがあります。)

https://youtu.be/WY46DeeneMs

たとえば統計解析の方法にはどんなものがあり、どれをどんな時に使えばいいかというスライドもありますよ。こちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=WY46DeeneMs&t=3122s

私は今年のTim Stevensさんの講演を先日Zoomで聴きましたが、その講演動画はまだYouTubeにアップロードされていないようです。なかなか今年の講演がアップロードされないようなら、この動画と今年の講演の差分を紹介しようと思いますので、しばらくお待ちください。

去年の講習会の動画はこちらから全部視聴できます。
https://youtube.com/playlist?list=PLQbPquAyEw4dQ3zOLrdS1eF_KJJbUUyBx

21 本の動画 があります。
The 2022 Introduction to Biophysical Techniques lecture series started on January 18th 2022. There will be 21 lectures covering many of the various biophysical techniques available within the LMB – lectures will be added to this playlist shortly after they take place.

生物学者のためのR入門教科書 (英語版)と生命科学の有用な情報満載のサイト (カナダの進化生態学のラボのサイト)を紹介します。

生物学者のためのR入門の英語サイトがあります。カナダのQueen’s Universityの研究者のサイトです。

https://colauttilab.github.io/RCrashCourse/1_fundamentals.html

R Crash Course for Biologists–An Introduction to R for bioinformatics and biostatistics と題するテキストはこちらからダウンロードできるので、興味のある方は読んでみてください。
https://github.com/ColauttiLab/RCrashCourse_Book/blob/master/ColauttiRCrashCourseNov22.pdf

開いたページの上のほうにある、2.76 MBとある行の右端のダウンロードボタンをおすとダウンロードできます。

この本の著者であるカナダの生物学者Robert I. Colautti先生のサイトは極めて有益な情報満載です。
この先生は進化生態学を、ゲノムシークエンシングを使って研究しているようです。
RやPython、Linuxなどの使い方やゲノム解析についての情報もサイトにのっていますので以下をご覧ください。

https://colauttilab.github.io/

このページの下の方にある以下の項目をまずみてください。R, Pytho, Linux, R による統計解析, 系統学や集団遺伝学、
Complete Your Skillset

Here is a current, comprehensive list of guided self-tutorials, organized by theme.
NOTE: Many of these links include multiple tutorials, which are linked at the top of the webpage.
Basic Coding

R Crash Course
Python Crash Course
Fundamental Unix

R Stats

Statistical Models
Introduction to Machine Learning
Bootstrap, Simulations, ML & MCMC

Eco/Evo

Maps & Climate Data
The Dragon Phylogeny
Population Genetics

Genetics/Genomics/’Omics

Sanger Sequence Data
DNA Alignments
High-Throughput Sequencing (HTS)
Metabarcoding Analysis

などなど。各項目のチュートリアルへのリンクがあるのが役立ちます。
サイトの始めのほうには生物学の研究の仕方についても書いてあります。
研究を始める前に知っておくべき、研究のやり方の講義へのリンクもあります。

https://courses.ibiology.org/catalog/LE/SP/
こんなコースもあるんですね。タイトルは
Let’s Experiment : A Guide for Scientists Working at the Benchとなっています。
内容の概要は次のようになっています。
Course Features

Tips and strategies for successful experimental design
Strategies to avoid bias
Insights to improve reproducibility
How to keep a good laboratory notebook
An experiment plan that you can implement immediately
Handouts, info-graphs & reading materials

ということで、学生さんの勉強や教師にも役立つ内容のようです。興味のある人は登録して受講してみてはいかがでしょうか。

NHKのコズミックフロントが面白いです。「天文シミュレーションがコンピューターの世界を変えた!?」の紹介です。

コズミック フロントは面白い番組ですね。今年小学校に入学したばかりの知り合いのお孫さんも、この番組の熱烈なフアンだそうです。幼稚園のころから見ているんですね。こういう番組は、科学に対する理解を深めてくれるのでどんどん放送してもらいたいものです。

さて先日7月13日のコスミックフロント(再放送がBS premiumで7月17日(月) 午後5:00 〜 午後6:00 にあります)は、「天文シミュレーションがコンピューターの世界を変えた!?」というタイトルで、コンピューターでブラックホールの見え方をシミュレートしたり、暗黒物質の分布を探ったりする話から始まりました。そして日本でかつて、20万円ぽっちで、当時の世界最先端のスパコンを越える1テラフロップス(毎秒一兆回の演算)ができる手作りコンピューターを作った話が詳しく紹介されていました。東京大学の杉本大一郎先生のラボで、球状星団の安定性を計算するために一から設計された重力計算専用の手作りスパコンGRAPEの開発エピソードの詳しい紹介です。杉本先生の元で、若い学生さん達ががんばって重力の計算をパイプライン方式ですすめる超高速計算回路を積んだコンピューターを作ったと言う話です。Gravityの計算をPipelineでやることから(Appleコンピューターに対抗して)GRAPEと名付けたそうです。学生さんの中にはあの「栄光なき天才たち」の原作者の伊藤智義さんもいたことがわかります。GRAPE-1のハードウエアは全部伊藤さんが配線もしてこしらえたんですね。その後のGRAPEコンピューターの発展と役割分担、だれがどのように関わったかなどを詳しく番組で紹介していて、大変面白い番組でした。見逃した方は是非、7/17月曜日の再放送でご覧ください。

ちょっとネット検索してみると、伊藤さんの本も見つかりました。
「スーパーコンピューターを20万円で創る」 (集英社新書) 中古本があります。
杉本先生のインタビューはこちらでpdfを無料ダウンロードできます。天文月報の2018年5月号から9月号にインタビューがのっていてpdfをダウンロードできます。2018年の総目次でご覧ください。
https://www.asj.or.jp/geppou/contents/#Yr2018
8月号にGRAPEとエントロピーというインタビューがありますのでご覧ください。
https://www.asj.or.jp/geppou/contents/2018_08.html
面白いインタビューです。

最後になりましたが、伊藤智義さんの「栄光なき天才たち」はお勧めのコミックです。伊藤さんが科学研究者なので、科学者への理解が深いです。これも是非読まれることをお勧めします。