英国王立研究所からのクリスマスプレゼントの動画が公開されました!

ファラデーの『ロウソクの科学』の講演を、現代に再現したクリスマスレクチャーの動画が本日 英国王立研究所から公開されました!

『ロウソクの科学』(The chemical history of a candle)は、マイケル・ファラデーがThe Royal Institutionで行った一般向けのクリスマスレクチャー6回を本にしたものです。先日、このファラデーの講演を現代に再現する(6回を一回にまとめてあります)講演がファラデーが講演したRoyal Institutionで有料で行われていました(12月19日)。日本からも1000円くらい払ってライブで視聴できたのですが、日本時間の午前3時ごろの講演会なので私はパスしました。そのうち一般公開すると書いてありましたが、きっと来年になるのだろうなと思っていました。
ところがなんと、今日、その動画がYouTubeで公開されたので紹介します。英国からの素晴らしいクリスマスプレゼントですね。
メリークリスマス!

The chemical history of a candle – with David Ricketts
https://youtu.be/cqTPYoye2J8?si=pgDV5zS1uA5E1vhm

ロウソクの科学の日本語訳は、オンラインで読めるもの、文庫版の新訳などいろいろあります。英語版の原著をふくめて紹介している過去記事もはりつけておきます。

「ロウソクの科学」再び―ファラデーの「ロウソクの科学」の動画などを紹介します。

108) マイケル・ファラデー [述] ほか『ろうそく物語』,法政大学出版局,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12698988
ロウソクの科学の翻訳です。よみやすい本だと思います。

「ロウソクの科学」を読んでみよう!秋の読書のすすめです

日本物理学会開催の高校生以上向けの公開講座(本年11月)の動画が公開されはじめています。

今朝は冷え込みましたが、日が昇るとぐんぐん気温があがって夕方でもあたたかくてストーブなしで過ごせました。今夜はクリスマスイブなのでサンタさんも大活躍のようです。近所の例年恒例のイルミネーションもきれいです。今年はちょっとパチンコ屋さんのイルミみたいですが‥‥。

日本物理学会の面白そうな一般公開講演会が11月に開催されていました。高校生以上向けだそうです。
https://www.jps.or.jp/public/koukai/koukai-2024-11-24.php
『時空、ブラックホール、重力波・・・ってなに? ~基礎から深みまで~』というタイトルで、基礎の講演2題、深みの講演2題があったようです。現在のところ、YouTubeで基礎の2題と深みの1題の講演動画が公開されているので年末に見てみようと思います。深みの動画は、来年11月までの期間限定公開だそうです。

二番目の動画は中学の数学でわかるとあります。演者の小林先生は髪型で遠くからも識別できる先生ですが、わかりやすい本や動画で有名です。このブログでも別の動画を紹介したことがあります。

NIH videocastの動画:ものすごい長寿に潜むメカニズムをクロマチンのプロテオミクスで解明するという動画が公開されました。

今日はNIH videocastから老化研究の動画を紹介します。
今月12日にあった講演の動画です。
NIH ProtIG seminar: Chromatin Proteomics as New Perspective to Investigate the Biology of Exceptional Longevity

老化するときにクロマチンがどのような変化を遂げ、どのようにして老化が抑えられるかを解明しようとする研究です。主に質量分析法によるプロテオーム解析の手法で、核内のクロマチンのヒストン修飾などの老化における変化を研究している最新の成果の報告です。

線虫C. elegansで個体の寿命が二倍になる遺伝子変異を発見したKenyonさんたちの仕事(ノーベル賞は確実です)の紹介からはじまって、老化とは何か、クロマチンとはどんなもので、どのようなヒストンの修飾があるのか、老化とのかかわりは?、一個の細胞でのヒストン修飾をどのように調べるか、今話題のエクソソームと老化との関係は?など、流れるようなストーリー展開で最先端の研究まで理解させてくれます。是非視聴してみてください。字幕表示もできますし、高画質でのダウンロードもできますので、ダウンロードしてゆっくり見るのもおすすめです!

https://videocast.nih.gov/watch=55457
クロマチンの構造やエピジェネティクスについては以前紹介したオープンアクセスの入門書もダウンロードしてご覧ください。

エピジェネティクスについてわかりやすく、かつ本格的に解説してある入門書(教科書)を紹介します。

 

ツイッター以外のSNSについて

私はツイッター(X)をやっていません。もっぱらnitterのインスタンスで読んでいるだけです。ツイッターの名前がXにかわって、いろいろ変化があったため他のSNSに移る人もいるようです。最近ではmixi2というのができて、私も招待リンクを公開している方のWeb Pageからアカウントをつくってみました。まだポストはしていません(スマホやiPadにはアプリをインストールできるのですが、PCにはまだできないようでそこが改良されたらポストしてみたいと思っています‥)

mixi2は今月12月にできた日本のサービスですが、それ以前ではXがいやだから、XからBlueskyにうつるというのもポピュラーなようです。Blueskyで今私がみているのは、Science Newsというアカウントです。https://bsky.app/profile/scinews.bsky.social
これはGigazineのネタになりそうな科学関係のニュースや話題が毎日ポストされていて便利です。例としていくつか面白そうなポストを埋め込んでおきます。

Tips on How to Write ‘Good’
#Matter

PDF download
www.cell.com/action/showP…

[image or embed]

— Science News (@scinews.bsky.social) 2024年12月22日 2:38

Functional groups in organic chemistry. #CompoundChem

[image or embed]

— Science News (@scinews.bsky.social) 2024年12月17日 9:34

The metaphors of artificial intelligence.

“Something is beginning to happen that was not expected even a few years ago. A threshold was reached, as if a space alien suddenly appeared that could communicate with us in an eerily human way.…”

Open access
www.science.org/doi/10.1126/…

[image or embed]

— Science News (@scinews.bsky.social) 2024年12月16日 18:09

いろいろ面白そうな話題があるので是非訪れてみてください。たとえばこちらの一連のポストは、博士課程の学生に参考になるようなpdfをたくさんあげてくれているので必見です。https://bsky.app/profile/scinews.bsky.social/post/3lbp5tlogfc2n

物理や数学、哲学などについての読書案内のサイトをいくつか紹介します。

いつも紹介しているDr. Jorge S. Diazの動画の最新版は、量子力学を学ぶための読書案内です。
Quantum Mechanics: book recommendations

https://youtu.be/3VmPfpkKgM0?si=5YhjurI8J2YyzwfA

英語の本ばかりなので役に立たないかもしれませんが、いくつかは邦訳があるので探してみるとよいでしょう。特にアインシュタインの科学的伝記である
Subtle Is the Lord: The Science and the Life of Albert Einstein, by Abraham Pais は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで邦訳が読めるのでおすすめです。Paisはプリンストンの高等研究所の教授でアインシュタインとも親交のあった著名な物理学者です。これは以前紹介した本ですが再掲しておきます。

140)アブラハム・パイス 著 ほか『神は老獪にして… : アインシュタインの人と学問』,産業図書,1987.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621970 (参照 2024-06-10) 分厚いアインシュタインの伝記。物理学者によって書かれた標準的な伝記で学問的内容も詳しい。

日本語の本を中心とした読書案内としては、こちらをおすすめします。
文学部生のための数学・物理学のブックリスト
https://sites.google.com/site/koheimoritahand4/%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8%E7%94%9F%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88book-list
このリストには、最初の動画で紹介されている本の他にも、数学や物理の色々な教科書があげてあるので参考になります。
私が特におすすめしたいのは最後のセクションにある「
その他参考になりそうなリスト」です。論理学や哲学のブックリストのサイト紹介もありますが、特にこちらのブログ記事が秀逸だと思います。http://asonosakan.blogspot.com/2020/07/blog-post.html
これは『
物理を学びたい人文学徒のための読書案内』で最初にあげたYouTube動画で紹介されている本ものっていますが、他のブログ記事も科学哲学について深い考察が満載でとても刺激をうける内容です。たとえばアインシュタインンが晩年に年老いていたせいで、量子力学のラジカルな考え方が把握できないで批判していたという俗説がありますが、アインシュタインはもっと深い考察をして量子力学を一般相対性理論の定式化をもとにみちびこうとしていたのだそうです。こちらの記事から引用しておきます。
http://asonosakan.blogspot.com/2012/09/blog-post.html
アインシュタインは、量子力学を本質的に統計的なもの、つまり物理学のすべての基礎を提供する根本理論にはなりえないものとして見ていたが、それは、量子論の代わりに、一般相対論の枠組み(時空多様体とそれに沿った解析的方法)によって、量子論を統計的な近似として生じさせるような、全く新しい概念と理論的基礎を求めていたからである。

Firefoxのおすすめ機能拡張(プラグイン)を2つ紹介します。

Firefoxのブラウザで表示したページを保存するプラグインで私が使っているのはScrapbeeです。これは昔から使っていたScrapbookのデータを読み込めるので重宝しています。別のプラグインで同様な機能でおすすめは、Single Fileというプラグインです。https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/single-file/
これは表示しているページを単一のhtmlファイルで保存するというものです。使ってみましたがなかなかよい機能拡張だと思います。活発に開発が継続しているようでその点もよいと思います。
使い方のデモがみられる動画はこちらです。https://youtu.be/oVvTmcwxvmc?si=ZXSb5TMdEA-3Pfnj

もう一つは、手軽に表示しているページにあるリンクが生きているかどうかをチェックしてくれる機能拡張Link Analyzerです。表示しているページ丸ごと、あるいは選択した部分にあるリンクがつながるかどうかをチェックしてくれます。右クリックしてAnalyze all linksをクリックするとチェックがはじまり、つながらないリンクは赤で表示されます。https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/link-analyzer/
これは便利です。私もこのブログのリンク集をチェックしてみたところ、切れているリンクが結構あるのを発見しました。すこし訂正しましたが時間をみて、この機能拡張でチェックして直していこうと思います。

Cambridge University Pressから出ている線形代数の新しい教科書が無料ダウンロードできます。

今日は線形代数の教科書を紹介します。スタンフォード大学やカリフォルニア大学ロサンジェルス分校などで教科書として使われています。

Introduction to Applied Linear Algebra – Vectors, Matrices, and Least Squares
Stephen Boyd and Lieven Vandenberghe
Cambridge University Press
この本はケンブリッジ大学出版会が版権をもっていますが、著者のページ
https://web.stanford.edu/~boyd/vmls/
から一冊まるごとダウンロードできる許可を与えているとのことです。ダウンロードリンクはこちらです。
https://web.stanford.edu/~boyd/vmls/vmls.pdf

上に紹介しこの教科書の著者のページには、JuliaやPythonのnotebookや、コード、スライド、追加の練習問題などがダウンロードできるようにしてあります。
Amazonの評価も大変高い本です。

この本を教科書に使っているスタンフォード大学の講義はYouTubeでみることができます。
Stanford ENGR108: Introduction to Applied Linear Algebra | 2020
プレイリストはこちらです。
https://youtube.com/playlist?list=PLoROMvodv4rMz-WbFQtNUsUElIh2cPmN9&si=lDZvq3-NiojyG1KC
第一回の講義ビデオのリンクはこちらです。(動画の埋め込みは禁止されているようです。)
https://youtu.be/oR6G1MUMveE?si=cp_bnA_FTwNNHYso

AIが新書一冊分の本を書いてくれるという話、クリスマス向けの数式変形を楽しみましょう。

AIが新書一冊分の分量の本を書いてくれるという話題を前にとりあげました。今日は、仏教学者で京大の応用化学科出身の佐々木閑先生のアップロードされた動画を紹介します。こちらも宗教に関する新書をChatGPTに書くようにとプロンプトで指示したら、とても興味深い内容の新書ができあがったという報告です。それを例として、AIの最近の進歩、危険性、これからAIとどうつきあっていくべきかということを考えるきっかけになるように作られた動画です。大変わかりやすいので、生成AIとは何かをまったく知らない方にもわかりやすく有益な動画だと思います。短い動画ですので是非ご覧ください。

『生成AIに関する新しい動画です。怪しい教祖様も登場します。』
https://youtu.be/bDa41NjGtLs?si=6InzyJRoStlOFei9

もうすぐクリスマスですね。Royal Institutionのツイートをみていたらこんなリツイートがありました。ちょっと検索すると2004年ごろには評判になった式の変形のようです。

今日は福岡造船にいって、船の進水式(一般公開)をみてきました!

今日は夫婦で福岡造船の進水式(一般公開)を見に行きました。今日進水するのはケミカルタンカーだそうで、化学薬品をつんで海外と行き来する船です。大きい!クレーンがとにかく巨大で、天を衝くという高さでした。
https://www.fukuzo.co.jp/release/archives/309
近くのかもめ広場の駐車場は混むとみて、大濠公園の駐車場に車をとめて徒歩で福岡造船にむかいました(10時半ころにかもめ広場についてみると、まだ駐車場には何台か空きがありました!)。
福岡造船へのアクセスはこちらを見てください。
https://www.fukuzo.co.jp/companyprofile/access_fukuoka
大濠公園から徒歩15分ほどの場所にあります。進水式は年に4回ほど一般公開されるようです。

開場は10時40分とのことで、10分前くらいに造船所前に到着、結構な列ができ始めていました。開場は10時50分くらいだったでしょうか、ぞろぞろと入場しておみやげをもらって、船の横で進水(11時20分)を待ちました。場内のマイクで本日の船の解説がありますので、動画で録音するよりスマホの録音機能で収録するほうがよいと思いました。

11時15分から式が始まり、船が動き出すと1分あまりで海に入りました。海に入るときの水の音は大きくて、感動しました。くすだまがわれて風になびいてそれはきれいでした。海に入った後、錨をおろすところも見どころだそうです。小さいお子さんや赤ちゃんをだっこした女性なども見に来られていて、なごやかな雰囲気でした。FBS福岡放送が取材にきており、撮影しているスタッフの方も何人も見かけました。

福岡は海も山も近いので都会でありながら、海と山を楽しめるよい街です。海産物も農産物も安いで暮らしやすい街で、移住してくる人も多く人口も増加しているそうです。今日撮影した動画のスナップショットを載せておきます。

やさしい英語で書かれた集団遺伝学の最新の教科書が無料公開されています。英語の誤用についての本も紹介しておきます。

スタンフォード大学の集団遺伝学の教授Jonathan K Pritchard先生が集団遺伝学のやさしい教科書を公開されています。

https://web.stanford.edu/group/pritchardlab/HGbook.html
から読めます。最新の執筆中の教科書なので最後のパート(GWASなどが扱われる予定)は未完ですが、集団遺伝学の入門部分は完成してわかりやすいです。上のリンクから本の紹介文を引用しておきます。

An Owner’s Guide to the Human Genome:
an introduction to human population genetics, variation and disease

by Jonathan Pritchard, Stanford University

In this book I describe the forces that govern genetic variation including mutation, drift, recombination and selection, as well as what genetics teaches us about human history, and the role of genetic variation in human phenotypes and diseases. When complete, the book will combine the three pillars of human population genetics – population genetics, population history, and trait genetics – under a single umbrella, with a focus on examples and applications in human genetics. Moreover, each section emphasizes the essential interplay between theory, statistical methods, and biological applications, with a focus on building intuition while avoiding heavy technical detail where possible.

Parts 1 and 2 of the book were released in September 2023. The chapters of Part 3 were released in April and September 2024. I’ll release the chapters of the final section, Part 4, as I finish them. Original material is provided under a CC-BY-4.0 Creative Commons License.

I’m very happy to hear from readers, including students at any stage, with feedback, questions, errors (or even just to say that you enjoyed it!) at pritch@stanford.edu. Include “human genetics book” in the subject line.

ということです。是非読んで意見や気づいた点、誤りなどあれば先生にメールしてあげてください。

もう一つ、英語の誤用についてのこれも無料で読める本を紹介しておきます。ワシントン州立大学の英語の先生のサイトです。先生は引退していますが、教材をいろいろオンラインで公開されています。ポッドキャストもあるので興味がある人は聴いてみてください。医学用語についてとかも議論されていますので生命科学系の人にの役立ちそうです。https://commonerrorspodcast.wordpress.com/

先生のサイトはこちら。The Web Site of Professor Paul Brians
https://brians.wsu.edu/

Brians先生が2013年に出した本、Common Errors in English Usage という本のオンライン版がこちらです。
https://brians.wsu.edu/common-errors-in-english-usage/

印刷された本の販売促進の文もありますが、このサイトを暇なときに見るだけでもずいぶん勉強になると思います。
Kindle版は今みたところでは985円で買えるので購入するのもよいと思います。