渡辺宙志先生のGitHubなどを紹介します。

今日は渡辺宙志 (わたなべ ひろし)先生のGitHub https://github.com/kaityo256
を紹介します。
慶応義塾大学におられた先生は、今は九州大学の化学に移られているんですね。伊都キャンパス。なつかしいです。
先生のGitHubや著書は、とても役立つと思います。GitHubのリポジトリをいろいろ読んでみるととてもよい記事がいろいろ見つかります。
https://github.com/kaityo256?tab=repositories

すこしリポジトリから記事を紹介しておきます。

ゼロから学ぶPython
https://github.com/kaityo256/python_zero
これは本になっている元の講義資料のようです。本はこちらです。
「ゼロから学ぶPythonプログラミング Google Colaboratoryでらくらく導入」
https://www.kspub.co.jp/book/detail/5218839.html

数値シミュレーションの基礎
https://github.com/kaityo256/simulation_engineering

解析力学の講義ノート
https://github.com/kaityo256/classical_mechanics

研究室のPCのセットアップ資料
https://github.com/kaityo256/lab_startup

スパコンの入門記事もあります。
一週間でなれる!スパコンプログラマ
https://github.com/kaityo256/sevendayshpc

分子動力学MDの解説記事もいろいろあります。入門に最適の解説だと思います。
分子動力学法の理論と実装(集中講義ノート)
https://github.com/kaityo256/md2019
分子動力学法ステップ・バイ・ステップ
https://github.com/kaityo256/mdstep

物理数学の講義ノート
https://github.com/kaityo256/physmath

他にもMDのフリーソフトであるLAMMPSの入門に役立つ記事があります。

またこんな記事がネットにのっていました。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_61c2a4fbe4b04b42ab6628e9GitHub

ABC予想とIUT理論の最新の日本語動画の紹介です。

8月にこんな記事を書きました。

ABC予想を解決したIUT理論の現況はどうなっているのでしょうか。

ABC予想を解決した望月先生の新理論の誤りをみつけた人に100万ドル(1億4千万円くらい)の賞金をだすというニュースです。
これについての日本語の動画が昨日公開されたので紹介します。

【日本発の数学理論 IUT理論とABC予想】京大・望月新一教授のIUT理論を気鋭の数学者が徹底解説/ドワンゴ創業者・川上量生氏がIUT理論「決着」に賞金をかける理由【EXTREME SCIENCE】
というタイトルで、賞金を懸けている川上量生さんと、数学者の加藤文元さん、脳科学者の茂木健一郎さん、PIVOTの竹下隆一郎さんとの対談です、
https://piped.video/watch?v=Q1DUocqDYWU

YouTubeはこちらです。
https://youtu.be/Q1DUocqDYWU?si=83s49MhRt4DgN91C

IUT理論を、量子計算の理論展開に応用している人もいるとのことです。
正しいけれど理解するのに大変な学習が必要な理論だそうです。この理論を理解した人は新しい道具を手に入れたことになって、理解した人が優位にたつようになるはずです。
理論を理解することが役立つことがわかってくると、急速に受容されていくのでしょうね。

ChatGPTの最新情報や画像生成AIについての基礎知識の動画を紹介します。

ChatGPTやその他の大規模言語モデルLarge Language Model (LLM)についての情報のアップデートにはTOGO TVのこちらの動画が便利です。

https://togotv.dbcls.jp/20230919.html
YouTubeでも見ることができます。
https://youtu.be/Ug6Q9jItlYo?si=NA8XeiL0sXfiTKfN

動画の中でWeb スクレイピングの仕方のツイートが紹介されています。こちらの方チャエンさん(https://chaen.super.site/)のツイートにあるのですが、とても参考になると思います是非まだみていないのでしたらご覧ください。
https://nitter.net/masahirochaen

画像生成AIの解説動画とかもあって、役立つと思います。
https://nitter.net/masahirochaen/status/1712410246214492443#m


https://piped.video/watch?v=Am_vs2OY1f4

「赤毛のアン」や、「アルプスの少女ハイジ」をとりあげたNHKの100分de名著はおすすめです。

今日は計算生命科学の基礎10の講義の第二回目でした。「タンパク質の機能の進化とその情報解析」というタイトルの講義です。
http://www.eccse.kobe-u.ac.jp/dうistance_learning/life_science10/#lec2
九大で博士の学位をとられて九大医学部の生医研の教授もされていた藤 博幸(関西学院大学)先生のわかりやすい講義でした。
タンパク質タンパク質相互作用の解析やネットワーク解析は、私もやっていましたが全部論文を読みながら手探りでやっていたもので、独学では気付かなかった点も理解できて大変役立つ講義でした。
後半三分の一にあたる部分、ネットワーク解析とネットワークの中心性の話などはこの講義を契機にいろいろ調べてみようと思いました。

話は変わりますが、今、NHKオンデマンドというのを試しています。NHKは無料お試しはやっていないので、U-NEXTの無料お試しを契約して付与されるポイントを利用して、安く一か月のお試しをしているところです。「人類誕生」というNHKスペシャルをみたかったのでNHKオンデマンドをAmazonで見ようとしたのですが、なぜか「人類誕生」の第一回は配信されないとのことでした。探すとU-NEXTで配信しているのがわかったので、U-NEXTの無料お試しを申し込んだという経緯です。

NHKオンデマンドにはいろんな番組があって面白いです。今は100分de名著の見逃していた回をいろいろ見ています。「赤毛のアン」とか、「アルプスの少女ハイジ」とかの回をみましたが、どちらもよい番組した。いわゆる神回でした。「赤毛のアン」は茂木健一郎さんが「赤毛のアン」の大フアンだそうで、解説役でした。ほんとうにこの本がお好きなようで、この作品を熱く語られていて、いろいろ知らなかったことがわかって原作をじっくり読んでみたいと思うようになる、よい番組でした。「アルプスの少女ハイジ」のほうも同じく、感動的な番組でした。ドイツ文学者で早稲田大学教授の松永美穂さんの解説で、アニメとは違う原作のよさがよくわかりました。原作の第一巻では、クララは立たないのも驚きでした。松永先生は角川文庫から「アルプスの少女ハイジ」の原作の完訳をだしておられます。AmazonのKindle unlimitedで無料で読めることがわかったので、早速読み始めているところです。ハイジは最近、NHK BSでやっていた実写映画版をみました。この映画がアニメよりは原作に近いんですね。

100分de名著にはほかにも面白そうなものがいろいろあります。スピノザのエチカとか、ソラリス、万葉集や源氏物語、荘子、パンセ、茶の本などなど面白そうなタイトルが並んでいます。生命科学関係では種の起源や、細胞周期の研究でTim Huntさんと同時にノーベル賞を受賞したポール・ナースさんの「HAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か」もとりあげられていました!
https://www.diamond.co.jp/book/9784478111079.html

ファラデーをヒーローとして敬愛する宇宙論者Brian Keatingの宇宙の進化についての講演動画とフラデーの言葉を紹介します。

今日は英国Royal Institutionでのマイケル・ファラデーを尊敬してやまない研究者の講演動画を紹介します。
Charting the evolution of the Universe – with Brian Keating
著名な宇宙論の研究者であるBrian Keatingがビッグバンはなかったのか?インフレーション宇宙とマルチバースなどについて生き生きとわかりやすく講義してくれる動画です。
https://youtu.be/xKfWuRJFH7Y?si=GWOBdPIN7lwvitds

今日は見る時間がなかったのですが、時間を見つけて視聴したいと楽しみにしている講演動画です。内容目次をあげておきます。

00:00 Introduction
2:02 Early models of the universe’s origin
4:40 Newton and Einstein’s models of the universe
07:38 Lemaitre’s Big Bang
10:12 The four pillars of the Big Bang Theory
12:39 What’s the problem with the Big Bang theory?
16:06 Discovery of cosmic microwave background radiation
19:54 Alternatives to the singular Big Bang
24:41 The inflationary multiverse theory
33:09 The double slit experiment
36:10 Disproving other theories with polarisation
42:41 B-mode polarisation – the decisive experiment
49:28 Losing the Nobel Prize due to meteorites
51:08 The Simons Observatory and the next experiment
54:44 Problems with the multiverse theory
57:40 Michael Faraday and experimental science

Royal Institutionはファラデーが研究していて講演もしていた場所ですので、演者も力が入っています。ファラデーの実験器具ももってきてとても面白そうな講演ですので是非ご覧ください。最後のほうのスライドではファラデーの次の言葉があげられています。

‘I think it likely that I have made many mistakes in the preceding pages, for even to myself my ideas on this point appear only as the shadow of a speculation, or as one of those impressions upon the mind which are allowable for a time as guides to thought and research. He who labours in experimental inquiries, knows how numerous these are, and how often their apparent fitness and beauty vanish before the progress and development of real natural truth.’

簡単な私が作った訳を載せておきます。
「私は、ここに至るまでのページで多くの間違いを犯している可能性が高いだろうと考えています。なぜなら、私自身にとってさえも、この点に関する私の考えは、具体的な証拠や確証に基づかない非常に曖昧な「仮説の影」や、一時的な感じや直感としての「心の印象」としてしか見えないからです。これらは、研究や考察の方向性を示す「思考や研究の指針」として一時的に許容されることもあります。実験や試験を通じて真実や事実を探求する「実験的な研究に従事する」者は、こうした仮説や考えがどれほど多くあらわれるものか、そして初めはうまくいきそうですばらしく美しいと思われた考えや仮説が、真実の発見によって誤りであることが明らかになる「実際の自然の真実の進展と発展の前で消え去る」現象をよく知っています。」

この文章は、Experimental Researches in Chemistry and Physicsにのっている、Mr. Phillipsへの手紙にある言葉です。この文章の前に、重力や光、熱などをエーテルの振動としてとらえる力線の仮説を展開していてその最後をしめくくる言葉です。
こちらのinternet archiveサイトから本のpdfをダウンロードして、mistakesというキーワードで本文を検索してみてください。該当する文章が簡単に見つかると思います。
https://ia800901.us.archive.org/32/items/experimentalrese00fararich/experimentalrese00fararich.pdf
こちらのpdfにはファラデーのこの文章の由来が詳しく書かれているので是非ご覧ください。
Faraday and the Electromagnetic Theory of Light
https://rua.ua.es/dspace/bitstream/10045/49547/1/Faraday-OpenMind-24-08-2015-ENG.pdf
Faradayの実験日記や著作は以前紹介したこちらの記事をみてダウンロードしてみてください。Internet Archiveの検索機能ではうまくヒットしないと思います。

マイケル・ファラデーの著作集がダウンロードできます―Faradayの日記(Faraday’s Diary)も全巻公開されました!

 

OBS-StudioをUbuntuにインストールする方法を紹介します。

私はブラウザで再生している動画の録画にOBS studioというソフトを使っています。
https://obsproject.com/ja
このソフトはゲームの中継、配信に使われることが多いようですが、デスクトップ画面や特定のソフトの再生画面の録画にも簡単に利用できます。使い方は以前紹介したことがあるので、記事をOBSなどのキーワードで検索してください。結構、丁寧に使い方を説明してあります。

私は普段はWindowsで使っているのですが、LinuxのPCのほうがスペックがいいので、今回はLinuxのUbuntu 22.04.3 LTSで動いているPCにインストールしてみました。
インストールは簡単です。コマンドラインで
sudo apt install obs-studio ffmpeg v4l2loopback-dkmsと入力してこのコマンドを実行するだけです。このコマンドの意味をChatGPTに解説してもらった内容を以下にペーストしておきますので参照してください。
1. **sudo**: これは「superuser do」の略で、LinuxやUnixベースのシステムで管理者権限(root権限)でコマンドを実行するためのコマンドです。`sudo`を使用することで、システムの設定を変更するための権限を一時的に取得できます。

2. **apt**: これは「Advanced Package Tool」の略で、DebianベースのLinuxディストリビューション(例:Ubuntu)でソフトウェアパッケージを管理するためのツールです。
3. **install**: `apt`コマンドのサブコマンドの一つで、新しいソフトウェアパッケージをインストールするためのものです。
4. **obs-studio**: OBS Studioはオープンソースのビデオ録画およびストリーミングソフトウェアです。このコマンドの一部として指定することで、OBS Studioをインストールします。
5. **ffmpeg**: これはマルチメディア処理のための非常に強力なツールで、ビデオとオーディオの変換、ストリーミング、録画などのタスクを行うことができます。OBS Studioは内部でffmpegを使用している場合があるため、一緒にインストールすることが推奨されます。
6. **v4l2loopback-dkms**: これはカーネルモジュールで、仮想的なビデオデバイスを作成するためのものです。これにより、一つのビデオソースを複数のアプリケーションで同時に使用することができます。OBS Studioでこの機能を使用する場合、このモジュールが必要となります。
要するに、このコマンドは管理者権限でOBS Studio、ffmpeg、およびv4l2loopback-dkmsをUbuntuにインストールするためのものです。

日本語での簡単な解説は以下のサイトが秀逸です。
https://mekou.com/linux-magazine/ubuntu-%E3%81%A7%E5%8B%95%E7%94%BB%E9%85%8D%E4%BF%A1-obs-studio/

Ubuntu で動画配信 OBS Studio

ゲームの理論の入門書が無料ダウンロードできます。

進化生物学ではゲーム理論がよく使われています。以前ゲーム理論の入門書や講義ビデオを紹介したことがあります。

ゲーム理論のいい入門書って ないものでしょうか?

今日は英語で書かれた、無料で読めるゲーム理論の入門教科書があるので紹介します。
カリフォルニア大学Davis (UCDavis)経済学部教授のGiacomo Bonanno先生のゲーム理論の入門書(二冊本でAmazonなどで販売されています)です。
先生は教科書数冊を無料でインターネットで公開されていて、この二冊本も一つの合本pdfで公開して下さっています。
こちらのページからダウンロードして読んでみてください。
https://faculty.econ.ucdavis.edu/faculty/bonanno/GT_Book.html

Bonannoo先生が公開されている教科書のリストはこちらです。
https://faculty.econ.ucdavis.edu/faculty/bonanno/Books.html

Game Theory の教科書の他にも、”Decision Making”、”Uncertainty, Risk and Information”、”Uncertainty and Insurance” の三冊の教科書が無料で公開されています。
最後の本は二番目の本に含まれているので実質二冊が公開されていることになります。上のリンクをクリックすると、pdf版教科書へのリンクの他、紙の本の購買用リンク、講義のYouTube動画へのリンクがあらわれます。充実した教科書になっているので是非ながめてみてください。Game Theoryは初心者向けの教科書です。経済学の先生なので、経済学に興味のある方にも向いていると思います。

Game theoryのYouTube動画はこちらにリンクがあります。YouTubeのチャンネルには動画なしと表示されていて何も動画が無いことになっているので先生のサイトのリンクを使ってください。
https://faculty.econ.ucdavis.edu/faculty/bonanno/Youtube%20Recorded%20Lectures%20Game%20Theory.html

第一回目の講義動画はこんな感じです。
https://youtu.be/y90km53pGMA?si=n-4EO2cIqsSAo_qc

ついにRstudioでGitHub Copilotが使えるようになりました。

ついにRstudioでGitHub Copilotが使えるようになりました。要は、生成AIが利用者が入力したプロンプトとコマンドに応じて、利用者の目的にかなうようなプログラミング・コードを作ってくれとるサービスです。Pythonとかでは活用されていますが、Rでは使えなかったのがとうとう使えるようになったそうす。動画があるのでまずそれを見てから、このサイトで使い方を確認するとよいです。

GitHub Copilot in Rstudio, it’s finally here!
https://piped.video/watch?v=yVq-b5xHmac&t=3250
この動画では、Copilotというのがどんなものかからはじまって、RStudioでどのようにCopilotを使うかなどを実例をみせながら、極めて丁寧にわかりやすく解説されているのでお勧めです。GitHub CopilotはRStudio Desktop 2023.09.0 以降のRStudioで利用できます。利用にはGitHubのアカウントが必要で、さらに料金がかかりますが60日間無料トライアルがあるそうなので無料で試すこともできます。動画をみて役立ちそうだったら試してみるとよいでしょう。

動画の最後のほうで紹介されいる使い方の手引きのサイトはこちらです。https://docs.posit.co/ide/user/
のページの左側のメニューからToolsをクリックして展開すると、GitHub Copilotがあるのでそれをクリックするとわかります。
https://docs.posit.co/ide/user/ide/guide/tools/copilot.html

X/twitterのアナウンスはこちらです。

小学校で人気のプログラミング言語Scratchで機械学習を学ぶ本がでているそうです!

最近は小学校でプログラミングを教えるようになっています。小学校で使われているのはScratchというプログラミング学習のために作られたプログラミング言語です。ブロックを組み合わせてプログラムが作れるので、楽しくプログラミングを学んでいる小学生がとても多いと聞きます。スクラッチで機械学習を学ぶという内容の本がでていて、10月9日までKindle版が無料で入手できるというツイートをみたので早速ダウンロードしてみました。

Amazonのページにいって、kindle unlimitedで無料で読めるのですが、そちらではなく¥0で購入のほうのボタンを押して購入します。
Kindle unlimitedは本の貸出なのでAmazonが貸し出しをやめれば読めなくなります。Kindle unlimitedでは最大20冊までしか借りることができません。この本をKindle unlimitedで読むと、借りている本にカウントされて、あと19冊しか貸出できなくなるというデメリットが生じます。

これに反して、0円で購入しておけば貸出ではないので、 Kindle unlimitedで貸出可能な冊数も減りませんし、端末で永久的に読めるわけです。ということで、この本は0円で購入することをお勧めします。

ツチノコを捕まえる時は注意しましょう。毒ヘビかもしれせん!

昨日、庭仕事をしていると外の水道栓のそばにマムシがいるのを奥さんが発見しました。ほおっておけばよいと庭仕事をしていたのですが、また水栓のところにいくとまだいます。スコップで攻撃したのですが、何回かスコップの先があたったはずなのに、どこかに逃げて見失ってしまいました。付近の植木鉢やレンガを起こしたのですがいません。するとなんと玄関においてある菊の植木鉢の中にいて、菊の茎にまきついていると奥さんがみつけてくれました。みていると、するすると移動して雨どいのパイプの周りに巻き付いてしまいました。
さっそく剪定ばさみをとってきて、鎌首をあげているマムシの首を後ろからはさんで地面に押し付けて固定。スコップの先で体を切断して殺しました。庭にマムシがでたのは10年か20年ぶりくらいです。暗いときにかまれたりすると、なにに咬まれたかわからなかったりするので、治療が遅れて死ぬこともあるそうです。年間10人くらいはなくなっていると聞いたことがあります。田舎暮らしの注意点の一つです。

このマムシで思い出したのは、滋賀県のツチノコ騒ぎです。1980年の7月ごろ、農作業で草刈りをしていた人たちが、草むらの中に奇妙なヘビが潜んでいるのを見つけました。見たこともない珍しいヘビで、見るからに毒ヘビ風の鎖模様のヘビだったので、ツチノコかもなどと期待して、みんなでよってたかって捕獲して、役場にもちこみました。ヘビに詳しい京都教育大学の深田教授に問い合わせたところ、深田先生曰く 「それはラッセルクサリヘビという猛毒のヘビです。咬まれたら死にます。近くに血清をもっているところはありません。」
咬まれたら死んでいるところだったんですね。恐ろしい話です。

実はこのラッセルクサリヘビ。暴力団がタイからの短銃密輸に使ったヘビでした。暴力団員達は、現地でコブラ15匹、ラッセイルクサリヘビ30匹、シマヘビ25匹を購入。これら70匹のヘビを7つの袋に詰めて、その袋に短銃を4、5丁づつ入れて税関検査をすりぬけたそうです、毎日新聞の7月13日付の記事によると、犯人はこうして用意した短銃入りのヘビ入りの袋を、ヘビだけの袋と混ぜて金網の貼ってある箱に入れて輸入。スネークセンターでの鑑賞用に輸入しますと申告したそうです。ヘビは検疫対象ではないので、税関検査も金網の隙間から棒をいれて袋をつついて、たしかにヘビが入っていることを確認しただけで通過したそうです。こうしてまんまと短銃を密輸したあと、あらかじめ用意しておいた100キロのドライアイスを箱にいれてヘビを殺し、凍ったヘビを確認した後、袋から短銃を回収しました。凍死したヘビは犯人の実家がある滋賀県の山中に捨てたのだそうです。警察はこの暴力団員を逮捕して短銃の密輸について追及していたところ、ヘビを滋賀県の山中に捨てたと聞いて、急きょ役場に連絡、警官を数十人派遣してヘビが本当に死んでいるか、ヘビの袋がみつかるかなど捜索を開始しました。車に轢かれて死んでいるラッセルクサリヘビが一匹みつかり、袋に入ったまま死んでいるヘビも多数確認したそうです。ただ口の開いた袋も発見されたので、凍死せずに脱走したヘビも多数いる可能性がでてきました。すでに生きているクサリヘビも一匹捕獲されていたので、生きた毒ヘビがもっと多数逃げて生存している可能性が高くなりました。急遽、あちこちに警告の立て看板をたてたり、山に入らないようになどとアナウンスしたりして、地元は大騒ぎになりました。ちょうど夏休みが始まるところでしたが、夏休み中も山中に立ち入ることは禁止となりました。それから一年半あまり、ヘビ狩りと山中への立ち入り禁止がつづいて地元は大迷惑をこうむりました。ちょうど当時私の義弟が、滋賀県の近くの高校に通っていたのでそういう話を詳しく聞きました。

また最初にでてきた、ラッセルクサリヘビに詳しい深田先生ですが、先生の授業をきいたことがあります。「ちょうどヘビの赤ちゃんが生まれたんですよ。かわいいでしょう」、とおっしゃって授業中に小箱にいれたヘビの赤ちゃんを回してみせてくれるとうような授業でした。テレビのインタビューのとき、おもわず「ヘビちゃん」とおっしゃっていたほど、ヘビがお好きな先生でした。先生の部屋にはニシキヘビが飼育されており、ニシキヘビを首にまいた深田先生の写真が飾ってありました。時々、ニシキヘビがいなくなったと、卒論生が探しまわっていたこともあったと聞いています。