科学における発見はいかになされるか?についての証言本。

こんなツイートをみつけました。科学の発見はどのように行われるかについての著名な科学者による貴重な証言本です。本の内容をマインドマップ風にまとめたツイートです。


紹介されている本は、コーネル大学のサイトで無料でダウンロードできます。
The Incomplete Guide to the Art of Discovery by Prof. Jack Oliver
Permanent Link   https://hdl.handle.net/1813/83
Abstract: Cornell emeritus professor Jack Oliver draws on his nearly 50 years as a scientist to explore the strategies, tactics, and personal traits and attitudes necessary for fruitful scientific discovery.

著者は地震学者で現代地震学の祖とされており、大陸移動の起るメカニズムを地震学で解明、地球の内部構造を地震波で調べてプレートテクトニクス理論の完成に多大の貢献をした科学者だそうです。
以下のNatureの追悼記事へのリンクをご覧ください。追悼記事のpdfが無料でダウンロードでるリンク付きです。
https://www.nature.com/articles/470176a#author-information

もともとは、有名な数学者のStrogatzさんの次のツイートで紹介されていました。

スレッドにはもう一冊、有名なコンピュータ科学者Richard W. Hammingの本も紹介されていました。


Hammingさんはコンピュータ科学の創始者の一人です。こちらのYouTubeの動画(再生リストのリンクをあげておきます)で本の内容がうかがえます。Kindle版なら1000円ちょっとで買える本です。
https://youtube.com/playlist?list=PLUeG2W-NLloyr1H2J1wO4MKnvz__B4-u6&si=hcR-9j9juuj5KvfK

細胞の中でおきていること―わかりやすい動画を二本紹介します。

今日は細胞の中で起きている反応をアニメーションでわかりやすく見せてくれる動画を紹介します。

Ubiquitin and Parkinson’s Disease (2021) by Etsuko Uno wehi.tv
https://youtu.be/dYhGCf3HEog?si=DEXmZN-ZBwoKVjtd

The Proteasome (2024) by Etsuko Uno wehi.tv
https://youtu.be/ECXbJah2m6Q?si=r7Va4t5_foazB5tq

この動画を見て、ユビキチンとプロテアソームってなに?と思った人は是非、ネットで検索してみてください。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A0

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%A6%E3%83%93%E3%82%AD%E3%83%81%E3%83%B3

Pythonのインストール法、入門講座などがあるおすすめのサイトを紹介します。

Pythonの環境構築法(インストール法)がまとめてあるサイトなどを紹介します。

Python Japanのサイトがおすすめです。
https://www.python.jp/index.html

このサイトには、Python環境構築ガイド、Pythonの紹介、入門講座などがまとめられています。
Python環境構築ガイドには
https://www.python.jp/install/install.html
Pythonのインストール方針、Python とAnacondaなどの記事、Windows, MacOS,Ubuntu, CentOSへのPythonのインストール法とインストールする際の注意点などが詳しくわかりやすくまとめられています。もっと早く知っておけばよかったと思うサイトです。是非参考にしてください。

また、こちらのサイトもおすすめです。
金子邦彦研究室へようこそ(トップページ)
https://www.kkaneko.jp/index.html
topページからたどれるプログラミング関係のページその他どれも役立つ情報満載です。
https://www.kkaneko.jp/pro/index.html

英語の線形代数のInteractiveな教科書が面白いです。講義動画も一つ紹介します。

線形代数学のオンラインの教科書が面白いので紹介します。

GIGAZINEのこちらの記事で知りました。
https://gigazine.net/news/20240519-immersive-math/

2020年ころの英語版の教科書で Immersive Math という短いオンライン版教科書ですが、オンラインでいろいろ試しながらinteractiveに学ぶことができるので面白いと思います。
たとえば第6章の行列の説明では、写真を行列で変換するInteractive Illustrationが載せてあるので、行列の成分をいろいろ変えて、写真がどのように変換されるかを試してみることができます。

英語の線形代数学の講義動画もあります。
Linear Algebra Crash Course – Mathematics for Machine Learning and Generative AI [Full 7h]
https://youtu.be/n9jZmymHX6o?si=kpF38FMQ5AyMtpjv

7時間弱で一通りの内容が学べるようでやさしい解説のようです。

科学の発展の仕方を学べる動画を紹介します―理論と実験の矛盾を科学はどのように克服して進むのか?

毎日暑い日が続いています。福岡ではアジサイの花が咲き始めて、毎日カエルが庭で大声で鳴いています。
今日は一日いろいろと作業で忙しかったので、面白い動画の簡単な紹介をしておきます。

おなじみのThe Royal Institutionの最新の動画です。
Space oddities – with Harry Cliff
https://youtu.be/PWNMWrTTBfk?si=ea0YmTe9Yx0iSG04

演者のHarry Cliffさんは、英国ケンブリッジ大学の素粒子物理学者で、CERNで研究している人です。今まで何度もこのチャンネルで講演しています。
著書も邦訳されているものがあります。「物質は何からできているのか アップルパイのレシピから素粒子を考えてみた」
https://www.kashiwashobo.co.jp/book/9784760154975

この講演では、理論と観測が一致しない不思議な現象を例にあげながら、どのように科学が進んでいくかをわかりやすく解説してくれています。話は水生の内側の軌道を回る未知の惑星バルカンの話、その存在が一般相対性理論で不要になったことから始まります。また最近話題になっている未知の力の存在を示唆するミューオンの磁気異常をどのように説明するかという話もとても面白いです。英語はわかりやすく日本語字幕も出せますので是非視聴してみてください。聴いて損はしない講演です。

講演は彼の最近出した本のプロモにもなっています。
Space Oddities: The Mysterious Anomalies Challenging Our Understanding Of The Universe
https://geni.us/5hGEtI

LinuxでGPUが使えるように設定する方法のまとめです。

今やGPUを使って科学計算をするのは必須の知識になってしまいました。GPUについては以前も何回かこのブログでとりあげたので末尾にリンクをまとめておきます。

今日は、この話題のGPUを設定して自分のPCのLinuxで使えるようにする方法についてわかりやすく書いてある記事をみつけたので紹介します。
GPUを一台または複数台、深層学習などのために設定する方法が書かれています。CUDA とPyTorchの設定が簡単にできるようになると思います。
「DEEP LEARNING WITH MULTIPLE GPUS」
How to Setup a Multi-GPU Linux Machine for Deep Learning in 2024
Super-fast setup of CUDA and PyTorch in minutes! by Nika
https://towardsdatascience.com/how-to-setup-a-multi-gpu-linux-machine-for-deep-learning-in-2024-df561a2d3328
以下はこのブログでの過去記事へのリンクです。

GPUってなに?と思ったときに参考になる記事や動画があります。

分子動力学シミュレーションソフトOpenMM8をLinuxにインストールしてみました。

FastAIの創業者Jeremy Howardさんによる深層学習の教科書と講義動画、cudaの解説動画などがあります‥

AlphaFold3の日本語解説記事や、PubMed SearcherというPubMedの網羅的検索用GPTの作り方の記事が公開されています!

AlphaFold3の日本語解説記事がでています。日本語で詳しい論文の解説が読めるのでとても助かります。是非読んでみることをお薦めします。

AlphaFold3の中身の日本語解説
2024年5月21日 佐藤 悠輝、古井 海里、大上 雅史(東京工業大学 情報理工学院)
https://zenn.dev/tonets/articles/dd8c3855eadb2b

また今日知ったのですが、
【ChatGPTとAPIを使って網羅的なPubMed検索できるGPT「PubMed Searcher」】
というツールの作成法が公開されています。
EARLの医学ノートhttps://drmagician.exblog.jp/でツールの作り方や最新バージョンが公開されてるので是非ご覧ください。
https://drmagician.exblog.jp/31031028/
最新改訂版はこちらにあります。
https://drmagician.exblog.jp/31183039/

これらの記事はChatGPT plusのユーザーが自分で専用のGPTをこしらえるための手引きです。
PubMedを運営しているNCBIからAPIキーを発行してもらって、それを使って筆者の方が公開して下さっている指示を適宜修正してChatGPTで使える自分専用のGPTを作成するという流れです。記事には大変わかりやすく、GPTの作り方が書いてあるので、GPTを作ったことがない人でも簡単に「自分専用の」PubMed検索用 GPTが作れます。私はGPTはほとんど使っていなかったので、是非この記事にそって自分用のPubMed Searcherを作ってみようと思います。作ってみたらまたこのブログで記事にします。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第10回)

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介も第10回となりました。今までに連番で101冊紹介しましたが、連番にする前に紹介した本も多いので興味のあるかたは検索欄に「個人送信資料」といれて探してみてください。では102 冊目から紹介を続けます。

102) 米本昌平 著『バイオエシックス』,講談社,1985.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12653483
生命倫理に関する本で、読んで見たかった本です。

103)杉田玄白 原著 ほか『現代文蘭学事始』,岩波書店,1984.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12590512
蘭学事始は有名ですが、現代語訳で読める本がありました。

104) 谷崎精二 訳『エドガア・アラン・ポオ全集』第1,春秋社,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12625485
推理小説の元祖ともいえるポオの全集が全部よめます。科学的推理を学ぶのにも役立つとされる作品も無料で読めます。

105) 夏目鏡子 著 ほか『漱石の思ひ出』,角川書店,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1347784
夏目漱石の奥さんによる思い出です。私もこの文庫版を読んだことがあります。だいぶ前にNHKでドラマ化されていましたね。

106) 『広瀬正・小説全集』6 (タイムマシンの作り方),河出書房新社,1977.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12478959
日本の有名なSF作家の全集が読めるのを知りました。

107) 中川直哉 著『分子の中の電子の流れ : 量子化学を学ぶ準備』,講談社,1985.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12704659
量子化学を学ぶ準備と題した本です。パラパラめくってみると面白そうです。

108) マイケル・ファラデー [述] ほか『ろうそく物語』,法政大学出版局,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12698988
ロウソクの科学の翻訳です。よみやすい本だと思います。

109) 『シュレーディンガー選集』1,共立出版,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621481
波動力学に関する論文が日本語で読めます。1と2の両方が読めます。

110) 湯川秀樹, 坂田昌一, 武谷三男 著 ほか『現代学問論』,勁草書房,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12277405
坂田昌一さんは名古屋大学の素粒子論グループを育成し、ノーベル賞受賞者を輩出した物理学者です。湯川、坂田、武谷による坂田昌一さんを交えた最後の対談や追悼文を収録した一冊です。とても良い本だと思います。

量子力学についてのやさしい動画が公開されています。

量子力学の入門動画や講義の動画をいくつか紹介しておきます。物理学者とティータイムのチャンネルのこの動画は面白そうです。
量子力学って何?【教えて物理学】 #002
https://www.youtube.com/live/Fbe95br13xQ?si=dmDtkjMPB3Yovamh
私はYouTubeの動画検索でよく「量子生物」とか「Quantum biology」などのキーワードを入れて検索します。すると半分以上はスピリチュアルな内容の物理ではないあやしい動画がヒットするものです。このLEOさんと夏生さんの動画ではスピリチュアルな量子力学の話題についても解説されていて、一般の方がみるのにおすすめの動画になっていると思われます。

量子力学をちゃんと学ぶには、前に紹介したことがある東北大学の大関先生の講義、量子力学Bをおすすめします。

新学期です。すぐれた物理の入門講義や講義テキストが公開されています。

大関先生の量子力学Bの講義は、本年の開講ですので今、ちょうど第6回まですすんでいます。
https://www.youtube.com/live/tWnG19RRBaU?si=v2f5e_fvJfM7XR0J

生命の起源についての新しい仮説の動画がありました。

英国ケンブリッジ大学のキャベンディッシュ研究所にあるLeverhulme Centre for Life in the Universeは、生命の起源、宇宙生命などを研究する研究所です。これはLeverhulme子爵(William Lever)という貴族・政治家・企業家の遺産によって設立されたLeverhulme Trustがケンブリッジ大学に寄付して設立された研究所です。この研究所のYouTubeチャンネルで、ハーバード大学の研究者による生命の起源についての講演があったので紹介します(今年の5月1日の講演の動画です。)

生命のホモキラリティー(簡単な解説は東京大学の石井先生のこちらのサイトにありますので参考にしてください。https://www.k-ishiilab.iis.u-tokyo.ac.jp/research/theme1/1-1.html)の起源についての新しい仮説です。身近な例でいえば、アミノ酸にはL体とD体という鏡に映った関係にある異性体があって鏡像異性体と呼ばれています。普通の化学合成ではL体とD体が同量できます。しかし生命は主にL型のアミノ酸を使っています。また糖ではD体が主に使われています。このように鏡像対称性を持つ分子の一方だけが選ばれて使われているのがホモキラリティーです。生命はホモキラリティーを利用することで、成り立っており、生命の起源の解明には、ホモキラリティーの生じた機構の研究も不可欠です。この講演ではホモキラリティーの起源としては、Chiral-induced spin selectivity(CISS effect:シス イフェクト)という20年ほど前に発見された現象の逆の過程で、磁気を帯びた鉱物の表面でホモキラリティーが生じずるというメカニズムを提唱しています。キラリティーがこうして破れた後、増幅していく過程もTCAサイクルにもふれながら説明していて大変興味深い仮説になっています。
Furkan Öztürk | A new spin on the origin of biological homochirality
https://youtu.be/nTg2a81kbVw?si=ZW8ByRd-cCQ3zvQK