Oxford大学で反応拡散方程式の生命科学への応用についての講義が公開され始めました。

生物のパターン形成について話すときには、Turingの反応拡散方程式reaction-diffusion equationの話が欠かせません。このブログでも何度かとりあげたことがあります。YouTubeのおすすめで、Oxford大学の数理生物学の教授 Ruth Baker さんによる生命におけるパターン形成と反応拡散方程式に関する学部3年生向けの講義(連続3回)が始まってその第1回が公開されているのを知りました。

反応拡散方程式が記述するモデルをどのように扱って検討するのか、また実際のパターン形成をどれくらいちゃんと予測できるのかなど具体的な解析方法が学べるようです。本格的な数理生物学の入門に最適の講義だと思います。

別の方の講義もあります。
https://youtu.be/-cdVUcwIR5Q?

Turingの反応拡散方程式といえば近藤滋さんですよね。近藤さんの動画もあります。埋め込んでおきます。この動画から上の動画、そして最初に紹介したOxford大学の講義という順番に見るとよいかもしれません。
https://youtu.be/XRLzr9lOd9w?

遺伝子のエンリッチメント解析やID変換ができるサイト―g:Profilerがとても役立ちます。

福岡は春爛漫です。家のサクランボの木もたくさん実をつけて二度ほど収穫できました。さくらんぼうは綺麗ですね。できるだけ近所の子供たちにもあげるようにしていてさくらんぼうは綺麗だったなぁと思い出になってくれたらと思っています。

今日は遺伝子発現データのエンリッチメント解析をやっていました。以前はMetascapeの紹介もしたのですが、今日は線虫用のエンリッチメント解析サイトWormCatと結構昔から開発が続いているg:Profilerを使っていました。g:Profilerのサイトはこちらです。https://biit.cs.ut.ee/gprofiler/gost
開いたページはエンリッチメント解析用のg:GOStのページです。プルダウンから種を選んで左にあるQueryと書いてある下の箱のなかに遺伝子名のリストをペーストします。改行でくぎられたリストでも空白で区切られたリストでもOKです。二つの遺伝子発現リスト(変異体と野性株に対する薬剤投与後の遺伝子発現リストなど)を比較してエンリッチメントされているGOタームに差があるかどうかなどを、Run queryボタンを押した後で出力される図やダウンロードできるボタンにある結果のまとめのGMTファイルで検討することができます。二つ以上のリストを入力するときには右にあるOptionsにある一番目の遺伝子リストの前にFASTA型式のコメント(”>Wild_type_gene_list”のように”>”ではじまって空白をいれないようにしたコメント)を入れておくとよいと思います。二番目の遺伝子リストの前にも同様にFASTA型式で>Mutant_type_gene_listなどとコメントを入れておきます。あとはRun queryボタンを押すだけです。GO termのあいまいさがあるときは画面に選択肢のリストがでてきますのでよく読んでどうするかを指示します。その後Rerun Queryボタンを押して解析を続ければOKです。

g:Profilerの使い方については動画や参考pdfがあります。

https://togotv.dbcls.jp/en/20200127.html
これは、「g:Profiler を使ってエンリッチメント解析と ID 変換を行う」という題の動画です。YouTubeの動画を埋め込んでおきます。
https://youtu.be/J8OFUApev3s?

g:Profilerは遺伝子のID変換もできるんです。
使い方のスライドpdfはこちらです。こちらはOptionsの設定やカットオフ値の設定など具体的に書かれていて役立ちます。
https://tess.elixir-europe.org/materials/introduction-to-g-profiler
View materialとあるオレンジ色のボタンからpdfをみることができます。

AI時代のPythonの学び方についての動画が公開されました。

次の動画は、Pythonの学び方が変わってしまって、初心者にも簡単に学べるようになったという動画です。Pythonを学習するのは今が絶好の時期だそうです。AIを使ってPythonプログラムを作るコツを惜しげもなく公開されているよい動画です。

『生成AIと学ぶPythonデータ分析再入門』アクセンチュア株式会社 赤石 雅典氏(2025年4月24日webセミナー)

 

私は最近、ChatGPTでPythonのプログラムを書いてもらっています。この講演を聴きましたが、現在はPythonを学ぶのに最適な時代になっているんですね。Pythonを学ぼうと思っている方、使っている方にも参考になる動画だと思います。YouTubeで公開されました。
https://youtu.be/gNQQl0Z8o9o?
講師の先生はPythonやChatGPTについての教科書をたくさん書いている有名な方です。

NHKの番組、スイッチインタビュー「角野隼斗×山下真由子」をみました!

Eテレのスイッチインタビューをみました。よい番組でした。
世界的に有名な数学者山下真由子さんの数学をはじめた動機やいままでたどった経歴などがよくわかって感動しました。
再放送5月5日(月) 午後2:30〜午後3:00があるのでまだ見ていない方は是非ごらんください。
NHK plusでも見ることができます。
NHKのサイトからの引用です。番組内容がよくわかります。
https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/episode/te/JZRKY21213/

スイッチインタビュー
「角野隼斗×山下真由子」EP1 初回放送日:2025年5月2日

ショパンコンクールのセミファイナリストにして、東大卒のピアニスト・角野隼斗。クラシック音楽の魅力を伝える人気YouTuber「かてぃん」としても知られる。そんな角野が対談を望んだのは・・・東大時代の同級生、数学者・山下真由子。学部3年から大学院に飛び級、23歳の若さで京大助教に就任した異才だ。これまであまり取材を受けて来なかった山下が、元同級生の胸を借りて研究・数学への思いを語り尽くす。

番組の中で黒板を使って山下さんの研究の話をされている場面の完全版とあわせて見ると、はじめて内容がよくわかると思いますので以下のツイートにある完全版も是非みてください。

英国の天才的数学解説家の講演動画と面白い彼のサイトを紹介します。

2月に紹介したエピジェネティクスの動画は英国ケンブリッジ大学のDarwin collegeのCode2025という一般向け講演シリーズの一つでした。同じシリーズの動画が今日、YouTubeのおすすめ動画にでてきたので紹介します。これは数学を一般の方にわかりやすく説明する天才、Tom Crawfordさんの動画です。Cambridge 大学で流体力学の研究で博士号をとった人で、Oxford大学の生涯教育部門で公共啓発リーダーとして科学を一般の人と共有する仕事を進めています。また学部教育の数学も教えているそうです。

人気のYouTuberでもあり22万人を超えるチャンネル登録数のチャンネルをもち、BBCやRoyal Institution での放送や講演、TED talkやクイズ番組に出演するなどしているほか、自身のホームページで数学の魅力をつたえる活動に従事しています。

Crawfordさんのホームページにアップロードされている動画を埋め込んでおきます。
Darwin College Cambridge Lecture Series – Dr Tom Crawford
https://youtu.be/XQXXWxKfjh0?

Darwin collegeの公式チャンネルにも同じ動画が演者の紹介の部分も含めてアップロードされています。こちらは例によって埋め込み禁止ですので、リンクをクリックしてご覧ください。

https://youtu.be/MSeiPcbAziU?
このCrawfordさんのサイトですが、これは面白いサイトです。
https://tomrocksmaths.com/
いろんな数学に関する情報があつまっていて、みていると時間がたつのを忘れてしまいそうです。おすすめのサイトですので是非一度ご覧ください。

量子生物学の教科書を書いて公開している人がいます。

量子生物学は今盛んに研究されている分野です。ゴードン会議でも量子生物学の会議がとりあげられるようになったのは研究者が増えてきた証だと思います。このゴードン会議に参加していた人が、量子生物学の教科書がまだないという若い人の声にこたえて書いているのがこちらの教科書です。さっき知ったばかりでまだざっと目をとおしただけですが、量子生物学の入門には役立ちそうに思えます。プレプリントサーバーのarxive.orgにアップロードされているモノグラフです。

[Submitted on 14 Mar 2025]
Physical Principles of Quantum Biology
Nathan S. Babcock, Brandy N. Babcock
https://arxiv.org/abs/2503.11747

Cite as: arXiv:2503.11747 [physics.bio-ph]
(or arXiv:2503.11747v1 [physics.bio-ph] for this version)

https://doi.org/10.48550/arXiv.2503.11747

全部で169ページのモノグラフで、本文は69ページと短く、残りはAIを活用して作られた初心者向けの簡単な用語解説と1754もの文献リストになっています。著者はこんな論文を書いている人です。
https://www.csbj.org/action/showPdf?pii=S2001-0370%2824%2900401-X
YouTubeのチャンネルもあるそうです。
https://www.youtube.com/@drbabcock

米国科学アカデミーの新会員による各自の研究紹介動画が公開されました!

米国科学アカデミー (The National Academy of Sciences)は非営利団体で会員は研究成果によって毎年選出されます(国内、国際会員)。有名な国際誌PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United Stats of America)の発行元としても有名です。ツイートはnitterなら誰でもみることができます。科学関係のツイートが毎日更新されているので是非チェックしてみてください。
https://nitter.net/theNASciences

先日、NASの年会があってそこで選ばれた会員数名による各自の簡潔な研究紹介講演がありました。YouTubeで限定公開されているので是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/live/OC5ECHm3v00?
蝶の羽の模様や色はどうして決まるのか?パルサーとはどんなものなのか?結核菌に対する免疫とは?その他動画をまじえたわかりやすい最先端の科学者による研究紹介でとても面白いと思います。講演の内容はこちらにリストされています。

https://nasonline.swoogo.com/NAS162_researchbriefings?

NASのツイートでも、一連の講演が紹介されていました。2つほど埋め込んでおきます。

新学期であちこちの大学で講義動画や講義資料の公開が始まっています!

新学期がはじまって、大学の講義動画や講義資料がたくさん公開されています。
今日はいくつか、そうした動画や資料を紹介します。
たとえば、東北大学の大関真之先生の一連の講義はとても勉強になります。
このブログでも何度も紹介していますが、以下の先生のYouTubeの再生リストから自分にあったものをみつけて一学期、じっくり勉強するとよいでしょう。あちこちのYouTube動画をあさるより、一度このようなしっかりした講義を聴くのが科学の理解への近道だと思います。
先生の講義:応用数学A, B 量子力学B などは当該分野を学ぶ基礎として十二分の講義だと思います。また高校物理をあつかっている動画もあるので受験生にも役立ちます。
https://www.youtube.com/@mohzeki22/playlists

他にも神戸大学の中澤 港先生の次の講義資料も魅力的です。


このブログでもたびたび紹介しているRやそのグラフィカルインターフェイスのEZR(R Commanderのプラグイン)ですが、これらを利用すればたいていの統計解析は簡単にできてしまいます。中澤先生の講義資料は最新のRについての情報がまとまっているので、どんな分野の人にも役立つものです。また実験の計画、データの取得や扱いの注意なども詳しく書かれているので統計解析する前に知っておくべき基礎知識・常識をつちかうのにも最適です。是非ダウンロードしてお読みになることをお薦めします。

写真は散歩途中に咲いていたキンランの花です。毎年4月20過ぎくらいに咲いているのをみかけます。夕方になると花を閉じますが午後2時ごろには大きく花開いていました。小さくてきれいな花です。

九州国立博物館の特別展はにわ を見てきました!

今日は九州国立博物館で開催されている特別展「はにわ」を見てきました。朝一番に入館したのでけっこうすいていてゆっくり観覧することができました。これはすばらしい展覧会でした。はにまるくんの写真の前で記念写真をとっている人もいて楽しい、平和な光景でした。これほどたくさんの有名な「はにわ」が集まっているのを見るのははじめてで、まだ見ておられない方は是非ご覧になることをすすめます。5月11日までの開催(5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)は休館)です。
https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s72.html

九博のサイトにある以下の動画で予習することをおすすめします!
『特別展「はにわ」を担当研究員がご紹介!』
https://youtu.be/jMv32x7MYLw?

この動画にある2mもある巨大な円筒埴輪や、大きな家の埴輪、挂甲(けいこう)の武人、かわいい動物たちの埴輪など時間のたつのを忘れて見入ってしまうことうけあいです。踊る人の有名な二体のはにわもありますが、踊っているのではなくて傍に馬の埴輪が埋めてあったので、馬をひいている人かもしれないとの説が有力だそうです。

こちらの動画をみてからっ実物を見ると理解がさらに深まります。
『特別展「はにわ」みんなの質問にこたえよう!スペシャル!!』
https://youtu.be/RNH6YclHS6g?

埴輪の本では次の本をお薦めします。埴輪についてのすべてを東京国立博物館の研究員の方がわかりやすく解説しています。うちの奥さんはこの本を読んでから今日 九博にでかけました!

「はにわのヒミツ」
河野 正訓/著山本 亮/著
A5判128頁2000円+税 ISBN 978-4-7877-2415-1
2024.10.30発行[新泉社]
https://www.shinsensha.com/books/6696/

一部の埴輪は写真撮影が禁止されています(撮影禁止表示があります)が、挂甲(けいこう)の武人や動物埴輪などを含むほとんどは写真撮影も可能でした。

無料で使えるオープンソースの画像エディタGIMPを使ってみましょう!

私はAdobe Photoshopのユーザーですが古いバージョンを使っていて最新版のサブスクリプションはしていません。
でも以前はGIMPというフリーでオープンソースの画像エディタもPhotoshopの簡単な代替品として時々使っていました。
GIMPはthe GNU Image Manipulation Program (GIMP)の略だそうです。サイトはこちらです。
https://www.gimp.org/
このGIMPはWindows, Mac, Linux版があって無料で使えるPhotoshopの代替品としてとても優れたものだと思います。サードパーティーのプラグインもいろいろあるようで画像エディタとして部分的にはPhotoshopを超える機能も実装しているそうです。
今年になってようやくGIMPのバージョンアップが完了したとのことで、GIMP 3.0のシリーズ(現在は3.0.2)は、各OS版がこちらからダウンロードできます。
https://download.gimp.org/gimp/v3.0/

GIMPの使い方は日本語ではYouTubeの解説がいろいろあるので検索してみてください。たとえばこちらなどもよさそうです。

『GIMP3.0で大幅に改善して大規模アップデート!Photoshopに近づいた!何が変わったか解説!』
https://youtu.be/_1S0sMwFN04?

この動画をつくっている方の本もあります。Kindle unlimitedにこの本がいっているので、今やっているKindle unlimitedの2か月無料キャンペーン
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/bookwatch/sale/2010081.html
などを使って読んでみるのもよいと思います。