昨日紹介した糖鎖生物学の教科書についての追加情報です。

昨日は、Essentials of Glycobiologyという有名な糖鎖生物学の教科書が、無料でダウンロードできることを紹介しました。オンラインでも読めるのですが、オンライン版も是非利用してください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK579918/
オンライン版にはアップデート項目Online Appendix が追加されていますし、本文の図をオンラインで表示するとPowerPointスライド(Teaching Slide) をダウンロードすることもできます。たとえばこちらのリンクをご覧ください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK579944/figure/CSHLP5087CH29F1/?report=objectonly

正誤表Errataも掲載されています。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK581943/
ダウンロードした本でチェックしましたが、Errataの内容は反映されていませんでした。オンライン版のerrataを参照しながら読んでください。
私はKindleのアプリをiPadにいれていますが、この教科書をKindleにいれて読んでいます。
EPUB 型式の本ですので、iPadのブックで読むこともできます。もちろんCalibreなどのフリーソフトでpdfに変換することもできると思います。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/calibre/

糖鎖生物学の有名な教科書Essentials of Glycobiology 4th editionが無料でダウンロードできます!

オンラインで読める糖鎖生物学の標準的教科書Essentials of Glycobiology 4th editionが無料でダウンロードできるようになっています。
出版社であるCold Spring Harbor Pressの次のページにepub版のダウンロードリンクがあるので、クリックするとダウンロードできます。

https://cshlpress.com/default.tpl?action=full&–eqskudatarq=1358
オンライン版については昔紹介しました。オンラインでよむより自分のタブレットやPCにダウンロードして読めるのははるかに便利ですね。
是非読んでみてください。検索もできるので糖鎖生物学について何か知りたいときには、知りたい単語を検索してみるのがおすすめです。

糖鎖生物学の教科書Essentials of Glycobiologyの最新版(第4版)がオンラインで公開されました。

最後におまけです。糖鎖生物学者でクリックケミストリーの仕事でノーベル賞を受賞したBertozziさんのポドキャストが聴けます。こんな言葉がサイトに掲載されていました。いい言葉です。https://shows.acast.com/nobelprizeconversations/episodes/carolyn-bertozzi

“Your purpose as a scientist is not to achieve fame or money, that is not your purpose, those might be side effects and good for you, that could be wonderful for you but it is a side effect, it is not the main goal. The main goal is to make discoveries and gift them to humanity. And those discoveries and that knowledge stays with humanity long after you are gone.” — Carolyn Bertozzi on the scientist’s purpose.

国立国会図書館デジタルコレクションの使い方―公式動画が公開されています。

いつも紹介している国立国会図書館のデジタルコレクションについてのツイートをみつけました。図書館員向けと銘打ってありますが私達でも十分役立つ動画で参考になると思います。


こちらのリンクに教材の動画へのリンクと、資料のダウンロードリンクがのっています。
https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/remote/index.html

新しい研修教材は三つあります。
上のリンクにある2番目の資料の紹介をしておきます。他の2つも役立ちそうですので興味があればご覧になるとよいと思います。

『国立国会図書館デジタルコレクション―国立国会図書館の提供するレファレンスツールを使いこなす―』
https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/remote/referencetool_dl.html
https://youtu.be/pAz_QloQ3cw?si=ssCkF62C215xImm3

チューリッヒ工科大学のAI in the Sciences and Engineeringというすごい講習会が公開されています!!

英語の講演会ですがこんなすごい講習会が開催されて、YouTubeで動画をみることができます。スイスの名門校チューリッヒ工科大学で開催された講習会です。
AI in the Sciences and Engineering (2024)
動画をみることができるだけでなく、スライドや教材もダウンロードできて手を動かして学ぶことができるようになっています。これは夏休み必見の講習会ですね。毎日暑いですが物理、化学、生物、工学などでのAIの応用について学べるのでおすすめです。修士レベルの講習会のようですが、(スライドを見ただけで動画はまだみていないのですが)ちょっと背伸びして学びたい学部生にもお勧めできる内容だと思います。
こちらの講習会のホームページをご覧ください。
https://camlab.ethz.ch/teaching/ai-in-the-sciences-and-engineering-2024.html

解くのが難しかったり、コストがものすごくかかったりする偏微分方程式PDEを深層学習で解くという話を軸に、AIの基礎と応用が学べるようになっているようです。チュートリアルもGitHubにまとめてあって、最初はPyTorchの実習です。
https://github.com/camlab-ethz/AI_Science_Engineering
イントロの動画はこちらです。
ETH Zürich AISE: Course Introduction
https://youtu.be/LkKvhvsf6jY?si=KEpC8A9o5-bgVq2P

数学嫌いの人のための動画や、圏論の新しいソフトパッケージが公開されています。

How does maths influence our everyday life? – with Eugenia Chengというタイトルの動画が公開されました。
https://youtu.be/_FNpKjs0Va0?si=JkICJpPHEqjh4zeC
これはRoyal Institutionでたびたび講演しているChengさんの最新動画です。彼女の新刊 Is Maths Real? How Simple Questions Lead Us to Mathematics’ Deepest Truthsの紹介を兼ねた講演です。

Chengさんの圏論の入門動画は以前紹介しました。以下の記事でChenさんについても簡単に紹介していますのでご覧ください。

圏論Category Theoryの英語の入門講演を紹介します。

圏論と言えば、圏論の無料ソフトが公開されています。Wolfram Languageで動くものでMathematicaなどから使えるようです。こちらにどんなことができるかなどが書いてあるプレプリントがありますので、興味のある方はご覧ください。

Applied Category Theory in the Wolfram Language using Categorica I: Diagrams, Functors and Fibrations
Jonathan Gorard
https://arxiv.org/abs/2403.16269
著者のツイートはこちら。https://nitter.poast.org/getjonwithit
Categorikaのコードが公開されている彼のGitHubはこちらです。https://github.com/JonathanGorard
Gorardさんは、Wolfram Physics Projectの主要な研究メンバーで、新しい枠組みで一般相対性理論や量子力学などを再構成している人です。万物の理論の一つであるWolfram Physicsにも注目してみると面白いかもしれません。

新撰組の女剣士―中沢琴について調べてみましょう。

昨日は、アメリカに剣術を広めた森寅雄の話をしました。紹介した本、『上毛剣術史 下巻』に森寅雄の話が書いてありました。上毛剣術史には上巻、中巻もあります。

諸田政治 著『上毛剣術史』上,煥乎堂,1979.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12145526 (参照 2024-07-31)
上毛というのは群馬県のことで、上巻は法神流という群馬県赤城村で生まれた剣術の流派についてまとめられています。法神流の剣士といえば新撰組にはいっていた中沢良之助が有名ですが、その妹の中沢琴もやはり新撰組に男と偽って入っていた剣士として有名です。NHKの時代劇でとりあげられていましたが、最近のゲームにも登場するとか聞いたことがあります。次の本に琴のことも書いてあるので興味のあるかたはご覧ください。

小西敬次郎 著『上毛剣豪史』上,みやま文庫,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12142133 (参照 2024-07-31)

こちらにもっと詳しい文献調査の結果がのっています。
『新徴組に参加していた中沢琴についての資料があるか』 レファレンス協同データベース(レファ協)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000206468

これは、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、レファレンス(調べものの相談)のデータベースです。
https://crd.ndl.go.jp/reference/

調べ物のやり方も学べるのでこの機会にいちどいろんな調査事例をながめてみるとよいでしょう。調査の仕方も学べるようになっています。

上毛剣術史 中巻は上泉信綱の伝記になっています。
諸田政治 著『上毛剣術史』中 (剣聖上泉信綱詳伝),煥乎堂,1984.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12149827 (参照 2024-07-31)
新陰流の創始者の詳しい伝記です。海道龍一郎の『真剣』(新潮文庫)はこの上毛剣術史をもとに書かれたそうです(著者あとがきによる)。昔は古書店を巡って探さなくてはならなかったこうした本がオンラインで読めるのはすごいことですね。

フェンシングの金メダルの報を聞いて思い出した名前。

オリンピックで続々とメダルがでていますね。フェンシングでは加納虹輝選手がエペで、個人として日本初の金メダルを獲得したと大きく報じられていました。おめでとうございます。このオリンピックのフェンシングのニュースで思い出しました。皆さんは森寅雄という名前を聞いたことがありますか?

ベルリンオリンピック(1936年)の時のアメリカチームのコーチだった森寅雄は、アメリカに剣道を普及させた昭和の武蔵と呼ばれていた天才剣士です。
渡米してアメリカでフェンシングを習い、最初は負けていたのですが剣道の経験を生かして工夫し、負けた相手に再戦を挑み完勝。さらに3本勝負を連続で6人の相手に行い、18連勝したという話です。こちらの本に書いてありました。
諸田政治 著『上毛剣術史』下,煥乎堂,1991.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12144163 (参照 2024-07-30)
該当箇所はこちらです。
https://dl.ndl.go.jp/pid/12144163/1/360
たったフェンシングを習い始めてわずか6ヵ月のトレーニングで全米フェンシング選手権準優勝(誤審で優勝を逃したともいわれています)を勝ち取っています。1960年、1964年、1968年のオリンピックにコーチとして参加したと、国際フェンシング連盟のサイトに書いてありますからすごいですね。以下に引用しておきます。
Torao Mori practiced Kendo (Japanese fencing) before moving to the United States and discovering fencing. He came 2nd at the U.S. National Fencing Championships. It was a great shock to see him almost winning the championship after training only for 6 months. Due to his strength as well as his name, he was called “Tiger Mori.” He participated in the 1960, 1964 and 1968 Olympic Games as a coach.

アメリカでは尊敬をこめてタイガー・モリと呼ばれていたそうです。このサイトHall of fameには日本人は三名しか掲載されていません。
https://fie.org/fie/structure/hall-of-fame

加納選手も太田選手のようにこのサイトにのるのでしょうね。金メダルおめでとうございます。

森寅雄というのは司馬遼太郎さんのエッセイではじめて知った名前だったのですが、こちらのサイトにさらに詳しく書かれています。
よいサイトなのに」広告があって見にくいのでBraveでのアクセスをおすすめします。
https://serai.jp/tour/1040630

シッフの量子力学の教科書が無料でダウンロードできます。

ツイートをみていたら、有名なSchiffの量子力学の教科書が無料でダウンロードできるのを知りました。


この出版社のサイトからは他にも数学の本https://www.bwpest2018.org/books/mathematics.htmlなどが無料ダウンロードできます。

これとは別に統計の本も無料で読めるのを知りました。統計的手法の誤った使い方について学べるよい本ですので是非ダウンロードしてみてください。

『ダメな統計学』 https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/pluginfile.php/6536/mod_resource/content/1/%E3%82%BF%E3%82%99%E3%83%A1%E3%81%AA%E7%B5%B1%E8%A8%88%E5%AD%A6.pdf
英語版はこちらで公開されています。https://www.statisticsdonewrong.com/

量子論の発展史の動画と、物理学者とティータイムの動画がでていました。

昨日は町内の夏祭りで、たまたま夏祭り委員というのになっていたので朝から会場設営、夜は組対向、輪投げゲームなどの補助と、無事終了後の会場後片付けなどをやっていました。暑い一日でしたが空が澄み渡ってとてもよいお祭り日和でした。町長さんとか議員さんもこられて町内出身者がオリンピックにでているので応援してくださいというようなお話もあってもりあがりました。
さて、今朝の会場後片付けが終わってほっとして、YouTubeをみるとDr. Jorge S. Diazの新しい動画がでていたので、早速見てみました。
Connecting classical and quantum physics
https://youtu.be/PpuUeL2WvjM?si=5UdfmZDXAkKOMaxK

例によってYouTube側の広告と、動画内の広告があるので視聴の流れが止まります。
ブラウザをBraveにして、動画内の広告はスキップできないので我慢してみることをおすすめします。YouTubeの広告は今までにまして増えてきていると思います。広告が多すぎるので広告をだしている会社にはよい印象がもてませんね。
さて動画の内容ですが、いつものように量子論の発展史を論文をもとにわかりやすく解説してくれています。今回は論文にでてきた数式が、テーラー展開すると古典論の数式になるということをわかりやすく解説しています。Bohrの原論文へのリンクもありますので動画をみたあとに眺めてみるのもよいでしょう。数式がたどれるようになるので原論文も読めるという感覚が味わえると思います。よい動画です。

もう一つは、物理学者とティータイムの動画です。LEOさん夫妻はフランスから帰国されたようですね。
エウレーカ!銭湯のアイデアで物理学者に?!
https://youtu.be/C5dFvfVAFc8?si=tLWaKsWaphzY5n_B

佐々木閑先生のAIと仏教の動画が参考になります。

理系出身の仏教学者 佐々木閑先生の動画の紹介です。ミリンダ王の問いの講義がつづいていましたが特別回だそうです。『特別回 AIと仏教 その1』
https://youtu.be/r_F6YoGkcaI?si=LUGCiHC0jpwAt3PG

昨日、AlphaFoldを生み出したGoogleのDeepMindが開発した、AlphaGeometry 2と強化学習を利用した形式推論システム AlphaProofの二つを組み合わせる手法で、数学オリンピックの問題を解くとなんと銀メダルレベルの得点をはじき出したというニュースがながれていました。動画ではその話題も含めて、AIの今後について仏教の立場からの議論が展開されており、大変参考になると思います。国際数学オリンピックの問題が解けたというツイートも埋め込んでおきます。