先日固定ページで紹介したNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか? abc予想証明をめぐる数奇な物語」(=完全版(90分)+簡略版(60分))の望月新一先生による講評が先生のブログに掲載されていました。
「2022年4月のNHKスペシャルに対する「合格発表」: 前半はぎりぎり合格、後半は不合格」というタイトルです。最初の段落を引用します。
「2022年4月に放送されたNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか? abc予想証明をめぐる数奇な物語」(=完全版(90分)+簡略版(60分))を閲覧しました。NHKという看板(やその看板から推測される潤沢な予算)と立派に釣り合う、高精細なCG技術や世界規模の取材ネットワークとは裏腹に、残念ながら、多くの視聴者の誤解を招くような、様々な不正確な内容もありました。誤解や不正確な情報の拡散に歯止めを掛けるためにも、また最も中核的な当事者である私自身の考えに関する明示的な記録・「証言」を残すためにも、番組内の不正確な内容について、この度、ブログ記事という形で補足的な解説を公開し、警鐘を鳴らすことに致しました。」
私はNHKスペシャルの60分版と90分版、どちらも楽しくみさせてもらいました。掛け算と足し算の違いについてわかりやすく説明されていて、なぜ足し算のほうが、掛け算より未知の問題が多いのかの理由を垣間見ることができたように感じました。ただ後半についてはポアンカレの言葉を引用してそれと対照的な考えを望月先生が使っているので数学者でさえ理解が難しい、というようなあいまいな話で終わっていたような気がしました。出演された数学者の方の、私達は今、アインシュタインの一般相対性理論の提唱に匹敵するような革命に立ち会っているのかもしれませんというような内容の発言がとても印象的でした。
しかし、望月先生のブログによると、こうした内容が含まれている後半は不合格ということでした。理由も先生が詳しく書かれていますので是非お読みください。NHKスペシャルの製作者の皆さんが、特殊相対性理論と一般相対性理論が提唱された時に、今回のNHKスペシャルのような一般向けの番組をつくったとしたら、やはり大変な困難に見舞われたと思われます。そうしたチャレンジングな課題に挑戦された製作者の皆さんに感謝するとともに、望月先生の「合格」の講評が得られるような新しい番組を、是非見てみたいと期待しております。
MRC LMB (英国ケンブリッジ)ではThe 2022 Introduction to Biophysical Techniques lecture seriesというのをやっています。



余談になりますが、先生が
今日は科学とは関係のない話の紹介です。私の母から聞いた話です。母は幼いときに実母を病気でなくし、すぐ継母がきて奉公にだされたそうです。母が7歳の時、母のお母さん(当時29歳)が病気で亡くなる日のことでした。親戚が集まっており、私の母は病気のお母さんの隣の部屋で親戚の人に寝かしつけられていたそうです。眠っていた母がふと目をあけると、ふすまのところにお母さんが立っているので、「おかあちゃん元気にならはったんや!」、「おかあちゃんがそこに立ったはるやん!」と喜びの声をあげたそうです。しかし大人には何も見えていないようで、大人たちが、ものすごく怖がっていたと、母が話してくれました。私の母のお母さんはその日に亡くなったのでした。私の京都の家には、私の母のお母さんの位牌がありました。母が毎日その位牌に御線香をあげて手を合わせていたのを覚えています。私の母が亡くなった後、母の位牌も作って仏壇に並べたのですが、片付けているときに二つの位牌の裏を見て驚きました。私の母の命日と、母のお母さんの命日は同じだったのです。年末も近い、寒い京都の冬の日でした。