機械学習のための数学の教科書(英語版)の紹介です

今日は参議院選挙の投票にお昼ごろでかけました。投票場はとてもすいていて 同時に投票している人は3人くらいでした。前の人は投票証明書をくださいといっていたので、お店の選挙割を利用するんでしょうね。「投票すればラーメン無料」とかいうあれです。気温は高かったですが湿度が低いので快適な投票日でした。

さて時々、機械学習や深層学習の本を紹介しています。
今日は機械学習に必要な数学を学べる英語の本が無料公開されていたので紹介します。Mathematics for Machine LearningというCambridge University Pressから出た本(2020年4月刊)のpdf版です。ケンブリッジ大学出版会のページはこちらです。https://www.cambridge.org/jp/academic/subjects/computer-science/pattern-recognition-and-machine-learning/mathematics-machine-learning?format=PB
下のほうに書評もでていて、しっかり機械学習の数学を学ぶにはよさそうです。著者の序文によると高校数学と物理がわかっていれば読めるということです。

こちらに著者のホームページがあり、https://mml-book.com
Table of Contentsの下のほうにあるDownloadsのところにPDF of the bookというリンクがあります。これが最新版へのリンクです。クリックしてダウンロードしてみてください。紙の本も売っているのですが高いです。無料版のpdfを読みながら、上に紹介したホームページにある練習問題やJupyter notebookを利用しながら学べます。興味のある方は序文や目次をのぞいてみてください。

やさしい自然科学の啓蒙書とニールス・ボーア伝を紹介します

昨日、安倍元首相が暗殺されました。私の子供のころ、ケネディ大統領が暗殺されたのを思い出します。大統領が暗殺された日、日本のテレビで初の宇宙中継があるというので早起きして家族みんなでテレビの前に集まって開始を待っていました。宇宙中継というのは人工衛星経由の生中継のことで、その日が日本で最初の宇宙中継だったのです。ケネディ大統領の演説が生できけるということで皆楽しみにしていました。するとケネディ大統領が暗殺されたという驚きの放送が始まり、皆でびっくりしたのを覚えています。ケネディ大統領は、キューバ危機による核戦争を防いだ大統領というので日本でも世界でも人気の大統領でした。キューバ危機の時は、学校から帰ってくると大人たちが家の前で集まって、新聞をみんなで読んでいたのを思い出します。核戦争になるかもしれないとみんな心配していました。それを防いだ人気の大統領が暗殺され、その後、弟さんのロバート・ケネディも暗殺されました。キング牧師の暗殺とかもあって、当時のアメリカは恐ろしい国だと思いました。そういう暗殺事件が昨日 日本でおこったのは本当になさけないことです。ご家族、関係者の皆さんにお悔やみ申し上げます。

昨日は大学院レベルの本の紹介でしたが、今日は高校生、中学生レベルから読める本を一冊紹介します。これは翻訳が国立国会図書館のデジタルライブラリ―にあって、個人送信資料で読むことができます。「自然の驚異 : 星の進化から生命の発生まで」(藤岡由夫訳河出書房)という本で、オーストリア出身でアメリカにわたった物理学者ワイスコップ教授が書いたやさしい啓蒙書です。エジソン賞という本の賞を授賞したと帯にありました。これは太陽系や星までの距離をどうやって測るかという話からはじめて、銀河系におよび、原子や量子の話から化学や生命、進化いたるという本です。とてもわかりやすく書かれており、是非復刊してみんなに読んで欲しい (私は持っています)と思っていた本です。表紙と口絵の一枚を、個人送信資料のページからスクショして貼り付けておきます。口絵には水素原子の電子雲の写真がのっていて、私はこの本ではじめて電子雲を知ってわくわくしました。

ワイスコップ教授はハイゼンベルグやニールス ボーアのところで学んだ物理学者で、アメリカでは原子爆弾開発で重要な役割をはたしていたそうです。個人送信資料にはこの本の初版の翻訳があるのですが、https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382016
この本は改訂版がでています。日本語訳はありませんが、Internet Archiveでは英語で書かれたが貸出できます。https://archive.org/details/knowledgewonder0000unse
原書のタイトルは Knowledge and wonder; the natural world as man knows itで、 Victor Frederick Weisskopfが著者です。

あと日本語版のあとがきに訳者の藤岡先生が書かれていますが、藤岡先生が翻訳されたニールスボーアの伝記(ニールス・ボーア : 世界を変えた科学者 ルース・ムーア 著)があって、ハイゼンベルグの日本語版への序文つきで出版されています。これも個人送信資料で読めますのでご覧くださ。藤岡先生もハイゼンベルグやボーアと親交のあった先生です。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2983497

Internet Archiveから本を借りてみました

今日はInternet Archiveから本を一冊紹介します。 Internet Archiveにアカウントをもっている人は簡単に一時間貸出で読むことができます(アカウントは無料で取得できます)。ただ貸出は普通の図書館と同じで、一冊の本を複数の人が同時に借りることはできません。ですから、貸出できないこともあると思います。そういう時は時間をおいてから貸出するとよいでしょう。
以下は私の貸し出しの例を紹介します。

手元に有名な物理学者だった渡辺慧先生の「知識と推測―科学的認識論―(村上陽一郎、丹治信春 訳で全4巻)」の第一巻があります。残りの本を買おうか買うまいかと迷っているうちに、もう古書でしか入手できなくなっていました。私の持っている本は、四分冊で一冊1500円でしたが、古書は上下二巻の新装版で一冊11000円、合計22000円の値段がついています。渡辺先生はハワイ大学教授だったのでこの翻訳本の原書は 英語で出版されています。Knowing and guessing; a quantitative study of inference and informationという本です。Internet Archiveで検索してみるとBooks to Borrowになっていて、ネットで借りることができるのがわかりました。
https://archive.org/details/knowingguessingq0000wata/page/n9/mode/2up

上は貸出して本を開いたところです。全画面表示でみています。これなら無料で読めるので、内容を知らずにやみくもに日本語訳の古本を注文する前に一度読んでみることができます。さっそく借りて残りの部分をみてみましたが、結構難しい本だとわかりました。目次はこんな感じです。

この本は情報理論と推測、量子論理などをあつかっています。翻訳本は大学図書館などにあるかもしれませんので、英語の本をみて読みたいかたは、借りてみるとよいでしょう。明日はもう少しやさしい本を紹介します。

岡田節人先生の思い出

個人送信資料で昔読んだ本などを眺めていると学生時代のことが思い出されます。今日は私の恩師である岡田節人先生のエピソードを紹介します。丁度今頃の季節だったと思います。大学院入試の前に、岡田節人先生に手紙を書きました。院試を受ける前に一度先生の研究室を訪問させていただきたいという内容の手紙です。お返事を頂いたので指定された日時に京大の生物物理学教室の二階にあった岡田研究室を訪問しました。その時は細胞接着の細胞選別の理論 differential adhesion hypothesisで有名なMalcom Steinberg先生が研究室に滞在されていました(リンクは2012年にSteinberg先生がなくなったときのプリンストン大学の記事です)。それでSteinberg先生や大学院生の方々を交えてお昼休み、お茶のみ場で岡田先生のお話をうかがうことができました。私は京都教育大学の学生だったのでそのことが話題になると、岡田先生がSteinberg先生にこの学生はLiberal Artsにいっているのだと話してくださっていました。そしてLiberal Artsがいかに重要かを院生にも英語で説明しておられました。この訪問の帰り際、岡田先生が「院試に落ちたらどうするんや」といわれたので、「院試に落ちるということは研究者に向いていないということなので、世の中の役に立つ奉仕活動などの仕事につきます」と答えました。すると、岡田先生は、「大学院の試験に落ちても、そう言わずに、また来なさい。いろいろやり方はあるので教えてあげるから」と励まして下さいました。岡田先生はそういう先生でした。大学院時代、学会で岡田先生が講演された後、院生らしい人が先生に質問をして、こういう研究をしたらどうでしょうと言った時の先生の言葉もよく思い出します。先生は、「もし君がそういう方針で研究してみようと真剣に思うなら、言ってきなさい。学会として全力で応援するから」と答えておられました。本当に先生らしい先生、メンターとしての先生の思い出です。
写真は庭に咲いた金柑の花に群がっていたミツバチです。今年は柑橘類が良くできそうです。

個人送信資料いろいろ―ポアロやホームズ、カントラプラスの星雲説、化学史伝などなど

今日も個人送信資料の紹介です。
検索キーワードをいろいろ変えて探すと面白い本がみつかります。たとえばアガサ クリスティで検索するとABC殺人事件とか、スタイルズ荘の怪事件などポアロものの推理小説がみつかります。コナンドイルで検索するとシャーロックホームズの本が読めます。エラリークイーンとか、H.G. ウエルズとかいろいろ探してみてください。あるいは、著作集で検索すると、カント著作集、バートランドラッセル著作集、ヒルティ著作集(幸福論とかも読めます)がみつかります。全集で検索すると、寺田寅彦全集とかが見つかります。また漱石全集で検索すると1937年版の漱石全集が読めます。科学史関係で珍しいところではカントの星雲説の著作も読めることをみつけました。
「カント・宇宙論 : 天界の一般自然史と理論」という本です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371098 カントがニュートン力学を元に太陽系と惑星の起源を論じたもので、カント・ラプラスの星雲説という名前で有名な説を世界ではじめて提唱した本です。多分 カント31歳の時の出版だったと思います。カントが物理学を駆使できるほどの実力を備えていたのが驚きですね。この本の解説はこのあたりをご覧ください。https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1971/21/1971_21_172/_pdf/-char/ja

あと、化学の歴史の本でおすすめはこちらです。化学史伝という本です。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382626

ルクレチウスの本の子供向け翻訳などを紹介します

国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料で読める本を紹介しています。
結構 少年少女向けの科学の本が含まれています。私の子供が小さかった頃、図書館に少年少女科学名著全集というのがあったので借りてきては読ませていたことがありました。その一巻に「宇宙をつくるものアトム」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1655694
という本があって、それにはルクレチウスの本が子供むけに翻訳されておさめられていました。もう一度読みたいとおもって借りに行ったのですがなんと除籍されていてもう図書館にありませんでした。それが個人送信資料ではよめるのを見つけてうれしかったです。この少年少女科学名著全集の編者は仮説実験授業で有名な板倉聖宣先生たちです。翻訳(抄訳の編集)は綴り方運動で有名な国分一太郎先生です。ルクレチウスの本は詩ですので詩を書ける人にお願いして訳してもらったということです。あとがきには、全訳は岩田義一先生による翻訳を推薦すると書いてありました。岩田義一先生は以前の記事で紹介しましたが、仁科記念賞を1964年に受賞している優秀な物理学者です。ノーベル賞を授賞した南部陽一郎の先生でもあるそうです。ルクレチウスを原語でよむためにラテン語を学ばれたそうです。岩田先生の翻訳書には、岩田先生が訳してギリシャ・ローマの古典が専門の田中美知太郎先生が校訂したと書いてあるそうです。https://clsoc.jp/agora/newbooks/2020/200909.html

この少年少女科学名著全集にはほかにもいろいろ面白い本が訳されています。ロウソクの化学とか、ガリレオの星界の報告、ファーブル昆虫記とかもあります。こちらから探してみてください。

タンパク質の立体構造を原子レベルで明らかにする手法(cryo-EM)の動画があります

タンパク質の立体構造を原子レベルで明らかにするcryo-EMの動画があります

英国ケンブリッジのMRC LMBのグループリーダーの一人Dr Sjors Scheresが英国王立協会のレーウェンフック講演賞 Leeuwenhoek Lecture award (微生物学の顕著な業績に送られる賞)をもらって、受賞講演をした動画がRoyal SocietyのYouTubeチャンネルに公開されています。この方はcryo-EMという電子顕微鏡の手法でタンパク質の立体構造を原子レベルであきらかにする手法やソフトウエア(RELION)を開発して、多くの重要なタンパク質の三次元構造を決定している研究者です。とてもわかりやすくタンパク質の立体構造を電子顕微鏡と画像解析で明らかにする方法を説明しているので、是非時間があるときにご覧ください。以前紹介したChromeの機能拡張Language Reactorでご覧になるのも良いと思います。

https://youtu.be/e-jLTGFkp-o
こちらも参考になります。MRC LMBの技術支援室の講習会動画です。

https://youtu.be/_EtqexCTOcs

ユークリッドの原論についての本や、プトレミーのアルマゲストの邦訳の紹介です

2022/1/24の記事の追加です。今日は初めてヒグラシが鳴いているのを聞きました。夏まっさかりです。
以前九大図書館で
オーケストラの指揮者をめざす女子高生に「論理力」がもたらした奇跡(永野裕之 著、実務教育出版)を読みました。聖書に次ぐベストセラーとして有名なユークリッドの原論へのよい入門書だと思いました。「なぜ、世界のエリートは
古代ギリシャの数学書『ユークリッド原論』を読んでいるのか?」という宣伝文句が目立つ本です。Kindle版もあって安いので、論理に興味がある方におすすめです。あと10日ほどはKindle版は880円のセール(通常の半額)になっています(2022/7/13まで)。ユークリッドの原論 (Euclid’s Elements)を英文で読んでみたい人には、物理学者であるRichard Fitzpatrick教授によるこちらの無料本がおすすめです。ギリシャ語と英文の対訳になっています。教授は流体力学や量子力学、天体物理学などの多くの本を書いておられるようですが、同じく無料本でプトレマイオスのアルマゲストを現代的に書き直した本A Modern Almagestも無料でダウンロード可能です。国立国会図書館に本登録がすんでいて個人送信資料が読める人はアルマゲストの日本語訳も読むことができます。こちらにリンクをペーストしておきますのでご覧ください。
 アルマゲスト上巻(薮内清訳)恒星社厚生閣
 
 アルマゲスト下巻(薮内清訳)恒星社厚生閣

Windows11でLinuxのGUIアプリを動かせるようになったようです!

Windows11でlinuxのGUIアプリを動かせるようになったようです!
これは朗報ですね。今まではWindows10などのwindows subsystem for linux (WSLと略します)でコマンドラインのubuntuなどいろんなLinuxを使えたのですが、とうとうGU I(グラフィカルユーザーインターフェイス)が簡単に使えるようになったようです。Microsoft社による解説は以下にあります。
https://github.com/MicrosoftDocs/wsl/blob/main/WSL/tutorials/gui-apps.md
検索キーワード  ”windows11 linux gui”」でGoogle検索すると以下のページがヒットします。「Linux 用 Windows サブシステムで Linux GUI アプリを実行する
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/tutorials/gui-apps
これは日本語の記事ですが、あきらかに英文を機械翻訳しています。いつもながら、マイクロソフトの機械翻訳による意味不明な日本語を読むのはイライラします。元記事がどこにあるのかも日本語記事からはすぐにはわからないのもどうしようもない仕様です。英語の元の記事を読む方がいいと思います。英語の元記事は下の画像の右上にあるシャープ#をまるで囲んだマーク(地球のつもりだと思います)をクリックすると開きます。

ゴッホについての秀作小説とドキュメンタリーを紹介します

去年講談社のKindle本半額セール(定価で買うのですがAmazonのポイントが半額分つくので、実質半額セールになっていました)でKindle本を買ったのを契機にKindle本を読むようになりました。iPadやPCで読むのですが、紙の本と違って紙の本より安く購入できることが多いので重宝しています。今日はそんなKindle本のなかから美術関係の小説でおすすめの一冊を紹介します。原田マハさんがゴッホについて書かれた小説 「たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) 」Kindle版 です。これは単行本を図書館で借りて読んだのですがゴッホの一生について てっとりばやく理解するには最適の本です。これを読んでからゴッホの作品をみたり、ゴッホについて読むと理解がとても深まると思います。パリで浮世絵を販売している日本の画商とゴッホの交流のストーリーを通してゴッホの作品や弟テオとの兄弟愛、日本によせる思いを知ることができる秀作です。今月の13日までは割引セールの対象品になっていて、393円で購入できます。文庫本は825円ですから半額以下で買えますのでAmazonのサイトでKindle版をチェックしてみてください。

またAmazon prime videoをみていると、ゴッホについてのイギリスBBCのドキュメンタリー「ゴッホ真実の手紙」(2010年)という作品をみつけました。シャーロックを演じた俳優さんベネディクト・カンバーバッチがゴッホを演じており、セリフはすべてゴッホの手紙に書いてある言葉だけを使っているのだそうです。これも面白そうですので紹介しておきます。