オープンアクセスの教科書や画像、ビデオ、雑誌などへのリンクを集めたポータルサイトを紹介します。

 

今日はオープンアクセスの教科書や画像、ビデオ、雑誌などへのリンクを集めたポータルサイトを紹介します。
カリフォルニア大学バークレー分校の図書館のサイトです。
Guide to Open, Free, & Affordable Course Materials: Home
https://guides.lib.berkeley.edu/affordable-resources
このページのタブにある以下のリンクをクリックすると無料で読めるオープンアクセスの教科書や、電子ブック、雑誌やオープンアクセスの画像の探し方がリストされているので使ってみてください。
今まで知らなかったよい資料が見つかると思います。

Free and Open Textbooks Online
https://guides.lib.berkeley.edu/c.php?g=623949&p=4397838

eBooks
https://guides.lib.berkeley.edu/c.php?g=623949&p=4397840

Free & Open Journal Articles Online
https://guides.lib.berkeley.edu/c.php?g=623949&p=4397843

Open Access Images
https://guides.lib.berkeley.edu/c.php?g=623949&p=4398830

二枚の写真はPixabayからもらった英国Cambridge大学のキングズカレッジの風景と、京都の金閣寺です。英国に暮していた時、Cam川にいる白鳥に毎日子供たちとパンくずをやりにいっていたのを思い出します。白鳥は野生の鳥ですので、大きな羽音をたてて飛びます。日本のお堀でみかける羽根を切ってある白鳥とは違ってワイルドです。

国産の高性能クライオ電子顕微鏡で、タンパク質内の立体構造や電荷分布とほとんどの水素原子が可視化できたそうです!

今日は、タンパク質内の水素原子がクライオ電子顕微鏡によって可視化できたというニュースを紹介します。

クライオ電子顕微鏡を用いてタンパク質の立体構造が次々と解明されています。昨日、東北大学と理化学研究所の、高性能国産クライオ電子顕微鏡(CRYO ARM 300)を用いた共同研究で、アポフェリチン(apoferritin)というタンパク質内のほとんどの水素原子の位置や、化学結合の様子、アミノ酸の示す正負の電荷分布などをなんと1.2Å以下の精度で決定することに成功したという論文が発表されました。アポフェリチンというのは、鉄を運ぶタンパク質ですが、クライオ電顕の性能テストに標準品としてよく使われるので有名なタンパク質です。今回の論文の著者らによる立体構造がこちらに掲載されているので眺めてみてください。
https://pdbj.org/emnavi/quick.php?lang=ja&id=emdb-9890
今回は、高性能のクライオ電子顕微鏡を使って、ついにこのアポフェリチンの立体構造を原子が一個一個見えるほどの精度で決定することができたそうです。タンパク質内に存在するほとんどの水素原子を(上のtwitterの図に緑で示しているように)、球殻としてみることができるようになりました。これは水溶液中のほとんどの水素原子の分布が原子レベルでみられるということで、アミノ酸の水素原子や水素結合の他、タンパク質内の水分子も見えています。結晶化することなくタンパク質の構造がわかるクライオ電子顕微鏡をつかって、水溶液中に存在するタンパク質の立体構造を原子一個一個のレベルで見ることができるのは画期的です。サンプルは凍っているので、生体内の体温で動いている分子の構造とは(水分子の空間分布が水溶液と氷とではがちがうので)同じとはいえません。しかしこの凍結しているタンパク質の構造をもとに、常温でのタンパク質の水和構造や水素結合、プロトン移動反応などを解明するための第一歩がふみだされたのは間違いありません。私達の研究している糖鎖が付加された蛋白質の糖鎖の構造も読めるようになることを期待しています。
Saori Maki-Yonekura, Keisuke Kawakami, Kiyofumi Takaba, Tasuku Hamaguchi, Koji Yonekura, “Measurement of charges and chemical bonding in a cryo-EM structure”, Communications Chemistry, 10.1038/s42004-023-00900-x
論文はこちらからダウンロードできます。https://www.nature.com/articles/s42004-023-00900-x

内容はこちらの日本語のプレスリリースを読んでみてください。大変詳しくわかりやすく書かれています。理解できない部分はGoogle検索やChatGPTを使えば理解できると思います。
https://www.riken.jp/press/2023/20230531_3/index.html

宮澤賢治没後90年になるそうです。

今年は宮澤賢治の没後90年ということで、NHKでも賢治についての番組が放送されています。
https://www.nhk.jp/p/ts/X83KJR6973/episode/te/DWX6897RZP/
また、賢治の父の観点から賢治を描いた映画も上映されているようです。
「銀河鉄道の父」https://ginga-movie.com/

国立国会図書館の個人送信資料で、宮澤賢治を著者とする本を検索してみました。
宮沢賢治の童話や詩集がありますが、中には「宮沢賢治友への手紙」
https://dl.ndl.go.jp/pid/1673685
や、宮澤賢治手帳復元版というのもあります。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2515053
雨ニモマケズの原稿もこの手帳にあります。右の写真をご覧ください。

私は以前の記事で、宮澤賢治の「春と修羅」の序文の「有機交流電燈」という表現に関して、遺伝子発現のサーカディアンリズムの解釈に、直流ではなく交流電流の理論が使えるとする論文があるということを紹介しました。毎日毎日、遺伝子発現が昼夜に応じて周期的に変動し、交流電燈のようにせわしく遺伝子のオンオフが繰り返されるありさまは、まさに賢治が書き遺した有機交流電燈の明滅そのものであるように思えてきます。
https://glycostationx.org/2022/05/31/%e5%ae%ae%e6%be%a4%e8%b3%a2%e6%b2%bb%e3%81%ae%e6%9c%89%e6%a9%9f%e4%ba%a4%e6%b5%81%e9%9b%bb%e7%87%88%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f/

私は丁度今、 Kindle本で以前 578円という値段で安売りをしていたので買った本「カント入門講義 超越的観念論のロジック」 冨田恭彦 (著) (筑摩学芸文庫)を読んでいます。この本を読みながら、賢治の「春と修羅」の序文を読み返してみると、賢治はカントを読んでいたのではないかと思いました。そこでさっそくネット検索してみると、そのように論考されている賢治研究者のかたのブログがあることを知りました。
https://ameblo.jp/kaisizu2019/
やはり「春と修羅」が出版された頃は、日本や岩手はカントブームだったんですね。カントの語彙をふまえて読むと、「春と修羅」の序文はとてもわかりやすい納得できる内容だと思えてきます。
詳しくは賢治研究者の石川 朗さんの上記ブログをご覧ください。
余談ですが、上のカント入門講義という本は、今のChatGPTのニューラルネットワークの発展をふまえて読むと、カントの本が、深層学習やニューラルネットワークの入門書として読める様に思えてくる本です。まだ途中までしか読んでいませんが、AIに興味のある人がカントを読むための入門書にもなっていると思いました。カントの自然科学への造詣の深さから講義が始まる、自然科学に興味のある方には特におすすめの本です。

タルコフスキー監督や黒澤明監督の名画をみてみましょう!

福岡は昨日梅雨入りしました。今日は朝は雨足が強かったですが、午前中に一度止んで、今また降っています。夏日だったのが今日はちょっと寒くて気温の上下がひどいので気をつけなくてはと思っています。さて今日は映画の紹介です。
去年3月15日の記事でタルコスフキー監督の「ソラリス」が良い映画だと推薦しました(末尾にペーストしました)。先日、タルコフスキー監督の映画がいろいろ英語字幕付でみられるという記事をGigazineでみたので、
https://gigazine.net/news/20230529-andrey-tarkovsky-films-online-for-free/
紹介されていたサイト(Mosfilmのサイト)をみてみました。

以前の記事を書いた時には、映画「ソラリス」(Solaris)は part 1とpart 2、それぞれ別々に動画がアップロードされていました。
今見ると、一本の動画にまとまっており、画質もデジタルリマスター版がアップロードされていて、格段によくなっています。
https://youtu.be/Z8ZhQPaw4rE

アナログテレビしかなかった頃、NHKのBSでタルコフスキー監督の映画をよく放送していました。
この頃は全く放送されないですね。残念でしたが、このサイトでいろいろ見ることができるのは素晴らしいことです。
サイトには6本ほどタルコフスキー監督の映画がアップロードされています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7EqAsBxqGgjarBzACNmCNDdr0y0iFu8U
他にも英語字幕付きのいろいろな映画、「ヨーロッパの開放」とか「戦争と平和」などもあります。
https://www.youtube.com/@Mosfilm_eng/playlists
また黒澤明監督の監督作品でアカデミー外国語映画賞を含む数々の賞を授賞した「デルス・ウザーラ」もみることができます。
https://youtu.be/sFaL03SKEzE

以下は去年の記事です。
2022/3/15
今日は、映画の紹介をします。タルコフスキー監督の映画ソラリス(惑星ソラリス)です。1972年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作品です。昔院生の時、生物物理学教室の図書室に貼ってあったポスターをみて、司書さんから切符を買って奥さんと一緒に観にいった映画です。長い映画で途中で上映会場での休憩時間があったりしたのですが、終わっても席を立てない人が私達を含めて沢山いました。この映画は本当に予想もできない結末で、未知との遭遇のシミュレーションとしてもすぐれたものだと思います。本当のSF映画として推薦します。もう一回観たいと思ってもなかなか見られなかったのですが、今では以下のYouTubeで大画面高画質、英語字幕に設定してみることができます(私はFireTV stickをテレビに挿して大画面でみています)。また機械翻訳なら日本語訳もみられますが、まあ訳の水準は低いです。
パソコンでブラウザのBraveで字幕設定ccを英語にしてご覧ください。Language Reactorも活用できます。

 ChatGPTやBERTなどで使われているTransformerについての動画を紹介します。

ChatGPTやBERTなど最近のLLMではtransformerという仕組みが使われています。BERTはBidirectional Encoder Representations from Transformersの略で、GPTはgenerative pre-trained transformerの略です。どちらもtransformerを使っていることがわかります。
transformerは機械翻訳だけでなく、コンピュータービジョンにも応用されています。また音声を文章に書き起こしたり、図に説明をくわえたりするのにも利用されており、それぞれの用途で素晴らしい成績をあげています。

transformerについて理解したいと思い解説のYouTubeを探してみました。日本語ではこちらなどはどうでしょう。
https://youtu.be/50XvMaWhiTY

このチャンネルには深層学習の基礎からはじめて、transformerの理解の不可欠なニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、注意メカニズム(Attention Mechanism)などを学ぶことができます。必要な線形代数などの知識についての動画もありますので学びやすそうです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLhDAH9aTfnxKXf__soUoAEOrbLAOnVHCP
英語ではスタンフォード大学の講義もあります。https://web.stanford.edu/class/cs25/
YouTubeで動画がみられますし、上のサイトから資料もダウンロードできます。ただ講師の英語がききとりにくいので、字幕を表示しながら視聴する必要がありました。私は途中で挫折中です。チャンネルはこちらです。https://www.youtube.com/playlist?list=PLoROMvodv4rNiJRchCzutFw5ItR_Z27CM

初回の動画はこちらです。サイトへ埋め込めないのでリンクだけ示しておきます。
https://youtu.be/XfpMkf4rD6E

ChatGPT plusで使えるプラグインで、動画の要約を試してみました。

ChatGPTで動画の要約ができるかどうか試しています。まださっき始めたばかりなのですが、GPT-4のpluginのWebpilot、Video Insights、ChatWithVideoというプラグインを試しているところです。プラグインはいろんなものが公開されていて、他にも数式処理が得意で、一般常識もそなえているWolfram alphaが使えるpluginのWolframなどもあります。日本語でいろんなプラグインを紹介している以下のYouTube動画を見ると概要がわかるのでお勧めします。
ChatGPTのプラグイン紹介
https://youtu.be/JVQVKc5V0zk

さて動画の要約ですが、上に述べた三つのプラグインは、英語のpluginなのでどうやら英語のスクリプトを探してそれをもとに要約する仕組みのようです。Video Insightsはさらに動画の長さが60分より短いものでなくては要約できないという制限がありました。
ChatWithVideoのプラグインにはその制限はないようです。ただYouTube以外では要約できないようでした。
実は最近、NIH videocastでOverview of ChatGPT and other Large Language Models and their applications in Biomedicineという動画が公開されています。
https://videocast.nih.gov/watch=49795

 

これはNIHのサイトでしかまだ見ることができない (もちろんダウンロードはいつものようにできます)ので、上のurlをChatGPTのプロンプトにいれてみました。するとWebpilotが動き出して以下のように要約してくれました。
【私】Could you please summarize the following video? https://videocast.nih.gov/watch=49795
【ChatGPT】Used WebPilot
The video titled “Overview of ChatGPT and other Large Language Models and their applications in Biomedicine” is a comprehensive review of Large Language Models (LLMs), focusing on their use in Biomedical and Clinical applications. The talk was given by Dr. Shubo Tian and Dr. Qiao Jin, both of whom are research scientists with extensive experience in the field.

Here’s a brief summary of the video:

Introduction and Overview of LLMs: The talk begins with an introduction to LLMs, particularly focusing on ChatGPT and GPT-4 by OpenAI. These models have garnered significant attention from both the general public and professionals in various domains.

Applications in Biomedicine: The speakers discuss how LLMs can be used in various biomedical and clinical applications. This includes information retrieval, information extraction (such as named entity recognition and relation extraction), entity linking, and health outcome predictions.

Potential and Challenges: The talk also addresses the potential of LLMs in driving innovation and improving outcomes in the biomedical field. It discusses the current challenges in the field and how LLMs can help overcome them.

Case Studies and Examples: The speakers provide examples and case studies to illustrate their points. These include the use of pre-trained language models in biomedicine and the development of benchmarks for evaluating LLMs.

Conclusion and Q&A: The talk concludes with a Q&A session where the speakers answer questions from the audience.

Please note that this is a high-level summary and the actual content may contain more detailed information and nuanced discussions.

上手く要約してくれているように思えます。ただ不思議なことに、新しいチャットをはじめて、同じプロンプトをいれてもこの応答が再現できません。なぜかといろいろ試しているうちに、使用回数制限に達したのでこれ以上は調べられませんでした。またわかったらブログに書くことにします。

まとめると、動画の要約はプラグインで可能になっています。プロンプトに動画のurlを入れるだけで要約ができますが、urlをいれても違う動画を要約することがあります。動画のタイトルとurlをならべてpromptにいれると、ちゃんと正しい動画を要約してくれました。ということで、いろいろまだ不完全なところがありますが、要約機能もある程度は使えるようです。

【研究公正に関するヒヤリ・ハット集】(第2版)という面白い本が無料公開されています。

もうそろそろ大学などで研究倫理のeLearningを受講してくださいという通知がやってくる時期になりました。毎年ほとんどおなじ内容を勉強して、クイズに答えて100点とるのも退屈なものです。もうすこし目先のかわった勉強ができたらと思いませんか?
研究して、成果を発表する際に注意しなくてはいけない様々な注意点が、実例に即してわかる本があればと思いますよね。

AMED (エーメド:日本医療研究開発機構 Japan Agency for Medical Research and Development)からそうした要望にピッタリのとてもよい参考書が無料公開されています。コンプライアンス教育の一環として皆が読むとよい本だと思います。捏造とか経理の不正のみならず、利益相反だのギフトオーサーシップ、医療での患者さんの個人情報の扱いなどの注意点も具体的な記述で例が挙げられているので役立ちます。
現代の科学に携わるものが従うべき常識を、まず身につけることが不可欠ですので是非お読みください。

タイトルが【研究公正に関するヒヤリ・ハット集】という面白い題の参考書で、pdf 版が無料でダウンロードできます。
https://www.amed.go.jp/kenkyu_kousei/kiyouzai_hiyarihatto.html
とても参考になる実際に起こった事例にもとづく資料ですので是非ご覧ください。
生命科学や化学、医学の例が多いですがどんな分野の方にも参考になります。
以下は上にあげたAMEDのサイトからの引用です。
【 研究公正 研究公正に関するヒヤリ・ハット集

研究を進めるにあたっては、実際に研究不正を行ってしまう人は少なく、何らかの理由のために不適切な研究行為をしてしまおうか悩みながら思いとどまった例や、周りの人にそれは不適切な行為だと指摘されて不正をせずに済んだ例の方がはるかに多いと考えられます。研究者の皆様にそのような事例を紹介し、似たような境遇になった時に思いとどまれるようにするために、「研究公正におけるヒヤリ・ハット集」を以下の3人の監修者にご協力いただいて作成しました。
PDF版を公開しますので、研究機関での研究倫理教育にお役立てください。自習用としてもお使いいただけます。監修者

片倉啓雄  関西大学 教授
岡林浩嗣  筑波大学 講師
金井康郎  田辺三菱製薬株式会社 主幹 】

宇宙大航海時代へ―恒星間旅行は可能か?―という動画がでています。

英国王立協会の講演動画です。Is interstellar travel possible? – with Les Johnson
https://youtu.be/R3Igzfte8Pc

講演の演者は、NASAでsolar sail 太陽帆による宇宙航行を研究している Les Johnsonさんです。SF作家・科学解説者としても有名です。恒星間飛行はできるのかという問題を宇宙開発の歴史をたどりながら解説してくれます。中でFreeman Dysonが中心になって開発されていたOrion計画についても触れています。Dysonは有名な物理学者で、くりこみ理論の発展に決定的役割を果たしたのですが、受賞者3人までという制限のためノーベル賞を逸したのでも有名です(受賞はシュヴィンガー、ファインマン、朝永の三名)。彼の名をSFでよくでてくるDysonの球面や未来論で聞いたことがある人も多いと思います。この宇宙船は、宇宙船を加速するのに核爆弾の爆発エネルギーを利用すると方式で飛びます。宇宙船の居住区の下に巨大なショック・アブソーバー(衝撃吸収板)を設置します。水爆をこのプレートの後で数秒おきに一発づつ爆発させ、その衝撃で光速の5%程度の速度まで加速するという設計の宇宙船です。講演中、ショック・アブソーバーの説明では、Johnsonさんが江戸東京博物館にいって見た、関東大震災対策のための耐震装置についてふれていました。この宇宙船、地上から発射すると水爆による放射能汚染がおこるので、宇宙空間で船を組み立てて、水爆も宇宙に打ち上げて建造する必要があります。今の物騒な世の中では到底建造は無理ですね。講演によると、なんとJohnsonさんは学会でDysonからProject Orionについて直接話を聞いたそうです。Orion計画が宇宙空間での核兵器禁止条約で開発中止にならなかったら、人類は火星に1970年代には到達していたかもしれません。

その他、この講演ではロケットで恒星間飛行ができるかどうかの検討や、核融合で飛行する宇宙船をつくるというダイダロス計画や、Star trekの反物質推進宇宙船の紹介もあったりして面白いです。宇宙旅行に興味のある方は是非ご覧ください。下にあるのはこの講演で動画が紹介されていたOrion計画の実験の動画です。実際に宇宙船が飛行できることを、実験的に証明している動画です。https://youtu.be/njM7xlQIjnQ

著者のJohnson さんはこのテーマについての本 A Traveler’s Guide to the Starsを書いています。興味のある方は買ってみるとよいと思います。
https://geni.us/fwewWAR

深層学習の初学者向け英語教科書―最新版―がダウンロードできます。”Understanding Deep Learning” to be published by MIT Press

今日は簡単な記事です。
MIT Pressから発行される予定の深層学習の教科書のドラフト版(出版社に送ったものそのまま)が無料で著者のGithubからダウンロードできます。https://udlbook.github.io/udlbook/
“Understanding Deep Learning” written by Simon J.D. Prince (Barth大学)To be published by MIT Press. という本です。深層学習のアイデアを初心者に理解してもらうことに狙いを絞った本で、証明などを全く含まない数学的記述と、ほとんどコードを含まない本文からなる本です。前半部(13章のgraph neural networkまで)は学部二年生が読める程度の線形代数や微分積分、確率のレベルで理解できるように書いてあるそうです。それ以降の生成モデルや強化学習を扱う章はより進んだ読者向けだそうです。また末尾にはDeep Learningの倫理的側面についての専門家が執筆した章もついています(著者はTravis LaCroix と Simon J.D. Prince)。
この本のスライドや図、python codeの入っているnotebookなどはこちらからダウンロードできます。
https://github.com/udlbook/udlbook

RNAに糖鎖が付加されることがあるのをご存知ですか? glycoRNAと名付けられた分子です。

糖鎖がついたRNA=glycoRNAという全く新しい複合糖質(glycoconjugate=糖鎖が結合した分子)が発見されています。

ノーベル化学賞を去年受賞したBertozziさんと、Ryan A Flynnさんが、糖鎖が結合したRNAを発見し、glycoRNA (glycosylated RNA)と名付けました (ノーベル賞受賞前の2021年の論文です)。糖鎖が結合した生体分子には、糖タンパク質と糖脂質があることは有名ですが、RNAにも糖鎖が結合していること、そしてそれがN型糖鎖であること、シアル酸とフコースに富んだ糖鎖であり、glycoRNAは主に細胞膜表面に存在している事などが以下の論文で報告されています (これはオープンアクセスで誰でもダウンロードして読めます。)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34004145/
Cell. 2021 Jun 10;184(12):3109-3124.e22.doi: 10.1016/j.cell.2021.04.023. Epub 2021 May 17.
Small RNAs are modified with N-glycans and displayed on the surface of living cells

そして細胞表面に存在するglycoRNAを可視化することに成功したという論文が5月22日に発表されました。glycoRNAはラフトと共局在しており、細胞内の移動は SNARE タンパク質を介した secretory exocytosisを使っているらしいことも述べられています。
Ma, Y., Guo, W., Mou, Q. et al. Spatial imaging of glycoRNA in single cells with ARPLA. Nat Biotechnol (2023).
https://doi.org/10.1038/s41587-023-01801-z
こちらはNature Biotechnologyにでている論文でpay wallの中にあるので、契約している機関や購読している個人、あるいはお金を払って購入してからしか読むことができません。ただ図は上のリンクにあるFiguresのタブからみられますし、以下のリンクからもみることができますので、glycoRNAが細胞膜上のラフトに共局在している様子や、癌細胞や免疫細胞でglycoRNA の発現量が変動している様子などがみられます。
https://figshare.com/projects/Spatial_Imaging_of_GlycoRNA_in_single_Cells_with_ARPLA/164113

RNAにN型糖鎖が結合したものが存在して、それが癌細胞に対する免疫応答に関与しているレクチン、シグレックsiglecと相互作用するというのですからことは重大です。今までその存在すら予想されていなかったglycoRNAの発見と、それがsiglecに結合するということ、そして細胞表面に存在している事実は極めて重要です。ノーベル賞がもう一つとれる業績ですね。世の中まだまだ未知なものが多いということを肝に銘じて研究しなくてはならないと思います。