「ミリンダ王の問い」という本が図書館にあるのを見たことがあります。平凡社の東洋文庫に入っていた本でした。中村元先生の完訳版で、九州大学ではJapanKnowledge Lib(ジャパンナレッジ)で閲覧できます。ログインして『ミリンダ王の問い 1 インドとギリシアの対決』(東洋文庫)を探してみてください。中村元先生の詳細な解説と註は理解を助けると思われます。私はながめただけで読んでいません。
アレキサンダー大王がインドを侵略した後、しばらくの間、ギリシャ人がインドを統治していたころがあります。ギリシャ人の王メナンドロス(在位紀元前155-130頃)と仏教の僧が対話するという内容の本です。ギリシャ哲学と仏教の交流を示す事例として有名な本です。これはインドに伝わるお経なので、仏教が対話に勝つというスタンスの本らしいです。このブログで時折紹介している佐々木閑先生がこのミリンダ王の問いについての解説講義をYouTubeではじめられたのを知ったので紹介します。
佐々木閑 仏教講義 10「ミリンダの問い その1」(「仏教哲学の世界観」第13シリーズ)
https://youtu.be/Ms442OPAkSo?si=WtPmTnM7XzbtsGcr
中村元先生の東洋文庫版は完訳です。ちょっと内容を覗いてみるには、「世界の名著」にある抜粋が役立つと思います。国立国会図書館の個人送信資料で無料で読めるので、入門にはよいと思います。3つの節の訳ですが解説と合わせて読めるのも便利です。
長尾雅人 編「ミリンダ王の問い」『バラモン教典、原始仏典』大地原豊訳、中央公論社〈世界の名著 1〉、1969年5月。ISBN 978-4-12-400081-8。抜粋編訳
https://dl.ndl.go.jp/pid/2934586
英訳などはこちらから読めます。ダウンロードできるものも多いので、興味のある方はダウンロードして読んでみるのもよいでしょう。
https://archive.org/details/texts?tab=collection&query=milinda+questions&sort=-date
ミリンダ王の問いはお経ですので、那先比丘経とか、一切経とかいう検索キーワードで探すといろいろ関連資料も出てくると思います。