宮澤賢治没後90年になるそうです。

今年は宮澤賢治の没後90年ということで、NHKでも賢治についての番組が放送されています。
https://www.nhk.jp/p/ts/X83KJR6973/episode/te/DWX6897RZP/
また、賢治の父の観点から賢治を描いた映画も上映されているようです。
「銀河鉄道の父」https://ginga-movie.com/

国立国会図書館の個人送信資料で、宮澤賢治を著者とする本を検索してみました。
宮沢賢治の童話や詩集がありますが、中には「宮沢賢治友への手紙」
https://dl.ndl.go.jp/pid/1673685
や、宮澤賢治手帳復元版というのもあります。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2515053
雨ニモマケズの原稿もこの手帳にあります。右の写真をご覧ください。

私は以前の記事で、宮澤賢治の「春と修羅」の序文の「有機交流電燈」という表現に関して、遺伝子発現のサーカディアンリズムの解釈に、直流ではなく交流電流の理論が使えるとする論文があるということを紹介しました。毎日毎日、遺伝子発現が昼夜に応じて周期的に変動し、交流電燈のようにせわしく遺伝子のオンオフが繰り返されるありさまは、まさに賢治が書き遺した有機交流電燈の明滅そのものであるように思えてきます。
https://glycostationx.org/2022/05/31/%e5%ae%ae%e6%be%a4%e8%b3%a2%e6%b2%bb%e3%81%ae%e6%9c%89%e6%a9%9f%e4%ba%a4%e6%b5%81%e9%9b%bb%e7%87%88%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f/

私は丁度今、 Kindle本で以前 578円という値段で安売りをしていたので買った本「カント入門講義 超越的観念論のロジック」 冨田恭彦 (著) (筑摩学芸文庫)を読んでいます。この本を読みながら、賢治の「春と修羅」の序文を読み返してみると、賢治はカントを読んでいたのではないかと思いました。そこでさっそくネット検索してみると、そのように論考されている賢治研究者のかたのブログがあることを知りました。
https://ameblo.jp/kaisizu2019/
やはり「春と修羅」が出版された頃は、日本や岩手はカントブームだったんですね。カントの語彙をふまえて読むと、「春と修羅」の序文はとてもわかりやすい納得できる内容だと思えてきます。
詳しくは賢治研究者の石川 朗さんの上記ブログをご覧ください。
余談ですが、上のカント入門講義という本は、今のChatGPTのニューラルネットワークの発展をふまえて読むと、カントの本が、深層学習やニューラルネットワークの入門書として読める様に思えてくる本です。まだ途中までしか読んでいませんが、AIに興味のある人がカントを読むための入門書にもなっていると思いました。カントの自然科学への造詣の深さから講義が始まる、自然科学に興味のある方には特におすすめの本です。