このブログで度々紹介してきたファイル検索ソフトEverythingの簡単なマニュアルをこしらえています。今日はその最初のあたりの抜粋を紹介します。ソフトをインストールしてインデックスを作り、内容のインデックスもできた状態で初めて使う人向きの検索法の紹介です。
まずはこれだけ! 最初に覚える検索式10選
Everythingを起動したら、画面上部の検索欄に次の検索式を入力してみましょう。
最初から検索式をすべて覚える必要はありません。
まず実際に検索して、「こんなことができる」という感覚をつかんでください。
① ファイル名をキーワードで検索する
microarray
ファイル名やフォルダ名に microarray を含むものをすべて探します。
Everythingの最も基本的な使い方です。
例えば、
RNAseq
Shiga
seminar
など、自分が探している資料に関係ありそうな単語を入れてみましょう。
覚えること:単語をそのまま入力するだけ。
② 2つの単語を両方含むファイルを探す ― AND検索
microarray normalization
microarray と normalization の両方をファイル名に含むものを探します。
Everythingでは、単語の間を空白にするとAND検索になります。
例えば、
RNAseq analysis
なら、RNAseqとanalysisの両方を含むファイルを探せます。
覚えること:空白 = AND
③ どれか1つを含むファイルを探す ― OR検索
<egl-1|crn-2|atf-2>
egl-1、crn-2、atf-2 のどれか1つをファイル名に含むものを探します。
| は「または(OR)」を意味します。
研究では、複数の遺伝子名、タンパク質名、化合物名などについてまとめて検索するときに便利です。
覚えること:| = OR
④ PDFファイルだけを探す
ext:pdf
PC内のPDFファイルだけを表示します。extというのはファイルの拡張子extensionの略です。
さらにキーワードを追加すると、
ext:pdf glycobiology
のように検索できます。
これは、
PDFファイルで、ファイル名にglycobiologyを含むもの
という意味です。
論文、マニュアル、学会資料などを探すときによく使います。
覚えること:ext: = ファイルの種類を指定
⑤ Word・Excel・PowerPointをまとめて探す
ext:doc;docx;xls;xlsx;xlsm;ppt;pptx
Word、Excel、PowerPointのファイルをまとめて表示します。
例えば、
ext:xls;xlsx;xlsm microarray
とすれば、Excelファイルの中からファイル名に microarray を含むものを探せます。
マクロを含むExcelファイルだけなら、
ext:xlsm
です。ワイルドカードのアスタリスクを使って、xls*とするとxls, xlsx, xlsmなどを一括で探せます。doc*も同様です。
覚えること:複数の拡張子は ; でつなぐ。
⑥ 最近変更したファイルを探す
dm:7days
最近7日以内に変更したファイルを探します。
「昨日まで作業していたファイルがどこにあるか分からなくなった」という場合に非常に便利です。
今日変更したものだけなら、
dm:today
です。
例えば、
ext:xlsx dm:7days
とすれば、
最近7日以内に変更したExcelファイル
を一覧できます。
覚えること:dm: = Date Modified(更新日時)
他にも
作成日 dc:2026-08
アクセス日 da:today
特定の期間 dm:2026-08-01..2026-08-23や
日付(月)dm:2026-08-20 (dm:2026-08)なども指定できます。迷子になったファイル探しにも大活躍するソフトです。
⑦ 特定のフォルダ内部(サブフォルダも含む)だけを検索する
例えば研究データが、
D:\Research
に保存されている場合、
ancestor:"D:\Research"
とすると、D:\Researchとその下のサブフォルダを検索対象にできます。
さらに、
ancestor:"D:\Research" microarray
とすれば、
D:\Research以下にある、名前にmicroarrayを含むファイル
を検索します。ancestorというのは、先祖のことですが家系図のようにそのフォルダ(先祖)の子孫にあたるすべてのサブフォルダを指定しています。parentというのもあって、こちらは親ですから、parentのフォルダの直下のファイルだけを検索します。
もっと簡単な方法
検索したいフォルダをWindowsのエクスプローラーからEverythingの検索欄へドラッグ&ドロップすることもできます。
初心者には、まずこちらの方法がおすすめです。
覚えること:検索範囲をフォルダに限定できる。
⑧ 大きなファイルを探す
size:>100mb
100 MBを超えるファイルを探します。
例えば、
ext:mp4 size:>1gb
なら、
1 GBを超えるMP4動画
だけを探せます。
PCや外付けHDDの空き容量が少なくなったとき、巨大な動画や解析データを探すのにも便利です。
覚えること:size: = ファイル容量
⑨ PDFの「中身」を検索する
内容インデックスを設定してあるフォルダでは、
ext:pdf content:"Shiga toxin"
と入力します。
すると、ファイル名ではなく、
PDF本文の中に
Shiga toxinと書かれているPDF
を探すことができます。
論文のファイル名を覚えていなくても、論文本文に出てくる言葉を覚えていれば探せます。
例えば、
ext:pdf content:"oxidative stress"
ext:pdf content:glycosyltransferase
などと検索できます。
覚えること:content: = ファイルの中身を検索
⑩ Excelの中から遺伝子名を検索する
ラボでは非常に便利な検索です。
ext:xls;xlsx;xlsm content:egl-1
とすると、
Excelファイルの内部に
egl-1が書かれているファイル
を探せます。
過去の発現解析、エンリッチメント解析、遺伝子リストなどから目的の遺伝子を含むファイルを探す場合に利用できます。
複数の遺伝子のどれかを含むファイルを探したい場合には、
ext:xls;xlsx;xlsm content:<egl-1|crn-2|atf-2>
とします。
さらに検索する研究フォルダを限定すれば、
ancestor:"D:\Research" ext:xls;xlsx;xlsm content:<egl-1|crn-2|atf-2>
となります。
これで、
D:\Research以下にあるExcelファイルの中から、egl-1、crn-2、atf-2のいずれかが書かれているファイル
を探すことができます。
覚えること:フォルダ指定、ファイル形式指定、内容検索は組み合わせられる。
最初はこの5つだけ覚えても十分です
10個を一度に覚える必要はありません。
特に使用頻度が高いのは次の5つです。
microarray
ext:pdf
ext:xls;xlsx;xlsm
dm:7days
content:egl-1
Everythingでは、これらを組み合わせることで検索を次第に絞り込んでいきます。
例えば、
ext:xlsx
↓
ext:xlsx dm:7days
↓
ext:xlsx dm:7days content:egl-1
というように、簡単な検索式に条件を一つずつ追加するのが基本です。
最初は検索式を暗記するよりも、
「名前」「種類」「場所」「日付」「中身」を組み合わせて検索できる
ということを理解してください。