以前紹介したことがある中田真秀さんによる、PubChemに登録された分子の量子化学計算結果のデータセットがさらに正確なものになって公開されました。
https://zenodo.org/records/23749554
私は素人なのでまちがっているかもしれませんが、以前の8600万分子の計算結果は、半経験的分子軌道法(PM6)で構造最適化して密度汎関数法B3LYP/6-31G*で電子状態を計算していたと思います。今回は、構造最適化や振動計算の段階からより高度な密度汎関数法と基底関数(wB97X-D/def2-SVP)を利用しており、これをもとに光を吸収した励起状態やイオンの精密計算には、基底関数をdef2-SVPよりも精密に電子の広がりを計算できるdef2-SVPD(Dはdiffuse関数の意味らしいです)を用いています。(Geminiに教えてもらったのですが、タイトルの//の後の部分が構造最適化や振動計算(立体構造の計算)に用いた手法と基底関数を示しており、//の前の部分が構造最適化の結果(立体構造)を使って励起状態やイオンのエネルギーの計算を行なった手法と基底関数を示しています。)以前の8600万個の計算よりも精密な計算で計算時間をとるので多分今回は1100万個の計算結果になっているものと思われます。PubChemにでている多数の分子の量子化学計算結果がデータセットとして利用できるのはすごいことですね。私の学生時代、Quantum Biochemistryというフランスのプルマン夫妻(Pullman夫妻)の本がでて、図書館でみると生体分子の分子軌道法による計算結果がいっぱいのっていました。隔世の感があります。(この本はInternet Archiveで昔は借りて読めたのです紹介しようと思い検索しました。今はremovedになっていて読めませんね。)
Nakata, M., & Maeda, T. (2026). PubChemQC wB97X-D/def2-SVPD//wB97X-D/def2-SVP dataset, release 1.0.0: per-molecule CSV tables (Version 1.0.0) [Dataset]. Zenodo. https://t.co/IYi6ao97Bf #compchem #ml #quantumchem 世界最大級量子化学計算されたデータセット公開しました1100万分子です!!
— 中田真秀 (@NakataMaho) October 30, 2026