国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第7回最終回)―日本のSF小説やロシアの歴史小説、そして微分方程式の面白い解説本を紹介します。

国立国会図書館デジタルコレクションでオンラインで読める本の紹介の最終回です。今後も、適宜面白そうな本に気づいたら紹介していくことにします。

今日は分野に限らず、面白そうな本を紹介します。
まず日本のSF小説です。システムダイナミクスの研究者の小玉陽一さんがペンネームで書かれたSF小説だったと思います。
私は最初の二冊を読んだことがあります。新鮮な切り口のよい作品でした。
72) クライン・ユーベルシュタイン 著『緑の石』,ダイヤモンド社,1977.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12498917
73) クライン・ユーベルシュタイン 著『青い紐』,ダイヤモンド社,1978.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12498987
74) クライン・ユーベルシュタイン 著『白い影 : SF』,日刊工業新聞社,1979.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12499086

有名な『知的生産の技術』という本(岩波新書、残念ながらコレクションに入っていませんが、詳細検索でタイトル検索窓に、「知的生産」といれて検索すると、関連書籍が多数ヒットします)に登場するレオナルド・ダビンチの手帳、梅棹 忠夫さんがレオナルドの手帳について初めて」知ったという、ダビンチの一生を描いた小説『神々の復活』は前に紹介しました。
今回のデジタルコレクションの収録作品にこの小説の新訳版が入っているかもと期待したのですが、ありませんでした。しかし古い岩波文庫版(全4冊)はあるので読むことができます。
74) メレジュコーフスキイ 作 ほか『神々の復活 : レオナルド・ダ・ヴィンチ』一,岩波書店,昭和30 7刷. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1692629
この作品は、三部作の第2作で、第一作と第三作は個人送信サービスで読むことができます。

75) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフスキイ 著 ほか『背教者ユリアヌス : 神々の死』,河出書房新社,1986.9.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576130
76) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフキスイ 著 ほか『ピョートル大帝 : 反キリスト』上,河出書房新社,1987.4..
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576134
77) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフキスイ 著 ほか『ピョートル大帝 : 反キリスト』下,河出書房新社,1987.4..
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576133

微分方程式の応用や超関数の入門など多彩な話題を扱っている面白い本が読めるのを知りました。これは数学セミナーで連載されていたときに読んだ覚えがあります。フェルメールの偽作者のエピソードや感染症の流行の解析、核戦争などの軍事解析その他とても面白い本ですので是非読まれることをお薦めします。

78) 佐藤総夫 著『自然の数理と社会の数理 : 微分方程式で解析する』1,日本評論社,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622856
79) 佐藤総夫 著『自然の数理と社会の数理 : 微分方程式で解析する』2,日本評論社,1987.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622858