国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第4回)―物理関係や生命科学に使えそうな数学、進化論関係の本も読めます。

国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料で無料でよめる本の紹介―第4回です。

文学の本はいろいろあるかなと検索していると、なんとプルーストの有名な本(長い文学作品としてギネスに登録されているはずです)が全集版で読めるのを知りました。
プルーストの『失われた時を求めて』が全集の第一巻から第10巻までを占めるボリュームで翻訳されています。無料で読めるのでiPadなどで寝ながら読めますね。
42) 『プルースト全集』10,筑摩書房,1989.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12578454 (参照 2024-05-05)

昨日の物理の本の続きを以下に並べます。

43) ワイル 著 ほか『空間・時間・物質』,東海大学出版会,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592485
44) 物理学史研究刊行会 編『放射能』,東海大学出版会,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12594399
45) アルベルト・アインシュタイン 著 ほか『自伝ノート』,東京図書,1978.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12284771
46) ヘルマン・ヴァイル 著 ほか『シンメトリー』,紀伊国屋書店,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12676142

私が大学院に入る前に、岡田節人先生は発生生物学の形態形成を説明できるという、カタストロフィー理論の研究会(英国開催)に京大数学教室の山口昌哉先生たちとともに参加されていたようです。カタストロフィー理論の解説書は個人送信資料でも多数読めますが(カタストロフィーという検索語で探してみてください)、なかでも理論の提唱者でありフィールズ賞受賞者であるルネ・トムの本が今や無料で読めるようになっているのを知りました。
46) R.トム 著 ほか『構造安定性と形態形成』,岩波書店,1980.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604316
岡田先生はイスラエルに行くときには、テルアビブ空港乱射事件を京大出身者がひきおこしたので謝りにいくとおっしゃっていましたが、その乱射で殺害された方には有名な科学者カチャルスキーも含まれていました。有名な彼の教科書もデジタルコレクションで読めます。
47) A.カチャルスキー, ピーター・F.カラン [著] ほか『生物物理学における非平衡の熱力学』,みすず書房,1975. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592368
生物物理的な観点から生命をみるという本で以下のものもおすすめです。
48) H.ハーケン 著 ほか『協同現象の数理 : 物理、生物、化学的系における自律形成』,東海大学出版会,1980.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12628816
49) M.アイゲン, R.ヴィンクラー 著 ほか『自然と遊戯 : 偶然を支配する自然法則』,東京化学同人,1981.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589563

今でははやらないのですが京大の今西錦司さんの生物についての本や、今西進化論の本もデジタルコレクションにあります。

50) 『今西錦司全集』第1巻,講談社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12407787
この全集第一巻には有名な『生物の世界』が収録されています。Kindleとかで有料で読まなくても無料でよめるのはありがたいです。デジタルコレクションの詳細検索で、著者名を今西錦司で検索すると多数の今西の進化についての本もヒットします。また柴谷篤弘さんも今西進化論について書いておられます。
51) 柴谷篤弘 著『今西進化論批判試論』,朝日出版社,1981.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604211
52) 今西錦司, 柴谷篤弘 対談 ほか『進化論も進化する : 今西進化論と分子生物学』,リブロポート,1984.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604300
正統派の進化論で世界的に有名な木村の本を最後にあげておかなくてはなりません。
53) 木村資生 著 ほか『分子進化の中立説』,紀伊国屋書店,1986.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12605187

夜が遅くなったので続きは明日書きます。