因果推論の科学 The Book of Why the New Science of Cause and Effectの紹介

本屋で「因果推論の科学」という本をみつけて購入しました。

「因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか 」 2022/9/12発行
ジューディア・パール (著), ダナ・マッケンジー (著), 松尾 豊 (解説), 夏目 大 (翻訳) 文藝春秋
購入後、青木薫さんの書評をみましたがよさそうな本です。https://honz.jp/articles/-/52355
著者のパールは2011年に有名なTuring賞を授賞している「人工知能の巨人」だそうです。カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授で、AI分野から統計学へと研究の焦点を移した人で、因果推論ダイアグラムDAG (Directed Acyclic Graph)の発明者です。この本は因果推論についてその歴史からはじめて、詳しく一般向けに解説されています。因果推論というのは、たとえば新型コロナウイルスのワクチンは本当に効くのか?mRNAタイプのワクチン接種後の死亡や副作用の原因は本当にワクチンなのか?などの問題に対して現在とりうるかぎり最高の答えを導き出す方法を提供する手法と期待できそうです。本当の原因・結果と、単なる関連との区別がつけられるのか?どうしたら原因から生じた結果であるか、単なる関連にすぎないかを区別できるように、実験を設計したり、データの収集・解析法の設計に役立つ方法です。もちろん今得られているデータをもとにした推論にすぎないわけで、新たな視点、あらたなデータがみつかれば推論結果はおのずと変わってくることに注意しなくてはなりません。この本をよむのに参考になるブログ記事として以下のものをおすすめします。因果推論ダイアグラムDAGのわかりやすい解説の第一回目です。

https://www.krsk-phs.com/entry/DAG1
このブログには因果推論について詳しく解説されているので参考になります。また因果推論についてさらに学びたい方は、ハーバード大学の先生が無料で公開している以下の教科書をご覧になるといいでしょう。
“Hernán MA, Robins JM (2020). Causal Inference: What If. Boca Raton: Chapman & Hall/CRC.”
出版前の本ですが、次のページから、pdfやコード、データもダウンロードできます。
https://www.hsph.harvard.edu/miguel-hernan/causal-inference-book/

この本の勉強会の記事も公開されていて勉強の参考になりそうです。
https://openbox-stat.net/archive/category/%E5%9B%A0%E6%9E%9C%E6%8E%A8%E8%AB%96
動画も公開されています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLSb5Qurgw73lvEpXMzkl0GptNU5HIQOlc
https://youtu.be/efT7gPjTpHI