AIを使った数学研究の現状を一般向けに概観する動画(The Royal Institutionでの講演動画)がでています。

AIがAGIになったら、リーマン予想とかの証明もできるようになるのでしょうか?今やAIは数学オリンピックの金メダルレベルの性能を示しているので、実際の数学の研究にAIはどのくらい役立つのかとみんな興味深々だと思います。その点について解説している動画があったので埋め込んでおきます。
Mathematics: The rise of the machines
https://youtu.be/oOYcPkBaotg?

演者はYang-Hui 教授。 the London Institute for Mathematical Sciences のフェローで、中国のNankai UniversityのChang-Jiang Chair professor です。 Princeton大学を卒業後、 博士号 をMITで取得, 幾何学・数論・ひも理論の専門家で、2017年からAIを利用した数学上の発見を以下に行うかの研究を続けているそうです。ちょっとみただけですが、とても面白そうな講演なので週末などに見てみようと思っています。

汎用人工知能AGIの完成が近いようです!

ノーベル化学賞は京都大学の北川進先生に決まりましたね!錯体というと酵素反応でお目にかかったり、無機化学で学んだだけですが有機化学と錯体から新しい材料科学の分野が拓けていっているのですね。

今朝ツイートをみていると汎用人工知能についてのブログ記事が公開されているのを知りました。全3回で第一回目が公開されたところだそうです。AGI汎用人工知能が現在のLLMの延長上で実現できる可能性が高いというブログ記事のようです。読んでみたいと思いました。

第一回目の冒頭部分を含むスレッドを埋め込んでおきます。


記事のタイトルは、『TransformerはAGIに到達できるか? (AGIの理論、AGIと社会、そして日本の選択 :パート1)』でリンクはこちらです。
https://www.aialign.net/blog/transformer-agi-part1

ノーベル賞の発表が続いています。2024年度のノーベル化学賞受賞者の動画を紹介します。

今日のノーベル物理学賞は量子力学100年ということで、トンネル効果の研究者が受賞したようです。ノーベル賞を最年少で受賞したジョセフソンの研究を発展させた巨視的な電気回路でのトンネル効果の研究らしいですが、物理学の方の解説を読んでみたいと思います。ジョセフソンはノーベル賞受賞後は超常現象の研究にシフトした人ですね。

今日は2024年度のノーベル化学賞を受賞したJumperさんの動画があったので紹介します。今年はどんな研究がノーベル化学賞になるでしょう?楽しみです。

Nobel Laureate John Jumper: AI is Revolutionizing Scientific Discovery
https://youtu.be/2Yguz5U-Nic?

John Jumper on June 16, 2025 at AI Startup School in San Francisco.

2024年のノーベル化学賞に輝いたJohn Jumperがサンフランシスコで開催されたAI startup schoolで講演した動画です。このブログでもJumperのMRC LMBでのセミナーなどの動画を紹介しましたが、今回の動画はわかりやすいと思います。講演では東京大学の森脇 由隆先生の貢献もしっかり解説されています!現代の科学の進み方のよい例ですね。動画を是非ご覧ください。

中秋の名月に坂口先生のノーベル賞、おめでとうございます!

今夜は中秋の名月です。福岡は快晴で散歩の帰り道、山際からまん丸い綺麗なお月さまが上ってきました。今夜は一晩中、綺麗な月が楽しめそうです。散歩から帰るとすぐ、ノーベル生理学・医学賞の発表をネットでみていました。阪大初のノーベル賞ですね。おめでとうございます。

今夜は、受賞された坂口志文先生のブルーバックスの本を紹介します。

免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000275712

これはKindle unlimitedのブルーバックス祭りのとき、読みました。科学ライターの方との共著で素晴らしい本でした。科学を志す人には絶対読んでほしい、読んで損がない本です。今夜のノーベル賞で制御性T細胞について興味を持った人も多いと思います。もっと知りたいという人にも絶対おすすめの本です。科学がどのように発展していくかを読んでよく理解できる本で、ワトソンの『二重らせん』を読むより、この本を読んだほうが絶対、科学についての理解が深まると思います。昔、千葉大学の多田富雄先生(「免疫の意味論」で有名な先生で能もたしなんで能の作品もあります)が提唱して一世を風靡して消え去ったサプレッサーT細胞の研究が、坂口先生の研究にどのように影響したかも詳しく書かれていて学説の栄枯盛衰について学べるのも役立ちます。免疫学のABCから書かれていてとても分かりやすい本ですので是非購入して読んでみてください。あとがきに書かれているアインシュタインとインフェルトの本『物理学はいかに創られたか』からの引用も心に響きます。

ジェーン・グドールさんについての動画と本(日本語訳)を紹介します。

Jane Goodallさんが今月初めに講演先の米国で亡くなりました。
https://www.nytimes.com/2025/10/01/science/earth/jane-goodall-dead.html

チンパンジーが道具を使うという発見はあまりにも有名でグドールさんの本を読んだ人の多いと思います。無料で読める国立国会図書館デジタルコレクションの本と講演記録へのリンクを載せておきますので是非読んでみてください。402)などの番号は、このブログで紹介しているデジタルコレクションの番号です。402はこのブログで紹介した個人送信資料の402番目という意味です。(実際は通し番号を付けだす前に紹介したものなどがあるので数はもっと多いです。)

402)  J.グドール 著 ほか『森の隣人 : チンパンジーと私』,平凡社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12637836 (参照 2025-10-05) 奥さんの大学時代の愛読書で私がはじめてグドールさんのことを知った本です。

403) H.バン・ラービック, J.グドール 著 ほか『罪なき殺し屋たち』,平凡社,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12637845 (参照 2025-10-05) グドールさん夫妻の本。夫はオランダ貴族で写真家だったそうです。

404) ジェーン・グドール ほか「世界は変えられる : 「希望」のかけ橋をつなぐ旅 : グドール博士講演会」『研究所報』(17),南山大学. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9603611 (参照 2025-10-05) グドールさんが日本を訪れた時の講演会の記録です。2006年11月11日の日本の南山大学での講演会の様子がよくわかります。

グドールさんについての動画は以下のものが良いと思います。ナショナル・ジオグラフィックの動画です。日本語字幕もあるので是非ご覧ください。

グドールさんはケンブリッジ大学の博士号をもっておられましたが、これは学部を卒業していないにもかかわらず博士課程への入学を許可して授与されたものだそうです。最初のNew York Timesの追悼文から引用しておきます。Recognizing the contributions she was making to science, the University of Cambridge accepted her into its doctoral program in 1961 without an undergraduate degree. She was awarded her doctorate in 1965. ケンブリッジ大学、やりますね!

佐藤文隆先生の最後のご講演『量子力学の100年』の動画がアップロードされています。

佐藤文隆先生の最後のご講演がYouTubeにアップロードされました。

一般相対性理論の研究で有名な京都大学名誉教授の佐藤文隆先生が今年の9月11日に京都大学で講演された際の動画です。このご講演の3日後に細菌性肺炎で亡くなられたのを今日初めて知りました。

佐藤先生は宇宙物理学、相対性理論・ブラックホールの専門家でアインシュタイン方程式の富松・佐藤解を発見したことで仁科記念賞を受賞されています。基礎物理学研究所所長も長年勤められました。多くの啓蒙書も書かれており、著書、「量子力学の100年」(青土社)では毎日出版文化賞を受賞されています。https://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3906

講演も同じタイトルです。
量子力学の100年 佐藤文隆(京都大学名誉教授)2025年9月11日
https://youtu.be/DUKInA1X32U?

プログラミング言語Rが製薬業界でも大活躍だそうです。確率・統計の教科書や講義資料も紹介します。

Rは統計解析やバイオインフォマティクスなど様々な分野で活躍しているプログラミング言語です。最近ではChatGPTもRのコードを書いてくれるようになったので、私が今やっているデータ解析でも毎日の解析に無くてはならない道具になっています。次のツイートでは製薬業界でもRが活躍しているという内容の講演会スライドが紹介されています。


この講演動画はこちらです。
『日科技連オンライン講演会 『製薬業界で加速する「R」の活用 ~その将来性と得意分野~』』
https://youtu.be/rvvywFkDD2c?

松浦健太郎先生のツイートをみると、確率・統計の英語版オンライン教科書が紹介されていました。


このオンライン版教科書への直リンクも載せておきます。教科書はやさしい内容ですが、数学的な定理もしっかり解説されており、ものすごくよさそうな教科書です。他の教科書の紹介もはいっているのでそれも参考になります。是非一度立ち読みしてみてください。
https://dlsun.github.io/skis/

日本語の講義資料としては早稲田大学の村田昇先生の以下のサイトにあるものが良いとの評判です。
https://noboru-murata.github.io/lectures/

便利なツールが公開されました!化学名などからSMILESを自動取得してくれるツールの登場です!

コンピュータで生体分子や化学物質を扱うとき、SMILES表記が活用されます。
以前の記事でもSMILESの解説があるサイトを紹介していたので検索してみてください。このサイトもわかりやすいです。

「SMILES記法 〜化学構造をテキストへ変換〜」
https://boritaso-blog.com/smiles/

化学構造式とちがって、SMILES記法は人間には理解しにくい(コンピュータ処理向けです)ので、SMILES記法に化合物の構造を翻訳するのは大変です。今回のPythonツールは、化合物の名称などからSMILESを自動生成して、ちゃんと生成できたかもチェックしてくれるツールです。
こちらのツイートで知りました。


論文はこちらです。
Müller, S. How to crack a SMILES: automatic crosschecked chemical structure resolution across multiple services using MoleculeResolver. J Cheminform 17, 117 (2025). https://doi.org/10.1186/s13321-025-01064-7

Pythonでの使い方はこちらにあります。
https://github.com/MoleculeResolver/molecule-resolver

ChatGPTなどLLMに教えてもらいながら使ってみるとよいと思います。
便利な時代になりました!

弱い磁場が生命に影響するかを検討した論文のまとめの論文があるのを知りました。

前に磁場が生物に与える影響について書きました。関連研究で、弱い磁場が生物に影響を与えるかに関連する論文を調べ上げた論文というのがあるのを知りました。

 

原論文はこちらです。
Citation: Binhi VN, Prato FS (2017) Biological effects of the hypomagnetic field: An analytical review of experiments and theories.
PLoS ONE 12(6): e0179340. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0179340

PlosOneなのでメディアの反響などもわかるようになっていて面白いです。
https://plos.altmetric.com/details/21391302/news

地磁気より弱い磁場が果たして生命に影響するかという話の議論の参考になりそうですね。

スピントロニクスや量子生物学に関係のある面白そうな総説をみつけました。

Windows11のPCをシャットダウンしてもCPUファンが止まらない問題の解決法

PCをシャットダウンしてもCPUファンが止まらないときの対処法を備忘録としてまとめておきます(ASUS PRIME H570-PLUS / Windows 11の自宅PCでの実体験)。
同様の問題に出会った方への参考になれば幸いです。


体験談】:PC内蔵のCMOS電池が消耗してBIOS設定がおかしくなっているようだったので、ボタン電池を交換しました。交換後、BIOS再設定して起動したらWindows 11が無事立ち上がったのですがシャットダウン後、なんとCPUファンが回りっぱなしということに気づきました。ネット検索したりPC製造元のサポートに電話して改善策を聞いたのですがどれも効果がありません。シャットダウン後に電源ボタンを長押しするとファンが止まるというネット記事を見たので試すと、たしかに電源ボタンの長押ししてファンが止まります。仕方ないので一月ほど、この方法でシャットダウン後ファンを止めて使っていました。

ところが昨日、このPC (Windows11 ProのSSD利用)の起動が前と比べてずいぶん遅くなっているのに気づきました。起動時間を短くする方法をネット検索すると、Windows11の互換性チェックをするという項目があったので実行するとなんとこのPCにはTPMがありません、Windows11非互換ですというような表示がでたのでびっくりしました。PCのマザーボードはTPM2.0対応で、Windows10から11へのアップグレードは問題なくできて互換性チェックもとおっていたので、これは電池交換後のBIOS設定がおかしいようだと思い、BIOS設定をいじってTPM2.0が認識されるように変更すると 見事 起動時間は短縮し、互換性チェックもとおり、さらにCPUファンが止まらない問題も解消したので、その経緯を備忘録としてまとめておきます。ChatGPT5による説明も後半につけておきます。

症状
• Windows 11 Pro をSSDから起動しているデスクトップPC。
• シャットダウン後もCPUファンが回り続ける。普通に電源を押すだけでは再起動できない。電源ボタンを長押しすれば止まる。
• ファンが止まったら、その後は電源ボタンを押すと起動できる。、
• また、Windows起動時間が遅くなり、「TPMがない」と互換性チェックで出るようになった。
________________________________________
【ファンが止まらない問題の切り分けの流れ】
1. Windows側の設定を確認
• 「高速スタートアップ」を無効化 → 効果なし。
• BIOSの「Fast Boot」をオフ → 効果なし。
2. Linux(Ubuntu)のLive DVDで確認
• Ubuntuでもシャットダウン後にファンが回り続ける。
• つまり OS依存ではなくハードやBIOSの問題。
3. BIOS設定の確認
• 「ErP Ready」の設定を探す → Advanced → APM Configuration 内に隠れていた。
• 変更しても改善せず。
【TPMの確認の流れ】
• Windows 11 の互換性チェックで「TPMなし」と表示される。
• BIOSを見ると Firmware TPM(Intel PTT) は有効になっていた。
• 試しにプルダウンメニューにあった「別のTPM」設定に変更して保存 → 再起動してもTPMなしのままだった。
• 効果がなかったので、もとの「Firmware TPM」に戻した。戻す時にbitlocker関連の警告などがでたがOKにして戻した。
👉 この操作で TPM 2.0が正しく認識されるようになり、
• 起動時間が短縮
• シャットダウン後にファンも止まるようになった!
ということで、不具合が完全に解消した!
________________________________________
【なぜこうなったのか?】
• 原因は CMOS電池切れによるBIOS設定の不整合。
• 電池を交換したとき、一部の設定(TPMや電源管理)が「見た目は有効」でも内部的に無効化されていた。
• 設定を一度切り替えて保存し直すことで、内部フラグが正常化したと考えられる。
________________________________________
【再発防止のポイント】
1. CMOS電池は3〜5年で交換推奨(CR2032)。
2. 設定が飛んだときは、
・日付と時刻
・ Boot Priority
・Firmware TPM (Intel PTT)
・ErP Ready (S4+S5)
を確認・保存。
3. TPMが認識されないときは「一度Disabledにして→再度Enabledに戻す」で復旧できることがある。
________________________________________
【まとめ】
• ファンが止まらない → WindowsではなくBIOS設定/TPM不整合が原因だった。
• CMOS電池交換後は設定の再確認が必須。
• TPMが認識されないと電源管理にも影響が出ることがある。
_______________________________________
【CMOS電池とBIOS設定の関係(ChatGPT5によるまとめ)】

• マザーボード上の CMOS RAM は、BIOSの各種設定(起動順序、日付時刻、TPM有効化フラグなど)を保持しています。
• このCMOS RAMは スタンバイ電力(CR2032電池+PSUの5VSB) で保持されます。
• 電池電圧が低下すると:
1. 設定保持ができずに初期化(工場出荷設定に戻る)
2. 設定の一部だけが飛ぶ/壊れる(不整合状態になる)
3. 見た目は「Enabled」でも内部フラグが不正 → 今回のTPMが無効扱いになるような現象
________________________________________
実際によくある現象
• 日付・時刻が毎回リセットされる
• 起動ドライブの順序が変わる
• ファン制御や電源管理(ACPI関連)が不安定になる
• TPM/Intel PTT の設定が効いていない(今回のように「有効」と表示されているのにOSからは「TPMなし」と判定される)
________________________________________
なぜ「異常」な状態になるのか?
• CMOS RAMは一括で消えるわけではなく、低電圧でじわじわ壊れるため
• 「完全リセット」ではなく「部分的に壊れた設定が残っている」状態になる
• そのため、BIOS画面では「Enabled」と表示されても、OS側には反映されないといった矛盾が起きます
________________________________________
今回のケース
• 長期間、低電圧状態で稼働 → TPM関連のフラグが不整合に
• 結果として
  WindowsからTPMが見えない
 シャットダウンのACPI処理が正しく終了せず、ファンが止まらない
• 電池交換+「設定を切り替えて再保存」することで、正しい値がCMOSに書き込まれ復旧
________________________________________
まとめ
• 電池の起電力が低下した状態で使い続けると、BIOSやTPMの設定が壊れることはあります。
• これは「設定が初期化される」のとは違い、部分的に壊れた不整合状態になるので厄介です。
• 予防のためには、電池が3年以上経過したら早めに交換するのが安全です。
________________________________________
「CMOS電池の電圧低下時に起こりやすい典型的な症状リスト」**を表形式でまとめます。

分類 典型的な症状 詳細・影響
時刻・日付 起動するたびに時計がリセットされる BIOSが保持できず、1970年や2000年などに戻ることがある
ブート関連 起動ドライブの順序が変わる 「Boot Priority」が初期化され、起動できなくなる/別ドライブから起動しようとする
TPM / セキュリティ TPMが無効扱いになる/OSから「TPMがない」と表示される 実際は有効表示でも内部フラグが壊れている場合がある(今回のケース)
電源管理(ACPI) シャットダウン後にファンが止まらない/スリープ復帰が異常 電源制御のフラグが壊れて、S5(完全シャットダウン)に入れない
CPU/メモリ設定 オーバークロック設定やXMPがリセットされる メモリが標準クロックに戻る/電圧設定が初期値に戻る
周辺機能 LANやUSBの省電力/Wake機能が効かない ErP ReadyやWake-on-LANなどの設定が飛ぶ
ファン制御 ファンの回転数設定が初期化 ファンが常時フル回転する/静音モードが無効になる
表示上の矛盾 BIOSでは「Enabled」と表示されているが実際には機能していない 内部レジスタと表示が不一致 → TPMや電源管理でよく起きる