近赤外光 宇宙望遠鏡Euclidの最新成果が発表されています!

ESA(European Space Agency)が打ち上げた宇宙望遠鏡Euclidが深宇宙の本格的探査をはじめており、その成果の発表がありました。宇宙に本当にダークマターやダークエネルギーがあるのか、宇宙の膨張はどうなっているのかなどに決着をつけるべく打ち上げられた宇宙望遠鏡です。ちかごろはダークエネルギーやダークマターは幻だ、重力の法則を修正すれば消えてなくなるという説も有力視されていて、 Euclid望遠鏡の観測データが待ち望まれているそうです。

YouTubeでは次の動画で成果の概要が解説されています。美しい映像が次々と映し出されれるので何度も見直したくなる動画です。なんと一週間で2600万個の銀河を発見してそのほとんどは新発見だそうです。
Euclid’s first deep dive into the Universe
https://youtu.be/rXCBFlIpvfQ

ESAのサイトでも同じ動画をみることができますが、こちらからは上の動画のダウンロードも可能です!
https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Videos/2025/03/Euclid_is_back_26_million_galaxies_and_counting
 
Euclidのとった写真は以下のサイトからみることができ、高画質でのダウンロードも可能です。
上に紹介した動画でみることができる写真もありますので是非ダウンロードしてみてください。

https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Missions/Euclid/(result_type)/images

二枚ほどダウンロードした写真をはりつけておきます(大きいファイルなので画質をおとしてあります。本物はもっと鮮明です。)
オリオン座にある ウルトラマンの故郷といわれるM78星雲 (1300光年むこうにあります)、
そして4億2000万年の彼方にある二つの相互作用している銀河(ESO 364-G035 と -G036)の写真です。
この写真の右のほうには銀河団Abell 3381があります(6億7800万光年の距離にあるそうです)。

Euclid望遠鏡の打ち上げについては昔のブログ記事でもとりあげました。

ダークエネルギーやダークマターの存否を調べるための宇宙望遠鏡Euclidの最初の撮影画像が公開されてダウンロードできるようになっています。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第24回)科学者のための漢文入門 plus NIHの言語脳についての最新動画の紹介。

個人送信資料をみていたら異色の漢文入門書があったので紹介します。科学者のための漢文入門書として使える本です。

254) 長谷川弥人 著『古医書を読むための漢文入門書』上篇,春陽堂書店,1985.8.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12572953 (参照 2025-03-21)
255) 長谷川弥人 著『古医書を読むための漢文入門書』下篇,春陽堂書店,1985.8.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12572952 (参照 2025-03-21)
表題からわかるように、医学史を志す人や昔の日本の医学書を読むための漢文入門書です。よくある漢文入門書は中国の古典を題材にしていてかわりばえしないものが多いですね。そういう本にうんざりしている人にはうってつけの入門書だと思います。上巻はまず古い医学書の漢文をよんでみるという本で、漢文に飛び込んでまず読んでみる(そのための解説はあります)パートになっています。下巻は文法の解説で、上巻で苦労して漢文に慣れた後、文法のありがたみを味わいながら漢文読解力の仕上げをするというパートです。

256) 中国古典を題材にした学生向けのオーソドックスな漢文入門書はこちらなどはどうでしょう。上の二冊と併読してもよいかもしれません。
藤堂明保 著『漢文入門』,学燈社,1962. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2434460 (参照 2025-03-21)

昨日は神経科学の動画を紹介しましたが、NIH videocast で面白い動画があったので埋め込んでおきます。近年、ことばと大脳皮質との関係などがずいぶん解明されてきています。この講演では、大脳皮質の信号が単語からなる言葉とどのようにつながっているかの解明に関する最新情報が聴けるようです。https://videocast.nih.gov/watch=55027

一般市民向けの神経科学の最新情報がわかる講演会の動画がおすすめです!日本語でわかりやすいうえに、最新の神経科学リテラシーが身に付く動画です。

神経科学はずいぶん発展したようです。最新の情報にブラッシュアップするのによい動画が公開されていたので見てみようと思います。

日本神経科学学会による一般市民向け講演会というのが開催されているそうで、2024年分の二本の動画がわかりやすそうです。
https://neuro2024.jnss.org/brain_science.html
3つの講演があったようですが、今のところ次の二つの講演が公開されています。

脳科学の達人2024【竹岡 彩 “脳に頼らない学習と記憶” プレゼン+Q&A】Neuro2024
https://youtu.be/3KrhvEIxET4

脳科学の達人2024【鈴木 邦道 “神経回路のハサミと接着剤” プレゼン+Q&A】Neuro2024
https://youtu.be/Q6e-THPa_Mw

佐伯 恵太さん(さいき けいた;俳優・サイエンスコミュニケーター:NHKのドラマ「大富豪同心」にもでておられたとか)が進行をつとめてとても見やすい動画に仕上がっています。細胞接着分子に興味がある方にもおすすめです。
神経科学に興味がある一般の方におすすめできる動画です。

データサイエンス、科学、統計学など多彩な内容のブログを見つけたので紹介します。

今日はカーネギー・メロン大学Carnegie Mellon UniversityのCosma Shaliziのブログを紹介します。彼は統計学部の准教授で統計学やデータサイエンスの専門家です。
http://bactra.org/notebooks/
ノートやエッセイ、解説や推薦書、疑問点など結構頻繁に更新されていて一嫌悪価値がある内容です。ものすごい数の本や論文へのリンクが掲載されていて圧倒されます。最近の記事のリストをペーストしておきます。

“Attention”, “Transformers”, in Neural Network “Large Language Models” (14 Mar 2025 07:54)
Math I Ought to Learn (14 Mar 2025 07:47)
Self-Organization (10 Mar 2025 10:37)
Science Fiction (27 Feb 2025 09:16)
Recommended Science Fiction (27 Feb 2025 09:15)
Partisanship (Yet Another Inadequate Placeholder) (21 Feb 2025 11:06)
Mesopotamia, especially Sumeria (20 Feb 2025 20:43)
History of Science (15 Feb 2025 17:55)
Tsallis Statistics, Statistical Mechanics for Non-extensive Systems and Long-Range Interactions (14 Feb 2025 09:21)
Interacting Particle Systems (14 Feb 2025 09:18)
Nearest Neighbor Methods in Statistics and Data Mining (10 Feb 2025 10:04)
Space Travel, Extraterrestrial Life, SETI (09 Feb 2025 04:27)
Plato (09 Feb 2025 04:19)
Neural Coding (09 Feb 2025 04:06)

データサイエンス、物理学、科学の歴史、哲学などなど多彩な内容でどれを拾い読みしても楽しめます。
彼のホームページhttp://bactra.org/
にも様々な情報がのっていますので見る価値があると思います。

3月24日(英国時間)にファラデーの手書きのノートブック(手書きのイラスト入りの実験日記)の一部が注釈つきで公開されるそうです!

The Royal Institutionのツイートを紹介します。
なんとマイケル・ファラデーのノートブック(オリジナルの手書きのもの)を全文公開する作業が進行中とのことです。さらにファラデーがデービーの講演に参加した時にとったノートまでも初めて公開されるそうです。とりあえずはファラデーの実験ノートの面白そうな部分の解説付き抜粋版が3月24日に公開されるそうですので楽しみにしましょう!
今年はファラデーがクリスマスレクチャーを始めて200周年にあたるそうで、記念事業の一環のようです。

 

ツイートで紹介している新聞記事はこちらです。
https://www.theguardian.com/science/2025/mar/15/notebooks-michael-faraday-victorian-scientist-einstein

ファラデーについてはこのブログで何度も紹介していますし、実験ノート(実験日記、実験日誌)のダウンロードリンクも何度も紹介していますので検索してみてください。今日の記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信で読めるファラデー関係の本をいくつか紹介しておきます。以前紹介した本も紹介していますので重複はご容赦ください。

スーチン 著 ほか『ファラデーの生涯』,東京図書,1985.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12220723 (参照 2025-03-18)

ダビド・K.C.マクドナルド [著] ほか『ファラデー,マクスウェル,ケルビン : 電磁気学のパイオニア』,河出書房新社,1979.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621806 (参照 2025-03-18)

B.ボウアーズ 著 ほか『ファラデーと電磁気』,東京図書,1978.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12593408 (参照 2025-03-18)

ジョン・チンダル 著『発見者ファラデー』,社会思想社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12221760 (参照 2025-03-18)

マイケル・ファラデー [述] ほか『ろうそく物語』,法政大学出版局,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12698988 (参照 2025-03-18)

ジョージ・P.トムソン 著 ほか『J.J.トムソン : 電子の発見者』,河出書房新社,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621680 (参照 2025-03-18)

ファラデーの実験日記のダウンロードリンクも貼っておきます。全5巻 3272ページのpdfがダウンロードできます。
https://archive.org/details/diary182061/Diary%201820-61/

英語の論文の書き方と文法についてのユタ大学の動画は参考になります。

ユタ大学の言語学の先生Randall Eggertによる 論文の書き方についての動画の再生リストを紹介します。

Grammar and Stylistics: Writing Clearly
論文の書き方の解説、句読点についての解説、そして文法の解説が続くので論文の書き方のエッセンスが全部学べます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL2SrPtYzGjMaMWrybapwijWDquLv89oNT

サンプルに再生リストの動画を二つ埋め込んでおきますので試しにご覧ください。
Writing Clearly And Why Some Writers Don’t 論文の書き方の基本についての解説は必見です。
https://youtu.be/JvV0QygArXU

Definite vs Indefinite Articles: Old vs New 冠詞についての解説です。
https://youtu.be/QR8fLNT_ZxY

「教員向け生成AI講座 ~基礎から応用まで~」という動画が必見です。あとFirefoxで突然アドオンが使えなくなった人向けの対策も紹介します。

先日は東京大学工学部の吉田塁先生のAIについて学ぶのに最適なポータルサイトを紹介しました。

生成AIの最新情報や活用法がわかる素晴らしいポータルサイトがあります!

今日は最近、公開された吉田先生の生成AI講座の動画(ライブ配信の録画)を紹介します。
ChatGPTが多めに紹介されていますが、他のAIもいろいろ解説されているよい講義です。生成AIをまだ使ったこともない人も、使っている人も学ぶ点がいろいろある動画ですので是非参考にしてください。

東京大学メタバース工学部ジュニア講座「教員向け生成AI講座 ~基礎から応用まで~」
https://www.youtube.com/live/WAsDGa2luFU?

吉田先生のライブのチャンネルには他にもいろいろ動画がありますので参考にしてください。https://www.youtube.com/@luiyoshida-lab/streams

話は変わりますが、Firefoxのブラウザで古いものを使っている人(どうしてもしばらくFirefoxをアップデートできない理由があるそうです)から、アドオンが消えてしまったという相談を受けました。これはFirefoxのお得意のセキュリティアップデートで今まで使えていたアドオンがいきなり使えなくなるという昔あった事例が思い出されます。アドオンが一斉に使えなくなった理由は、「Firefox は、インストールするアドオンが Mozilla によって電子署名されているか検証します。」ということで、ユーザーの情報をぬすみとったりする危険なアドオンを排除するための対策だそうです。電子署名のないアドオンは一斉に使えなくなるというわけです。こういうことをやるのでFirefoxのブラウザがしだいしだいに衰退していくのだと思います。この機会にChromeなどにのりかえるのがよいかもしれません。とりあえずの対策はこちらのページの最後の部分にあるので参考にしてみてください。https://support.mozilla.org/ja/kb/add-on-signing-in-firefox
『未署名のアドオンを使いたい場合 (上級ユーザー向け)』
要するにアドレスバーにabout:configといれてFirefoxの
高度な設定のページ(設定エディター)を開き、検索窓にxpinstallなどと入力してxpinstall.signatures.required の項目を見つけ出して、その設定の値を false に変更することで今まで通りに使えるようになるというわけです。急にアドオンが使えなくなって困っている人は試してみてください。

あやとりをはじめる人のために

雑誌『数学セミナー』(日本評論社刊)に「あやとりの楽しみ」という長谷川浩さんによる連載記事が掲載されています(新年度も続くようです)。私はあやとりにまったく興味がなくて、子供のときに数回やったことがあるだけで敬遠していました。ところが今年の3月号(第12回目の連載記事)の「あやとりの状態遷移」という記事を読んで俄然 興味がわきました。あやとりのステップを状態遷移と考えるというのは面白い見方だと思いました。今まで連載記事は一度も読んだことがなかったのですが、なんとこの連載のサポートサイトもあるのがわかったので今回紹介します。あやとりの動画もこのサポートサイトにあって面白そうです!
数学が得意な人は折り紙とかあやとりとかにはまっている場合が多いようです。数学的センスがある人が興味をもつのか、折り紙やあやとりをやると数学的センスがつくのかよくわかりませんが不思議なことです。
数セミの連載『あやとりの楽しみ』 のサポートサイトはこちらです。
https://www.lcv.ne.jp/~hhase2/sf1/su-semi/index.html
『パターンあやとりの世界』はこちらです。
https://www.lcv.ne.jp/~hhase2/sf1/sf1.html

また長谷川さんのサイトで推薦されている石野恵一郎さんの「あやとりをしてみよう」というサイトは凄いサイトです。世界のありとあらゆるあやとりのやりかたが解説されています。見るだけでも壮観なサイトです。https://isfa-jp.org/~k16/
具体的なあやとりのやり方も解説されていてはじめるのに参考になります。https://isfa-jp.org/~k16/Nomenclature.html

国際あやとり協会というのもあるんですね。はじめて知りました。https://isfa-jp.org/

プログラミング言語Rに関する情報源の紹介

R言語は統計解析の定番ですがそれ以外にも様々な分野でのデータ解析に活用されている、無料で信頼性の高い解析ツールです。最近の論文の例としてはこんなのもあります。中国の研究者によるバイオインフォマティクスのパッケージについての論文です。
“easyEWAS: a flexible and user-friendly R package for epigenome-wide association study”
Yuting Wang, Meijie Jiang, Siyuan Niu, Xu Gao
Bioinformatics Advances, Volume 5, Issue 1, 2025, vbaf026,
https://doi.org/10.1093/bioadv/vbaf026
Published:13 February 2025

こんな風に役立つRですが、その使い方や最新情報を探すのに皆さんはどうしておられるでしょうか。ツイートで統計解析に関するRの情報を探すのには私はたとえばこんなタグ(#RStats)を使って検索しています。

https://nitter.net/search?q=%23RStats
ハッカーの宣伝もヒットしてしまいますが、Rでの統計解析についての本とかパッケージの情報などが毎日更新されているので便利だと思います。たとえばこんな本がヒットしました。生態学のデータのRでの解析のためのデータの前処理(データクリーニング)のやりかたが学べます。

Cleaning Biodiversity Data in R
Atlas of Living Australia’s practical guide to cleaning ecological data in R
https://cleaning-data-r.ala.org.au/

あるいはこんなRについての情報満載のポータルサイトも紹介されていました。
https://www.resourcesdatabase.com/
つくったのはこんな方です。https://www.resourcesdatabase.com/team
とても役立つポータルサイトだと思います。

生成AIの最新情報や活用法がわかる素晴らしいポータルサイトがあります!

今日は簡単な記事です。

東京大学の吉田塁先生が中心になって作っておられる「教育における生成 AI の利活用に関する基本的な情報や最新情報」がまとめてある
ポータルサイトが役立ちそうです。

Manabi AI(まなびあい)というサイトです。https://manabiai.super.site/
記事一覧はこちら https://manabiai.super.site/pages
資料集やイベント集もありますし、活用事例なども充実しています。各月ごとに生成AIの最新情報まとめの記事もあるので、最新の動向をフォローするにも便利です。
https://manabiai.super.site/pages/news-2025-01

是非参考にしてAIを活用してください。