Open Shelfという色々な本がオンラインで読めるサービスがあります

Open Shelfというサイトには様々なオンラインで無料で読める本が公開されています。
https://open-shelf.appspot.com/

例えば:
小泉八雲の『怪談』
https://open-shelf.appspot.com/Kwaidan-StoriesAndStudiesOfStrangeThings/index.html

中谷宇吉郎の『科学の方法』
https://open-shelf.appspot.com/Kagaku-no-houhou/index.html

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』や、『鏡の国のアリス』。
https://open-shelf.appspot.com/AlicesAdventuresInWonderland/index.html
https://open-shelf.appspot.com/ThroughTheLookingGlassAndWhatAliceFoundThere/index.html

デカルトの『方法叙説』https://open-shelf.appspot.com/DiscourseOnTheMethod/index.html
なども読めます。リンクはしませんが、オーウェルの本はいっぱい翻訳されておいてあります。
『1984』や『動物農場』も読めます。他に、シャーロックホームズの小説や、H.G.ウエルズのSF、ベルヌの『80日間世界一周』、『ロウソクの科学』なども読めます。探してみてください。

紫金山・アトラス彗星のライブ中継をみてもりあがっていました。

今日は午後、息子から連絡があり、すばる望遠鏡のライブ中継をやっていてもうすぐ紫金山・アトラス彗星が現れるところがYouTubeでみられると教えてもらいました。さっそくFireTVでYouTubeを奥さんと二人でみました。日が沈んで彗星がみえるようになるところがとても素敵でした。ライブ中継を見逃した方はこちらの動画(ライブ中継の録画動画)で楽しむことができます。

この彗星、福岡でも夕暮れにみることができるようになったそうで、きれいな写真がネットにでていました。私達もみようと、今日の夕方 近くの丘の上に登って暗くなるまでまっていたのですが、西の方向に雲が多くて、金星もちらっと見えただけで観測できなくて残念でした。このブログでも紹介したStellariumという無料ソフトを起動してみると下の図のように彗星の位置が表示されます。金星はすぐに見つかるので金星をみつけて、夜空で三番目に明るい星であるアークトゥルスと金星の間を探せば簡単に彗星がみつかるはずです。

これからまだまだ肉眼でもみえるようですので、晴れた日に観測にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。私達もチャレンジします。
下の写真はライブ中継のスクショです。きれいですね。

Mathematicaを使って、高校生でも学界発表ができたという動画がありました。

Mathematicaを使って高校生が学会発表しているという話を聞いたことがあります。Mathematicaを販売しているWolfram Japanの動画をみてその概要がわかりましたので動画を紹介しておきます。今日は、依頼原稿を書いていたので簡単な動画ですみません。

文房具としてのMathematica〜難しいことは任せ科学の探究を〜 植田毅氏(東京慈恵会医科大学)
https://youtu.be/Z4qFHZ4A5_E?si=kaxc9Ig5Zw16pgBQ

国際学会にいくと、プログラミングの能力はあまりない若い人がソフトウエアを使って様々なシミュレーションをして意味のある結果をみつけて発表しているそうです。Mathematicaもそうした目的によく使われる有料ソフトウエアです。この具体的な使い方とそれで論文を書いたり、学会発表したりという体験を詳しく紹介している動画です。大変役立つ動画だと思いました。今のAI時代、こうしたソフトやAIを使ってプログラミングや数学の基礎知識がなくても『問題の立て方さえうまくやれば』意味のある成果が得られるという実例の動画です。

折り紙と宇宙と幾何学

孫が折り紙にこっていて、いろんな本を読んで作っています。ときどきZoomでも折り方の指導をしてくれるので私も折り紙に興味をもちました。
孫が熟読しているのは前川淳さんの折り紙の本だと思います。前川さんは、国立天文台野辺山で天体関係のソフトウエアを開発しておられる科学者で、世界的に有名な折り紙作家です(前川先生のブログはこちらです。https://origamilo.jp/blog/
前川さんのことを私は全く知らなかったのですが、雑誌『数学セミナー』の今年の10月号に「月見団子の積み方」という面白い巻頭エッセイを書かれているのを読みました。折り紙の本の他に、みすず書房からこんな本も出しておられて、
『空想の補助線  幾何学、折り紙、ときどき宇宙』 https://www.msz.co.jp/book/detail/09661/
同じ『数学セミナー10月号』のBook Guideに別の方の紹介が載っていて興味をひかれました。

前川さんの折り紙は、天体観測機器の設計で放物線や楕円などを折ることにも応用されており、最新の科学研究に折り紙が応用できるというのは凄いことだと思います。前川さんの折り紙の動画(宇宙関係のものの一部)をいくつか紹介します。

国立天文台野辺山の前川淳先生による「折り紙でわかるパラボラアンテナ」
https://youtu.be/sokXXlNMzWw?si=pUcBZZYCMs6OcWQe

参考資料のリンク:
パラボラの仕組み(印刷用紙)https://www.nro.nao.ac.jp/gallery/origami/hyperbola-and-ellipse.pdf
「折り紙でわかるパラボラアンテナ」解説
https://www.nro.nao.ac.jp/gallery/origami/Parabola2021.pdf

折り紙で「棒渦巻銀河」を折ろう!
https://youtu.be/NDweTQT-Md8?si=zX3-VTFCaqwj708X

折り紙で「銀河ジェット」を折ろう!
https://youtu.be/4DQ_se7RTHI?si=aWC2V_j7Gr2Rx56g

折り紙で「ながれ星」をおろう!
https://youtu.be/6qVPzLvxmWQ?si=B5_RCc27qUTmvwHW

他にもYouTubeには多数の前川さんの折り紙が紹介されているのでご覧ください。

上に紹介した前川さんの本に書いてある、『折り紙の幾何学 増補版』という本があります。これは有名な物理学者の伏見康治先生と奥様の伏見満枝さんとの共著で、国立国会図書館のデジタルコレクションで読めるのでご覧ください。数学セミナーに出た記事を集めた本でとても良い本です。
伏見康治, 伏見満枝 著『折り紙の幾何学』,日本評論社,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12740784 (参照 2024-10-12)

ノーベル平和賞!!!おめでとうございます。

ノーベル平和賞が日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会に授与されました。「高校生平和大使」や被爆者の方々が発表を見守っていたそうで、皆さんの努力が正当に評価されたのが本当によかったですね。おめでとうございます。
https://www.youtube.com/live/5UNqMEquEPk?si=NFyB60jGn-0CPoOQ

クリエイティブ・コモンズ ライセンスって何?

よくみかけるCC BY 4.0などの表記の意味をWikipediaなどで調べても素人には何が書いてあるのかわからないと思います。やさしい解説が日本物理学会誌のバックナンバー(無料で読めます)にあるので読んでみてください。。2014年の記事で少し古いですが基本がわかりやすく書いてあってよい記事だと思います。

林 和弘, 桑原 真人, クリエイティブ・コモンズとは何か : オープンアクセス時代の著作権と科学者(話題), 日本物理学会誌, 2014, 69 巻, 2 号, p. 102-105, 公開日 2019/08/22, Online ISSN 2423-8872, Print ISSN 0029-0181, https://doi.org/10.11316/butsuri.69.2_102, https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/69/2/69_KJ00009285754/_article/-char/ja

リンクはこちらで、pdfをダウンロードできます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/69/2/69_KJ00009285754/_article/-char/ja/

今年のノーベル化学賞と物理学賞について

私のノーベル賞受賞者の予測は半分外れました。AlphaFoldの二人はあたりましたが、もう一人は相分離生物学の人ではなくてRosettaの開発者でそれを使って任意の立体構造をとる蛋白質を新規に設計する研究をしている人でした。相分離生物学のノーベル賞はおあずけですが、相分離生物学についていろいろ本をかいておられる 白木賢太郎 先生がAlphaFoldとBaker先生の仕事について解説しておられる「現代化学」掲載の記事が早速無料公開されているのでご覧ください。


JumperとBakerの講演などはこのブログの過去記事にもリンクがあるのでご覧ください。

MRC LMBで開催されたシンポジュウムの動画にAlphaFoldやDe Novo Protein Design開発者による講演があります!

今年のノーベル賞は、まさにAIずくしですね。
あと、昨日のノーベル物理学賞の受賞者、Hopfield先生ですが、どこかで聞いた名前だと思っていましたが今朝 思い出しました。量子生物学の研究で有名なHopfieldという人と同一人物だったんですね。こちらの量子力学の歴史についての解説論文
McFadden J, Al-Khalili J. The origins of quantum biology. Proc Math Phys Eng Sci. 2018 Dec;474(2220):20180674. doi: 10.1098/rspa.2018.0674. Epub 2018 Dec 12. PMID: 30602940; PMCID: PMC6304024.

の図にHopfieldの名前がのっているので以下のリンクからご覧ください。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6304024/

Hopfieldの論文はこちらです。
Hopfield JJ. 1974. Electron transfer between biological molecules by thermally activated tunneling. Proc. Natl Acad. Sci. USA 71, 3640–3644. ( 10.1073/pnas.71.9.3640)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC433831/

Hopfieldさんは、現代のダビンチという感じですね。すごい物理学者、生物物理学者、コンピュータ科学者‥‥です。

Metascapeの使い方の動画をみています。

今日のノーベル物理学賞は機械学習の基礎を築いた二人に授与されましたね。Hopfield先生は91歳とのことですが、生物物理学の受賞歴もある、生物物理学者のようです。アメリカ物理学会の会長も務めたことがある人で、2022年度の Boltzmannメダルとか、2001年のDiracメダルとか有名な賞をすでにいくつも受賞しています。Hinton先生は以前このブログでも紹介したチューリング賞受賞者ですね。コンピュータ科学のノーベル賞といわれるチューリング賞に続いて、ノーベル賞も受賞されました。私は今年のノーベル物理学賞はAlphaFold2の開発者と機械学習の研究者の共同受賞になるのではと思っていましたが外れました。AlphaFoldは相分離生物学の開拓者と組み合わせて、明日の発表がある化学賞にするのがよいかもしれませんね。

さて、本題です。このところ、今書いている論文のデータ解析にMetascapeという遺伝子群の解析サイトを利用しています。
https://metascape.org/gp/index.html#/main/step1
エンリッチメント解析には昔はDAVIDというサイトを使っていたのですが、いろんなエンリッチメント解析ツールがあらわれてそれを片っ端から試してみています。Metascapeは開発が継続しておりCytoscapeとの連携もできて大変よさそうで役立ちます。
TogoTVに詳しい使い方の動画が数週間前にアップロードされているのを、今日知りました。今みていますがなかなかよい動画です。おすすめですので皆さんもサンプルデータなどを使って動画をみながら解析してみると面白いと思います。動画はこちらです。

線虫C. elegansの研究者がマイクロRNAの研究でノーベル賞を受賞しました!

また線虫C. elegansの研究からノーベル賞がでました!今夜の二人(Victor Ambrosと Gary Ruvkunさん)の受賞は、ずいぶん前から確実視されていました。22ヌクレオチドからなる小さなRNA(let-4という遺伝子の産物です)がタンパク質の翻訳制御にはたらいていることを二人が発表したのが1993年、Ruvkunがlet-4と同じような働きをするlet-7 (これは21ヌクレオチド) を発見し、そのオーソログ(共通祖先を持つ異種間の相同遺伝子)がなんとヒトを含む様々な生物に存在していることを発見したのが2000年です(末尾のノーベル賞委員会のスライドをご覧ください)。生物のゲノムの中に潜むマイクロRNAの発見は、生物学の教科書を書き換えてしまいました。現代物理学でいまだ正体がわからないダークマターのように、ゲノム宇宙に潜んでいる暗黒物質の存在とその正体をつきとめた発見といえるでしょう。今夜は授賞者発表の生中継をみていたのですが、最初のスエーデン語のところで二人の受賞がわかりました!
https://www.youtube.com/live/Ln5rCmDqua0?si=VatszLW4vqcandiJ

線虫研究者の受賞はこれで8人になると思います。まだまだノーベル賞受賞の候補者はいっぱいいますので今後も楽しみです。ノーベル賞委員会のThomas Perlmann教授が、二人にノーベル賞の受賞を知らせる電話をかけたそうですがアメリカは夜明けごろなので電話がAmbrosには通じず携帯に伝言を残しただけだったようです。Ruvkunのほうも固定電話のためなかなか電話に出なかったのですが、やっと奥さんが出てRuvkunさんを呼んでから、彼が電話に出るまでにまた結構時間がかかったそうです。彼がやっと出た時には たたき起こされたという感じなのでしょうか、最初は大変疲れているような応答だったそうです。ノーベル賞授与を伝えると彼は大喜びで、奥さんに電話をかわってもいいかということで奥さんとも長い間、ノーベル賞の話をしたそうです。二人ともストックホルムに行くのを楽しみにして、大喜びだったとのことです。本当におめでとうございます。

この電話の直後に行われた、電話インタビューももう配信されています!Ruvkunさんによると、多分過去に何度かうけたことがある、友人からのいたずらの受賞通知電話ではなかろうかと最初は思ったそうです。
First Reactions | Gary Ruvkun, Nobel Prize in Physiology or Medicine 2024 | Telephone Interview
https://youtu.be/yAJRqvOa1UE?si=puuFB5BZdN5itD4f

マイクロRNAはその後の様々なRNAの発見のさきがけとなった研究です。このへんのところについては以前紹介したオープンアクセスの教科書をダウンロードして学んでみてください。
今回のノーベル賞をきっかけにRNAについて学ぶのに最適の本です。

RNA研究の発展の歴史を生き生きとたどり現代の最新の知見まで紹介する本の紹介です。

写真は上に掲載した受賞者発表の動画で使われたスライドの一部です。生中継をiPadでみていたときのスクショです。



MITのOpen CoursewareでMathematics for Computer Scienceという教科書をダウンロードしたり、有名なStrang先生の微積分入門講義が学べます!

MITのオープンコースウエアでMathematics for Computer Science という教科書が読めるのを今年初め(1月17日)に紹介しました(末尾にリンクを埋め込んでおきます)。その記事内の教科書へのリンクは2015年版のものでした。今日、2018年6月改訂版版のリンクを紹介しているツイートをみつけたので紹介します。こちらの直リンクからダウンロードできます。
https://courses.csail.mit.edu/6.042/spring18/mcs.pdf

このMITのオープンコースウエアですが、こちら
https://ocw.mit.edu/
から検索してみると、様々な講義があって多くは動画とテキスト、資料などがダウンロードできるようになっているのがわかります。
今ちょっと調べてみると、Strang先生の学部生向けの微分積分学入門コースのオンラインテキストが公開されているのをみつけました。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/
テキストはこちらから読むのがよいと思います。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/textbook/
動画もあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-005-highlights-of-calculus-spring-2010/video_galleries/highlights_of_calculus/

インストラクター用マニュアルもダウンロードできます。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/instructors-manual/
学習の手引きもあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/study-guide/
Strang先生の関連講義や本などの紹介ページもあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/related-resources/
いたれりつくせりの講義システムですね。こんな講義がオンラインで寝ながらでも学べる(タブレット端末とかを使って)というのは、本当によい時代になったものです。

MITのオープンコースウエアから、コンピュータサイエンスのための数学、科学者のための圏論の2冊と、話し方のビデオを紹介します。