ワークフロー言語について初めての人むけの動画を紹介します。

今日は旅行から帰ってきたので動画の紹介だけです。
バイオインフォマティクスにかぎらず、データ解析をやった作業を記録し、再現性を確保しておくことが現代の科学では求められています。再現可能性のすすめというやつです。実際、自分のやったデータ解析のコードがしばらくすると、何をやっていたのか自分でも思い出せなくなっていたりすることもしばしばです。そこでデータ解析のワークフローを作業しながら記録するためのワークフロー言語というものが開発されているそうです。TogoTVの最新の動画をご覧ください。私はこの動画でとりあげられているワークフロー言語の一つ nextflowも、ユーザーとしてはよさそうに思えました。是非snakemakeとともに調べてみてください。
ワークフロー言語 Snakemakeの入門 @ Bio”Pack”athon2025#6
https://youtu.be/6zbriRLKlWE?

嗅覚異常は139以上の病気の早期診断に役立つそうです。アルツハイマーやパーキンソン病の早期診断にも!

嗅覚異常についての講演がNIH Videocastで公開されました。嗅覚異常がコロナ感染時に起こることは有名ですが、嗅覚異常や嗅覚喪失が他の多くの病気の早期診断に使えるという話です。嗅覚は匂いの受容後、直接に神経が脳に届いて記憶処理されるので、脳の老化や病気、記憶力の低下などの早期診断に役立つのです。安価な嗅覚異常の診断法がありますし、最新の嗅覚診断方法が次々と開発されているので、嗅覚異常で病気の早期発見、早期診断ができるという今回の講演はとても興味深いものです。わかりやすい英語ですし講演動画や字幕もダウンロードできるのでお勧めの動画です。
https://videocast.nih.gov/watch=56876
Can You Smell That? Smell as a Biomarker of Brain Health and Quality-of-Life — NIDCD Beyond the Lab Speaker Series
Josh Levy, M.D., National Institute on Deafness and Other Communication Disorders (NIDCD) Clinical Director

コロナに感染して嗅覚異常がおこるのは有名ですね。しかしアルツハイマー病やパーキンソン病の認知症や運動傷害の発生の何年も前に、90%以上の人で嗅覚の低下がみられるそうです。つまり嗅覚の異常をこうした重大な病気の予兆とすることができて、早期の発見・治療に役立てることができるのです。なんと少なくとも139の病気で、予兆としての嗅覚の低下が確認されているそうです。こちらの論文をお読みください。
https://www.frontiersin.org/journals/molecular-neuroscience/articles/10.3389/fnmol.2024.1455418/full

TITLE=Inflammation and olfactory loss are associated with at least 139 medical conditions
JOURNAL=Frontiers in Molecular Neuroscience
VOLUME=Volume 17 – 2024
DOI=10.3389/fnmol.2024.1455418

スキャンした本のページの画像からpdfファイルをつくる

ChatGPTにスキャンした見開き2ページの画像を1ページづつの画像の分割してpdfファイルにする方法を教えてもらいました。質問のプロンプトは次のようなものでした。
『jpgファイルからpdfファイルを作ろうとしています。本を見開き状態でスキャンした100枚のjpg画像ファイルがあります。一枚のjpgファイルには、本の2ページがスキャンされています。最初の画像は本のページ1と2がうつっています。次の画像は本のページ3と4が移っているという具合です。この画像からページ1の画像を第1ページ、ページ2の画像を第2ページとするpdfファイルをつくりたいのです。それができたら、2枚目の画像からページ3と4の画像を切り出してpdfファイルの3ページ目、4ページ目とします。この操作を50枚の画像について行い、最終的に1-100ページの画像をpdfにして、100ページからなるpdfファイルが作りたいのです。自動的に見開きページの画像から、右半分と左半分のページを切り出してjpgファイルを作る方法を教えてください。フリーソフトで可能なら利用可能なソルトウエアの名前をWebで調べて教えてください。』

ChatGPTはオンラインツールとフリーソフトを教えてくれました。フリーソフトはIrfanViewです。
https://www.irfanview.com/
やり方はこちらのサイトに載っているとのことでした。https://gogotorotan.blogspot.com/2018/12/irfanview2.html
2018年の記事ですのでIrfanViewの現在のバージョンとはすこし項目の日本語訳が変わっているところがありますが、書いてあるとおりにたどっていけば簡単にページ分割とpdf化ができます。自炊などでスキャンした画像がある方はぜひ試してみてください。

量子力学や応用数学の日本語講義動画―東北大学の大関先生の講義YouTube

昨年も紹介した東北大学の大関先生の講義ですが2025年度版が続々アップロードされています。応用数学Aと量子力学Bの講義は本格的入門用におすすめの講義です。去年とまた違った内容もはいっていますので、去年観た人も今年の講義を眺めてみて必要な部分をご覧になるとよいと思います。こんな講義が自宅できけるというのは、本当にすばらしいことです。

今年の講義には休憩時間もはいっていたりして、また面白そうです。先生の大学院講義や過去講義、量子コンピュータ関連の講義その他もあるので是非チャンネルを眺めてみてください。

https://www.youtube.com/@mohzeki22
応用数学Aの第一回を埋め込んでおきます。

量子力学Bの第一回はこちらです。

ChromeでLife Science Dictionaryが使えなくなりましたね―復活させる方法があります!

ChromeでLife Science Dictionaryが使えなくなりましたね―復活させる方法があります!

Life Science Dictionary Tool WebExtensionをChromeで使っていたのですが、昨日無効化されているのに気付きました。以前こんなことがあった時には、拡張機能の管理画面で有効化させることが出来たのですが、今回は削除以外は選択肢がありません。これは何とか復活させなくてはと調べてみました。

こちらのサイトの方法に従って作業すると簡単に復活させることが出来たので紹介しておきます。
『情報の海を泳ぐ』というブログで、いろんな記事が掲載されている役立つサイトです。
https://pajoca.com/articles/
新着記事に目的の方法が掲載されていました。
『サポートが終了したChrome拡張機能を再度使えるようにする方法』
2025年7月13日
https://pajoca.com/enable-unsupported-chrome-extension/
書いてある通りに作業すると、無効化されていたライフサイエンス辞書の拡張機能管理画面にオンにするボタンが表示されるようになります。
なお古いバージョンのBraveやFirefoxではまだライフサイエンス辞書の機能拡張は利用できます。

実験計画法のオープンアクセス本と、素晴らしいオンライン教科書のサイトについて。

神戸大学の中澤 港先生のブログ記事に、実験計画法について学べる本やサイトが紹介されていました。
https://minato.sip21c.org/im3r/20250709.html

紹介されている本のほうは私が何年か前に紹介したオープンアクセス本です。
Understanding Statistics and Experimental Design
How to Not Lie with Statistics
Prof. Dr. Michael H. Herzog… in Learning Materials in Biosciences (2019) 統計学と実験計画法の教科書

オープンアクセスの電子ブックをダウンロードしてみよう―Pythonや制御理論や統計学の教科書、力学の教科書やFelix Kleinについての本などなど

この本よりも先進的で系統的な素晴らしいリソースも紹介して下さっています。私のような素人よより専門家の助言が役立つよい例ですね。記事で紹介して下さっているこのサイトはよさそうです。
https://biomedical-sciences.ed.ac.uk/experimental-design-and-data-analysis/what-to-do-with-experiments

追記:オープンアクセス本のサイトでUnderstanding statisticsというキーワードで検索してみてください。
https://directory.doabooks.org/discover?query=understanding+statistics+&locale-attribute=en

上記の本へのリンクと一緒に、2025年版のjamoviの教科書
Learning Statistics with jamovi
Navarro, Danielle; Foxcroft, David R. (2025)へのリンクもでてきます。

ChatGPTでエクセルの整形をやっていました‥‥京大の柳瀬陽介先生のAI活用授業についての論文も紹介します。

今日はChatGPT 4oモデルで、エクセルファイルの整形を行っていました。エクセルファイルをアップロードして、シート1にあるデータを、シート2の例のように整形するように依頼しました。すると数秒後に、できました‥、こちらから出来上がったファイルをダウンロードできます‥‥といってきました。さすが早いものだと早速ファイルを開いてみたのですが、全然だめでした。これこれこんな部分がちゃんとできていないと教えて、こういうアルゴリズムをつかったらと提案。今度は完全にできましたというのでダウンロードしてみると、これもダメでした。シート2のようになるまでいろいろコードを改変して、ちゃんとシート2のようになったら教えて‥と言うと、途中経過をいろいろ出力して試行錯誤している様子が表示されました。Pythonのコードを使っているようで、まだ駄目です、改良中です、というのが数分続いてやっとできたというのでダウンロードしても、ダメダメでした。エクセルファイルをPythonで整形するコードを書いているようです。マクロでやったら?するとそういう方法も選択肢にあります。ではVBAマクロを作ってと依頼。あっというまにまともに動くマクロをつくってくれました。どうやらエクセルの操作は、VBAマクロが一番得意なようです。AIもまだまだ不得手な面があるようですね。

AIといえば、京都大学の柳瀬陽介先生は、AIを用いた英語学習授業を実践しておられるので有名です。先生のブログには、私達英語を発表手段とする者にとってとても有用な記事が掲載されています。今日はこちらの記事を紹介します。
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2025/05/ai.html
2025/05/29
「AI活用により英語学習者を自律的ユーザーに育てる –京都大学の学術英語ライティング授業についての省察的報告–」(英語翻訳の二次出版付き)

京都大学のこちらのサイトから、先生の授業実践報告書がダウンロードできるので是非お読みになることをすすめます。新時代の英語教育です。

柳瀬陽介 (2025) 「AI活用により英語学習者を自律的ユーザーに育てる

–京都大学の学術英語ライティング授業についての省察的報告–」

『京都大学国際高等教育院紀要』8, 1-27

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/294306

Google検索でAI overviewを表示させない方法

この頃Google検索するとAI overviewというのが表示されて、エクセルの使い方などを検索すると結構的確な情報が得られます。右の方には参考になるサイトへのリンクも表示されるのも便利で、使えるサービスになっているようです。

でも検索によっては、役立たない情報がでて目障りということもあると思います。そういう場合にAIによるoverviewを表示させない方法があるのは知っておいた方が良いと思います。こちらのサイトにまとめがあるので参考にしてください。

【2025年最新】邪魔なAIによる概要をオフにする4つの確実な方法
https://srmk.co.jp/ai-overview-off/

私の場合は、最近YouTubeの動画の英語のオリジナルタイトルが勝手に日本語に翻訳されて表示されるというYouTubeの仕様変更で元の動画のタイトルがわからなくなってしまう不具合に困っていました。その対策としてブラウザの言語を英語にしています。その場合は、検索窓の下にAll,Images,Short videos,Flights,Web,Finance,Videos,Moreと表示されているので、その中のWebをクリックするとAI overviewが消えるので試してみてください。上の記事にはその他の方法もいろいろ解説してあるのでよさそうな方法を試してみるとよいでしょう。

100分de名著のフッサールの回 再放送は明日です! Eテレ 3か月でマスターするアインシュタインの再放送は土曜午後です!みましょう!!

NHKの100分de名著はよく見ていますが、今月はフッサールですね。


フッサール“ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学” (1)学問の「危機」とは何か
初回放送日:2025年7月7日 見逃した方は再放送は明日午後、7月11日(金) 午後3:05〜午後3:30 Eテレです。

NHKのサイトからの内容紹介を引用しておきます。
20世紀前半、近代科学は著しく発展したが「価値や生きる意味」について語らず価値を語る哲学者たちはそれぞれ勝手な説を唱えるのみであった。フッサールは「科学の有効性と人間的な価値とを、ともに説得力をもって解明する」という根源的な課題のために、「どう考えたら誰もが納得できる場所を確保できるのか」を考え抜く。そして、「意識に現れるもの」に立ち戻り、そこからすべての学問の基盤を築き直す「現象学」構想する。
現象学ってきいたことはありますが、全く知らない哲学の言葉です。内容紹介から見ると、面白そうですね。興味のあるかたはどうぞ。

国立国会図書館デジタルコレクションにもこのフッサールの本の翻訳がありますので合わせて読んでみるのもよいでしょう。(長い本の第一章、第二章の完訳、第三章は解説部分と重複しているとのことで省略されています)
『世界の名著』51,中央公論社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2935192 (参照 2025-07-10)

NHKの三か月でマスターする シリーズにアインシュタインが取り上げられているんですね!二回目がNHKプラスで配信されているのをみて気付きました。一回目はもう配信されていないのですが、なんと明後日7月12日野午後にEテレで第1回、第2回が再放送されるそうです。これは見なくては!NHKのサイトから再放送のスケジュールを引用しておきます。

ご要望にお応えし、7/12(土)14:00~14:29 「(1)初めまして!アインシュタイン」、
14:29~14:58「(2)光より早いものはない?」一挙再放送です!

スターウオーズの賞金稼ぎにはどうやってなれるのか?スターウオーズの化学という面白い講演会がありました!

英国The Royal Institutionの最新動画です。
The chemistry of Star Wars – with Alex Baker
https://youtu.be/zvyW-6MMDjM?

これはスターウオーズのファンの科学者Alex Bakerさんによるデモ実験をまじえた化学の講演会です。一般向けで、見て楽しい講演会です。暇なときに見て楽しんでください。
テスラコイルの放電も見ることができますし、プラズマをフォースでコントロールして使うライトセーバーの原理とかいろいろ実験でみせてくれます。ブログを書こうとみていて、テスラコイルの放電に見とれてしまって時間がたつのを忘れてしまいました。