生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

台風や洪水で被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。

さて今回は、生化学や糖鎖生物学、あるいは生命科学を学ぶ人に適当な有機化学の教科書として以下の本をみつけたので紹介しておきます。また無料で科学や歴史、英語などを学べるサイトも紹介します。
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume I
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume II
この二冊は、わかりやすい英語で書かれた教科書で、ミネソタ大学モリス校のサイトにおいてあって、無料で利用できるオープンソースのライセンスの教科書です。下の画像をクリックすると、化学以外を含めた様々な分野のオープンライセンスの教科書がみつかります。(画像をクリック後に開いたページの左側にあるBiological/Physical Sciencesをクリックすると生物、物質科学関係の本のリストがみられます。)

Find Open Textbooks

著者のTim Soderbergさんはもとは英語専攻で、日本で英語教師を5年ほどやっておられたそうです。その後、大学に入りなおして科学を専攻し、大学院入学資格を得た後、ユタ大学の大学院に入ってJournal of Organic ChemistryのEditor-in-Chiefを長年つとめたDale Poulter先生の指導のもとで、アーキア(古細菌)の酵素であるprenyltransferaseの研究(それぞれtRNAと膜脂質の修飾に働く2種の酵素の研究)で生化学で博士号を取得。2000年から2016年までミネソタ大学の准教授として有機化学を教えておられた方です。生化学の研究をしていた、有機化学に詳しい先生の書いた本なので生体分子をとりあげて有機化学を学ぶという方針で書かれています。これは生命科学を学ぶ人のための有機化学の教科書としておすすめできると思います。章内問題の解答や章末問題の一部の解答もダウンロードできますので勉強しやすそうです。

あと、Open Educational Resources (OER)というのをご存知ですか。無料の教科書やビデオを駆使して教育していこうという趣旨の運動のようで、無料で数学、物理、化学、生物学その他を学べるという運動です。有機化学については、以下のOERのサイトもご覧ください。
https://oerdegrees.org/courses/chemistry/
https://oerdegrees.org/courses/organic-chemistry/

いろんな無料で利用できる教材へのリンクが集まっているポータルサイトです。その中にはKahn Academyというのがあって、ビデオで有機化学を学べます(トップページ左上のCoursesをクリックすると、数学、物理、化学、生物学、歴史、ミクロ経済学、マクロ経済学、英語の文法、プログラミング(JavaScriptとか)なども学べます。たとえば前に紹介したenantiomer(鏡像異性体、エナンチオマー)について紹介しているビデオとかもあります。字幕がでるビデオですので英語の勉強にもなりますよ。

またサイエンスについては以下を参照してください。
http://oerdegrees.org/programs/science/

こんなのもあります。Libretextsというサイトで、無料で生化学、有機化学、量子化学や量子力学、統計力学、物理化学、政治学などほとんどなんでも学べます。化学へのリンクをあげておきます。
https://chem.libretexts.org/
またこちらにはSolderbergさんの教科書が1冊本のカラー版でおいてあります。章の順序立てがかわっていますが、一冊まるごとダウンロードできますのでご覧ください。

糖鎖生物学入門―7 ABO式血液型の話 その2 糖転移酵素をゲノムブラウザで調べてみよう!

(糖鎖生物学入門連載記事をまとめて読みたい方は固定ページにありますのでここをクリックしてください

さて血液型と性格に関係があるかという話です。この問題に関しては、どのような論文がでているのか、文献データベースであるPubMedで検索キーワード ABO blood type personality で検索してみました。すると今日現在で42個の論文がヒットし、関係のない論文も入っていますが、たしかにABO式血液型と性格の関係を論じた論文が公表されているのがわかります。こうした論文を自分で読んで考えられるようにすることを目標にABO式血液型の話を続けます。

今回はABO血液型を決定する遺伝子について調べてみましょう。どんな遺伝子が働いてA型やB型の血液型物質が合成されるのでしょうか。そしてその遺伝子はゲノムのどこにあって、周辺にはどんな遺伝子が並んでいるのでしょうか。まわりにある遺伝子には、もしかしたら血液型と性格の関連を示唆するものがあるかもしれませんね。早速調べてみましょう。

<糖鎖は糖転移酵素が合成する>

糖鎖は通常、単糖をグリコシド結合で連結する酵素(糖転移酵素:英語ではグリコシルトランスフェラーゼ glycosyltransferaseです)を使って合成されます。転移酵素という名前がついていますが、糖転移酵素は糖鎖合成酵素です。糖転移酵素には様々な種類があり、ヒトでは現在240種類ほどの酵素が知られています(CAZYデータベース参照。ケイジ―データベースと読みます。CAZYデータベースに関する動画はこちらをみてください。詳しくは註1参照)。

ABO式血液型物質も糖鎖ですから、糖転移酵素によって合成されます。まずO型物質を合成する糖転移酵素を使って、土台のO型物質が合成されます。そのO型物質にGalNAcをα1-3結合させる酵素をGTA、O型物質にGalをα1-3結合させる酵素をGTBと呼びます。この名称に含まれているGTは糖転移酵素glycosyltransferaseの略、AやBは血液型物質を示します。酵素タンパク質であるGTAとGTBはABO糖転移酵素遺伝子(遺伝子名はABO)がコードしています。

<ゲノムブラウザでABO遺伝子を探してみよう>
このABOという名前の遺伝子がヒトゲノム中のどこにあるのかを、ゲノムブラウザで探してみましょう。ゲノムブラウザというのは、いろいろな生物のゲノムの様子を表示してくれるソフトです。オンラインで使えるものが多く、いろいろ種類がありますが、今回は有名なゲノムブラウザであるUCSC genome browser (UCSCというのはUCがカリフォルニア大学 SCがサンタクルーズ分校の意味です)
https://genome.ucsc.edu/index.html
を使ってABO遺伝子を探しだし、この糖転移酵素遺伝子との周辺を眺めみましょう。
上のリンクをクリックして開くトップ画面の
上段部分にあるGenome Browserの部分をクリックすると以下のページが開きます。プルダウンから選ぶとアジアのサイトを使えetcというページがでて面倒なので最初は単に一回クリックしてください。すると以下のヒトゲノムブラウザのページが開きます。
右上にあるgoボタンの左にある検索窓に遺伝子の名前ABOをタイプします。するとポップアップウインドウが 開いて図のように遺伝子のちゃんとした名前が表示されますのでポップアップウインドウの中のABOの遺伝子名(alpha 1,3 GalNAc and alpha1,3 Galtransferaseなどと書いてあります)をクリックします。
すると検索窓にポップアップの内容が自動記入されますので、右側のgoボタンを押します。すると新しいウインドウでABO 遺伝子が表示されます。
検索窓の下にある帯状の図が遺伝子の存在するヒトの染色体の模式図です。赤枠で囲まれている部分にABO遺伝子があることを示しており、染色体の模式図の下には赤枠で囲んでいるあたりを拡大して表示してあります。染色体の模式図の一番左にはchr9 (q34.2)とありますね。これはABO遺伝子が染色体9番のq34.2の位置にあることを教えてくれています。これでこの遺伝子がヒトの第9染色体のバンドq34.2とよばれる部分にあることがわかりました。このようにして遺伝子名を検索窓に入れて検索すると、検索した遺伝子の存在するゲノム内での位置がわかります。

染色体の模式図の下にある拡大図ではABO遺伝子のエクソンとイントロンの構造がよくわかります。このABO遺伝子はGalあるいはGalNAcを転移する活性をもっているタンパク質をコードする遺伝子です。この遺伝子は354個のアミノ酸からなるタンパク質をコードしています。354個のアミノ酸の中の、たった4個のアミノ酸の違いでABO遺伝子の産物がGTAの機能(A型物質合成酵素活性)をもつか、GTBの機能(B型物質合成酵素活性)をもつかが決まるのです。O型の人はこの糖転移酵素遺伝子(ABO)の塩基配列の中に停止コドンが入っており、酵素活性のある糖転移酵素が合成できません。このためO型物質にGalやGalNAcが結合せず、土台のO型物質のみをもつO型の血液型になります。ABO遺伝子という名前の糖転移酵素遺伝子ですが、O型物質をつくる酵素活性はもたないので注意してください。

では、この遺伝子の周辺にどんな遺伝子があるかをゲノムブラウザで眺めてみましょう。
上の図のように開いたゲノムブラウザ画面の上のほうにはzoom in (1.5x 、3x、10x、baseのボタン)とzoom outのボタン(1.5x 、3x、10x、100xのボタン)があります。zoom inのほうのボタンは表示をさらに拡大(遺伝子を大きく拡大表示したりbaseボタンを押して塩基配列を表示)、zoom outのほうは遺伝子をゲノム中でもっと小さく表示して遺伝子の周辺をみるのに使います。
遺伝子の周辺をみたいときにはzoom outのボタンを押します。1.5xを一回押してさらに10xを押すと表示を15倍に拡大というふうに何回かボタンを押してみやすい倍率まで拡大縮小をするのが普通です。

ABO遺伝子の周辺をx10ボタンで拡大表示(zoom out)した例がこれです。
図ではABOの右側にSURF6, MED22その他いろいろな遺伝子があるのがわかります。
100xボタンを一回押した画面を下に載せておきます。
それぞれの遺伝子名をクリックすると、その遺伝子の説明が開きます。100xボタンを押して表示される遺伝子にDBHというのがありますね。これはdopamine beta-hydroxylase (DBH)遺伝子でこの遺伝子がABO式血液型と性格に関連があるという研究のきっかけになったことがある遺伝子です。これが論文です。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0126983

たしかに染色体の同じバンド内にありますね。この論文はGoogle検索してみると出版以来15回ほど引用されています。Web of Science検索では5回でした。

註1:糖鎖を合成する糖転移酵素や分解酵素など糖に関する様々な酵素が網羅されているデータベースです。ヒトだけでなくバクテリアからC. elegansやショウジョウバエ、ゼブラフィッシュやカエルや植物、マウスなど、さまざまな生物別に糖関連の酵素が網羅されています。

お知らせ―サイトを常時SSL化しました!(5/27日追記有)常時SSL化の手順

昨日、WordPressで作っているこのサイトをSSL化しました(SSLはSecure Sockets Layerの略だそうです)。具体的にはサイトにアクセスしてもらったとき、ブラウザのサイトのurl表示のところが鍵マークになり、ブラウザとサイトのサーバー間の接続が暗号化されるようになるということです。最近のブラウザではhttpsでアクセスしないと警告表示がでたりしますので多くのサイトが常時SSL化をしています。昨日やってみましたが以外に簡単にできました。今後はアクセスするときのurlがhttp://glycostationx.orgからhttps://glycostationx.orgにかわるというわけです。

以下は覚書をかねたSSL化したときの手順です。各自ご自分のサイトに合わせて読み替えてみてください。(写真はひと月ほど前に咲いていたリンゴの花です。今年は去年より沢山花が開きました。意外かもしれませんが、九州ではリンゴも栽培されています。)

1.最初にSSL化の失敗に備えて、サイトhttp://glycostationx.orgを丸ごとバックアップしました。サイト自体をAll-in-One WP Migration というWordPressのプラグインでバックアップして保存しておきます。やり方は簡単で、このプラグインをインストールしたあと起動し、エクスポートを選びます。画面がエクスポート用画面に変わるので、エクスポート先をクリックして出てきたメニューから、ファイルを選びます(クラウドを選ぶこともできます)。するとサイト名であるglycostationx.orgをダウンロード、サイズ:何メガバイトなどと表示されるので、拡大収縮表示されている部分をクリックして、保存先をパソコンの適当な場所に指定してダウンロードしたらOKです。この作業は以下を参考にして実施しました。
https://smakoma.com/wordpress-backup-restore.html
(もちろんこのようなプラグインを使わず、ftpなどでサイトのファイルを丸ごとダウンロードすることもできます。こちらのほうがギガバイト以上あるようなサイトの場合は早くて確実だと思います。)

2. サイトのバックアップができたら、次に私の使っているレンタルサーバーで無料のSSL証明書を発行してもらってSSL化を申請して、http://glycostationx.orgをhttps;//glycostationx.orgに変えました。これはレンタルサーバーごとに手順があるのでお使いのサーバーのマニュアルなどで調べるか、Google検索などでレンタルサーバー名とSSL化などのキーワードで探してみてください。エックスサーバーでのやり方を解説している以下のページはとても参考になりました。https://nelog.jp/wordpress-ssl
私の使っているレンタルサーバーでは、SSL化を申請後、1時間もかからずにサイトにhttps://glycostationx.orgでアクセスできるようになりました。

3.次に、WordPressのダッシュボードで、設定―一般とすすみ、WordPressアドレス(URL)とサイトアドレス(URL)の項目(どちらもhttp://glycostationx.orgになっている)をhttps://glycostationx.orgへと変更して変更を保存します。

4.次に、http://glycostationx.orgをブックマークしてある方などをhttps://glycostationx.orgへと自動で誘導するように設定する作業を行います(これはサーバー側での301HTTPリダイレクトというそうです。)。これには.htaccessのファイル(ドットエッチティーアクセスファイル)を編集します。とても簡単な作業で、
サイトの”.htaccess”ファイルの先頭に以下を追加しておくだけでOKです。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} !on
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]

.htaccessファイルの編集には、自分のドメインのフォルダの下にあるpublic_htmlの中にある.htaccessファイルを編集します。レンタルサーバーが.htaccessファイルを編集する手段を提供している場合はレンタルサーバーのツールで編集するのもよいですが、安全のため、いちどftpなどで.htaccessファイルをダウンロードして、保存しておき、テキストファイルエディタで開いてみて中身をよくみてから編集するのをすすめます。

今回、サイトでの.htaccessファイルのありかを確認してftpでダウンロードし、編集してアップロードするには、WinSCPというファイル転送ソフトを使いました。
https://winscp.net/eng/docs/lang:jp
このソフトはデフォルトではドットが先頭についている隠しファイルは表示しないので、ソフトを起動して環境設定―パネルを選び、「一般」にある「隠しファイルを表示する」にチェックを入れるのを忘れないようにしてください。こうすると.htaccessファイルが表示され、ダウンロード、アップロードができるようになります。編集が終わったら、編集済みファイルをWinSCPでアップロードしてもとあった.htaccessファイルに上書きしたら完了です。http://のサイトurlでアクセスしてhttps://のサイトへ飛ぶことを確認してください。
WinSCPは九大での旧ホームページ作りにも使っていたとても便利なFTP/SFTP/SCPクライアントソフトです。他にもiPadへのWindowsからの電子ブック転送とかにも使って重宝しています。

5.次に、自分のサイト内での画像やpdfへのリンクなどにhttp://glycostationx.orgではじまるurlを使っているので、これらをすべてhttps://に変える必要があります。1.でバックアップができていることを確認した上で、サイト内のhttp://glycostationx.orgの記述(画像やpdf, サイト内の別のページへのリンクなど)をhttps://glycostationx.orgへ一括で変更します。一括変更には、WordPressのプラグインSearch Regexを使います。このプラグインでブログ内の記述でhttp://glycostationx.orgで始まるものを検索、これをhttps://glycostationx.orgに一括で変更できるので大変便利です。検索にはプラグインのタイトルどおり正規表現も使えますが、単なる文字列でも検索・置換ができます。

注意:このプラグインは更新が3年ほどなされていないため、最新のWordPress(バージョン5.2)で使うと、エラーのメールがとどきます。ブログ名のあとに「サイトで技術的な問題が発生しています」というタイトルのメールがとどいて驚いたのですが、内容は、
”エラータイプ E_ERROR が ブログサイトのwp-content/plugins/search-regex/view/results.php ファイルの 26 行目で発生しました”などというものでした。
Google検索で以下のキーワードで調べてみると、
「”search regex” wordpress 技術的な問題が発生しました」
次のような解決策のページがありました。
https://smakoma.com/search-regex-error.html
このページのとおり、WordPressのダッシュボードからプラグインを選び、プラグインエディターを開いて、該当のエラー行を削除したら完了です。この作業後はもうエラーのメールはこなくなりました。

エラーがでなくなったところで、プラグインをインストールしてあれば、ツールメニューにSearch Regexがありますので、クリックして起動します。SourceにはPost Contentをまず選びます。Limit toとOrder Byはデフォルトのままでよいです。http://glycostationx.orgを検索して、https://glycostationx.orgへと置換したいので、Search patternと書いてある検索窓にhttp://glycostationx.org、Replace patternと書いてある置換窓にhttps://glycostationx.orgといれて、Replaceボタンを押します。するとサイト内のhtml記述中のhttp://glycostationx.orgで始まる部分が全部表示され、https://glycostationx.orgで置換された表現も併せて表示されます。この段階では置換は行われていません。ちゃんと置換すべき部分が表示されているかどうか、全部確認した上でOKならReplace & Saveボタンを押せば全部置換してくれます。このボタンの操作は戻せないので確認は慎重にしてください。終わったら他にhttp://glycostationx.orgの記述がないかを、SourceをPost excerptにして再確認します。あれば確認して置換します。他のSourceについても順次作業を繰り返し、終わったら置換終了です。

6.最終確認です。ChromeとかFirefoxとかでサイトにアクセスしてちゃんと鍵マークが表示されるか試してください。トップページや固定ページごとに試してみて全部鍵マークが表示されればOKです。私の場合は、論文と研究概要の固定ページでエラーになり、鍵マークが表示されませんでした。その部分をクリックすると画像が疑わしいというようなメッセージがでました。そこで、ブラウザのChromeで問題のあるページを表示して、右クリックしメニューの中の検証をクリックします。表示されるページでConsoleをクリックすると、問題のある画像がどれか教えてくれるので修正することになります。私の場合は、画像を九大の旧サイトを参照することで表示しており、このサイトへのリンクがhttpsではなかったからエラーになったのがわかりました。訂正すると無事、全部鍵マークになりました。

7. あとはGoogle Search ConsoleやGoogle Analyticsへの登録が必要になったりするサイトもあるかもしれませんので、その場合は、各自検索して調べてみてください。

私はGoogle Search Consoleを使っていますが、その場合はプロパティの追加で、URLプレフィックスではなくて、ドメインのほうを選びます。ドメイン名を入れて続行ボタンを押すと、「DNSレコードでのドメイン所有権の確認」という画面に変わり、テキストレコードが発行されます。このテキスト(特定のドメインの同定用の文字列です)をコピーして、サイトのサーバーのDNS編集画面から、このテキストを内容とするTXT タイプの新しいDNSレコードを作成します。DNSレコードの追加が終わったら、あとはGoogle Search Consoleの「DNSレコードでのドメイン所有権の確認」画面で確認ボタンをおして所有権を確認します。確認がまだですというような画面がでたら10分ほどおいて再度確認すると確認が終わると思います。この方法を使えば、http://glycostationx.orgの時のデータもそのまま移行されるので便利です。http://glycostationx.org, https://glycostationx.org, http://www.glycostationx.org, https://www.glycostationx.orgそれぞれについてプロパティをGoogle Search Consoleで作成して所有権を確認‥‥という面倒な手順は不要です。

この方法は、「サーバー名 dns レコードでのドメイン所有権の確認」という検索キーワードで見つけました。

Oumuamuaは宇宙人の探査機か?プレプリントサーバーとその活用法の紹介その5

OUMUAMUAというのを聞いたことがありますか?昨年発見された、人類がはじめて確認した太陽系外からの侵入してきた物体で、宇宙人がつくった宇宙探査機ではないかという説がささやかれていたものです。これに関する多くのプレプリントがプレプリントサーバーにアップロードされていますので、興味のある方は読んでみるのをおすすめします。Cornell大学のプレプリントサーバーarXiv.orgにアクセスして、oumuamuaで検索してみてください。50ほどのプレプリントがヒットします。

2017年10月にみつかったOumuamuaは、見つかった時すでに地球からは遠ざかっており、毎秒26 km/sという高速で太陽系に侵入して通過していったのですが、形がみえるほどの高解像度の望遠鏡はなかったので、望遠鏡ではその姿はとらえられておらず、光りかたなどからは幅:長さの比が1-5~10とみつもられているそうです。その起源は太陽系のオールトの雲由来ではなく、また近くの恒星系の外辺にある星(たとえばαケンタウリ)なの周辺にあるオールトの雲由来とも考えられないそうです。とても遠い宇宙からの来訪者のようでこれが彗星か小惑星かなど皆が注目して観測したそうです。光の反射などから推定されたその形は通常の小惑星や彗星のものではなく、とても明るい表面をもつ物体のようで宇宙人のつくった探査機かもしれないとうわさされていました。形の想像図はヨーロッパ南天天文台(ヨーロッパなんてんてんもんだい、European Southern Observatory、略称:ESO)の機関誌The Messenger の173に載っているRendezvous with `Oumuamuaという記事のp15をご覧ください。プレプリントサーバーの論文にもありますが、探査機なら電波を出しているのではないかということで、FM波長で電波が放出されていないかの観測がつづけられたそうですが、電波は検出できなかったとのことです。ただ面白いのは、太陽の重力だけでは説明できない、異常な加速がみられたとのことで、これがもし彗星などなら太陽の熱で氷がとけて尾をひいて加速したと思われるのですが、尾の形成もなくただ原因不明の加速がみられたのでした。このブログで紹介しているプレプリントサーバーをご覧になるとそれを説明する論文がだいぶ前に掲載されていたのがわかります。ハーバード大学のLoeb先生たちの論文で、Oumuamuaの加速は、日本のイカロスで実用化されたsolar sail(太陽帆)によって引き起こされたとすると説明が容易であるというのです。このプレプリントは最近、査読にとおってAstrophysical Journal Lettersという雑誌に発表されて、最近新聞やネットニュースで大きくとりあげられました。
著者はさらに多くのプレプリントをアップロードしていますが、その中で最近Scientific Americanのブログにも公開されたプレプリントは著者の考えをわかりやすく書いていておすすめです。

ブログには埋め込みできないようですが、以下の動画に Loeb先生のインタビューがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=WBekHr6nrU8

もしOumuamuaが宇宙人の探査機のようなものだったとしたら、それを追いかけて確認するというのも将来可能になるかもしれません。しかしもっと簡単なのは太陽と木星の重力にとらえられている宇宙人の作った人工物を探すことではないだろうかと書いています。太陽と木星の重力場は宇宙に張られた網のようなもので、この重力網にとらえられているであろう人工物(宇宙人の作った探査機など)を探すのが、電波で宇宙人からのメッセージを探すより手っ取り早いのかもしれないというわけです。Loeb先生たちはそのような物体の頻度を見積もる論文も最近プレプリントサーバーにアップしているようです。みなさんもプレプリントサーバーをいろいろ見て、活用してみてください。

Oumuamuaの論文は、アーサー・クラークの書いたRendezvous with Ramaという作品(「宇宙のランデヴー」という題で邦訳がでています)のラストシーンが思い起こさせます。またScientific Americanの記事のプレプリントを読むと、野尻抱介さんの「沈黙のフライバイ」のラストも思い起こされました。

AntConcの使い方と活用法その2―自分専用の英語論文例文集(コーパス)の作り方pdftotextの使い方

前回紹介した英語論文用の例文集に使えるAntConcはテキストファイルやhtmlファイルを扱いますが、最も身近な英語の例文集の素材はpdfファイルだと思います。そこで今回は英語の例文集の作成のために重宝する、「pdfファイルをテキストファイルに変換する方法」を紹介します。AcrobatやFoxit Readerなどでpdfを開いて、textファイルとして保存する方法は、pdfファイルが数百、数千ある場合は手作業では対応できません。こんな場合は、Acrobatなどで複数のpdfファイルを一つのpdfファイルに結合してからtextファイルに変換するという方法もありますが、そんなめんどうくさいことをしなくてもpdftotextという無料ソフトを使えば一括で複数のpdfファイルをそれぞれ別のテキストファイルに変換でますので、やってみましょう。

まずpopplerというpdfを扱うプログラミングライブラリ(その中にpdftotextが入っています)をお使いのWindows, Mac, linux用のものを選んでダウンロードしてインストールします。linuxではsudoコマンドでpopplerをダウンロードしてインストールできますし、Mac版もアプリストアからダウンロードできるはずです。私が使っているWindows 10やWindows 7のPCの場合については、ここに詳しいインストールの仕方が書いた記事がでているのを見つけました。大変丁寧に書いてありますのでそのよく読んでインストールしてください。私もこの記事のとおりにインストールして利用しています。

私はCドライブ直下にpoppler-0.68.0というフォルダ(ダウンロードしたPopplerの圧縮ファイルを解凍(解凍ソフトは註1をみてください)してできるフォルダ名のままコピーしただけです)を作り、その直下にあるbinフォルダ(binaryフォルダの意味で、実行ファイルが入っているフォルダのことです)に自分の必要なpdfファイルを集めてテキストファイルに変換しています。shareフォルダの下にはpopplerとrenameしたデータファイル(上述のホームページにあるリンク
https://poppler.freedesktop.org/poppler-data-0.4.9.tar.gz からダウンロードしたpoppler-data-0.4.9.tar.gzファイルを解凍したもの。註1参照)をおいてください。あとは以下のコマンドを記述したバッチファイルをテキストファイルエディタで作ることが必要です。

for %%i in (*.pdf) do (pdftotext %%i %%i.txt)

このコマンドをテキストファイルエディタにうちこみ、できたファイルに適当な名前(pdf2txt.batとかすきな名前)をつけて保存します。保存のときデフォルトではテキストファイルで保存されれウため、pdf2txt.txtになりますのでファイル名の変更でpdf2txt.batにするか、保存時に.batで保存してください。保存場所はpdftotextのあるフォルダ(上の例ではbinフォルダ)にします。

あとは、変換したいpdfファイルを上のbinフォルダにコピーして、コマンドプロンプトでpdf2txt.batファイルを実行するだけです。日本語のファイルも英語のファイルもともにテキストファイルに変換されます。(invalid font weightというエラーが出るかもしれませんが無視してよいようです。不都合があったら教えてください。)

以下はコマンドプロンプトが初めての人むけの簡単な説明です(註2参照)。

バッチファイルというのはwindowsのコマンドプロンプト(windows7では「すべてのプログラム」の部分をみていくと、アクセサリフォルダの下にあります。windows10では下の図の左端の写真ようにシステムツールの下にあります。)でファイル名を入力してエンターを押すと、ファイル内に書いてあるコマンドを逐次実行するというものです。

矢印のコマンドプロンプトをクリックして起動するとき右クリックで、管理者として実行を選んで起動しておくと管理者としてログインしていないときにおこるトラブルをさけられますので注意してください。

今回のバッチファイルは以下のような内容で動きました。

for %%i in (*.pdf) do (pdftotext %%i %%i.txt)

意味は、iという変数にpdfのファイル名をいれ、それにpdftotextコマンドを実行してpdfのファイル名(%%i)のついたテキストファイル(%%i,txt)を作るという操作をフォルダ内にあるすべてのpdfファイル(*.pdfというワイルドカード*を使っている部分で、任意のファイル名のpdfファイルを表しています) がなくなるまで一個ずつ繰り返す(for    doの部分)というものです。

コマンドプロンプトを上に説明したように起動すると、黒いバックに白い字の画面が開きます(上の真ん中の図)
自分の今いるディレクトリ(フォルダ)の名前が表示されています。これから目的のpopplerのフォルダを探すとき、たとえばCドライブの直下にpopplerのフォルダがあるなら、コマンドプロンプトでcd ..(cdとうって、ピリオドを二回うちます)というコマンド(これはディレクトリを上に登って行くコマンドです)を何回かうってディレクトリをC:¥>にします。上の図の右端の図。
dirとうつとディレクトリやファイルの一覧が表示されます。
popplerのフォルダへ移りたいのでcd poppくらいまでをタイプしてあとはタブキーを押してください。タブの自動補完機能でcd poppler-0.68.0と自動入力されます。(このタブ補完の機能はlinuxで重宝するのですがWindowsのコマンドプロンプトでも利用できますので活用してください。) enterキーを押すとC:¥poppler-0.68.0>と表示されてディレクトリを移動したのがわかります。ここでdirとうってenterを押すとディレクトリ内のファイルとフォルダが表示されます。プログラムファイルのあるbinのフォルダ(ディレクトリ)があるのを確認してください。cd binとうってenterを押すとbinのディレクトリに移動します。C:¥poppler-0.68.0\binとなっていたら成功です(上の右端の図)。再びdirとうってenterをおします。これでこのbinフォルダ内にあるすべてのファイルとフォルダが表示されます。あとはそこにコピーしてあるバッチファイルpdf2txt.batを実行する(コマンドラインにpdf2txtとうってenterを押す)と、自動的にファイル名のついたtxtファイルができあがります。

こうして一括でpdfファイルをテキストファイルに変換したら、あとはこれらのテキストファイルをAntConcに読み込んでコーパスとして論文を書くときに参照すればいいわけです。

もちろんテキストファイルですから、テキストファイルを一括検索して、検索結果にタグジャンプして参照できるgrepコマンドも使えます。適当な、grepコマンドが使えるエディタ(たとえば有料ですが秀逸なエディタでおすすめの秀丸エディタ)でpdfの内容を串刺し検索するのもよいですね。pdfgrepというソフトもあって、これを使えばpdfファイルのままでgrepができるそうです。これはまだ使っていません。windows版をダウンロードしてさきほどのbinファイルにコピーしておけば、コマンドプロンプトで使えるのですが、linux版とちがって検索語がハイライトしなかったりしてまだ使いこなせていません。興味のある方は使ってみてください。

註1:圧縮ファイルの解凍には私は7-zipを使っています。たいていの圧縮解凍はこれでできます。
註2:パスの通し方とかは説明しないでpdftotextを使う方法を説明していますので、良く知っている方はパスを通して適当な場所にpdftotextをおいて使ってください。

AntConcの使い方と活用法その1―自分専用の英語論文例文集(コーパス)の作り方

京都でひらかれた大学の同窓会にでかけたりして更新が遅くなりました。京都は快晴で、まだもみじの季節ではなかったですが美しかったです。しかし観光客が多いこと多いこと。スペイン語や中国語、韓国語、さらにはノルウエーの旗を立てた団体もみかけました。

さて、昨年の分子生物学会のランチョンセミナーの中でAntConcというフリーソフトウエアの紹介をしました。英文を書くときに自分専用の例文集を作っておいて、それが簡単に検索できればとても役立ちます。前回紹介したTextClipperで役にたちそうな例文をテキストファイルに集めておいて、AntConcというフリーウエアでコンコーダンス検索してヒットした例文を参考に英語を書く方法を紹介します。もちろん自分の関係分野の論文のpdfをテキストファイルに変換して集めておき、それをAntConcで検索してもいいわけです。pdfをテキスト化するには、pdfをAcrobatなどで開いておいてtextファイル形式で保存するのも一つのやり方ですが、一斉にpdfをテキスト化するならLinuxやWindows、macなどにあるpdftotextといったソフトを使うのが便利です。ウインドウズにもこれが含まれているLooperというソフトがありますのでそれを使うといいでしょう。これについては次回紹介します。

それではAntConcの使い方の解説をはじめます。AntConcはコンコーダンスソフトウエアという種類のソフトウエアで、検索語を入力するとテキストファイルからその単語を拾い出し、文中に含まれるその単語の前後をふくめて表示してくれるソフトです。単語の文中での出現頻度などその他の様々な情報もわかります。まず早稲田大学のLaurence Anthony先生ホームページから自分のパソコンのOS(mac, windows, linux)にあったソフト(無料です)をダウンロードします。ここのリンクをご覧ください。
AntConcのホームページには、YouTubeの解説動画や日本語の解説pdf(バージョン3.2,2の解説ですがとても参考になります)などへのリンクもありますので適宜参照するといいでしょう。
ダウンロードしたファイルは実行ファイルなのでダブルクリックして起動します。詳細な使い方は先生のhelpファイルのpdfがあるのでダウンロードしてみてください。

写真はダブルクリックして起動した直後の画面です。起動時にはConcordanceタブが開いています。 Fileメニューが上にあります。Fileメニューをクリックするとプルダウンメニューが開き、その一番上にあるOpen File(s)を選んで検索したいファイル(複数選択可能です)を読み込みます。(下の図)

複数のファイルを読み込んで串刺し検索もできます。またOpen Filesの下のOpen Dirを選ぶと、フォルダ(あるいはDirectory)内にあるすべてのテキストファイル(とかhtmlファイル)を検索してくれます。こうして必要なファイルを開いてやると以下のような画面になります。
下の写真は私達の論文(AkiyoshiさんのCGGDBデータベースについての論文をpdfからテキストファイルにしたものでcggdb.txtという名称にしました)を開いたところです。
Current Filesというところに検索するファイル名が表示されます。複数選択した時は選択したすべてのファイルが列挙されます。
では検索してみましょう。resultという単語を検索することにします。Search Termの部分にresultといれて検索窓の下にあるStartボタンを押して検索してみましょう。(このとき右にあるwordsにチェックをいれています(下図参照)。単語としてのresultが検索されます。Caseにもチェックをいれると大文字小文字の区別をして検索できますし、Regexにチェックを入れると正規表現(Perlタイプのもの)が検索に利用できます)ヒット数は上のほうのConcordance Hits に表示されます。

6個ヒットしています。注意したいのはWordsにチェックを入れた状態で、resultを検索するとresultsは検索されないことです。Wordsのチェックを外してresultとして検索すると、resultだけでなくresultsもresultedもresultingもひっかかってきます。(下図)

ヒット数が57となっているのがわかると思います。
Concordanceメニュ―では、resultというキーワード(Key Words)が文のコンテクストの中で(In Context)どのように使われているかが表示されています。この表示を略してKWIC表示といいます。結果の表示法は、いろいろ下のメニューで変更可能です。たとえばSearch Window Sizeはデフォルトで50文字(腱索キーワードの前後50文字ずつ)となっていますが、これは増やしたり減らしたりできます。ちょっと表示を左右に広げてみるとよくわかります。

Search Termの検索窓の下のほうにKwic Sortとあるのは、検索結果のソートボタンです。

図ではLevel 1が1R(キーワードresultの右の語でアルファベット順にソート)、Level 2が同じ右の単語の場合は、キーワードの二番目の単語でさらにソートします。それがLevel 2 2Rという部分です。Level 3は三番目の単語でさらにソートとなります。もしresultの左の単語でソートしたいときは、Level 1以下の部分を下向きの矢印ボタンを何回かクリックして、下の図のようにかえて、Sortボタンを押してください。

すると検索キーワードの左の単語で再ソートされますので、resultの前にくる単語がわかります。

次にKWIC画面で表示されている原文をみてみましょう。みたいヒット行の青字で表示されているキーワードをクリックしてみましょう。クリックした文を含む原文がFile Viewタブが開いてそこに表示されます。

Hit Locationという部分の上下の矢印をクリックすると、前や後のresultを含む原文が表示されます。カーソルをFile View画面で動かせるようにしておくと、マウスの中央ホイールをくるくるまわして前後のresultを表視することもできます。

皆さんもご自分でつくったテキストファイルやテキストファイル群をこのソフトで開いて遊んでみてください。大変有用なソフトです。ちょっと長くなったので今回はここで止めます。次回はAntConcのその他の機能と、どうやってpdfからtextファイルを作るかについてpdftotextの使い方を紹介したいと思います。

写真は元寇のとき筥崎宮が避難していた場所を訪れたときのものです。とてもいい天気で気持ちがよかったです。バス停をおりると案内板があって、650mほどのぼりの道を行くと古い社があって記念碑がたっていました。人はだれもいません。一番最後の写真は帰りの川面です。波紋がきらきらと川底に映えてハヤも泳いでいました。このへんはホタルも初夏には見られます。

テキストデータをどんどん蓄積していくソフトの紹介―その2 TextClipperの紹介です。

HeartyLadder (ハーティー・ラダー)というソフトをご存知ですか?このソフトのサイトにある文章をそのまま引用させてもらいます。
だれでもみんな人に伝えたい「こころ」があります。
笑みで、言葉で、手紙で、そしてE-mailで・・・・

本ソフトウエアは手などが不自由なため、キーボードやマウスでの入力が出来ない方のために 開発した文章入力用のソフトウエアです。
 ハーティーラダーは、文章の作成やメール、そしてWindows操作を支援するソフトウェアです。キーボードやマウスが使えなくても、漢字交じりの文章を書けて  E-mailのやりとりができます。またホームページを見たり、ワードやエクセルなど一般のアプリケーションの操作もできます。  このソフトを使ってラブレターも書いてもらえたら素敵だなぁと思いながら、  私たちも心を込めて作っています。また、2011年に公開したマイボイスというソフトを使うことで、自分の声での読み上げができるようになっています。 このHeartyLadderがあなたの『心の架け橋(HeartyLadder)』になればうれしいです。

Xoops(註1参照)でつくられているHeartyLadder のサイト ハーティー・ラダー・サポーターのぺ―ジhttp://heartyladder.net/xoops/をみるとこれが、物凄いソフトだということがわかります。このソフトの開発改良が多くの方々の参画を得て、日々 着実に進んでいるのを拝見して頭がさがりました。たとえば以下をご覧ください。
http://heartyladder.net/xoops/modules/whatsnew/
ハーティー・ラダーの開発者は吉村隆樹さん。以下に紹介するTextClipperの開発者でもあります。吉村さんについてはご自身の本、パソコンがかなえてくれた夢 (高文研)や、吉村さんのホームページ まなつのみかんにある、ブログをご覧ください。なおこのまなつのみかんのHeartyLadderの記述は古いようなので、上にあるリンクをご覧ください。

HeartyLadderはキーボードやマウスが使えない方でもラブレターが書けるようにというコンセプトのソフトですが、どんどん改良を重ねておられて、今では視線入力装置と連携してALSの患者さんも使えるようになっているそうです。視線入力装置対応のHeartyLadderも無料で公開されています。昔は150万円くらいした視線入力装置が2014年に12000円くらいで入手できるようになったそうで、この視線入力装置を使うためのソフトHeartyAiと、このHeartyLadderと組み合わせるとよいとのことです。以下に説明のpdfがありますのでご覧ください。http://heartyladder.net//upload/takaki/hearty/HeartyAi.pdf
関連した新聞記事もリンクが切れるかもしれませんが、ご覧ください。
https://mainichi.jp/articles/20180331/k00/00m/020/106000c

さて、TextClipperです。これは以下のページにある吉村さんの説明を引用しますと、こんなソフトです。http://takaki.la.coocan.jp/freesoft/textclipper/

TextClipperについて
本プログラムはテキストのデータベースです。
某ユーザーさん曰く
  テキストのデータベースなんてかたぐるしく言わずに、「アイデアクリップ」とか
「アイデアメモ」なんて紹介するともっとユーザーが増えると思います。

と・・・・・
多くのテキストをツリー構造で管理します。
データーベースというと、データの入力が結構大変です。特にテキストのデータベースになると、テキストファイルを読み込んだり、ソフトを切り替えてコピー&ペーストを繰り返してと言うことになるでしょう。でもこのソフトではそういう作業は必要としません。
世はインターネットブーム。ネットサーフィンに興じている人も多いでしょう。
そこで得た情報はどうやって管理しておられるでしょうか。
この部分の文章はとっておきたいと思っても、すぐに簡単には保存できないと思います。
でもこのソフトを常駐させておくと、ネットスケープやインターネットエクスプローラで保存したい部分を反転して後はボタンを1つ押すだけです。
タイトルを付けたりする必要もいっさいありません。
プログラミングやネットサーフィンをしながら手間をかけることなく自然とデータベースにデータが蓄積されていく感じです。これより簡単な保存方法はないでしょう。
また、その逆のデータベース化したテキストを利用するときも、簡単に使用中のワープロやエディタ、通信ソフトにペーストできます。
本プログラムはいろんな場面で応用できると思います。」

私はこのソフトのクリップツールという機能拡張を主に使っています。ネットサーフインしていてこれはと思ったテキストをキーワードをつけて(つけなくてもいいです)、どんどん一つのテキストファイル(Tc_txt.txtという名前のテキストファイルです)に保存していくことができます。新しくクリップしたテキストはこのテキストファイルの最後尾にクリップした日時、簡単な出典表記、自分でつけたキーワード(なしでもOKです)とともに追記されていきます。こうしてテキストデータベースを構築しておけば、あれはなんだったっけと思いだせないときにも、保存したテキストファイルをgrepソフトなどで検索したら一発で該当テキストをみつけられます。キーワードを保存時に追加しておけばなおさら検索は容易になります。保存には自分で保存用キーを設定することもできます。私はたとえばshift+Cにして保存しています(12月1日追記:すみませんshift+Cでは大文字のCを入れる時にクリップツールが起動してしまいだめです。alt+Cとか、shiftのダブルクリック+Cとかにしてください。)が、キーコンビネーションは環境設定メニューの、キー割当から設定できます。

クリップボードに入ったテキストファイルが保存されますので、TextClipperを常駐させておけば、Microsoft Wordやpdfリーダー(Acrobatなど)、ブラウザで表示したテキストなど任意のソース中のテキストファイルを保存することができます。一つの決まったファイルにクリップするごとに付け足されていきますので、このクリップをどんどんつづけていけば、結構充実したテキストデータベースができます。このクリップツールは以前、吉村さんにお願いして作ってもらったものですが、大変便利です。
これはTextClipperのページにあるクリップツールのなかの、作者のところに木谷さん 野村さんとあるものをダウンロードして解凍してできたファイルclipfile.ctaを、TextClipperフォルダに入れると使えるようになります。私はこんなツールがあったら良いなぁとうお願いをしただけです。プログラムは木谷さんと吉村さんです。

私の去年のランチョンセミナーで、論文の例文集をつくっておいて、それをコンコーダンスソフトで検索して、英文執筆に役立てると言う話をしました。その例文集の作成にもピッタリのソフトですので、お試しください。その際、改行の処理とかが必要になるかもしれませんが、いろいろ工夫してみてください。とても便利なソフトですよ。

(12月2日追記:clipfileの使い方についてさらに詳しく説明しましたのでここを次にご覧ください。)

(註1:Xoopsはこのブログで使っているWordPressのような、コンテントマネジメントシステムCMSというもので、研究室の内部ホームページで必要な資料を共有する、連絡をするなどに活用していたこともあります。いろんなレンタルサーバーで使えるので活用するのもいいかもしれません。私達は、MicrosoftのOneNoteに変えてしまったので今は使っていません。OneNoteで各人の実験結果を毎日報告してもらい、進捗状況を把握しコメントする、通勤電車の中で各メンバーの進捗状況を確認してコメントする、情報を共有する、などの使い方をしていましたが、これは役立ちました。OneNoteは絶対おすすめのソフトです)

秋のおすすめ本その1―量子生物学(1)

ノーベル賞の発表がはじまり、本庶佑先生が授賞されてみなが大喜びですね。秋も深まってきて福岡では農家の稲刈りも9割がた終わったようです。

量子生物学 Quantum Biologyというのを聞いたことがありますか?数年前にでた本でLife on the Edgeという面白い本があります。細胞生物学の授業で物理や化学専攻の2年生にお奨めと紹介した本です。日本語訳もされていて「量子力学で生命の謎を解く」(水谷淳訳、SBクリエイティブ発行)といいうタイトルで本屋に並んでいます。

動画は英国のRoyal Institutionでのこの本の著者の講演です。この本が出たときにはイギリスで大評判になり、ベストセラーとなりました。雑誌NatureやNew Scientistでも紹介されたほどです。Royal Institutionは、かのマイケル・ファラデーが「ロウソクの科学」などの講演をした場所ですが、様々な演者を呼んでの講演が常に行われており、講演は公開されています。YouTubeのチャンネルもありますので、ご覧ください。電車の待ち時間や通勤時間に視聴すると楽しいです。英語が聞き取りにくいときは字幕を表示させるとよくわかると思います。Royal Institutionでは評判の科学書の著者を読んで講演してもらうことも多く、この本もそうですが、ほかに例えばHow to clone a mammothという評判の本の著者のBeth Shapiroさんの講演など、本の内容がよくわかる講演がいろいろありますので、本を買う前に聞いてみてください。本を買わなくても良いかもしれないほど面白い講演が多いです。

さて量子生物学ですが、この本では酵素反応にプロトンのトンネル効果が働いて効率化に寄与していたり、コマドリの季節の渡り(地磁気を感知するコンパス)にコマドリの体内にあるクリプトクロームというタンパク質分子内の電子の量子もつれが利用されていたり、あるいは光合成中心への効率的なエネルギーの移動にexcitonとよばれる励起子が働いていたりという話が分かりやすく書いてあります。他に匂いの検知メカニズムにも量子効果が働いているという仮説(反論の論文もでています)もあって、読んで大変面白い本です。物理や化学を学んでいる学生さんに特に薦めます。

著者の主張は「生命は量子効果を利用して維持されており、生きているということは量子効果が利用されている状態、死ぬとそれがなくなるということで、まさに量子効果の働く境界で生命が存在している」というものです。光合成の反応中心では量子コンピューターが働いているという論文の紹介もあります。その論文をみて一時間もかからずその間違いがわかったというMassachusetts Institute of Technologyの先生の講演が一番下の動画です。この有名な量子コンピューターの権威Seth Lloyd教授は、自分のラボで量子生物学を研究しているそうです。九州大学の生物学科の教授だった西村光雄先生は留学中、光合成細菌の光合成でのチトクロームの酸化における電子移動が液体窒素の温度でも起こることを発見した論文を有名なBritton Chance先生との共著で書かれました。続く研究でChance先生は液体窒素の温度やそれ以下の温度まで冷却すると100K(ケルビン)以下では電子移動が温度に依存しなくなることを発見、光合成における電子移動には量子トンネル効果が介在していることを示唆する論文を書かれています。西村先生の実験の話はこの本の第3章(翻訳書の98ページ)にのっています。九州大学にも量子生物学の研究室はありますし、最近は大阪大学でもこんな研究がたちあがっています。分子生物学会のワークショップでも量子生物学がとりあげられるなど、面白い研究分野になりそうです。

最近の日本語で書かれた量子生物学の入門書や総説についてはこちらの記事をごらんください。(2019年1月30日追記)

 

 Firefox ESR版の重要な更新についてのお知らせ―古いアドオンがとうとう使えなくなりました

台風の大きな被害が各地で報道されていましたが、今度は大きな地震にみまわれてしまいました。被災した皆様に心からお見舞い申し上げます。また救出作業や停電やライフラインの復旧など、様々な活動に日夜尽力されておられる皆様に心から感謝いたします。

 

今回は以前からFirefox ESRを使っていた皆さんへのお知らせです。

とうとう本格的にFirefox Quantum最新版への移行が必要になりましたね。Firefox ESRがFirefox Quantumベースの最新版になったため、自動更新にしている方は今までESRで利用していた古いアドオンがほとんど使えなくなっていると思います。また手動で更新したら、せっかくESRにして使い続けていたESRでしか動かなかった古いアドオンが使えなくなってしまいますので気をつけてください。たとえばScrapBookとかです。ScrapBookは便利なアドオンですので、最新のFirefoxに対応してもらいたいものです。要望はあるようですがなかなか開発されないようです。その点、Life Science Dictionaryはすぐに最新版に対応してもらって本当に良かったと思います。 FirefoxChrome版のありかを念のためにリンクしておきます。

以下に前のバージョンのFirefox への戻し方を書いておきます。
ただ古いFirefoxではセキュリティーアップデートが継続されませんので、使い続けることはおすすめできません。それでたとえばScrapBookの場合だったら、データを書きだすなどしてこれ以降は古いバージョンのFirefoxを使わないのがよいでしょう。最新版に自動アップグレードされてしまって、古いアドオンをどうしても使う必要がある(バックアップのためなど)ときの対処法を書いておきます。(私のwindows10ではうまくいきましたがその他のシステムでは試していません)

1)新しいFirefox(60番台のESR版)では今まで使っていた多くのアドオンが使えなくなっています。では記憶させていたログイン情報とかパスワードとかはちゃんと自動アップデートされたFirefoxに記憶されているでしょうか。念のため、ログイン情報やパスワードがちゃんと新しいFirefoxに移行されているかどうかを確認してください。このFirefoxをこれからいじりますので、これらが消えてしまうと大変です。さらに念をいれて、以下のやり方が失敗した時に備えて、私はログイン名とパスワードを表示した画面をデジカメで撮影しておきました(パスワードなどを書きだすアドオンが動いておればそれで書きだしてもいいです)。

では古いFirefoxに戻しましょう。

2)自動更新で新しくなってしまったFirefox Quantum ESR版のFirefoxを起動し、ヘルプメニューにあるトラブルシューティング情報という項目をクリックしてみてください。プロファイルフォルダへのリンクがあるのでクリックしてプロファイルフォルダの場所を開いてください。Firefoxはプロファイル(profile)フォルダというフォルダにログイン情報とかブックマークとか、アドオンの情報などすべてを集めていますので、これさえあればトラブルがおこっても大丈夫、ちゃんと動いていた時のFirefoxに戻すことができます。どこか好きなところにこのプロファイルフォルダを中身ごと全部コピーしてバックアップとしてとっておきます。これがあれば最悪、自動アップグレードした状態へもどれます。

3)古いFirefoxに戻すやり方は簡単です。自動アップグレードされる前の古いバージョンのFirefox 52.9.0 ESRのインストーラー(以下にありかを書いておきます)を使って、インストールします。 デフォルトでインストールすれば、古いバージョンが復活するはずです。必要なアドオンを起動して、使え困りまりますので、ツール、オプション、詳細と選択して、更新をクリックし、更新を自動的にインストールするのチェックを外して自動インストールしないようにしておきましょう。

自動更新される前のFirefoxESR版ですが、昔インストールしたときのインストーラファイルがあればそれを使います。なければ以下のftpサイトからダウンロードできます。Mac版、Windows版、Linux版など昔のものから最新のものまでいろいろそろっていますので、必要なインストーラーをダウンロードして、インストールすると、更新される前のバージョンに戻ります。

ひとつ前のバージョン52.9.0esrここにあります。 ウインドウズ版は win64のディレクトリをクリックして開いたフォルダからダウンロードできます(win32は32ビット版)これは前にインストールしてあったScrapBookが使えますが、停止されておりaddonのインストールメニューから探して再インストールする必要があります。もう少し古いもの52.7.3esrここにあります。これはインストールするとすぐにScrapBookが使えます。

覚えておくといいのはプロファイルフォルダの管理のことです。実は私はFirefox Quantumをめったに使っていませんので、以下はFirefox Quantum以前のFirefoxでしか試していません。Firefox Quantum ではうまくいかないかもしれませんので注意してください。

プロファイルフォルダにはブックマークだのアドオン情報などがすべてあつまっていますので、別の パソコンにFirefoxをインストールしたとき、もとのパソコンの情報をそっくり引き継ぐのは新しくインストールしたFirefoxのプロファイルフォルダの中身を、前のパソコンのプロファイルフォルダの中身にそっくり置き換えれば可能です。私が退官するときに古いパソコンのFirefoxの設定をプロファイルフォルダのコピーで別のパソコンへ移しました。もう少し詳しく書くと以下のとおりです。

新しくFirefoxをインストールしてできたprofileフォルダの場所を上と同様にヘルプメニューのトラブルシューティング情報から探します。探し出したプロファイルフォルダの中身を全部消去します。空にしたプロファイルフォルダをクリックして開き、そこに先ほどコピーしておいた設定を移行したいFirefoxからコピーしておいたプロファイルフォルダの中身を全部選択して丸ごとコピーするといいです。こうすると、昔のFirefoxがよみがえります。

写真は道端に咲いていた月見草です。


					

Google翻訳で中国語のサイトを読む―日本語ではなく、必ず英語に翻訳すること!

中国語のサイトを皆さんはどのように読んでおられますか?Google翻訳は結構使えます。
いろんな言語の翻訳に使えますが、今回は中国語のページ(後半を参照してください)を訳してみます。Google翻訳のページを開いて、翻訳したいホームページのurlや翻訳したい文章を入力します。デフォルトは日本語を英語に翻訳するようになっていますので、元の言語の日本語とある部分のプルダウンから「言語を検出する」を選ぶと、自動的にホームページの言語を検出してくれて今回の場合は中国語になります。こうして原文の言語を選んだら、次に翻訳する言語を選びます。デフォルトでは中国語→日本語の翻訳となりますが、やってみたらわかりますが使い物になりません。そこでまず英語に翻訳(中国語→英語)してみてください。英語へのGoogle翻訳の方が格段に正確でした。これは需要の多さによるのか、中国語と英語が語順などで似ていることによるのかは私にはわかりません。この方法で、中国語の記事を読むようになると、情報収集が格段にはかどりますのでためしてみてください。(以前、アインシュタインからの墓碑銘の記事を書いたときにもGoogle翻訳(ポーランド語から英語)をつかっていました。

雑誌Scientific Americanの4月号(今年3月発行)にThe Brain, Reimaginedという記事が掲載されていました。記事の内容は神経伝達のメカニズムとしてノーベル賞を授賞していたホジキン・ハックスレーの説では説明できない現象(たとえば麻酔が効くこと)が存在し、それらの現象は神経伝達がelectromechanicalな孤立(圧縮)波ソリトンを介して起こるものであるとすると綺麗に説明できるという記事でした。そのきっかけとなる現象は日本人の研究者 田崎一二博士(National Institute of Healthに長年勤務 98歳まで現役の科学者だったそうです。リンクの後半の先生の写真のあたりをご覧ください)による発見であり、Thomas Heimburg(コペンハーゲンのニールス・ボーア研究所)教授の研究によって田崎の研究が一躍注目を浴びたとあります。本当なら教科書を書き換えることになり、ノーベル賞は確実という業績です。Heimburg先生のホームページに論文リストがのっていますので興味あるかたはご覧ください。最初の論文はPNASにでたこの論文だそうです。前に紹介したpreprintサイトにあがっている最新の解説もわかりやすいです。

上の記事を読んで田崎一二博士の業績を検索してみると、中国語のこのサイトの記事がヒットしてきました。上述の記事の引用プラス写真なども含めてすばやくアップロードされていたので驚きました。日経サイエンスはこの雑誌の翻訳を載せていますが、ほかのオリジナル記事が多かったからでしょうか、このScientific American誌の記事の翻訳は日経サイエンス9月号に掲載されたようです。是非ご覧ください。

このところ台風がきたりして物凄い風が福岡でも吹いていました。写真は田んぼに登場した案山子です。毎年このようなシュールな案山子があらわれますが、夜こんな案山子に会うと怖いかもしれません。