数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイト

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトや本について以前紹介しました。

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトと本の紹介です。

今日は追加の情報です。
最近は数検(数学検定)を小学生が受験して、なんと小学校4年生で一級合格という子もいるそうです。
今やインターネットでいろんな数学の情報が得られるし、WolframAlpha(https://www.wolframalpha.com/)などで数式の計算も手軽にできるので若い人の伸びは目をみはるものがあります。数検や統計検定を受験するのにも役立つサイトをいくつか紹介します。

上に引用した記事で「150 分で学ぶ高校数学の基礎」というスライドを紹介しました。
https://speakerdeck.com/e869120/150-fen-dexue-bugao-xiao-shu-xue-noji-chu

著者の米田 優峻さんは東大の四回生でこの記事を含む様々な記事次のサイトでアップロードされています。

https://speakerdeck.com/e869120
最近の記事では次のものが面白そうです。
「中学生でもわかる深層学習」
https://speakerdeck.com/e869120/zhong-xue-sheng-demowakarushen-ceng-xue-xi
米田さんのスライドで紹介されていた、次のサイトは統計学を学ぶのに役立つと思います。統計検定受験に役立つサイトとして有名です。
「統計学の時間」
https://bellcurve.jp/statistics/course/

また、佐久間正樹さんの本(『取扱注意! 高校数学を大学数学で解く「チート解法」』)で紹介されている次のサイトも大学数学を学ぶのに最適です。数検一級合格を目指すひとにもピッタリだと思います。
「数学の景色」
https://mathlandscape.com/

今年の生化学会年会の動画2本が公開されています。

私も会員である日本生化学会の今年の大会の講演の動画が二つ公開されているのでお知らせします。
日本語での講演動画なので、わからないところはメモして調べて見直すことも簡単です。テーマも面白そうなので一度ご覧ください。

日本生化学会はVimeoをつかっていてVimeoのチャンネルで無料視聴できます。
https://vimeo.com/channels/jbsoc

動画は次の2本です。埋め込みはできない設定になっている動画なので下のリンクをクリックして視聴してください。

第97回日本生化学会大会
~~プレナリーレクチャー1題~~
■一條 秀憲 氏(東京科学大学)
「細胞がストレスを感じる仕組みと疾患
~特異的な分子間結合による直線的シグナル伝達から多価的で緩やかな分子集合による
しなやかな細胞応答機構の理解へ~」https://vimeo.com/1029518216

~~柿内三郎記念賞受賞講演~~
■小松 雅明 氏(順天堂大学大学院医学研究科)
「選択的オートファジーの病態生理学的研究」
https://vimeo.com/1029507878

高解像度でスクリーンショットを撮る方法―Firefoxでのやり方

ブラウザで表示した画像を高解像度でスクリーンショットで保存し、印刷物に利用したい(論文の図に一部を使いたい場合など)ことがあります。今回はFirefoxのブラウザで、開発者ツール(Developer Tools)をつかってスクショする方法を簡単に紹介します。(Chormeでも同様にできます)
スクリーンキャプチャするには、ブラウザの機能拡張でスクショを撮るものがあって簡単そうですが、いくつかダウンロードして試したところなんとなくネットに情報を送信しているような気がして怖いのでやめにしました。今回紹介する方法は、ブラウザ自体の備え付けの方法ならその点は安心ですね。

やり方は以下のとおりです。ChatGPT の出力をもとに記載することにします。

Firefox Developer Tools を使用する

  1. Developer Tools を開く
    • Windows/Linux: Ctrl + Shift + I
    • Mac: Cmd + Opt + I
  2. レスポンシブデザインモードを有効化
    • 開いた開発者ツールの右上にあるデバイスアイコン(スマホとタブレットの形)をクリックするか、Ctrl + Shift + M(Macでは Cmd + Opt + M)を押します。
  3. 解像度の設定
    • 2.で有効化したレスポンシブデザインモードの画面上部に、解像度を入力するフィールドがあります。カメラのアイコンのある行の左のほうを見てください。一番左にキャプチャディバイスのエミュレーションモードのプルダウンがあります。スマホのGalaxyとかiphone, あるいはiPadなどが選べます。お好みのディバイスがこのリストにない場合は、プルダウンメニューの一番下にある「リストを編集」をクリックします。新しい画面が開いて、より多くの端末がリストアップされます。下のほうには、ノートPCとかテレビのディスプレイも選べるので、好きなものを選んでみてください。お好みのものがなければ右上にある、「カスタム端末を追加」をクリックして自分の好きな解像度(例: 1920×1080 や 3840×2160)を指定します。その際に解像度だけでなく、その右にある端末ピクセル比(DPR:Device Pixcel Ratio)を指定します。3とか4にするとキャプチャした画像を拡大してもなめらかで、印刷物に利用できるような高解像度の画像がキャプチャできます。はじめからあるディバイスモードでキャプチャして、拡大したらギザギザの画像になった場合などはDPRを設定しなおしてみてください。設定できないときはカスタム端末を追加でDPRを指定するのが簡単です。画像のサイズが大きくなるので、DPRを10とかにするのはお勧めしません。
  4. スクリーンショットを撮る
    • 画面右上の「カメラ」アイコンをクリックします。または、コンテキストメニュー(右クリック)から「スクリーンショットを撮る」を選びます。これでお好みの解像度と、DPRの画像が簡単にキャプチャできます。試してみてください。大変便利です。

宙(そら)わたる教室―NHKのドラマにはまっています!

NHK地上波でやっているドラマ、「宙(そら)わたる教室」を毎週楽しみにみています。今日が第9話で来週の第10話で終わるのですがどんな結末になるのか楽しみです。
NHKオンデマンドを契約すれば第1話から見ることができます。またAmazonのPrimeビデオでも第1話から見ることができるので、是非ご覧になることをおすすめします。NHK地上波で全話再放送されるといいですね‥‥。

科学者を描くドラマは、大きな影響力をもっています。
朝ドラで牧野富太郎が登場して以来、科学者に対する一般の方の見方が変わったと感じます。このドラマをみると、牧野の時代ではなくて現代の現役の科学者がどんな風に仕事をしているかがよくわかると思います。一般の方の科学者と科学に対する観方を一変するドラマに仕上がっています。 牧野富太郎の朝ドラとちがって、こちらは現代の科学者とともに科学の研究をする定時制高校生と全日制高校生たちの話で、JAXAも舞台になっています。現代の科学研究における研究予算の獲得の重要性もよくわかるようになっています。ドラマを見た人が多分反感をいだく石神教授のような科学者(政治家や官僚に研究の重要性を納得させてみんなの使える研究予算を獲得する科学者)も実は不可欠なのです。ドラマでは、科学研究の喜び、若者の進路選択、社会との葛藤などとてもうまく描かれているので是非ご覧ください。このドラマには原作小説があり、大阪の春日丘高校定時制科学部の研究が学会で賞を獲得して、JAXAのはやぶさ2プロジェクトとの共同研究に発展した実話に基づいているそうです。原作者のツイートをごらんになると面白いと思います。

https://x.com/iyohara_shin

 

木村資生博士 生誕100周年記念講演会の動画が公開されました。

11月16日に開催されて私がZoomで聴講した遺伝研の講演会の動画が公開されました。
五條堀先生や斎藤先生の動画からご覧になることをお薦めします。木村資生の本などについては末尾の記事を参考にしてください。

肌身で感じた木村資生の科学と人間性:五條堀 孝 名誉教授【遺伝研公開講演会2024】
https://youtu.be/3rvmrmL-Opk?si=7JImS9BVrVEG1AU2

ゲノム進化の根本「中立進化」を提唱した木村博士:斎藤 成也 名誉教授【遺伝研公開講演会2024】
https://youtu.be/7S86A9Bhjv4?si=-o9FNnLhRiGVYoLH

The secrets of Einstein’s unknown equation Q&A動画も公開されました。

確率と統計の集中講義の公開がはじまりました!ワシントン大学のSteve Brunton教授の初心者向け講義です。

ワシントン大学のSteve Brunton教授の有名な教科書
Data-driven Science and Engineering (Cambridge University Press) が著者のサイトから無料でダウンロードできることを去年紹介しました。

技術者とコンピュータ科学者のための最新の機械学習の教科書(第2版)がダウンロードできます!

教授は物理学(流体力学など)を機械学習・データサイエンスを駆使して研究するのが専門で、YouTubeで有益な動画を多数公開しておられます。

先日から、教授による、確率と統計に関する初心者向けの集中講座の公開がYouTubeで始まったので紹介します。確率と統計学の基礎をそれぞれ5時間ずつ、進んだ内容をそれぞれ5時間ずつで講義するようです。
まず確率の集中講義からはじまっているので、こちらから見ることができます。
Probability Bootcampと題する集中講義の再生リストです。
https://youtube.com/playlist?list=PLMrJAkhIeNNR3sNYvfgiKgcStwuPSts9V&si=61G4RFQKvniEBbVX
短い動画が44本あってコイン投げから中心極限定理まで学べます。教授は物理学と機械学習・データサイエンスが専門なので、モデルをつくってデータを解析するという普通の自然科学者向けの講義はとてもわかりやすいと思います。

講義全体の展望とイントロはこちらです。
Probability and Statistics: Overview
https://www.youtube.com/playlist?list=PLMrJAkhIeNNR3sNYvfgiKgcStwuPSts9V

Pythonで量子化学計算する新記事と、手軽に量子化学・分子動力学計算を試せるMoleculatioの紹介です。

Pythonではじめる量子化学計算についての紹介を以前何度か行いました。

Pythonで量子化学計算

『Pythonで動かして始める量子化学計算 』という本を立ち読みしてきました。

新しい記事がLabCodeからでていたので紹介します。

『PySCFとGPUの連携で中・大規模分子を解析【Pythonで始める量子化学計算】』
https://labo-code.com/python/quantum-chemical-calculation/pyscf-gpu/

Google colabで動かす方法が、詳しく解説されているので、試してみるとよいでしょう。この記事ではPySCFを使っていますが、前に紹介したPsi4を使う方法もありますので合わせて学んでみてください。

量子化学計算を自分のパソコンで手軽に試せるよい時代になったと思います。
量子化学入門の方は、上に一連の記事にあるPythonでの量子化学計算やGAMESSでの量子化学計算を学ぶ前に、この前紹介した山本典史先生のMoleculatioをまず動かしてみるのをお薦めします。

高校レベルから大学レベルへつながる物理学講義と量子化学・分子動力学が簡単に試せるアプリの紹介です。

Moleculatioは
https://moleculatio.yamlab.app/
から利用できます。

SMILESの型式で分子を入力するのが面倒な人は、まずでデフォルトで登録されている分子をつかって計算をしてみるのがよいでしょう。
いろんなアミノ酸や核酸塩基AGCTも登録されているので生命科学に興味のある人も手軽に量子化学計算を楽しめます。
分子動力学計算までできるのは感動ものです。有機化学の反応機構を学ぶときに必要な有機分子のHOMOやLUMOも計算して表示してくれますので、有機化学を学ぶ人にも必須の計算サイトだと思います。
内部でどんな計算が実行されているかについての次の記事もおすすめします。
『Moleculatioの内部で採用している技術と計算条件などのまとめ』
https://yamnor.me/2024-11-26-1902/

相分離生物学の新しい動画がMRC LMBから公開されました。

昨日から、今年MRC LMB (英国ケンブリッジにあるMRC 分子生物学研究所)で開催されたthe Next Generation Biophysics Symposium 2024の講演の動画が続々と公開されています。その中でも私が聴きたかったスイスのUniversity of ZurichのBen Schuler博士によるintrinsically disordered proteins ( 天然変性タンパク質:IDP)の核内での挙動の可視化とモデル化の研究の動画を紹介します。Histone H1とそのシャペロンProthymosinAlpha (ProTAlpha)はそれぞれ天然変性領域intrinsically disordered  region (IDR)を持つタンパク質です。これらがどのように相互作用して相分離を起こしてコアセルベートをつくるか、その条件はなにかなどについての研究をわかりやすく動画をまじえて紹介している講演です。相分離生物学に興味のある方には必見の講演ですので、入門者の方も是非ご覧ください。

Ben Schuler博士のホームページはこちらです。
https://schuler.bioc.uzh.ch/

生化学と分子生物学のやさしい英語による解説動画チャンネルがあります。

英語を学びながら生化学や分子生物学の基礎を学べるYouTubeチャンネルがあります。

Quick Biochemistry BasicsというYouTubeチャンネルです。
https://www.youtube.com/@quickbiochemistrybasics/videos
いろんな動画があるので最新の動画を埋め込んでおきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6TnKeXPdQAM

英語が聞き取りにくい人は、Chromeの機能拡張を使うか、自動字幕表示でみるとよいでしょう。ゆっくり話してくれている動画も多いので自動字幕表示で十分理解できると思います。

無料で使える日本語のOCRソフト2つを紹介します。

今日は日本語のOCRソフトを二つ紹介します。

一つ目は、日本の古文書(江戸期以前や)をOCRするソフトウエア『NDL古典籍OCR-Lite』です。国立国会図書館がCC BY 4.0ライセンスで公開するソフトウエアです。

NDL古典籍OCR-Liteは、ノートパソコン等の一般的な家庭用コンピューターやOS環境(Windows, Mac, Linux)で、江戸期以前の和古書、清代以前の漢籍といった古典籍資料のデジタル化画像からテキストデータが作成できる軽量なOCR(光学的文字認識)とのことです。GPU不要の軽量なソフトだそうです。
このソフトを公開した、という紹介記事はこちらにあります。
https://current.ndl.go.jp/car/230438

ソフトのダウンロードや使い方はこちらにあるのでダウンロードして使ってみてください。
NDL古典籍OCR-Liteアプリケーションのリポジトリ
https://github.com/ndl-lab/ndlkotenocr-lite

よく「開運なんでも鑑定団」で依頼人が出品した掛け軸に何が書いてあるかわからないという場面をみかけますが、このソフトならOCRしてテキストファイルにして読めるかもれませんね。日本の古典が自分で読めるようになるのは画期的です!暇ができたら私もインストールしてみたいです。

もう一つは、日本語に特化したOCR、文書画像解析Pythonパッケージ「YomiToku」というPythonのパッケージです。こちらはGPUを使うのが推奨ですが、強力なOCRが使えるようになったのは画期的ではないでしょうか。ネットにつながない状態で自分のPCでOCRができるので、会社の資料のOCRなどにも使えそうです。
詳しくはこちらの記事にのっています。
https://note.com/kotaro_kinoshita/n/n70df91659afc

 

こちらのGitHubのページに使い方やインストール方法が詳しくのっています。
https://github.com/kotaro-kinoshita/yomitoku
Google Colabでも使えるみたいです。マンガのOCRの例がネットにでていました。
『YomiToku で漫画のOCRを試す』
https://note.com/kotaro_kinoshita/n/n70df91659afc