The Human Genome at 20 ヒトゲノムの完全解読とその成果の難病治療への応用の動画を紹介します。

今日はNIH videocastの動画を紹介します。昨年、ヒトのゲノムの完全解読がなしとげられました。
2003年の解読結果では、タンパク質をコードする遺伝子数は2,0000から2,5000と見積もられていましたが、ヒトゲノムの重複領域やギャップなどを完全に解読した結果、タンパク質をコードする遺伝子数は2,0076と確定しました。(数字のコンマの位置は日本語に合わせてみました)
完全解読結果(テラメアtoテラメア・シークエンス)の生データについてはこちらのGithubをご覧ください。https://github.com/marbl/CHM13

今回の動画 The Human Genome at 20の前半は、その完全解読のリーダーAdam Phillippyさんによる完全解読の全貌とその意義のわかりやすい解説です。動画の後半は、Cynthia Tifftさんによる糖鎖にかかわるリソソーム関連の病気であるTay-Sachs病、Sandhoff病、GM1 gangliosidosisやtype 1 sialidosisの話、難病のゲノム解析による解明などの話です。ヒトゲノムの解読って2003年に終わったのではと思っていた方、2022年の完全解読っていったいどういうことなのか知りたい方、糖鎖生物学関係の病気の治療法に興味のある方、難病に興味のある方など、皆さん必見の動画です。例によって動画は高画質版のダウンロードが可能ですし、字幕のダウンロードや表示もできますので、是非ご覧ください。
https://videocast.nih.gov/watch=48823

Don’t ever give up!とDon’t give up!の違いをChatGPTにきいてみました。

ChatGPTは日本語でも使えます。今日はいろいろ使ってみていたのですが、昔私の研究室に張っていたDon’t ever give up!と書かれたポスターについて聞いてみました。このポスターは昔、アメリカでSUNY(ニューヨーク州立大学ストーニーブルック分校: the State University of New York at Stony Brook)のJerry Thomsenさんのところを訪問していた時、Thomsenラボに張られていたもののコピーです。Thomsen さんのお父さんが研究室に張っておいたらいいよと送って下さったのだそうです。有名な図柄で、ネット検索してもいっぱい画像がでています。Don’t ever give up!とDon’t give up!の意味はどう違うのでしょうか。さっそく日本語でChatGPTに聴いてみました。


私)Don’t ever give up!とDon’t give up!のニュアンスと意味の違いを教えてください。


ChatGPT) ”Don’t ever give up!”と”Don’t give up!”のニュアンスと意味の違いは、微妙なものですが存在します。

“Don’t give up!”は、あるタスクや目標を達成するために、途中で諦めないようにするための励ましの言葉です。これは、何かを達成するための過程でモチベーションを保つために使われます。

一方、「Don’t ever give up!」は、より強い表現であり、絶対にあきらめないように言い聞かせる意味があります。これは、非常に困難な目標を達成しようとしている人や、長期的な挑戦に直面している人に向けられることが多いです。

つまり、「Don’t give up!」は、あなたが達成しようとしている目標に対して、しっかりと立ち向かっていることを表しています。「Don’t ever give up!」は、どんなに大変でも、決して諦めずに最後まで頑張り抜くことを表しています。


ということだそうです。困難な研究にうちこんでいる研究室にピッタリの言葉ですね。私やトムゼンさんはアフリカツメガエルを研究していたので、飲み込まれているカエルは特にぴったりする気がしました。研究室の秘書さんは怖い絵だと思ったそうです。Never give up!とどうちがうのかもきいてみましたが、最初は”Don’t ever give up!”とほとんど同じと答えてきました。たしかThomsenさんは意味がだいぶちがうと言っていたので、下の方にあるRegenerate responseボタンを押して再度答えてもらいました。するとこんどはだいぶ違うと言う答えが返ってきました。 Regenerate responseボタンも押してみると新しい発見があるかもしれませんので、試してみてください。

AIと仏教についての講義

佐々木閑(しずか)さんのYouTubeでは仏教の講義を体系的に行っておられることを紹介したことがあります(この記事の末尾をご覧ください)。佐々木さんは京都大学の工学部工業化学科と文学部哲学科仏教学専攻を卒業され、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学の文学博士です。カリフォルニア大学バークレー分校の仏教学科にも留学されており、現在は花園大学教授です。科学を学ばれた後、仏教の研究にうちこんでおられるので、科学者との対談や仏教と科学との関係の本も多いです。今日、YouTubeのおすすめビデオとして佐々木さんのAIについての講義シリーズがあることを知ったので紹介しておきます。ChatGPTのBingへの組込み版を使っておられるようで、その話からはじまっていろいろAIの話をなさっています。仏教からAIをどのようにとらえるのか、興味深いお話がきけそうです。いちどご覧になってみるとよいと思います。私も最近ChatGPTをつかいはじめていますが、とうとう今日は有料プランPlusにアップグレードしました。
https://youtu.be/TOrJ0632wio

https://youtu.be/zQ2mmNgRQcc

https://youtu.be/_o6yJK6nii8

自然科学者向けの仏教解説サイトを紹介します。


2022/1/19

自然科学に理解の深い仏教の研究者である佐々木閑(しずか)先生(京都大学工学部工業化学科と同文学部哲学科仏教学専攻を卒業されています)はNHKの100分de名著などでもおなじみです。先生と斎藤成也先生との対話をまとめた本(「生物学者と仏教学者 七つの対論」という本は私も読みました。先生のYouTubeチャンネル「般若心経」の解説動画がおいてあったので紹介しておきます。このチャンネルには先生の仏教に関する講義その他の動画が満載されていて仏教や仏教哲学に興味のあるかたには最適のサイトだと思います。

ヘルマン・ワイルの最後の著書―シンメトリーが個人送信資料で読めます。

図書館で岩波書店発行の科学者の本棚」という本を借りてきて読んでいたら、ワイルのシンメトリーという本が紹介されていて懐かしいので書棚から取り出してみました。この本に紹介されている古い本のいくつかは、国立国会図書館の個人送信資料でよむことができます。ヘルマン ヴァイルの最後の著書である「シンメトリー」というこの本も国立国会図書館の個人送信資料で読めることがわかりました。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2484767
「シンメトリー」ヘルマン・ヴァイル 著, 遠山啓 訳(紀伊国屋書店1957年)です。
Internet archiveでは原書が
https://archive.org/details/symmetry0000herm/page/n1/mode/1up
から貸出可能です。
ヴァイル(ワイル)は有名な数学者で物理学にも多大の貢献をしたドイツの学者です。この本は、彼がプリンストン大学で行った講演を本にしたものだそうです。ヨーロッパの学者に昔よくみられた。幅広い教養をもった人物で、その芸術・文化のふかい造詣をもとに、対称性について、その歴史から科学での発展についてまとめた本です。群論の入門書にもなっているとのことです。ワイルは、他にも「群論と量子力学」という本や、「数学と自然科学の哲学」という本、「空間・時間・物質」という本などを書いていて邦訳がありますので、オンライン書店などで探してみてください。シンメトリーの新訳もあります。Inernet Archiveでは「空間・時間・物質」の英語版は無料ダウンロードできます。シンメトリーという本は、高校生の時に買いましたがまだ読み切っていません。面白そうな本ですし、なにしろゲージ理論の開拓者の本ですので読んでみてください。

快適なLaTex環境を簡単に導入する方法の動画が公開されました!

日本語の物理学・理論物理学のすばらしい入門コースをみつけました。

このブログではしばしば英語の講義を紹介しています。今日は日本語ですごい物理の講義シリーズがあるのをみつけたので紹介しておきます。YouTubeの以下のチャンネルです。「理論物理学へのあゆみ」というタイトルのチャンネルです。市井の理論物理屋を増やしたい!この国と知力をすこしでも高めたいというスローガンのもとに素晴らしい動画がならんでいます。

https://www.youtube.com/@user-li4ng6pi3v/playlists

この再生リストでわかるように、高校生レベルの力学からはじまって、電磁気学、振動・波動、熱力学、統計力学、素粒子論や原子核論、量子力学などを本格的に講義してくださっています。さらに理論物理学についての動画では、現在は数学ミニマムということでベクトル、テンソルの本格的な解説が始まっています。
先生のtwitterはこちらです。https://twitter.com/Tois85748641
二つほど動画へのリンクをのせておきますのでご覧ください。https://youtu.be/BTLOkUQsL-0

https://youtu.be/TkAz1JG58rw

機械学習の日本語無料学習教材まとめ―という記事が役立ちます!

Qiitaに昨日掲載された記事が、とても役立つので紹介します。
【2023年版】機械学習の日本語無料学習教材まとめ というタイトルの記事です。
https://qiita.com/shuto_ishii/items/ff36b82e37d0c4ccc073

機械学習、人工知能とは何かを知らない人向けの教材の紹介から始まって、Pythonの学習教材やGoogle Colab、Numpy、Pandas、SciPyにVSCode、LinuxにGPU、AWSなどのクラウド、DXに統計や線形代数などの数学、GitやDocker、そして実際の機械学習のコースの紹介などなど。自分の知らない部分を選んで勉強するのに最適の記事です。是非ご覧ください。

岡潔関係の本とサイトの追加紹介です。

昨日は岡潔関係の無料で読める本を紹介しました。
岡潔の数学について解説した本がいくつかでているようです。私には難しすぎると思いますが、本屋で眺めてみて興味のある方は購入を検討されてはいかがでしょうか。

https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1590-0.htm
岡理論新入門 -多変数関数論の基礎-
A New Introduction to Oka Theory:Basics of Several Complex Variables
東京大学名誉教授・東京工業大学名誉教授 理博 野口潤次郎 著

岡潔 多変数解析関数論の造形 単行本 – 2020/5/31
高瀬 正仁 (著) 東京大学出版会
https://www.utp.or.jp/book/b507931.html

岡潔の随筆ではよく光明主義の本「無辺光」の話がでてきます。こちらは国立国会図書館の登録なしでダウンロードできる以下のサイトから読めます。ちょっと覗いてみましたが、こちらも上の二冊と同様に難しい本のようです。https://dl.ndl.go.jp/pid/1029121

個人送信資料のほうにももうすこし見やすい画像でアップロードされています。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1178585

ついでに奈良女子大学の岡潔のサイトも紹介しておきます。
https://www.nara-wu.ac.jp/aic/gdb/nwugdb/oka/
古本で高値がついている岡潔遺稿集とかが無料で読めます。その他の様々な資料もありますので必見のサイトです。

岡潔関係の本を少し紹介します。

私の中・高校生のころは、国語の教科書に岡潔の「春宵十話」にのっている随筆がとりあげられていたりして、岡潔の随筆をよく読みました。NHKのFMラジオでも岡潔さんと秋月康夫さんの対談が放送されていて、録音して聴いていたのを思い出します。岡潔は文化勲章を受賞した有名な数学者で、九州大学におられた数学者の高瀬正仁先生は岡潔関係の本 (岩波新書をはじめ、すぐれた評伝や岡潔の数学的業績を解説した数学書など)を沢山執筆されています。岡潔は湯川秀樹や朝永振一郎に数学を教えた先生でもあります。このごろ岡潔に興味をもつ人が多いようですので、今日は国立国会図書館の個人送信資料などで読める岡潔の著書や関連書を一部紹介してみます。

春の雲 1967年刊 講談社現代新書 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934437
月影 1966 年刊 講談社現代新書 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934709
昭和への遺書 月刊ペン社 https://dl.ndl.go.jp/pid/2934708
春宵十話 https://dl.ndl.go.jp/pid/2932270/1/95 これは十話だけ収録した随筆選集の一部です。
岡潔が随筆の中でたびたび触れている建国新書という本も個人送信資料で読めます。古本では高値がついている本です。
建国新書 胡蘭成 著 中日新聞社東京本社東京新聞出版局
https://dl.ndl.go.jp/pid/3446248

線形代数の入門書の本日限定の割引販売をみつけました―「スタンフォード ベクトル・行列からはじめる最適化数学」

今日はプロテオグリカンフォーラムがオンライン(Z00m)で開催されたので参加していました。
第31回プロテオグライカンフォーラム

「グリコサミノグリカンの代謝とシグナル伝達:基礎から疾患研究へ」という講演会です。
プロテオグリカンと病気の関係について興味深い講演がきけてよかったです。
http://proteoglycan-forum.moon.bindcloud.jp/index.html

ちょっと早いですが今日の記事をアップしておきます。
Kindleの本日の日替わりセールでこんな本が499円で売っていました。
「スタンフォード ベクトル・行列からはじめる最適化数学 (KS情報科学専門書) Kindle版 」という本で、線形代数の応用例が満載の予備知識なしに学べる入門書です。
出版元のページはこちらです。
https://www.kspub.co.jp/book/detail/5161968.html

紙の本が4950円で販売されているのですから、破格の値引きです。この本はスタンフォード大学の先生の教科書の翻訳書で、原書はオンラインで公開されています。訳書は読みやすい日本語で、訳者の名古屋工業大学の玉木徹先生によるGithub サイトには原書者のページにあるJulia companionの翻訳が掲載されています。原著者によるサポートページは以下にあります。
https://web.stanford.edu/~boyd/vmls/
このサイトに原著のダウンロードリンクがある他、講義ビデオ、講義スライド、Python やJuliaでつかえるnotebookやPython利用の手引き、Julia companion、それに正誤表なども公開されているので独習可能な本でとてもよさそうです。割引は本日中なので購入を検討してみるとよいでしょう。私は買ってしまいました。