今年のノーベル物理学賞の異色の解説動画を紹介します―波とかパルスとかについての理解がすすみます。

クリスマスも終わりましたがサンタさんは来たでしょうか?アメリカ東海岸あたりはまだクリスマスの朝ですね。
私のほうは、Rのコードが動かない原因が今日やっとわかって、うまく動いたのでよいクリスマスでした。

さて一月ほど前に「物理学者とティータイム」というYouTubeチャンネルを紹介しました。

YouTube動画チャンネル 「物理学者とティータイム」や科研費の学習物理領域の動画が面白いので紹介します。

新しい動画が本日追加されたので紹介します。
【ド文系が】東大博士にノーベル物理学賞について聞いてみた【2023年物理学賞】 #寝るまで物理学
https://youtu.be/qUaAx3YtA9s?si=4YQoHsPWuXgkujBk

今年のノーベル物理学賞についての解説ですが、とてもよくわかる説明だと思います。

こんなビデオもYouTubeにありました。ストロボで落下していくボールをとらえるという動画です。

ChatGPTでプログラミングを効率化する方法の動画や、研究に役立つGPTsなど各種ツールの紹介記事がでています!

ChatGPTでプログラミングを効率化しよう!ITエンジニア必見のAI活用ガイド
https://youtu.be/O7juZaQuhXg?si=5X5NvDJbSe0hmGwp
(この動画の埋め込みは制限されているので、動画をはりつけらません。お手数ですが、上のリンクをクリックして視聴してください。)

この動画は、ChatGPTを使ってプログラミングを学んだり、つくってもらったり、エラーをみつけてもらったり、改善したりする方法のやさしい紹介になっています。以前紹介したGitHubCopilotやCursorの動画(末尾の記事を参照してください)の中村祐太さんのチャンネル『中村祐太のプログラミング入門ナビ』に二日前に公開された動画です。私も今、論文のデータ処理に使うR (プログラミング言語のRです)のコードをChatGPTに解説してもらったり、エラーメッセージを解説してもらったり、エラーがでなくなるようにコードを改訂してもらったりしています。Google Bardも同じように使えるのでそちらも並行して使ってみていますが、どちらも大変役立つという印象です。いままでプログラミングをあまりやったことがない方も、この動画をみるとChatGPTでプログラム学習が飛躍的に楽になることがわかると思います。今やプログラミングするのにAIを使わないという手はない時代になったのがわかります。是非一度視聴してみてください。

もう一つこんなnoteの記事があることをツイートで知りました。
研究ツールまとめ2023
https://note.com/cvpaperchallenge/n/n6f18dbbc1c85
この記事には、論文の要約ツールのGPTsをはじめ、GitHubCopilotの本格的な使い方のサイトなども紹介されているて必見です。上の動画よりもやや専門的ですが、学生、研究者なら簡単に使いこなせるツール満載です。是非いろいろためしてみて皆さんの研究、学習に役立ててください。

研究発表スライドの添削の動画がでています。

早稲田大学の早水桃子先生のスライド作成についての動画が公開されて評判になっています。研究発表スライドの添削をする動画で、スライド作成の参考になると思います。是非ご覧ください。
https://piped.video/watch?v=aWIWkk4ArKU
YouTubeはこちら。
https://youtu.be/aWIWkk4ArKU?si=Bbe17s2W8YIqI0Hk

早水先生の動画はいろいろあって参考になります。このブログでも以前何度か紹介していますので検索してみてください。YouTubeチャンネルの再生リストはこちらです。離散数学入門の講義やスライド作成法の動画が秀逸です。https://www.youtube.com/@hayamizu/playlists
早水先生のツイートはこちらからみられます。https://nitter.net/hayamizu_lab
今回の動画の紹介ツイートもはりつけておきます。

量子生物学の歴史と現況、将来を展望する動画と、生命哲学についてのオープンアクセス本を紹介します。

量子生物学の普及と研究に貢献しているProf. Jim Al-Khalili (University of Surrey, UK) が今年の11月22,23,24日にバルセロナで開催されたthe 3rd edition of Single-Molecule Sensors and NanoSystems International Conferenceで講演した Plenary speechの講演動画がYouTubeにアップロードされています。Plenary speechというのは会議でのその分野での有名人による招待講演で、平行して開催される講演がなく参加者全員が聴くことができるようにスケジュールがくまれている講演です。量子生物学のはじまり、歴史からはじまって現況、将来について語るという講演です。まだ歴史のところしか見ていないのですが、ジョルダンがはじめて量子生物学の論文を書いたのが1932年というのは初めて知りました。Per-Olov Löwdinは私が初めて国際量子化学会議に参加した時のplenary speechをしていた大学者で彼の講演でのjokeを以前紹介したことがあります。

英語の科学jokeを一つ紹介します。

彼がDNAにおけるプロトンのトンネル効果についての論文を書いていたこともこの動画で紹介されています。わかりやすい英語ですので是非ご覧ください。
https://youtu.be/ptTMrP7dXQU?si=kStrKEw4fZiJBC4p

あとこんな本はいかがですか?https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/121403
Organization in BiologyというSpringer-Natureからでている最新のオープンアクセス本です。中にはOrganicism (有機体論とでも訳すのでしょうか)についても詳しく書かれています。
量子Hall効果とか、ウッジャーの理論、フォン・ベルタランフィによる〈一般システム理論〉などについても言及されている本です。哲学的見地から生命や発生を考えてみるのに参考になるかもしれません。Bertalanffyについては、上のYouTube動画でも量子生物学の発展史のところで触れられています!

Pythonのオープンアクセス本をいくつか紹介します。

今日は福岡は雪でした。雪が降るとすこし暖かくなるので降る前よりはましです。
表題の無料のPython本では以下のような本です。常微分方程式をPythonで解く本は今年出版されたばかりです。タイトルは
Solving ODEs in Python で、常微分方程式をPythonで解く本です。大学の講義から生まれた教科書です。 著者 Joakim Sundnesのサイトには本へのリンクや関連の資料へのリンクがあります。

https://sundnes.github.io/solving_odes_in_python/

こちらはこの著者のPython科学プログラミングへの入門書です。同じくオープンアクセスです。
Introduction to Scientific Programming with Python
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-50356-7
著者のgithubにはこれらの本のJupyter notebook版やソースコードもあるので役立ちそうです。
https://github.com/sundnes
本をつくるソフトの使い方ものっています。
https://github.com/sundnes/setup4book-doconce

こちらは別の著者によるPythonで科学技術プログラミングを学ぶためのオープンアクセスの入門書です。とてもやさしい初学者向け解説本だと思います。
Programming for Computations – Python
A Gentle Introduction to Numerical Simulations with Python 3.6
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-16877-3
本のGithubサイトはこちら。https://github.com/slgit/prog4comp_2

生成AIについての講演動画をいくつか紹介します。

今日は生成AIについての講演の動画を紹介します。

ひとつめは、一昨日の記事で紹介していたthe Royal Institutionのクリスマス講演の演者による生成AIについての講演です(クリスマス講演ではありません。クリスマス講演は年末にオンエアーの予定だそうです)
What’s the future for generative AI? – The Turing Lectures with Mike Wooldridge
https://youtu.be/b76gsOSkHB4?si=hL-t09BXnPSfik8F

内容を次にYouTubeのページから引用しておきます。
00:00 What is machine learning?
05:54 How do neural networks work?
12:49 How Silicon Valley money created Big AI
14:50 The birth of Transformer Architecture
16:06 How was GPT-3 trained and created?
22:12 A massive step change in AI
25:45 How GPT-3 passed the 90s AI reasoning test
28:40 How has AI learned things it wasn’t taught?
31:07 Chat GPT and how NOT to use it
32:26 Why do LLMs get things wrong so often?
35:29 The problems of bias and toxicity
39:12 Copyright issues with LLMs
42:23 Interpolation vs Extrapolation
45:44 Is this the dawn of General AI?
49:19 The different varieties of General AI
54:01 What actually is human general intelligence?
56:07 Is machine consciousness possible?
12月6日にThe Alan Turing Instituteの後援でthe Royal Institutioで行われた講演の録画です。面白い内容です。

もう一つは、 【第71回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(11/13 オンライン開催)の講演動画です。こちらにリンクがのっています。https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/past.html
6.「大規模言語モデルChatGPTを活用した翻訳トレーニングと外国語教育」
山田 優 立教大学異文化コミュニケーション学部/研究科・教授
https://youtu.be/dl8qX0q56vs?si=rmNFCePEo6fuyAat

7.「医学教育環境の変革:ChatGPT搭載の医療面接チャットボットの紹介」
山本 憲 京都大学医学部 医学教育・国際化推進センター 講師
https://youtu.be/P9yJQ9vunqE?si=jQ7B6at_VhTwuYh3
8.「病院におけるChatGPT-4V活用 -マルチモーダルAIの可能性-」
中村 賢治 群馬大学医学部先端医療開発センター・数理データ科学教育研究セ
https://youtu.be/KKohrYfrOls?si=mX9joGWOo7LcujhC
など面白そうな講演動画がみられます。

また12月22日の金曜日朝9時までは、先日開催された第72回DXシンポのタイムシフト視聴ができるそうです。
https://www.youtube.com/live/0myQL2ACT-4?si=nobmrHEKB6ya90Np

Qiitaにでているとても役立つ記事を紹介します。無料で読める本などのリスト(日本語、英語)も紹介します。

今朝起きてみると、山には雪が積もっていました。今週は福岡は寒そうです。
さて今日は時々紹介しているQiitaの記事から一つ紹介します。

Qiitaはエンジニアやデータサイエンスを学ぶ人に有用な情報があつまっているサイトです。どんなサイトかはトップページ(https://qiita.com/)や、こちらをご覧ください。https://qiita.com/about
私はこのトップページのほか、iPadでOpen Qiitaというアプリを使ってQiitaの記事を読んでいます。このアプリについては末尾に記事を再録しておきますのでご覧ください。

今日紹介する記事はこちらです。
全エンジニアが知っておくべきGithubレポジトリTop28【2023最新版】
https://qiita.com/tadashiro_ninomiya/items/e8d56c3a642eac3e17f3
株式会社Nucoのアドベントカレンダーの記事の一つです。他のアドベントカレンダーの記事も役立ちますのでこちらから読んでみてください。
https://qiita.com/advent-calendar/2023/nuco

上のGithubレポジトリTop28の記事には様々な有用なレポジトリが紹介されています。たとえばFree Programing Books の部分には、次のGithubレポジトリが紹介されています。

List of Free Learning Resources In Many Languages
https://github.com/EbookFoundation/free-programming-books

このレポジトリには、多くの言語(英語も日本語もあります)の無料のプログラミング学習の教材がリストされています。

英語の本や資料は、
プログラミング言語別
https://github.com/EbookFoundation/free-programming-books/blob/main/books/free-programming-books-langs.md
主題別
https://github.com/EbookFoundation/free-programming-books/blob/main/books/free-programming-books-subjects.md

で並べられています。

また日本語の資料はこちらから読めます。
https://github.com/EbookFoundation/free-programming-books/blob/main/books/free-programming-books-ja.md
知らなかったいろんな日本語の資料がのっていてとてもありがたいリストです。

このhttps://github.com/EbookFoundation/
のレポジトリをみると、他にもいろんな役立つリストがあるのがわかりました。たとえば科学の無料でよめる本のリストもあるのです。
https://github.com/EbookFoundation/free-science-books
日本語の本のリストは空ですが英語の本のリストは充実しています。
https://github.com/EbookFoundation/free-science-books/blob/master/free-science-books.md

クリスマスや年末年始、冬休みなど時間があるときにいろいろ読んでみることができそうですね。

ChatGPTの詳細な使い方の解説記事を紹介します。

Royal Institutionの今年のクリスマスレクチャーシリーズはAIについてです。AlphaFoldについてのPodcastが公開されました。

マイケル・ファラデーのクリスマスレクチャーは有名ですが、ファラデーがクリスマスレクチャーをしていたThe Royal Institutionでは、毎年クリスマスレクチャーを行うのが恒例となっています。今年のクリスマスレクチャーは3回にわたってすでに実施されており、BBCテレビやiPlayerで放送されるようです。また世界にむけては年末から来年初頭にかけてYouTubeで公開されるそうです。ことしはAIがテーマの以下の講演です。とても面白そうな内容で、一般向けの講演なのでAIについての理解を深めるのによさそうです。

The truth about AI
In the 2023 CHRISTMAS LECTURES Mike Wooldridge will give us a guided tour of AI.
https://www.rigb.org/christmas-lectures/truth-about-ai

これに付随して、タンパク質の立体構造予測に革命をもたらしたAIであるAlphaFoldについてのPodcastも公開されています。数日前に音だけビデオなしバージョンが、手違いでアップロードされてしまったようですが、本日、ビデオつきのバージョン(スライドはなくて、二人が語り合っているPodcastの動画です)が公開されたので紹介しておきます。タイトルは
Ri on AI: Understanding AlphaFold – with Dame Janet Thorntonです。
https://youtu.be/lxgaILSZEbU?si=tRT0a1WRqvN6MYBV

Janet Thorntonは、有名なバイオインフォーマティクスの研究者で、前の the European Bioinformatics Instituteの所長です。有名なBioinformaticsの教科書も書いている人でAlphaFoldの開発の歴史や現状、そして将来の展望について語っています。英語が聞き取りにくい方は、自動文字起こしをオンにして字幕を見ながら視聴するとよいでしょう。あるいは前に紹介したChromeの機能拡張などを使うのもよいと思います。英国人の英語で、一般向けのpodcastですので、聞き取りやすいと思いますのでリスニングの練習にも使えます。

あと、クリスマスレクチャーの過去のアーカイブはこちらにあります。面白そうなのを選んで視聴するとよいと思います。
https://www.rigb.org/christmas-lectures/watch-royal-institution-christmas-lectures-archive

VSCodeで小説やスライド、書籍をつくる方法を解説している講演動画がありました!

VSCodeは今や小学生が使うほど普及している、ほぼデフォルトスタンダードになっているプログラム用の無料エディターです。いろんなエクステンション(機能拡張)をインストールすると、どんなプログラム言語を書くときにも便利に利用できます。このエディタで小説を書いている人もいます。こちらにはそのノウハウが簡潔にまとまっていますので興味のあるかたはご覧ください。SF作家のSF作家の藤井太洋さんです。

「Visual Studio Code」で執筆するSF作家 藤井太洋氏が作る物書きのための拡張機能
招待講演 VS Codeで小説を書く
https://logmi.jp/tech/articles/325715

藤井さんの招待講演はYouTubeで視聴できます。VS Code Conference Japan 2021のTrack Aの講演動画の冒頭の招待講演です。
https://www.youtube.com/live/AAVTnEa4vEs?si=o7M2kcj9_Wl2HaZr

またこちらにも参考になる講演があります。VS Code Conference Japan 2021のTrack B の講演動画の中にあるので(3番目の講演)ご覧ください。
ドキュメント作成だけではもったいない!VSCode + Markdownで発表スライドや書籍も書いちゃおう! ロフトくん
https://www.youtube.com/live/J2li3qYgu9U?si=lDAYk8OREDdYFGTr

辻邦生 の「背教者ユリアヌス」を読んでいます。

辻邦生さんは、学習院大学のフランス文学科の教授を長年つとめておられた学者で、有名な文学者です。私も若いときに「安土往還記」(芸術選奨新人賞受賞作)を何度も何度も読み返しました。また谷崎潤一郎賞を受賞した「西行花伝」も愛読しています。「背教者ユリアヌス」は、ローマ帝国の皇帝でキリスト教よりも古代ギリシャの神々を生み出した精神を愛して復活させようとした皇帝の生涯を描く長編歴史小説です。中公文庫版で全三冊の長編で上、中の二冊を買って読んだのですが下はまだ読んでいませんでした。ちょうど先日AmazonのKindle版中央公論社書籍の半額ポイント還元セールで「背教者ユリアヌス」の新版全四冊セットがあるのを見つけました。サンプルをダウンロードして中身を検討したところ、私のもっている古い中公文庫版には載っていない解説や作者の解説文などが4冊それぞれについていることがわかりました。これらを読んでみたいとおもい購入を決めました。買ってよかったと思っています。第四巻の巻末付録にある「(対談)長編小説の主題と技法 北杜夫 辻邦生」をまず読んでみましたが、これが読めただけでもとはとれたと思います。北杜夫さんと辻邦生さんは友人で、二人が小説の書き方、長編小説を書く技法についておしげもなくその秘訣を語っている対談は必読です。小説ってこんなにして書くんだということがよくわかりました。明治期以降の短い小説ではなく、西洋に伝統的に根付いているタイプの長編小説(源氏物語とはまた違ったタイプの長編小説です)は当時まだ日本では書かれていませんでした。この対談のお二人によって、西洋の長編小説に勝るともおとらない長編小説が日本ではじめて作り上げられたということがいえそうです。さらに第三巻の巻末付録「『背教者ユリアヌス』歴史紀行――自作解題風に」には、辻がこの作品を書き上げた経過がことこまかに解説されています。どうやって小説家が作品をつくりあげていくかが、これほど惜しげもなく公開されている文章をはじめて読みました。私たち研究者が論文や本を書くときの参考になることうけあいの素晴らしい文章です。是非こちらも読まれることを薦めます。他にも各巻に載っている、辻の関連したエッセイや、作品を連載しているときの日記(抄)、そして様々な人による解説は読みごたえがあります。

まとめると、この作品は日本の長編小説の一つのスタイルを確立した作品(第14回毎日芸術賞受賞)であり、添えられた解説やエッセイ、対談、日記などは、小説家の作品創造の過程を教えてくれる得難い資料となっています。研究者がこれから創造的な学問・研究を進めていく上での絶好の参考書にもなるよい本だと思います。この年末や冬休み、お正月などに読んでみてはいかがでしょうか。
https://youtu.be/QSobZYfJEDU?si=EcdkM0z0H5tDTAG-