All the world is information! 2030年までに新しい物理学が誕生?

The Royal Institutionの新しい動画が公開されました。近頃よく量子力学は情報理論というようなキャッチフレーズをききますが、なんのことやら詳しい説明は読んだことがありません。
この動画では量子重力の専門家(Oxford大学教授)からの話をきけるのでおすすめです。

講演タイトル『Decoding quantum reality – with Vlatko Vedral』
https://youtu.be/70FhS6NAbuA?

Vedral先生は量子重力や量子情報の研究者だそうです。講演に関連した本はこちらです。
『Decoding Reality: The Universe as Quantum Information』
https://academic.oup.com/book/40594

一か月ほど前に対談(Podcast)がYouTubeで公開されています。

Testing Quantum Gravity & Reality with Prof. Vlatko Vedral | Quantum Foundations Podcast Ep5
https://youtu.be/mqKVmst8Wwo?

先生のブログはこちらです。
https://www.vlatkovedral.com/

いっぱい論文や本を書いておられます。
https://www.vlatkovedral.com/in-print/
今年の10月には新しい本がでるそうで、今回のThe Royal Institutionでの講演にも関係があるようで楽しみです。

大学入試問題を大学の(高等)数学を用いて解くというチート解法の動画が公開されています!

去年の夏に紹介した本 佐久間 正樹 著
『取扱注意!高校数学を大学数学で解く「チート解法」』本体価格 1,700円についての動画が公開されました。

【禁断】高校数学の問題を大学数学で”ぶん殴る”チート解法【橋本幸治の理系通信】というタイトルです。
https://youtu.be/cC73qdZrFV8?

この本は去年の7月の記事でとりあげたおすすめの本です。

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトと本の紹介です。

佐久間 正樹さんはこの本の著者プロフィルによると、東大数学科卒で東大大学院の修士を終えて現在博士課程在学中とのことです。佐久間さんのツイート によると、東京大学の博士課程の大学院生で大学院に入ってからの単著論文が6本もあるそうです。


去年、雑誌『数学セミナー』(2024年5月号)の記事でこの本が紹介されていて、著者が未来ある若者と紹介されていたのが印象に残っています(西郷甲矢人先生の「心に喜びをもたらす二冊」という記事にとりあげられた一冊がこの本です)。私もこの西郷先生の記事を読んで購入しました。
動画をみて面白そうだったら是非購入することをおすすめします。とても面白い本です。

小惑星リュウグウのサンプル分析で発見されたバクテリアについて

日本の探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星Ryuguのサンプルをイギリスの研究室で分析したところバクテリアらしき電子顕微鏡写真が撮れたという論文がでて話題になったようです。去年の年末に結構話題になったニュースですが、私は数日前までまったく知りませんでした。原論文はこちらです。
Rapid colonization of a space-returned Ryugu sample by terrestrial microorganisms
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/maps.14288
オープンアクセスの論文なのでどなたでも読めますし、ダウンロードできます。
この論文を読みましたが隕石の中にバクテリアがいたという論文ではなく、地球上のバクテリアに汚染された(私たちはコンタミしたといいます。contaminationの日本風表現です)と思われるので注意しましょうというような趣旨で論文がまとめられていました。
この論文についてのJAXAの声明はこちらです。
Dec 5, 2024
Regarding the journal paper on microbial contamination found on a grain from asteroid Ryugu
https://www.isas.jaxa.jp/en/topics/003899.html
日本語でのJAXAのこちらの解説がとてもわかりやすいので是非お読みください。https://cosmos.isas.jaxa.jp/ja/keeping-out-the-earth-protecting-the-asteroid-ryugu-sample-from-contamination-ja/

地球環境を締め出せ:小惑星リュウグウサンプルを汚染から守るために

面白かったのは、この論文の序文で今までに結構な数の論文がでていて、それらは石質隕石の中にバクテリアを発見したと主張しているのがわかったことでした。どれもバクテリアとそっくりな構造が見つかったという報告で、DNAや有機物を確認したわけではないものばかりでした(ほとんどがオープンアクセスではないので九大図書館で読みました)。JAXA で地球上のバクテリア汚染をチェックするために定期的に培養も試みているそうです。枯草菌とか培養できる微生物は検出できますね。宇宙にバクテリアが満ち満ちているとしたらそろそろ検出できる時代になったので、これからが楽しみです。

Rosetta commonsの機械学習によるタンパク質設計の動画などは役立ちそうです。

タンパク質の設計を機械学習で行う時代になりました。YouTubeにはRosetta《タンパク質の立体構造モデリングと設計のソフトウエア。ノーベル賞を受賞しています。)の開発者たちによる講習会の動画やノートブックへのリンクが公開されています。Rosetta Commonsの再生リストはこちらです。
https://www.youtube.com/@RosettaCommons/playlists
RosettaをPythonで使えるPyRosettaの講習会動画などもあるので役立ちます。
今日紹介する
Protein design with machine learning という講習会の動画の再生リストはこちらです。
https://youtube.com/playlist?list=PLFavr8uo6kSpbIQKodSYA6reiG-RDXnWq&
PyMolの使い方、AlphaFold2やAlphaFold3の使い方の講義もあります。
Notionには講義のスライドやノートブックがアップロードされています。
https://sweltering-waterfall-a22.notion.site/Lectures-Slides-Activity-Notebooks-7226d85bd15244639cfb707bfa161c82
動画の一例として、タンパク質の立体構造を表示するソフトPyMolの使い方とVSCode入門の動画を埋め込んでおきます。
PyMol and VS Code (Mini-session)
https://youtu.be/7fh90mdg2pI?

UbuntuにPyMolをインストールするのは簡単です。以前の記事に書いたのでご覧ください。

PymolをUbuntu にインストールして使おう!

米国NIHのサイトnih.govドメインがつながりませんね。とりあえずの対策は以下のとおりです。

今日 NIH videocastのサイトで動画をみようとしたのですが、つながりませんでした。

アクセスしようとしているサイトを見つけられません

videocast.nih.gov という名前のサーバーに接続できません。』と表示されます。

PubMed も  Bookshelf  もだめですね。のきなみnih.govドメインははじかれているようです。試しにTorでドイツやオーストリアのIPアドレスでつなぐとつながるので、日本のIPアドレスをはじいているのは明らかですね。TorでドイツのIPアドレスでつなぐと、PubMedはアメリカ政府のサービスだという注記が一番上にでていますが、普通に検索できます。NIH videocastのサイトの動画の視聴やダウンロードまできますし、NCBI BookShelf のサイトも見ることができます。(これを書いていて試したところNCBI BookShelfは今は普通のブラウザでみることができるようです。PubMedやNIH videocastはまだ駄目です‥‥ )

ということで、NIHのサイトにつながらないときは、Torでつないでみてください。はじかれる国のIPアドレスにあたった場合は、ツールバーの鍵アイコンの左にあるTor Circuitボタンを押して出るプルダウンメニューの一番下、New Tor Circuit for this siteをクリックして経由する国を変えてみてください。(面倒ならtorrcファイルを編集するという方法もあります。exit nodeをはじかれない国に設定するなどすればよいのですが、終わったらもとのtorrcファイルに戻しておくのがセキュリティ上必須です。)

写真は今日午後、近所を散歩しているとき見つけた早春の花です。

 

LLMの使い方―OpenAIの共同創設者Karpathyさんによる一般向けの動画は一見の価値があります。

Open AIの創設者の一人でAI教育にも力を入れているAndrej Karpathyさんの新しい動画がでました。一般向けの動画で、ChatGPTを中心にその使い方、動作原理などをものすごくわかりやすく教えてくれます。英語はわかりやすいのでおすすめの動画です。


一つ前の動画も評判の動画でちょっと前に紹介しました。

ChatGPTなどのLLMの仕組みを本格的に解説する一般向け講義と、Yale大学の物理一年生用の入門講義を紹介します。

 

原子炉の入門書と実験マニュアル、ゲノム編集の教科書やゲノム編集の哲学の本、その他いろいろな分野のオープンアクセス本の紹介です。

今日は、時々紹介しているオープンアクセス本の記事です。
京大は原子炉をもっています。その原子炉の入門書と実験書がオープンアクセスで公開されていました!
これからますます重要性をます原子炉についての基礎知識を学べるよい本だと思います。

Introduction to Nuclear Reactor Experiments
https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/94953

Reactor Laboratory Experiments at Kyoto University Critical Assembly
https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/149699

こちらは確率モデルをコンピュータで扱うPythonパッケージの本です。こちらのサイトに詳しい説明がありダウンロードも可能です。
https://qplex.org/book/
QPLEX: A Computational Modeling and Analysis Methodology for Stochastic Systems by Antonius B. Dieker and Steven T. Hackman, published by Springer in 2024. The book is open access. Click on the picture below to download it.
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-74870-7

Solved Problems in Nonlinear Oscillations
A sourcebook for scientists and engineers 非線形振動の有名な教科書にのっている問題の解答書です。
https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/151428

こちらはゲノム編集について市民が学んでおくべき本 2冊です。
Introduction to CRISPR-Cas9 Techniques
Strategies for the Laboratory and the Classroom
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-73734-3

The Risks and Ethics of Human Gene Editing
A Philosophical Guide to the Arguments
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-658-46979-5

Expert Consensus in Science  専門家のコンセンサスが科学にどのような影響をあたえるか、社会との関係も考えてみたいところです。そういうときの参考書によさそうな本です。
https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-97-9222-1

Learning Analytics Methods and Tutorials
A Practical Guide Using R
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-54464-4
Rでデータ解析をする時のデータのクリーニングの仕方などから学べる教科書でよさそうです。

最後に、以上のようなオープンアクセス本の探し方はこちらの記事などを参考にしてください。

英語のオープンアクセス本で高校生から読める原子の話(みんなの原子物理学)みたいな本がでています。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第23回)

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第23回)
今日は深夜からヨーロッパで開催される糖鎖生物学のセミナーをZoomでみるので、国立国会図書館デジタルコレクションで読める本のリストを追加しておきます。(番号は通算何冊目の紹介化を示しています)

103) 杉田玄白 原著 ほか『現代文蘭学事始』,岩波書店,1984.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12590512
は以前に紹介した杉田玄白の有名な本「蘭学事始」の現代語訳です。先日、「開運なんでも鑑定団」に解体新書全四冊の図録がでていて面白かったので、解体新書と杉田玄白の書いた本をまず紹介します。
244) キュルムス 著 ほか『解體新書 4巻序圖1巻』,須原屋市兵衛,安永3 [1774]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2609149 (参照 2025-02-27)

245) 杉田玄白 著 ほか『形影夜話 : 自分の影との対話』,医歯薬出版,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12643902 (参照 2025-02-27) 自分の影法師との対話という形式の玄白の独白です。

246) スティーブ・J.ハイムズ 著 ほか『フォン・ノイマンとウィーナー : 2人の天才の生涯』,工学社,1985.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12224147 (参照 2025-02-27) これは量子力学の基礎を築いた二人の伝記です。ヒルベルト空間や確率過程の理論を量子力学に繋げた二人の天才についてのよい本です。
次にあげる都筑先生の本は、意外に専門性が高く書かれていると思います。全部まだ読んでいませんが面白そうです。

247) 都筑卓司 著『理論物理学入門』第1 (物理のなかで数はどういう役割をしているか),総合図書,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1373771 (参照 2025-02-27)

248) 都筑卓司 著『理論物理学入門』第2 (時間と空間の物理),総合図書,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1373772 (参照 2025-02-27)

249) 都筑卓司 著『量子論入門 : ミクロの世界の法則』,総合図書,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1382469 (参照 2025-02-27)

250) 都筑卓司 著『統計力学入門 : 自然科学になぜ統計が必要か』,総合図書,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2429875 (参照 2025-02-27)

251) 都筑卓司 著『「場」とはなにか : 自然界の「力」の統一像を求めて』,講談社,1978.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621934 (参照 2025-02-27)

252) 都筑卓司 [著]『日本人の科学観 : ベンツと大八車』,講談社,1984.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12106274 (参照 2025-02-27) よど号ハイジャック事件とドイツのハイジャック事件の比較からはじまって移民受け入れの是非などもふくめて興味深い内容です。

253) A.K.ギリジン 著 ほか『ちがった定数の世界で : 物理の《新ガリヴァー旅行記》』,総合図書,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12609062 (参照 2025-02-27)

X(旧twitter)をログインせずに読む方法―nitter.netが復活しています!

nitter.netが復活しています!また他のnitter のインスタンスも使えるものが増えているようです。今日Nitter instance healthのサイトに久しぶりにいって知りました。
Nitter instance healthのサイトをご覧ください。
https://status.d420.de/

今日現在動いているのは以下のインスタンスです。英国王立協会のアカウントにアクセスしてみました。

https://nitter.space/royalsociety
https://lightbrd.com/royalsociety
https://nitter.privacydev.net/royalsociety このインスタンスでは、アカウントがフォローしているアカウントも見ることができます。followingのリンクをクリックしてみてください。429 Too Many Requestsのエラーになることが多いので常用はきびしそうです。どうしてもフォローしているアカウントを見たいときは、TorなどでIPアドレスを変えて再度アクセスすることも必要かと思われます。

https://nitter.net/royalsociety
https://xcancel.com/royalsociety
https://nitter.poast.org/royalsociety このインスタンスはブラウザチェックで古いブラウザをはじくようになりました。⇒古いブラウザも受け付けるように設定が戻されたようです‥‥(25/02/28)。

AI時代の論文の読み方についての素晴らしい日本語の講演を紹介します。

国立情報学研究所 (NII) の助教をしておられる佐藤竜馬先生の公開された動画が素晴らしいのでお知らせします。
『深層ニューラルネットワークの高速化(ML Systems)技術評論社』、『グラフニューラルネットワーク (機械学習プロフェッショナルシリーズ)講談社 』などの本も書いておられる先生です。

先生の講演は有料のものを以前聴講したことがあり、大変役立つ内容でした。今回はその後の発展をとりこんで、さらに有用な内容が、無料公開されています。是非参考にしてみてください。現代の情報収集法の最先端が学べます。


 【かんたん!手軽!】AIを活用した新しい論文の読み方【現役研究者が解説】
https://youtu.be/NiukyOjC00w?

講演の内容についてはこちらをご覧ください。
https://compass.readable.jp/2025/02/25/jsmp-yomikata/#Readable-3
佐藤先生のブログもよい記事がいろいろあります。
https://joisino.hatenablog.com/