YouTubeで検索していたらこんな動画がヒットしました。これは線虫C. elegansの基本についての解説の後、線虫がどのように学習するかを研究する方法などが学べるすばらしい動画です。是非ご覧ください。
野村一也 「科学を学ぶ人のために」 九大野村研ホームページの拡張版です
YouTubeで検索していたらこんな動画がヒットしました。これは線虫C. elegansの基本についての解説の後、線虫がどのように学習するかを研究する方法などが学べるすばらしい動画です。是非ご覧ください。
ロザリンド・フランクリンRosalind Franklinの撮影したDNAのX線構造解析の写真(photo 51とphoto 42)のネガが無料でダウンロードできます!
有名なPhoto 51は、これを盗み見たCrickとWatsonがこの写真をもとにDNAの二重らせんモデルを構築したので有名です。最近英国で発行されたロザリンド・フランクリン記念硬貨もこの写真をもとにデザインされています。
そのオリジナルネガが公開されているので紹介します。
Acetate film negative containing X-Ray diffraction images of A-form and B-form DNA
Photo 42 and Photo 51, Circa 1952
https://digital.sciencehistory.org/works/sfsnpoy/viewer/qgwcn5z
Downloadボタンを押すと、いろんな解像度のダウンロードリンクがでてくるので、お好きな解像度のものをダウンロードしてみてください。オンラインでみることができる写真のほうが解像度が最適化してあって見やすいかもしれません。
この写真はScience History Institute https://www.sciencehistory.org/で公開されています。
他にもロザリンド・フランクリンのたくさんの写真や手紙、分子生物学の開拓者のPerutzや、Klug, Paulingなどを含む様々な資料が無料で公開されているので、たまらない すごいサイトです。いくつか面白そうなリンクを紹介しておきます。
photo 51や42の写真をとったGoslingの実験ノート Raymond Gosling’s notebook, circa 1951-1953
https://digital.sciencehistory.org/works/kwa2enq なんと189ページあります。
他にも
Francis Crick’s laboratory notebook, 1952 19ページあります。
https://digital.sciencehistory.org/works/m1iswzd
分子生物学だけでなくその他の資料も公開されているので探してみてください。時間がたつのを忘れます。
Paulingで検索すると、化学結合についての講義も見ることが出来るのを知りました。
“Linus Pauling Lectures on Valence and Molecular Structures: Part 1.” 16mm (photographic film size), 1957. Science History Institute 16mm Film Collection. Science History Institute. Philadelphia. https://digital.sciencehistory.org/works/twr0k94.
分子生物関係のトップページはこちらです。
https://www.sciencehistory.org/about/press/science-history-institute-acquires-molecular-biology-archive/
国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第37回)
まず昨日紹介した原子爆弾の制作の道筋を示した物理学者パイエルスの本でデジタルコレクションで読めるものを紹介します。
390) R.パイエルス 著 ほか『理論物理秘伝集』,共立出版,1985.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621959 (参照 2025-09-21) これは研究者を目指す学部生、院生向けにピッタリの本のようです。
391) R.E.パイエルス 著 ほか『物理の世界 : 自然法則の探究』,岩波書店,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1381916 (参照 2025-09-21) こちらは一般向けの本ですが、本格的です。
392) パイエルス 著 ほか『固体の量子論』,吉岡書店,1957. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1376738 (参照 2025-09-21) 有名な固体物理の教科書。
393) 玉城康四郎 [著]『仏教の根底にあるもの』,講談社,1986.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12266581 (参照 2025-09-11) 前に紹介した岡潔関連の本をリストに入れておきます。
394) 小宮豊隆, 和辻哲郎 編『中勘助全集』第1巻,角川書店,1960. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1665557 (参照 2025-09-11) 同上。
395) 「科学」編集部 編『現代進化論の展開』,岩波書店,1982.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604287 (参照 2025-09-21) 木村資生、大野乾、松田博嗣などそうそうたるメンバーが執筆した雑誌『科学』に掲載された進化論の論考集。
396) 新田義弘 [ほか]編『岩波講座現代思想』10 (科学論),岩波書店,1994.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13264437 (参照 2025-09-21) マッハの思想や、トマス・クーンによる論考、ヴィトゲンシュタインの思想その他の科学論コレクションです。
397) 新田義弘 [ほか]編『岩波講座現代思想』11 (精密科学の思想),岩波書店,1995.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13264453 (参照 2025-09-21)ブルバッキ、ヘルマン・ワイルなど現代数学についての論考、湯川秀樹と朝永振一郎に関する論考など多彩な内容が楽しめます。
398) 新田義弘 [ほか]編『岩波講座現代思想』12 (生命とシステムの思想),岩波書店,1994.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13264446 (参照 2025-09-21) 生命論が集められています。清水博さんの論考も読めます。
399) 河合隼雄 [ほか]編『岩波講座宗教と科学』6 (生命と科学),岩波書店,1993.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13153156 (参照 2025-09-21)清水博さんや中村桂子さんの論考、なんと塩川光一郎さんの対談などものっているようです。
400) 河合隼雄 [ほか]編『岩波講座宗教と科学』1 (宗教と科学の対話),岩波書店,1992.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13154722 (参照 2025-09-21) これも岩波講座の一冊で、宗教と科学をテーマにしている本です。カトリックの司祭で物理学者の柳瀬先生などの論説もはいっています。
401) 河合隼雄 [ほか]編『岩波講座宗教と科学』4 (宗教と自然科学),岩波書店,1992.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13154720 (参照 2025-09-21) こちらは一風変わった切り口の宗教と科学の関係についての論文集。戸田盛和さんや小田稔さん、坂井利之さんなど有名な科学者による論考も読むことができます。
原子爆弾開発の歴史についての最新動画がでています。
The real science of the nuclear age: behind Oppenheimer – with Frank Close
https://youtu.be/rBV4czuCFvg?
著者の書いた本はこちらです。https://www.amazon.co.jp/dp/0241700868?
Destroyer of Worlds: The Deep History of the Nuclear Age: 1895-1965
広島、長崎につながる原子爆弾の開発史の本です。
今回の講演はこの本の宣伝をかねていると思います。
映画オッペンハイマーの誤っている点にも触れている講演です。
核分裂を発見したのはオットー・ハーンであるというのは嘘で、本当の発見者は彼と30年も共同研究していた物理学者リーセ・マイトナーとオットー・フリーシであったという有名な話も聴くことができます。
また原子爆弾については、その原料のウラニュウムは地球のいたるところに鉱床があるのに、なぜ自然に核爆発が起こらないのかを詳しく解説してくれています。ウランには質量数235と 238の同位体があり、235は238に較べて圧倒的に存在量が少ないのです。そして核分裂には奇数の質量数のもののほうが偶数のものより適しており、存在量が少ないウラン235を濃縮することが核分裂に必要だと強調しています。それを初めて示唆したのはオッペンハイマーではなくニールス・ボーアで、ウラン235を用いての核爆弾の現実的設計を行ったのはパイエルスという物理学者であることも明かされます。パイエルスはゾンマーフェルト、ハイゼンベルグ、パウリに師事した物理学者でナチスの台頭によってイギリスに逃れてイギリスの原子爆弾開発の中心的指導者として活躍しました。パイエルスが書いた原子爆弾開発についてのレポートに従って、イギリス、そしてそれを引き継いだアメリカの原子爆弾開発がすすめられたのだそうです。パイエルスは量子力学の創始者ではありませんが、完成した量子力学を応用する時代の先駆者で、固体物理の研究で著名です。一般向け研究者向けの本も日本語に訳されていて国立国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。彼の本へのリンクは明日、他のデジタルコレクションの本とともに載せる予定です。
Deep Learning with Pythonという有名な教科書の第3版が無料公開された(有料の本も発売されます)そうです。
オンライン版は無料でよめて、Pythonのコードもオンラインで動かせるようになっているそうです。
https://deeplearningwithpython.io/
とてもよさそうな本ですね。奥村先生のツイートで知りました。
François CholletのDeep Learning with Python第3版が出る。Web版は無料→ https://t.co/Xkqy7InZvI https://t.co/OGsIykXsCi
— Haruhiko Okumura (@h_okumura) September 18, 2025
福岡はぐっと秋めいてきました。朝夕のセミの鳴き声は、クマゼミやヒグラシからツクツクボウシだけに変わっています。庭の隅にいるヒガンバナが茎をのばしてもうすぐ咲きそうです。
YouTubeのおすすめにガンワクチンの時代がきたというタイトルのYale Cancer Center (Yale大学医学部と Smilow Cancer Hospitalのスタッフが中心の、国立癌センタ―の一つ)大学の動画がでてきました。とても面白そうな動画です。まだ見ていないのですが、時間ができたらみてみるつもりです。Yale Cancer Center(チャンネルへのリンク)のYouTubeチャンネルにある動画です。
今日は何故かアクセス数が20,000近くになっています。時々こういう大量のアクセスがありますね。
さて、今日は河田 雅圭先生のツイートをみかけたので埋め込んでおきます。福岡伸一さんの動的平衡についての批判論考です。
動的平衡というのは、柴谷篤弘さんの本のタイトルにもなっていて古くからある観点です。福岡さんは柴谷さんをどこかで引用されていたでしょうか。私は福岡さんの著作を読んでいないのでわかりません。
河田先生のnoteの記事ですが、それを読んで先生のサイトを訪れて昔pdfで公開されていた進化の本が、最新の注釈つきで再公開されているのを知りました。また先生の最終講義の動画などへのリンク、別の著書のpdfその他が読めるリンクなどもありました。とてもよいサイトですので是非訪問してみてください。
https://ochotona0.wixsite.com/mysite
福岡伸一氏による「動的平衡」観が、生物学的根拠のないものであることを解説した上で、「利他」の問題など、動的平衡観が引き起こしている問題点について触れました。是非、ご一読ください。
「動的平衡生命観」に生物学的根拠はあるのか |河田 雅圭 @KawataMasakado https://t.co/EVOZPQfbX6
— Masakado Kawata (@KawataMasakado) September 16, 2025
『はじめての進化論』(講談社現代新書)をnoteで全文公開しました。さらに、現在の進化学の進展に合わせて、必要な箇所に注をつけました。遺伝的浮動のシミュレーションもできるサイトと連携しました。
はじめての進化論 [2025年注釈付]|河田 雅圭 https://t.co/SQoeciOBfS— Masakado Kawata (@KawataMasakado) August 9, 2025
中央大学の田口善弘先生のAIについての動画が公開されているので埋め込んでおきます。スライドもダウンロードできるのでスライドをみて興味があれば動画をご覧になるとよいと思います。
知能とはなにかーヒトとAIのあいだー
https://youtu.be/OWO4YJjzjK0?
スライドはこちらです。
https://speakerdeck.com/tagtag/zhi-neng-tohananikahitotoainoaida-4e42eef3-5f2f-437d-9246-39f60cef689e
大規模言語モデルLLMってどうやって学習しているのでしょうね。
こちらの動画では、逆学習という手法でその疑問を解決しようという試みが紹介されています。これは面白い動画でした。
タイトルは英語ですが日本語の講演です。磯沼 大 先生(国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター / 東北大学言語AI研究センター 特任助教)の講演です。
“Uncovering the learning mechanism of LLM”
https://youtu.be/5JJEnzlzC1w?
スライドはこちら。
https://www.nii.ac.jp/event/upload/20250711-5_isonuma.pdf
この動画は【第90回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(7/11 オンライン開催)での講演動画です。他の動画や参考資料もこちらから参照できます。
https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/past.html
午後に、g:ProfilerのサイトをブラウザのChromeで開いて、遺伝子発現のエンリッチメント解析を行っていました。サイトから戻ってきた解析結果の中に、みなれない医学用語があったのでChromeのアドオンLife Science Dictionary Toolを起動して調べようとしたのですが、なんとライフサイエンス辞書の機能拡張が、メニューから消えていました。機能拡張リストを開いてみると、このアドオンは更新されていないので消しましたという意味のメッセージがでていて、この機能拡張が勝手にOffにされており、グレイになっていてONにできませんでした。Chromeのバージョンを調べてみると140.0.7339.128なので自動更新で最新版になっていたようです。FirefoxのほうはESR版を使っているのですが、その最新版128.14.0 Firefox ESR(August 19, 2025)では問題なくLife Science Dictionary Tool WebExtentionが使えています。
ということで、対策としてはLife Science Dictionaryの拡張機能を使いたいときはFirefoxにブラウザを変えるのが簡単でよいでしょう。
どうしてもChromeを使いたいという場合の対策は以下のとおりです。
以前このブログの記事で紹介した方法(「情報の海を泳ぐ」というブログで紹介されていた方法)はもはや使えないのですが、同じブログ記事が改訂されていて、Chrome のバージョン140台に対応した対処法が付け加えられています。次の記事をご覧ください。
「サポートが終了したChrome拡張機能を再度使えるようにする方法」2025年9月6日
https://pajoca.com/enable-unsupported-chrome-extension/
この方法を使うと確かに使えるようになりますが、この方法はやがて無効化されるらしいのでChromeのアップデートを止めてしまって利用するという荒技になっています。最新版のブラウザでないとアクセスできない場合も時々あるので、ライフサイエンス辞書のポップアップ機能を使う場合は、Firefoxをデフォルトのブラウザとして使うのがよいかもしれません。
面白い講演会のライブ動画がでていました。
第40回 自然科学研究機構シンポジウム「命のかけらを探そう-地球の外に生命が存在する可能性はあるのか?-」
https://www.youtube.com/live/zdZaT7nL490?
YouTubeのサイトから講演内容を引用しておきます。
『<講演情報>
講演
13:10 「多様な惑星と生命が誕生する環境」野村 英子(国立天文台 教授)
13:45 「太陽系、そして太陽系外の惑星から見る極限環境」堀 安範(岡山大学理学部 准教授)
14:45 「生命の驚異の環境適応能力: 体内時計と冬眠」榎木 亮介(生命創成探究センター 准教授)
15:20 「「はやぶさ2」の小惑星リュウグウ探査から「生命」を考える」橘 省吾(東京大学大学院理学系研究科 教授)』
どの講演も面白そうです。はやぶさ2についての講演はまとまっていて探査の成果の全貌がわかります。
宇宙と生命について学ぶには最適の講演会ですね。
またこんなツイートも見かけました。中平先生は本を書いておられますが、そのサポートページも充実していて、本を買わなくても本筋はよく理解できるように、また本を読みながら疑問点が解消できるようにさまざまな資料を公開して下さっています。とてもありがたいことです。こういう著者の方が増えると科学のすそのが広がりますね。
「量子力学100周年研究会」の発表資料「図式表現とその応用」のスライドをアップロードしました。https://t.co/K7n72nDTR2
— Kenji Nakahira / 中平健治 (@KenjiNakahira) September 12, 2025
スライドのurlがあったので拝見しましたが、中平先生の次の最新論文についても触れられているのではないでしょうか。
私は九大図書館でダウンロードできましたが、Physical Review Aのこの論文は無料ではダウンロードできないようです。
量子リソース理論でよく知られている「ロバストネス測度」に関する重要な未解決問題を解決できました!(Physical Review A誌に掲載されました)https://t.co/rFWeSKpXFh
状態の任意のリソース理論における「識別能力」が,ロバストネスで表されることを示しました。 pic.twitter.com/oChkwbgBJM— Kenji Nakahira / 中平健治 (@KenjiNakahira) September 13, 2025