NHKのドラマ「宙わたる教室」最終回を見ました!

「宙わたる教室」の最終回を見ました。疲れました!

毎週楽しみにしていた「宙わたる教室」も昨日が最終回でした。さきほど録画していたものを見終えました。

「疲れたー!」というのが正直な感想です。感動の最終回でした。定時制高校の生徒たちの学会発表が口頭発表に採択されました。口頭発表のための準備、練習の詳細、そして実際の発表の様子などが、実際の研究発表の時とまったく変わらない正確さで描写されていました。発表まえの練習、発表まえのどきどき感、そして発表をみているもののドキドキ、発表者の緊張感などがほんとうに迫真の演技で描かれていました。

久ぶりに、学生さんの口頭発表の準備や発表前の想定質問への対応練習(みんなでどんな質問がでるか、おもいつくままに列挙してそれに対する解答を用意します)、プレゼンをみまもるときの緊張感を思い出して、ドラマの学会発表を見終わるまでにどっと疲れました。本当によいドラマでした。私達もこのドラマで描かれたような、緊張感を何度何度も味わいました。卒論、修論、博士論文、学会発表、ポスター発表など、あの緊張感がほんとうにうまく描かれていました。なおドラマでは描かれませんでしたが、私たちの研究室では、予想される質問に答えるためのスライドもあらかじめ拵えて、発表で使ったスライドの後に並べておくのがかっこいいと学生が代々伝えて、皆いつも発表前に用意していました。質問がでると、「スライドをもう一度映してもらえませんか」、などといって用意したスライドを見せながら説明するのです。

学会のあとに会場で質問されたり、共同研究の申し込みがあったりするのも実際どおりです。ドラマではJAXAの火星探査計画に参加することになるという展開でした。これは私にも経験があります。学会での私のポスター発表が終わって、たまたま食事に行ったお店で一緒になった先生から共同研究を申し込まれたのが、研究のブレイクスルーになりました。

昨日の最終回は、NHK plusで一週間は配信していますので、まだみていない方はごらんになることをおすすめします。前に書いたように、AmazonのPrime Videoでも一週間おくれで全話配信しています。

東北大学の大関真之先生による、高校物理の学び直しの動画シリーズは必見です。

以前の記事でも紹介した、東北大学の大関真之教授による高校物理の学び直し動画がつぎつぎとアップロードされています。最初は力学でしたが電磁気学の部がはじまっていて、とても参考になります。電磁気が苦手という意識がある人にはうってつけのリフレッシュ動画です。
再生リストはこちらで見ることができます。https://www.youtube.com/playlist?list=PLsBJ3psEqyr9lVENrOBwVaqw1xrmM0DpP

第五回から電磁気にはいっています。最新の動画は第八回で、

前の回では、コンデンサーやキルヒホッフの法則などがあつかわれていました。
受験生必見の講義ですね。大関先生は予備校の先生をしておられたこともあるので、授業はめちゃくちゃわかりやすいし、面白いです。

AIが本をさっと書いてくれる時代がきています!AGI(汎用人工知能)はもうできている?

中央大学の田口善弘先生がChatGPTに本を書かせたという記事をQiitaに投稿しておられます。
次の記事へのリンクから、GoogleドライブへログインするとChatGPTが書いた本をダウンロードすることもできます。

『o1に「生命はデジタルでできている」というタイトルの新書を書かせてみた』
https://qiita.com/Yh_Taguchi/items/48d089d54362b889a36b
田口先生のツイートも埋め込んでおきます。


AGI (Artificial general intelligence:汎用人工知能)はすでに ほぼ実現しているというOpen AIの技術者の人のツイートも注目ですね。いや まだAGIではないというこのツイートへの反論もみられます。
まったくの素人の私見ですが、現在のAIは確率的に挙動するシステムなので、AIの自律的発想を確率的におこなうようにすれば人間のように思いつく能力をもったAIがつくれるのではないでしょうか。それと数学の証明をAIで行うシステムが統合されれば、AGIができるような気がします(もうできている?)。

 

嗅覚の勉強に役立つ動画と、ノーベル賞受賞講演ライブの動画の紹介です。

今、私は線虫C. elegansの嗅覚の遺伝子を調べています。線虫には光を感じる神経もあるのですが、外界を認識する手段の多くは嗅覚にたよっているのです。ヒトの遺伝子とよく似た遺伝子もあるので、嗅覚の研究にはとても役立つモデル生物です。Google検索していると、臭覚あるいは嗅覚について勉強するのに最適の動画がでていたので紹介します。
東京大学理学部オープンキャンパス2024 講演「臭覚について語る」竹内春樹教授
https://youtu.be/8pa1q9KFFzw?si=G-1HzqqMWnzPbhY0

竹内先生の動画は今年の8月にも紹介しました。

東京大学が公開している、高校生以上向けの一般講演の動画を紹介します。

面白い講義なので是非ご覧になることをおすすめします。

あと今年のノーベル賞の受賞講演が公開され始めていますね。
2024 Nobel Prize lectures in chemistry | David Baker, Demis Hassabis and John Jumper
https://www.youtube.com/live/HnT1VWzdFWc?si=oyddWGbJS-a3X9g0

2024 Nobel Prize lectures in physiology or medicine | Victor Ambros and Gary Ruvkun
https://www.youtube.com/live/VQ9NZbPcTyA?si=jCXZenbeeORGkWfW

2024 Nobel Prize lectures in physics | John Hopfield and Geoffrey Hinton
https://www.youtube.com/live/lPIVl5eBPh8?si=3lMGYHy9egrAHtec

タンパク質の構造解析の化学賞、マイクロRNAの発見の医学生理学賞、AI関係の物理学賞など時間ができたら見てみたい動画ばかりです。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第20回)

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第20回) 紹介した本も200冊を越えました。最近みかけた本をリストしておきます。

205)アン・セイヤー [著] ほか『ロザリンド・フランクリンとDNA : ぬすまれた栄光』,草思社,1979.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12221585 (参照 2024-12-07) 有名な本です。最近のこんなYouTube動画も参考になります。

206)篠原兵庫 [著]『生命科学の先駆者 : ホプキンス,ワールブルク,サムナー』,講談社,1983.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12603282 (参照 2024-12-07) 以前紹介した丸山工作さんの本とはまた違った感じの伝記です。

207)アルフレッド・レーニイ 著 ほか『確率についての手紙』,講談社,1980.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622573 (参照 2024-12-07)

208)山川民夫 [著]『糖脂質物語』,講談社,1981.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12669438 (参照 2024-12-07)
世界の糖脂質研究をリードした山川民夫先生の本です。私が糖鎖生物学をはじめたとき最初に読んだ本です。開拓者の書かれた本ですので歴史的な用語もはいっているのでネット検索しながら読むと読みやすいです。

209)古沢岩美 絵『石川啄木ローマ字日記』,ノーベル書房,1982.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12485944 (参照 2024-12-07)

210)伊吹武彦 等訳『パスカル全集』第3巻,人文書院,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2998510 (参照 2024-12-07) 有名なパンセの完訳を含む巻です。
211)伊吹武彦 等訳『パスカル全集』第1巻,人文書院,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3034935 (参照 2024-12-07) これは以前記事中で紹介したパスカルの科学論文集です。高校生でも読めます。面白い本で高校の図書館で借りて夢中で読んだのを覚えています。
212)伊吹武彦 等訳『パスカル全集』第2巻,人文書院,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2998501 (参照 2024-12-07) これはプロヴァンシアル書簡という有名な論争を引き起こした文書を含む巻です。
213)西義之, 井上修一, 横谷文孝 訳『アインシュタイン・ボルン往復書簡集 : 1916-1955』,三修社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12286000 (参照 2024-12-07)
214)W.パウリ [著] ほか『物理と認識』,講談社,1975. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12609332 (参照 2024-12-07)

215)C.G.ユング [著] ほか『空飛ぶ円盤』,朝日出版社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12703843 (参照 2024-12-07)

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイト

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトや本について以前紹介しました。

数学を学ぶとき役立つ優良インターネットサイトと本の紹介です。

今日は追加の情報です。
最近は数検(数学検定)を小学生が受験して、なんと小学校4年生で一級合格という子もいるそうです。
今やインターネットでいろんな数学の情報が得られるし、WolframAlpha(https://www.wolframalpha.com/)などで数式の計算も手軽にできるので若い人の伸びは目をみはるものがあります。数検や統計検定を受験するのにも役立つサイトをいくつか紹介します。

上に引用した記事で「150 分で学ぶ高校数学の基礎」というスライドを紹介しました。
https://speakerdeck.com/e869120/150-fen-dexue-bugao-xiao-shu-xue-noji-chu

著者の米田 優峻さんは東大の四回生でこの記事を含む様々な記事次のサイトでアップロードされています。

https://speakerdeck.com/e869120
最近の記事では次のものが面白そうです。
「中学生でもわかる深層学習」
https://speakerdeck.com/e869120/zhong-xue-sheng-demowakarushen-ceng-xue-xi
米田さんのスライドで紹介されていた、次のサイトは統計学を学ぶのに役立つと思います。統計検定受験に役立つサイトとして有名です。
「統計学の時間」
https://bellcurve.jp/statistics/course/

また、佐久間正樹さんの本(『取扱注意! 高校数学を大学数学で解く「チート解法」』)で紹介されている次のサイトも大学数学を学ぶのに最適です。数検一級合格を目指すひとにもピッタリだと思います。
「数学の景色」
https://mathlandscape.com/

今年の生化学会年会の動画2本が公開されています。

私も会員である日本生化学会の今年の大会の講演の動画が二つ公開されているのでお知らせします。
日本語での講演動画なので、わからないところはメモして調べて見直すことも簡単です。テーマも面白そうなので一度ご覧ください。

日本生化学会はVimeoをつかっていてVimeoのチャンネルで無料視聴できます。
https://vimeo.com/channels/jbsoc

動画は次の2本です。埋め込みはできない設定になっている動画なので下のリンクをクリックして視聴してください。

第97回日本生化学会大会
~~プレナリーレクチャー1題~~
■一條 秀憲 氏(東京科学大学)
「細胞がストレスを感じる仕組みと疾患
~特異的な分子間結合による直線的シグナル伝達から多価的で緩やかな分子集合による
しなやかな細胞応答機構の理解へ~」https://vimeo.com/1029518216

~~柿内三郎記念賞受賞講演~~
■小松 雅明 氏(順天堂大学大学院医学研究科)
「選択的オートファジーの病態生理学的研究」
https://vimeo.com/1029507878

高解像度でスクリーンショットを撮る方法―Firefoxでのやり方

ブラウザで表示した画像を高解像度でスクリーンショットで保存し、印刷物に利用したい(論文の図に一部を使いたい場合など)ことがあります。今回はFirefoxのブラウザで、開発者ツール(Developer Tools)をつかってスクショする方法を簡単に紹介します。(Chormeでも同様にできます)
スクリーンキャプチャするには、ブラウザの機能拡張でスクショを撮るものがあって簡単そうですが、いくつかダウンロードして試したところなんとなくネットに情報を送信しているような気がして怖いのでやめにしました。今回紹介する方法は、ブラウザ自体の備え付けの方法ならその点は安心ですね。

やり方は以下のとおりです。ChatGPT の出力をもとに記載することにします。

Firefox Developer Tools を使用する

  1. Developer Tools を開く
    • Windows/Linux: Ctrl + Shift + I
    • Mac: Cmd + Opt + I
  2. レスポンシブデザインモードを有効化
    • 開いた開発者ツールの右上にあるデバイスアイコン(スマホとタブレットの形)をクリックするか、Ctrl + Shift + M(Macでは Cmd + Opt + M)を押します。
  3. 解像度の設定
    • 2.で有効化したレスポンシブデザインモードの画面上部に、解像度を入力するフィールドがあります。カメラのアイコンのある行の左のほうを見てください。一番左にキャプチャディバイスのエミュレーションモードのプルダウンがあります。スマホのGalaxyとかiphone, あるいはiPadなどが選べます。お好みのディバイスがこのリストにない場合は、プルダウンメニューの一番下にある「リストを編集」をクリックします。新しい画面が開いて、より多くの端末がリストアップされます。下のほうには、ノートPCとかテレビのディスプレイも選べるので、好きなものを選んでみてください。お好みのものがなければ右上にある、「カスタム端末を追加」をクリックして自分の好きな解像度(例: 1920×1080 や 3840×2160)を指定します。その際に解像度だけでなく、その右にある端末ピクセル比(DPR:Device Pixcel Ratio)を指定します。3とか4にするとキャプチャした画像を拡大してもなめらかで、印刷物に利用できるような高解像度の画像がキャプチャできます。はじめからあるディバイスモードでキャプチャして、拡大したらギザギザの画像になった場合などはDPRを設定しなおしてみてください。設定できないときはカスタム端末を追加でDPRを指定するのが簡単です。画像のサイズが大きくなるので、DPRを10とかにするのはお勧めしません。
  4. スクリーンショットを撮る
    • 画面右上の「カメラ」アイコンをクリックします。または、コンテキストメニュー(右クリック)から「スクリーンショットを撮る」を選びます。これでお好みの解像度と、DPRの画像が簡単にキャプチャできます。試してみてください。大変便利です。

宙(そら)わたる教室―NHKのドラマにはまっています!

NHK地上波でやっているドラマ、「宙(そら)わたる教室」を毎週楽しみにみています。今日が第9話で来週の第10話で終わるのですがどんな結末になるのか楽しみです。
NHKオンデマンドを契約すれば第1話から見ることができます。またAmazonのPrimeビデオでも第1話から見ることができるので、是非ご覧になることをおすすめします。NHK地上波で全話再放送されるといいですね‥‥。

科学者を描くドラマは、大きな影響力をもっています。
朝ドラで牧野富太郎が登場して以来、科学者に対する一般の方の見方が変わったと感じます。このドラマをみると、牧野の時代ではなくて現代の現役の科学者がどんな風に仕事をしているかがよくわかると思います。一般の方の科学者と科学に対する観方を一変するドラマに仕上がっています。 牧野富太郎の朝ドラとちがって、こちらは現代の科学者とともに科学の研究をする定時制高校生と全日制高校生たちの話で、JAXAも舞台になっています。現代の科学研究における研究予算の獲得の重要性もよくわかるようになっています。ドラマを見た人が多分反感をいだく石神教授のような科学者(政治家や官僚に研究の重要性を納得させてみんなの使える研究予算を獲得する科学者)も実は不可欠なのです。ドラマでは、科学研究の喜び、若者の進路選択、社会との葛藤などとてもうまく描かれているので是非ご覧ください。このドラマには原作小説があり、大阪の春日丘高校定時制科学部の研究が学会で賞を獲得して、JAXAのはやぶさ2プロジェクトとの共同研究に発展した実話に基づいているそうです。原作者のツイートをごらんになると面白いと思います。

https://x.com/iyohara_shin

 

木村資生博士 生誕100周年記念講演会の動画が公開されました。

11月16日に開催されて私がZoomで聴講した遺伝研の講演会の動画が公開されました。
五條堀先生や斎藤先生の動画からご覧になることをお薦めします。木村資生の本などについては末尾の記事を参考にしてください。

肌身で感じた木村資生の科学と人間性:五條堀 孝 名誉教授【遺伝研公開講演会2024】
https://youtu.be/3rvmrmL-Opk?si=7JImS9BVrVEG1AU2

ゲノム進化の根本「中立進化」を提唱した木村博士:斎藤 成也 名誉教授【遺伝研公開講演会2024】
https://youtu.be/7S86A9Bhjv4?si=-o9FNnLhRiGVYoLH

The secrets of Einstein’s unknown equation Q&A動画も公開されました。