AlphaFoldの解説動画―MRC LMBのBiophysical Techniques Course 2024を紹介します。

英国のMRC LMBで今年の1月30日から開催された生物物理学的研究手法入門コースがYouTubeで順次公開されています。
以下の再生リストから視聴できますので興味のあるものを探してみてください。
Biophysical Techniques Course 2024
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQbPquAyEw4d39XeoMFR1G9UlAr1t7Qoz
昨日公開されたAlphaFoldの解説動画を埋め込んでおきます。原理や使い方、多量体解析、実験例などが解説されています。
AlphaFold: Use and Applications – Sami Chaaban
https://youtu.be/yJKfn6rvHmg?si=OwF1FdMDZ-ua52x-

ChatGPT 4oの紹介動画と、MRC LMBの一般向け最新の発生学の動画が必見です。

Open AI のChatGPTで最新版が利用できるようになったそうです。無料版のユーザーもつかえるとのことです。私もさっそく試してみました。たしかに早いです。次の「中村祐太のプログラミング入門ナビ」チャンネルで今日公開されたYouTubeの動画がわかりやすい簡単な紹介なのでおすすめです。

OpenAIの最新生成AI「GPT-4o(ChatGPT 4o)」徹底レビュー 
https://youtu.be/OhhA9-vVw4E?si=WVnmfCJTcw3cVvji

科学の動画では、MRC分子生物学研究所の動画がおすすめです。科学者でない一般向け講演会というのが定期的に開催されていて、一番新しい動画がこちらです。
発生学の現況を知るのに最適の動画だと思います。発生生物学の知識を最新にするのに役立つ動画ですので是非ご覧ください。
Embryology 2.0: the beginnings of life in a dish by MartaShahbazi
MRC Laboratory of Molecular Biology
https://youtu.be/yJ0t-Qu77Bo?si=r4TGwj8tIsT5U1Ug

このシリーズSeminars for Non-Scientistsの動画一覧もこちらのプレイリストにありますので、好きな動画を選んで視るとよいでしょう。どれも興味深い動画です。
https://youtube.com/playlist?list=PLQbPquAyEw4cL38rgPGkUC46QJWngG–r&si=R60pZ2K-4r6V70gL

AI利用の倫理学―科学と医学でAIをどのように正しく使うべきかという問題提供の動画が公開されています(NIH videocast)

今日はNIH Videocastで公開されたAIの使用と倫理に関する動画を紹介します。
Demystifying Medicine — Artificial Intelligence in Scientific Publishing
有名な科学雑誌ScienceのEditor-in-ChiefのHolden ThorpさんによるNIHでの講演動画が最初の動画です。ChatGPT is fun, but not an authorというEditorialをScienceに書いたので有名な方です。このeditorialはPubMedにも入っていてこちらから読めます。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adg7879
これはScience journalsの最初の厳しいAIに対するスタンスを反映していましたが、去年の11月には緩和されています。
https://www.science.org/content/blog-post/change-policy-use-generative-ai-and-large-language-models
そのあたりの経緯も含めての講演動画です。
二番目の演者はVardit Ravitsky, Ph.D.です。彼女は生命倫理の専門家で、医療でのAIの利用倫理について講演してくれています。講演のあとの質疑応答が結構長いのでじっくりご覧になるとよいと思います。例によって動画はダウンロード可能、字幕もダウンロードできますし、字幕を表示して視聴することもできます。
 

ケンブリッジのオーロラと、量子コンピュータのやさしい解説動画について。

昨日は北海道や能登半島でオーロラがみられたようです。昔 私達が暮らしていた英国ケンブリッジ(Cambridge)でもきれいなオーロラがみられたというツイートをみつけました。

また暮らしてみたい街です。
さて、さっきYouTubeをみたら、「物理学者とティータイム」の新しい動画がアップロードされていました。LEOさんと夏生さんによる動画で、フランスのレストランの話からはじまって、ファラデーの大発見、そして量子コンピュータの話へと続きます。面白そうなので明日観たいと思っています。
https://www.youtube.com/live/TZRlfLePZ5U?si=Vb_y2WA29cD8DzHf

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第8回)自伝や伝記の紹介。

今日は北海道でオーロラが観測されましたね。ライブの動画でみました。太陽活動が活発です。
さて、先日の最終回の後、いくつか面白い本をみつけたので追加しておきます。すべて本日 5/11の参照日です。
80) バーネット 著 ほか『変わりゆくパターン : バーネット自伝』,東京図書,1978.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12223111 (参照 2024-05-11)
免疫学者でノーベル賞受賞者のバーネットの自伝です。
81) 小平邦彦 著『ボクは算数しか出来なかった : 小平邦彦・私の履歴書』,日経サイエンス社,1987.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12226884
数学分野のノーベル賞といわれるフィールズ賞受賞者の小平邦彦さんの自伝です。
82) 同じくフィールズ賞受賞者の広中平祐さんの発想法についての本です。
広中平祐 著『「可変思考」で創造しよう : 頭にカツを入れる超発想法』,光文社,1987.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12675364
83) 波動力学の創始者シュレーディンガーの自伝も読めます。
シュレーディンガー [著] ほか『わが世界観 : 自伝』,共立出版,1987.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12262622
84) 近代物理化学の開拓者の一人、ノーベル賞受賞者のオストワルドの伝記(全三巻)の第一巻の翻訳も読めます。
都築洋次郎 訳『オストワルド自伝』,東京図書,1979.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12224395
85) 物理学のくりこみ理論の研究で4人目でノーベル賞を逸したフリーマン・ダイソンの自伝が読めます。朝永振一郎の論文のあたえた衝撃についても触れられています。
F.ダイソン 著 ほか『宇宙をかき乱すべきか : ダイソン自伝』,ダイヤモンド社,1982.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12284384
86) 科学哲学で有名なポパーの自伝も読めます。
K.ポパー 著 ほか『果てしなき探求-知的自伝』,岩波書店,1978.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12213565
87) 読みやすい数学者の伝記もあります。
小堀憲 著『大数学者』,新潮社,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12608863
88) マヨラナ・ニュートリノで有名な物理学者の失踪を扱った本も面白そうです。
レオナルド・シャーシャ 著 ほか『マヨラナの失踪 : 消えた若き天才物理学者の謎』,出帆社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12579162
89) 西尾成子 編『アインシュタイン研究』,中央公論社,1977.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592498 
90) α崩壊の量子トンネル効果による説明、遺伝暗号の解読やビッグバン理論などで有名なガモフ、ガモフ全集のガモフの65歳の誕生祝に企画されたエッセイ集ですが、誕生日より前に彼が死去したため追悼エッセイ集になったいわくつきの本の翻訳もあります。
フレデリック・ライネス 編 ほか『ジョージ・ガモフ : その業績と思い出』,共立出版社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12609431

いかにして問題を解くか―斬新な問題の解き方の本がでています。

今日は面白い数学の本を紹介します。

『掟破りの数学
―手強い問題の解き方教えます―』(共立出版)

著者 Sanjoy Mahajan 著・ 柳谷 晃 監訳・ 穴田 浩一 訳・ 柳谷 晃 訳
https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10003601.html

問題の解き方については、ポリアの本が有名で、企業戦士にもHow to Solve Itの訳本は広く読まれています。この本は、ポリアの問題の解き方の対極の本で、問題の解答を見積もって実用的に解く (証明やきっちりとした計算なしで問題を解く方法を教える)というポリシーで書かれています。イプシロン・デルタなどはでてこない問題の解き方の本で、とても面白い本なので是非読まれることをおすすめします。
実は英語版原書は無料でダウンロードして読むことができます。Street-Fighting MathematicsというMITのOpen Course Wareにある講義のテキストです。
https://ocw.mit.edu/courses/18-098-street-fighting-mathematics-january-iap-2008/
こちらのページ
https://ocw.mit.edu/courses/18-098-street-fighting-mathematics-january-iap-2008/pages/readings/
から各章ごとに読むことができます。一冊まるごとダウンロードするリンクはDropboxにつながるのですが、リンクが」きれているようでダウンロードできません。このページの右下にあるDownload Courseのボタンをクリックしてzipファイルをダウンロードし、解凍してできたフォルダからstatic_resourcesというフォルダを探してください。その中にあるe2bbace1ae225030091624bd8150e0e3_sf_math.pdfが、この講義のテキストです。
この講義で参考文献として紹介されているポリアの本は、日本語版が国立国会図書館デジタルコレクションで読めます。

Pólya, George. Mathematics and Plausible Reasoning. 2 vols. Princeton, NJ: Princeton University Press, 1990. ISBN: 9780691025094 (v. 1) and 9780691025100 (v. 2).

ポリア 著 ほか『数学における発見はいかになされるか』第1 (帰納と類比),丸善,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1373774
ポリア 著 ほか『数学における発見はいかになされるか』第2 (発見的推論-そのパターン),丸善,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2421634

AlphaFold3が登場しましたね!創薬にもすぐ応用できる革命的進歩のようです。

タンパク質の立体構造予測に革命をもたらしたAlphaFold2のバージョンアップ版、AlphaFold3が公開されました。

AlphaFoldサーバーのよくある質問のコーナーによると(https://golgi.sandbox.google.com/faq
蛋白質だけでなく、DNAやRNA(およびそれらのメチル化やformyl化その他の修飾を受けたものもOKです)、様々なリガンド(ATP, ADP, AMP, GTP, GDP, FAD, NADP, NADPH, NDP, heme, heme C, myristic acid, oleic acid, palmitic acid, citric acid, chlorophylls A and B, bacteriochlorophylls A and B)、イオン、様々な翻訳後修飾(リン酸化やアセチル化、メチル化、マロニル化、グリカン付加その他)を複数含む構造さえも予測できるそうです。複合体の立体構造予測性能も格段にアップした模様です。

Gigazineのこちらの記事が日本語で読みやすいと思います。
『Google DeepMindがすべての生命分子の構造と相互作用をきわめて正確に予測できるAIモデル「AlphaFold 3」を発表』https://gigazine.net/news/20240509-google-deepmind-alphafold-3/

Natureに昨日公開されたアクセプトされた論文原稿はこちらのリンクから読めます。
https://www.nature.com/articles/s41586-024-07487-w

Google Deep Mindのブログがわかりやすく紹介してくれています。テイラーメイドの創薬も可能になると思われる、革命的な進歩だと思われます。https://blog.google/technology/ai/google-deepmind-isomorphic-alphafold-3-ai-model/#alphafold-server

無料で使えるAlphaFold3 serverのデモの動画も用意されています。サーバーを使うには、所属機関名とGoogle アカウントが必要です。
AlphaFold Server Demo – Google DeepMind

私もちょっとログインしてみましたが使い方は簡単そうでした。上の動画などをみてから使ってみようと思います。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第7回最終回)―日本のSF小説やロシアの歴史小説、そして微分方程式の面白い解説本を紹介します。

国立国会図書館デジタルコレクションでオンラインで読める本の紹介の最終回です。今後も、適宜面白そうな本に気づいたら紹介していくことにします。

今日は分野に限らず、面白そうな本を紹介します。
まず日本のSF小説です。システムダイナミクスの研究者の小玉陽一さんがペンネームで書かれたSF小説だったと思います。
私は最初の二冊を読んだことがあります。新鮮な切り口のよい作品でした。
72) クライン・ユーベルシュタイン 著『緑の石』,ダイヤモンド社,1977.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12498917
73) クライン・ユーベルシュタイン 著『青い紐』,ダイヤモンド社,1978.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12498987
74) クライン・ユーベルシュタイン 著『白い影 : SF』,日刊工業新聞社,1979.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12499086

有名な『知的生産の技術』という本(岩波新書、残念ながらコレクションに入っていませんが、詳細検索でタイトル検索窓に、「知的生産」といれて検索すると、関連書籍が多数ヒットします)に登場するレオナルド・ダビンチの手帳、梅棹 忠夫さんがレオナルドの手帳について初めて」知ったという、ダビンチの一生を描いた小説『神々の復活』は前に紹介しました。
今回のデジタルコレクションの収録作品にこの小説の新訳版が入っているかもと期待したのですが、ありませんでした。しかし古い岩波文庫版(全4冊)はあるので読むことができます。
74) メレジュコーフスキイ 作 ほか『神々の復活 : レオナルド・ダ・ヴィンチ』一,岩波書店,昭和30 7刷. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1692629
この作品は、三部作の第2作で、第一作と第三作は個人送信サービスで読むことができます。

75) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフスキイ 著 ほか『背教者ユリアヌス : 神々の死』,河出書房新社,1986.9.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576130
76) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフキスイ 著 ほか『ピョートル大帝 : 反キリスト』上,河出書房新社,1987.4..
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576134
77) ドミートリイ・セルゲーエヴィチ・メレシコーフキスイ 著 ほか『ピョートル大帝 : 反キリスト』下,河出書房新社,1987.4..
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12576133

微分方程式の応用や超関数の入門など多彩な話題を扱っている面白い本が読めるのを知りました。これは数学セミナーで連載されていたときに読んだ覚えがあります。フェルメールの偽作者のエピソードや感染症の流行の解析、核戦争などの軍事解析その他とても面白い本ですので是非読まれることをお薦めします。

78) 佐藤総夫 著『自然の数理と社会の数理 : 微分方程式で解析する』1,日本評論社,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622856
79) 佐藤総夫 著『自然の数理と社会の数理 : 微分方程式で解析する』2,日本評論社,1987.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622858

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第6回)モノーや岡潔の著作、The Elements of Style 2nd edの日本語訳、英文法事典など。

今日は国立国会図書館のデジタルコレクションの紹介は数冊にします。

67) ジャック・モノー 著 ほか『偶然と必然 : 現代生物学の思想的な問いかけ』,みすず書房,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12602998
The Elements of Styleは、英語論文を書こうとする人の必読文献として推薦されることが多い短い本です。インターネット検索で、この本をダウンロードするのを九大時代の講義で検索の練習課題にしていたこともあります。この本の害悪を説く英語学者もいますが、1972年版の第二版のThe Elements of Styleの日本語訳(原著者からの助言を得ながらの翻訳版)は読んでおいても損はないと思います。

68) ウィリアム・ストランク, Jr. 原著 ほか『英語文章読本』,荒竹出版,1979.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12581397

デジタルコレクションの詳細検索で、タイトルに事典を含むものを検索していたら次の英文法の本がヒットしました。参考書になりそうです。
69) 安井稔 編『例解現代英文法事典』,大修館書店,1987.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12580872

岡潔の著作も数点追加されています。
70) 岡潔 著『神々の花園』,講談社,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12408618
71) 岡潔 著『心といのち』,大和出版,1984.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12411403

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第5回)渡辺慧・柴谷篤弘・堀淳一の教科書やエッセイも読めます。

国立国会図書館デジタルコレクションの5月初日のアップグレードで、昔の本を探すときには古本を探すよりも、まず第一に個人送信資料で読めるかどうかをチェックすべきという時代になりました。無料で多くの本が参照できるのは本当にありがたいことです。たとえば以前紹介した(文末に英語版について書いた記事を再録しました)渡辺慧さんの『知識と推測』上下二冊は、今Amazonで中古本を買うとすると合計24494円しますが、デジタルコレクションでは以下のアドレスで無料で読むことができます。
54) 渡辺慧 著 ほか『知識と推測 : 科学的認識論』上,東京図書,1987.9.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12628984
55) 渡辺慧 著 ほか『知識と推測 : 科学的認識論』下,東京図書,1987.9.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12628985

渡辺慧先生は、世界的に有名な日本の物理学者でハワイ大学教授でしたがド・ブロイのところに留学しておられたこともあります。Wikipediaのリンクをあげておきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E6%85%A7

渡辺先生の本もいろいろ読めますが、先日紹介した『時間と人間』のほか、以下の本がわかりやすいと思います。
56) 渡辺慧 著『時間の歴史 : 物理学を貫くもの』,東京図書,1987.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621964
57) 渡辺慧 著『生命と自由』,岩波書店,1980.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604371

昨日は最後に今西進化論と正統派進化論の本を紹介しました。次の本は岡田節人先生がとても喜んで読んでおられた本です。獲得形質の遺伝を証明したという実験で有名なカンメラーという科学者のお話です。アーサー・ケストラーの有名な本の一つです。
58) アーサー・ケストラー 著 ほか『サンバガエルの謎 : 獲得形質は遺伝するか』,サイマル出版会,1984.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12224136

柴谷篤弘さんの本で紹介していなかったもので読みやすそうなものを紹介しておきます。他にも『反科学論』をはじめとするいろんな本が読めるので探してみてください。
59) 柴谷篤弘, 藤岡喜愛 著『分子から精神へ : 紋様形成と酔能』,朝日出版社,1980.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604762
60) 柴谷篤弘 著『発生現象の細胞社会学 : 紋様形式の理論』,講談社,1979.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604931
これ(60)は1979年当時までの理論生物学のよくまとまった教科書です。

最後に、読みやすい科学関連の読み物と物理数学と確率論の教科書を紹介します。
61)  G.ステント 著 ほか『<真理>と悟り : 科学の形而上学と東洋哲学』,朝日出版社,1981.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12590154
62) 砂川重信 著『新物理学対話 : 現代物理学入門』,河出書房新社,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12609060
63) 白上謙一 著『生物学と方法 : 発生細胞学とはなにか』,河出書房新社,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604905
64) 堀淳一 著『物理数学』第1,共立出版,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621968
65) 堀淳一 著『物理数学』第2,共立出版,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621967
堀先生は地図の愛好家で有名で数々の地図についての本もデジタルコレクションに入っています。この物理数学の本は、線形代数的扱いを基本に搖動散逸定理や量子力学に使われる物理数学を解説したもので、堀先生のランジュバン方程式の本の理解にも役立つと思われます。
確率論の教科書としては、超有名なフェラーの本も読めるようになっています。
66) W.フェラー 著 ほか『確率論とその応用』[第1] 上,紀伊国屋書店,1960. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1378045


以下は以前の固定ページの毎日更新記事からの再録です。
2022/7/8
今日はInternet Archiveから本を一冊を紹介します。 Internet Archiveにアカウントをもっている人は簡単に一時間貸出で読むことができます(アカウントは無料で取得できます)。ただ貸出は普通の図書館と同じで、一冊の本を複数の人が同時に借りることはできません。ですから、貸出できないこともあると思います。そういう時は時間をおいてから貸出するとよいでしょう。 以下は私の貸し出しの例を紹介します。手元に有名な物理学者だった渡辺慧先生の「知識と推測―科学的認識論―(村上陽一郎、丹治信春 訳で全4巻)」の第一巻があります。残りの本を買おうか買うまいかと迷っているうちに、もう古書でしか入手できなくなっていました。私の持っている本は、四分冊で一冊1500円でしたが、古書は上下二巻の新装版で一冊11000円、合計22000円の値段がついています。渡辺先生はハワイ大学教授だったのでこの翻訳本の原書は 英語で出版されています。Knowing and guessing; a quantitative study of inference and informationという本です。Internet Archiveで検索してみるとBooks to Borrowになっていて、ネットで借りることができるのがわかりました。 https://archive.org/details/knowingguessingq0000wata/page/n9/mode/2up
上は貸出して本を開いたところです。全画面表示でみています。これなら無料で読めるので、内容を知らずにやみくもに日本語訳の古本を注文する前に一度読んでみることができます。さっそく借りて残りの部分をみてみましたが、結構難しい本だとわかりました。目次はこんな感じです。

この本は情報理論と推測、量子論理などをあつかっています。翻訳本は大学図書館などにあるかもしれませんので、英語の本をみて読みたいかたは、借りてみるとよいでしょう。明日はもう少しやさしい本を紹介します。