生成AIを使うときのプロンプトの作り方に関する論文が役立ちそうです。

生成AIのトップラボの研究者(OpenAIを含む)によるこんな論文 (プレプリント)がでています。

The Prompt Report: A Systematic Survey of Prompting Techniques
https://arxiv.org/abs/2406.06608
プロンプトエンジニアリングでよく使われる専門語の解説や、テキストだけのプロンプトの作り方、プロンプトにテキスト以外に、画像や音声、動画などを含める場合があることなどもちゃんと説明してくれています。プロンプトの例もいろいろのっているので、生成AIを使うとき、どんなプロンプトを使うとよいのかの指針となると思います。この論文のサイトはこちら。https://trigaten.github.io/Prompt_Survey_Site/
論文で使われているコードが載っているのはこちらです。再現可能性に配慮してある論文ですね。
https://github.com/trigaten/Prompt_Systematic_Review

動画ではこんなのがありましたので紹介しておきます。英語ですが字幕をだしてご覧になると役立つと思います。OpenAIのチャンネルにある動画です。
A Survey of Techniques for Maximizing LLM Performance
生成AIのパフォーマンスを最大限引き出すためのテクニックについての動画です。プロンプトエンジニアリング、RAG、ファインチューニングについて解説してくれています。
https://youtu.be/ahnGLM-RC1Y?si=elJNkld6Q2_GaBQd

東京大学の立川裕二先生(カブリ数物連携宇宙研究機構教授)のサイトや動画を紹介します。

今日は東京大学の物理学者、立川裕二先生のサイトを紹介します。先生の動画は以前 弦理論についての動画を紹介したことがあります。
弦理論って何だろう という動画がでています‥‥

立川先生は最近、日本評論社からでている雑誌「数学セミナー」の4月号から、「場の量子論の数学をめぐって」という連載を執筆されています。私など場の量子論などまったく勉強したことのないものでも、場の量子論の数学の全体像がわかるように書かれている勉強の道しるべになるような連載です。毎回楽しみに読ませてもらっています。

次の先生のサイトのトップページをご覧ください。
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/
講義資料や無料で読める本、日本語による解説記事その他の盛りだくさんの内容がつめこまれています。ご覧になるとどなたにも参考になる資料があると思います。
以前紹介した動画へのリンクも載っています。
「弦理論って何だろう」 動画のスライドもダウンロードできます。
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/transp/intro2015-copyrightissues-cleared.pdf
https://youtu.be/lFL7YY3R0Lo?si=s-Cmza-BA2X5xrCS
この動画のダウンロードリンク付きページはこちらです。
https://youchu.be/watch?v=lFL7YY3R0Lo&si=l3wDApG4zwPYeeDD

こちらからは講演の動画やpdfをみることができます。
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/transp-videos.html

こんな動画もあって、とても面白かったです。
理論物理から新しい数学をとりだすということ
https://youtu.be/XngWavWK91g?si=-xM34bDH4RbdnX5n

最後は、「弦理論って何だろう」の動画中で紹介されている外村彰先生の電子の波動性を確認できる実験の動画です。ノーベル賞をとられるはずの業績でしたが早くになくなられたのが悔やまれる先生です。
One electron double slit experiment by Akira Tonomura
https://youtu.be/jvO0P5-SMxk?si=OLI_MpVyd36Jg9W9
外村彰先生の紹介動画のリンクも貼っておきます。

https://youtu.be/lp1xgTCLNe0?si=sEOwhRv8m1VF50eG
https://youtu.be/fPF7X8m0SFY?si=XjNKVijTsxJ3mAR6

NIH videocastで最近公開された機械学習入門の動画、統計解析の動画(メタアナリシスとロジスティック回帰分析)の紹介です。

今日はNIH videocastの機械学習、統計関係の動画を紹介します。
まず、機械学習の動画です。
Machine Learning
https://videocast.nih.gov/watch=54741

Friday, June 14, 2024, 12:00:00 PM
内容紹介:Machine learning is a useful tool for discovery and pattern recognition. In this lecture, I will introduce basic concepts of supervised and unsupervised learning, describe some common learning methods, and provide illustrative examples.
Author: Ken Cheung, PhD

次は、生命科学でよく用いられるメタアナリシスの入門動画です。
Meta Analysis    メタアナリシス
内容紹介: Meta-analysis a subset of systematic reviews; is a method for systematically combining pertinent qualitative and quantitative study data from several selected studies to develop a single conclusion that has greater statistical power. The objective of our presentation is to provide a brief overview of meta-analysis methodology. At the end of the brief presentation the participants will have a general understanding of the four basic steps required for a good meta-analysis.
Author: Henry Roberts, PhD

https://videocast.nih.gov/watch=54739

次は同じく統計解析のロジスティック回帰分析の入門動画です。
Logistic Regression Analysis
内容紹介:In this lecture, I will present how to perform logistic regression analysis and Receiver Operating Characteristic (ROC) curve analysis including the model evaluation and results interpretation.
Author: Tianxia Wu, PhD
https://videocast.nih.gov/watch=54737

国立国会図書館のデジタルサーチを試してみましょう!

今日は国立国会図書館のデジタルサーチの使い方の紹介です。

こちらに全文検索のやりかたが詳しく書いてあるので参考にしてください。
全文検索を活用するには https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/plan/post_987
ただ、ここに書いてある説明は詳しいのですがわかりにくいです。手っ取り早く全文検索をつかってみるには、まずこちらを試してみてください。
国立国会図書館サーチ https://ndlsearch.ndl.go.jp/
検索窓(検索キーワードを入力と書いてある部分)の下に、「国立国会図書館、全国の図書館、インターネットで閲覧できるものに絞る」の三つのチェックボックスがあるので、希望に応じてチェックします。とりあえずは、国立国会図書館と、インターネットで閲覧できるものに絞るの二つをチェックして試してみましょう。

キーワードにはノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎先生の名前、朝永振一郎といれてみます。検索すると、
伊藤大介 編著『追想朝永振一郎』,中央公論社,1981.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12225593 (参照 2024-06-18)
松井巻之助 編『回想の朝永振一郎』,みすず書房,1980.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12194005 (参照 2024-06-18)
朝永振一郎 著『科学と科学者』,みすず書房,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1383069 (参照 2024-06-18)
などオンラインで閲覧できる多数の本がヒットします。

科学に限らず、文学でも歴史でも、どんな分野の本でもキーワード検索できるので、いろいろ試して遊んでみてください。
遊んで使い方を覚えるのが一番手っ取り早く上達する道です。

NIH videocastの動画二本をおすすめします。

九州北部も梅雨入りしたそうです。夕方から雨がしっかり降りだしました。庭のきれいに咲いていたポピーも雨に濡れています。
さて今夜は、NIHのvideocastの最新の動画でおすすめのものを二本紹介します。
まず最初はこちらです。
Single Cell and Spatial Seminar: “Single Cell and Spatial Technologies: Applications to Disease”
https://videocast.nih.gov/watch=54900
演者についてのNIHの紹介を引用します。
Dr. Jasmine Plummer is a faculty member and the Director of St. Jude Children’s Research Hospital Center for Spatial OMICs. Research interests include single cell systems biology, spatial genomics and proteomics, disease pathogenesis from cells of origin, and genomics technology development.

In this seminar, Dr. Plummer will highlight the advancements in single cell and spatial technologies and their applications to better understand health and disease.

彼女の提唱しているSpatial OMICs のアプローチを含めて、一細胞レベルでの解析技術について全貌がわかる解説があるので是非ご覧ください。
もちろん、スクリプトや動画の高解像度でのダウンロードもできますので利用してじっくり勉強することができるのでお試しください。

もう一本はこちらです。
Membrane fusion and budding: transformations, biomechanics and functions
https://videocast.nih.gov/watch=54904
Ling-Gang Wu, M.D., Ph.D.はNIHでラボを主催している有名な研究者です。exocytosisやendocytosisなど膜のダイナミックな変化を神経細胞を中心に研究している人です。ミリ秒スケールの膜のダイナミックな変化を最新の顕微鏡技術による可視化で研究しています。彼の話は大変面白く聴いて役立つ内容だと思います。是非ご覧ください。

AI について中高生向け東大工学部ライブ配信が面白そうです。物理学者とティータイムの最新動画もおすすめです。

梅雨はまだはじまらず、毎日暑い天気が続いています。近所のお家の庭にはどこもきれいに紫陽花が咲いていて季節を感じさせます。写真は我が家に今 咲いているアジサイです。

今日午後YouTubeを開くと、おすすめの動画に
東京大学メタバース工学部ジュニア講座「東大工学部×QuizKnock AIが好きになっちゃう放課後 ~AIと人間が新しい世界をつくる~」
というライブ配信がでていました。これは主に中学生・高校生向けに今日東京大学安田講堂で開催されたイベントのライブ配信でした。
1000人ほどの生徒さんたちが現地参加して、オンラインのライブ配信と同時並行で実施されました。内容は以下のサイトをご覧ください。
https://www.meta-school.t.u-tokyo.ac.jp/junior/24sqk/
また、アーカイブ配信も以下でみられます。ちらちらとみたところ大変わかりやすく楽しいイベントだったと思います。
時間ができたときにアーカイブをじっくり見てみたいと思っています。
https://www.youtube.com/live/Z38Db77XWQg?si=3CvnS-ByJ9TrMvqP

NIHのビデオを紹介しようかと思いましたが、今日は日本語の動画の紹介にしておきます。
物理学者とティータイムの最新動画です。

物理学者にとって羊は点?トポロジーと機械学習。
https://youtu.be/sZZvfU5AHVU?si=3ODdiqWbmdzWJBt8

日本の大学の講義や講義資料―今日は生化学の講義とベイズ統計の講義資料を紹介します。

時々 日本の大学の講義動画や講義資料を紹介しています。今日は生化学の講義の動画とベイズ統計の講義資料を紹介します。

生化学講義2024年度
(公財)東京都医学総合研究所 基盤技術支援センター 主席研究員 の平林哲也先生の生化学の講義です。今年の講義で現在第9回まですすんでいます。平林先生は「生体内の機能性脂質(脂肪酸、中性脂質、リン脂質、セラミドなど)とそれらの代謝酵素の生理的・病理的役割、および酵素活性制御メカニズムを、細胞や遺伝子改変マウスを用いて研究しています。」(https://researchmap.jp/thirabay)とのことで、新進気鋭の専門家による学部生むけのやさしい生化学の講義です。生化学をちゃんと学んだことがない方には絶好の講義だと思います。是非聴講してみてください。https://youtu.be/CR_pRbuLyxA?si=aUvBAQ0GyIVwVsfP

もう一つは神戸大学大学院 経営学研究科 分寺杏介(ぶんじ きょうすけ)先生によるベイズ統計の講義資料です。
ダウンロードできますし、現在第8回までの資料がアップロードされています。大変とっつきやすい講義だと思います。
統計的方法論特殊研究(ベイズ統計)という講義で、大学院向けになっていますが統計初心者にもわかる講義資料です。初心者向けに講義がすすんでおり、stanでのベイズ統計の実践まで講義されるとのことで、楽しみです。
今はベイズ推論が終わって、MCMC法の講義まですすんでいます。MCMCというのは、マルコフ連鎖モンテカルロ法です。
https://www2.kobe-u.ac.jp/~bunji/resource.html

大数学者ポリアの書いた問題の解き方の本でネットで読めるものをまとめてみました。

ポリアのHow to Solve it!(日本語訳のタイトルは「いかにして問題をとくか」)という有名な問題解決法の本をこのブログでは何度も紹介してきました。さっきYouTubeのサイトの「最近アップロードされた動画」にヨビノリさんのこの本の紹介動画が推薦されていたので皆さんにも紹介します。有名な数学者が自分が実行している問題のときかたを披露するという意味もある本なので、おすすめの本です。

【いかにして問題をとくか】超ロングセラー本を解説します【未知の問題に出会ったら?】予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
https://youtu.be/sC5miUc1MgQ?si=eJjCf4wVoD5tYn2C

この機会に、現在ネットで無料でよめるポリアの本(日本語、英語)のリンクをまとめておきます。このブログで紹介したものが多いですが、Internet Archiveのライブラリから除去されて読めなくなっている本は除いて、今読める本だけを紹介しておきます。

まず日本語の本です。

Pólya, George. Mathematics and Plausible Reasoning. 2 vols. Princeton, NJ: Princeton University Press, 1990. ISBN: 9780691025094 (v. 1) and 9780691025100 (v. 2).の翻訳本です。

ポリア 著 ほか『数学における発見はいかになされるか』第1 (帰納と類比),丸善,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1373774
ポリア 著 ほか『数学における発見はいかになされるか』第2 (発見的推論-そのパターン),丸善,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2421634

英語でよめる本は以下のものがあります。どれもダウンロードも可能です。

MATHEMATICAL DISCOVERY
On understanding, learning and teaching problem solving
(Combined Edition) by George Polya (Professor Emeritus of Mathematics,Stanford University)
https://archive.org/details/GeorgePolyaMathematicalDiscovery
これは邦訳もある本で、とても読みやすくておすすめです。上の邦訳がある二冊より格段にやさしい内容です。

次の本は、高校生、非専門家の一般人向け数学啓蒙書シリーズNew Mathematical Library の一冊です。このシリーズの翻訳はSMSG新数学双書として日本でも出版されましたが、第26巻である本書の邦訳はないと思います。多分一番やさしい問題解決法の本です。
Mathematical Methods in Science by George Pólya Edited by Leon Bowden
https://archive.org/details/MATHMETODSSCIENCE/mode/2up

次の二冊は、最初に紹介した日本語でよめる本の原書です。
Induction And Analogy In Mathematics; Volume I of Mathematics and Plausible Reasoning; By George Polya
https://archive.org/details/Induction_And_Analogy_In_Mathematics_1_/page/n9/mode/2up
Patterns of Plausible Inference; Volume II of Mathematics and Plausible Reasoning; By George Polya
https://archive.org/details/Patterns_Of_Plausible_Inference_2_/page/n11/mode/2up

こちらはポリアの書いたスタンフォード大学での数学問題集―ポリアによるヒントと解答付。
The Stanford Mathematics Problem Book by George Pólya
https://archive.org/details/TheStanfordMathematicsProblemBook

熱力学の第二法則が誕生してから今年で200年。カルノー・サイクルについて学びましょう。

熱力学の第二法則が、フランスのサヂ・カルノー(Sadi Carnot)の業績をもとに導かれたのは有名です。今年2024年はカルノーの画期的な論文、「火の動力についての考察」が発表されてちょうど200年にあたります。母国フランスでは熱力学の第二法則誕生200年祭が開催されるようです。
https://carnot-legacy.sciencesconf.org/
https://carnotlille2024.sciencesconf.org/
カルノー・サイクルについては皆さんも習ったことがあるのではないでしょうか。
YouTubeにも解説動画がいろいろあります。
【カルノーサイクル】熱と仕事
https://youtu.be/x_Zc7_3Yuq4?si=wqKgk8W5NILkAUV2

今から200年前ってどんな世界だったのでしょうか。
情報の歴史21という本で調べてみました。
1824年はベートーベンの交響曲第九がウイーンで初演され、シーボルトは日本で鳴滝塾を開きました。アーベルが5次の代数方程式の一般解が存在しないことを証明、ベッセルによってベッセル関数が提示されたのもこの年です。1823年にはファラデーが気体の液化に成功、バベッジの階差機関の試作が始まりイギリスでのラグビー発祥も1823年だそうです。1822年には間宮林蔵の蝦夷全図が完成、シューベルトの未完成交響楽もこの年に発表されています。ニエプスの写真術の発表もこの年です。シャンポリオンの象形文字の解読の年であり射影幾何学の登場した年でもあります。そしてその前年、1821年には伊能忠敬の弟子たちによって日本地図が完成しています。

200年でものすごく世界は発展したのがわかりますね。
カルノーの著作の翻訳は、カルノー・熱機関の研究(広重徹訳、解説:みすず書房)として現在も入手することができます。
英語版ではInternetArchiveからダウンロード可能です。
Reflections on the motive power of heat [microform] : and on machines fitted to develop that power
by Carnot, Sadi, 1796-1832
https://archive.org/details/reflectionsonmot00carnrich/page/n17/mode/2up

 

脳の統合情報理論の最新動画や、意識の量子生物学の動画がアップロードされていたので紹介します。

量子生物学と意識の理論ついての動画をみつけたので紹介します。

トノーニの統合情報理論に関する研究会(April 22, 2024)の動画はこちらです。
SYMPOSIUM – TSC 2024 – INTEGRATED INFORMATION THEORY OF CONSCIOUSNESS
https://youtu.be/UY8JFRoufZA?si=TPRVxs50uckEuAsk

TSCというのは、The Science of Consciousness (TSC) の略で、1994年以来 30年にわたり毎年開催されている意識に関する研究会だそうです。この動画での講演者は意識の科学での有名人、 Crickとの共同研究で有名なChristof Koch (Allen Institute, Tiny Blue Dot Foundation, Seattle)や、Giulio Tononiと共同研究者のMelanie Boly & Matteo Grasso (U Wisconsin)です。

またこの研究会では意識の量子生物学のワークショップも開催されていて、動画がアップロードされています。
最近、微小管のトリプトファンネットワークで量子効果が確認されて話題となりましたが、その研究を含めて微小管と意識の関連、生物から発せられているフォトンの研究など面白い話題満載のワークショップです。参考文献などもスライドで紹介されているので役立ちます。
WORKSHOP #1 – TSC – QUANTUM BIOLOGY
https://youtu.be/G1agl619Cc0?si=-3zhEHvW2Fnc0_GW